(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のネットワーク要素が、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)認証デバイスであり、前記第1のアクセスネットワークが、WLANネットワークであり、前記第2のアクセスネットワークが、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)アクセスネットワークであり、
HSSからPDN接続の情報を受信する前記ステップが、
前記UEが前記WLANネットワークにアクセスするアクセス認証プロセスにおいて、前記WLAN認証デバイスが、認証、許可、および課金(AAA)サーバまたはAAAプロキシを介して前記HSSによって前記WLAN認証デバイスに送信されるユーザ加入データを受信するステップを含み、前記ユーザ加入データが、前記PDN接続の前記情報を含む、請求項1または2に記載の方法。
前記アクセス認証プロセスが完了した後、前記WLAN認証デバイスが、前記UEから動的ホスト構成プロトコル(DHCP)要求を受信するステップと、ローカルインターネットプロトコル(IP)アドレスを前記UEに割り当てるステップと、ローカルIPパケットの負荷としてPDN接続のIPパケットを用いて、前記UEと通信するステップとをさらに含み、前記PDN接続の前記IPパケットが、前記WLANネットワークにオフロードされる、請求項3に記載の方法。
前記第1のネットワーク要素が、移動管理エンティティ(MME)であり、前記第1のアクセスネットワークが、3GPPアクセスネットワークであり、前記第2のアクセスネットワークが、WLANネットワークであり、
HSSからPDN接続の情報を受信する前記ステップは、
前記UEが前記3GPPアクセスネットワークに接続されるプロセスにおいて、前記MMEが、前記HSSから前記MMEに送信されるユーザ加入データを受信するステップを含み、前記ユーザ加入データが、前記PDN接続の前記情報を含む、請求項1または2に記載の方法。
前記第1のネットワーク要素が、WLAN認証デバイスであり、前記第1のアクセスネットワークが、WLANネットワークであり、前記第2のアクセスネットワークが、3GPPアクセスネットワークであり、
HSSからPDN接続の情報を受信する前記ステップは、
前記WLAN認証デバイスが、前記HSSから、前記3GPPアクセスネットワークを介して前記UEによって新たに活性化されたPDN接続の情報を受信するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術的解決法、および利点を、より理解できるようにするために、下記では、添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態で提供されるデータオフロードをトリガするための方法は、下記を含む。
【0018】
ステップ101:第1のネットワーク要素が、HSSから、PDN接続の情報を受信し、ここで、情報はオフロード指示情報を含み、PDN接続は第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立される。
【0019】
本発明のこの実施形態で言及するUEは、移動端末(Mobile Terminal)、モバイルユーザ機器、などとも呼ばれてよい。UEは、無線アクセスネットワークを介して、1つまたは複数のコアネットワークと通信することができ、具体的には、携帯電話(または、「セルラ」電話とも呼ばれる)、移動体通信機能を有するデータカード、もしくは、組み込み型移動体通信ユニットを有する、可搬型、ポケット型、もしくはハンドヘルドコンピュータ、または、音声信号および/もしくはデータ信号を無線アクセスネットワークと交換する移動体通信機能を有する車載デバイスであってよい。
【0020】
ステップ102:第1のネットワーク要素は、オフロード指示情報を取得し、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフロー(すなわち、上述したIPフロー)を第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガする。
【0021】
好適には、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするステップの前に、方法は、さらに、第1のネットワーク要素が、UEのオフロード能力情報を取得するステップと、オフロード能力情報にしたがってUEがオフロード処理をサポートすることを判定した後、第1のネットワーク要素が、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするステップを実行するステップとを含むことができる。
【0022】
第1のネットワーク要素は、無線ローカルエリアネットワーク
(WLAN
)認証デバイスであってよく、第1のアクセスネットワークは、WLANであり、第2のアクセスネットワークは、3GPPアクセスネットワークである。
【0023】
