(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793819
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】血管吻合器および血管吻合方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
A61B17/11
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-556332(P2013-556332)
(86)(22)【出願日】2013年1月23日
(86)【国際出願番号】JP2013051258
(87)【国際公開番号】WO2013115022
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年2月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-16272(P2012-16272)
(32)【優先日】2012年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599045903
【氏名又は名称】学校法人 久留米大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】渡部 功一
【審査官】
毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−528124(JP,A)
【文献】
特表2010−536526(JP,A)
【文献】
特表昭59−501148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口径の異なる2つの血管を吻合するための血管吻合器であって、外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料からなる第一および第二ピン付きリングと、該第一および第二ピン付きリングを脱着可能に保持する開閉自在の一対のリング保持具とを備え、
上記リング保持具は、ピン付きリング変形手段を有し、
上記ピン付きリング変形手段が、可動押さえ板で第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを押圧することにより、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを合同形の楕円形状に変化させる変形機構を有し、当該変形機構の可動押さえ板に対する押圧力を調整することにより、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを合同形の楕円形状に変化させることを特徴とする血管吻合器。
【請求項2】
口径の異なる2つの血管を吻合するための血管吻合器であって、外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料からなる第一および第二ピン付きリングと、該第一および第二ピン付きリングを脱着可能に保持する開閉自在の一対のリング保持具とを備え、該リング保持具はピン付きリング変形手段を有し、ピン付きリングを保持したリング保持具を開放して、第一ピン付きリングに口径が大きい方の血管の端部を挿通して、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、口径が小さい方の血管の端部を第二ピン付きリングに挿通し、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施した後、口径が小さい方の血管の直径に楕円の短径を合わせるように上記ピン付きリング変形手段によって第一および第二ピン付きリングを同じ楕円形状に変形させ、口径が小さい方の血管を楕円形状に開いて、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、第一および第二ピン付きリングのピンを相手側のリングに突き刺すことによって両ピン付きリングを結合させて、口径が大きい方の血管と口径が小さい方の血管を吻合させる血管吻合器において、
上記ピン付きリング変形手段が、可動押さえ板で第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを押圧することにより、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを同時に合同形の楕円形状に変化させる変形機構を有し、当該変形機構の可動押さえ板に対する押圧力を調整することにより、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを同時に合同形の楕円形状に変化させることを特徴とする血管吻合器。
【請求項3】
外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料が可撓性材料である請求項1または2記載の血管吻合器。
【請求項4】
ピンが、かえり部分を有する銛に類似する形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項5】
