特許第5793587号(P5793587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793587
(24)【登録日】2015年8月14日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】広告提供システム及び広告提供管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150928BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20150928BHJP
   G09F 27/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   G09F19/00 Z
   G09F27/00 G
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-21649(P2014-21649)
(22)【出願日】2014年2月6日
(62)【分割の表示】特願2010-247366(P2010-247366)の分割
【原出願日】2010年11月4日
(65)【公開番号】特開2014-96184(P2014-96184A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2014年2月6日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴幸
【審査官】 長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−258989(JP,A)
【文献】 特開2003−302923(JP,A)
【文献】 特開2002−197522(JP,A)
【文献】 特開2001−313927(JP,A)
【文献】 特開2003−067290(JP,A)
【文献】 特開平09−116812(JP,A)
【文献】 特開2010−128694(JP,A)
【文献】 特開2010−117633(JP,A)
【文献】 特開2008−181334(JP,A)
【文献】 特開2003−111049(JP,A)
【文献】 中村 伊知哉 外1名,デジタルサイネージ革命,日本,朝日新聞出版,2009年 6月30日,第1版,p.105-108
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/02
G09F 19/00
G09F 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者に対して広告を提供する広告提供装置と、広告コンテンツと前記広告コンテンツの特徴を表す属性条件を有するコンテンツ情報とを所定の記憶領域に保持するコンテンツDBと、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件を有する端末情報を所定の記憶領域に保持する端末DBと、前記広告提供装置への前記広告コンテンツの配信を制御する広告提供管理装置と、が、ネットワークを介して接続される広告提供システムであって、
前記広告提供管理装置が、
前記コンテンツ情報と前記端末情報とで共通する情報項目の項目値同士をマッチングし、マッチング結果に基づき、前記コンテンツDBに保持される前記広告コンテンツの中から、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツを抽出する抽出手段と、
前記広告コンテンツの抽出結果に基づき、前記広告コンテンツの再生順が定義された広告提供スケジュールを生成する生成手段と、
前記広告提供スケジュールの変更の指示の有無により、前記広告提供装置の設置主から確認を受ける確認手段と
を有し、
前記広告提供スケジュールの実行により、前記広告提供装置に前記広告コンテンツを配信し、
前記端末情報は、少なくとも前記広告提供装置の来客数又は顧客属性の何れかを含み、
前記抽出手段は、広告主から依頼された来客数又は顧客属性を有する広告提供装置に対して配信する広告コンテンツを抽出し、
前記生成手段は、設定されたコンテンツ数の調整基準に基づき、前記抽出手段により抽出された広告コンテンツのうち、前記マッチングにより項目値同士が一致した情報項目の数が少ない広告コンテンツを削除することで、前記広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整し、前記非広告コンテンツの後に前記広告コンテンツが再生されるように前記広告提供スケジュールを生成すること、
を特徴とする広告提供システム。
【請求項2】
前記生成手段は、
設定された提供不許可条件に基づき、抽出された広告コンテンツが前記提供不許可条件に該当する広告コンテンツか否かを判定し、広告提供が許可されている広告コンテンツの抽出結果に基づき、前記広告提供スケジュールを生成することを特徴とする請求項に記載の広告提供システム。
【請求項3】
前記生成手段は、
設定された提供回数に基づき、前記広告コンテンツが提供回数分再生されるように前記広告提供スケジュールを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の広告提供システム。
【請求項4】
前記生成手段は、
設定された提供時間帯条件に基づき、前記広告コンテンツの再生時間帯を特定し、前記広告コンテンツが前記提供時間帯条件にあった時間帯に再生されるように前記広告提供スケジュールを生成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の広告提供システム。
【請求項5】
視聴者に対して広告を提供する広告提供装置と、広告コンテンツと前記広告コンテンツの特徴を表す属性条件を有するコンテンツ情報とを所定の記憶領域に保持するコンテンツDBと、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件を有する端末情報を所定の記憶領域に保持する端末DBと、ネットワークを介して接続される広告提供管理装置であって、
