(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、第1の基板10は、比較的薄い誘電体層14に覆われた上面12を含む。第2の基板16は、比較的薄い誘電体層20に覆われた上面18を含む。誘電体層14、20が接触関係を有する場合に、良好な表面対表面の接触を促進するように、上面12、18は機械的に滑らかであることが好ましい。第1の基板10および第2の基板16は各々、単結晶シリコン等、単結晶(single crystal)または単結晶(monocrystalline)半導体材料から形成される。
【0016】
第1の基板10および第2の基板16の結晶方位は異なっており、第1の基板10は第1の結晶方位を有し、その結晶面はミラー指数(j、k、l)によって識別され、第2の基板16は第2の結晶方位を有し、その結晶面は第1の結晶方位(j、k、l)とは異なるミラー指数(j’、k’、l’)によって識別される。単結晶シリコンでは、第1の基板10および第2の基板16の各結晶方位(j、k、l)および(j’、k’、l’)は、(100)、(110)、および(111)から選択することができる。例えば、第1の結晶方位(j、k、l)は(100)結晶方位とすることができ、第2の結晶方位(j’、k’、l’)は(110)結晶方位とすることができる。第1の結晶方位(j、k、l)は、上面12から第1の基板10内へ所与の深さまで延在することは、当業者には理解されよう。また、第2の結晶方位(j’、k’、l’)は、上面18から第2の基板16内へ所与の深さまで延在することも、当業者には理解されよう。この結果、第1の基板10および第2の基板16は、モノリシックの結晶半導体材料全体を通して広範囲で、原子の周期的な空間的配置を示す。
【0017】
誘電体層14、20を構成する誘電体材料は、二酸化シリコン(SiO
2)、窒化シリコン(Si
3N
4)、酸窒化シリコン(SiO
xN
y)、またはこれらの材料の複合物等、誘電率が約4から約9の間であることによって特徴付けることができる。誘電体層14、20は、各基板10、16に対して熱によるウェット酸化またはドライ酸化を行うことで形成されたSiO
2を含むことができる。あるいは、誘電体層14、20を形成するために、化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)または水性化学酸化(aqueous chemical oxidation)等の他のいずれかの適切な技法を用いても良い。誘電体層14、20は各々、物理厚さが約0.5nmから約2nmであり、平坦で滑らかな表面仕上げを有することができる。任意に、誘電体層14、20は、例えば従来の化学機械研磨(CMP)プロセスによって、ほぼ平らで滑らかになるように平坦化することができる。
【0018】
従来のイオン注入プロセスを用いて、第2の基板16に、比較的低いエネルギの水素イオンまたは他の希ガス・イオンをイオン注入して、浅く狭い損傷領域またはバンド22を生成する。適切な熱処理の後、損傷バンド22は、概ね損傷バンド22と誘電体層20との間の半導体層24のこの後の分離を促進するへき開面(cleaving plane)を画定する。注入する水素または希ガス・イオンの運動エネルギの選択は、損傷バンド22におけるイオン投影飛程(projected range)によって、へき開された半導体層24が上面18に対して約5nmから約200nmの範囲の厚さを有するように行う。停止した水素または他の希ガスは、大部分は損傷バンド22全体に存在することになり、そのプロファイルは、濃度が上面18からの深さの関数として変動し、最高濃度は上面18の真下で、イオンの平均貫通深さにほぼ集中する。損傷バンド22の形成およびこの後の損傷バンド22に沿ったへき開の例示的なプロセスは、接合SOI基板を製造するために用いられる従来の技法として当業者によって認められSmart Cut(R)プロセス、ならびに、米国特許第5,374,564号および5,882,987号に記載されたプロセスを含む。
【0019】
図2において、同様の参照番号は、
図1およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図2を参照すると、単一方向の矢印26(
図1)によって図に示すように、基板10、16を移動させて、第1の基板10の上面12上に配置された誘電体層14が、第2の基板16の上面18上に支持された誘電体層20に接触し、
図2に示す接触関係となっている。次いで、従来の接合プロセスによって、相互接合エネルギを高めることができる条件のもとに誘電体層14、20を置くことで、基板10、16を接合する。
【0020】
典型的な従来の接合プロセスでは、充分な温度において充分な時間期間だけ低温熱処理またはアニーリングを行って、誘電体層14、20間の接合を生じさせる。例えば、接合プロセスは、約500℃から約800℃までの範囲の温度において、接触している誘電体層14、20をアニーリングすることによって実行することができる。任意に、熱アニーリングの間、第1の基板10および第2の基板16を外力によってクランプして、典型的には約2kg/cm
2から約2.5kg/cm
2の間の機械的圧力を加えても良い。また、熱アニーリングは、外力が存在するかまたは存在しない状況において実行可能であるが、典型的に、窒素(N
2)等の非反応性ガスまたは不活性ガスから成る制御された雰囲気において行われる。
【0021】
図3において、同様の参照番号は、
図2およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図3を参照すると、接合された基板10、16を、先行する熱処理(
図2)の温度よりも高い温度で熱処理する。この熱処理またはアニーリングは、約700℃から約1100℃の範囲内の温度で、損傷バンド22内の水素または他の希ガスを合体させて損傷バンド22内に局所化されたマイクロボイド(microvoid)とするのに適切な時間期間だけ、不活性雰囲気において行えば良い。アニーリング温度から冷却する際、損傷バンド22内に形成されたマイクロボイドに伴う応力によって、自然発生的に、概ね損傷バンド22が画定するへき開面に沿った分離を生じさせることができる。損傷バンド22に沿ったへき開は、例えば水噴射の使用によって機械的に補助して、損傷バンド22全体に伝搬する亀裂を発生させることができる。
【0022】
