(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定フレームは、前記可動フレームのスライド方向に沿って配置される固定側脚部を含んでおり、そして前記可動フレームは、前記可動フレームのスライド方向に沿って前記固定側脚部を挟むように配置される2つの可動側脚部を含んでいる、請求項1に記載の浴槽用手摺り。
前記第1の係合部と前記第2の係合部との接触面は、前記可動フレームの裏面に直交する面であり、かつ、前記可動フレームのスライド方向に非平行である面(ただし、スライド方向に直交する面を除く)面を含んでいる、請求項5に浴槽用手摺り。
前記第1の係合部の凹部又は凸部において前記第2の係合部に接触する面と、前記第2の係合部の凸部又は凹部において前記第1の係合部に接触する面とは、円柱の側面形状または多角柱の側面形状を有する、請求項6に記載の浴槽用手摺り。
前記第2の係合部は円柱形状の凸部を含んでおり、前記第1の係合部は前記第2の係合部の凸部を受容する円筒の側周面形状の凹部を含んでいる、請求項7に記載の浴槽用手摺り。
前記可動フレームは、表裏面を貫通してスライド方向に延びたスリットを備え、前記連結部は、前記スリットを通って前記第2の係合部と前記操作部とを連結している、請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
少なくとも前記操作部が前記付勢手段に抗して押し込まれるときに前記第2の係合部が収容される室を備えている、請求項5から請求項12までのいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の浴槽用手摺りでは、繰り返し使用していると、スライド片の係合溝またはラッチ具が摩耗して削れてしまうおそれがある。また、特許文献2の浴槽用手すりでも、繰り返し使用している間にスライド片の係合孔またはロックピンが摩耗して削れてしまうおそれがある。特許文献3の浴槽用手摺りでも、同様に、繰り返し使用することによって、可動フレームと固定フレームの凹部、凸部が摩耗して削れてしまうおそれがある。また、補強リブの間隔や太さは、可動側脚部の間隔によって設計の制約を受けることになり、さらに可動フレームの外側(表面側)の側面が補強リブと摺接することにより、疵が付いてしまうという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献1〜3のいずれの浴槽用手摺りでも、ロックピンの先端部等に傾斜面が形成されているため、誤って可動フレームを奥まで挿入してしまうことがある。
【0010】
そこで、この発明の目的は、浴槽の側壁の厚みに合わせて固定することが容易であって、浴槽の側壁への取り付け作業と浴槽の側壁からの取り外し作業とを安全に、容易に行うことが可能な浴槽用手摺りを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の浴槽用手摺りは、浴槽の側壁に配置される固定フレームと、固定フレームへスライド可能に取り付けられ、そして固定フレームと反対側の浴槽の側壁に配置される可動フレームと、第1の係合部と、スライド係止/解除手段と、室とを備える。
【0012】
第1の係合部は、凹部又は凸部を含み、可動フレームの裏面に形成される。
【0013】
スライド係止/解除手段は、第2の係合部と、操作部と、連結部と、付勢手段とを含む。第2の係合部は、凸部又は凹部を含み、第1の係合部と対向する位置に配置される。操作部は、可動フレームの表面側に配置されて使用者が操作する。連結部は、第2の係合部と操作部とを連結する。付勢手段は、第2の係合部を第1の係合部へ係合させるように付勢する。スライド係止/解除手段は、操作部が付勢手段による付勢に抗して可動フレームに向かって押し込まれることにより第2の係合部が第1の係合部から離間されるように構成されている。
【0014】
室は、少なくとも操作部が付勢手段に抗して押し込まれるときに第2の係合部が収容される。
【0015】
第1の係合部と第2の係合部との接触面は、可動フレームの裏面に直交する面であり、かつ、可動フレームのスライド方向に非平行である面を含む。
【0016】
以下、可動フレームの裏面とは、可動フレームと固定フレームとを組み付けたときに外部に露出せず一般的に使用者が接触しない面、すなわち、可動フレームのうち、上述の室の境界面を形成する面をいう。可動フレームの表面とは、可動フレームの厚み方向において可動フレームの裏面と反対側の位置に形成されている面をいう。また、可動フレームが浴槽壁面に近付く方向に移動することを、可動フレームの前進といい、可動フレームが浴槽壁面から遠ざかる方向に移動することを、可動フレームの後退という。
【0017】
上述のように、可動フレームの裏面には、凹部又は凸部を含む第1の係合部が形成されている。第1の係合部は、固定フレームに取り付けられるスライド係止/解除手段の第2の係合部に対向する。第2の係合部には凸部又は凹部が形成されている。
【0018】
第2の係合部は、付勢手段によって、第1の係合部へ係合されるように付勢されている。使用者が操作部を操作して、付勢手段による付勢に抗してスライド係止/解除手段を押し込むと、第2の係合部が第1の係合部から離間される。第1の係合部から離間された第2の係合部は、室内に収容される。
【0019】
スライド係止/解除手段の第2の係合部は、可動フレームの裏面と固定フレームとの間に配置されている。第2の係合部は、連結部によって可動フレームの表面側に配置された操作部と連結されているので、使用者は可動フレームの表面側から操作部を操作して、可動フレームの裏面側の第2の係合部を第1の係合部から離間することができる。このようにして、可動フレームの裏面に形成された第1の係合部または第2の係合部に使用者が触れることを防ぐことができる。
【0020】
また、第1の係合部と第2の係合部との接触面は、可動フレームの裏面に直交する面であり、かつ、可動フレームのスライド方向に非平行である面を含むので、使用者が操作部を操作して、付勢手段による付勢に抗してスライド係止/解除手段を押し込み、可動フレームの裏面側の第2の係合部を第1の係合部から離間しない限り、第1の係合部と第2の係合部が可動フレームのスライド方向に非平行な面内で接触し、可動フレームのスライドを妨げる。このようにして、可動フレームが不用意にスライドされることを防ぐことができる。
【0021】
使用者は、可動フレームを浴槽の壁面に近づける時にも、浴槽の壁面から遠ざける時にも、操作部を操作して付勢手段による付勢に抗してスライド係止/解除手段を押し込むことで可動フレームをスライドさせることができる。このように、同じ操作で可動フレームをいずれの方向にもスライドさせることができるので、操作が容易である。
【0022】
この発明に従った浴槽用手摺りは、第1の係合部の凹部又は凸部において第2の係合部に接触する面と、第2の係合部の凸部又は凹部において第1の係合部に接触する面とは、円筒の側周面形状を有することが好ましい。