ピンとリングの内面部とが硬質材料であり、リングの表面部およびその他の部分が可撓性材料である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項6】
リングが人の血管に適用され、真円形であって、リングの厚みが0.5〜10mmであり、リングの内直径が0.3〜50mmであり、リングの内直径と外直径の差が0.6〜20mmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項7】
リングが人の血管に適用され、楕円形であって、リングの内短直径が0.3〜50mmであり、リングの内直径と外直径の差が0.6〜20mmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項8】
リングの外側面に面取り加工をし、リングの変形時において、ずれや脱落を防止する手段が講じられた請求項1ないし7のいずれか1項に記載の血管吻合器
【請求項9】
リング変形手段の移動量に相当する目盛を該ピン付きリング変形手段に設けてなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項10】
上記ピン付きリング変形手段が、スプリング力を伝達する可動押え板で押圧されることにより第一ピン付きリングと第二ピン付きリングが同時に合同形の楕円形状に変化しうる左右対称の弾性変形機構と、当該可動押え板に形成された第二テーパ状螺子部に螺合する第一テーパ状螺子部と一体となって移動するドライバーとを有しており、上記ドライバーの第一テーパ状螺子部を当該可動押さえ板の第二テーパ状螺子部に係合させて、上記ドライバーを当該可動押さえ板に対して進入させるように操作すると、当該可動押さえ板が第一ピン付きリングと第二ピン付きリングとから離れるとともに上記スプリング力が蓄えられ、上記ドライバーを当該可動押さえ板から退避させるように操作すると、上記スプリング力が開放されて当該可動押さえ板が第一ピン付きリングと第二ピン付きリングとに押し付けられることによって、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを同時に合同形の楕円形状に変化させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項11】
上記ピン付きリング変形手段が、スプリング力を伝達する可動押さえ板で押圧されることにより、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングが同時に合同形の楕円形状に変化しうる弾性変形機構を有しており、第一ピン付きリングを押圧する可動押さえ板と第二ピン付きリングを押圧する可動押さえ板に対する押圧力を変化させて、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを同時に合同形の楕円形状に変化させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【請求項12】
上記ピン付きリング変形手段が、可動押さえ板で押圧されることにより第一ピン付きリングと第二ピン付きリングが同時に合同形の楕円形状に変化しうる左右対称の変形機構を有しており、リング保持具はシリンダーによって進退自在に支持され、当該シリンダーを挿通するドライバーによって操作可能な笠形歯車を有し、当該笠形歯車に歯合する第二笠形歯車をリング保持具に形成し、当該第二笠形歯車から螺子部を有するロッドを突出させ、当該ロッドの螺子部と螺合する螺子部を可動押さえ板に形成し、上記ロッドの螺子部と可動押さえ板の螺子部が螺合することによるロッドの移動を阻止する外枠を備え、上記ドライバーを操作して笠形歯車を回転させ、当該笠形歯車に歯合する第二笠形歯車が回転することによるロッドの移動が外枠によって阻止されたことによる反作用によって上記可動押さえ板に対する押圧力を発生させて、第一ピン付きリングと第二ピン付きリングを同時に合同形の楕円形状に変化させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の血管吻合器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口径の異なる2本の血管を結合して癒着させるための器具である、血管吻合器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2本の血管を結合して癒着させる方法としては、縫合や吻合器による吻合が行われていたが、口径の異なる2本の血管を結合して癒着を行うには、縫合以外の方法はなかった。しかし、このため口径差のある血管を吻合させるためには、血管端面の大きさを合わせる必要がある。そこで、
図1(a)に示すように、口径の小さい血管1の端面から長軸方向に切開2をして、
図1(b)に示すように、口径の小さい血管1を開いて、口径の大きい血管3の端面の大きさに合わせる。そして、
図1(c)に示すように、両方の血管1と3の端面を合わせた状態で、血管を縫合するのである。しかし、縫合による血管の結合と癒着は極めて手間がかかり、長時間を要するという欠点がある。
【0003】
そこで、ピン付きの真円形のリングに血管を挿通して血管端部を外側に引き出して、その血管端部をピンに差して固定し、両方のリングを合わせることで血管を吻合する吻合器が開発された(非特許文献1参照)。
