(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793800
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】電動回転ベッドの回転装置
(51)【国際特許分類】
A47C 17/04 20060101AFI20150928BHJP
H02P 3/06 20060101ALI20150928BHJP
A47C 19/02 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
A47C17/04 Z
H02P3/06 C
A47C19/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-241430(P2010-241430)
(22)【出願日】2010年10月12日
(65)【公開番号】特開2012-81221(P2012-81221A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2013年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】507242226
【氏名又は名称】オリジン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北原 義之
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭45−026371(JP,Y1)
【文献】
特開2009−066319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/04
A47C 19/02
H02P 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源のモータと、前記モータの回転に連動して回転をするベッドと、前記ベッドがある特定位置になった時に信号を出す位置センサと、前記モータの回転方向を操作する操作スイッチと、前記操作スイッチを押すと一定時間モータを回転するように制御する制御回路があり、前記操作ボタンを押して一定時間後近傍にて前記位置センサからの信号をもとに、モータの停止制御を行い、回転するベッドを所定の位置に停止することを特徴とする電動回転ベッド。
【請求項2】
駆動源のモータと、前記モータの回転に連動して回転をするベッドと、前記ベッドがある特定位置になった時に信号を出す位置センサと、前記モータを制御する制御回路と、前記制御回路に信号を出すリセット操作スイッチがあり、前記リセット操作スイッチを押す事で、前記制御回路により前記モータを駆動し、前記位置センサからの信号をもとに、モータの停止制御を行い、回転するベッドを所定の位置に停止することを特徴とする電動回転ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動回転ベッドの回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動回転ベッドを動作フロー(
図7)にて説明する。従来は
図5(b)のようなCW回転スイッチ111、CCW回転スイッチ112、OFFスイッチ113のような3種類のスイッチを使用したベッドコントローラを使用しており、使用者がベッドコントローラスイッチを押し(S101)、電動回転ベッドを回転させていた。所定時間回転すると(S102〜S104)モータが停止(S105)する仕組みになっており、使用者が退出した後、ベッドメイクの時には回転ベッドを所定の位置まで回転させる必要があった(S106〜S110)。
【0004】
ベッドメイクは通常、頭側と脚側は決まった位置に設置する(例えば、頭側に設置する枕はTVを見やすいような位置に置いたりする(
図1(a))。
【0005】
しかしながら、電動回転ベッドの回転は時間で制御されているため、CW回転スイッチ111やCCW回転スイッチ112を押し、所定時間電動回転ベッドが回転した後には所定位置(
図1(a))では停止しないため、使用者が電動回転ベッドを使用して退出した後(
図1(b))、電動回転ベッドは所定位置になく、ベッドメイクの際に電動回転ベッドを所定位置まで回転させる必要があり、所定位置まで回転するまで長時間監視する必要があり、ベッドメイクが非効率になる問題があった。
【0006】
また、使用者が電動回転ベッドのベッドコントーラのスイッチを押して、一定時間回転後に任意の位置で停止した後(
図1(b))、使用者がTVを見ようとした時には使用者はTVを見やすい位置にないため、枕の位置を移動しなければいけない問題もあった。
【0007】