HSSからPDN接続の情報を受信するステップは、UEがWLANネットワークにアクセスするアクセス認証プロセスにおいて、WLAN認証デバイスが、認証、許可、および課金(AAA)サーバ/プロキシを介してHSSによってWLAN認証デバイスに送信されるユーザ加入データを受信するステップを含むことができ、ユーザ加入データは、PDN接続の情報を含む。
【0024】
方法は、さらに、アクセス認証が完了した後、WLAN認証デバイスが、UEから動的ホスト構成プロトコル
(DHCP
)要求を受信するステップと、ローカルインターネットプロトコルIPアドレスをUEに割り当てるステップと、ローカルIPパケットの負荷としてPDN接続のIPパケットを用いて、UEと通信するステップとを含み、PDN接続のIPパケットは、WLANネットワークにオフロードされる。
【0025】
第1のネットワーク要素が、無線ローカルエリアネットワーク
(WLAN
)認証デバイスである場合、第1のアクセスネットワークは、WLANネットワークであり、第2のアクセスネットワークは、3GPPアクセスネットワークであり、HSSからPDN接続の情報を受信するステップは、WLAN認証デバイスが、HSSから、3GPPアクセスネットワークを介してUEによって新たに活性化されたPDN接続の情報を受信するステップも含む。
【0026】
第1のネットワーク要素は、移動管理エンティティ
(MME
)であってもよく、第1のアクセスネットワークは、3GPPアクセスネットワークであり、第2のアクセスネットワークは、WLANネットワークであり、HSSからPDN接続の情報を受信するステップは、UEが3GPPアクセスネットワークに接続されるプロセスにおいて、MMEが、HSSからMMEに送信されるユーザ加入データを受信するステップを含み、ユーザ加入データは、PDN接続の情報を含む。
【0027】
図2に示すように、本発明の実施形態は、データオフロードをトリガする別の方法を提供する。
図2に示すプロセスは、上記の実施形態によるUE側の例示的な実施形態の実施プロセスである。プロセスは、下記を含む。
【0028】
ステップ201:UEが、UEのオフロード能力情報を取得する。
【0029】
ステップ202:ネットワーク側のネットワーク要素がHSSによって配信されるオフロード指示情報およびオフロード能力情報にしたがってPDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするように、オフロード能力情報をネットワーク側に報告し、PDN接続は、第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立される。
【0030】
前述の実施形態のそれぞれでは、第1のネットワーク要素は、HSSから、第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報はオフロード指示情報を含み、第1のネットワーク要素は、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガし、または、UEは、ネットワーク側のネットワーク要素がHSSによって配信されるオフロード指示情報およびオフロード能力情報にしたがってPDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするように、UEのオフロード能力情報をネットワーク側に報告する。すなわち、第1のネットワーク要素は、HSSによって配信されるオフロード指示情報にしたがってオフロード処理をトリガし、または、第1のネットワーク要素は、HSSによって配信されるオフロード指示情報およびUEによって報告されるオフロード能力情報にしたがってオフロード処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要であることの情報を、第1のネットワーク要素に示す必要がない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させ、UEのコストを低減する。
【0031】
さらに、この実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみWLANアクセスネットワーク要素がオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告し、これにより、WLANネットワーク要素が成功することができないオフロード処理をトリガすることを回避する。
【0032】
下記では、本発明の例示的ないくつかの実施形態を別々に詳述する。
【0033】
「例示的な実施形態1」
この例示的な実施形態が基づくシナリオは、下記の通りである。LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワーク(LTE/WCDMA(登録商標))を介して複数のPDN接続を確立した後、UEは、WLANネットワークにアクセスし、確立されたPDN接続内のIPフローを、WLANネットワークにオフロードする。
【0034】
図3に示すように、この例示的な実施形態は、下記のステップを含む。
【0035】
ステップ301:UEが、LTE内のPDN接続を確立する。
【0036】