図2を参照しながら、従来の吻合器による血管の吻合について説明すると、
図2(a)に示すように、鉗子9でつまみながら血管の端部4aを真円形のリング5内に挿通した後、
図2(b)に示すように、血管壁6を90度外側に拡げて血管壁6をピン7に刺す。反対側の血管にも同様の操作を行う。そして、
図2(c)に示すように、両方のリング5を接近させつつ、吻合器のノブ(図示せず)を回してガイド溝8内に両方のリングを導入して、
図2(d)に示すように、両方のリング5を接合する。さらに、
図2(e)に示すように、鉗子9で両方のリングの端面を締め付けて両方のリング5を完全に接着させる。この後、吻合器のノブを回し続けると、突起8a(
図2(c)参照)が
図2(b)に示すガイド板10aに設けられた誘導溝10b内に進入して(
図2(e)の矢示方向AD参照)、突起8aがリング5を突き出すので、リング5は吻合器10から外れるのである。参照番号9aは血管4を挟むためのピンセットを示す。
【0004】
ほぼ同じ口径の血管を吻合する場合であれば、
図2に示す吻合器を問題なく使用することができる。しかし、
図2に示すような従来の吻合器では2つの真円形のリングを用いているため、異なる口径の血管を結合する場合、次のような欠点がある。すなわち、リングの口径を大きい方の血管に対応させると、口径の小さい方の血管を大きなリング形状にむりやり適応させる必要があるため、口径の小さい方の血管壁が裂けて、うまく吻合できないことがある。逆に、口径の小さい方の血管にリングの口径を合わせると、口径の大きい方の血管壁が余ってしまうために吻合が不可能になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】基礎と臨床 微少血管吻合器Precise 使用者の手技的適応に関する一考察 27(13):5393〜5397, 1993 pp319-323
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、口径差のある血管の吻合を良好に行うことができる血管吻合器および血管吻合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
図1(b)に示す縫合法を応用したのである。すなわち、縫合法では、口径の小さい血管1を開いて、口径の大きい血管3の端面の大きさに合わせようとするために、口径の小さい血管の端面は楕円形状になっていることに本発明者は着目したのである。そこで、
図2に示すようなリングを用いて血管を吻合する場合において、本発明は、口径の小さい血管を挿通するリングと口径の大きい血管を挿通するリングの素材として可撓性の材料を採用したのである。以下に、本発明の血管吻合器を用いた場合の血管吻合法の概念を
図3(a)〜(f)を参照しながら説明する。
【0008】
まず、
図3(a)に示すように、口径が大きい方の血管に適応する大きさのピン付きリング11aを選択し、口径が大きい方の血管12の端部をリング11a内に挿通する。そして、
図3(b)に示すように、血管壁13を90度外側に拡げて血管壁13をピン14に刺す。次に、
図3(c)に示すように、口径が小さい方の血管15の端部を、上記ピン付きリング11aと同じ大きさのピン付きリング11b内に挿通し、
図3(d)に示すように、口径が小さい方の血管の直径に短径を合わせるように、ピン付きリング11bを楕円形状に変形させ、口径が小さい方の血管15の端面から長軸方向に切開16を施す。また、
図3(b)に示すピン付きリング11aを、
図3(d)に示すピン付きリング11bの楕円形状と同じ楕円形状に変形させる。そして、
図3(e)に示すように、口径が小さい方の血管15を楕円形状に開いて、血管壁17を90度外側に拡げて血管壁17をピン18に刺す。その後、ピン付きリング11aと11bを結合させて、
図3(f)に示すように、口径が大きい方の血管12と口径が小さい方の血管15を吻合させる。
【0009】
かくして、本発明の血管吻合器は、口径の異なる2つの血管を吻合するための血管吻合器であって、外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料からなる第一および第二ピン付きリングと、該第一および第二ピン付きリングを脱着可能に保持する開閉自在の一対のリング保持具とを備え、該リング保持具はピン付きリング変形手段を有し、ピン付きリングを保持したリング保持具を開放して、第一ピン付きリングに口径が大きい方の血管の端部を挿通して、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、口径が小さい方の血管の端部を第二ピン付きリングに挿通し、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施した後、口径が小さい方の血管の直径に楕円の短径を合わせるように上記ピン付きリング変形手段によって第一および第二ピン付きリングを同じ楕円形状に変形させ、口径が小さい方の血管を楕円形状に開いて、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、第一および第二ピン付きリングのピンを相手側のリングに突き刺すことによって両ピン付きリングを結合させて、口径が大きい方の血管と