特許第5793820号(P5793820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5793820分枝ビニル末端ポリマー及びその製造方法
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  • 特許5793820-分枝ビニル末端ポリマー及びその製造方法 図000032
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5793820
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】分枝ビニル末端ポリマー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 10/00 20060101AFI20150928BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   C08F10/00
   C08F4/6592
【請求項の数】2
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2014-501090(P2014-501090)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2014-508848(P2014-508848A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】US2012027675
(87)【国際公開番号】WO2012134715
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年9月24日
(31)【優先権主張番号】61/467,681
(32)【優先日】2011年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11165831.6
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ペイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ブラント パトリック
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−299045(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/155472(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 10/00−10/14
4/00−4/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i) エチレン及び/又はプロピレンを含む一種以上のモノマーをメタロセン触媒化合物及び活性剤を含む触媒系と接触させる工程であって、前記メタロセン触媒化合物は下記の式:
【化1】
[式中、
はハフニウムであり
夫々のXは、メチルであり
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6、水素であり
は式 Ra2J (式中、JはSiであり、かつ夫々のRa は、メチルである)により表される橋かけ基である
により表され;かつ、
(ii) 前記活性剤はジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレートである工程;及び
(iii) 合計不飽和鎖末端に対し、50%より大きいアリル鎖末端及び60℃以上のTmを有する分枝ポリオレフィンを得る工程、
を含む重合方法。
【請求項2】
その方法が単一反応帯中で起こる、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者:Peijun JiangおよびPatrick Brant
優先権
この出願は2011年3月25日に出願された、米国特許出願第61/467,681号及び2011年5月12日に出願された、EP 11165831.6の優先権及び利益を主張する。
本発明は特にビニル末端ポリマーを製造するための、オレフィン重合に関する。
【背景技術】
【0002】
アルファ-オレフィン、特に約6個から約20個までの炭素原子を含むものが、洗剤又はその他の型の商品の製造に中間体として使用されていた。このようなアルファ-オレフィンがまた、特に線状低密度ポリエチレン中の、コモノマーとして使用されていた。商業上製造されるアルファ-オレフィンは典型的にはエチレンをオリゴマー化することによりつくられる。長鎖アルファ-オレフィン、例えば、ビニル末端ポリエチレンがまた知られており、官能化後のビルディングブロック又はマクロモノマーとして有益であり得る。
エチレン又はプロピレンのアリル末端低分子量固体及び液体がまた、典型的には重合反応における分枝としての使用のために、製造されていた。例えば、Rulhoff 、Sascha及びKaminsky著, (“メタロセン/MAO触媒によるプロピレンと線状エチレンオリゴマー(Cn=26-28)の共重合による異なる微小構造を有する特定の分枝ポリ (プロピレン)の合成及び特性決定”Macromolecules, 16, 2006, pp. 1450-1460) 、並びにKaneyoshi, Hiromuら著 (“変性(degenerative)移動配位重合と原子移動ラジカル重合の組み合わせによる線状ポリエチレンセグメントを有するブロックコポリマー及びグラフトコポリマーの合成” Macromolecules, 38, 2005, pp. 5425-5435) を参照のこと。
更に、米国特許第4,814,540 号は2-10の低い重合度を有するアリル性ビニル末端プロピレンホモオリゴマーをつくるための水素を用い、又は用いないトルエン又はヘキサン中のメチルアルモキサンとのビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル) ハフニウムジクロリド、ビス(ペンタメチル シクロペンタジエニル) ジルコニウムジクロリド及びビス(テトラメチル n-ブチルシクロペンタジエニル) ハフニウムジクロリドを開示している。これらのオリゴマーは高Mnを有さず、しかも少なくとも93% のアリル性ビニル不飽和を有しない。同様に、これらのオリゴマーはコモノマーを欠いており、大過剰のアルモキサンで低い生産性で製造される (モル比 ≧ 600 Al/M; M= Zr, Hf)。更に、60質量%以上の溶媒 (溶媒+プロピレン 基準) が実施例の全てで存在する。
【0003】
Teubenら (J. Mol. Catal., 62, 1990, pp. 277-287) はプロピレンオリゴマーをつくるための [Cp*2MMe(THT)]+[BPh4] (M= Zr 及びHf; Cp* = ペンタメチルシクロペンタジエニル; Me = メチル, Ph = フェニル; THT = テトラヒドロチオフェン) の使用を開示している。M = Zr につき、C24までのオリゴマーを含む広い生成物分布 (336 の数平均分子量(Mn)) が室温で得られた。一方、M = Hfにつき、二量体4-メチル-1-ペンテン及び三量体4,6-ジメチル-1-ヘプテンのみが生成された。支配的な停止メカニズムは重水素標識研究により実証されたように、成長している鎖から金属中心へのベータ-メチル転移であることが明らかであった。
X. Yang,ら (Angew. Chem. Intl Ed. Engl., 31, 1992, pp. 1375) は低温でつくられた無定形の、低分子量ポリプロピレンを開示しており、この場合、反応が低活性を示し、生成物が1H NMRにより、全不飽和に対して、90%のアリル性ビニルを有していた。その後、Resconi ら (J. Am. Chem. Soc., 114, 1992, pp. 1025-1032)は、プロピレンを重合するためのビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム及びビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムの使用を開示しており、得られたベータ-メチル 停止が“主としてアリル末端及びイソ-ブチル末端”鎖を有するオリゴマー及び低分子量ポリマーをもたらした。米国特許第4,814,540 号の場合のように、生成されたオリゴマーは少なくとも93%のアリル鎖末端、約500 〜約20,000 g/モルのMn (1H NMR により測定して) を有さず、しかも触媒が低い生産性 (1-12,620 g/ミリモルメタロセン/ 時間; 生成物中>3000 wppm のAl) を有する。
【0004】
同様に、Small 及びBrookhart, (Macromolecules, 32, 1999, pp. 2322)は主として、又は専ら2,1 鎖成長、ベータ-水素化物脱離による鎖成長停止、及び多量のビニル末端基を明らかに有する低分子量無定形プロピレン物質を生成するための低温重合におけるピリジルビスアミド鉄触媒の使用を開示している。
Wengら (Macromol Rapid Comm. 2000, 21, pp. 1103-1107) はジメチルシリルビス(2-メチル, 4-フェニル-インデニル) ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンをトルエン中で約120 ℃で使用してつくられた約81%までのビニル末端を含む物質を開示している。その物質は約12,300のMn (1H NMRで測定して) 及び約143 ℃の融点を有する。
Markelら (Macromolecules, 33, 2000, pp. 8541-8548)はメチルアルモキサンで活性化された、Cp2ZrCl2及び (C5Me4SiMe2NC12H23)TiCl2 でつくられたコーム分枝ブロックポリエチレンを開示している。
Moscardiら (Organometallics, 20, 2001, pp. 1918) は“ アリル末端基が常に、あらゆる[プロペン]で、あらゆるその他の末端基に対し優勢である”物質を生成するためのプロピレンのバッチ重合におけるrac-ジメチルシリルメチレンビス(3-t-ブチルインデニル) ジルコニウムジクロリドとメチルアルモキサンの使用を開示している。これらの反応では、形状コントロールが制限され、鎖末端の約60%がアリルである。
Coatesら (Macromolecules, 38, 2005, pp. 6259) は20℃〜+20 ℃で4時間にわたって行なわれるバッチ重合で変性メチルアルモキサン (MMAO; Al/Ti モル比= 200)で活性化されたビス(フェノキシイミン)チタンジクロリド ((PHI)2TiCl2) を使用する約100 %のアリル末端基を有する低分子量シンジオタクチックポリプロピレン ([rrrr] = 0.46-0.93) の調製を開示している。これらの重合につき、プロピレンがトルエンに溶解されて1.65M トルエン溶液を生じた。触媒生産性は非常に低かった(0.95〜1.14 g/ミリモル Ti/時間) 。
JP 2005-336092 A2 はH2SO4 処理モンモリロナイト、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムの如き物質を使用するビニル末端プロピレンポリマーの製造を開示しており、この場合、液体プロピレンがトルエン中の触媒スラリーに供給される。この方法はかなりの量の無定形物質を有しない実質的にアイソタクチックのマクロモノマーを生成する。
【0005】
米国特許第6,897,261 号はアタクチック分枝マクロモノマーを共重合することにより得られたオレフィングラフトコポリマーを開示しており、この場合、そのマクロモノマーが(1) プロピレン及び(2)プロピレンとエチレン、4〜20個の炭素原子を有するアルファ-オレフィン、環状オレフィン及びスチレンから選ばれた少なくとも一種との組み合わせ(そのプロピレン含量は0.1 モル%〜100 モル%に入る)からなる群から選ばれたモノマーから誘導され、そのマクロモノマーは下記の(a) 及び(b) を満足し: (a) ゲル透過クロマトグラフィー(GPC) により測定されたその重量平均分子量(Mw)が400 〜200000に入り、(b) そのビニル含量がマクロモノマー中の全ての不飽和基の少なくとも70モル%であり、そのマクロモノマーが下記の(i) 、(ii)、及び(iii) の夫々を満足する: (i) そのマクロモノマー溶液粘度の温度依存性 (E2) 対線状ポリマー(これはマクロモノマーのポリマーと同じ型のモノマー、同じ化学組成及び同じ固有粘度を有する)の温度依存性 (E1) の比、E2 / E1 が下記の関係: 1.0 < E2 / E1 < 2.5 を満足する。
Roseら (Macromolecules, 41, 2008, pp. 559-567)はかなりの量のイソ-ブチル鎖末端を有しないポリ (エチレン共プロピレン) マクロモノマーを開示している。これらは約4,800 〜23,300のMnを有するE-P コポリマーを生成するために約0℃で2.3 〜4時間の重合時間にわたって半バッチ重合(0℃で30分間にわたってトルエンに添加された2.1kg/cm2 (30psi)のプロピレン、続いて2.2kg/cm2(32psi)の全圧のエチレンガス流)でメチルアルモキサン (MMAO; Al/Ti モル比範囲150 〜292)で活性化されたビス(フェノキシイミン) チタンジクロリド ((PHI)2TiCl2)を用いてつくられた。四つの報告された共重合では、アリル鎖末端がおおよそ下記の式に従うエチレンとり込みの増大につれて減少した:
% アリル鎖末端 (全不飽和の) = -0.95(とり込まれたエチレンモル%) + 100