分離が生じた後、ハンドル・ウェハ(handle wafer)として機能する第1の結晶方位(j、k、l)の基板10の上に、第2の結晶方位(j’、k’、l’)の半導体層24が配置される。半導体層24は、へき開面に沿った分離の後、上面28を有する。上面28は、例えば従来のCMPプロセスによって、ほぼ平らで滑らかになるように平坦化および研磨して、ハイブリッド基板30が提供される。
【0023】
不活性雰囲気において、先行する熱処理の温度よりも高い温度でハイブリッド基板30をアニーリングして、接触している誘電体14、20を溶解させる。例えば、ハイブリッド基板30は、約1300℃から約1350℃の範囲内の温度でアニーリングすれば良い。誘電体層14、20の構成材料は、拡散機構によって、ハイブリッド基板30のバルク内に原子的に分散させる。接触している誘電体層14、20のかつての位置、従って上面12、18のかつての位置の近傍に画定された界面35に沿って、半導体層24は、基板10の半導体材料と同一範囲に延在する。
【0024】
半導体層24の上面28の上に第1のパッド層32を形成する。第1のパッド層32の上に第2のパッド層34を形成する。薄い方の第1のパッド層32は、基板層24から第2のパッド層34を分離する。パッド層32、34の構成材料(複数の構成材料)は、半導体層24を構成する半導体材料に対して選択的にエッチングが行われるように、かつ、製造プロセスの以降の段階において容易に除去されるように、選択される。第1のパッド層32はSiO
2とすることができ、これは、加熱環境において乾燥酸素雰囲気または蒸気のいずれかに基板30をさらすことによって成長させるか、または熱CVDプロセスによって堆積すれば良い。第2のパッド層34は、低圧化学気相堆積(LPCVD)またはプラズマCVD(plasma-assisted CVD)プロセスのような熱CVDプロセスによって形成したSi
3N
4の共形(コンフォーマル)層とすることができる。第1のパッド層32は、バッファ層として機能して、第2のパッド層34を構成する材料におけるいずれかの応力が、半導体層24の半導体材料に転位(dislocation)を起こすのを防ぐことができる。
【0025】
図4において、同様の参照番号は、
図3およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図4を参照すると、従来のリソグラフィおよびサブトラクティブ・エッチング(subtractive etching)・プロセスによって、パッド層32、34に設けたパターンを用いることで、半導体層24の厚みを貫通するウィンドウとして、開口36が画定されている。開口36は、浅いトレンチの形状を有することができる。パッド層32、34にパターンを生成するためには、パッド層34上にレジスト(図示せず)を塗布し、このレジストを照射パターンに露光させてレジストに潜像を生成し、露光したレジストの潜像パターンを現像すれば良い。次いで、反応性イオン・エッチング(RIE:reactive-ion etching)またはプラズマ・エッチング等の異方性ドライ・エッチング・プロセスを用いて、パターニングしたレジストからパッド層32、34にパターンを転写することができる。エッチング・プロセスは、単一のエッチング・ステップまたは異なるエッチング化学作用を用いる多数のエッチング・ステップにおいて実行することができ、パターニングしたレジスト内のパターンを通して目に見えるパッド層32、34の部分を除去し、半導体層24の上面28上で垂直方向に停止する。エッチングを行った後、例えばプラズマ・アッシングまたは化学的剥離剤によって、パッド層32、34から残りのレジストを剥離する。
【0026】
次いで、異方性ドライ・エッチング・プロセスを用いて、パターニングしたパッド層32、34からその下の半導体層24にパターンを転写する。異方性ドライ・エッチング・プロセスは、例えば、RIE、イオン・ビーム・エッチング、またはプラズマ・エッチングによって行い、エッチング化学作用を用いて(例えば標準的なシリコンRIEプロセス)、パッド層32、34を構成する材料に対して選択的に(すなわちこれよりも著しく高いエッチング・レートで)、半導体層24の構成半導体材料を除去することができる。
【0027】
半導体層24の半導体材料内に画定された開口36の各々は、対向する側壁38、40を含む。これらの側壁は、層24内で、半導体層24と第1の基板10との間の界面35にあるかまたは界面35の下にある底面または底部42まで延在する。側壁38、40は、実質的に相互に平行であり、半導体層24の上面28および界面35に対して実質的に垂直に配向されている。従来のリソグラフィおよびサブトラクティブ・エッチング・プロセスの終了時に、半導体層24は、へき開された基板16(
図1、
図2)の半導体材料の結晶方位を有する半導体材料の複数のアイランド45を含む。隣接するアイランド45は、開口36の1つによって分離されている。
【0028】
図5において、同様の参照番号は、
図4およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図5を参照すると、各開口36の側壁38、40上に、誘電体スペーサ44、46が形成されている。誘電体スペーサ44、46は、CVDによって堆積したSi
3N
4の約5nmから約50nmの共形層等、誘電体材料の共形層(図示せず)から形成される。これは、共形層を水平表面から優先的に除去する方向性異方性エッチング・プロセスによって成形される。
【0029】
図6において、同様の参照番号は、
図5およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図6を参照すると、開口36に、半導体材料のエピタキシャル・アイランド48を充填して、ほぼ半導体層24の上面28と同じ高さの上面50が確立されている。基板10の単結晶半導体材料は、単結晶材料の種結晶(seed crystal)として機能し、これが開口36内の成長シリコンのための結晶パターンを設定し、開口36内でこの結晶パターンが再生される。換言すると、アイランド48の単結晶半導体材料は、基板10の単結晶半導体材料の結晶方位(j、k、l)と同じ結晶方位を有することになる。パッド層32、34および各開口36の側壁38、40上の誘電体スペーサ44、46が、エピタキシャル・アイランド48を分離して、得られるアイランド48の結晶方位が堆積中に半導体層24の結晶方位によって影響されないようにする。
【0030】
エピタキシャル・アイランド48は、選択的エピタキシャル成長(SEG:selective epitaxial growth)プロセスによって形成されたシリコンから成るものとすることができ、このプロセスは、大気圧未満のプロセス圧において、約500℃から約1050℃の間の基板温度を用いて行われる。SEGプロセスのためのシリコン・ソースは、限定ではないが、シリコンテトラクロライド(SiCl