前記コンテンツ情報と前記端末情報とで共通する情報項目の項目値同士をマッチングし、マッチング結果に基づき、前記コンテンツDBに保持される前記広告コンテンツの中から、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツを抽出する抽出手段と、
前記広告コンテンツの抽出結果に基づき、前記広告コンテンツの再生順が定義された広告提供スケジュールを生成する生成手段と、
前記広告提供スケジュールの変更の指示の有無により、前記広告提供装置の設置主から確認を受ける確認手段と
を有し、
前記広告提供スケジュールの実行により、前記広告提供装置に前記広告コンテンツを配信し、
前記端末情報は、少なくとも前記広告提供装置の来客数又は顧客属性の何れかを含み、
前記抽出手段は、広告主から依頼された来客数又は顧客属性を有する広告提供装置に対して配信する広告コンテンツを抽出し、
前記生成手段は、設定されたコンテンツ数の調整基準に基づき、前記抽出手段により抽出された広告コンテンツのうち、前記マッチングにより項目値同士が一致した情報項目の数が少ない広告コンテンツを削除することで、前記広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整し、前記非広告コンテンツの後に前記広告コンテンツが再生されるように前記広告提供スケジュールを生成すること
を特徴とする広告提供管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告提供システム及び広告提供管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージ(Digital Signage)が広く普及している。デジタルサイネージは、多数の人目に付く場所(例えば、「街角」、「店舗」、「駅」など)に設置したディスプレイに、タイムリーに映像や音声などの各種情報(コンテンツ)を配信する電子看板システムであり、広告コンテンツを配信することによって広告媒体としても活用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上記電子看板システムにおいて、サーバ側で空き時間枠を抽出し、デジタルサイネージのエリア情報や時間情報に基づき、適した広告コンテンツを提供することで、広告収入が最大になるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−128694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、デジタルサイネージ事業者の運用負荷を考え、設置されるディスプレイ(以下「広告提供装置」と言う)ごとに、広告提供スケジュール(プレイリスト)を変更するなどの対応を行うことができなかった。
【0006】
特許文献1では、サーバ側で広告提供スケジュールを生成しているが、設置される広告提供装置ごとに生成することができない。なぜなら、生成時に必要となる広告提供装置ごとの設置場所(ロケーション)に関するパラメータ(設置場所に適した広告コンテンツを抽出するためのパラメータ)がないからである。そのため、管理作業者は、広告提供装置ごとに広告提供スケジュールの変更を手動で行うことになる。
【0007】
広告の視聴者は、広告提供装置の設定場所によって異なる。そのため、テレビコマーシャルのように不特定多数に広告を流すのではなく、設置場所の地域性を考慮したターゲット設定を行い、そのターゲットに焦点をあてた広告コンテンツを配信すれば、その設置場所に即したリアルタイムなキャンペーンなどの情報が配信でき、視聴者に対して広告を効果的に提供することができる。
【0008】
よって、広告提供スケジュールは、広告提供装置の特徴に応じて生成されることが望ましい。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、広告提供装置ごとに視聴者に対して効果的な広告を提供できる広告提供システム及び広告提供管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る広告提供システムは、視聴者に対して広告を提供する広告提供装置と、広告コンテンツと前記広告コンテンツの特徴を表す属性条件を有するコンテンツ情報とを所定の記憶領域に保持するコンテンツDBと、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件を有する端末情報を所定の記憶領域に保持する端末DBと、前記広告提供装置への前記広告コンテンツの配信を制御する広告提供管理装置と、が、ネットワークを介して接続される広告提供システムであって、前記広告提供管理装置が、前記コンテンツ情報と前記端末情報とで共通する情報項目の項目値同士をマッチングし、マッチング結果に基づき、前記コンテンツDBに保持される前記広告コンテンツの中から、前記広告提供装置の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツを抽出する抽出手段と、前記広告コンテンツの抽出結果に基づき、前記広告コンテンツの再生順が定義された広告提供スケジュールを生成する生成手段と、前記広告提供スケジュールの変更の指示の有無により、前記広告提供装置の設置主から確認を受ける確認手段とを有し、前記広告提供スケジュールの実行により、前記広告提供装置に前記広告コンテンツを配信し、前記端末情報は、少なくとも前記広告提供装置の来客数又は顧客属性の何れかを含み、前記抽出手段は、広告主から依頼された来客数又は顧客属性を有する広告提供装置に対して配信する広告コンテンツを抽出し、前記生成手段は、設定されたコンテンツ数の調整基準に基づき、前記抽出手段により抽出された広告コンテンツのうち、前記マッチングにより項目値同士が一致した情報項目の数が少ない広告コンテンツを削除することで、前記広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整し、前記非広告コンテンツの後に前記広告コンテンツが再生されるように前記広告提供スケジュールを生成する。
【0011】
