特許第5793742号(P5793742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5793742ローラ部材の支持角度を可変とした塗装用ローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793742
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ローラ部材の支持角度を可変とした塗装用ローラ
(51)【国際特許分類】
   B05C 17/02 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   B05C17/02
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-240794(P2013-240794)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-110196(P2015-110196A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2014年8月22日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512143257
【氏名又は名称】株式会社エコクリーン
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】細渕 利明
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−070774(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0224121(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0123578(US,A1)
【文献】 米国特許第03273192(US,A)
【文献】 実開平02−070773(JP,U)
【文献】 実開平04−018000(JP,U)
【文献】 米国特許第04528714(US,A)
【文献】 米国特許第05123768(US,A)
【文献】 米国特許第05715562(US,A)
【文献】 西独国特許出願公開第03609183(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ部材と、前記ローラ部材を回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトの基端部が固定されたハンドルとを備えた塗装用ローラにおいて、
前記シャフトは、前記ローラ部材が装着された第1シャフトと、前記ハンドルに固定された第2シャフトとを含み、前記第1、第2シャフトは角度可変連結器により連結されており、
前記角度可変連結器は、第1凹凸面を有する連結調整部が設けられ前記第1シャフトが固定された第1ジョイントと、第2凹凸面を有する連結調整部が設けられ前記第2シャフトが固定された第2ジョイントと、前記第1、第2凹凸面が係合した状態で前記連結調整部を互いに結合させて前記第1、第2ジョイントの相対回動を不能とする結合部材とを備え、
前記結合部材を緩めて前記第1、第2凹凸面の係合を解除した状態では、前記第1、第2ジョイントを相対回動させて前記第1、第2凹凸面の係合の相対角度を調整することにより、前記第1、第2シャフトが形成する角度が可変であり、
前記第1シャフトは、ただ一つの屈曲部にて「く」字状に折り曲げられ、前記屈曲部を境界として一方の側は真直ぐな先端部であり、他方の側は真直ぐな基端部であり、前記先端部に前記ローラ部材が装着され、前記基端部は前記第1ジョイントに固定され
前記第2シャフトは、真っ直ぐな部材からなり、
前記先端部が前記第2シャフトに平行になり、且つ、前記先端部と前記第2シャフトとの間隔が前記ローラ部材の半径に相当する大きさになるように、前記第1シャフトと前記第2シャフトとを前記角度可変連結器にて折り畳むことができることを特徴とする塗装用ローラ。
【請求項2】
前記連結調整部は円環状であり、前記第1、第2凹凸面は円環の板面に設けられ、
前記連結調整部の円環の中心軸は、前記第1、第2ジョイントに各々固定された部位の前記第1、第2シャフトの中心軸に対して直交している請求項1に記載の塗装用ローラ。
【請求項3】
前記第1、第2凹凸面は放射状リブにより形成され、放射状の凹凸が相互に噛み合うことにより前記第1、第2凹凸面の係合状態が得られる請求項2に記載の塗装用ローラ。