口径が小さい方の血管を吻合させることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の血管吻合方法は、口径の異なる2つの血管を吻合するための血管吻合方法であって、外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料からなる第一および第二ピン付きリングを備え、第一ピン付きリングに口径が大きい方の血管の端部を挿通して、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、口径が小さい方の血管の端部を第二ピン付きリングに挿通し、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施した後、口径が小さい方の血管の直径に楕円の短径を合わせるように上記ピン付きリング変形手段によって第一および第二ピン付きリングを同じ楕円形状に変形させ、口径が小さい方の血管を楕円形状に開いて、該血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺し、第一および第二ピン付きリングのピンを相手側のリングに突き刺すことによって両ピン付きリングを結合させて、口径が大きい方の血管と口径が小さい方の血管を吻合させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の血管吻合器および血管吻合方法によれば、口径の異なる血管を吻合することが可能であって、ピン付きリングが外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料からなるため、血管の虚脱による閉塞を防ぎ、血流が増加した場合でも、柔軟に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)〜(c)は、手縫いによる血管の吻合法を説明するための図である。
【
図2】
図2(a)〜(e)は、従来の血管吻合器による血管の吻合法を説明するための図である。
【
図3】
図3(a)〜(f)は、本発明の血管吻合器を用いた場合の血管吻合法の概念を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の血管吻合器の一実施形態の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の血管吻合器先端のカートリッジをキャップから取り出す状態を説明するための斜視図である。
【
図6】
図6(a)は本発明の血管吻合器の第一実施例の斜視図、
図6(b)は
図6(a)のカートリッジの回転中心の軸部分の結合状態を示すために不要な部分を除去して示す平面図である。
【
図7】
図7(a)は本発明の血管吻合器の第二実施例の斜視図、
図7(b)は
図7(a)のカートリッジの中心の軸部分の結合状態を示すために不要な部分を除去して示す平面図である。
【
図8】
図8(a)は本発明の血管吻合器の第三実施例の斜視図、
図8(b)は
図8(a)のカートリッジの回転中心の軸部分の結合状態を示すために不要な部分を除去して示す平面図である。
【
図10】
図10(a)は従来のピン付きリングのピン形状を示す正面図、
図10(b)と10(c)は本発明のピン付きリングのピンの別々の実施例を示す正面図である。
【
図12】
図12は、本発明のピン付きリングのさらに別の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施が可能な形態について説明する。当然のことながら、本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することもできる。
(1)リングの形状
変形前のリング形状は真円であっても、楕円であってもよいが、可撓性を備えていることが必要である。また、口径の異なる血管を吻合するに際して、リングの口径は大きい方の血管に適応する大きさであることが必要である。リング口径が大きい方の血管より小さいと、口径が大きい方の血管壁が余ってしまうために吻合が不可能になり、リング口径が大きすぎると、口径が小さい方の血管を大きなリング形状に適応させるために、口径が小さい方の血管壁が裂けることがある。また、これらのリングは、前記したように楕円形状に変形させる。後記する変形機構に記載したように楕円形状に変形させる際に、変形させる所定の力をリングに伝達する際には、変形時にリングがズレたりすることで、リング結合時に効果的に双方のリングの接合が行えない恐れが生じるため、リングの両側面へ力を有効に伝達するため、更には、変形時のリングのズレや落下を防止するために、
図12に示すように、リングへの力がかかる方向に対して垂直となる平面74をリング外側面に形成させることも推奨される。なお、本発明にいう楕円とは、必ずしも数学上で定義される楕円(平面上の2定点(焦点)からの距離の和が一定である点の軌跡で、長円とも呼ばれる場合がある)のみを意味するものではなく、細長い円形のもの(横または縦に長い円)を広く含む。
【0014】