このような構成によって、本発明に係る広告提供システムは、広告提供管理装置により、広告コンテンツの特徴を表す属性データと広告提供装置の特徴が設定された属性データとをマッチングし、広告提供装置の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供スケジュールを生成し、記憶装置に保持する。その結果、広告提供システムでは、広告提供管理装置で、生成した広告提供スケジュールが実行され、広告提供装置に対して広告コンテンツが配信され、広告提供装置において視聴者に適した広告が提供される。
【0012】
これによって、本発明に係る広告提供システムでは、広告提供装置ごとに視聴者に対して効果的な広告を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、広告コンテンツの特徴を表す属性データと広告提供装置の特徴が設定された属性データとのマッチングによる広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供装置ごとの広告提供スケジュールを生成することで、広告提供装置ごとに視聴者に対して効果的な広告を提供できる広告提供システム及び広告提供管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る広告提供システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能の構成例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ情報のデータ例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る端末情報のデータ例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る広告提供スケジュール(プレイリスト)の生成処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る広告提供システム1の構成例を示す図である。
図1には、広告提供管理サーバ100、コンテンツDB200、端末DB300、及び広告配信サーバ400などの情報処理装置900(図2に図示)と、複数の広告提供装置500〜500(以降総称する場合「広告提供装置500」とする)とが、インターネットNなどのデータ伝送路で接続されるシステム構成例が示されている。
【0017】
広告提供装置500は、広告を含む各種コンテンツを表示し、情報媒体として機能する端末である。広告配信サーバ400は、広告提供装置500に対してコンテンツを配信する機器である。よって、広告提供装置500は、広告配信サーバ400の端末にあたる。
【0018】
端末DB300は、広告提供装置500に関する設定情報を所定の記憶領域に保持し、広告提供装置500ごとに情報を管理し、DBとして機能する機器である。ここでいう「設定情報」とは、例えば、設置場所といった広告提供装置500の特徴を表す各種属性データである。コンテンツDB200は、広告を含む各種コンテンツに関する登録情報を所定の記憶領域に保持し、コンテンツごとに情報を管理し、DBとして機能する機器である。ここでいう「登録情報」とは、例えば、ジャンルといったコンテンツの特徴を表す各種属性データである。
【0019】
広告提供管理サーバ100は、広告を含む各種コンテンツの提供を制御する機器である。広告提供管理サーバ100は、コンテンツDB200と端末DB300とにアクセスし、広告提供装置500ごとに広告提供スケジュールを生成する。広告提供管理サーバ100は、生成した広告提供スケジュールに従って、広告提供装置500ごとのコンテンツの提供を制御する。広告提供管理サーバ100は、広告提供装置500の広告提供スケジュールを実行し、広告配信サーバ400を介して、広告提供装置500対し、コンテンツを配信する。
【0020】
以上のように、本実施形態に係るシステム1では、上記機器の連携動作により、広告提供サービスを実現している。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成例を示す図である。よって、図2には、広告提供管理サーバ100、コンテンツDB200、端末DB300、及び広告配信サーバ400の各機器のハードウェア構成例が示されている。
【0022】
図2に示すように、情報処理装置900は、システムバス901に接続されたCPU902、ROM(Read Only Memory)903、RAM904(Random Access Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)905、I/F(Interface)906と、I/F906に接続された、キーボード、マウス、モニタ、CD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブなどのI/O(Input/Output Device)907、HDD(Hard Disk Drive)908、NIC(Network Interface Card)909を備えている。記録媒体Mは、プログラムもしくはデータが格納されたCD/DVD等のメディアである。なお、各装置は単体のコンピュータで構成される必要はなく、複数のコンピュータによる複合装置であってもよい。
【0023】
<広告提供スケジュール生成機能>
図1を用いて、本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能について説明する。
本実施形態に係る広告提供システム1では、広告提供管理サーバ100により、広告提供装置500ごとの広告提供スケジュールを、次のように生成する。広告提供管理サーバ100は、端末DB300から、広告提供装置500に関する設定情報(端末の特徴が設定された属性データ)を取得する。広告提供管理サーバ100は、取得情報とコンテンツDB200に保持される広告コンテンツに関する登録情報(広告コンテンツの特徴を表す属性データ)とをマッチングし、広告提供装置500の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツを抽出する。広告提供管理サーバ100は、広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供スケジュールを生成し、記憶装置に保持する。その結果、本実施形態に係る広告提供システム1では、広告提供管理サーバ100で、生成した広告提供スケジュールが実行され、広告提供装置500に対して広告コンテンツが配信され、広告提供装置500において視聴者に適した広告が提供される。本実施形態に係る広告提供システム1は、このような広告提供スケジュール生成機能を有している。