4)、トリクロロシラン(SiHCl
3)、およびジクロロシラン(SiH
2Cl
2)を含むことができる。典型的なSEGプロセス条件は、約40トールの大気圧未満のソース圧および約900℃の基板温度を含む。エピタキシャル・アイランド48は、エピタキシャル半導体材料の堆積中にシリコン・ソースにドーパントを追加することによってインシチュー(in situ)でドーピングすることができ、または、ゲルマニウム(Ge)等の別の元素をある量だけ含むことができる。
【0031】
図7において、同様の参照番号は、
図6およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図7を参照すると、CMPプロセス等の従来の平坦化プロセスによって、エピタキシャル・アイランド48の上面50およびアイランド45の上面28が平坦化されて、実質的に同一平面上にある。誘電体スペーサの各組44、46は、半導体層24に関連する半導体材料の隣接するアイランド45からエピタキシャル・アイランド48の1つを横方向に分離するように機能する。また、平坦化プロセスによってアイランド45の上面28からパッド層32、34を除去するが、別個のウェット化学エッチング・プロセスを用いて、アイランド45、48を構成する半導体材料に対して選択的にパッド層32、34の材料を除去することも可能である。例えば、ウェット化学エッチング・プロセスは、パッド層32、34を、窒素を除去するためのリン酸の加熱エッチング液および酸素を除去するためのフッ化水素酸のエッチング液に順次さらすことを伴う場合がある。
【0032】
アイランド45は、第2の基板16の結晶方位(j’、k’、l’)によって決定する結晶方位を有する。エピタキシャル・アイランド48は、第1の基板10の結晶方位(j、k、l)によって決定する結晶方位を有する。アイランド45の各々は、単結晶シリコンに共通する(100)、(110)、および(111)結晶方位から選択された結晶方位を有することができる。エピタキシャル・アイランド48の各々は、アイランド45の結晶方位とは異なり、単結晶シリコンに共通する(100)、(110)、および(111)結晶方位から選択された結晶方位を有することができる。
【0033】
界面35の深さと重複する所与の厚さtを有する埋め込み絶縁層52を形成して、半導体層24に関連した半導体材料のエピタキシャル・アイランド48およびアイランド45が基板10から電気的に絶縁されるようにする。この時点で、基板10は、ハイブリッド基板30のためのハンドル・ウェハとして機能する。埋め込み絶縁層52は、単一方向の矢印56によって図に示すように、ハイブリッド基板30内に酸素または酸素含有イオンを注入する酸素注入による分離(SIMOX:separation by implanted oxygen)と称される技法によって形成することができる。次いで、埋め込み絶縁層52を形成することができる条件のもとで、ハイブリッド基板30をアニーリングする。注入イオン56の運動エネルギは、深さまたは濃度プロファイルにおける投影飛程が界面35の近傍となるように選択される。ハイブリッド基板30は、注入の間、周囲温度または高温に保持することができる。注入イオン56のドーズ量は、埋め込み絶縁層52が化学量論的(stoichiometric)SiO
2を含むように選択すれば良い。従来の高ドーズ量SIMOXプロセスにおいては、従来のイオン注入機を用いて、約50KeVから約250KeVの運動エネルギで、約4x10
17cm
-2から約2x10
18cm
-2のドーズ量で酸素イオン(O
+)を注入して、注入直後の(as-implanted)化学量論的層が形成される。この後、高温のアニーリングによって、アイランド45、48の構成半導体材料における注入損傷を修復し、注入した酸素を、埋め込み絶縁層52を画定する埋め込み酸素層に変換する。高温アニーリングは、約1100℃から約1350℃の範囲内の温度で、少なくとも1つの酸素含有種を含み任意に1つ以上の不活性ガスによって希釈した酸化雰囲気において、実行することができる。
【0034】
従って、結果として得られるハイブリッド基板30は、SOI(semiconductor-on-insulator)基板の構成を有する。半導体材料のアイランド48および半導体層24に関連した半導体材料のアイランド45は、実質的に同じ厚さであるが異なる結晶方位を有し、埋め込み絶縁層52によって基板10から分離されたデバイス領域または活性領域を画定する。誘電体スペーサの各組44、46は、上面28から埋め込み絶縁層52まで延在し、隣接するアイランド45、48を横方向に分離する。
【0035】
特定の実施形態においては、ハイブリッド基板30は、エピタキシャル・アイランド48の半導体材料を用いたn−チャネル・トランジスタまたはnFET96(
図15)および半導体層24に関連した半導体材料のアイランド45の半導体材料を用いたp−チャネル・トランジスタまたはpFET98(
図15)の形成を伴うCMOSデバイス製造に適合する。この結果、n−チャネル・トランジスタ96およびp−チャネル・トランジスタ98は双方とも同じ基板30上に配置され、キャリア移動度は、アイランド45、48における構成半導体材料の異なる結晶方位によってそれぞれ最適化されている。トランジスタ96、98は、ソース/ドレイン領域、ハロー注入(halo implant)、ゲート、ゲート上スペーサ、ゲート・コンタクト、ソース/ドレイン・コンタクト等のような、当業者に理解される標準的なCMOSプロセス・ステップによって形成された様々な従来の構造体を含む。また、本発明においては、n−チャネル・トランジスタ96およびp−チャネル・トランジスタ98の双方が異なるアイランド45、48の各々に形成され、適切な伝導型を有するウェルを導入する場合があることも想定されている。
【0036】
本発明の代替的な実施形態においては、ハイブリッド基板を製造する際に、異なる結晶方位の1つの半導体材料のデバイス領域またはアイランドの各々の下に、半導体材料のフローティング・ボディ(floating body)が存在するようにすることができる。フローティング・ボディを用いて、これらの半導体材料アイランドを用いて製造した電界効果トランジスタの閾値電圧を別個に変更することができる。また、フローティング・ボディを用いて、製造した電界効果トランジスタにキャパシタンスを付加して、これらのデバイスを、アルファ放射粒子エラーおよび他の放射により誘発される作用に対して本質的に低感度とすることができる。放射抵抗は、放射によってあるタイプのシステムが動作不能となる場合がある宇宙船、衛星、および軍用電子機器において、利用することができる。