次に、リングの規格について述べる。本発明において使用するリングの規格、形状は特に限定されるものではなく、対応する血管の吻合が有効になされるのであれば、いかなる規格、形状のものを使用しても差し支えないが、本発明では異なる口径の血管を吻合することから、前記したように、リングは太い口径の血管に合わせた口径となる、鍔状のものである。従って、口径の規格は通常の市販の規格であるものが使用できるが、原理的には、これらの規格の範囲外の規格であっても差し支えない。また、リングを楕円形状にした場合には、太い側の血管が無理なく挿入できる程度のリング口径の大きさであることが推奨される。具体的には、通常の同一直径の血管を吻合させる市販のリングでは、通常、内直径が1.0mm〜3.0mmのものが多用されており、本発明においても上記したように、この内直径(楕円形であれば、内側の短い方の直径、以下、これを「内短直径」という)にて対応できる。然しながら本発明の血管吻合器を人に適用する場合は、例えば大動脈であれば40mmあるいはそれ以上であり、これに対応することも可能である。また、余りに微細な血管(例えば毛細血管)については、原理的に吻合施術が、不可能若しくは不要であることから、具体的には、リングの内直径(楕円形リングでは内短直径)が0.3mmから50mmであることで、ほとんどの人の血管に対して対応することが出来る。また、動物の血管の吻合では、例えば大動物であれば、更に大きな内直径であっても差し支えない。リングの鍔の幅(外直径と内直径の差の1/2)についても特に限定されないが、市販の従来品の幅と同等であれば差し支えないが、挿入する血管の太さ、ピンの形状に依存して適宜その規格を定めることが推奨される。具体的には当該リングの鍔の幅の大きさについては、0.3mmから10mm程度であることが一般的に推奨される。
【0015】
更に、本発明で使用されるリングの厚みについては、特に限定されることはなく、それぞれの相手側のリングに設置した複数のピンが、結合時にリングに刺さり、かつ容易に抜けないようにするに十分な厚みであればよい。具体的には、例えば上記するような人の血管に適用する場合には、0.3mm〜20mmであることが推奨されるが、0.5mm〜10mmであることがより推奨される。大動物等の太い血管に適用する際はさらに大きな値となっても差し支えない。
【0016】
また、後記するように、本発明におけるリング本体は可撓性材料からなり、双方のリングの結合に際して、ピンを、より抜けにくくするために市販の従来品に比較して、リングの厚みとピンの長さを幾分大きくしてもよい。ピンの長さが極端に長すぎると、リングを突き抜けてリングの反対側に突出することになり、支障を来す恐れがある。余りにリングの規格(厚みも含む)が小さければ、効果的に血管を吻合することが出来なくなる恐れがあり、また余りにその規格が大きければ、施術後の患者に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0017】
(2)可撓性の材料
従来の吻合器に一般に使用されているリングの材料はポリエチレン樹脂であり、可撓性を備えていない。本発明のリングに採用することができる材料は、外部力により変形することが可能で、且つピンを突き刺すことが可能な材料であり、かかる材料として可撓性の材料を用いる。更に、生体適合性の材料であることが好ましい。具体的には、本発明のリングに採用する可撓性の材料としては、シリコーン樹脂、天然ゴム、合成ゴム、可撓性エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー、脂肪族系ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド共重合体、可撓性フッ素樹脂などを挙げることができる。しかしながら、本発明においては、これらの例示した材料に限定されることはない。これら可撓性材料からなるリングに所定の力を加えれば容易に変形することが好ましいが、変形のための力を除去すれば、元の形状に復元できることがより好ましい。口径の異なる血管の吻合時にリングを変形させるための力が大きすぎて好ましくない形状にリングが変形した場合、変形のための力を除去することにより元の形状に復元すれば、再度の変形が可能になるからである。
【0018】
(3)リングの変形機構
≪全体の構成≫
図4は、本発明の血管吻合器の一実施形態の斜視図である。可撓性の材料からなる同一形状の2個のピン付きリング21と、ピン付きリング21を脱着可能に保持する開閉自在の一対のリング保持具22と、リング保持具22を進退自在に支持するシリンダー23と回転ノブ24からなる伸縮機構とを備え、リング保持具22は後記する様々なリング変形手段を有している。リング保持具22を閉じるようにして2個のピン付きリング21を接近させつつ、回転ノブ24を回転させてガイド溝25b内に2個のピン付きリング21を導入して、2個のピン付きリング21を接合することができる。さらに、回転ノブ24を回転させて支持バー25を伸張させることによって、突起25aがリング保持具22に設けられた誘導溝22a内に進入して、突起25aがピン付きリング21を突き出すので、ピン付きリング21をリング保持具22から離脱させることができる。
【0019】
≪第一実施例≫
シリンダー23に保持された係止爪(図示せず)がキャップ26のスロット部27に係止されることによって、吻
合器先端のカートリッジは、
図5に示すように、キャップ26で保護されている。そこで、手でキャップ26をつまんでキャップ26を取り外す。
図4は、そのようにしてキャップ26を取り外した状態を示している。