例えば、65% アリル (全不飽和と比較しての) が29モル%のエチレンを含むE-P コポリマーについて報告された。これは得られた最高のアリル集団である。64モル%のとり込まれたエチレンにつき、不飽和の42%のみがアリルである。これらの重合の生産性は0.78 x 102 g/ミリモルTi/時間から4.62 x 102 g/ミリモルTi/時間までの範囲であった。
【0006】
この研究の前に、Zhu ら (Macromolecules, 35, 2002, pp. 10062-10070 及びMacromolecules Rap. Commun., 24, 2003, pp. 311-315)はB(C6F5)3 及びMMAOで活性化された張力環形状メタロセン触媒 [C5Me4(SiMe2N-tert-ブチル)TiMe2でつくられたほんの低い (約38%) ビニル末端エチレン-プロピレンコポリマーを報告していた。
Janiak 及びBlank はオレフィンのオリゴマー化に関する種々の研究を要約している (Macromol. Symp., 236, 2006, pp. 14-22)。
米国特許第6,225,432 号は改良された溶融強度及び良好な加工性を有する分枝ポリプロピレン組成物を開示している。分枝ポリプロピレン組成物は4.0 未満の多分散性及び90℃より高い融点を有する。ポリプロピレン組成物の重量平均分枝インデックスは0.95未満である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、商業規模で多量のアリル末端を有する分枝ポリオレフィンの製造方法は未だ知られていない。従って、多量(50%以上)で存在するアリル末端を有するアリル末端分枝ポリオレフィンを、特に高収率で、商業的速度 (5,000 g/ミリモル/ 時間以上の生産性) でつくられる広範囲の分子量で製造する新規方法についての要望がある。更に、官能化でき、添加剤適用に使用でき、又はブレンド成分として使用し得る多量のアリル末端を有する分枝ポリオレフィン反応性物質についての要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は
(i) エチレン及び/又はプロピレンを含む一種以上のモノマーを、好ましくは35℃より高い温度で、メタロセン触媒化合物及び活性剤を含む触媒系と接触させ(そのメタロセン触媒化合物は下記の式により表される:
【0009】
【化1】
【0010】
式中、
Mはジルコニウム又はハフニウムからなる群から選ばれ、
夫々のXは、独立に、1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハライド、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれ(二つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい)、
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換もしくは未置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基であり、
更に、いずれか二つの隣接R基が縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、かつ
更に、隣接R4基、R5基、及びR6基のいずれかが縮合環又は多中心縮合環(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
Tは式 R2aJ (式中、JはC、Si、Ge、N、又はPの一種以上であり、かつ夫々のRa は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20 ヒドロカルビル基又はC1〜C20 置換ヒドロカルビルである)により表される橋かけ基であり、
少なくとも一つのR3 は、R1、R2、R4、R5又はR6のいずれかが水素ではない場合に置換又は未置換フェニル基であることを条件とする)、
(ii)好ましくはモノマーの少なくとも50モル%をポリオレフィンに変換し、そして
(iii) 合計不飽和鎖末端に対し、50%より大きいアリル鎖末端、及び60℃以上のTm を有する分枝ポリオレフィンを得ることを含む重合方法に関する。
【0011】
また、本発明はエチレン及び/又はプロピレンを含む一種以上のアルファオレフィン誘導単位を含み、かつ
(i) 不飽和鎖末端の合計数に対し、50%以上のアリル鎖末端、及び
(ii)0.90以下のg’vis
を有する7,500 〜60,000 g/モルのMn (1H NMR)を有する分枝ポリオレフィンに関する。
また、本発明はエチレン及び/又はプロピレンを含む一種以上のアルファオレフィンを含み、かつ(i) 全不飽和鎖末端に対し、50%以上のアリル 鎖末端、(ii)0.90以下のg’vis 、そして必要により(iii) 完全水素化後に、少なくとも50%減少する臭素価を有する60,000 g/モルより大きいMn(GPC) を有する分枝ポリオレフィンに関する。
更に、本発明はエチレン及び/又はプロピレンを含む一種以上のアルファオレフィン誘導単位を含み、かつ
(i) 1.2 〜2.0 の飽和鎖末端の百分率対アリル鎖末端の百分率の比、及び
(ii)不飽和鎖末端の合計モルに対し、50%以上のアリル鎖末端
を有する7,500 g/モル未満のMn (1H NMR) を有する分枝ポリオレフィンに関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】メタロセン A/活性剤 IIIでつくられたアリル末端分枝ポリプロピレンポリマーについてのg’visとlog Mw の関係のプロットである(実施例、表3、実験59-65 を参照のこと)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者らは驚くことに多量のアリル末端を有する分枝ポリオレフィンの新規製造方法を発見した。これらの新規方法は商業的条件下で実施でき、商業的速度で分枝ポリオレフィンを製造し得る。更に、これらの方法は典型的には以下に特定されるような、非配位アニオン活性剤、好ましくは嵩高の活性剤を使用して実施される。
分枝ポリオレフィンを製造するためのこのような方法、分枝オレフィン生成物、及びこのような分枝ポリオレフィンを含む組成物が本明細書に記載される。本明細書に使用される“分枝”という用語は0.90以下のg’vis を有するポリオレフィンを意味し、又はポリオレフィンが7,500 g/モル未満のMn (1H MNR) を有する場合には、分枝ポリオレフィンが1.2 〜2.0 の飽和鎖末端対アリル鎖末端の百分率の比を有する。多量のアリル鎖末端を有するこれらの分枝ポリオレフィンは分枝ポリ(マクロモノマー)、ブロックコポリマーの合成のためのマクロモノマーとして、また添加剤、例えば、潤滑剤、ワックス、及び接着剤への添加剤、又はこれらの中の配合剤としての実用性があり得る。有利には、例えば、フィルム組成物への添加剤として使用される場合、これらのポリオレフィンの分枝した性質が一層低温における最適の熱成形及び成形を可能にすることにより所望の機械的性質を改良し、それにより線状ポリオレフィン類似体と較べて、フィルム形成方法のエネルギー消費を減少し得る。更に有利には、これらの分枝ポリオレフィンの多量のアリル鎖末端が官能化への容易な経路を与える。官能化分枝ポリオレフィンはまた添加剤又は配合剤として有益であり得る。
【0014】
本発明の目的及び特許請求の範囲につき、周期律表の族についての新しいナンバリングスキームがCHEMICAL AND ENGINEERING NEWS, 63(5), 27頁, (1985) に使用されている。それ故、“4族金属”はその周期律表の4族からの元素である。
“触媒生産性”は何キログラムのポリマー (P)がWモルの触媒 (W)を含む重合触媒を使用して製造されるのかの目安であり、触媒1モル当りのポリマーのキログラムの単位で表し得る。
転化率はポリマー生成物に変換されるモノマーの量であり、モル%として報告され、ポリマー収率及び反応器に供給されたモノマーの量を基準として計算される。
触媒活性は触媒が如何に活性であるかの目安であり、使用される触媒 (cat) 1kg 当りの生成された生成物ポリマー (P)の質量 (kgP/kgcat)として報告される。
“オレフィン”(また“アルケン”と称される)は少なくとも一つの二重結合を有する炭素及び水素の線状、分枝、又は環状化合物である。本発明の目的及び特許請求の範囲につき、ポリマー又はコポリマーがオレフィン(エチレン、プロピレン、及びブテンが挙げられるが、これらに限定されない)を含むと言及される場合、このようなポリマー又はコポリマー中に存在するオレフィンはオレフィンの重合形態である。例えば、コポリマーが35質量%〜55質量%の“エチレン”含量を有すると言われる場合、コポリマー中のmer 単位が重合反応でエチレンから誘導され、前記誘導単位がコポリマーの質量を基準として、35質量%〜55質量%で存在することが理解される。“ポリマー”は二つ以上の同じ又は異なるmer 単位を有する。本明細書に使用される“ポリマー”という用語はオリゴマー (100 mer 単位まで) 、及び一層大きいポリマー (100 mer より大きい単位) を含む。“ホモポリマー”は同じであるmer 単位を有するポリマーである。“コポリマー”は互いに異なる2種以上のmer 単位を有するポリマーである。“ターポリマー”は互いに異なる3種のmer 単位を有するポリマーである。mer 単位を言及するのに使用される“異なる”はmer 単位が互いに少なくとも一つの原子を異にし、又は異性体上異なることを示す。従って、本明細書に使用されるコポリマーの定義はターポリマー等を含む。
本明細書に使用されるMnは数平均分子量 (特にことわらない限り、1H NMRにより測定される) であり、Mwは重量平均分子量 (ゲル透過クロマトグラフィー、GPC により測定される) であり、かつMzはz平均分子量 (GPC により測定される) であり、wt% は質量%であり、モル%はモルパーセントであり、vol%は容量パーセントであり、かつmol はモルである。分子量分布 (MWD)はMn(GPC により測定される)により割られたMw、Mw/Mn であると定義される。特にことわらない限り、全ての分子量 (例えば、Mw、Mn、Mz) はg/モルの単位を有する。また、室温は、特にことわらない限り、23℃である。
臭素価はASTM D 1159 により測定される。
【0015】
ビニル末端分枝ポリオレフィンの製造方法
本発明は
(i) 好ましくは35℃より高く、好ましくは約35℃から150 ℃まで、40℃から140 ℃まで、60℃から140 ℃まで、又は80℃から130 ℃までの範囲の温度で、エチレン及び/又はプロピレン(好ましくはプロピレン)そして、必要により一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー(好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)を含む一種以上のモノマーを、アリル鎖末端を有する分枝ポリオレフィンを生成し得る触媒系と接触させ(その触媒系はメタロセン触媒化合物及び活性剤を含み、そのメタロセン触媒化合物は下記の式により表される:
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、
Mはジルコニウム又はハフニウム(好ましくはハフニウム)からなる群から選ばれ、
夫々のXは、独立に、1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハライド、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれ(二つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい)(好ましくはXがハライド又は1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、好ましくはXがクロリド又はメチルである)、
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換もしくは未置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基であり、
更に、いずれか二つの隣接R基が縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、かつ
更に、隣接R4基、R5基、及びR6基のいずれかが縮合環又は多中心縮合環(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
Tは式 R2aJ (式中、JはC、Si、Ge、N、又はPの一種以上であり(好ましくはJがSiである)、かつ夫々のRa は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20 ヒドロカルビル又はC1〜C20 置換ヒドロカルビルである(好ましくはRaがメチル、エチル、クロリドである))により表される橋かけ基であり、
少なくとも一つのR3(好ましくは両方)は、R1、R2、R4、R5又はR6のいずれかが水素ではない場合に置換又は未置換フェニル基であることを条件とする)、
(ii)好ましくはモノマーの少なくとも50モル%(更に好ましくは少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%)をポリオレフィンに変換し、そして
(iii) 合計不飽和鎖末端に対し、50%より大きい(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上の)アリル鎖末端、及び60℃以上(好ましくは100 ℃以上、好ましくは120 ℃以上)のTm を有する分枝ポリオレフィンを得ることを含む重合方法に関する。
【0018】