UEによってLTE/WCDMA(登録商標)ネットワークでPDN接続を確立するための具体的な実施解決法については、既存のLTE規格、および、LTE/WCDMA(登録商標)でPDN接続を確立するための様々な既存の技術における関連する説明を参照することができ、したがって、さらなる詳細は、本明細書では提供されない。このステップでは、1つまたは複数のPDN接続が確立されてよく、本出願文書でのPDN接続の確立は、PDN接続の活性化に相当する。
【0037】
ステップ302:UEが、WLANネットワークにアクセスし、アクセス認証プロセスを実行し、ここで、アクセス認証プロセスは、UE、WLANネットワーク内の認証デバイス(下記では、略してWLANアクセスネットワーク要素)、認証、許可、および課金(Authentication, Authorization, and Accounting, AAA)サーバ(Server)、ならびに、HSSの間で実行される。
【0038】
アクセス認証プロセスでのメッセージ交換方式は、既存のアクセス認証プロセスと基本的に同様である。唯一の違いは、HSSに格納されるユーザ加入データの構造が、既存のユーザ加入データと完全に同じではない点である。したがって、HSSによってAAAサーバに送信されるメッセージ、AAAサーバによってWLANアクセスネットワーク要素に送信されるメッセージ、または、AAAプロキシを使用することによって、AAAサーバによってWLANアクセスネットワーク要素に送信されるメッセージを含む、ユーザ加入データを含むと共にアクセス認証プロセスに関わるメッセージの内容は、既存のメッセージの内容と完全に同じではない。ユーザ加入データの構造、および、メッセージ内容の両方の具体的な違いは、下記の通りである。ユーザ加入データ内のPDN接続の情報では、ユーザの各加入APNは、対応するPDN接続の異なるIPフローが異なるアクセスネットワーク内で同時に伝送されることを許可するオフロード指示情報、または、対応するPDN接続の異なるIPフローが異なるアクセスネットワーク上で同時に伝送されることを許可しない指示情報によって構成される。
【0039】
PDN接続の情報の内容は、下記のように示される。
【0041】
情報の内容では、IFOM-Indicatorは、PDN接続の情報の現在の内容に基づいて新たに追加された情報要素(Information Element、IE)である。情報要素は、列挙型であり、値は、0/1である。情報要素の値が0として設定されている場合、対応するPDN接続の異なるIPフローが異なるアクセスネットワークで同時に伝送されることが許可されないことを示し、情報要素の値が1として設定されている場合、対応するPDN接続の異なるIPフローが異なるアクセスネットワークで同時に伝送されることが許可されることを示す。
【0042】
WLANアクセスネットワーク要素は、WLAN認証機能を有するアクセスポイントコントローラ(Access Point Controller、AC)であってよく、または、オーセンティケータ(Authenticator)機能を有する別のWLANネットワーク要素であってよい。
【0043】
ステップ303:オフロード指示情報がPDN接続の情報に含まれることを判定した後、WLANアクセスネットワーク要素は、アクセス認証プロセスで取得されるユーザ加入データ内のPDN接続の情報にしたがって、PDN接続のためのオフロード処理をトリガする。
【0044】
オフロード処理を必要とする複数のPDN接続が存在する場合、WLANアクセスネットワーク要素は、各PDN接続のためのオフロード処理をトリガする。
【0045】
アクセス認証プロセスでは、UEは、さらに、EAP-responseメッセージにオフロード能力指標(indication:表示)(すなわち、UEのオフロード能力情報)を追加することができ、そのため、WLANアクセスネットワーク要素を含む、EAP-responseメッセージを受信するすべてのネットワーク要素が、UEのオフロード能力情報を取得することができる。オフロード能力情報は、2つの値を有することができ、一方の値は、UEがオフロード機能をサポートすることを示し、他方の値は、UEがオフロード機能をサポートしないことを示す。UEは、オフロード機能をサポートするその能力に応じて、フィールドの値を決定することができる。オフロード能力情報は、オフロードをサポートすることの指標であってもよい。オフロード機能をサポートするUEは、オフロード能力情報をEAP-responseメッセージに直接追加し、オフロード機能をサポートしないUEは、オフロード能力情報を追加しない。UEのオフロード能力情報を取得した後、WLANアクセスネットワーク要素は、UEのオフロード能力情報、すなわちオフロード機能がサポートされるまたはオフロード機能がサポートされない、を記録する。
【0046】