【0037】
図8において、同様の参照番号は、
図2および本発明の代替的な実施形態に従ったその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図8を参照すると、基板10、20は、接合され、へき開されて、第1の結晶方位(j、k、l)の基板10上に配置された第2の結晶方位(j’、k’、l’)の半導体24を含むハイブリッド基板30aが提供される。しかしながら、ハイブリッド基板30の構成とは異なり、接触している誘電体層14、20は、ハイブリッド基板30aの埋め込み絶縁層として、ハイブリッド基板30aの構成内に保持される。
【0038】
図9において、同様の参照番号は、
図8およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図9を参照すると、先に開口36(
図4)に関して述べたように、従来のリソグラフィおよびサブトラクティブ・エッチング・プロセスによって、半導体層24の半導体材料に開口60が画定されている。半導体層24の半導体材料に画定された開口60の各々は、対向する側壁62、64を含む。これらの側壁は、層24内で、半導体層24と第1の基板10との間の界面35にあるかまたは界面35の下にある底面または底部66まで延在する。側壁62、64は、実質的に相互に平行であり、半導体層24の上面28および界面35に対して実質的に垂直に配向されている。従来のリソグラフィおよびサブトラクティブ・エッチング・プロセスの終了時に、半導体層24は、基板16(
図1、
図2)の半導体材料の結晶方位を有する半導体材料の複数のアイランド65を含む。各開口60の底面66は、接触している誘電体層14、20よりも深い位置にある。
【0039】
図10において、同様の参照番号は、
図9およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図10を参照すると、先に誘電体スペーサ44、46(
図5)に関して述べたように、各開口60の側壁62、64上に、誘電体スペーサ68、70が形成されている。
【0040】
図11において、同様の参照番号は、
図10およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図11を参照すると、開口60に、エピタキシャル・アイランド48(
図6)と同様の半導体材料のエピタキシャル・アイランド72を充填して、ほぼ半導体層24の上面28と同じ高さの上面74が確立されている。基板10の単結晶半導体材料は、単結晶材料の種結晶として機能し、これがエピタキシャル・アイランド72の堆積シリコンのための結晶パターンを設定する。パッド層32、34および各開口60の側壁62、64上の誘電体スペーサ68、70が、エピタキシャル・アイランド72を分離して、得られるアイランド72の結晶方位が堆積および成長の間に半導体層24の結晶方位によって影響されないようにする。先に
図6に関して述べたように、エピタキシャル・アイランド72はSEGプロセスによって堆積することができる。
【0041】
図12において、同様の参照番号は、
図11およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図12を参照すると、先に
図7に関して述べたように、CMPプロセス等の従来の平坦化プロセスによって、エピタキシャル・アイランド72の各々の上面74および半導体層24に関連した半導体材料のアイランド65の上面28が平坦化されて、実質的に同一平面上にある。誘電体スペーサの各組68、70は、半導体層24に関連する半導体材料の隣接するアイランド65から、エピタキシャル・アイランド72の1つを横方向に分離するように機能する。また、平坦化および任意のエッチング・プロセスによって、アイランド65の上面28からパッド層32、34を除去する。
【0042】
アイランド65は、第2の基板16の結晶方位(j’、k’、l’)によって決定する結晶方位を有する。アイランド65の各々は、単結晶シリコンに共通する(100)、(110)、および(111)結晶方位から選択された結晶方位(j’、k’、l’)を有することができる。エピタキシャル・アイランド72は、第1の基板10の結晶方位(j、k、l)によって決定する結晶方位を有する。エピタキシャル・アイランド72の各々は、アイランド65の結晶方位(j’、k’、l’)とは異なり、単結晶シリコンに共通する(100)、(110)、および(111)結晶方位から選択された結晶方位(j、k、l)を有することができる。
【0043】
例えば
図7に関して記載したSIMOXプロセスによって、実質的に同一平面上の上面28、74と界面35との間のある深さに、構造的に埋め込み絶縁層52(
図7)と同様の、所与の厚さt
1の埋め込み絶縁層76を形成する。SIMOXプロセスによって形成する場合、ハイブリッド基板30aに注入される酸素または酸素含有イオンの運動エネルギの選択は、単一方向の矢印78によって図に示すように、埋め込み絶縁層76を形成するために用いられる注入酸素の濃度プロファイルを、界面35よりも浅い深さ(すなわち界面35と上面28との間のある深さ)に位置付けるように行う。注入される酸素または酸素含有イオンのドーズ量は、高温アニーリングの後の埋め込み絶縁層76が化学量論的SiO
2を含むように選択することができる。
【0044】
埋め込み絶縁層76は、アイランド65の各々を、デバイス領域または活性領域82と、層76によって活性領域82から電気的に絶縁された本体(ボディ)領域84と、に分割する。活性領域82は、埋め込み絶縁層76と上面28との間に垂直に延在する。本体領域84は、埋め込み絶縁層76の誘電体材料、接触している誘電体層14、20、および誘電体スペーサ68、70によって画定される。また、埋め込み絶縁層76は、エピタキシャル・アイランド72の各々を、デバイス領域または活性領域86と、基板10の半導体材料によって電気的に結合された本体領域88と、に分割する。この時点で、基板10は、バルクまたはハンドル・ウェハとして機能する。各活性領域86は、層76の一部によって、対応する本体領域88から電気的に絶縁されている。活性領域86は、埋め込み絶縁層76と上面74との間に垂直方向に配置されている。
【0045】