【請求項4】
前記第1ジョイントに固定された部位の前記第1シャフトの中心軸は、前記連結調整部の円環の中心軸に対して偏倚して配置されている請求項2または3に記載の塗装用ローラ。
【請求項5】
前記結合部材は、前記連結調整部の一方に設けられたボルト挿通孔と、前記連結調整部の他方に設けられた固定雌ネジ部と、調整ボルトにより構成され、
前記ボルト挿通孔に前記調整ボルトを挿通して前記固定雌ネジ部と螺合させることにより、前記第1、第2ジョイントが結合され、
前記調整ボルトと前記固定雌ネジ部の締結状態によって前記連結調整部の結合の強度が調整される請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗装用ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転可能なローラ部材により塗装を行うように構成された塗装用ローラ、特に、ハンドルに対するローラ部材の支持角度が可変となった塗装用ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
塗装用ローラは、業務用あるいは家庭用を問わず、住宅、塀、船舶の内外壁面などの塗装用器具として広く使用されている。塗装用ローラを用いた塗装作業は、噴霧塗装に比べて塗料の飛散が少ないので作業環境上良好であり、しかも塗着効率がすぐれている。また、むらなく均一に塗装するための取り扱いが容易である。
【0003】
塗装用ローラの一般的な基本構造は、作業者が把持するためのハンドルと、ハンドルに一端が固定されたシャフトと、シャフトの先端部に回転可能に装着されたローラ部材からなる。ローラ部材は、例えば、天然繊維または合成繊維からなるブラシ部を管状体の外周に付設した構成を有し、シャフトにより回動自在に片持ち支持される。使用に際しては、ローラ部材に液状塗料を浸みこませ、それを被塗物の表面で回転させながら塗料を被塗面に転写することにより塗装を行う。
【0004】
通常、シャフトを介したハンドルとローラ部材の配置関係は、ハンドルの軸方向がローラ部材の回転軸に対して直交するように設定される。この配置によれば、例えば壁面に正対して塗装を行う際に、最も作業がし易くなるからである。しかし、塗装は、壁面に正対する場合のような、平坦な面に対して自然な姿勢で作業できる状況で行われるとは限らない。そのため、種々の状況において作業の負担を軽減すべく、塗装用ローラに対して様々な改良が行われている。
【0005】
例えば、特許文献1には、曲面にも効率よく塗装できるように改良した塗装用ローラが開示されている。すなわち、円筒形状の複数のローラ体を、コイルバネによって回転自在に支持する。ローラ体を電柱などの曲面状の被塗付面に押圧すると、コイルバネが、被塗付面の形状に対応して変形・伸長し、複数のローラ体の刷毛体が連続して曲面状の塗付面を形成する。これにより、刷毛体が広い面積で有効に被塗付面に密着し、一度の手動操作により広い曲面面積を塗装することができる。
【0006】
また、特許文献2には、手元からの塗装部位の遠近に対して対応するための伸縮自在なシャフトを用いた場合の、塗装用ローラの改良案が開示されている。すなわち、伸縮可能なシャフトとハンドルとの間に両者の相対回転を規制する回転止め機構を設けて、シャフトを伸縮させても、シャフトとハンドルの位置関係を一定の状態に維持するようにしたものである。これにより、ハンドルの外形を使用者の握り易い方向性のある形状にした場合でも、常にハンドルが最も握り易い状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−9681号公報
【特許文献2】特開2006−297320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の塗装用ローラは、壁面の裏面の塗装などに使用することが困難である問題があった。すなわち、壁面の裏面を塗装する際には、作業のために使用できる空間が限られている。そのため、作業者が塗装面に正対することができない場合が多い。また、制限された大きさの空間内で作業する際には、ローラ部材を被塗面に当接させようとしても、シャフトとハンドルの寸法に起因して、塗装用ローラを適切に操作することができない場合も多い。
【0009】
従来の塗装用ローラでは、シャフトは固定形状であり、ローラ部材とハンドルの相対的な位置関係は一定の状態に固定されている。しかも、上述のとおり、シャフトを介した配置関係は、ハンドルの軸方向がローラ部材の回転軸に対して直交するように設定されている。すなわち、従来の塗装用ローラは、制限空間内での塗装作業に対して適合させる機能を考慮されたものではなかった。
