【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、オンラインでの不正商取引を判定するための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品(便宜上、以下では、「方法」または「複数の方法」)を提供する。一実施形態において、エンドユーザーは特定の商取引に関するパラメータおよびルールをシステムに入力する。特定の商取引に関するパラメータ、ルール、および他の情報に基づき、システムは、商取引が不正である可能性に関連するスコアを計算する。スコアは、エンドユーザーによって設定され得る様々な閾値と比較される。スコアが閾値を超えた場合には、商取引は不正であると判定される。商取引に関するデータはまた、エンドユーザーへ出力される。再検討のうえで、エンドユーザーは所定の商取引の不正な状態を変更し得る。
【0006】
本発明の別の実施形態は、第1アクセスロケーションと第2アクセスロケーションとの間の移動速度を計算し、商取引が不正であるかを判定するために移動速度を利用し、また、計算された商取引の頻度に基づき商取引が不正であるかを判定するための方法を提供する。
【0007】
携帯電話、携帯端末、ワイヤレスの通信デバイス、パーソナルコンピュータ、または本発明の実施形態を実行するために特に設計された専用のハードウエアデバイスを含む様々なデバイスが、本発明のシステム、方法、またはコンピュータプログラム製品を実行するために使用され得ることは当業者には明らかである。
明示的に述べられている場合を除いては、本明細書で述べられる任意の方法または実施形態は、そのステップが特定の順番で行われることを要求するとして解釈されることを、まったく意図されていない。したがって、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品に関する請求項が、ステップが特定の順序に制限されるべきであると請求項または記述において特別に述べていない場合には、いかなる観点においても、順序が推定されることはまったく意図されていない。このことは、ステップまたは動作の流れの配置に関する論理の問題、文法上の構成または句読法から得られる明白な意味、または本明細書で述べられる実施形態の数またはタイプを含む、任意の考えられる表現されていない解釈の根拠に当てはまる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
第1アクセスロケーションと第2アクセスロケーションとの間の移動速度を計算するための方法であって、
(a)第1IPアドレスに基づき該第1アクセスロケーションを決定するステップと、
(b)第1アクセス時間を決定するステップと、
(c)第2IPアドレスに基づき該第2アクセスロケーションを決定するステップと、
(d)第2アクセス時間を決定するステップと、
(e)該第1アクセスロケーションおよび該第1アクセス時間、および該第2アクセスロケーションおよび該第2アクセス時間の関数として、該第1アクセスロケーションと該第2アクセスロケーションとの間の移動速度を計算するステップと
を包含する、方法。
(項目2)
前記計算するステップは、
(a)前記第1アクセスロケーションと前記第2アクセスロケーションとの間の距離を計算するステップと、
(b)前記第1アクセス時間と前記第2アクセス時間との間の時間差を計算するステップと、
(c)該計算された時間差で該計算された距離を割り算することによって、該第1アクセスロケーションと該第2アクセスロケーションとの間の前記移動速度を計算するステップと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)
第1アクセスロケーションと第2アクセスロケーションとの間のユーザーの移動速度を計算する方法であって、
(a)該第1アクセスロケーションおよび第1アクセス時間を該ユーザーに対して決定するステップと、
(b)該ユーザーのIPアドレスに基づき該第2アクセスロケーションを該ユーザーに対して決定するステップと、
(c)第2アクセス時間を該ユーザーに対して決定するステップと、
(d)該第1アクセスロケーションおよび該第1アクセス時間、および該第2アクセスロケーションおよび該第2アクセス時間の関数として、該ユーザーの該移動速度を計算するステップと
を包含する、方法。
(項目4)
前記第1アクセスロケーションおよび前記第1アクセス時間が、前記ユーザーに関連する行動プロファイルから決定される、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記第1アクセスロケーションが、該第1アクセスロケーションにおいて前記ユーザーのIPアドレスの関数として決定される、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記第2アクセスロケーションが、前記ユーザーに関連する行動プロファイルに記憶される、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記第1アクセスロケーションは前記ユーザーの最後に有効なアクセスロケーションに基づく、項目3に記載の方法。
(項目8)
前記第2アクセスロケーションおよび前記第2アクセス時間は、前記ユーザーの現在のロケーションおよび現在のアクセス時間である、項目3に記載の方法。
(項目9)
オンラインの商取引が不正であるかを判定するための方法であって、
(a)ユーザーのIPアドレスに基づき、一つ以上の要素を計算するステップであって、少なくとも一つの要素は、第1アクセスロケーションと第2アクセスロケーションとの間の該ユーザーの移動速度である、ステップと、
(b)該一つ以上の要素に基づき、該商取引が不正であるかを判定するステップと
を包含する、方法。
(項目10)