誘電体スペーサ68、70は、上面28から埋め込み絶縁体層76まで、更に、埋め込み絶縁体層76から誘電体層14、20によって画定される埋め込み絶縁層まで延在する。誘電体スペーサ68、70は、埋め込み絶縁体層76および誘電体層14、20によって画定される埋め込み絶縁層と協働して、本体領域88、活性領域82、86、および基板10から、本体領域84の各々を電気的に絶縁する。この結果、本体領域84は電気的に浮遊(フローティング)状態である。本体領域88は、基板10の電位にある。また、隣接するスペーサ対68、70は、本体領域84の各々を活性領域82の1つと垂直方向に自己整合させるように機能するので、各活性領域82は本体領域84の1つに位置合わせされる。
【0046】
図13において、同様の参照番号は、
図12およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図13を参照すると、埋め込み絶縁層76の深さまで延在する浅いトレンチ分離領域90が形成されている。浅いトレンチ分離領域90を形成するには、従来のフォトリソグラフィおよびエッチング・プロセスによってアイランド65、72にトレンチを画定し、短時間の熱酸化を実行し、次いでトレンチを埋めるために適切な厚さまで誘電体層を堆積すれば良い。浅いトレンチ分離領域90を構成する誘電体は、LPCVDプロセスによって堆積し、熱アニーリングによって高密度化し、CMPプロセス等によって平坦化したテトラエチルオルソシリケート(TEOS)等の二酸化シリコンを含むことができる。浅いトレンチ分離領域90は、アイランド65、72の上面28、74とほぼ同一平面上にある。
【0047】
図14において、同様の参照番号は、
図13およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図14を参照すると、浅いトレンチ分離領域90の各々に、埋め込み絶縁層76を貫通する本体コンタクト92、94が形成されている。本体コンタクト92、94を形成するには、当業者に理解されるように、従来のフォトリソグラフィおよびエッチング・プロセスを用いて各浅いトレンチ分離領域90内の適切な位置にバイアを画定し、次いでこれらのバイアに適切な導体を充填すれば良い。各本体コンタクト92は、エピタキシャル・アイランド72の1つの本体領域88およびハンドル・ウェハ80と電気的に結合される。各本体コンタクト94は、アイランド65の1つの本体領域88と電気的に結合される。
【0048】
本体コンタクト92、94は、導体から成る。本体コンタクト92、94に適切な導体は、限定ではないが、ドーピングした多結晶シリコン(ポリシリコン)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、銀(Ag)、これらの金属の合金、および他の同様の金属を含む。本体コンタクト92、94を構成する導体は、CVD、プラズマ増強CVD、電気めっきまたは無電解めっき等の電気化学プロセス、物理気相付着(PVD)、直流(DV)または無線周波数(RF)スパッタリング等の従来の堆積プロセスによって堆積することができる。本体コンタクト92、94の前にトランジスタ96、98が形成されるように、プロセス方法において本体コンタクト92、94の形成を調整することも可能である。
【0049】
本体コンタクト92、94を含むバイアの側壁に、任意のライナ(図示せず)を設けて、浅いトレンチ分離領域90および埋め込み絶縁体層52の誘電体材料から導体を分離させることができる。このライナは、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)、タングステン(W)、またはこれらの金属の窒化物の1つ以上の層を含むことができ、CVD、プラズマ増強CVD、またはPVD等の従来の堆積プロセスによって形成すれば良い。
【0050】
図15において、同様の参照番号は、
図14およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図15を参照すると、アイランド65の1つの活性領域82を用いてn−チャネル・トランジスタ98を構築し、エピタキシャル・アイランド72の1つの活性領域86を用いてp−チャネル・トランジスタ96を構築して、CMOSデバイスが画定されている。トランジスタ96、98は、当業者に既知の標準的なCMOS処理ステップを用いて製造する。
【0051】
n−チャネル・トランジスタ98は、アイランド65の活性領域82にn−型拡散を含み、これは、活性領域82内のチャネル領域の対向側に位置するソース領域100およびドレイン領域102と、チャネル領域の上にあるゲート電極104と、アイランド65の半導体材料からゲート電極104を電気的に絶縁するゲート誘電体106と、を表す。p−チャネル・トランジスタ96は、エピタキシャル・アイランド72の活性領域86にp−型拡散を含み、これは、活性領域86内のチャネル領域の対向側に位置するソース領域108およびドレイン領域110と、チャネル領域の上にあるゲート電極112と、エピタキシャル・アイランド72の半導体材料からゲート電極112を電気的に絶縁するゲート誘電体114と、を表す。n−チャネル・トランジスタ98およびp−チャネル・トランジスタ96の構成に、スペーサおよびハロー領域等の他の構造(図示せず)を含ませることも可能である。
【0052】
ゲート電極104、112を形成するために用いる導体は、例えば、ドーピングしたポリシリコン、シリサイド、金属、またはCVDプロセス等によって堆積した他のいずれかの適切な材料とすることができる。ソース領域100およびドレイン領域102ならびにソース領域108およびドレイン領域110は、適切な伝導型を有する適切なドーパント種のイオン注入によって、各活性領域82、86に形成することができる。ゲート誘電体106、114は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、高k誘電体、またはこれらの材料の組み合わせのようないずれかの適切な誘電体または絶縁体材料を含むことができる。誘電体106、114を構成する誘電体材料は、約1nmから約10nmの間の厚さを有することができ、反応物質、CVDプロセス、PVD技法、またはこれらの組み合わせを用いて、各活性領域82、86の半導体材料の熱反応によって形成することができる。
【0053】