【0024】
広告提供システム1では、視聴者に対して広告を効果的に提供するために、広告の視聴者が、広告提供装置500の設定場所によって異なる点を考慮する必要がある。そのため、広告提供スケジュールは、設定場所といった広告提供装置500の特徴に応じて生成されることが望ましい。
【0025】
しかし、従来の方法では、デジタルサイネージ事業者の運用負荷を考え、設置される広告提供装置500ごとに、広告提供スケジュールを変更するなどの対応を行うことができなかった。
【0026】
そこで、本実施形態に係る広告提供管理サーバ100では、広告コンテンツの特徴を表す属性データと広告提供装置500の特徴が設定された属性データとのマッチングによる広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供装置500ごとの広告提供スケジュールを生成する仕組みとした。
【0027】
これにより、本実施形態に係る広告提供システム1では、広告提供装置500ごとに視聴者に対して効果的な広告を提供できる。
【0028】
以下に、本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能の構成とその動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能の構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る広告提供管理サーバ100は、コンテンツ抽出部11、広告提供スケジュール生成部12、確認要求部13、情報管理部14、及び広告提供スケジュール保持部15などの機能部を有している。
【0029】
また、本機能の実行時に広告提供管理サーバ100と連携する各機器は、次のような機能部を有している。コンテンツDB200は、情報管理部21及びコンテンツ情報保持部22などを有し、端末DB300は、情報管理部31及び端末情報保持部32などを有している。広告配信サーバ400は、配信部41などを有し、広告提供装置500は、確認部51及び表示部52などを有している。
【0030】
まず、上記連携機器が有する各機能部について説明する。
《コンテンツDB》
情報管理部21は、要求に応じた各種データ操作を行い、コンテンツ情報保持部22に保持される広告コンテンツに関する登録情報(以下「コンテンツ情報」と言う)を管理する機能部である。つまり、情報管理部21は、コンテンツ情報保持部22にアクセスし、要求に応じた各種データ操作を行うことで、コンテンツ情報を管理する。
【0031】
コンテンツ情報保持部22は、広告コンテンツと、広告コンテンツの特徴を表す属性データを有するコンテンツ情報とを保持する。なお、コンテンツ情報保持部22は、コンテンツDB200が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、データ操作には、例えば、データ参照(検索)、抽出(取得)、書き込み(追加・登録)、書き換え(変更)、消去(削除)などがある。
【0032】
ここで、コンテンツ情報について説明する。
図4は、コンテンツ情報保持部22に保持されるコンテンツ情報22Dのデータ例を示す図である。
図4に示すように、コンテンツ情報22Dは、属性名及び属性値の情報項目が対応づけられた構成となっており、対応する広告コンテンツごとに登録・管理される。つまり、コンテンツ情報保持部22には、広告コンテンツとコンテンツ情報22Dとが対応づけて保持されている。
【0033】
[属性名]項目には、主に、広告主(クライアント)に関する項目と広告に関する項目とがある。広告主に関する項目には、クライアント識別子、クライアント名、また、広告に関する項目には、タイトル、ジャンル、商品名、内容、出演タレント、提供時間(尺)、提供期間、提供回数、提供許可先、提供不許可先などがある。よって、広告に関する項目に対応づけられた[属性値]項目の項目値が、広告コンテンツの特徴を表す属性データ(属性条件)にあたり、例えば、広告コンテンツの登録時(広告主から登録依頼された際)に、情報管理部21により書き込まれる。
【0034】
《端末DB》
情報管理部31は、要求に応じた各種データ操作を行い、端末情報保持部32に保持される広告提供装置500に関する設定情報(以下「端末情報」と言う)を管理する機能部である。つまり、情報管理部31は、端末情報保持部32にアクセスし、要求に応じた各種データ操作を行うことで、端末情報を管理する。なお、端末情報保持部32は、端末DB300が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたり、データ操作には、例えば、データ参照、抽出、書き込み、書き換え、消去などがある。
【0035】
ここで、端末情報について説明する。
図5は、端末情報保持部32に保持される端末情報32Dのデータ例を示す図である。
図5に示すように、端末情報32Dは、属性名及び属性値の情報項目が対応づけられた構成となっており、対応する広告提供装置500ごとに登録・管理される。
【0036】
[属性名]項目には、主に、広告提供装置500の設置主(オーナー)に関する項目と広告提供装置500に関する項目とがある。設置主に関する項目には、オーナー識別子、オーナー名、また、端末に関する項目には、端末識別子、店舗名、住所(位置:緯度・経度)、来客数、顧客属性、提供ジャンル、NGリストなどがある。よって、端末に関する項目に対応づけられた[属性値]項目の項目値が、広告提供装置500の特徴を表す属性データにあたり、例えば、広告提供装置500の設定時(設置主から設置依頼された際)に、情報管理部31により書き込まれる。
【0037】
《広告配信サーバ》