ステップ303では、PDN接続のためのオフロード処理をトリガする前に、WLANアクセスネットワーク要素は、さらに、UEのオフロード能力情報を判定することを必要とし、UEのオフロード能力情報が、UEがオフロード機能をサポートすることである場合、WLANアクセスネットワーク要素は、PDN接続のためのオフロード処理をトリガするステップを実行し、そうでない場合、WLANアクセスネットワーク要素は、PDN接続のためのオフロード処理をトリガしない。具体的には、WLANアクセスネットワーク要素は、最初に、UEのオフロード能力情報を判定することができ、次に、PDN接続の情報内のオフロード指示情報にしたがって、オフロード処理をトリガするかどうかを判定することができ、または、最初に、PDN接続の情報内のオフロード指示情報にしたがって、次に、UEのオフロード能力情報にしたがって、オフロード処理をトリガするかどうかを判定することができる。ステップ303のオフロード処理をトリガするための解決法は、基本的に従来技術と同様であり、簡単な説明は、下記の通りである。WLANアクセスネットワーク要素は、PDN接続の情報に含まれるAPN情報にしたがって、対応するPGWを決定し、PDN接続のためのオフロード処理を活性化するために、決定したPGWにメッセージを送信し、ここで、メッセージは、APN情報およびオフロード指示を含む。
【0047】
ステップ304では、APN情報およびオフロード指示情報を伝送するメッセージを受信するPGWは、APN情報にしたがって、PDN接続に対応するUEのIPアドレスを決定し、応答メッセージを使用することによって、IPアドレスをWLANアクセスネットワーク要素にフィードバックし、次に、PGWは、それ自体によって、伝送のためのWLANネットワークにオフロードすべきIPフローを決定し、または、PCRFと相互作用することによって、伝送のためのWLANネットワークにオフロードすべきIPフローを決定し、決定したIPフローを、WLANネットワークを介して送信する。
【0048】
この実施形態では、LTEまたはWCDMA(登録商標)のPDN接続を確立し、IPアドレスを取得した後、UEは、WLANに接続した後、DHCPプロセスを開始しなくてよい。代わりに、UEは、WLANに接続した後、DHCPメッセージを開始することができるが、しかしWLANアクセスネットワーク要素は、DHCP要求メッセージを受信した後、UEにDHCP要求拒絶メッセージを返す。
【0049】
この例示的な実施形態では、WLANアクセスネットワーク要素は、HSSから、LTE/WCDMA(登録商標)ネットワークを介してUEによって確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含み、WLANアクセスネットワーク要素は、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローをWLANネットワークにオフロードする処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要であることの情報を、WLANアクセスネットワーク要素に示す必要がない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させる。
【0050】
さらに、この例示的な実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみWLANアクセスネットワーク要素がオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告し、これにより、WLANネットワーク要素が成功することができないオフロード処理をトリガすることを回避する。
【0051】
「例示的な実施形態2」
この例示的な実施形態が基づくシナリオは、下記の通りである。WLAN
ネットワークにアクセスし、PDN接続を活性化した後、UEは、LTEまたはWCDMA(登録商標)ネットワークにアクセスし、活性化したPDN接続のIPフローをLTEまたはWCDMA(登録商標)ネットワークにオフロードする。
【0052】
図4に示すように、この実施形態は、下記の
ステップを含む。
【0053】
ステップ401:UEが、WLANネットワークを介してEPCネットワークにアクセスし、WLANアクセスネットワーク要素を介してPDN接続を活性化し、すなわち、WLANネットワーク内のPDN接続を活性化する。
【0054】
WLANでは、UEが、APN情報をWLANアクセスネットワーク要素に送信しない場合、WLANアクセスネットワーク要素は、ユーザ加入情報にしたがって、APNを選択し、APNを介して、PDN接続を確立し、UEが、APN情報をWLANアクセスネットワーク要素に送信する場合、WLANアクセスネットワーク要素は、APN情報に対応するAPNを介して、PDN接続を確立する。APNを介してPDN接続を確立するための解決法についての詳細に関して、背景技術部分の関連する説明を参照することができる。
【0055】
ステップ402:UEが、LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワークにアクセスし、接続(attach)プロセスを実行し、接続プロセスでは、HSSは、MMEに、PDN接続の情報を示す。
【0056】
接続プロセスでのメッセージ交換方式は、既存の接続プロセスと基本的に同様である。唯一の違いは、HSSに格納されるユーザ加入データの構造が、既存のユーザ加入データと完全に同じではない点である。したがって、HSSによってMMEに送信される位置更新承認(location update ack)メッセージを含む、ユーザ加入データを含むと共にプロセスに関わるメッセージの内容は、既存のメッセージの内容と完全に同じではない。ユーザ加入データの構造、および、メッセージ内容の両方の具体的な違いは、前述の例示的な実施形態と同様であり、したがって、さらなる詳細は、本明細書で提供されない。