各n−チャネル・トランジスタ98は、特性閾値電圧よりも高い充分な電圧がゲート電極104に印加された場合に動作する。閾値電圧を超える印加電圧は、ゲート電極104の下の活性領域82内のチャネル領域を通して充分な電界を発生させて、ソース領域100とドレイン領域102との間の構成半導体材料に伝導経路を形成し、それらの間に電流が流れることが可能となる。同様に、各p−チャネル・トランジスタ96は、特性閾値電圧よりも高い充分な電圧がゲート電極112に印加された場合に動作する。閾値電圧を超える印加電圧は、ゲート電極112の下の活性領域86内のチャネル領域を通して充分な電界を発生させて、ソース領域108とドレイン領域110との間の構成半導体材料に伝導経路を形成し、それらの間に電流が流れることが可能となる。
【0054】
各本体コンタクト92は、エピタキシャル・アイランド72の1つの本体領域88およびハンドル・ウェハ80と、そのエピタキシャル・アイランド72を介して電気的に結合される。各エピタキシャル・アイランド72の本体領域88は、p−チャネル・トランジスタ96の1つのソース領域108、ドレイン領域110、およびチャネル領域が形成されている各活性領域86の直下にある。電源116から本体コンタクト92を介してハンドル・ウェハ10の半導体材料まで適切なバイアス電圧を印加することによって、トランジスタ96の閾値電圧を変更することができる。
【0055】
各本体コンタクト94は、周囲の構造から電気的に絶縁された半導体材料のフローティング・ボディを規定するアイランド65の1つの本体領域84と、電気的に結合される。各アイランド65の本体領域84は、n−チャネル・トランジスタ98の1つのソース領域100、ドレイン領域102、およびチャネル領域が形成されている各活性領域82の直下にある。電源118から本体コンタクト94を介して本体領域84の半導体材料まで適切なバイアス電圧を印加することによって、トランジスタ98の閾値電圧を変更することができる。
【0056】
本体コンタクト92、94は別個にバイアスをかけることができるので、n−チャネル・トランジスタ98の閾値電圧は、p−チャネル・トランジスタ96の閾値電圧とは独立して変更することができ、その逆も同様である。あるいは、バイアス電圧を印加することによって、トランジスタ96、98の一方のタイプのみの閾値電圧を調節することができる。接触している誘電体層14、20が充分に薄い場合、各アイランド65の本体領域84を、本体コンタクト94を介して接触するキャパシタ構造として用いることも可能である。
【0057】
本発明の代替的な実施形態においては、異なる結晶方位の各々の半導体材料の活性領域の下に半導体材料のフローティング・ボディが存在するように、ハイブリッド基板を製造することができる。フローティング・ボディを用いて、これらの異なる活性領域を用いて製造される電界効果トランジスタの閾値電圧を個別に変更することができ、更に、製造される電界効果トランジスタに個別にキャパシタンスを追加することができる。
【0058】
図16において、同様の参照番号は、
図6およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図16を参照すると、先に
図7に関して述べたように、アイランド45の上面28から基板30のパッド層32、34が除去され、上面28が平坦化されている。アイランド45の結晶方位は、第2の基板16の結晶方位(j’、k’、l’)によって決定する。エピタキシャル・アイランド48の結晶方位は、第1の基板10の結晶方位(j、k、l)によって決定する。
【0059】
図17において、同様の参照番号は、
図16およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図17を参照すると、比較的低いエネルギの水素イオンまたは他の希ガス・イオンにより、従来のイオン注入プロセスを用いて、基板30にイオン注入を行って、損傷バンド22(
図1)と同様の浅く狭い損傷領域またはバンド120が生成されている。先に
図3に関連して述べたように、適切な熱処理の後、損傷バンド120は、へき開面を画定する。各エピタキシャル・アイランド48の上面50および半導体層24から作成された各アイランド45の上面28は、絶縁層12、20(
図1)と同様の誘電体材料の比較的薄い誘電体層122によって覆われる。
【0060】
図18において、同様の参照番号は、
図17およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図18を参照すると、基板10、16(
図1)と同様のハンドル基板124は、高k誘電体材料の比較的薄い誘電体層128と、絶縁層12、20(
図1)と同様の誘電体材料の比較的薄い誘電体層130と、に覆われた上面126を含む。高k誘電体材料の誘電体層128は、誘電体層130とハンドル基板124との間に配置されている。
【0061】
誘電体層128は、熱二酸化シリコンの誘電率に比べて高い誘電率(高k)を有する(例えば約3.9よりも高い)材料から形成される。層128を構成する高k材料は、窒化シリコン酸化物、窒化シリコン、様々な金属酸化物(例えば酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム等)、何らかの絶縁体金属窒化物(例えば窒化アルミニウム)、またはこれらの候補の材料の組み合わせ(例えば積層物および複合物)とすることができる。かかる高k誘電体は、CVDプロセス、PVDプロセス、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)、分子ビーム・エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)、または他の堆積プロセスを用いて、半導体基板上に堆積することができる。
【0062】
図19において、同様の参照番号は、
図18およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図19を参照すると、基板30、124が操作されて、誘電体層122、130が接触関係に配置されている。次いで、先に
図2に関して述べたように、接触している誘電体層122、130間の相互接合エネルギを増大させて、基板30、124を接合する。
【0063】
図20において、同様の参照番号は、
図19およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図20を参照すると、先に損傷バンド22(
図3)に関して述べたように、接合した基板30a、124を熱的に処理して、概ね損傷バンド120が画定するへき開面に沿った分離が行われている。へき開の後、
図20において、