【0023】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、第2の係合部は円柱形状の凸部を含み、第1の係合部は第2の係合部の凸部を受容する円筒の側周面形状の凹部を含むことが好ましい。
【0024】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、第1の係合部の凹部は、底を有することが好ましい。
【0025】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、第2の係合部の凸部は、フランジを有することが好ましい。
【0026】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、可動フレームは、表裏面を貫通してスライド方向に延びたスリットを備え、連結部は、スリットを通って第2の係合部と操作部とを連結していることが好ましい。
【0027】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、スリットは、その周縁が閉じている開口であることが好ましい。
【0028】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、可動フレームは、第1の係合部および/または第2の係合部を挟むようにスライド方向に沿って配置される2つの可動側脚部を含み、室は、可動フレームにおいて第1の係合部が形成されている面と、可動側脚部と、固定フレームにおいて第1の係合部に対向する面とによって囲まれていることが好ましい。
【0029】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、固定フレームは、第1の係合部および/または第2の係合部を挟むようにスライド方向に沿って配置される2つの固定側脚部を含み、室は、可動フレームにおいて第1の係合部が形成されている面と、固定側脚部と、固定フレームにおいて第1の係合部に対向する面とによって囲まれていることが好ましい。
【0030】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、固定フレームは、スライド方向に沿って第1の係合部および/または第2の係合部を挟むように配置される2つの固定側脚部を含み、可動フレームは、スライド方向に沿って第1の係合部および/または第2の係合部を挟むように配置される2つの可動側脚部を含み、室は、可動フレームにおいて第1の係合部が形成されている面と、可動側脚部および/または固定側脚部と、固定フレームにおいて第1の係合部に対向する面とによって囲まれていることが好ましい。
【0031】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、2つの可動側脚部は、2つの固定側脚部を挟むように配置されていることが好ましい。
【0032】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、2つの可動側脚部の内側の面は、2つの固定側脚部の外側の面に摺接するように配置されていることが好ましい。
【0033】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、固定フレームは、第1の係合部および/または第2の係合部を挟むようにスライド方向に沿って配置される固定側脚部を含み、固定側脚部は、第1の係合部に対向する位置に開口部を有し、室は、可動フレームにおいて第1の係合部が形成されている面と、開口部の内壁面と、固定フレームにおいて第1の係合部に対向する面とによって囲まれていることが好ましい。
【0034】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、可動フレームは、スライド方向に沿って固定側脚部を挟むように配置される2つの可動側脚部を含み、室は、可動フレームにおいて第1の係合部が形成されている面と、可動側脚部および/または固定側脚部と、固定フレームにおいて第1の係合部に対向する面とによって囲まれていることが好ましい。
【0035】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、2つの可動側脚部の内側の面は、1つの固定側脚部の外側の面に摺接するように配置されていることが好ましい。
【0036】
この発明に従った浴槽用手摺りにおいては、固定側脚部は、可動フレームのスライド方向と平行な方向に延びた補強リブであることが好ましい。
【発明の効果】
【0037】
この発明によれば、浴槽の側壁の厚みに合わせて固定することが容易であって、浴槽の側壁への取り付け作業と浴槽の側壁からの取り外し作業とを安全に、容易に行うことが可能な浴槽用手摺りを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態の浴槽用手摺り1は、主に、本体100と、本体100に支持される上部グリップ102とを備える。本体100はカバー101に覆われている。カバー101の上面には、後に詳述する操作部143が露出している。本体100は、固定フレーム110と可動フレーム120と、後述するスライド係止/解除手段とを含む。固定フレーム110には固定押圧板104とハンドルノブ107が取り付けられている。可動フレーム120には可動押圧板105と側部グリップ160が取り付けられている。固定押圧板104と可動押圧板105は、それぞれ、浴槽用手摺り1が浴槽の側壁に設置されたとき、浴槽の側壁に対向するように配置される。上部グリップ102は支柱103に固着されている。上部グリップ102は、支柱103の一部が本体100内に収容されることによって、本体100によって支持される。
【0041】
図1から
図3に示すように、固定フレーム110はL字形状に形成されており、水平部111と鉛直部112とを含む。本体100が浴槽の側壁に取り付けられた状態で、水平部111は水平面内に延在し、鉛直部112は水平部111の端部から下向きに延びて、鉛直面内に延在する。フレーム支持部材106は、固定フレーム110の鉛直部112の外側面を覆うように取り付けられている。フレーム支持部材106には、上部グリップ102を収容する貫通孔が形成されている。固定押圧板104は、固定フレーム110の鉛直部112の内側面112aから突出するように取り付けられている。ハンドルノブ107は、フレーム支持部材106に取り付けられている。ハンドルノブ107と固定押圧板104とはボルト軸によって連結されている。ハンドルノブ107を回動させることによって、ハンドルノブ107からボルト軸に回動力が伝達され、固定押圧板104平面に直交する方向に沿って、固定押圧板104が前進後退される。
【0042】