本明細書に記載された本発明の方法は商業的速度で実施される。或る実施態様において、生産性が4500 g/ミリモル以上、好ましくは5000 g/ミリモル以上、好ましくは10,000 g/ミリモル以上、好ましくは50,000 g/ミリモル以上である。その他の実施態様において、生産性が少なくとも80,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも150,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも200,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも250,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも300,000 g/ミリモルである。
別の実施態様において、触媒の活性が触媒1kg 当り少なくとも10,000 kg のポリマー、好ましくは触媒1kg 当り50,000 kg 以上のポリマー、好ましくは触媒1kg 当り100,000 kg以上のポリマー、好ましくは触媒1kg 当り150,000 kg以上のポリマーである。
別の実施態様において、オレフィンモノマーの転化率が反応帯に入るモノマーの質量を基準として、少なくとも50モル%、好ましくは60モル%以上、好ましくは70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。
本明細書に記載された本発明の方法はこれらの分枝ビニル末端ポリマーの商業的製造に適した温度及び圧力で実施し得る。典型的な温度及び/又は圧力は35℃より高い温度(好ましくは約35℃から約150 ℃まで、40℃から140 ℃まで、60℃から140 ℃まで、又は80℃から130 ℃までの範囲)及び約0.35〜10 MPa (好ましくは0.45〜6 MPa 又は0.5 〜4 MPa)の範囲の圧力を含む。
本明細書に記載された本発明の方法はこれらの分枝ビニル末端ポリマーの商業的製造に適した滞留時間を有する。典型的な重合では、重合方法の滞留時間が300 分まで、好ましくは約1分から300 分まで、好ましくは5分から250 分まで、好ましくは約10分から120 分まで、又は好ましくは約10分から60分までの範囲である。
【0019】
重合に適した希釈剤/溶媒として、非配位、不活性液体が挙げられる。例として、直鎖及び分枝鎖炭化水素、例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、及びこれらの混合物;環状炭化水素及び脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、及びこれらの混合物(例えば、商業的に見られるような (イソパーTM));並びにペルハロゲン化炭化水素、例えば、ペルフッ素化C4-10 アルカンが挙げられる。好適な溶媒として、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、及びこれらの混合物を含むモノマー又はコモノマーとして作用し得る液体オレフィンがまた挙げられる。好ましい実施態様において、脂肪族炭化水素、例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、及びこれらの混合物;環状炭化水素及び脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、及びこれらの混合物が溶媒として使用される。別の実施態様において、溶媒が芳香族ではなく、好ましくは芳香族化合物が溶媒の質量を基準として1質量%未満、好ましくは0.5 質量%、好ましくは0質量%で溶媒中に存在する。
好ましい実施態様において、重合のための供給原料濃度は供給原料流の全容積を基準として60容量%以下、好ましくは40容量%以下、又は好ましくは20容量%以下、好ましくは0容量%の溶媒である。重合が塊状方法で実施されることが好ましい。
或る実施態様において、ブテンがコモノマーである場合、ブテン源はブテンの種々の異性体を含む混合ブテン流であってもよい。1-ブテンモノマーが重合方法により優先的に消費されると予想される。このような混合ブテン流の使用が経済的利益を与えるであろう。何とならば、これらの混合流がしばしば精製方法からの廃棄流、例えば、C4 ラフィネート流であり、それ故、純粋な1-ブテンよりも実質的に高価ではないからである。
【0020】
本発明の方法は当業界で知られているあらゆる様式で行い得る。当業界で知られているあらゆる懸濁重合方法、均一塊状重合方法、溶液重合方法、スラリー重合方法、又は気相重合方法が使用し得る。このような方法はバッチ式、半バッチ式、又は連続式で実施し得る。均一重合方法及びスラリー重合方法が好ましい(均一重合方法は生成物の少なくとも90質量%が反応媒体に可溶性である方法と定義される)。塊状均一方法が特に好ましい(塊状方法は反応器への全供給原料中のモノマー濃度が70容量%以上である方法であると定義される)。また、溶媒又は希釈剤が反応媒体中に存在しないか、又は添加されない(触媒系のためのキャリヤー又はその他の添加剤として使用される少量、又はモノマーで典型的に見られる量、例えば、プロピレン中のプロパンの量を除いて)。その方法が単一段階重合方法であることが好ましい。別の実施態様において、その方法がスラリー方法である。本明細書に使用される“スラリー重合方法”は担持された触媒が使用され、モノマーが担持された触媒粒子で重合される重合方法を意味する。担持された触媒から誘導されるポリマー生成物の少なくとも95質量%が固体粒子として顆粒形態である(希釈剤に溶解されない)。“連続式”は反応器系への反応体の連続添加、及び反応器系からの反応体及び生成物の抜き取りがあることを意味する。連続方法は定常状態で作業でき、即ち、流量、温度/圧力及び供給原料組成が不変に留まる場合に、流出物の組成が経時で一定に留まる。例えば、ポリマーを製造するための連続方法は反応体が一つ以上の反応器に連続的に導入され、ポリマー生成物が連続的に抜き取られる方法であろう。
【0021】
好ましい実施態様において、水素が0.001 〜50 psig (0.007〜345 kPa)、好ましくは0.01〜25 psig (0.07 〜172 kPa)、更に好ましくは0.1 〜10 psig (0.7 〜70 kPa) の分圧で重合反応器中に存在する。本系では、水素がアリル鎖末端を生じる触媒の能力をかなり損なわないで増大された活性を与えるのに使用し得ることがわかった。触媒活性 (g/ミリモル 触媒/時間として計算される) は水素が存在しない同じ反応よりも少なくとも20%高く、好ましくは少なくとも50%高く、好ましくは100 %高いことが好ましい。
有益な反応容器として反応器(連続撹拌タンク反応器、バッチ反応器、反応性押出機、パイプ又はポンプを含む)が挙げられる。“反応帯”(また“重合帯”と称される)は活性化触媒及びモノマーが接触され、重合反応が起こる領域と定義される。多重反応器が直列又は平行配置で使用される場合、夫々の反応器が別々の重合帯と考えられる。バッチ反応器及び連続反応器の両方における多段階重合につき、夫々の重合段階が別々の重合帯と考えられる。好ましい実施態様において、本明細書に記載された重合が単一反応帯内で起こる。また、本明細書に記載された重合が多重反応帯中で起こってもよい。
好ましい実施態様において、水素が0.001 〜50 psig (0.007〜345 kPa)、好ましくは0.01〜25 psig (0.07 〜172 kPa)、更に好ましくは0.1 〜10 psig (0.7 〜70 kPa) の分圧で重合反応器中に存在する。本系では、水素がアリル鎖末端を生じる触媒の能力をかなり損なわないで増大された活性を与えるのに使用し得ることがわかった。触媒活性 (g/ミリモル 触媒/時間として計算される) は水素が存在しない同じ反応よりも少なくとも20%高く、好ましくは少なくとも50%高く、好ましくは100 %高いことが好ましい。
好ましい実施態様において、アルモキサンがビニル末端ポリマーを生成するのにその方法で殆ど又は全く使用されない。好ましくは、アルモキサンがゼロモル%で存在し、またアルモキサンが500:1 未満、好ましくは300:1 未満、好ましくは100:1 未満、好ましくは1:1 未満のアルミニウム対遷移金属のモル比で存在する。
別の実施態様において、アルモキサンがビニル末端ポリマーを生成するのに使用される場合には、アルモキサンが処理されて遊離アルキルアルミニウム化合物、特にトリメチルアルミニウムを除去していた。
更に、好ましい実施態様において、ビニル末端ポリマーを生成するのに本明細書に使用される活性剤が本明細書に定義される嵩高の活性剤であり、分離している。
好ましい実施態様において、脱除剤がビニル末端ポリマーを生成するための方法で殆ど又は全く使用されない。好ましくは、脱除剤(例えば、トリアルキルアルミニウム) がゼロモル%で存在し、また脱除剤が100:1 未満、好ましくは50:1未満、好ましくは15:1未満、好ましくは10:1未満の脱除剤金属対遷移金属のモル比で存在する。
【0022】
好ましい実施態様において、重合が1)0〜300 ℃(好ましくは25〜150 ℃、好ましくは40〜120 ℃、好ましくは45〜80℃)の温度で行なわれ、2)大気圧〜10 MPa (好ましくは0.35〜10 MPa、好ましくは0.45〜6 MPa 、好ましくは0.5 〜4 MPa)の圧力で行なわれ、3)脂肪族炭化水素溶媒(例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、及びこれらの混合物;環状炭化水素及び脂環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、及びこれらの混合物;好ましくは芳香族化合物が溶媒の質量を基準として1質量%未満、好ましくは0.5 質量%、好ましくは0質量%で存在する場合)中で行なわれ、4)その重合に使用される触媒系が0.5 モル%未満、好ましくは0モル%のアルモキサンを含み、またアルモキサンが500:1 未満、好ましくは300:1 未満、好ましくは100:1 未満、好ましくは1:1 未満のアルミニウム対遷移金属のモル比で存在し、5)その重合が一つの反応帯中で起こり、6)触媒化合物の生産性が少なくとも80,000 g/ミリモル (好ましくは少なくとも150,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも200,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも250,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも300,000 g/ミリモル)であり、7)必要により脱除剤(例えば、トリアルキルアルミニウム化合物)が不在であり(例えば、ゼロモル%で存在し、また脱除剤が100:1 未満、好ましくは50:1未満、好ましくは15:1未満、好ましくは10:1未満の脱除剤金属対遷移金属のモル比で存在する)、かつ8)必要により水素が0.001 〜50 psig (0.007〜345 kPa) (好ましくは0.01〜25 psig (0.07〜172 kPa) 、更に好ましくは0.1 〜10 psig (0.7 〜70 kPa)) の分圧で重合反応器中に存在する。好ましい実施態様において、重合に使用される触媒系が一種より多い触媒化合物を含まない。“反応帯”(また“重合帯”と称される)は重合が起こる容器、例えば、バッチ反応器である。多重反応器が直列又は平行配置で使用される場合、夫々の反応器が別々の重合帯と考えられる。バッチ反応器及び連続反応器の両方における多段階重合につき、夫々の重合段階が別々の重合帯と考えられる。好ましい実施態様において、重合が一つの反応帯中で起こる。室温は特にことわらない限り23℃である。
【0023】
触媒系
本明細書の実施態様において、本発明はビニル末端分枝ポリオレフィンを商業的速度で商業的条件下で製造するための方法に関するものであり、その方法はモノマーを50%以上のアリル鎖末端を有する分枝ポリオレフィンを生成し得るメタロセン触媒化合物及び活性剤を含む触媒系の存在下で接触させることを含む。触媒系が一種以上の非メタロセン触媒化合物、一種以上のメタロセン触化合物、又はこれらの混合物を含む混合触媒系であり、好ましくは混合触媒系が2種以上のメタロセン触媒化合物を含む。触媒系が単一触媒系であることが好ましい。同様に、1種、2種又はそれ以上の活性剤が触媒系中に使用されてもよい。
本明細書の記載において、触媒が触媒前駆体、前触媒化合物、触媒化合物、又は遷移金属化合物と記載されてもよく、これらの用語が互換可能に使用される。重合触媒系はモノマーをポリマーに重合し得る触媒系である。“触媒系”は少なくとも一種の触媒化合物、少なくとも一種の活性剤、任意の補助活性剤、及び任意の担体物質の組み合わせである。“アニオン性リガンド”は電子の一つ以上の対を遷移金属に供与する負に荷電されたリガンドである。“中性ドナーリガンド”は電子の一つ以上の対を金属イオンに供与する中性荷電リガンドである。
本発明の目的及び特許請求の範囲につき、触媒系が成分の中性の安定な形態を含むと記載されている場合、その成分のイオン性形態がモノマーと反応してポリマーを生成する形態であることが当業者により良く理解されている。
メタロセン触媒は少なくとも一つのπ-結合シクロペンタジエニル部分 (又は置換シクロペンタジエニル部分) 、更に頻繁には二つのπ-結合シクロペンタジエニル部分又は置換部分を有する有機金属化合物と定義される。これはその他のπ-結合部分、例えば、インデニルもしくはフルオレニル又はこれらの誘導体を含む。
特に有益な触媒系のメタロセン、活性剤、任意の補助活性剤、及び任意の担体成分が以下に説明される。
【0024】
(a) メタロセン触媒化合物