配信部41は、広告提供装置500に対して広告を含む各種コンテンツを配信する機能部である。配信部41は、広告提供管理サーバ100から、広告提供スケジュールに従ったコンテンツ配信指示を受信する。
【0038】
このとき、配信部41は、例えば、外部機器に対して提供しているAPI(Application Program Interface)関数(APIモジュール)が、広告提供管理サーバ100からコールされることで、コンテンツ配信指示を受信する。その結果、配信部41は、実行指示に従って、コンテンツDB200から、広告を含む各種コンテンツを取得し、広告提供装置500に配信する。
【0039】
《広告提供装置》
確認部51は、広告提供管理サーバ100により生成された広告提供スケジュールの内容を確認する機能部である。確認部51は、広告提供管理サーバ100からの広告提供スケジュールの確認要求を受信すると、設置主に対して、その旨を通知する。
【0040】
このとき、確認部51は、例えば、広告提供管理サーバ100から受信した広告提供スケジュールを、GUI(Graphical User Interface)を有する画面に表示し、設置主に内容の確認を促す。その結果、確認部51は、GUIを介して受け付けた確認結果を、要求元の広告提供管理サーバ100に応答する。
【0041】
なお、設置主は、GUIを介して、広告提供スケジュールにおけるコンテンツ構成の変更を指示することができる。例えば、提供広告として相応しくない広告コンテンツ(提供したくない広告)を削除したい場合には、広告コンテンツ表示に対応づけて配置される削除欄をチェックすることで、削除指示が行える。また、コンテンツの再生順を変更したい場合には、広告コンテンツ表示を選択し、画面上で移動させることで、変更指示が行える。また、新たな広告コンテンツを追加したい場合には、追加コンテンツ入力欄に、ジャンルや商品名などを入力することで、追加指示が行える。これらの変更指示は、確認結果として、広告提供管理サーバ100に応答される。
【0042】
表示部52は、広告配信サーバ400から配信された広告を含む各種コンテンツを表示する機能部である。つまり、表示部52は、広告配信サーバ400から受信した広告を含む各種コンテンツに基づき、広告提供装置500における情報媒体機能を制御する。
【0043】
上記点を踏まえて、広告提供管理サーバ100が有する各機能部について説明する。
《広告提供管理サーバ》
コンテンツ抽出部11は、コンテンツDB200に登録された広告コンテンツの中から、広告提供スケジュールに含める広告コンテンツを抽出する機能部である。広告提供管理サーバ100は、端末DB300にアクセスする。コンテンツ抽出部11は、情報管理部31を介して、端末情報保持部32から、広告提供装置500の端末情報32D(端末の特徴が設定された属性データ)を取得する。次に、広告提供管理サーバ100は、コンテンツDB200にアクセスする。コンテンツ抽出部11は、情報管理部21を介して、コンテンツ情報保持部22に保持される広告コンテンツごとのコンテンツ情報22D(広告コンテンツの特徴を表す属性データ)と、取得した端末情報32Dと、をマッチングする。
【0044】
このとき、コンテンツ抽出部11は、コンテンツ情報22Dと取得した端末情報32Dとで共通する情報項目(例えば「ジャンル」)の項目値(属性データ)同士を比較することで、マッチングを行う(比較結果の一致/不一致を判定する)。これにより、コンテンツ抽出部11は、マッチング結果に基づき、コンテンツDB200に登録された広告コンテンツの中から、比較結果が一致したコンテンツ情報22Dが対応する広告コンテンツを抽出する。つまり、コンテンツ抽出部11は、登録された広告コンテンツの中から、広告提供装置500の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツを抽出する。
【0045】
広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供スケジュールを生成する機能部である。その結果、広告提供スケジュール生成部12は、例えば、広告コンテンツとニュースなどの非広告コンテンツとのURI(Uniform Resource Identifier)が、コンテンツの再生順に定義されたデータ(例えば「XMLデータ:eXtensible Markup Language data」)を、広告提供スケジュールとして生成する。
【0046】
このとき、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対して設定された各種条件の確認や広告/非広告コンテンツ数などを調整し、広告提供スケジュールの編成を行う。
【0047】
広告提供スケジュール生成部12は、抽出した広告コンテンツに対して、提供不許可広告に関する条件を確認する。具体的には、広告提供スケジュール生成部12は、抽出された広告コンテンツが、提供不許可広告に関する条件に該当する広告コンテンツか否かを判定する。
【0048】
なお、提供不許可広告に関する条件は、例えば、設置主により、端末情報32Dの[NGリスト]項目として設定される。よって、広告提供スケジュール生成部12は、端末情報32Dの[NGリスト]項目を参照し、該当する広告コンテンツの有無を確認する。その結果、広告提供スケジュール生成部12は、該当した広告コンテンツを、抽出結果から削除する。
【0049】
また、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツと非広告コンテンツとの数的バランス(以下「コンテンツ数」と言う)を調整する。例えば、ニュースなどの後に広告を提供する場合と、連続して広告を提供する場合とでは、前者の方が、視聴率が高い。よって、広告コンテンツと非広告コンテンツとがバランス良く再生されるような広告提供スケジュールを生成することが望ましい。広告提供スケジュール生成部12は、このような点を考慮し、広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整する。
【0050】