固定フレーム110の水平部111の上面には4本の補強リブ151が形成されている。補強リブ151の上面には、固定プレート152が取り付けられている。補強リブ151は、固定押圧板104平面に直交する方向に沿って延びている。この実施形態においては、4本の補強リブ151は互いに平行に形成されている。固定プレート152は、板状に形成されており、4本の補強リブ151のうち、内側の2本の補強リブ151の間にわたされて、補強リブ151上に固定されている。補強リブ151によって、固定プレート152の下面と水平部111の上面とは離間されている。固定プレート152には、固定プレート152の上面と下面とを貫通する貫通孔153が形成されている。内側の2本の補強リブ151の間には、後述するスライド係止/解除手段140の円柱141を収容するための孔111aが形成されている。
【0043】
図1から
図4に示すように、可動フレーム120はL字形状に形成されており、水平部121と鉛直部122とを含む。本体100が浴槽の側壁に取り付けられた状態で、水平部121は水平面内に延在し、鉛直部122は水平部121の端部から下向きに延びて、鉛直面内に延在する。可動押圧板105は、可動フレーム120の鉛直部122の内側面122aから突出するように可動フレーム120に取り付けられている。側部グリップ160は、可動フレーム120の鉛直部122の外側面122bから突出するように可動フレーム120に取り付けられている。可動フレーム120の水平部121には、スリット125が形成されている。スリット125は、水平部121の表面123と裏面124とを貫通する孔である。
【0044】
可動フレーム120の水平部121の裏面124には、第1の係合部の一例として、複数の凹部として円形孔130が形成されている。複数の円形孔130は、可動フレームが延びる方向に沿って並べられている。円形孔130の内周面は鉛直方向、すなわち、可動フレーム120のスライド方向に直交する方向に延びている。また、円形孔130には可動フレーム120の水平部121によって底が形成されており、底にスリット125が形成されている。円形孔130は、円形孔130の他、可動フレーム120の水平部121に直接、形成された凹凸や多角形状の孔であってもよいし、可動フレーム120とは別個に形成され、水平部121の裏面124に取り付けられたものであってもよい。なお、複数の孔が並べられる間隔は特に限定されない。この実施形態においては、円形孔130は、周の一部が互いに重なり合って連続して形成されている。そのため、それぞれの円形孔130は真円形状ではない。円形孔130は、分離して形成され、それぞれが真円形状に形成されていてもよい。
【0045】
可動フレーム120の水平部121の裏面124からは2つの可動側脚部126が突出している。可動側脚部126は、水平部121において、鉛直部122の平面に直交する方向に沿って延びる端部を下向きに折り返したような形状に形成されている。2つの可動側脚部126は間隔を空けて形成され、それぞれ、鉛直部122に直交する方向に沿って、すなわち、水平部121が延びる方向に沿って延びている。
【0046】
固定フレーム110と可動フレーム120は、固定押圧板104と可動押圧板105が浴槽の側壁(図示しない)を挟んで対向し、固定フレーム110の水平部111と可動フレーム120の水平部121が対向するように配置される。可動フレーム120の水平部121は、固定フレーム110の水平部111と固定プレート152との間に挿入されて、固定フレーム110の2本の補強リブ151の間でスライド可能に配置される。
【0047】
スライド係止/解除手段140は、固定フレーム110の水平部111上に取り付けられている。スライド係止/解除手段140は、第2の係合部として円柱141と、円柱141に連結される棒形状の連結部144と、連結部144において円柱141の反対側に連結される操作部143と、操作部143を付勢する付勢部材としてバネ145と、円柱141と操作部143との間に挿入されるロック部材146とを含む。
【0048】
スライド係止/解除手段140を構成する部材は次のような位置関係に配置される。円柱141が可動フレーム120の裏面124側に配置され、連結部144の下端が円柱141に連結され、連結部144の上端が操作部143に連結される。円柱141と操作部143との間には、固定プレート152とロック部材146とが挿入される。
【0049】
バネ145は固定フレーム110の水平部111上に設置された、中空のバネ保持体148内に保持されている。バネ保持体148は補強リブ151を挟んで円柱141の両脇に配置されている。
【0050】
円柱141は、水平部111上の2本の補強リブ151の間において、可動フレーム120の円形孔130と対向する位置に配置される。円柱141の側周面から垂直に突出するように、フランジ142が形成されている。フランジ142は、円柱141の上端部からの距離が円形孔130の深さとほぼ等しい位置に形成されている。円柱141の側周面は鉛直方向、すなわち、可動フレーム120のスライド方向に直交する方向に延びている。
【0051】
操作部143は可動フレーム120の水平部121の表面123側に配置される。操作部143は中央部143aと2つの翼部143bとを有する。2つの翼部143bは、中央部143aから、可動フレーム120が延びる方向に直交する方向に沿って延びる。2つの翼部143bは、それぞれ、バネ145によって下から上に向かって付勢されている。
【0052】
ロック部材146は、外縁が略矩形の板状に形成されており、中央部分に中央開口部146aが開口されている。ロック部材146は、相対的に厚みの大きいロック部146bと、相対的に厚みの小さいロック解除部146cとを有する。ロック部146bは、ロック解除部146cの上面から厚みDだけ突出している部分である。
【0053】
円柱141に連結されている連結部144は、可動フレーム120のスリット125と固定プレート152の貫通孔153とロック部材146の中央開口部146aとを通る。連結部144の上端は、操作部143の下面において中央部143aに連結される。
【0054】
図5と
図6に示すように、固定フレーム110の水平部111上には可動フレーム120の水平部121がスライド可能に載せられている。可動フレーム120の上面の一部は固定プレート152によって覆われている。可動フレーム120は、固定プレート152と水平部111との間において、水平部121が延びる方向に沿ってスライド可能である。
【0055】
可動フレーム120の円形孔130の内周側面は円柱141に接触する接触面として鉛直面130aの一例であり、円柱141の側周面は円形孔130の内周面に接触する接触面として鉛直面141aの一例である。円形孔130の鉛直面130aと円柱141の鉛直面141aとは対向している。
【0056】
図7に示すように、補強リブ151と固定プレート152と固定フレーム110の水平部111とによって囲まれる空間内に可動フレーム120が配置されている。また、可動フレーム120の裏面124(水平部121の裏面と可動側脚部126の裏面とを含む)と固定フレーム110の水平部111とによって室170が形成されている。なお、室170の内部と外部とは連通されていてもよく、例えば、水平部111のうち円柱141と対向する部分が開放されていてもよい。すなわち、室170としては、円柱141が移動する側に空間があればよい。この実施形態においては、円柱141の下面と水平部111の上面との間には間隔が空けられている。