“ヒドロカルビル”は水素及び炭素からつくられる基である。“置換”という用語は水素基がヒドロカルビル基、ヘテロ原子、又はヘテロ原子含有基で置換されていることを意味する。例えば、メチルシクロペンタジエン (Cp) はメチル基で置換されたCp基であり、エチルアルコールは-OH 基で置換されたエチル基であり、また“置換ヒドロカルビル”は少なくとも1個の水素がヘテロ原子により置換されている炭素及び水素からつくられた基である。
本発明の目的及び特許請求の範囲につき、“アルコキシド”はそのアルキル基がC1〜C40 ヒドロカルビルであるものを含む。そのアルキル基は直鎖、分枝、又は環状であってもよい。そのアルキル基は飽和又は不飽和であってもよい。或る実施態様において、そのアルキル基が少なくとも一つの芳香族基を含んでもよい。
触媒系のメタロセン触媒化合物は下記の式により表される。
【0025】
【化3】
【0026】
式中、
Mはジルコニウム又はハフニウム(好ましくはハフニウム)からなる群から選ばれ、
夫々のXは、独立に、1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハライド、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれ(二つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい)(好ましくはXがハライド又は1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、好ましくはXがクロリド又はメチルである)、
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換もしくは未置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基であり、
更に、いずれか二つの隣接R基が縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
更に、隣接R4基、R5基、及びR6基のいずれかが縮合環又は多中心縮合環(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
Tは式 R2aJ (式中、JはC、Si、Ge、N、又はPの一種以上であり(好ましくはJがSiである)、かつ夫々のRa は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20 ヒドロカルビル又はC1〜C20 置換ヒドロカルビルである(好ましくはRaがメチル、エチル、クロリドである))により表される橋かけ基であり、
少なくとも一つのR3(好ましくは両方)は、R1、R2、R4、R5又はR6のいずれかが水素ではない場合に置換又は未置換フェニル基であることを条件とする。
【0027】
特に好ましいRa置換基として、C1〜C20 ヒドロカルビル、例えば、メチル、エチル、プロピル (イソプロピル、sec-プロピルを含む) 、ブチル (t-ブチル及びsec-ブチルを含む) 、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、置換フェニル、ベンジル (置換ベンジルを含む) 、シクロヘキシル、シクロドデシル、ノルボニル、及びこれらの全ての異性体が挙げられる。
本明細書で有益な橋かけ基R2aTの例はR'2C, R'2Si、R'2Ge、R'2CCR'2、R'2CCR'2CR'2、R'2CCR'2CR'2CR'2、R'C=CR'、R'C=CR'CR'2、R'2CCR'=CR'CR'2、R'C=CR'CR'=CR'、R'C=CR'CR'2CR'2、R'2CSiR'2、R'2SiSiR'2、R2CSiR'2CR'2、R'2SiCR'2SiR'2、R'C=CR'SiR'2、R'2CGeR'2、R'2GeGeR'2、R'2CGeR'2CR'2、R'2GeCR'2GeR'2、R'2SiGeR'2、R'C=CR'GeR'2、R'B、R'2C-BR'、R'2C-BR'-CR'2、R'2C-O-CR'2、R'2CR'2C-O-CR'2CR'2、R'2C-O-CR'2CR'2、R'2C-O-CR'=CR'、R'2C-S-CR'2、R'2CR'2C-S-CR'2CR'2、R'2C-S-CR'2CR'2、R'2C-S-CR'=CR'、R'2C-Se-CR'2、R'2CR'2C-Se-CR'2CR'2、R'2C-Se-CR2CR'2、R'2C-Se-CR'=CR'、R'2C-N=CR'、R'2C-NR'-CR'2、R'2C-NR'-CR'2CR'2、R'2C-NR'-CR'=CR'、R'2CR'2C-NR'-CR'2CR'2、R'2C-P=CR'、及びR'2C-PR'-CR'2 により代表されてもよく、この場合、R'は水素又はC1-C20 含有ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビルである。好ましくは、橋かけ基R2aTが炭素又はシリカ、例えば、ジアルキルシリルを含み、好ましくはその橋かけ基がCH2 、CH2CH2、C(CH3)2 、SiMe2 、SiPh2 、SiMePh、及び(Ph)2Cから選ばれる。
【0028】
本発明に特に有益である触媒化合物として、下記の一種以上が挙げられる:
rac-ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、
rac-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチル rac-ジメチルシリル-ビス(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-メチル-1H-ベンズ (f)インデン)ハフニウムジメチル、及び
rac-ジメチルシリルビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル。
別の実施態様において、先の触媒化合物のリスト中の遷移金属の後の“ジメチル”はジハライド(例えば、ジクロリド又はジフルオリド)又はビスフェノキシドで置換される。 別の実施態様において、先の触媒化合物のリスト中の“ハフニウム”がジルコニウムで置換される。別の実施態様において、先の触媒化合物のリスト中の“ジルコニウム”がハフニウムで置換される。
【0029】
(b) 活性剤
“助触媒”及び“活性剤”という用語は本明細書に互換可能に使用され、中性触媒化合物を触媒活性触媒化合物カチオンに変換することにより上記触媒化合物のいずれか一種を活性化し得るあらゆる化合物であると定義される。非限定活性剤として、例えば、イオン化活性剤(これらは中性又はイオン性であってもよい)、及び通常の型の助触媒が挙げられる。好ましい活性剤として、典型的には、一つの反応性のσ-結合、金属リガンドを引き抜いて金属錯体をカチオン性にし、電荷平衡非配位アニオン又は弱配位アニオンを与えるイオン化アニオン前駆体化合物が挙げられる。
アルモキサンが分枝ポリオレフィンを製造するための方法に殆ど又は全く使用されないことが好ましい。好ましくは、アルモキサンがゼロモル%で存在し、またアルモキサンが500:1 未満、好ましくは300:1 未満、好ましくは100:1 未満、好ましくは1:1 未満のアルミニウム対遷移金属のモル比で存在する。別の実施態様において、アルモキサンが分枝ポリオレフィンを生成するのに使用される場合には、アルモキサンが処理されて遊離アルキルアルミニウム化合物、特にトリメチルアルミニウムを除去していた。
非アルモキサンが活性剤として使用されることが好ましい。更に、好ましい実施態様において、分枝ポリオレフィンを生成するのに本明細書に使用される活性剤は本明細書に定義されるように嵩高であり、分離している。
【0030】
イオン化活性剤
イオン化活性剤又は化学量論的活性剤(中性又はイオン性)、例えば、トリ (n-ブチル) アンモニウムテトラキス (ペンタフルオロフェニル) ボレート、トリスペルフルオロフェニルホウ素メタロイド前駆体又はトリスペルフルオロナフチルホウ素メタロイド前駆体、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン (WO 98/43983)、ホウ酸 (米国特許第5,942,459 号) 又はこれらの組み合わせを使用することは本発明の範囲内である。また、中性又はイオン性活性剤を単独で使用し、又はアルモキサンもしくは変性アルモキサン活性剤と組み合わせて使用することは本発明の範囲内である。多くの好ましい活性剤はイオン性のものであり、中性ボランではない。
中性化学量論的活性剤の例として、三置換ホウ素、テルル、アルミニウム、ガリウム及びインジウム、又はこれらの混合物が挙げられる。三つの置換基は夫々独立にアルキル、アルケニル、ハロゲン、置換アルキル、アリール、アリールハライド、アルコキシ、及びハライドから選ばれる。三つの基が独立にハロゲン、単環式又は多環式(ハロ置換を含む)アリール、アルキル、及びアルケニル化合物並びにこれらの混合物から選ばれることが好ましく、1〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基及び3〜20個の炭素原子を有するアリール基(置換アリールを含む)が好ましい。三つの基が1〜4個の炭素基を有するアルキル、フェニル、ナフチル、又はこれらの混合物であることが更に好ましい。三つの基がハロゲン化、好ましくはフッ素化されたアリール基であることが更に好ましい。中性化学量論的活性剤がトリスペルフルオロフェニルホウ素又はトリスペルフルオロナフチルホウ素であることが最も好ましい。
【0031】
イオン性化学量論的活性剤化合物は活性プロトン、又はそのイオン化化合物の残りのイオンと会合されているが、配位されておらず、又はわずかにゆるく配位されている幾つかのその他のカチオンを含んでもよい。このような化合物等が欧州特許公開EP 0 570 982 A; EP 0 520 732 A; EP 0 495 375 A; EP 0 500 944 B1; EP 0 277 003 A; EP 0 277 004 A; 米国特許第5,153,157号; 同第5,198,401号; 同第5,066,741号; 同第5,206,197号; 同第5,241,025号; 同第5,384,299号; 同第5,502,124号; 並びに1994年8月3日に出願された、米国特許出願第08/285,380号に記載されており、これらの全てが参考として本明細書に完全に含まれる。
イオン性触媒は遷移金属化合物を或る中性ルイス酸、例えば、B(C6F6)3(これは遷移金属化合物の加水分解可能なリガンド (X)との反応後にアニオン、例えば、([B(C6F5)3(X)]-)(これはその反応により生成されたカチオン性遷移金属種を安定化する)を生成する)と反応させることにより調製し得る。これらの触媒はイオン性化合物又は組成物である活性剤成分で調製でき、好ましくは調製される。
本発明の方法に使用されるイオン性触媒系の調製における活性剤成分として有益な化合物はカチオン(これはプロトンを供与し得るブレンステッド酸であることが好ましい)、及び適合性非配位アニオン(そのアニオンは比較的大きく(嵩高)、その2種の化合物が合わされる場合に生成される活性触媒種(4族カチオン)を安定化し得る)を含み、前記アニオンはオレフィン性、ジオレフィン性及びアセチレン性の不飽和基質又はその他の中性ルイス塩基、例えば、エーテル、アミン等により置換されるのに充分に不安定であろう。適合性非配位アニオンの二つのクラス:1)中央の電荷を有する金属又はメタロイドコアーに共有結合配位され、それを遮蔽する複数の親油性基を含むアニオン性配位錯体、及び2)複数のホウ素原子を含むアニオン、例えば、カルボラン、メタラカルボラン及びボランが1988年に公開されたEP 0 277,003 A及びEP 0 277,004 Aに開示されている。
【0032】
好ましい実施態様において、化学量論的活性剤はカチオン及びアニオン成分を含み、下記の式により表し得る。
(L-H)d+ (Ad-)(14)
式中、Lは中性ルイス塩基であり、Hは水素であり、(L-H)+はブレンステッド酸であり、Ad- は電荷d-を有する非配位アニオンであり、かつdは1、2、又は3である。
そのカチオン成分、 (L-H)d+は嵩高リガンドメタロセン含有遷移金属触媒前駆体からのアルキル又はアリールの如き部分をプロトン化して、カチオン性遷移金属種を生じ得るブレンステッド酸、例えば、プロトン化ルイス塩基を含んでもよい。
活性化カチオン (L-H)d+ はプロトンを遷移金属触媒前駆体に供与して遷移金属カチオンを生じ得る、ブレンステッド酸であってもよく、アンモニウム、オキソニウム、ホスホニウム、シリリウム、及びこれらの混合物、好ましくはメチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルアニリン、ジフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p-ブロモ N,N-ジメチルアニリン、p-ニトロ-N,N-ジメチルアニリンのアンモニウム;トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びジフェニルホスフィンからのホスホニウム;エーテル、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンからのオキソニウム;チオエーテル、例えば、ジエチルチオエーテル及びテトラヒドロチオフェンからのスルホニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
アニオン成分Ad- は式 [Mk+Qn]d-を有するものを含み、式中、kは1、2、又は3であり、nは2、3、4,5、又は6であり、n - k = d 、Mは元素の周期律表の13族からの元素、好ましくはホウ素又はアルミニウムであり、かつQは独立に水素化物、橋かけ又は非橋かけジアルキルアミド、ハライド、アルコキシド、アリールオキサイド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、及びハロ置換ヒドロカルビル基であり、前記Qは20個までの炭素原子を有し、但し、Qが1以下の出現でハライドであることを条件とする。好ましくは、夫々のQが1〜20個の炭素原子を有するフッ素化ヒドロカルビル基であり、更に好ましくは、夫々のQがフッ素化アリール基であり、最も好ましくは、夫々のQがペンタフルオリルアリール基である。また、好適なAd- の例として、米国特許第5,447,895 号(これは参考として本明細書に完全に含まれる)に開示されたジホウ素化合物が挙げられる。