なお、コンテンツ数の調整基準は、例えば、広告提供管理サーバ100が備える記憶装置の所定の記憶領域に、予め情報(以下「コンテンツ数調整基準情報」と言う)として保持しておく。コンテンツ数調整基準情報は、例えば、広告コンテンツ数と非広告コンテンツ数との比率が定義された情報などである。よって、広告提供スケジュール生成部12は、コンテンツ数調整基準情報を参照し、広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整する。
【0051】
また、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対して、広告の提供時間帯に関する条件を確認する。具体的には、広告提供スケジュール生成部12は、広告の提供時間帯に関する条件に従って、広告コンテンツの再生時間帯を特定する。例えば、広告対象の商品によっては、業界団体などの自主規制により、広告の提供可能な時間帯が制約されている(特定の時間帯において広告提供を禁止している)場合がある。また、視聴者に対する提供時間帯の広告効果は、商品の内容によって異なる。広告提供スケジュール生成部12は、このような点を考慮し、広告の提供時間帯に関する条件に従って、広告コンテンツの再生時間帯を特定し、特定した広告コンテンツが適切な時間帯に再生されるように編成する。
【0052】
なお、広告の提供時間帯に関する条件は、例えば、広告提供管理サーバ100が備える記憶装置の所定の記憶領域に、予め情報(以下「提供時間帯条件情報」と言う)として保持しておく。提供時間帯条件情報は、例えば、時間帯にジャンルや商品名などのリストが対応づけられた情報などである。よって、広告提供スケジュール生成部12は、提供時間帯条件情報を参照し、該当する広告コンテンツが適切な時間帯(条件にあった時間帯)に再生されるように編成する。
【0053】
また、広告提供スケジュール生成部12は、広告主がコンテンツ情報22Dに登録しておいた広告の提供回数を確認する。これにより、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツが提供回数分再生されるように編成する。
【0054】
広告提供スケジュール生成部12は、このような編成結果に従って、広告を含む各種コンテンツの再生順が定義されたデータを生成する(広告提供スケジュールをデータ化する)。具体的には、広告提供スケジュール生成部12は、調整後のコンテンツ数、特定した提供時間帯、及び提供回数などに基づき、広告コンテンツ及び非広告コンテンツへの各URIを定義する。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、上述した視聴効果を考慮し、例えば、非広告コンテンツへのURIと広告コンテンツへのURIとを交互に定義し、広告コンテンツが連続再生されないような広告提供スケジュールを生成する。
【0055】
確認要求部13は、設置主に対して、生成した広告提供スケジュールの確認を要求する機能部である。確認要求部13は、生成した広告提供スケジュールを、対応する広告提供装置500に送信することで、内容確認を要求する。これにより、確認要求部13は、要求先である広告提供装置500から確認結果を受信する。
【0056】
広告提供スケジュール生成部12は、確認要求部13により受信した確認結果が[OK]の場合、確認された広告提供スケジュールを、情報管理部14を介して、広告提供スケジュール保持部15に保持する。一方、広告提供スケジュール生成部12は、確認結果が[NG]の場合、コンテンツ構成の変更指示などに従って、広告提供スケジュールの再生成を行う。
【0057】
情報管理部14は、要求に応じた各種データ操作を行い、広告提供スケジュール保持部15に保持される広告提供スケジュールを管理する機能部である。つまり、情報管理部14は、広告提供スケジュール保持部15にアクセスし、要求に応じた各種データ操作を行うことで、広告提供スケジュールを管理する。なお、広告提供スケジュール保持部15は、広告提供管理サーバ100が備える記憶装置の所定の記憶領域にあたり、データ操作には、例えば、データ参照、抽出、書き込み、書き換え、消去などがある。
【0058】
情報管理部14は、広告提供スケジュール生成部12からの要求に従って、生成データに端末識別子を対応づけて、広告提供スケジュール保持部15に書き込む。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。具体的には、本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能は、システム1を構成する広告提供管理サーバ100に搭載(インストール)されるプログラム(広告提供スケジュール生成機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(例えば「CPU」)により、記憶装置からメモリ(RAM)上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0060】
本実施形態に係る広告提供スケジュール生成機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0061】
図6は、本実施形態に係る広告提供スケジュールの生成処理例を示す図である。
図6に示すように、広告提供管理サーバ100は、コンテンツ抽出部11により、広告提供装置500の属性条件に基づき、対応する広告コンテンツを抽出する(ステップS101)。このとき、広告提供管理サーバ100は、コンテンツDB200及び端末DB300にアクセスする。コンテンツ抽出部11は、端末情報保持部32から、広告提供装置500の端末情報32Dを取得し、コンテンツ情報保持部22に保持される広告コンテンツごとのコンテンツ情報22Dと、取得した端末情報32Dとで、共通する情報項目の項目値同士を比較する。これにより、コンテンツ抽出部11は、コンテンツ情報保持部22に保持される広告コンテンツの中から、端末情報32Dとして設定された属性条件に該当する(比較結果が一致した)広告コンテンツを抽出する。
【0062】
例えば、コンテンツ情報22Dと端末情報32Dとで共通する[ジャンル]項目の項目値が、"食品"であった場合には、「食品」に関する広告コンテンツが抽出される。
【0063】