【0057】
図6と
図7に示すように、使用者によって操作部143が操作されていないときには、バネ145が操作部143を下から上に向かって付勢する。このとき、連結部144を介して操作部143に連結されている円柱141も下から上に向かって、すなわち、下から可動フレーム120の水平部121の裏面124の円形孔130に向かって付勢され、円柱141のフランジ142よりも上部が円形孔130内に収容され、円柱141と円形孔130とが係合する。円柱141と円形孔130とが係合している状態では、可動フレーム120は、固定フレーム110から遠ざかる方向にも固定フレーム110に近づく方向にもスライドされないように固定フレーム110上に係止される。
【0058】
図8に示すように、使用者が、バネ145の付勢に抗して操作部143を下方向に押し込むと、操作部143に連結されている円柱141も下方向に移動し、円柱141と円形孔130との係合が解除される。室170は、下方向に移動した円柱141を収容することができるだけの広さを有する空間として形成されている。この実施形態において、操作部143の押し込みストローク、すなわち、操作部143を下方向に押し込むことができる深さは、円柱141が円形孔130と係合しているときのフランジ142の下面と水平部111の上面との距離に等しい。なお、操作部143は可動側脚部126の表面側に配置されてもよく、スライド係止/解除手段140は、操作部143を水平方向に沿って押し込むことにより円柱141が水平方向に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0059】
図9に示すように、下面が平坦に形成されているロック部材146をスライドさせて、ロック部材146のロック部146bが操作部143と固定プレート152との間に挟まれるようにすることによって、使用者は操作部143を下方向に押し込むことができなくなる。ロック部146bの厚みDを操作部143の押し込みストロークと等しい大きさにすることによって、ロック部146bが操作部143と固定プレート152との間に挟まれているときに操作部143が押し込まれないようにすることができる。
【0060】
以上のように構成される浴槽用手摺り1の使用方法について説明する。
【0061】
浴槽の側壁に浴槽用手摺り1を取り付けるときには、まず、固定フレーム110と可動フレーム120が組み合され、固定押圧板104と可動押圧板105との間隔が浴槽の側壁の厚みよりも広くされた状態で、本体100が浴槽の側壁上に配置される。本体100は、固定フレーム110の水平部111の下面が浴槽の側壁の上面に接触し、固定押圧板104が浴槽の外側の側壁面(浴槽の側壁の外側面)に対向するように配置される。本体100は、可動押圧板105が浴槽の内側の側壁面(浴槽の側壁の内側面)に対向するように配置される。
【0062】
次に、使用者が本体100の側部グリップ160を保持して、本体100のカバー101上面に露出している操作部143の中央部143aを下向きに押しながら、側部グリップ160を保持して、可動フレーム120の水平部121を、固定フレーム110の水平部111上で、浴槽の側壁面に直交する方向に沿ってスライドさせる。操作部143の中央部143aが下向きに押し込まれることによって、円柱141が室170内で円形孔130から離れる方向に移動する。このようにして、円形孔130と円柱141の係合が解除され、可動フレーム120が容易にスライドされる。このようにして、固定押圧板104が浴槽の側壁の外側面に接触し、可動押圧板105が浴槽の側壁の内側面に接触するように、固定フレーム110と可動フレーム120の位置を調整する。
【0063】
円形孔130には複数の円形孔が形成されている。円柱141と、どの円形孔130を嵌合させるのかを変更することによって、固定フレーム110と可動フレーム120との間の幅を調節することができる。
【0064】
使用者は、必要があれば、ハンドルノブ107を回して、固定押圧板104と可動押圧板105とが浴槽の側壁に完全に接触するように、微調整することができる。このようにすることにより、浴槽用手摺り1を浴槽の側壁上に強固に固定することができる。
【0065】
使用者は、最後に、ロック部材146のロック部146bが操作部143と固定プレート152との間に挿入されるように、ロック部材146を本体100内に押し込む。このようにすることにより、浴槽用手摺り1の使用中に誤って操作部143が押し込まれて、可動フレーム120がスライドすることを防ぐことができる。
【0066】
操作部143がロックされている状態では、上述のように、円柱141の突起と円形孔130とが係合している。このとき、円形孔130の鉛直面130aと円柱141の鉛直面141aとが対向している。そのため、使用者が、可動押圧板105を浴槽の側壁から遠ざけるように、あるいは、浴槽の側壁に近づけるように、可動フレーム120に力を加えても、鉛直面130aと鉛直面141aとが互いに押しつけられるので、可動フレーム120はスライドされない。
【0067】
浴槽から浴槽用手摺り1を取り外すときには、使用者は、まず、ロック部材146を本体100から引き出す方向に引く。このようにすることにより、ロック部材146のロック部146bが操作部143と固定プレート152との間から引き抜かれる。操作部143と固定プレート152との間には、相対的に厚みの小さいロック解除部146cが配置される。次に、本体100のカバー101上面に露出している操作部143の中央部143aを下向きに押しながら、側部グリップ160を保持して可動フレーム120を本体100から引き出すようにスライドさせる。操作部143の中央部143aが下向きに押し込まれることによって、円柱141が室170内で円形孔130から離れる方向に移動する。このようにして、円形孔130と円柱141の係合が解除され、可動フレーム120が容易にスライドされる。固定押圧板104と可動押圧板105との間隔が浴槽の側壁の厚みよりも広くなると、浴槽用手摺り1は浴槽の側壁から取り外される。
【0068】
以上のように、浴槽用手摺り1は、固定フレーム110と、可動フレーム120と、円形孔130と、スライド係止/解除手段140と、室170とを備える。
【0069】
固定フレーム110は、浴槽の側壁に配置される。可動フレーム120は、固定フレーム110へスライド可能に取り付けられ、そして固定フレーム110と反対側の浴槽の側壁に配置される。円形孔130は、凹部又は凸部を含み、可動フレーム120の水平部121の裏面124に形成されている。
【0070】
スライド係止/解除手段140は、円柱141と、操作部143と、連結部144と、バネ145とを含む。円柱141は、凸部又は凹部を含み、円形孔130と対向する位置に配置される。操作部143は、可動フレーム120の表面123側に配置されて使用者が操作するためのものである。連結部144は、円柱141と操作部143とを連結するものである。バネ145は、円柱141を円形孔130へ係合させるように付勢するものである。スライド係止/解除手段140は、操作部143がバネ145による付勢に抗して可動フレーム120に向かって押し込まれるときに円柱141が円形孔130から離間されるように構成されている。スライド係止/解除手段140は、固定フレーム110に取り付けられている。