【0057】
ステップ403:オフロード指示情報が、PDN接続の情報に含まれることを判定した後、MMEは、接続プロセスで取得したユーザ加入データ内のPDN接続の情報にしたがって、PDN接続のためのオフロード処理をトリガする。
【0058】
オフロード処理を必要とする複数のPDN接続が存在する場合、WLANアクセスネットワーク要素は、各PDN接続のためのオフロード処理をトリガする。
【0059】
接続プロセスでは、UEによってネットワーク側に送信される接続メッセージは、さらに、オフロード能力情報を伝送することができる。詳細な伝送方式について、先の実施形態でのオフロード能力情報をEAP-responseに追加する解決法を参照されたい。UEによってネットワーク側に送信された接続メッセージを受信した後、MMEは、UEのオフロード能力情報、すなわちオフロード機能がサポートされるまたはオフロード機能がサポートされない、を記録する。
【0060】
ステップ403では、PDN接続のためのオフロード処理をトリガする前に、MMEは、さらに、UEのオフロード能力情報を判定することを必要とし、UEのオフロード能力情報が、UEがオフロード機能をサポートすることである場合、MMEは、PDN接続のためのオフロード処理をトリガするステップを実行し、そうでない場合、MMEは、PDN接続のためのオフロード処理をトリガしない。具体的には、MMEは、最初に、UEのオフロード能力情報を判定することができ、次に、PDN接続の情報内のオフロード指示情報にしたがって、オフロード処理をトリガするかどうかを判定することができ、または、最初に、PDN接続の情報内のオフロード指示情報にしたがって、次に、UEのオフロード能力情報にしたがって、オフロード処理をトリガするかどうかを判定することができる。
【0061】
ステップ403では、オフロード処理をトリガするための解決法は、基本的に従来技術と同様であり、簡単な説明は、下記の通りである。移動管理エンティティ(MME)は、セッション作成要求(create session request)メッセージのような、オフロード処理を必要とするPDN接続のAPN情報を含むメッセージを、サービスゲートウェイ(SGW)に送信し、SGWは、セッション作成要求
メッセージ内のAPN情報にしたがって、対応するPGWを決定し、APNおよびオフロード指示を伝送するメッセージをPGWに送信し、PDN接続のためのオフロード処理を活性化する。
【0062】
ステップ404:APNおよびオフロード指示を伝送するメッセージを受信するPGWは、APN情報にしたがって、PDN接続に対応するUEのIPアドレスを決定し、IPアドレスを応答メッセージに追加し、応答メッセージを、SGWを介してMMEにフィードバックし、代わりに、MMEは、オフロード処理が特定のPDN接続のために活性化されていることを、UEに通知することができ、ここで、伝送されるパラメータは、APN、IPアドレス、およびオフロード指示を含み、次に、PGWは、それ自体によって、伝送のためのWLANネットワークにオフロードすべきIPフローを決定し、または、PCRFと相互作用することによって、伝送のためのLTEまたはWCDMA(登録商標)ネットワークにオフロードすべきIPフローを決定し、決定したIPフローを、LTE/WCDMA(登録商標)ネットワークを介して送信する。
【0063】
この例示的な実施形態では、MMEは、HSSから、WLANネットワークを介してUEによって確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含み、MMEは、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローをLTE/WCDMA(登録商標)ネットワークにオフロードする処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要であることの情報を、MMEに示す必要がない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させる。
【0064】
さらに、この例示的な実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみMMEがオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告し、これにより、MMEが成功することができないオフロード処理をトリガすることを回避する。
【0065】
「例示的な実施形態3」
この実施形態が基づくシナリオは、下記の通りである。UEが、LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワークを介してPDN接続を確立し、WLANネットワークを介してPDN接続を確立した後(このプロセスでは、オフロード処理は、例示的な実施形態1または例示的な実施形態2に基づいて実行されてよい)、UEは、さらに、LTEでのPDN接続を新たに活性化し、新たに活性化されたPDN接続のために、オフロード処理がWLANで実行される。
【0066】
図5に示すように、この例示的な実施形態のプロセスは、下記のステップを含む。
【0067】
ステップ501:UEは、LTE/WCDMA(登録商標)