図5に示された矢示ARは、キャップ26と吻合器先端のカートリッジの嵌合方向を示す。
【0020】
図6(a)に示すように、カートリッジは左右で一対をなす構成部分28aと28bからなっている。これら構成部分28aと28bは、カートリッジの軸部分に対してスプリング29で係止されているので、キャップ26を取り外すことによって、カートリッジはスプリング力により開放される。このカートリッジの一方の構成部分28aのリング保持具30に保持されたピン付きリング31は、
図6(b)に示すように、外枠32と可動押さえ板33とのあいだに保持されたスプリング34の弾撥力により固定押さえ板35の方に向かう力を受けている。また、可動押さえ板33の内面にはテーパ状の螺子部36が形成されている。詳細な説明は省略するが、カートリッジの他方の構成部分28bも、リング保持具30とピン付きリング31と外枠32と可動押さえ板33とスプリング34と固定押さえ板35とテーパ状の螺子部36からなる構成と同じ構成を備えている。
【0021】
ピン付きリング31の口径は大きい方の血管の口径に合わせてあり、口径が大きい方の血管を左右いずれか一方のピン付きリング31に挿通して、
図3(b)と同じように、血管壁をリングのピンに刺す。
【0022】
カートリッジの回転中心の軸部分は、
図6(b)に示すように、テーパ状螺子部36に螺合するテーパ状螺子部38を備えている。シリンダー23(
図4参照)に保持されたバー37(
図6(a)参照)を挿通する回転可能なドライバー39の先端は螺子部38の端部に設けられた突起40と係合することが可能である。
【0023】
そして、口径が小さい方の血管をもう一方のピン付きリング31に挿通し、ドライバー39の先端を突起40と係合させた状態で回転させて螺子部38を紙面上方に向って移動させる。すると、スプリング34の弾撥力により可動押さえ板33は固定押さえ板35の方に向けて押圧されるので、ピン付きリング31は長円形状に変形する。変形したピン付きリング31の短径の口径が小さい方の血管の直径に合致する大きさになるまで、ドライバー39を移動させる。このドライバー39を操作することによるピン付きリング31の変形動作は左右いずれのカートリッジの構成部分でも同じように行われるから、左右のピン付きリング31は同じ長円形状に変形する。そして、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施すとともに、口径が小さい方の血管を長円形状に開いて、血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺す(
図3(c)〜
図3(e)参照)。この場合、ドライバー操作により双方のリングが同時に変形し、またその変形の度合も双方同一となる。
【0024】
そして、カートリッジの左右の構成部分28aと28bを合わせて、一方の構成部分のピン付きリングのピンを他方の構成部分のピン付きリングに刺し込んで血管の結合は終了する(
図3(f)参照)。その後、ドライバー39を紙面下方に向って移動させてスプリング34の弾撥力を低減し、ドライバ―39を当初の位置に戻す。さらに、段落0018に記載したように、
図4に示す回転ノブ24を回転させて支持バー25を伸張させることによって、突起25aが
図6(a)に示すリング保持具30に設けられた誘導溝30a内に進入して、突起25aがピン付きリング31を突き出すので、ピン付きリング31をリング保持具30から離脱させることができる。ドライバー39の移動量を外部から確認できるように、シリンダー23(
図4参照)の外側に、その移動量に相応する目盛を付けることが好ましい。この目盛に相当するものは、後記する螺子類にも設けることが好ましい。
【0025】
≪第二実施例≫
上記したように、吻合器先端のカートリッジはキャップで保護されているので、同上方法によりキャップを取り外す。
図7(a)に示すように、カートリッジは左右で一対をなす構成部分41aと41bからなっている。これら構成部分41aと41bは、カートリッジの軸部分に対してスプリング42で係止されているので、キャップを取り外すことによって、カートリッジはスプリング力により開放される。このカートリッジの一方の構成部分41aのリング保持具43に保持されたピン付きリング44は、
図7(b)に示すように、外枠45を挿通する螺子46で可動押さえ板47を押圧することによってスプリング48の弾撥力に抗して固定押さえ板49の方に向かう力を受ける。詳細な説明は省略するが、カートリッジの他方の構成部分41bも、リング保持具43とピン付きリング44と外枠45と螺子46と可動押さえ板47とスプリング48と固定押さえ板49からなる構成と同じ構成を備えている。
【0026】
ピン付きリング44の口径は大きい方の血管の口径に合わせてあり、口径が大きい方の血管を左右いずれか一方のピン付きリング44に挿通して、
図3(b)と同じように、血管壁をリングのピンに刺す。
【0027】