【0071】
室170は、少なくとも、操作部143がバネ145に抗して押し込まれることにより円形孔130から離間された円柱141が収容される空間である。なお、この実施形態においては、室170は、円柱141が円形孔130から離間されるときだけでなく、円柱141が円形孔130に係合されているときにおいても、係合部材130を収容する。
【0072】
第1実施形態の浴槽用手摺りにおいては、可動フレーム120は、スライド方向に沿って円柱141を挟むように配置される2つの可動側脚部126を含み、室170は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、可動側脚部126と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれている。
【0073】
円形孔130と円柱141との接触面は、可動フレーム120の裏面に直交する面であり、かつ、可動フレーム120のスライド方向に非平行である鉛直面130a,141aを含む。
【0074】
円柱141は、バネ145によって、円形孔130へ係合されるように付勢されている。使用者が、操作部143を操作して、バネ145による付勢に抗してスライド係止/解除手段140を押し込むと、円柱141が円形孔130から離間される。上述のように、円柱141は、円形孔130から離間されたときにも室170内に収容されている。
【0075】
スライド係止/解除手段140の円柱141は、円形孔130と係合するように、すなわち、可動フレーム120の裏面124と固定フレーム110との間に配置されている。円柱141は、連結部144によって可動フレーム120の表面123側に配置された操作部143と連結されているので、使用者は可動フレーム120の表面123側から操作部143を操作して、可動フレーム120の裏面124側の円柱141を円形孔130から離間することができる。このようにして、円形孔130または円柱141に使用者が触れることを防ぐことができる。
【0076】
また、円形孔130と円柱141との接触面である鉛直面130a,141aは、可動フレーム120の裏面に直交する面であり、かつ、可動フレーム120のスライド方向に非平行である面を含むので、使用者が操作部143を操作して、バネ145による付勢に抗してスライド係止/解除手段140を押し込み、可動フレーム120の裏面側の円柱141を円形孔130から離間しない限り、円形孔130と円柱141が可動フレーム120のスライド方向に非平行な面内で接触し、可動フレーム120のスライドを妨げる。このようにして、可動フレーム120が不用意にスライドされることを防ぐことができる。
【0077】
使用者は、可動フレーム120を浴槽の壁面に近づける時にも、浴槽の壁面から遠ざける時にも、操作部143を操作してバネ145による付勢に抗してスライド係止/解除手段140を押し込むことで可動フレーム120をスライドさせることができる。このように、同じ操作で可動フレーム120をいずれの方向にもスライドさせることができるので、操作が容易である。
【0078】
このようにすることにより、浴槽の側壁の厚みに合わせて固定することが容易であって、浴槽の側壁への取り付け作業と浴槽の側壁からの取り外し作業とを安全に、容易に行うことが可能な浴槽用手摺り1を提供することができる。
【0079】
また、浴槽用手摺り1においては、円形孔130は円筒の側周面形状の凹部であり、円形孔130の鉛直面130aと円柱141の鉛直面141aは、円筒の側周面形状を有する。
【0080】
このようにすることにより、可動フレーム120のスライド中に円柱141が周方向に回転しても、円柱141が円形孔130に容易に受容される。
【0081】
また、浴槽用手摺り1においては、可動フレーム120は、表面123と裏面124を貫通してスライド方向に延びたスリット125を備える。連結部144は、スリット125を通って円柱141と操作部143とを連結する。
【0082】
このようにすることにより、可動フレーム120の表面123側に配置される操作部143と、可動フレーム120の裏面124側に配置される円柱141とを連結部144によって連結することが容易になる。
【0083】
浴槽用手摺り1においては、スリット125は、その周縁が閉じている開口である。
【0084】
このようにすることにより、可動フレーム120をスライドさせると、連結部144は相対的に、スリット125の周縁の内側で移動することとなり、固定フレーム110上における可動フレーム120のスライド範囲を規制することができる。
【0085】
なお、この実施の形態においては、円形孔130は円形孔130によって形成され、第2の係合部は円柱141によって形成されているが、例えば、円形孔130が可動フレームの裏面から下向きに突出した円柱形状の凸部であり、第2の係合部が円柱を収容可能な、円柱の側周面形状の凹部であってもよい。
【0086】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の浴槽用手摺りは、第1実施形態の浴槽用手摺りとは異なる形態のスライド係止/解除手段と、可動側脚部の間に配置される2本の補強リブとを備える。以下、第1実施形態の浴槽用手摺りと異なる点を中心に詳述する。
【0087】
図10と
図11に示すように、第2実施形態の浴槽用手摺りの固定フレーム110の水平部111の上面には4本の補強リブ151と、2本の補強リブ251が形成されている。補強リブ151の上面には、固定プレート152が取り付けられている。補強リブ151は、固定押圧板104平面に直交する方向に沿って延びている。この実施形態においては、4本の補強リブ151は互いに平行に形成されている。固定プレート152は、板状に形成されており、4本の補強リブ151のうち、内側の2本の補強リブ151の間にわたされて、補強リブ151上に固定されている。補強リブ151によって、固定プレート152の下面と水平部111の上面とは離間されている。固定プレート152には、固定プレート152の上面と下面とを貫通する貫通孔153が形成されている。
【0088】
4本の補強リブ151のうち、内側の2本の間に、さらに2本の補強リブ251が形成されている。2本の補強リブ251のいずれも、補強リブ151と平行に形成されている。補強リブ251は、補強リブ151よりも高さが低い。2本の補強リブ251の間には、後述するスライド係止/解除手段240の円柱241を収容するための孔が形成されている。2本の補強リブ251は、固定側脚部の一例である。
【0089】