【0010】
従って本発明は、制限された空間内での塗装作業に適合可能なように、ハンドルに対するローラ部材の支持角度を可変とし、その支持角度を安定して維持可能な塗装用ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の塗装用ローラは、ローラ部材と、前記ローラ部材を回転可能に支持するシャフトと、前記シャフトの基端部が固定されたハンドルとを備え、前記シャフトは、前記ローラ部材が装着された第1シャフトと、前記ハンドルに固定された第2シャフトとを含み、前記第1、第2シャフトは角度可変連結器により連結されている。前記角度可変連結器は、第1凹凸面を有する連結調整部が設けられ前記第1シャフトが固定された第1ジョイントと、第2凹凸面を有する連結調整部が設けられ前記第2シャフトが固定された第2ジョイントと、前記第1、第2凹凸面が係合した状態で前記連結調整部を互いに結合させて前記第1、第2ジョイントの相対回動を不能とする結合部材とを備える。前記結合部材を緩めて前記第1、第2凹凸面の係合を解除した状態では、前記第1、第2ジョイントを相対回動させて前記第1、第2凹凸面の係合の相対角度を調整することにより、前記第1、第2シャフトが形成する角度が可変である。前記第1シャフトは、ただ一つの屈曲部にて「く」字状に折り曲げられ、前記屈曲部を境界として一方の側は真直ぐな先端部であり、他方の側は真直ぐな基端部であり、前記先端部に前記ローラ部材が装着され、前記基端部は前記第1ジョイントに固定されている。前記第2シャフトは、真っ直ぐな部材からなる。前記先端部が前記第2シャフトに平行になり、且つ、前記先端部と前記第2シャフトとの間隔が前記ローラ部材の半径に相当する大きさになるように、前記第1シャフトと前記第2シャフトとを前記角度可変連結器にて折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0012】
上記構成の塗装用ローラは、第1、第2ジョイントによって構成される角度可変連結器により、第1、第2シャフトが形成する角度が可変である。第1、第2ジョイントの相対角度は、第1、第2凹凸面の係合により固定され、係合を解除することにより可変となる。従って、ハンドルに対するローラ部材の支持角度が可変であり、その支持角度を安定して維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態における塗装用ローラの正面図
図2】同塗装用ローラを構成する要素である角度可変連結器を示す斜視図
図3】同角度可変連結器の動作を概念的に示す正面図
図4A】(a)は同角度可変連結器の一部を構成する第1ジョイントの正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図
図4B】(a)は同第1ジョイントの上面図、(b)は下面図
図5A】(a)は同角度可変連結器の一部を構成する第2ジョイントの正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図
図5B】(a)は同第2ジョイントの上面図、(b)は下面図
図6】(a)は同角度可変連結器の一部を構成する調整ボルト部材の正面図、(b)は右側面図
図7】同第1、第2ジョイント及び調整ボルト部材の相互関係を示す分解側面図
図8】(a)は塗装用ローラを構成する一要素である第1シャフトの正面図、(b)は右側面図
図9】(a)は塗装用ローラを構成する一要素である第2シャフトの正面図、(b)は右側面図
図10】塗装用ローラを構成する一要素であるハンドルを示す斜視図
図11】(a)は同ハンドルの正面図、(b)は断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の塗装用ローラは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0015】
すなわち、前記連結調整部は円環状であり、前記第1、第2凹凸面は円環の板面に設けられ、前記連結調整部の円環の中心軸は、前記第1、第2ジョイントに各々固定された部位の前記第1、第2シャフトの中心軸に対して直交している構成とすることができる。これにより、第1、第2ジョイントの相対角度を回動調整する機構が簡易な構成となり、ハンドルに対するローラ部材の支持角度を所望の状態に容易に調整できる。
【0016】
また、前記第1、第2凹凸面は放射状リブにより形成され、放射状の凹凸が相互に噛み合うことにより前記第1、第2凹凸面の係合状態が得られる構成とすることができる。これにより、第1、第2ジョイントを所望の相対角度に調整した状態で確実に固定でき、ハンドルに対するローラ部材の支持角度を安定して維持可能である。