そして、口径が小さい方の血管をもう一方のピン付きリング44に挿通し、螺子46で可動押さえ板47を押圧することによってスプリング48の弾撥力に抗して可動押さえ板47から固定押さえ板49の方に向かう力が発生するので、ピン付きリング44は長円形状に変形する。変形したピン付きリング44の短径が口径が小さい方の血管の直径に合致する大きさになるまで、螺子46を螺子込む。そして、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施すとともに、口径が小さい方の血管を長円形状に開いて、血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺す(
図3(c)〜
図3(e)参照)。
【0028】
上記の螺子46の螺子込み量と同じ量だけ、大きい方の血管が挿通されているピン付きリング44を押し込むことで、両方のリング形状を同じ長円形状に変形させる。本実施例では、特に、双方のリングの変形量を同一とさせるために、螺子の押し込み量(もしくは、可動押さえ板47の移動量)を把握することができる目盛を外枠45に設けることが推奨される。
【0029】
そして、カートリッジの左右の構成部分41aと41bを合わせて、一方の構成部分のピン付きリングのピンを他方の構成部分のピン付きリングに刺し込んで血管の結合は終了する(
図3(f)参照)。その後、螺子46を外方に引き出すことにより、スプリング48の弾撥力によって可動押さえ板47の押し込み状態を解除し、可動押さえ板47を当初の位置に戻す。さらに、段落0018に記載したように、
図4に示す回転ノブ24を回転させて支持バー25を伸張させることによって、突起25aが
図7(a)に示すリング保持具43に設けられた誘導溝43a内に進入して、突起25aがピン付きリング44を突き出すので、ピン付きリング44をリング保持具43から離脱させることができる。
【0030】
≪第三実施例≫
第一実施例における可動押さえ板の移動方法を笠型歯車に変えた場合である。
上記したように、吻合器先端のカートリッジはキャップに収納されているので、同上方法によりキャップを取り外す。
図8(a)に示すように、カートリッジは左右で一対をなす構成部分50aと50bからなっている。これら構成部分50aと50bは、カートリッジの軸部分に対してスプリング51で係止されているので、キャップを取り外すことによって、カートリッジはスプリング力により開放される。
【0031】
カートリッジの回転中心の軸部分は、
図8(b)に示すように、笠形歯車52を備えている。シリンダー23(
図4参照)に保持されたバー53(
図8(a)参照)を挿通する回転可能なドライバー54の先端から笠形歯車52の操作軸55が突出している。カートリッジの一方の構成部分50aには、笠形歯車52に歯合する笠形歯車56が形設されている。笠形歯車56からロッド57が突出しており、ロッド57には螺子部58が形成されている。カートリッジの一方の構成部分50aは可動押さえ板59を備えており、可動押さえ板59にはロッド57の螺子部58と螺合可能な螺子部が形成されている。ロッド57は外枠60に当接しており、外枠60によってロッド57の右方への移動が阻止される。61は固定押さえ板である。62は可動押さえ板59の回転を防止するためのストッパーであり、外枠60と固定押さえ板61に取り付けられている。
【0032】
かくして、回転可能なドライバー54の先端の操作軸55を操作して笠形歯車52を回転させると、笠形歯車52に歯合する笠形歯車56が回転することによってロッド57が右方に進もうとしても、外枠60によって阻止される。その反作用として、ロッド57の螺子部58に螺合している可動押さえ板59は左方に進まざるを得ない。なお、笠形歯車56から突出しているロッド57の螺子部58と可動押さえ板59は螺合しているので、笠形歯車56が回転することによって可動押さえ板59が水平方向に旋回する恐れがあるが、ストッパー62によって可動押さえ板59の水平方向の旋回が防止される。かくして、ロッド57の右方への移動が阻止されることによる反作用として可動押さえ板59が左側へ移動することによって、カートリッジの一方の構成部分50aのリング保持具63に保持されたピン付きリング64は、固定押さえ板61の方に向かう力を受ける。65はロッド57のガイド部材である。詳細な説明は省略するが、カートリッジの他方の構成部分50bも、リング保持具63とピン付きリング64と笠形歯車56とロッド57と可動押さえ板59と外枠60と固定押さえ板61とストッパー62とガイド部材65からなる構成と同じ構成を備えている。本実施例では、左右の各可動押さえ板は、同時かつ同一の移動量で移動することができる。
【0033】
ピン付きリング64の口径は大きい方の血管の口径に合わせてあり、口径が大きい方の血管を左右いずれか一方のピン付きリング64に挿通して、
図3(b)と同じように、血管壁をリングのピンに刺す。
【0034】
そして、口径が小さい方の血管をもう一方のピン付きリング64に挿通し、回転可能なドライバー54の先端の操作軸55を操作して笠形歯車52を回転させ、笠形歯車52に歯合する笠形歯車56が回転することによるロッド57の右方への移動が外枠60によって阻止される。その反作用として、ロッド57の螺子部58に螺合している可動押さえ板59が左側へ移動することによって、カートリッジの一方の構成部分50aのリング保持具63に保持されたピン付きリング64は、固定押さえ板61の方に向かう力を受ける。その結果、ピン付きリング64は長円形状に変形する。変形したピン付きリング64の短径が口径が小さい方の血管の直径に合致する大きさになるまで、操作軸55を操作する。この操作軸55を操作することによるピン付きリング64の変形動作は左右いずれのカートリッジでも同じように行われるから、左右のピン付きリング64は同じ長円形状に変形する。そして、口径が小さい方の血管の端面から長軸方向に切開を施すとともに、口径が小さい方の血管を長円形状に開いて、血管壁を90度外側に拡げて血管壁をピンに刺す(