本考案はこのような事情に鑑み、所定の位置で停止する電動回転ベッドを提供する事を目的とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項1記載の電動回転ベッドの回転装置は、駆動源のモータと、前記モータの回転に連動して回転をするベッドと、前記ベッドがある特定位置になった時に信号を出す位置センサと、前記モータの回転方向を操作する操作スイッチと、前記操作スイッチを押すと一定時間モータを回転するように制御する制御回路があり、前記操作ボタンを押して一定時間後近傍にて前記位置センサからの信号をもとに、モータの停止制御を行い、回転するベッドを所定の位置に停止することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の電動回転ベッドの回転装置は、駆動源のモータと、前記モータの回転に連動して回転をするベッドと、前記ベッドがある特定位置になった時に信号を出す位置センサと、ベッドを所定位置に回転させるリセット操作スイッチと、前記モータを制御する制御回路があり、前記リセット操作スイッチを押すと、前記位置センサからの信号をもとに、モータの停止制御を行い、回転するベッドを所定の位置に停止することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、電動回転ベッドが所定の位置に停止することで、利用者がTVを見やすい位置で停止するため、わざわざ移動をする煩わしさがなくなり使いやすくなる。また、ベッドメイクでも、簡単に所定の位置に電動回転ベッドが自動に回転してくれるため、ベッドメイクもしやすく、ベッドメイクに掛かる時間が削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】従来の電動回転ベッドの回転装置の停止位置説明図である
【
図2】実施例1、2に係る回転ベッド全体の斜視図である。
【
図3】実施例1、2に係る回転ベッドの縦断面図である。
【
図4】実施例1、2に係る回転ベッドのY−Y断面図である。
【
図6】実施例1、2に係る制御系のブロック図である
【
図7】従来の回転ベッドの動作を示すフローチャートである
【
図8】実施例1に係る回転ベッドの動作を示すフローチャートである
【
図9】実施例2に係る回転ベッドの動作を示すフローチャートである
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図2〜
図7において実施例1を説明する。
【0015】
図2は本発明の実施例1に係る回転ベッドの斜視図で、
図3、
図4はそれぞれ縦断面図、Y−Y断面図である。
【0016】
ベース12は図示していない床面に固定されており、ベース12にはベアリングA6とベアリングB9が固定されている。各々のベアリングは回転軸A5と回転軸B8を回転可能に軸支するようになっている。回転軸A5にはプーリA4が一体的に固定されていて、一端には図示していない電源に接続されたモータ3が嵌合するようになっている。モータ3は図示していない回転止めにより、回転方向を規制されるように固定されている。これにより、モータ3が回転すると回転軸A5とプーリA4が回転するようになっている。回転軸B8にはプーリB7が一体的に固定されていて、一端には嵌合軸10が嵌合し、嵌合軸10と回転軸B8も一体的に回転するようになっている。プーリA4とプーリB7にはベルト16が噛み合い、プーリA4の駆動力をプーリB7に伝達する仕組みとなっている。嵌合軸10とマット受11は一体的に固定されていて、マット受け11と回転ベッド枠1は一体的に固定されている。マット受け11の上にはマットレス2が乗っかっている。また回転ベッド枠1にはローラ13が固定されており、回転ベッド枠1が回転軸B8を中心に回転する時、ローラ13が床面(図示せず)に対して回転することで、回転ベッド枠1の回転をスムースにする役割をしている。位置センサ14は床面(図示せず)に固定されている。位置センサ14には位置センサ検出部14Aがあり、この部分を動かす事により信号がでる仕組みになっている。突起部15は回転ベッド枠1に固定されていて、ベッド枠1が回転すると突起部15もベッド枠と共に回転する。また、突起部15は位置センサ検出部14Aと当たるように配置されていて、回転ベッド枠1が1周すると突起部15が位置センサ突起部14Aを動かし信号がでる仕組みになっている。
【0017】
次に実施例1の動作フローチャート(
図8)に沿って説明する。使用者がベッドコントローラ50(
図5(a))のCWボタン101を押す(S201)とモータ3がCW方向に回転し、回転軸A5に固定されているプーリA4もCW回転する。このプーリA4が回転することで、ベルト16が回転し、プーリB7をCW回転させ、プーリB7の回転軸B8がCW回転する。回転軸B8が回転することで、回転軸B8に嵌合している嵌合軸10がCW回転し、マット受け11を介して回転ベッド枠1がCW回転する。またCWボタン101を押した後、制御回路201(
図6)に内蔵されたタイマーにより30分後(S202〜S205)にモータ3の停止制御(S206)をし、モータ3を停止(S207)させる。同様にCCWボタン102を押す(S201)と回転ベッド枠1がCCW回転し、制御回路201に内蔵されたタイマーにより30分後(S202〜S205)にモータ3の停止制御(S206)をし、モータ3を停止(S207)させる。
【0018】
もし停止位置が所定の位置で無い場合(S208)、ベッドを所定位置へ回転動作を再作動させる。リセットボタンを押し、モータを再作動させた後、位置センサからの信号を元に、モータの制御をおこない、回転するベッドを所定の位置に停止する。この動作をフローチャート(
図8)を用いて説明する。