ネットワークを介して新しいPDN接続を活性化し、MMEは、新たに活性化されたPDN接続の情報をHSSに通知する。
【0068】
既存の規格は、このステップの詳細な説明をすでに提供しており、したがって、さらなる詳細は、本明細書では提供されない。
【0069】
ステップ502:HSSは、WLANアクセスネットワーク要素に、新たに活性化されたPDN接続の情報を配信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含む。
【0070】
このステップでは、この例示的な実施形態、および例示的な実施形態1で、APNがオフロード処理を許可するかどうかについての情報が、加入ユーザデータに記録されることが類似している。MMEから通知を受信した後、HSSは、MMEからの通知内のAPN情報、および、APNがオフロード処理を許可するかどうかについての記録された情報にしたがって、新たに活性化されたPDN接続のためにオフロード処理が実行される必要があるかどうかを判定することができる。もしオフロード処理が実行される必要がない場合、このステップを実行する必要はなく、従来技術と同様の処理がPDN接続のために実行される。もしオフロード処理が実行される必要がある場合、HSSは、(AAAサーバ/プロキシを介して)UEによってアクセスされるWLANアクセスネットワーク要素の記録された情報にしたがって、WLANアクセスネットワーク要素に通知メッセージを送信する。通知メッセージは、具体的には、ユーザデータ更新メッセージであってよく、更新メッセージは、UEのすべての加入データを含む。通知メッセージは、PDN接続更新メッセージのような、新たに定義されるメッセージであってもよく、ここで、メッセージは、新たに活性化されたPDN接続の情報を含み、情報は、オフロード指示情報を含む。オフロード情報を含むPDN接続の情報の内容は、例示的な実施形態1と同様であり、したがって、さらなる詳細は、本明細書では提供されない。
【0071】
ステップ503:HSSから送信される新たに活性化されたPDN接続の情報にしたがって、新たに活性化されたPDN接続の情報がオフロード指示情報を含むことを判定した後、WLANアクセスネットワーク要素は、新たに活性化されたPDN接続のためのオフロード処理をトリガする。
【0072】
このステップおよび後続のステップ504の具体的な実施については、例示的な実施形態1のステップ303および304の実施を参照されたい。ステップ503では、WLANアクセスネットワーク要素は、UEのオフロード能力情報と組み合わせて、PDN接続のためのオフロード処理をトリガするかどうかを決定することもでき、具体的な内容は、本明細書では提供されない。
【0073】
この例示的な実施形態では、WLANアクセスネットワーク要素は、HSSから、LTE/WCDMA(登録商標)ネットワークを介してUEによって新たに確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含み、WLANアクセスネットワーク要素は、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローをWLANネットワークにオフロードする処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要であることの情報を、WLANアクセスネットワーク要素に示す必要がない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させる。
【0074】
さらに、この例示的な実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみWLANアクセスネットワーク要素がオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告し、これにより、WLANネットワーク要素が成功することができないオフロード処理をトリガすることを回避する。
【0075】
「例示的な実施形態4」
この実施形態が基づくシナリオは、例示的な実施形態1と同様であり、別の実施の解決法が提供される。
【0076】
図6に示すように、この実施形態のプロセスに含まれるステップ601〜603は、それぞれ、ステップ301〜303と同様である。
【0077】
違いは、この例示的な実施形態は、さらに、ステップ604およびステップ605を含む点である。絶対的な順序は、ステップ603およびステップ604またはステップ605に関して定義されない。ステップ604およびステップ605は、ステップ603の前もしくは後であってよく、または、同時に実行されてよく、または、
図6に示すように、ステップ604は、最初に実行されてよく、次に、ステップ603が実行され、ステップ605が実行される。
【0078】
ステップ604:アクセス認証が完了した後、UEは、DHCP要求をWLANアクセスネットワーク要素に送信する。
【0079】
ステップ605:DHCP要求を受信した後、WLANアクセスネットワーク要素は、ローカルIPアドレスをUEに割り当て、WLANアクセスネットワーク要素とUEとの間のIP in IPトンネルを確立する。
【0080】