【0017】
また、前記第1ジョイントに固定された部位の前記第1シャフトの中心軸は、前記連結調整部の円環の中心軸に対して偏倚して配置されている構成とすることができる。これにより、第1ジョイントと第2ジョイントの間の最小角度を十分に小さくして、第1、第2シャフトをコンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0018】
また、前記結合部材は、前記連結調整部の一方に設けられたボルト挿通孔と、前記連結調整部の他方に設けられた固定雌ネジ部と、調整ボルトにより構成され、前記ボルト挿通孔に前記調整ボルトを挿通して前記固定雌ネジ部と螺合させることにより、前記第1、第2ジョイントが結合され、前記調整ボルトと前記固定雌ネジ部の締結状態によって前記連結調整部の結合の強度が調整される構成とすることができる。これにより、簡素な構成により連結調整部の結合と開放を確実に操作することが可能となる。
【0019】
また、前記第1シャフトは、屈曲部を有する構成とすることができる。これにより、第1、第2シャフトを折り畳んだときのローラ部材の配置を適切に設定することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
<実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態における塗装用ローラを示す正面図である。この塗装用ローラは、ローラ部材1、第1シャフト2、角度可変連結器3、第2シャフト4、及びハンドル5を含む。第1シャフト2には、屈曲部2aが設けられている。
【0022】
ローラ部材1は第1シャフト2の先端部に装着され、回転可能に支持されている。第2シャフト4の基端部はハンドル5に固定されている。第1、第2シャフト2、4は、角度可変連結器3により連結されている。すなわち、角度可変連結器3の一端部が第1シャフト2の基端部に固定され、角度可変連結器3の他端部は第2シャフト4の先端部に固定されて、第1シャフト2と第2シャフト4とは、角度可変連結器3を介して一本のシャフトと同様に機能する。但し、後述するように角度可変連結器3は屈曲自在に構成されており、第1シャフト2と第2シャフト4が形成する角度を調整可能である。
【0023】
角度可変連結器3の構成の概要を、図2に斜視図で示す。角度可変連結器3は、第1シャフト2の基端部に固定された第1ジョイント6と、第2シャフト4の先端部に固定された第2ジョイント7を含む。更に、第1ジョイント6と第2ジョイント7を相互に結合させるための結合部材としての調整ボルト部材8が用いられる。但し、図2には調整ボルト部材8の一部であるボルトつまみ9のみが図示されている。ボルトつまみ9は、図示されていないボルトの外端に設けられた部材である。
【0024】
図3に示すように、角度可変連結器3は、第1シャフト2と第2シャフト4の間の角度を可変に調整できるように構成されている。すなわち、ボルトつまみ9を回してボルトを緩めることにより、第1ジョイント6と第2ジョイント7とはボルトを回動軸として相互に回動可能となり、相互の角度を調整することができる。角度の調整可能な範囲は、第1ジョイント6と第2ジョイント7の相互干渉によって制限されるが、容易に180度以上に設定可能である。ボルトつまみ9を回して調整ボルトを締めることにより、第1ジョイント6と第2ジョイント7の角度関係が固定される。
【0025】
この角度可変連結器3の構成の詳細について、図4A図11を参照して説明する。図4A、4Bに、第1ジョイント6の構造を示す。図5A、5Bに、第2ジョイント7の構造を示す。図6に、調整ボルト部材8の構造を示す。
【0026】
図4A(a)は第1ジョイント6の正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。図4B(a)は第1ジョイント6の上面図、(b)は下面図である。
【0027】
第1ジョイント6は、円柱状のシャフト固定部10、及び円環状の連結調整部11からなる。シャフト固定部10には、第1シャフト2を挿入して固定するための結合孔12が設けられている。結合孔12の中心軸、従って結合孔12に固定された部位の第1シャフト2の中心軸に対して、円環の中心軸が直交するように連結調整部11が配置される。連結調整部11の円環の厚みは、図4A(b)等に示すように、シャフト固定部10の直径の1/2程度である。また、図4A(a)等に示すように、連結調整部11の円環形状の中心軸は、結合孔12の中心軸から偏倚した配置となっている。