【0033】
本発明の方法の触媒系の調製における活性化助触媒として使用し得るホウ素化合物の例示の、非限定例は三置換アンモニウム塩、例えば、
トリメチルアンモニウム テトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウム テトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウム テトラフェニルボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラフェニルボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラフェニルボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラフェニルボレート、トロピリウム テトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラフェニルボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ (sec-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル) ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロ-フェニル)ボレート、ジメチル(t-ブチル)アンモニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、
【0034】
トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、及びジアルキルアンモニウム塩、例えば、ジ-(i-プロピル)アンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びジシクロヘキシルアンモニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、並びに付加的な三置換ホスホニウム塩、例えば、トリ (o-トリル)ホスホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0035】
最も好ましくは、イオン性化学量論的活性剤 (L-H)d+ (Ad-) が、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、又はトリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレートである。
一実施態様において、活性プロトンを含まないが、嵩高リガンドメタロセン触媒カチオンを生成し得るイオン化イオン性化合物及びそれらの非配位アニオンを使用する活性化方法がまた意図されており、EP 0 426 637 A、EP 0 573 403 A、及び米国特許第5,387,568 号(これらが全て参考として本明細書に含まれる)に記載されている。
“非配位アニオン”(NCA)という用語は前記カチオンに配位せず、又は前記カチオンにほんの弱く配位され、それにより中性ルイス塩基により置換されるのに充分に不安定に留まるアニオンを意味する。“適合性”非配位アニオンは初期に生成された錯体が分解する場合に中性まで分解されないものである。更に、そのアニオンはそれが中性4配位メタロセン化合物及びアニオンからの中性副生物を生成させるようにアニオン置換基又はフラグメントをカチオンに転移しないであろう。本発明に有益な非配位アニオンは適合性であり、そのイオン電荷を+1で平衡にする意味でメタロセンカチオンを安定化し、しかも重合中にエチレン性又はアセチレン性不飽和モノマーによる置換を可能にするのに充分に不安定に留まるものである。これらの活性剤化合物又は助触媒に加えて、脱除剤、例えば、トリ-イソブチルアルミニウム又はトリ-オクチルアルミニウムが使用される。活性剤が非配位アニオン活性剤であることが好ましい。
【0036】
本発明の方法はまた初期に中性ルイス酸であるが、カチオン性金属錯体及び非配位アニオン、又は本発明の化合物との反応後に双性イオン錯体を生成する助触媒化合物又は活性剤化合物を使用し得る。例えば、トリス (ペンタフルオロフェニル) ホウ素又はアルミニウムはヒドロカルビル又は水素化物リガンドを引き抜いて本発明のカチオン性金属錯体を生じ、非配位アニオンを安定化するように作用する。同様の4族メタロセン化合物の説明につき、EP 0 427 697 A及びEP 0 520 732 Aを参照のこと。また、EP 0 495 375 Aの方法及び化合物を参照のこと。同様の4族化合物を使用する双性イオン錯体の生成につき、米国特許第5,624,878 号、同第5,486,632 及び同第5,527,929 を参照のこと。
別の好適なイオン生成、活性化助触媒は下記の式により表されるカチオン性酸化剤と非配位、適合性アニオンの塩を含む。
(OXe+)d (Ad-)e (16)
式中、OXe+はe+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり、eは1,2、又は3であり、かつAd- は電荷d-を有する非配位アニオンであり、かつdは1,2、又は3である。カチオン性酸化剤の例として、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag+ 又はPb+2が挙げられる。Ad- の好ましい実施態様はブレンステッド酸含有活性剤に関して既に定義されたこれらのアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
典型的なNCA (即ち、非アルモキサン活性剤) 活性剤対触媒比は1:1 のモル比である。別の好ましい範囲は0.1:1から100:1 まで、また0.5:1 〜200:1 、また1:1 〜500:1 、また1:1〜1000:1を含む。特に有益な範囲は0.5:1から10:1まで、好ましくは1:1 〜5:1 である。
【0037】
嵩高活性剤
本発明者らは驚くことに嵩高活性剤(bulky activator)が特に有益であることを見い出した。嵩高活性剤は同じ重合条件下で、非嵩高活性剤を含む同じ触媒よりも高いMw、高いTm、及び/又は多量のアリル鎖末端を有利に生じ得る。
本明細書に使用される“嵩高 活性剤”は下記の式により表されるアニオン性活性剤を表す。
【0038】
【化4】
【0039】
式中、
夫々のR1は、独立に、ハライド、好ましくはフルオリドであり、
夫々のR2は、独立に、ハライド、C6〜C20 置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、Ra はC1〜C20 ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり (好ましくはR2はフルオリド又はペルフッ素化フェニル基である) 、
夫々のR3はハライド、C6〜C20 置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、RaはC1 〜C20 ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり (好ましくはR3はフルオリド又はC6 ペルフッ素化芳香族ヒドロカルビル基である) 、R2及びR3は一つ以上の飽和又は不飽和、置換又は未置換環を形成することができ、 (好ましくはR2及びR3はペルフッ素化フェニル環を形成する) 、
Lは中性ルイス塩基であり、
(L-H)+はブレンステッド酸であり、
dは1,2、又は3であり、
そのアニオンは1020 g/ モルより大きい分子量を有し、かつ
B原子の置換基の少なくとも三つが夫々250 立方Åより大きく、また300 立方Åより大きく、又は500 立方Åより大きい分子体積を有する。
“分子体積”は溶液中の活性剤分子の空間の立体的嵩の近似として本明細書に使用される。異なる分子体積を有する置換基の比較は同じ分子体積を有する置換基が一層大きい分子体積を有する置換基と較べて“嵩高ではない”と考えられることを可能にする。逆に、一層大きい分子体積を有する置換基は一層小さい分子体積を有する置換基よりも“一層嵩高”と考えられるかもしれない。
分子体積は“液体及び固体の密度及び分枝体積を推定するための簡単な“エンベロープのバック”方法” Journal of Chemical Education, 71巻, 11号, 1994年11月, 962-964頁に報告されたように計算されてもよい。分子体積(MV)(立方Åの単位)は式MV = 8.3Vs(式中、Vs は縮尺体積であり、Vsは成分原子の相対的体積の合計である)を使用して計算され、下記の相対的体積の表を使用して置換基の分子式から計算される。縮合環につき、Vsは縮合環当り7.5%減少される。
【0040】
【表1】
【0041】
本明細書中の好適な活性剤の例示の嵩高置換基並びにそれらの夫々の縮尺体積及び分子体積が下記の表に示される。破線の結合は上記一般式中のように、ホウ素への結合を示す。
【化5】
【0042】
本明細書の触媒系中の有益な例示の嵩高活性剤として、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、 [4-t-ブチル-PhNMe2H][(C6F3(C6F5)2)4B] 、及び米国特許第7,297,653 号に開示された型が挙げられる。
触媒化合物が上記一種以上の活性剤又は活性化方法と組み合わされることは本発明の範囲内である。
【0043】
(iii) 任意の補助活性剤及び脱除剤
これらの活性剤化合物に加えて、脱除剤又は補助活性剤が使用されてもよい。補助活性剤(又は脱除剤)として利用し得るアルミニウムアルキル化合物又は有機アルミニウム化合物として、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、及びトリ-n-オクチルアルミニウムが挙げられる。
(iv)任意の担体物質
本明細書中の実施態様において、触媒系が不活性単体物質を含んでもよい。担体物質は多孔性担体物質、例えば、タルク、及び無機酸化物であることが好ましい。その他の担体物質として、ゼオライト、クレー、オルガノクレー、又はあらゆるその他の有機もしくは無機担体物質等、又はこれらの混合物が挙げられる。
担体物質が微細な形態の無機酸化物であることが好ましい。本明細書のメタロセン触媒系中の使用に適した無機酸化物物質として、2族、4族、13族、及び14族の金属酸化物、例えば、シリカ、アルミナ、及びこれらの混合物が挙げられる。単独で、又はシリカ、もしくはアルミナと組み合わせて使用し得るその他の無機酸化物はマグネシア、チタニア、ジルコニア等である。しかしながら、その他の好適な担体物質、例えば、微細な官能化ポリオレフィン、例えば、微細なポリエチレンが使用し得る。特に有益な担体として、マグネシア、チタニア、ジルコニア、モンモリロナイト、フィロシリケート、ゼオライト、タルク、クレー等が挙げられる。また、これらの担体物質の組み合わせ、例えば、シリカ-クロム、シリカ-アルミナ、シリカ-チタニア等が使用されてもよい。好ましい担体物質として、Al2O3 、ZrO2、SiO2、及びこれらの組み合わせ、更に好ましくはSiO2、Al2O3 、又はSiO2/Al2O3が挙げられる。
【0044】
担体物質、最も好ましくは無機酸化物は、約10〜約700 m2/gの範囲の表面積、約0.1 〜約4.0 cc/gの範囲の孔体積及び約5〜約500 μm の範囲の平均粒子サイズを有することが好ましい。担体物質の表面積が約50〜約500 m2/gの範囲であり、孔体積が約0.5 〜約3.5 cc/gの範囲であり、かつ平均粒子サイズが約10〜約200 μm の範囲であることが更に好ましい。担体物質の表面積が約100 〜約400 m2/gの範囲であり、孔体積が約0.8 〜約3.0 cc/gの範囲であり、かつ平均粒子サイズが約5〜約100 μm の範囲であることが最も好ましい。本発明に有益な担体物質の平均孔サイズは10Åから1000Åまで、好ましくは50Åから約500 Åまで、最も好ましくは75Åから約350 Åまでの範囲である。或る実施態様において、担体物質が高表面積の無定形シリカ (表面積= 300 m2/gm; 1.65 cm3/gmの孔体積) であり、その例がW.R. Grace and Company のDavison 化学部門によりDavison 952又はDavison 955 のトレード名で市販されている。その他の実施態様において、DAVISON 948 が使用される。
担体物質は乾燥すべきであり、即ち、吸収水を含むべきではない。担体物質の乾燥は約100 ℃〜約1000℃、好ましくは少なくとも約600 ℃で加熱又は焼成することにより行ない得る。担体物質がシリカである場合、それが少なくとも200 ℃、好ましくは約200 ℃〜約850 ℃、最も好ましくは約600 ℃で、約1分から約100 時間まで、約12時間から約72時間まで、又は約24時間から約60時間までの時間にわたって加熱される。焼成された担体物質は本発明の触媒系を生成するために少なくとも幾つかの反応性ヒドロキシル(OH)基を有する必要がある。次いで焼成された担体物質が少なくとも一種のメタロセン化合物及び活性剤を含む少なくとも一種の重合触媒と接触させられる。
【0045】
担持された触媒系の製造方法