次に、広告提供管理サーバ100は、広告提供スケジュール生成部12により、次のような編成処理を行う。
広告提供スケジュール生成部12は、抽出された広告コンテンツの提供不許可に関する条件を確認する(ステップS102)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、端末情報32Dの[NGリスト]項目を参照し、抽出された広告コンテンツが、項目値に設定された提供不許可広告に関する条件に該当する広告コンテンツか否かを判定する。
【0064】
例えば、設置主の店舗が、食品メーカ「A社」と取引契約をしている場合には、NGリストに、「A社」の競合先(競合クライアント)である他の食品メーカ「B社」,「C社」が設定される。つまり、NGリストには、設置主において、相応しくない広告(提供したくない広告)を特定するための条件が設定される。この場合、広告提供スケジュール生成部12は、抽出された広告コンテンツの中に、「B社」や「C社」に関する広告コンテンツが含まれているか否かを判定する。その結果、広告提供スケジュール生成部12は、該当した広告コンテンツを、抽出結果から削除する。
【0065】
次に、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数(数的バランス)を調整する(ステップS103)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、予め設定しておいたコンテンツ数調整基準情報を参照し、広告コンテンツと非広告コンテンツとのコンテンツ数を調整する。
【0066】
例えば、コンテンツ数調整基準情報に、広告コンテンツ数と非広告コンテンツ数との比率が「4:1」に定義されている場合には、100個の広告コンテンツに対して25個の非広告コンテンツが用意される。
【0067】
なお、コンテンツ数の調整では、コンテンツごとの再生時間にコンテンツ数を乗算した値(累積再生時間)が、広告提供装置500が1日に提供可能な時間を超過しない範囲で行うものとする。超過した場合には、広告コンテンツを抽出結果から削除し、累積再生時間が提供可能な時間の範囲に収まるようにする。
【0068】
次に、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツにおいて、広告の提供時間帯に関する条件を確認する(ステップS104)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、予め設定しておいた提供時間帯条件情報を参照し、広告の提供時間帯に関する条件に従って、広告コンテンツの再生時間帯を特定し、特定した広告コンテンツが適切な時間帯に再生されるように編成する。
【0069】
例えば、提供時間帯条件情報に、時間帯「18:00−23:00」とジャンル「酒類」が対応づけられている場合には、「酒類」に関する広告コンテンツの再生時間帯を、時間帯「18:00−23:00」と特定する。その結果、広告提供スケジュール生成部12は、「酒類」に関する広告コンテンツ(該当した広告コンテンツ)が適切な時間帯「18:00−23:00」に再生されるように編成する。
【0070】
次に、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツの提供回数を確認する(ステップS105)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対応するコンテンツ情報22Dの[提供回数]項目を参照し、広告コンテンツが提供回数分再生されるように編成する。
【0071】
その結果、広告提供管理サーバ100は、広告提供スケジュール生成部12により、上記処理の編成結果(調整後のコンテンツ数、特定した提供時間帯、及び提供回数など)に従って、広告を含む各種コンテンツの再生順が定義された広告提供スケジュールを生成する(ステップS106)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、非広告コンテンツへのURIと広告コンテンツへのURIとを交互に定義し、広告コンテンツが連続再生されないような広告提供スケジュールを生成する。
【0072】
なお、広告コンテンツと非広告コンテンツとを交互に定義する場合、広告コンテンツ数と同じ数だけの非広告コンテンツが必要になるが、運勢や占いといった頻繁に情報更新されない同じ非広告コンテンツを再利用(繰り返し再生)することで対応する。
【0073】
次に、広告提供管理サーバ100は、広告提供スケジュール生成部12により、生成した広告提供スケジュールの内容を検証する(ステップS107)。このとき、広告提供スケジュール生成部12は、次のような検証処理を行う。
【0074】
例えば、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対応するコンテンツ情報22Dの[出演タレント]項目を参照し、広告提供スケジュールの実行時に、非広告コンテンツの前後に再生される広告コンテンツで同じタレントが出演しないかを検証する。また、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対応するコンテンツ情報22Dの[ジャンル]項目又は[商品名]項目を参照し、非広告コンテンツの前後に同じジャンル又は同じ商品(同種)の広告コンテンツが再生されないかを検証する。これにより、広告提供スケジュール生成部12は、検証結果に基づき、コンテンツ構成の変更(削除・追加・入れ替えなど)を行い、広告提供スケジュールの内容を修正する。
【0075】
次に、広告提供管理サーバ100は、確認要求部13により、広告提供スケジュールを、広告提供装置500に送信し、設置主に対して内容確認を要求する(ステップS108)。
【0076】
その結果、広告提供管理サーバ100は、広告提供装置500から受信した確認結果が[OK]か否かを判定する(ステップS109)。
【0077】
広告提供管理サーバ100は、確認結果が[OK]の場合(ステップS109:YES)、情報管理部14により、確認された広告提供スケジュールを、広告提供スケジュール保持部15に書き込み、所定の記憶領域に保持される(ステップS110)。
【0078】