【0028】
連結調整部11には、円環の中心孔に嵌合させて固定された固定雌ネジ部13、及び第1凹凸面14が設けられている。固定雌ネジ部13は、調整ボルト部材8のボルトが螺合する。第1凹凸面14には放射状のリブが設けられて、放射状凹凸を形成している。
【0029】
図5A(a)は第2ジョイント7の正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。図5B(a)は第2ジョイント7の上面図、(b)は下面図である。
【0030】
第2ジョイント7は、円柱状のシャフト固定部15、及び円環状の連結調整部16からなる。シャフト固定部15には、第2シャフト4を挿入して固定するための結合孔17が設けられている。結合孔17の中心軸、従って結合孔17に固定された部位の第2シャフト4の中心軸に対して、円環の中心軸が直交するように連結調整部16が配置される。連結調整部16の円環の厚みは、図5A(b)等に示すように、シャフト固定部15の直径の1/2程度である。図5A(a)等に示すように、連結調整部16の円環形状の中心軸は、結合孔17の中心軸に対する偏倚が設けられていない配置となっている。
【0031】
連結調整部16には、円環の中心孔として形成されたボルト挿通孔18、及び第2凹凸面19が設けられている。ボルト挿通孔18は、調整ボルト部材8のボルトを挿通するために用いられる。第2凹凸面19には放射状のリブが設けられて、放射状凹凸を形成している。
【0032】
第2凹凸面19の放射状凹凸と、第1凹凸面14の放射状凹凸は、互いに対向させて当接させることにより、相互に噛み合って係合するように構成される。第1凹凸面14の放射状凹凸と第2凹凸面19の放射状凹凸は、同一ピッチを有することが望ましい。
【0033】
図6(a)は調整ボルト部材8の正面図、(b)は右側面図である。調整ボルト部材8は、ボルト20と、その端部に設けられたボルトつまみ9からなる。図7に示すように、連結調整部11、16を、第1凹凸面14と第2凹凸面19が当接するように対向させて、ボルト挿通孔18にボルト20を挿通して固定雌ネジ部13と螺合させることにより、第1、第2ジョイント6、7が結合される。
【0034】
このように、調整ボルト部材8、ボルト挿通孔18、及び固定雌ネジ部13により、連結調整部11、16を結合させる結合部材が構成される。ボルト20と固定雌ネジ部13の締結状態によって、結合作用の強度が調整される。すなわち、第1凹凸面14と第2凹凸面19の係合の強度が可変であり、係合が固定されて連結調整部11、16の相対的な回動が阻止される状態と、回動が可能な状態との間で調整する。但し、結合部材の構成は、このようなボルトと雌ネジの組合わせに限らず、他のどのような周知の構成を採用してもよい。
【0035】
次に、塗装用ローラを構成する一要素である第1シャフト2、及び第2シャフト4について説明する。図8(a)は第1シャフト2の正面図である。第1シャフト2は、屈曲部2aを境界として先端部2bおよび基端部2cからなる。先端部2bにローラ部材1が装着される。基端部2cの端部には、一対の回動阻止突起21が設けられている。この部分を第1ジョイント6のシャフト固定部10に設けられた結合孔12に挿入して固定することにより、第1ジョイント6に対する第1シャフト2の回動が阻止される。
【0036】
図9(a)は第2シャフト4の正面図、(b)は右側面図である。第2シャフト4は、真直ぐな部材からなり、先端部及び基端部にそれぞれ、一対の回動阻止突起22、23が設けられている。回動阻止突起22を第2ジョイント7のシャフト固定部15に設けられた結合孔17に挿入して固定することにより、第2ジョイント7に対する第2シャフト4の回動が阻止される。回動阻止突起23は、ハンドル5に対する第2シャフト4の回動を阻止するために設けられる。
【0037】
図10はハンドル5の構造を示す斜視図、図11(a)はハンドル5の正面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。ハンドル5は、使用者が把持するための本体部24、第2シャフト4を挿入し固定するための結合孔25、及び本体部24の先端に形成され、固定された第2シャフト4を囲むように突出した4個の突起部26を備えている。
【0038】
図11(b)に示すように、本体部24の内部には空洞27が形成され、結合孔25は空洞27まで貫通している。第2シャフト4の回動阻止突起23を結合孔25に挿入して固定することにより、ハンドル5に対する第2シャフト4の回動が阻止される。本体部24の基端には雌ネジ部28が設けられており、ハンドル5に延長部材を接続するために用いられる。