反応性表面基、典型的にはヒドロキシル基を有する、担体物質が、無極性溶媒中でスラリーにされ、得られるスラリーがメタロセン化合物及び活性剤の溶液と接触させられる。溶媒中の担体物質のスラリーは担体物質を溶媒に導入し、その混合物を約0℃〜約70℃、好ましくは約25℃〜約60℃、好ましくは室温に加熱することにより調製される。接触時間は典型的には約0.5 時間から約24時間まで、約0.5 時間から約8時間まで、又は約0.5 時間から約4時間までの範囲である。
好適な無極性溶媒は本明細書に使用される反応体の全て、即ち、活性剤、及びメタロセン化合物が、少なくとも部分可溶性であり、かつ反応温度で液体である物質である。好ましい無極性溶媒はアルカン、例えば、イソペンタン、ヘキサン、n-ヘプタン、オクタン、ノナン、及びデカンであるが、シクロアルカン、例えば、シクロヘキサン、芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン及びエチルベンゼンを含む種々のその他の物質が、また使用されてもよい。
本明細書の実施態様において、担体物質がメタロセン化合物及び活性剤の溶液と接触させられ、その結果、担体物質の反応性基が滴定されて、担持された重合触媒を生成する。メタロセン化合物、活性剤、及び担体物質の間の接触のための時間の期間は担体物質の反応性基を滴定するのに必要な長さである。“滴定する”は担体物質の表面の利用できる反応性基と反応し、それにより表面ヒドロキシル基を少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%減少することを意味する。表面反応性基濃度は使用される担体物質の焼成温度及び型に基づいて決められてもよい。担体物質焼成温度はメタロセン化合物及び活性剤と反応するのに利用できる担体物質の表面反応性基の数に影響する。乾燥温度が高い程、部位の数が低い。例えば、担体物質がシリカ(これは、最初の触媒系合成工程中のその使用の前に、それを窒素で流動化し、約600 ℃で約16時間加熱することにより脱水される)である場合、1グラム当り約0.7 ミリモル(ミリモル/g)の表面ヒドロキシル基濃度が典型的に得られる。こうして、活性剤対キャリヤーの表面反応性基の正確なモル比が変化するであろう。これは活性剤の多くが溶液中に過剰の活性剤を残さないで担体物質に付着されるように溶液に添加されることを確実にするためにケースバイケース基準で決められることが好ましい。
【0046】
溶液中に過剰に残らないで担体物質に付着される活性剤の量はあらゆる通常の様式で、例えば、活性剤が当業界で知られているあらゆる技術、例えば、1H NMRにより溶媒中の溶液として検出されるまで、スラリーを撹拌しながら、活性剤を溶媒中のキャリヤーのスラリーに添加することにより決められる。例えば、約600 ℃で加熱されたシリカ担体物質につき、スラリーに添加される活性剤の量はB対シリカのヒドロキシル基(OH)のモル比が約0.5:1 〜約4:1 、好ましくは約0.8:1 〜約3:1 、更に好ましくは約0.9:1 〜約2:1 、最も好ましくは約1:1 であるような量である。シリカ上のホウ素の量はICPES (誘導結合プラズマ放出分光分析法)(これはEncyclopedia of Materials Characterization, C. R. Brundle, C. A. Evans, Jr. 及びS. Wilson, 編集, Butterworth-Heinemann, Boston, Mass., 1992年, 633-644頁のJ. W. Olesik著, “誘導結合プラズマ光放出分光分析”に記載されている)を使用することにより測定されてもよい。別の実施態様において、担体に付着される量の過剰であるような量の活性剤を添加し、次いで、例えば、濾過及び洗浄により、過剰の活性剤を除去することが可能である。
【0047】
ビニル末端分枝ポリオレフィン
本明細書中の実施態様は50%以上のアリル鎖末端を有する分枝ポリオレフィンに関する。本発明者らは驚くことに本明細書に開示された方法が、おそらくビニルマクロモノマー再とり込みにより長鎖分枝生成物の増大された集団を生じることを見い出した。理論により束縛されたくないが、本発明者らは分枝がおそらく“T”多様体のものであり、これらの分枝ポリオレフィンが多量のアリル鎖末端を保持すると思う。
本明細書に開示された方法により製造された50%以上のアリル鎖末端を有する分枝ポリオレフィンは
(a) 下記の少なくとも一つを有して、分枝しており、
(i) 0.90未満 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) の分枝インデックス (g’vis) 、又は
(ii)1.2 〜2.0(好ましくは1.6 〜1.8)の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比(飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される)、又は
(iii) 0.95以下 (好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比、かつ
(b) 合計不飽和鎖末端に対し少なくとも50%(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端を有し、かつ下記の少なくとも一つを有する:
(i) 完全水素化後に、少なくとも50%(好ましくは少なくとも75%)減少する臭素価、又は
(ii) 5:1 より大きい (好ましくは10:1より大きい) アリル鎖末端対内部ビニリデン比、又は
(iii) 10:1より大きい (好ましくは15:1より大きい) アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比、又は
(iv)1:1 より大きい(好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比。
【0048】
分枝に関して、分枝ポリオレフィンが7,500 〜60,000 g/モルのMn (1H NMRにより測定される) を有する実施態様において、その分枝ポリオレフィンが
(i) 0.90未満 (好ましくは0.85未満、0.80未満、又は0.75未満) の分枝インデックス (g’vis)、及び/又は
(ii)1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8 )の飽和鎖末端(好ましくはイソブチル鎖末端)の百分率対アリル鎖末端の百分率の比(飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される)、及び/又は
(iii) 0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比を有する。不一致の場合には、g’vis が使用されるべきである(g’vis が測定し得ない場合には、飽和鎖末端の百分率対アリル鎖末端の百分率の比が使用されるべきであり、飽和鎖末端の百分率対アリル鎖末端の百分率の比が測定し得ない場合には、Mn(GPC)/Mn(1H NMR)の比が使用されるべきである)。
【0049】
分枝ポリオレフィンが60,000 g/モルより大きいMn (GPC により測定される) を有する実施態様において、その分枝ポリオレフィンが0.90未満 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’visそして、必要により、完全水素化後に、少なくとも50%(好ましくは少なくとも75%)減少する臭素価を有する。
分枝ポリオレフィンが7,500 g/モル未満 (好ましくは100 〜7,500 g/モル) のMn (1H NMRにより測定される) を有する実施態様において、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして、必要により、C4〜C40 アルファオレフィン (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィン、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィン、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体) を含み、かつ
(i) 1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8 )の飽和鎖末端(好ましくはイソブチル鎖末端)の百分率対アリル鎖末端の百分率の比(飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される)、及び/又は
(ii) 0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比を有する。
別の実施態様において、7,500 g/モル未満(好ましくは100 〜7,500 g/モル)のMn (1H NMRにより測定される) を有する分枝ポリオレフィンが0.90以下 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’visを有する。
【0050】
一実施態様において、本明細書の製造された分枝ポリオレフィンが7,500 〜60,000 g/モルのMn (1H NMRにより測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして、必要により、C4〜C40 アルファオレフィン (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィン、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィン、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体) を含み、かつ
(i) 合計不飽和鎖末端に対し、50%以上(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端、
(ii)0.90以下 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’vis、及び/又は1.2 〜2.0 (好ましくは 1.6 〜1.8) の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比(飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される)、及び/又は0.95以下 (好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比、
(iii) 必要により、60℃より高い (好ましくは100 ℃より高く、好ましくは60℃から180℃まで、好ましくは80℃から175 ℃までの) ピーク融点 (Tm) 、
(iv) 必要により、7 J/gより大きい (好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/g より大きく、60 J/g より大きく、又は80 J/gより大きい) 融解熱 (Hf) 、
(v) 必要により、5:1 より大きい (好ましくは10:1より大きい) アリル鎖末端対内部ビニリデン比、
(vi)必要により、10:1より大きい (好ましくは15:1より大きい) アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比、及び
(vii) 必要により、1:1 より大きい (好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい) アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比
を有する。
【0051】
別の実施態様において、本明細書の製造された分枝ポリオレフィンが60,000 g/モルより大きいMn (GPC により測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして必要により、C4〜C40 アルファオレフィン (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィン、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィン、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体) を含み、かつ
(i) 合計の不飽和鎖末端に対し、50%以上 (好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上) のアリル鎖末端、
(ii) 0.90以下 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’vis 、
(iii) 必要により、完全水素化後に、少なくとも50%(好ましくは少なくとも75%)減少する臭素価、
(iv)必要により、60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、60℃から180 ℃まで、好ましくは80℃から175 ℃までの)Tm、及び
(v) 必要により、7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hf
を有する。
【0052】
別の実施態様において、本明細書の製造された分枝ポリオレフィンが7,500 g/モル未満(好ましくは100 〜7,500 g/モル)のMn (1H NMRにより測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして、必要により、C4〜C40 アルファオレフィン (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィン、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィン、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)を含み、かつ