ステップ606は、ステップ304と同様である。ステップ607では、UEは、WLANネットワークにオフロードされるIPフローのデータをカプセル化し、UEとWLANアクセスネットワーク要素との間に確立されたIP in IPトンネルでデータを送信し、それに対応して、PGWからWLANアクセスネットワーク要素によって受信される対応するIPフローのデータもカプセル化され、IP in IPトンネルで送信される。すなわち、UEおよびWLANアクセスネットワーク要素の両方が、通信のためのローカルIPパケットの負荷として、オフロードされるIPフローパケットを使用する。
【0081】
この例示的な実施形態では、WLANアクセスネットワーク要素は、HSSから、LTE/WCDMA(登録商標)ネットワークを介してUEによって確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含み、WLANアクセスネットワーク要素は、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローをWLANネットワークにオフロードする処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要であることの情報を、WLANアクセスネットワーク要素に示す必要がない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させる。
【0082】
さらに、この例示的な実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみWLANアクセスネットワーク要素がオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告し、これにより、WLANアクセスネットワーク要素が成功することができないオフロード処理をトリガすることを回避する。
【0083】
当業者は、方法の実施形態のステップの全部または一部が、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施され得ることを理解することができる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。プログラムが実行される場合、本発明の
データオフロードをトリガするための前述の方法の各実施の内容が含まれてよい。本明細書で言及する記憶媒体は、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク、などであってよい。
【0084】
本発明の実施形態は、さらに、ネットワーク側デバイスを提供する。
図7に示すように、ネットワーク
側デバイスは、HSSからPDN接続の情報を受信するように構成された受信ユニット71であって、情報がオフロード指示情報を含み、PDN接続が第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立される、受信ユニット71と、受信ユニット71によって受信されるPDN接続の情報に含まれるオフロード指示情報を取得するように構成された取得ユニット72と、取得ユニット72によって取得されるオフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするように構成されたオフロードトリガユニット73とを含む。
【0085】
例示的な実施形態では、ネットワーク側デバイスは、WLAN認証デバイスであり、第1の
アクセスネットワークは、WLANネットワークであり、第2の
アクセスネットワークは、LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワークのような3GPPアクセスネットワークである。
【0086】
受信ユニット71は、具体的には、UEがWLANネットワークにアクセスするアクセス認証プロセスで、HSSによってAAAサーバ/プロキシを介してWLAN認証デバイスに送信されるユーザ加入データを受信するように構成され、ここで、ユーザ加入データは、PDN接続の情報を含む。
【0087】
さらに、受信ユニット71は、UEからDHCP要求を受信するように構成されてよい。
図8に示すように、WLAN認証デバイスは、さらに、受信ユニット71によって受信されるDHCP要求にしたがって、ローカルIP
アドレスをUEに割り当て、ローカルIPパケットの負荷としてPDN接続のIPパケットを用いて、WLAN認証デバイスの送信ユニットおよび受信ユニット71を介して、UEと通信するように構成された通信処理ユニット74を含むことができ、PDN接続のIPパケットは、WLANネットワークにオフロードされる。
【0088】
別の例示的な実施形態では、ネットワーク側デバイスは、MMEであり、第1のアクセスネットワークは、LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワークのような3GPPアクセスネットワークであり、第2のアクセスネットワークは、WLANネットワークである。
【0089】
受信ユニット71は、具体的には、UEが3GPPアクセスネットワークに接続されるプロセスで、HSSからユーザ加入データを受信するように構成され、ここで、ユーザ加入データは、PDN接続の情報を含む。
【0090】