【0039】
以上の構成を有する塗装用ローラは、図3を参照して説明したように、角度可変連結器3を調整することにより、第1シャフト2と第2シャフト4の間の角度が可変である。しかも、調整された各々の角度の状態を強固に維持することができる。
【0040】
すなわち、第1、第2ジョイント6、7の連結調整部11、16は、第1凹凸面14と第2凹凸面19を互いに係合させた状態で、調整ボルト部材8と固定雌ネジ部13の螺合により互いに結合される。螺合の締結による結合作用の程度が、第1凹凸面14と第2凹凸面19の係合状態を保持可能な範囲では、連結調整部11、16、すなわち第1、第2ジョイント6、7の相対回動が規制される。凹凸面の形状、寸法等を適切に設定すれば、十分に強化な係合を得ることができるので、第1シャフト2と第2シャフト4の間の角度を強固に維持することが可能である。
【0041】
一方、螺合の締結による結合作用が緩められて、第1凹凸面14と第2凹凸面19の係合状態を保持できない程度の状態では、連結調整部11、16は相対回動が可能である。従って、第1、第2ジョイント6、7を相対回動させて、第1、第2シャフト2、4間の角度を調整することができる。これにより、ハンドル5に対するローラ部材1の支持角度が可変であって、その支持角度を安定して維持可能である。
【0042】
連結調整部11、16の第1、第2凹凸面14、19は、放射状のリブが設けられて放射状凹凸を形成しているので、相互の当接角度が変化しても、常に一定の係合状態が得られる。従って、第1シャフト2と第2シャフト4の間の角度の設定自由度が高い。すなわち、角度調整は鋭角から直線まで設定可能である。例えば、放射状のリブのピッチが10°毎であるとすると、円周状には18本のリブを形成でき、18通りの角度調整が可能である。しかし、あまりに鋭角は実用的ではなく、実用的に有用なのは40〜180°(180°は直線)、好ましくは60〜180°である。
【0043】
一例として、連結調整部11、16の円環の直径を20mmとし、第1、第2凹凸面14、19の放射状のリブを内径7mmと外径17mmの領域に設け、リブを、ピッチ15°、高さ1mmの断面三角形(周方向において鋸歯状)として良好な結果を得ることができた。すなわち、ハンドル5に対するローラ部材1の支持角度を可変とし、その支持角度を安定して維持することが可能であった。
【0044】
なお、この塗装用ローラは、不使用時には第1、第2シャフト2、4を折り畳んで収納することができる。図4A(a)等に示したように、連結調整部11の中心軸は、結合孔12の中心軸から偏倚した配置となっている。これにより、第1、第2シャフト2、4を折り畳む際に、第1ジョイント6と第2ジョイントの間の最小角度を十分に小さくして、第1、第2シャフト2、4をコンパクトに折り畳むことが可能である。
【0045】
また、上述のとおり、第1シャフト2には、屈曲部2aが設けられている。これは、第1、第2シャフト2、4を折り畳んだときのローラ部材1の配置を適切に設定するためである。すなわち、収納に際しては、図1の状態から第1シャフト2を左周りに回転させて折り畳み、ローラ部材1が装着された先端部2b(図8参照)を第シャフトと平行にする。この状態において、屈曲部2aが設けられていることにより、先端部2bと第シャフトの間隔を、ローラ部材1の径に相当する大きさに設定することができる。これにより、第1、第2シャフト2、4をコンパクトに折り畳むことが容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の塗装用ローラは、ローラ部材の支持角度が可変で、調整した角度は塗装圧力よって変動することはない。そのため、様々な個所の塗装作業に便利であり、特に、壁の裏面や柱の裏面など、通常手の届ない箇所の塗装に有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 ローラ部材
2 第1シャフト
2a 屈曲部
2b 先端部
2c 基端部
3 角度可変連結器
4 第2シャフト
5 ハンドル
6 第1ジョイント
7 第2ジョイント
8 調整ボルト部材
9 ボルトつまみ
10、15 シャフト固定部
11、16 連結調整部
12、17、26 結合孔
13 固定雌ネジ部
14 第1凹凸面
18 ボルト挿通孔
19 第2凹凸面
20 ボルト
21、22、23 回動阻止突起
24 本体部
26 突起部
27 空洞
28 雌ネジ部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11