(i) 不飽和鎖末端の合計数に対し、50%以上(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端、
(ii)1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8 )の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比(飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される)、及び/又は0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比、
(iii) 必要により60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、60〜180 ℃、好ましくは80〜175 ℃の)Tm、
(iv)必要により、7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hf、
(v) 必要により、5:1 より大きい(好ましくは10:1より大きい)アリル鎖末端対内部ビニリデン比、
(vi)必要により、10:1より大きい(好ましくは15:1より大きい)アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比、及び
(vii) 必要により、1:1 より大きい(好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比
を有する。
【0053】
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが同じ組成及び微小構造の線状ポリマーに対し、0.90以下(好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)の分枝インデックス、g’vis (GPC により測定される) を有する。
本明細書に記載された好ましい分枝ポリオレフィンは7,500 〜60,000 g/モル、又は60,000 g/モルより大きく、又は100 g/モルから7,500 g/モル未満までのMn (1H NMRにより測定される) を有する。更に、望ましい分子量範囲は上記されたあらゆる分子量上限とあらゆる分子量下限の組み合わせであってもよい。Mn (1H NMR) は実施例の節に以下に記載されるNMR 方法に従って測定される。Mnはまた以下に記載されるようなGPC-DRI 方法を使用して測定されてもよい。特許請求の範囲の目的のために、特に示されない限り、Mnが1H NMRにより測定される。
別の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンは1000 g/モル以上(好ましくは約1,000 〜約400,000 g/モル、好ましくは約2000〜300,000 g/モル、好ましくは約3,000 〜200,000 g/モル)のMw (以下に記載されるように、GPC-DRI 方法を使用して測定される)及び/又は約1700〜約150,000 g/モル又は好ましくは約800 〜100,000 g/モルの範囲のMz、及び/又は約1.2 〜20(また約1.7 〜10、また約1.8 〜5.5)の範囲のMw/Mnを有する。
特別な実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンが0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のMn(GPC)/Mn(1H NMR) の比を有する。図1に関して、図1は以下に示されるように、GPC により測定されたMn対1H NMRデータから計算されたMnのプロットを示す。実験データについての最良フィットラインのプロット(実線として示される)はパリティプロット(破線)の下にある。最良フィットラインの傾斜は0.73065 である。
【0054】
ポリオレフィン鎖当り1個の不飽和と仮定して、Mnは1H NMRデータから計算される。1H NMRデータは5 mmプローブ中でバリアンスペクトロメーターを250 MHz 、400 MHz 、又は500 MHz のプロトン周波数(特許請求の範囲の目的のために、400 mHz iのプロトン周波数が使用される)で使用して室温又は120 ℃(特許請求の範囲の目的のために、120 ℃が使用されるべきである)で集められる。データが45℃の最大パルス幅、パルスと平均120 過渡のシグナルの間8秒を使用して記録される。スペクトルシグナルが積分され、1000個の炭素当りの不飽和型の数が異なる不飽和基に1000を掛け、その結果を炭素の合計数で割ることにより計算される。Mn (1H NMR) は不飽和種の合計数を14,000に分けることにより計算され、g/モルの単位を有する。
Mn、Mw、Mz、炭素数、及びg'vis はGPC-DRI (ゲル透過クロマトグラフ-示差屈折率) 方法によりDRI を備えた、高温サイズ排除クロマトグラフ(SEC, Waters Corporation又はPolymer Laboratoriesから) を使用して測定される。実験の詳細が、T. Sun, P. Brant, R. R. Chance, 及びW. W. Graessley 著, Macromolecules, 34巻, 19号, 6812-6820頁, (2001) 及びその中の文献に記載されている。三つのPolymer Laboratories PLgel 10mm 混合-Bカラムが使用される。公称流量は0.5 cm3/分であり、また公称注入容積は300 μLである。種々の移送ライン、カラム及び示差屈折計 (DRI 検出器) が135 ℃に維持されたオーブン中に含まれる。SEC 実験のための溶媒が酸化防止剤としてのブチル化ヒドロキシトルエン6グラムをAldrich 試薬等級の1, 2, 4-トリクロロベンゼン (TCB)に溶解することにより調製される。次いでTCB 混合物が0.7 μm のガラスプレ-フィルター続いて0.1 μm のテフロン(登録商標)フィルターにより濾過される。次いでTCB がSEC に入る前にオンライン脱気装置で脱気される。ポリマー溶液が乾燥ポリマーをガラス容器に入れ、所望の量のTCB を添加し、次いでその混合物を160 ℃で連続撹拌しながら約2時間加熱することにより調製される。全ての量が重量計で測定される。ポリマー濃度を質量/容積単位で現すのに使用されるTCB 密度は室温で1.463 g/mLであり、また135 ℃で1.324 g/mLである。注入濃度は1.0 〜2.0 mg/mL であり、一層低い濃度が一層高い分子量のサンプルに使用される。夫々のサンプルを実験する前に、DRI 検出器及びインジェクターがパージされる。次いでその装置中の流量が0.5 mL/ 分に増加され、最初のサンプルを注入する前にDRI が8〜9時間にわたって安定化される。クロマトグラム中の夫々の位置における濃度、cが下記の式を使用して基準線を引いたDRI シグナル、IDRIから計算される。
【0055】
【数1】
式中、KDRI はDRI を較正することにより求められる定数であり、かつ(dn/dc) はその系についての屈折率増分である。屈折率、n = 1.500 (135 ℃及びλ = 690 nmでTCB について)。本発明及び特許請求の範囲の目的のために、 (dn/dc) = 0.104 (プロピレンポリマーについて)またそれ以外について0.1 。SEC 方法のこの記載中に使用されるパラメーターの単位は以下のとおりである:濃度がg/cm3 で表され、分子量がg/モルで表され、また固有粘度がdL/gで表される。
LS検出器はWyatt Technology高温ミニ-DAWN である。クロマトグラムの夫々の位置における分子量、M が、静的光散乱についてのZimmモデル(M.B. Huglin著, LIGHT SCATTERING FROM POLYMER SOLUTIONS, Academic Press, 1971) を使用してLSアウトプットを分析することにより測定される。
【0056】
【数2】
ここで、ΔR(θ) は散乱角度θにおける測定された過剰Rayleigh 散乱強さであり、cはDRI 分析から測定されたポリマー濃度であり、A2は第二ビリアル係数[本発明の目的のために、A2 = 0.0006 (プロピレンポリマーについて)、0.0015(ブテンポリマーについて)またそれ以外では0.001]であり、(dn/dc) = 0.104 (プロピレンポリマーについて)、0.098 (ブテンポリマーについて)またそれ以外では0.1 、P(θ) は単分散ランダムコイルについての形状係数であり、かつKoはその系についての光学定数である。
【0057】
【数3】
【0058】
式中、NAはアボガドロ数であり、かつ(dn/dc) はその系についての屈折率増分である。屈折率、n = 1.500 (145 ℃及びλ = 690 nm でTCB について)
高温Viscotek Corporation粘度計(これは二つの圧力変換機を備え、Wheatstoneブリッジ配置で配列された四つのキャピラリーを有する)が、比粘度を測定するのに使用される。一つの変換機が検出器にわたっての全圧力低下を測定し、ブリッジの二つの側の間に配置された、その他の変換機が、差圧を測定する。粘度計中を流れる溶液についての比粘度、ηs がそれらのアウトプットから計算される。クロマトグラム中の夫々の位置における固有粘度、[η]が下記の式から計算される。
【0059】
【数4】
【0060】
式中、cは濃度であり、DRI アウトプットから測定された。
分枝インデックス (g'vis)は以下のようにSEC-DRI-LS-VIS方法のアウトプットを使用して計算される。サンプルの平均固有粘度、[η]avgが下記の式により計算される。
【数5】
【0061】
式中、総和は積分限界間のクロマトグラフの片、i についてのものである。
分枝インデックスg'vis は以下のように定義される。
【数6】
【0062】
この場合、本発明及び特許請求の範囲の目的のために、線状エチレンポリマーにつき、α = 0.695 かつk = 0.000579、線状プロピレンポリマーにつき、α = 0.705 かつk = 0.000262 、また線状ブテンポリマーにつき、α = 0.695 かつk = 0.000181。MvはLS分析により測定された分子量を基準とする粘度平均分子量である。同様の分子量及びコモノマー含量を有する線状標準物質を選び、k係数及びα指数を測定することについての指針につき、Macromolecules, 2001, 34, 6812-6820 頁及びMacromolecules, 2005, 38, 7181-7183 頁を参照のこと。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが50%以上 (好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上) のアリル鎖末端を有する。分枝ポリオレフィンは一般に飽和かつ/又は不飽和鎖末端である鎖末端 (又は終端) を有する。本発明のポリマーの不飽和鎖末端は“アリル鎖末端”を含む。アリル鎖末端は下記の式により表される。
【0063】
【化6】
【0064】
式中、Mはポリマー鎖を表す。“アリル性ビニル基”、“アリル鎖末端”、“ビニル鎖末端”、“ビニル終端”、“アリル性ビニル基”及び“ビニル末端”は以下の記載に互換可能に使用される。
“アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比”はアリル鎖末端の百分率対ビニリデン鎖末端の百分率の比であると定義される。或る実施態様において、アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比が10:1より大きい(好ましくは15:1より大きい)。
“アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比”はアリル鎖末端の百分率対ビニレン鎖末端の百分率の比であると定義される。或る実施態様において、アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比が1:1 より大きい(好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい)。
“アリル鎖末端対内部ビニリデン比”はアリル鎖末端の百分率対内部(又は非終端)ビニリデン基の百分率の比であると定義される。或る実施態様において、アリル鎖末端対内部ビニリデン比が5:1 より大きい(好ましくは10:1より大きい)。
アリル鎖末端、ビニリデン鎖末端及びビニレン鎖末端の数は120 ℃で重水素化テトラクロロエタンを溶媒として使用して少なくとも250 MHz でNMR スペクトロメーターで1H NMRを使用して測定され、また選ばれた場合には、13C NMR により確かめられる。Resconi はビニル末端プロピレンオリゴマーについてJ. American Chemical Soc., 114, 1992, 1025-1032頁にプロトン及び炭素帰属を報告しており(ニートのペル重水素化テトラクロロエタンがプロトンスペクトルについて使用され、一方、ノルマルテトラクロロエタン及びペル重水素化テトラクロロエタンの50:50 混合物が炭素スペクトルについて使用された;全てのスペクトルが100 ℃でプロトンについて500 MHz また炭素について125 MHz で操作するBrukerスペクトロメーターで記録された) 、これらが本明細書に有益である。アリル 鎖末端が不飽和基(即ち、アリル鎖末端、ビニリデン鎖末端、ビニレン鎖末端等の合計)の合計モル数のモル%として報告される。