リセットボタン103を押す(S209)とモータ3はCW方向に回転(S210)し、突起部15が位置センサ検出部14Aを動かし、信号を出す(S211)。この信号を制御回路が受けると、モータ3の停止制御(S212)を行い、モータ3を停止(S213)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める。またモータ3が回転中にOFFボタン104を押す(S204)とモータ3の停止制御(S220)をし、モータ3を停止(S221)させるようになっている。この後、リセットボタン103を押す(S222)とモータ3をCW方向に回転(S210)し、突起部15が位置センサ検出部14Aを動かし、信号を出す(S211)。この信号を制御回路201が受けると、モータ3の停止制御(S212)を行い、モータ3を停止(S213)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める。
【0019】
以上述べたように上記実施例1によれば、CWボタン、CCWボタンを押せば所定時間電動ベッドを回転でき、しかも回転中にOFFボタンを押す事で利用者が好みの位置で停止することができる上、ベッドメイクの際にはリセットボタンを一つ押すことで、所定の位置に戻ることから、ベッドメイク開始時にリセットボタンを押し、ベッドが所定位置に回転監視が不要のため、他の仕事ができ、ベッドメイクの時間を短縮できる。
【0020】
次に本発明の実施例2について説明する。回転ベッドの構成は実施例1と同様で、異なる点はベッドコントローラが
図5(b)のようにCWボタン、CCWボタン、OFFボタンの3種類になったことである。
【0021】
次に実施例2の動作フローチャート(
図9)に沿って説明する。使用者がベッドコントローラ(
図5(b))のCWボタン111を押す(S301)とモータ3がCW方向に回転し、回転軸A5に固定されているプーリA4もCW回転する。このプーリA4が回転することで、ベルト16が回転し、プーリB7をCW回転させ、プーリB7の回転軸B8がCW回転する。回転軸B8が回転することで、回転軸B8に嵌合している嵌合軸10がCW回転し、マット受け11を介して回転ベッド枠1がCW回転する。またCWボタン111を押した後、制御回路201(
図6)に内蔵されたタイマーにより30分経過(S302〜S305)したのち、最初の位置センサ14からの信号を受け(S306)、モータ3の停止制御(S307)を行い、モータ3を停止(S308)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める。またモータ3がCW回転中にOFFボタン113を押すと、最初の位置センサ14からの信号を受け(S306)、モータ3の停止制御(S307)を行い、モータ3を停止(S308)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める。同様にCCWボタン112を押す(S301)とモータ3がCCW方向に回転し、回転軸A5に固定されているプーリA4もCCW回転する。このプーリA4が回転することで、ベルト16が回転し、プーリB7をCCW回転させ、プーリB7の回転軸B8がCCW回転する。回転軸B8が回転することで、回転軸B8に嵌合している嵌合軸10がCCW回転し、マット受け11を介して回転ベッド枠1がCCW回転する。またCCWボタン112を押した後、制御回路201(
図6)に内蔵されたタイマーにより30分経過(S302〜S305)したのち、最初の位置センサ14からの信号を受け(S306)、モータ3の停止制御(S307)を行い、モータ3を停止(S308)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める。またモータ3がCCW回転中にOFFボタン113を押すと、押した後、最初の位置センサ14からの信号を受け(S306)、モータ3の停止制御(S307)を行い、モータ3を停止(S308)し、所定位置に回転ベッド枠1を止める
【0022】
ここで、制御回路201(
図6)に内蔵されたタイマーによりタイマー終了時間である30分近傍において位置センサ14からの信号を受けてモータ3の停止制御を行い、モータ3を停止し、所定位置に回転ベッド枠1を止めてもよい。
【0023】
以上述ベたように上記実施例2によれば、CWボタン、CCWボタンを押せば所定時間電動ベッドを回転できる。しかも所定時間完了後には必ず所定位置で回転が停止するので、利用者もTVを見やすい。また、ベッドメイクの際には必ず所定の位置に電動回転ベッドがあることから、電動回転ベッドを所定位置まで回転させる必要がないため、ベッドメイクの時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、回転ベッド以外にもターンテーブルなどに利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 回転ベッド枠
2 マットレス
3 駆動源のモータ
4 プーリA
5 回転軸A
6 ベアリングA
7 プーリB
8 回転軸B
9 ベアリングB
10 嵌合軸
11 マット受け
12 ベース
13 ローラ
14 位置センサ
14A 位置センサ検出部
15 突起部
16 ベルト