可動フレーム120の水平部121の裏面124からは2つの可動側脚部126が突出している。可動側脚部126は、水平部121において、鉛直部122の平面に直交する方向に沿って延びる端部を下向きに折り返したような形状に形成されている。2つの可動側脚部126は間隔を空けて形成され、それぞれ、鉛直部122に直交する方向に沿って、すなわち、水平部121が延びる方向に沿って延びている。
【0090】
固定フレーム110と可動フレーム120は、固定押圧板104と可動押圧板105が浴槽の側壁(図示しない)を挟んで対向し、固定フレーム110の水平部111と可動フレーム120の水平部121が対向するように配置される。可動フレーム120の水平部121は、固定フレーム110の水平部111と固定プレート152との間にスライド可能に挿入される。このとき、第1実施形態の浴槽用手摺りと異なり、補強リブ151と可動側脚部126は、所定の間隔Xだけ離間されている。また、2本の可動側脚部126の内側の面(向かい合う面)は、2本の補強リブ251の外側の面(外側の側面)に摺接するように配置されている。すなわち、可動フレーム120がスライドされるときには、可動側脚部126は、2本の可動側脚部126の間に挟まれた補強リブ251によってスライド方向が規制されている。
【0091】
第2実施形態の浴槽用手摺りのスライド係止/解除手段240は、固定フレーム110の水平部111上に取り付けられている。スライド係止/解除手段240は、第2の係合部として円柱241と、円柱241に連結される棒形状の連結部244と、連結部244において円柱241の反対側に連結される操作部243と、操作部243を付勢する付勢部材としてバネ245と、円柱241と操作部243との間に挿入されるロック部材146とを含む。ロック部材146は第1実施形態の浴槽用手摺りのロック部材と同様である。
【0092】
スライド係止/解除手段240を構成する部材は次のような位置関係に配置される。円柱241が可動フレーム120の裏面124側に配置され、連結部244の下端が円柱241に連結され、連結部244の上端が操作部243に連結される。円柱241と操作部243との間には、固定プレート152とロック部材146とが挿入される。
【0093】
バネ245は固定プレート152と操作部243との間において、ロック部材146の中央開口部146a内に保持されている。
【0094】
円柱241は、水平部111上の2本の補強リブ251の間において、可動フレーム120の円形孔130と対向する位置に配置される。円柱241の側周面から垂直に突出するように、フランジ242が形成されている。フランジ242は、円柱241の上端部からの距離が円形孔130の深さとほぼ等しい位置に形成されている。円柱241の側周面241aは鉛直方向、すなわち、可動フレーム120のスライド方向に直交する方向に延びている。円柱241の側周面241aは、鉛直面の一例であり、また、可動フレーム120の円形孔130の内周側面である鉛直面130aに接触する接触面である。
【0095】
操作部243は可動フレーム120の水平部121の表面123側に配置される。操作部243は、第1実施形態とは異なり、翼部を有していない。操作部243は、バネ245によって下から上に向かって付勢されている。
【0096】
円柱241に連結されている連結部244は、可動フレーム120のスリット125と固定プレート152の貫通孔153とロック部材146の中央開口部146aとを通る。連結部244の上端は、操作部243の下面に連結される。
【0097】
図11に示すように、補強リブ151と固定プレート152と固定フレーム110の水平部111とによって囲まれる空間内に可動フレーム120が配置されている。また、可動フレーム120の裏面124(水平部121の裏面と可動側脚部126の裏面とを含む)と固定フレーム110の水平部111と補強リブ251とによって室170が形成されている。なお、室170の内部と外部とは連通されていてもよく、例えば、水平部111のうち円柱241と対向する部分が開放されていてもよい。すなわち、室170としては、円柱241が移動する側に空間があればよい。この実施形態においては、水平部111において円柱241に対向する部分は開放されている。
【0098】
図11に示すように、使用者によって操作部243が操作されていないときには、バネ245が操作部243を下から上に向かって付勢する。このとき、連結部244を介して操作部243に連結されている円柱241も下から上に向かって、すなわち、下から可動フレーム120の水平部121の裏面124の円形孔130に向かって付勢され、円柱241のフランジ242よりも上部が円形孔130内に収容され、円柱241と円形孔130とが係合する。円柱241と円形孔130とが係合している状態では、可動フレーム120は、固定フレーム110から遠ざかる方向にも固定フレーム110に近づく方向にもスライドされないように固定フレーム110上に係止される。
【0099】
使用者が、バネ245の付勢に抗して操作部243を下方向に押し込むと、操作部243に連結されている円柱241も下方向に移動し、円柱241と円形孔130との係合が解除される。室170は、下方向に移動した円柱241を収容することができるだけの広さを有する空間として形成されている。この実施形態において、操作部243の押し込みストローク、すなわち、操作部243を下方向に押し込むことができる深さは、円柱241が円形孔130と係合しているときのフランジ242の下面と水平部111の上面との距離に等しい。なお、操作部243は可動側脚部126の表面側に配置されてもよく、スライド係止/解除手段240は、操作部243を水平方向に沿って押し込むことにより円柱241が水平方向に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0100】
以上のように、第2実施形態の浴槽用手摺りにおいては、固定フレーム110は、可動フレーム120のスライド方向に沿って円柱241を挟むように配置される2つの補強リブ251を含み、可動フレーム120は、スライド方向に沿って2つの補強リブ251を挟むように配置される2つの可動側脚部126を含む。室170は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、可動側脚部126および/または補強リブ251と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれている。補強リブ251は、スライド方向と平行な方向に長い補強リブであり、2つの可動側脚部126の間において形成されている。また、2つの可動側脚部126の内側の面は、2本の補強リブ251の外側の面に摺接するように配置されている。
【0101】
このようにすることにより、補強リブ151と可動側脚部126との間に所定の間隔Xを設けても、2本の可動側脚部126の間に配置されて可動側脚部126に摺接する補強リブ251によって可動フレーム120のスライド方向が規制される。そのため、4本の補強リブ151の間隔や太さは、可動側脚部126の間隔によらず、自由に設計可能である。
【0102】