図3(c)〜
図3(e)参照)。
【0035】
そして、カートリッジの左右の構成部分50aと50bを合わせて、一方の構成部分のピン付きリングのピンを他方の構成部分のピン付きリングに刺し込んで血管の結合は終了する(
図3(f)参照)。その後、笠形歯車52の回転が上記とは逆方向になるように操作軸55を操作して可動押さえ板59を右方に移動させることによって可動押さえ板59の押し込み状態を解除し、可動押さえ板59を元の状態に復帰させる。さらに、段落0018に記載したように、
図4に示す回転ノブ24を回転させて支持バー25を伸張させることによって、突起25aが
図8(a)に示すリング保持具63に設けられた誘導溝63a内に進入して、突起25aがピン付きリング64を突き出すので、ピン付きリング64をリング保持具63から離脱させることができる。
【0036】
≪第四実施例≫
第四実施例は第三実施例におけるロッド57と外枠60との接触部分の摩擦を低減するために、
図9(b)に示すように、ロッド57が外枠60に接触する部分にボールベアリング66を取り付けた場合を示す。接触部分の摩擦を低減することができるものであれば、もちろん他の手段を採用することもできる。
【0037】
≪ピンの形状≫
ピン付きリングが可撓性材料で形成される場合、
図10(a)に示す従来形状のピン67ではリングの素材によっては、リングに刺した場合に抜ける恐れがある。このような場合には、
図10(b)、
図10(c)に示すように、かえり部分を有する銛形状に類似するピン68、69を採用することが好ましい。銛形状のピン68と69の先端面68aと69aは直線状であるが、この先端面を曲線状にしてもよい。ピン68と69の先端部直径Dは軸部直径dより大きくすることは必要であるが、先端部直径の軸部直径に対する比率は1.5程度以上であることが好ましい。
【0038】
≪リングの他の形状≫
ピンとリングの内面部とを硬質材料(例えば、ポリエチレン)で形成し、リングの表面部およびその他の部分を可撓性材料(例えば、段落0017参照)で形成することが好ましい。すなわち、
図11(b)に示すように、ピン70の先端部および基端部と、相手方のピン付きリングのピンが差し込まれるリング71の内面部72とをポリエチレン等の硬質材料で形成し、リング71の表面部73およびその他の部分を可撓性材料で形成することも推奨される。このような構成を採用することで、硬質材料で形成されたピン70の先端部は、相手方のピン付きリングの可撓性材料で形成された表面部73を容易に突き破って、硬質材料で形成された内面部72にしっかりと捕捉される。このようにして、相対する2つのピン付きリングのいずれか一方のリングのピン先端部は相対する他方のリングの内面部にしっかりと捕捉されるので、相対する2つのリングをしっかりと結合することができる。
図11(a)は、上記のような構造を備えたピン付きリングの平面図である。
【0039】
また、ピン付きリングを変形するときにリングにズレや脱落が生じないようにするために、リング外側面に適切な面取りを施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、口径の異なる2本の血管を結合して癒着させるための器具として有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 口径が小さい血管
2 切開
3 口径が大きい血管
4 血管
4a 血管の端部
5 真円形のリング
6 血管壁
7 ピン
8 ガイド溝
9 鉗子
9a ピンセット
10 吻合器
10a ガイド板
10b 誘導溝
11a、11b ピン付きリング
12 口径が大きい方の血管
13 血管壁
14 ピン
15 口径が小さい方の血管
16 切開
17 血管壁
18 ピン
21 ピン付きリング
22 リング保持具
22a 誘導溝
23 シリンダー
24 回転ノブ
25 支持バー
25a 突起
25b ガイド溝
26 キャップ
27 スロット部
28a、28b カートリッジ構成部分
29 スプリング
30 リング保持具
30a 誘導溝
31 ピン付きリング
32 外枠
33 可動押さえ板
34 スプリング
35 固定押さえ板
36 テーパ状螺子部
37 バー
38 テーパ状螺子部
39 ドライバー
40 突起
41a、41b カートリッジ構成部分
42 スプリング
43 リング保持具
43a 誘導溝
44 ピン付きリング
45 外枠
46 螺子
47 可動押さえ板
48 スプリング
49 固定押さえ板
50a、50b カートリッジ構成部分
51 スプリング
52 笠形歯車
53 バー
54 ドライバー
55 操作軸
56 笠形歯車
57 ロッド
58 螺子部
59 可動押さえ板
60 外枠
61 固定押さえ板
62 ストッパー
63 リング保持具
63a 誘導溝
64 ピン付きリング
65 ガイド部材
66 ボールベアリング
67、68、69、70 ピン
71 リング
72 内面部
73 表面部
74 平面