さらに別の例示的な実施形態では、ネットワーク側デバイスは、WLAN認証デバイスであり、第1のアクセスネットワークは、WLANネットワークであり、第2のアクセスネットワークは、LTEネットワークまたはWCDMA(登録商標)ネットワークのような3GPPアクセスネットワークである。
【0091】
受信ユニット71は、具体的には、HSSから、3GPPアクセスネットワークを介してUEによって新たに活性化されたPDN接続の情報を受信するように構成される。
【0092】
ネットワーク側デバイスの実施形態および例示的な実施形態に基づいて、受信ユニット71は、さらに、UEのオフロード能力情報を受信するように構成されてよい。
【0093】
オフロードトリガユニット73は、具体的には、取得ユニット72によって取得されるオフロード指示情報、および、受信ユニット71によって受信されるオフロード能力情報にしたがって、UEがオフロード処理をサポートすることを判定した後、PDN接続上のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするように構成される。
【0094】
本発明の実施形態は、さらに、ユーザ機器を提供する。
図9に示すように、ユーザ機器は、ユーザ機器のオフロード能力情報を取得するように構成された取得ユニット91と、取得ユニット91によって取得されるオフロード能力情報をネットワーク側に報告するように構成された報告ユニット92とを含み、そのため、ネットワーク側のネットワーク要素は、HSSによって配信されるオフロード指示情報、およびオフロード能力情報にしたがって、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガし、PDN接続は、第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立される。
【0095】
本発明の実施形態は、さらに、ネットワークシステムを提供する。
図10に示すように、ネットワークシステムは、前述のネットワーク側デバイスの実施形態で言及した任意のネットワーク側デバイス1001、および、PGW1002を含む。
【0096】
ネットワーク側デバイス1001は、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガするように構成され、具体的には、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードすることをPGW1002に通知するように構成される。
【0097】
PGW1002は、ネットワーク側デバイス1001からの通知にしたがって、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードするように構成される。
【0098】
本発明のネットワーク側デバイスの実施形態、ユーザ機器の実施形態、およびネットワークシステムの実施形態に関与する情報交換方法または情報処理方法のさらなる実施に関しては、前述のデータオフロードトリガ方法の各実施形態および各例示的な実施形態を参照されたい。したがって、さらなる詳細は、本明細書では提供されない。
【0099】
ネットワーク側デバイスの実施形態、ユーザ機器の実施形態、およびネットワークシステムの実施形態では、第1のネットワーク要素は、HSSから、第2のアクセスネットワークを介してUEによって確立されたPDN接続の情報を受信し、ここで、情報は、オフロード指示情報を含み、第1のネットワーク要素は、さらに、オフロード指示情報にしたがって、PDN接続内のデータフローを第1のアクセスネットワークにオフロードする処理をトリガし、または、UEは、ネットワーク側の第1のネットワーク要素がHSSによって配信されるオフロード指示情報およびオフロード能力情報にしたがってオフロード処理をトリガするように、UEのオフロード能力情報をネットワーク側に報告し、ここで、第1のネットワーク要素はPDN接続をトリガするように構成される。すなわち、第1のネットワーク要素は、HSSによって配信されるオフロード指示情報にしたがって、オフロード処理をトリガし、または、第1のネットワーク要素は、HSSによって配信されるオフロード指示情報およびUEによって報告されるオフロード能力情報にしたがって、オフロード処理をトリガし、UEは、PDN接続のためにオフロードが必要とされることについての情報を、第1のネットワーク要素に示す必要はない。したがって、UEは、IKEv2プロトコルをサポートする必要がない。これは、UEに対する前述のオフロード技術の要求を低下させ、UEのコストを低減する。
【0100】
さらに、ネットワーク側デバイスの実施形態、ユーザ機器の実施形態、およびネットワークシステムの実施形態では、UEは、UEがオフロード機能をサポートしている場合にのみWLANアクセスネットワーク要素またはMMEがオフロード処理をトリガするように、オフロード能力情報を報告する。これは、成功することができないオフロード処理がトリガされることを回避する。
【0101】
本発明は、図面に示され、本発明のいくつかの例示的な実施形態を参照することによって説明される。しかしながら、当業者は、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更が、形式および細部になされてよいことを理解すべきである。