図19に対して反転して示すハイブリッド基板30bは、この時点で、へき開面に沿って、各エピタキシャル・アイランド48の新たに露出した上面50aと、半導体層24から作成された各アイランド45の新たに露出した上面28aと、を含む。新たに露出した上面50a、28aは、例えばCMPプロセスによって平坦化および研磨して、ほぼ平坦で円滑の同一平面とする。
【0064】
図21において、同様の参照番号は、
図20およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図21を参照すると、先に
図7に関して述べたSIMOXプロセスによって、埋め込み絶縁層52(
図7)および76(
図12)と構造的に同様の、所与の厚さt
2を有する埋め込み絶縁層132が形成されている。ハイブリッド基板30bに注入される酸素または酸素含有イオンの運動エネルギの選択は、埋め込み絶縁層76を形成するために用いられる酸素の濃度プロファイルを、接触している誘電体層122、130よりも浅い深さ(すなわち接触している誘電体層122、130と上面28aとの間)に位置付けるように行う。注入される酸素または酸素含有イオンのドーズ用量は、高温アニーリングの後の埋め込み絶縁層132が化学量論的SiO
2を含むように選択することができる。
【0065】
埋め込み絶縁層132は、アイランド45の各々を、デバイス領域または活性領域134と、絶縁層132によって活性領域134から電気的に絶縁された本体領域136と、に分割する。活性領域134は、埋め込み絶縁層132と上面28aとの間に垂直に延在する。また、埋め込み絶縁層132は、エピタキシャル・アイランド48の各々を、デバイス領域または活性領域138と本体領域140とに分割する。活性領域138は、層132によって本体領域140から電気的に絶縁されている。活性領域138は、埋め込み絶縁層132と上面50aとの間に垂直方向に延在する。本体領域136、140の各々は、埋め込み絶縁層132の誘電体材料、接触している誘電体層122、130、および隣接する誘電体スペーサ対44、46によって画定される。
【0066】
誘電体スペーサ44、46は、上面28aから埋め込み絶縁体層132まで、更に、埋め込み絶縁体層132から誘電体層122、128、130によって画定される埋め込み絶縁層まで延在する。この結果、誘電体スペーサ44、46は、埋め込み絶縁体層132および誘電体層122、128、130によって画定される埋め込み絶縁層と協働して、本体領域140、活性領域134、138、およびハンドル基板124から、本体領域136の各々を電気的に絶縁させる。また、隣接するスペーサ対44、46は、本体領域136の各々を活性領域134の1つと垂直方向に自己整合させるように機能するので、各活性領域134は本体領域136の1つに位置合わせされる。同様に、隣接するスペーサ対44、46は、埋め込み絶縁体層132および誘電体層122、128、130によって画定される埋め込み絶縁層と協働して、本体領域136、活性領域134、138、およびハンドル基板124から、本体領域140の各々を電気的に絶縁させる。また、誘電体スペーサ44、46は、本体領域140の各々を活性領域138の1つと垂直方向に自己整合させるように機能するので、各活性領域138は本体領域140の1つに位置合わせされる。本体領域136、140の各々は、電気的に浮遊状態である。
【0067】
図22において、同様の参照番号は、
図21およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図22を参照すると、先に
図13に関して述べたように、浅いトレンチ分離領域90(
図13)と構造的に同様の浅いトレンチ分離領域142が、埋め込み絶縁層132の深さまで延出するように形成されている。
【0068】
図23において、同様の参照番号は、
図22およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図23を参照すると、浅いトレンチ分離領域142の各々に、本体コンタクト92、94(
図14)と構造的に同様の本体コンタクト144、146が形成されている。本体コンタクト144、146は、先に
図19に関して述べたように、埋め込み絶縁層132を貫通する。各本体コンタクト144は、エピタキシャル・アイランド48の1つの本体領域140と電気的に結合される。各本体コンタクト146は、アイランド45の1つの本体領域136と電気的に結合される。
【0069】
図24において、同様の参照番号は、
図23およびその後の製造段階における同様の構造体を示す。
図24を参照すると、先に
図15に関して述べたように、アイランド45の1つの活性領域134を用いてn−チャネル・トランジスタ96を構築し、エピタキシャル・アイランド48の1つの活性領域138を用いてp−チャネル・トランジスタ98を構築して、CMOSデバイスが画定されている。
【0070】
各本体コンタクト144は、エピタキシャル・アイランド48の1つの本体領域140と電気的に結合されている。各エピタキシャル・アイランド48の本体領域140は、p−チャネル・トランジスタ98の1つのソース領域108、ドレイン領域110、およびチャネル領域が形成されている各活性領域138の直下にある。ソース領域100(またはドレイン領域102)から本体コンタクト144を介して本体領域140の半導体材料まで適切なバイアス電圧を印加することによって、トランジスタ98の閾値電圧を変更することができる。
【0071】
各本体コンタクト146は、周囲の構造から電気的に絶縁された半導体材料のフローティング・ボディを規定するアイランド45の1つの本体領域136と電気的に結合されている。各アイランド45の本体領域136は、n−チャネル・トランジスタ96の1つのソース領域102、ドレイン領域104、およびチャネル領域が形成されている各活性領域134の直下にある。ドレイン領域110(またはソース領域108)から本体コンタクト146を介して本体領域136の半導体材料まで適切なバイアス電圧を印加することによって、トランジスタ96の閾値電圧を変更することができる。
【0072】
本体コンタクト92、94は別個にバイアスをかけることができるので、n−チャネル・トランジスタ96の閾値電圧は、p−チャネル・トランジスタ98の閾値電圧とは独立して変更することができ、その逆も同様である。あるいは、バイアス電圧を印加することによって、トランジスタ96、98の一方のタイプのみの閾値電圧を調節することができる。接触している誘電体層122、130が充分に薄い場合、各アイランド45の本体領域136を、本体コンタクト146を介して接触するキャパシタ構造として用いることができ、または、各エピタキシャル・アイランド48の本体領域140を、本体コンタクト144を介して接触するキャパシタ構造として用いることができる。