一方、広告提供管理サーバ100は、確認結果が[NG]の場合(ステップS109:NO)、広告提供スケジュール生成部12により、受信した確認結果に含まれるコンテンツ構成の変更指示に関する情報に基づき、広告提供スケジュールの再生成を行う(ステップS106の処理に移行する)。
【0079】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る広告提供システム1によれば、広告提供管理サーバ100により、広告コンテンツの特徴を表す属性データ(コンテンツ情報)と広告提供装置500の特徴が設定された属性データ(端末情報)とをマッチングし、広告提供装置500の特徴が設定された属性条件に該当する広告コンテンツの抽出結果に基づき、広告提供スケジュールを生成し、記憶装置に保持する。その結果、本実施形態に係る広告提供システム1では、広告提供管理サーバ100で、生成した広告提供スケジュールが実行され、広告提供装置500に対して広告コンテンツが配信され、広告提供装置500において視聴者に適した広告が提供される。
【0080】
これによって、本実施形態に係る広告提供システム1では、広告提供装置500ごとに視聴者に対して効果的な広告を提供できる。
【0081】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「広告提供スケジュール生成機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、広告提供管理サーバ100の演算装置により実行されることで実現される。
【0082】
上記プログラムは、広告提供管理サーバ100(コンピュータ)が読み取り可能な記録媒体Mに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、I/O907を介して、広告提供管理サーバ100にインストールすることができる。また、広告提供管理サーバは、NIC909を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0083】
また、上記実施形態では、広告の提供時間帯条件情報が、広告提供管理サーバ100が備える記憶装置の所定の記憶領域に保持されている例を示したが、この限りでない。例えば、情報項目の1つとしてコンテンツ情報22Dに含まれていてもよい。この場合、広告提供スケジュール生成部12は、広告コンテンツに対応するコンテンツ情報22Dの[提供時間帯]項目を参照し、広告コンテンツが適切な時間帯に再生されるように調整する。
【0084】
また、上記実施形態では、広告提供スケジュール生成部12が、調整後のコンテンツ数に基づくコンテンツの累積再生時間が、広告提供装置500が1日に提供可能な時間を超過した場合、広告コンテンツを抽出結果から削除する点について説明を行った。その中で、広告提供スケジュール生成部12は、削除する広告コンテンツを、コンテンツ情報22Dと端末情報32Dとで共通する情報項目の該当率(マッチ度)に従って、決定してもよい。この場合、該当率が低い(一致数が少ない)広告コンテンツが削除され、該当率が高い(一致数が多い)広告コンテンツが残される。
【0085】
また、上記実施形態では、広告提供スケジュール生成部12が、生成した広告提供スケジュールの内容を検証する点について説明を行った。その中で、広告提供スケジュール生成部12は、再生成時における内容検証の場合、設置主からの確認結果を、設置主に対応する新たな検証条件として記録する(所定の記憶領域にコンテンツ構成の変更指示に関する情報を書き込む)ようにしてもよい。つまり、広告提供スケジュール生成部12は、再生成時において、広告提供装置500から受信した確認結果を学習するようにしてもよい。これにより、設置主の確認作業が軽減される。また、広告提供スケジュールの生成精度も向上する。
【0086】
また、上記実施形態では、広告提供装置500が確認部51を有する構成について説明を行ったが、この限りでない。例えば、広告提供装置500は、表示部52のみを有し、設置主所有の情報処理装置が確認部51を有する構成であってもよい。この場合、広告提供管理サーバ100が有する確認要求部13は、登録されている設置主所有の情報処理装置に対して、広告提供スケジュールの内容確認を要求する。
【0087】
また、上記実施形態では、広告提供スケジュール生成部12が、広告コンテンツに対応するコンテンツ情報22Dの[出演タレント]項目を参照し、広告提供スケジュールの実行時に、非広告コンテンツの前後に再生される広告コンテンツで同じタレントが出演しないかを検証する点について説明を行ったが、この限りでない。例えば、広告提供スケジュール生成部12が、コンテンツ情報22Dに設定された属性データに基づき、同じタレントが出演しないなどの所定のルールを適用し、広告提供スケジュールを生成するようにしてもよい。
【0088】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 広告提供システム
11 コンテンツ抽出部
12 広告提供スケジュール生成部
13 確認要求部
14 情報管理部
15 広告提供スケジュール保持部
21 情報管理部
22 コンテンツ情報保持部(D:コンテンツ情報)
31 情報管理部
32 端末情報保持部(D:端末情報)
41 配信制御部
51 確認部
52 表示部
100 広告提供管理サーバ
200 コンテンツDB
300 端末DB
400 広告配信サーバ
500 広告提供装置(端末)
900 情報処理装置
901 バス
902 CPU(演算装置)
903 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
904 RAM(揮発性の半導体メモリ)
905 NVRAM(不揮発性の半導体メモリ)
906 I/F(インタフェース)
907 I/O
908 HDD(不揮発性の記憶装置)
909 NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)
N ネットワーク(インターネット)
M 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6