このように補強リブ251を可動側脚部126の間に配置すると、固定フレーム110には、水平部111と鉛直部112とに亘って補強リブ251が形成されており、補強リブ251上に可動フレーム120が係止されるので、使用者が側部グリップ160を掴んで浴槽の出入りをする時、鉛直面内においてかかる荷重に対する固定フレーム110の強度を向上させることができる。可動フレーム120には2つの脚部126が形成されていることによって、同様に、鉛直面内においてかかる荷重に対する可動フレーム120の強度が向上する。また、可動フレーム120が固定フレーム110に取り付けられた状態において、2つの脚部126は補強リブ251に対向するように配置され、2つの補強リブ251と摺接するようにそれぞれの補強リブ251の外側から挟むので、水平面内において、可動フレーム120の鉛直部122に平行な方向に可動フレーム120ががたつくことを抑えることができるとともに、固定フレーム110と可動フレーム120には鉛直面内において荷重がかかる時に強度が低下することを防ぐことができる。
【0103】
また、補強リブ151と可動側脚部126の間に間隔Xを設けることにより、可動フレーム120をスライドさせても、可動フレーム120の外側(表面側)の側面が補強リブ151と摺接することがないため、外部に露出して視認されやすい可動フレーム120の外側(表面側)の側面に疵が付くことを防止することができる。
【0104】
なお、この実施形態においては、室170は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、可動側脚部126および補強リブ251と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれているが、例えば固定側脚部としての補強リブの上端が可動フレーム120の裏面に接触する場合には、室は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、補強リブ(固定側脚部)と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれて形成される。
【0105】
第2実施形態の浴槽用手摺りのその他の構成と効果は第1実施形態の浴槽用手摺りと同様である。
【0106】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の浴槽用手摺りは、2本の可動側脚部の間に配置される、第2実施形態の浴槽用手摺りとは異なる形態の1本の補強リブを備える。以下、第1実施形態および第2実施形態の浴槽用手摺りと異なる点を中心に説明する。
【0107】
図12と
図13に示すように、第3実施形態の浴槽用手摺りの固定フレーム110の水平部111の上面には4本の補強リブ151と、1本の補強リブ351が形成されている。
【0108】
いずれの補強リブ151,351も、固定押圧板104平面に直交する方向、すなわち、可動フレームのスライド方向と平行な方向に沿って延びている。この実施形態においては、4本の補強リブ151は互いに平行に形成されている。4本の補強リブ151のうち、内側の2本の間に、さらに1本の補強リブ351が形成されている。補強リブ351は、補強リブ151よりも高さが低い。補強リブ351の上面には、後述するスライド係止/解除手段240の円柱241を収容するための開口部351aが形成されている。補強リブ351は、固定側脚部の一例である。
【0109】
固定プレート152は、板状に形成されており、4本の補強リブ151のうち、内側の2本の補強リブ151の間にわたされて、補強リブ151上に固定されている。補強リブ151によって、固定プレート152の下面と水平部111の上面とは離間されている。固定プレート152には、固定プレート152の上面と下面とを貫通する貫通孔153が形成されている。
【0110】
可動フレーム120の水平部121の裏面124からは2つの可動側脚部126が突出している。可動側脚部126は、水平部121において、鉛直部122の平面に直交する方向に沿って延びる端部を下向きに折り返したような形状に形成されている。2つの可動側脚部126は間隔を空けて形成され、それぞれ、鉛直部122に直交する方向に沿って、すなわち、水平部121が延びる方向に沿って延びている。
【0111】
固定フレーム110と可動フレーム120は、固定押圧板104と可動押圧板105が浴槽の側壁(図示しない)を挟んで対向し、固定フレーム110の水平部111と可動フレーム120の水平部121が対向するように配置される。可動フレーム120の水平部121は、固定フレーム110の水平部111と固定プレート152との間にスライド可能に挿入される。このとき、第1実施形態の浴槽用手摺りと異なり、補強リブ151と可動側脚部126は、所定の間隔Xだけ離間されている。また、2本の可動側脚部126の内側の面(向かい合う面)は、補強リブ351の外側の面に摺接するように配置されている。すなわち、可動フレーム120がスライドされるときには、可動側脚部126は、2本の可動側脚部126の間に挟まれた補強リブ351によってスライド方向が規制されている。
【0112】
第3実施形態の浴槽用手摺りのスライド係止/解除手段240は、固定フレーム110の水平部111上に取り付けられている。スライド係止/解除手段240は、第2の係合部として円柱241と、円柱241に連結される棒形状の連結部244と、連結部244において円柱241の反対側に連結される操作部243と、操作部243を付勢する付勢部材としてバネ245と、円柱241と操作部243との間に挿入されるロック部材146とを含む。ロック部材146は第1実施形態の浴槽用手摺りのロック部材と同様である。
【0113】
スライド係止/解除手段240を構成する部材は次のような位置関係に配置される。円柱241が可動フレーム120の裏面124側に配置され、連結部244の下端が円柱241に連結され、連結部244の上端が操作部243に連結される。円柱241と操作部243との間には、固定プレート152とロック部材146とが挿入される。
【0114】
バネ245は固定プレート152と操作部243との間において、ロック部材146の中央開口部146a内に保持されている。
【0115】
円柱241は、水平部111上の補強リブ351の上面に形成された開口部351aの位置において、可動フレーム120の円形孔130と対向する位置に配置される。円柱241の側周面から垂直に突出するように、フランジ242が形成されている。フランジ242は、円柱241の上端部からの距離が円形孔130の深さとほぼ等しい位置に形成されている。円柱241の側周面241aは鉛直方向、すなわち、可動フレーム120のスライド方向に直交する方向に延びている。円柱241の側周面241aは、鉛直面の一例であり、また、可動フレーム120の円形孔130の内周側面である鉛直面130aに接触する接触面である。
【0116】
操作部243は可動フレーム120の水平部121の表面123側に配置される。操作部243は、第1実施形態とは異なり、翼部を有していない。操作部243は、バネ245によって下から上に向かって付勢されている。
【0117】