前記判定するステップは、一つ以上のルールを少なくとも一つの要素へ適用することによって、前記商取引が不正であるかを判定することを包含する、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ユーザーの移動速度は、
(a)第1IPアドレスに基づき前記第1アクセスロケーションを該ユーザーに対して決定するステップと、
(b)第1アクセス時間を該ユーザーに対して決定するステップと、
(c)第2IPアドレスに基づき前記第2アクセスロケーションを該ユーザーに対して決定するステップと、
(d)第2アクセス時間を該ユーザーに対して決定するステップと、
(e)該第1アクセスロケーションおよび該第1アクセス時間および該第2アクセスロケーションおよび該第2アクセス時間の関数として、該第1アクセスロケーションと該第2アクセスロケーションとの間の該ユーザーの移動速度を計算するステップと
に従って決定される、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記ユーザーの移動速度を計算する前記ステップは、
(a)前記第1アクセスロケーションと前記第2アクセスロケーションとの間の距離を計算するステップと、
(b)前記第1アクセス時間と前記第2アクセス時間との間の時間差を計算するステップと、
(c)該計算された時間差によって該計算された距離を割り算することによって、該第1アクセスロケーションと該第2アクセスロケーションとの間の該移動距離を計算するステップと
を包含する、項目11に記載の方法。
(項目13)
クライアントによってさらに処理するために、前記判定を該クライアントへ転送することをさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目14)
前記判定に基づき、報告を生成することをさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目15)
前記商取引と関連するリスクスコアを生成することをさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目16)
前記リスクスコアをデータベースに記憶することをさらに包含する、項目15に記載の方法。
(項目17)
クライアントが前記リスクスコアと比較するために閾値レベルを割り当てる、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記リスクスコアが前記閾値レベルを超過したときには、前記商取引は不正であると判定される、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記リスクスコアはリアルタイムで生成される、項目15に記載の方法。
(項目20)
クライアントにより、前記判定にアクセスすることをさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目21)
前記クライアントは前記商取引が不正であるかどうかを示し得る、項目9に記載の方法。
(項目22)
一つ以上の要素のうちの少なくとも一つが静的または動的である、項目9に記載の方法。
(項目23)
要素は、前記IPアドレスと関連する国、地域、または都市を含む、項目9に記載の方法。
(項目24)
要素は、前記IPアドレスと関連する前記ユーザーがいると思われる位置と比較すると、該ユーザーの近くである、項目9に記載の方法。
(項目25)
要素は、前記IPアドレスと関連するアドレスと比較するために、クライアントによって提供されるアドレスである、項目9に記載の方法。
(項目26)
要素は、前記クライアントと関連するデータベースに記憶されるエリアコードおよび電話番号と比較するために、クライアントによって提供されるエリアコードまたは電話番号である、項目9に記載の方法。
(項目27)
要素は、確認のためにクライアントによって提供される電子メールアドレスである、項目9に記載の方法。
(項目28)
要素は、現在の商取引と比較される、データベースに記憶された商取引習慣に基づく、前記ユーザーに関連するアクセス行動である、項目9に記載の方法。
(項目29)
要素は、所定の時間内に前記商取引が試みられた頻度である、項目9に記載の方法。
(項目30)
要素は、特定の時間内に単一のIPアドレスが複数の固有の識別子にアクセスする、または複数の固有の識別子を使用する速度である、項目9に記載の方法。
(項目31)
クライアントは一つ以上の要素の少なくとも一つに関して閾値レベルを割り当て得る、項目9に記載の方法。
(項目32)
クライアントは一つ以上のユーザー定義の要素を作り得る、項目9に記載の方法。
(項目33)
クライアントは一つ以上の要素の少なくとも一つに関して拘束ルールを定義し得る、項目9に記載の方法。
(項目34)
前記第1アクセスロケーションが、前記ユーザーと関連する行動プロファイルから決定される、項目9に記載の方法。
(項目35)
前記第1アクセスロケーションは、前記ユーザーの最後に有効なアクセスロケーションに基づく、項目9に記載の方法。
(項目36)
前記第2アクセスロケーションおよび前記第2アクセス時間は、前記ユーザーの現在のアクセスロケーションおよび現在のアクセス時間である、項目9に記載の方法。
(項目37)
前記第2アクセスロケーションについての情報が、前記ユーザーに関連する行動プロファイルに記憶されている、項目9に記載の方法。
(項目38)
前記第1アクセスロケーションおよび前記第2アクセスロケーションについての情報がデータベースに記憶される、項目9に記載の方法。
(項目39)
要素は前記IPアドレスに関連する接続タイプを備え、接続タイプは、ダイヤルアップ、Integrated Services Digital Network(ISDN)、ケーブルモデム、Digital Subscriber Line(DSL)、Digital Signal1(T1)、またはOptical Carrier3(OC3)を含む、項目9に記載の方法。
(項目40)