【0073】
本発明の代替的な実施形態においては、ハイブリッド基板30bの構成から、高k誘電体材料の誘電体層128を省略することも可能である。本発明の別の代替的な実施形態においては、ハイブリッド基板30a(
図8から
図15)を変更して、誘電体層14、20に隣接する高k誘電体材料の(層128と同様の)絶縁層を含ませることも可能である。
【0074】
図25は、例示的な設計フロー150のブロック図を示す。設計フロー150は、設計対象の集積回路(IC)の種類に応じて変動する場合がある。例えば、特定用途向けIC(ASIC:application specific IC)を構築するための設計フロー150は、標準的な構成要素を設計するための設計フロー150とは異なる場合がある。設計構造152は、好ましくは設計プロセス154に対する入力であり、IPプロバイダ、コア開発業者、もしくは他の設計会社から入手することができ、または設計フローのオペレータによって生成させることができ、または他のソースからのものとすることができる。設計構造152は、図面またはHDLすなわちハードウェア記述言語(例えばVerilog、VHDL、C等)の形態の、トランジスタ96、98を組み込んだ回路を含む。設計構造152は、1つ以上の機械読み取り可能媒体上に含ませることができる。例えば、設計構造152は、回路のテキスト・ファイルまたはグラフ表現とすることができる。好ましくは、設計プロセス154は、回路をネットリスト156に合成(または翻訳)し、この場合、ネットリスト156は、例えば、配線、トランジスタ、論理ゲート、制御回路、I/O、モデル等のリストであり、集積回路設計における他の要素および回路に対する接続を記述し、機械読み取り可能媒体の少なくとも1つに記録されている。これは、回路のための設計仕様およびパラメータに応じてネットリスト156を1度以上再合成する繰り返しプロセスとすることも可能である。
【0075】
設計プロセス154は、様々な入力の使用を含むことができる。これは、例えば、1組の一般的に用いられる要素、回路、およびデバイスを収容することができるライブラリ要素158からの入力であり、所与の製造技術のためのモデル、レイアウト、および記号表現を含み(例えば異なる技術ノード、32nm、45nm、90nm等)、更に、設計仕様160、構造体データ162、検証データ164、設計ルール166、および試験データ・ファイル168(これは試験パターンおよび他の試験情報を含む場合がある)である。設計プロセス154は、更に、例えば、タイミング分析、検証、設計ルールのチェック、配置およびルーティング動作等、標準的な回路設計プロセスを含むことができる。本発明の範囲および精神から逸脱することなく設計プロセス154において用いることができる電子設計自動ツールおよびアプリケーションの範囲は、集積回路設計の当業者によって認められよう。本発明の設計構造は、いずれかの特定の設計フローには限定されない。
【0076】
好ましくは、設計プロセス154は、いずれかの追加の集積回路設計またはデータ(適用可能な場合)と共に、
図7、
図15、および
図24に示したように、本発明の少なくとも1つの実施形態を、第2の設計構造170に翻訳する。設計構造170は、集積回路のレイアウト・データを交換するために用いられるデータ・フォーマットで記憶媒体上に存在する(例えばGDSII(GDS2)、GL1、OASIS、またはかかる設計構造のための他のいずれかの適切なフォーマットに記憶された情報)。設計構造170は、例えば、試験データ・ファイル、設計内容ファイル、製造データ、レイアウト・パラメータ、配線、金属レベル、バイア、形状、製造ラインを通したルーティングのためのデータ、および、
図7、
図15、および
図24に示したような本発明の少なくとも1つの実施形態を生成するために半導体製造業者によって必要とされる他のいずれかのデータ等の情報を含むことができる。次いで、設計構造170は段階172に進むことができる。ここで、設計構造170は、例えばテープ出力が行われたり、製造のため放出されたり、マスク会社に放出されたり、別の設計会社に送信されたり、カスタマに返信されたりする等となる。
【0077】
本発明において、「垂直方向」、「水平方向」等の言葉の使用は、限定としてではなく一例としてのみ行われて、視座を確立する。本発明において用いる場合、「水平方向」という言葉は、実際の三次元空間配置には無関係に、半導体ウェハまたは基板の従来の面に対して平行な面として規定する。「垂直方向」という言葉は、規定した水平方向に対して垂直な方向を指す。「上に」、「上部に」、「下部に」、「側方に」(「側壁」において等)、「より高い」、「より低い」、「上方に」、「直下に」、「下方に」等の言葉は、水平面に対して規定される。本発明の実施形態を記述するために、様々な他の視座を使用可能であることは、理解されよう。
2つの層の状況において用いられる「上に」という言葉は、層間に少なくとも何らかの接触があることを意味する。「上方に」という言葉は、2つの層が近接しているが、1つ以上の追加の層が介在する可能性があり、接触は可能であるが必須ではないということを意味する。本発明において用いる場合、「上に」も「上方に」も、いずれかの方向性は何ら示さない。
【0078】
本発明における半導体構造の製造について、特定の順序の製造段階およびステップによって説明した。しかしながら、順序は記載したものと異なる場合があることは理解されよう。例えば、2つ以上の製造ステップの順序を、図示した順序に対して交換することができる。更に、2つ以上の製造ステップを、同時にまたは部分的に同時に実行することも可能である。更に、様々な製造ステップを省略し、他の製造ステップを追加することができる。かかる全ての変形が本発明の範囲内であることは理解されよう。また、図面において、本発明の構造体は、必ずしも一定の縮尺に従って図示したわけではないことは、理解されよう。
【0079】
本発明について、様々な実施形態の記述によって例示し、これらの実施形態をかなり詳細に説明したが、特許請求の範囲の範囲をかかる詳細に制限することまたはいかなる意味でも限定することは、本出願人の意図ではない。当業者には、追加の利点および変更が容易に想起されよう。従って、本発明は、より広い態様において、図示し記載した特定の詳細事項、代表的な装置および方法、ならびに説明のための例に限定されない。従って、出願人の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、かかる詳細事項から逸脱することも可能である。