円柱241に連結されている連結部244は、可動フレーム120のスリット125と固定プレート152の貫通孔153とロック部材146の中央開口部146aとを通る。連結部244の上端は、操作部243の下面に連結される。
【0118】
図13に示すように、補強リブ351と固定プレート152と固定フレーム110の水平部111とによって囲まれる空間内に可動フレーム120が配置されている。また、可動フレーム120の裏面124(水平部121の裏面と可動側脚部126の裏面とを含む)と補強リブ351に設けられた開口部351aの内壁面とによって室170が形成されている。なお、室170の内部と外部とは連通されていてもよく、例えば、水平部111のうち円柱241と対向する部分が開放されていてもよい。すなわち、室170としては、円柱241が移動する側に空間があればよい。この実施形態においては、水平部111において円柱241に対向する部分は開放されている。
【0119】
図13に示すように、使用者によって操作部243が押し込まれていないときには、バネ245が操作部243を下から上に向かって付勢する。このとき、連結部244を介して操作部243に連結されている円柱241も下から上に向かって、すなわち、下から可動フレーム120の水平部121の裏面124の円形孔130に向かって付勢され、円柱241のフランジ242よりも上部が円形孔130内に収容され、円柱241と円形孔130とが係合する。円柱241と円形孔130とが係合している状態では、可動フレーム120は、固定フレーム110から遠ざかる方向にも固定フレーム110に近づく方向にもスライドされないように固定フレーム110上に係止される。
【0120】
使用者が、バネ245の付勢に抗して操作部243を下方向に押し込むと、操作部243に連結されている円柱241も下方向に移動し、円柱241と円形孔130との係合が解除される。室170は、下方向に移動した円柱241を収容することができるだけの広さを有する空間として形成されている。この実施形態において、操作部243の押し込みストローク、すなわち、操作部243を下方向に押し込むことができる深さは、円柱241が円形孔130と係合しているときのフランジ242の下面と水平部111の上面との距離に等しい。なお、操作部243は可動側脚部126の表面側に配置されてもよく、スライド係止/解除手段240は、操作部243を水平方向に沿って押し込むことにより円柱241が水平方向に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0121】
以上のように、第3実施形態の浴槽用手摺りにおいては、固定フレーム110は、円柱241を収容するための開口部351aを有し且つ可動フレーム120のスライド方向に沿って配置される1つの補強リブ351を含み、可動フレーム120は、スライド方向に沿って補強リブ351を挟むように配置される2つの可動側脚部126を含む。室170は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、可動側脚部126および/または補強リブ351に設けられた開口部351aの内壁面と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面、すなわち、補強リブ351の上面とによって囲まれている。補強リブ351は、スライド方向と平行な方向に長い補強リブであり、2つの可動側脚部126の間において形成されている。また、2つの可動側脚部126の内側の面は、補強リブ351の外側の面のうち、側面に摺接するように配置されている。
【0122】
このようにすることにより、補強リブ151と可動側脚部126との間に所定の間隔Xを設けても、2本の可動側脚部126の間に配置されて可動側脚部126に摺接する補強リブ351によって可動フレーム120のスライド方向が規制される。そのため、4本の補強リブ151の間隔や太さは、可動側脚部126の間隔によらず、自由に設計可能である。
【0123】
このように補強リブ351を可動側脚部126の間に配置すると、固定フレーム110には、水平部111と鉛直部112とに亘って補強リブ351が形成されており、補強リブ351上に可動フレーム120が係止されるので、使用者が側部グリップ160を掴んで浴槽の出入りをする時、鉛直面内においてかかる荷重に対する固定フレーム110の強度を向上させることができる。可動フレーム120には2つの脚部126が形成されていることによって、同様に、鉛直面内においてかかる荷重に対する可動フレーム120の強度が向上する。また、可動フレーム120が固定フレーム110に取り付けられた状態において、2つの脚部126は補強リブ351に対向するように配置され、補強リブ251と摺接するように補強リブ351を外側から挟むので、水平面内において、可動フレーム120の鉛直部122に平行な方向に可動フレーム120ががたつくことを抑えることができるとともに、固定フレーム110と可動フレーム120には鉛直面内において荷重がかかる時に強度が低下することを防ぐことができる。
【0124】
また、補強リブ151と可動側脚部126の間に間隔Xを設けることにより、可動フレーム120をスライドさせても、可動フレーム120の側面が補強リブ151と摺接することがないため、外部に露出して視認されやすい可動フレーム120の側面に疵が付くことを防止することができる。
【0125】
なお、この実施形態においては、室170は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、可動側脚部126および補強リブ351に設けられた開口部351aの内壁面と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれているが、例えば固定側脚部としての補強リブの上端が可動フレーム120の裏面に接触する場合には、室は、可動フレーム120において円形孔130が形成されている面と、補強リブ(固定側脚部)に設けられた開口部の内壁面と、固定フレーム110において円形孔130に対向する面とによって囲まれて形成される。
【0126】
第3実施形態の浴槽用手摺りのその他の構成と効果は第1実施形態および第2実施形態の浴槽用手摺りと同様である。
【0127】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。
【解決手段】本発明によれば、略水平方向に延びた水平部111と略鉛直方向に延びた鉛直部112を有しており、浴槽の側壁に配置される固定フレーム110と、固定フレーム110の水平部111の上面において、固定フレーム111の鉛直部112に略直交するように形成された複数の補強リブ151と、そして略水平方向に延びた水平部121と略鉛直方向に延びた鉛直部122を有しており、そして固定フレーム110との間で浴槽の側壁を挟むように固定フレーム110へスライド可能に取り付けられる可動フレーム120とを備え、可動フレーム120の水平部121は、補強リブ151の間で且つ補強リブ151から離間して配置されている浴槽用手摺りが提供される。