要素は前記ユーザーに関連する行動プロファイルに記憶される接続タイプを備え、接続タイプは、ダイヤルアップ、Integrated Services Digital Network(ISDN)、ケーブルモデム、Digital Subscriber Line(DSL)、Digital Signal1(T1)、またはOptical Carrier3(OC3)を含む、項目9に記載の方法。
(項目41)
要素は前記ユーザーの前記IPアドレスに関連するホストタイプを備え、ホストタイプは、ネットワークのエンドポイント、ネットワークのプロクシ、またはネットワークのファイヤーウォールを含む、項目9に記載の方法。
(項目42)
要素は前記ユーザーに関連する行動プロファイルに記憶されるドメインネームを含む、項目9に記載の方法。
(項目43)
一つ以上のオンラインでの商取引が不正であるかを判定するための方法であって、
(a)一つ以上の商取引が、所定の時間の範囲内にIPアドレスから試みられ、または実行される商取引の頻度を計算するステップと、
(b)該IPアドレスに関連するホストタイプを判定するステップと、
(c)一つ以上の商取引が不正であるかを判定する機能を実行するステップであって、該機能は、その入力として少なくとも該商取引の頻度および該ホストタイプを含む、ステップと
を包含する、方法。
(項目44)
ホストタイプはネットワークのエンドポイント、ネットワークのプロクシ、またはネットワークのファイヤーウォールである、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記機能はリスクスコアを生成し、該リスクスコアが閾値レベルを超えたときには、一つ以上の前記商取引は不正であると判定される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記機能は前記リスクスコアを最適化するために、前記商取引の頻度を前記ホストタイプと比較する、項目45に記載の方法。
(項目47)
所定の商取引の頻度に関して、前記ホストタイプがネットワークのエンドポイントであるとき、さらに該ホストタイプがネットワークのプロクシまたはネットワークのファイヤーウォールであるときには、前記機能は比較的に高いリスクスコアを生成する、項目46に記載の方法。
(項目48)
不正な商取引を判定する方法であって、
(a)インターネットユーザーに関連するIPアドレスを受信するステップと、
(b)該インターネットユーザーによって行われた商取引に関連する該IPアドレスに基づき複数の要素を計算するステップと、
(c)該IPアドレスおよび該計算に基づき、該商取引が不正であるかを判定するステップと
を包含する、方法。
(項目49)
クライアントによってさらに処理するために、該クライアントへ前記判定を転送することをさらに包含する、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記判定に基づき、報告を生成することをさらに包含する、項目48に記載の方法。
(項目51)
前記商取引に関連するリスクスコアを生成することをさらに包含する、項目48に記載の方法。
(項目52)
前記リスクスコアをデータベースに記憶することをさらに包含する、項目51に記載の方法。
(項目53)
クライアントは前記リスクスコアと比較するために閾値レベルを割り当てる、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記リスクスコアが前記閾値レベルを超えるときには、前記商取引が不正であると判定される、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記リスクスコアは、リアルタイムで生成される、項目51に記載の方法。
(項目56)
クライアントによって前記判定にアクセスすることをさらに包含する、項目48に記載の方法。
(項目57)
前記クライアントが、前記商取引が不正であるという前記判定を無効にし得る、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記クライアントが、不正であると判定されなかった商取引を不正な商取引であると指定し得る、項目48に記載の方法。
(項目59)
前記複数の要素は静的または動的である、項目48に記載の方法。
(項目60)
前記静的要素は前記IPアドレスに関連する国、地域、または都市を含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記動的要素は、前記IPアドレスに関連する前記インターネットユーザーがいると思われるロケーションと比較すると、該インターネットユーザーの近くである、項目59に記載の方法。
(項目62)
静的要素は、前記IPアドレスに関連するアドレスと比較するためにクライアントによって提供されるアドレスである、項目59に記載の方法。
(項目63)
静的要素は、前記インターネットユーザーに関連するデータベースに記憶されるエリアコードおよび電話番号と比較するためにクライアントによって提供されるエリアコードおよび電話番号である、項目59に記載の方法。
(項目64)
静的要素は、確認のためにクライアントによって提供される電子メールアドレスである、項目59に記載の方法。
(項目65)
動的要素は、前記商取引と比較されるデータベースに記憶された商取引習慣に基づく、前記インターネットユーザーに関連するアクセス行動である、項目59に記載の方法。
(項目66)
動的要素は、前記商取引が所定の時間の範囲内に試みられる頻度である、項目59に記載の方法。
(項目67)
クライアントが静的要素および動的要素に対して閾値レベルを割り当てる、項目59に記載の方法。
(項目68)
クライアントはユーザー定義の動的要素を作り得る、項目59に記載の方法。
(項目69)
動的要素は静的要素によって判定され得る、項目59に記載の方法。
(項目70)
クライアントは、前記要素に関する拘束ルールを定義し得る、項目48に記載の方法。