【0065】
不飽和鎖末端はASTM D 1159 に記載されているような、臭素電気滴定を使用することにより更に特性決定されてもよい。得られた臭素価はサンプル中に存在する不飽和の目安として有益である。本明細書中の実施態様において、分枝ポリオレフィンが完全水素化後に、少なくとも50%(好ましくは少なくとも75%)減少する臭素価を有する。
分枝ポリオレフィンはまた分枝ポリオレフィン分子当り、少なくとも一つの飽和鎖末端、好ましくは少なくとも二つの飽和鎖末端を有する。或る実施態様において、本明細書の製造された分枝ポリオレフィンが1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8)の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比を有し、飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される。分枝ポリオレフィンがプロピレン誘導単位を含む場合、飽和鎖末端がイソブチル鎖末端.を含んでもよい。“イソブチル鎖末端”は下記の式に示されるように表される、ポリマーの末端又は終端であると定義される。
【0066】
【化7】
【0067】
式中、Mはポリマー鎖を表す。飽和鎖末端付近の分枝ポリオレフィンの構造は、使用される一種以上のモノマーの型及び量、並びに重合方法中の挿入の方法に応じて、異なっていてもよい。或る好ましい実施態様において、分枝ポリオレフィンがプロピレン誘導単位及びC4〜C40 アルファオレフィン誘導単位を含む場合、イソブチル鎖末端の4個の炭素を有するポリマーの構造が下記の式の一つにより表される。
【0068】
【化8】
【0069】
式中、Mはポリマー鎖の残部を表し、かつCmは重合されたモノマーを表し、夫々のCmが同じであってもよく、又は異なっていてもよく、この場合、mは2から8までの整数である。
イソブチル鎖末端の百分率は13C NMR (実施例の節に記載される) 及び100 %プロピレンオリゴマーについてのResconi ら著, J. Am. Chem. Soc. 114, 1992, 1025-1032頁の化学シフト帰属を使用して測定され、分枝ポリオレフィンについて本明細書に報告される。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8)の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比を有し、飽和鎖末端の百分率はそのスペクトルが溶媒、テトラクロロエタン-d2 の化学シフトを基準とされる以外はWO 2009/155471のパラグラフ[0095]及び[0096]に記載されたように13C NMR を使用して測定される。
その他の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンが60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、好ましくは60〜180 ℃、好ましくは80〜175 ℃の)Tmを有する。
その他の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンが7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hfを有する。
その他の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンが0℃以下、好ましくは-10 ℃以下、更に好ましくは-20 ℃以下、更に好ましくは-30 ℃以下、更に好ましくは-50 ℃以下のガラス転移温度(Tg)(以下に記載されるような示差走査熱量測定により測定される)を有する。
【0070】
Tm、Hf、及びTgは市販の装置、例えば、TA Instruments モデルQ100 を使用する示差走査熱量測定(DSC) により測定される。典型的には、サンプル(これは室温で少なくとも48時間貯蔵されていた)6〜10mgが、アルミニウムパン中でシールされ、室温でその装置に装填される。サンプルが25℃で平衡にされ、次いでそれが-80 ℃まで10℃/分の冷却速度で冷却される。サンプルが-80 ℃に5分間保持され、次いで10℃/分の加熱速度で25℃に加熱される。ガラス転移温度がその加熱サイクルから測定される。また、サンプルが5分間にわたって25℃に平衡にされ、次いで10℃/分の加熱速度で200 ℃に加熱され、続いて5分間にわたって200 ℃に平衡にされ、-80 ℃に10℃/分で冷却される。吸熱融解転移(存在する場合)が、転移の開始及びピーク温度について分析される。報告される融解温度は特に明記されない限り最初の加熱からのピーク融解温度である。多くのピークを示すサンプルにつき、融点(又は融解温度)はDSC 融解トレースからの温度のその範囲における最大吸熱熱量応答と関連するピーク融解温度であると定義される。DSC 曲線の下の面積が転移の熱(結晶の融解又は加熱の際の融解熱、Hf、結晶化の際のHc)を測定するのに使用され(融解からのHf値が結晶化の熱について得られたHc値とは異なる場合には、融解からの値(Tm)が使用されるべきである)、これが結晶度(結晶性%とも称される)を計算するのに使用し得る。結晶性% (X%)は式: [曲線の下の面積 (単位J/g) / H° (単位J/g)] * 100 (式中、H°は主モノマー成分のホモポリマーの融解熱である)を使用して計算される。H°についてのこれらの値は、290 J/g の値が100 %結晶性ポリエチレンについての平衡融解熱(H°)として使用され、140 J/gの値が100 %結晶性ポリブテンについての平衡融解熱(H°)として使用され、また207 J/g (H°)が100 %結晶性ポリプロピレンについての融解熱として使用される以外は、Polymer Handbook, 第4編, John Wiley and Sons 発行, New York 1999 から得られるべきである。
【0071】
別の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンのいずれかが50 mPa.秒より大きく、100 mPa.秒より大きく、又は500 mPa.秒より大きい粘度(190 ℃における)を有する。その他の実施態様において、分枝ポリオレフィンが15,000 mPa.秒未満又は10,000 mPa. 秒未満の粘度を有する。粘度は流れに対する抵抗と本明細書で定義され、ASTM D-3236 に従ってBrookfield粘度計を使用して高温で測定される。
好ましい実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンのいずれかがコポリマーの質量を基準として、3質量%未満(好ましくは2質量%未満、1質量%未満、0.5 質量%未満、0.1 質量%未満、又は0質量%)の官能基(ヒドロキシド、アリール及び置換アリール、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシレート、エステル、アクリレート、酸素、窒素、並びにカルボキシルから選ばれる)を含む。
別の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンのいずれかが、鎖当り一つの不飽和と仮定して、1H NMRにより測定して、コポリマー組成物の質量を基準として、少なくとも50質量%(好ましくは少なくとも75質量%、好ましくは少なくとも90質量%)の、少なくとも36個の炭素原子(好ましくは少なくとも51個の炭素原子又は少なくとも102 個の炭素原子)を有するオレフィンを含む。
【0072】
別の実施態様において、分枝ポリオレフィンがガスクロマトグラフィーにより測定して、コポリマー組成物の質量を基準として、20質量%未満(好ましくは10質量%未満、好ましくは5質量%未満、更に好ましくは2質量%未満)の二量体及び三量体を含む。“二量体” (及び“三量体”)は二つ(又は三つ)のモノマー単位を有するコポリマーと定義され、そのモノマー単位は互いに同じであってもよく、又は異なっていてもよい(この場合“異なる”は少なくとも1個の炭素原子だけ異なることを意味する)。生成物がヘリウムを38cm/秒でキャリヤーガスとして使用するガスクロマトグラフ(自動インジェクターを備えたAgilent 6890N) により分析される。炎イオン化検出器(FID )、250 ℃のインジェクター温度、及び250 ℃の検出器温度で充填された60m の長さを有するカラム (J & W Scientific DB-1, 60 m x 0.25 mm I.D.x 1.0 μm フィルム厚さ) が使用される。サンプルが70℃のオーブン中のカラムに注入され、次いで22分間にわたって275 ℃に加熱される(傾斜速度:100 ℃まで10℃/分、275 ℃まで30℃/分、保持)。内部標準物質、通常モノマーが、得られる二量体又は三量体生成物の量を誘導するのに使用される。二量体及び三量体生成物の収率がスペクトロメーターで記録されたデータから計算される。二量体又は三量体生成物の量が内部標準物質に対して、GCトレースでの妥当なピークの下の面積から計算される。
別の実施態様において、本明細書に記載された分枝ポリオレフィンのいずれかが生成されたポリマーの収率及び使用された触媒の質量を基準として、25 ppm未満のハフニウム又はジルコニウム、好ましくは10 ppm未満のハフニウム又はジルコニウム、好ましくは5 ppm 未満のハフニウム又はジルコニウムを含む。ICPES (誘導結合プラズマ放出分光分析)(これはEncyclopedia of Materials Characterization, C. R. Brundle, C. A. Evans, Jr. 及びS. Wilson, 編集, Butterworth-Heinemann, Boston, Mass., 1992, 633-644頁のJ. W. Olesik著, “誘導結合プラズマ光放出分光分析”に記載されている)が、物質中の元素の量を測定するのに使用される。
【0073】
更に別の実施態様において、分枝ポリオレフィンが25℃で液体である。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンがプロピレンのホモポリマーであってもよい。分枝ポリオレフィンがまたコポリマー、ターポリマー等であってもよい。本明細書の或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが約0.1 モル%から99.9モル%まで(好ましくは約5モル%から約90モル%まで、約15モル%から約85モル%まで、約25モル%から約80モル%まで、約35モル%から約75モル%まで、又は約45モル%から約95モル%まで)のプロピレンを含む。その他の実施態様において、分枝ポリオレフィンが5モル%より多い(好ましくは10モル%より多く、20モル%より多く、35モル%より多く、45モル%より多く、55モル%より多く、70モル%より多く、又は85モル%より多い)プロピレンを含む。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンがC4〜C40 モノマー、好ましくはC4〜C20 モノマー、又は好ましくはC4〜C12 モノマーを含む。C4〜C40 モノマーが、線状又は環状であってもよい。環状オレフィンが張力環又は非張力環の、単環式又は多環式であってもよく、必要によりヘテロ原子及び/又は1個以上の官能基を含んでもよい。例示のモノマーとして、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン、7-オキサノルボルネン、これらの置換誘導体、及びこれらの異性体、好ましくはヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、シクロオクテン、1-ヒドロキシ-4-シクロオクテン、1-アセトキシ-4-シクロオクテン、シクロペンテン、ノルボルネン、並びにそれらの夫々の同族対及び誘導体が挙げられる。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが2種以上の異なるC4〜C40 モノマー、3種以上の異なるC4 〜C40 モノマー、又は4種以上の異なるC4〜C40 モノマーを含む。本明細書の或る実施態様において、分枝ポリオレフィンが約0.1 モル%から99.9モル%まで(好ましくは約5モル%から約90モル%まで、約15モル%から約85モル%まで、約25モル%から約80モル%まで、約35モル%から約75モル%まで、又は約45モル%から約95モル%まで)の少なくとも一種(好ましくは2種以上、3種以上、4種以上等)のC4〜C40 (好ましくは ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)モノマーを含む。その他の実施態様において、分枝ポリオレフィンが5モル%より多い(好ましくは10モル%より多く、20モル%より多く、35モル%より多く、45モル%より多く、55モル%より多く、70モル%より多く、又は85モル%より多い)C4〜C40 (好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、及びデセン)モノマーを含む。
或る実施態様において、分枝ポリオレフィンがホモポリプロピレン、プロピレン/エチレンコポリマー、プロピレン/ヘキセンコポリマー、プロピレン/オクテンコポリマー、プロピレン/デセンコポリマー、プロピレン/ヘキセン/オクテンターポリマー、プロピレン/ヘキセン/デセンターポリマー、プロピレン/オクテン/デセンターポリマー等である。
【0074】
ビニル末端ポリマーの使用
本明細書の調製されたビニル末端分枝ポリマーは触媒を用いて、又は用いずに、ヘテロ原子含有基をポリマーのアリル基と反応させることにより官能化されてもよい。例として、遊離基生成剤(例えば、過酸化物)の如き活性剤を用い、又は用いない接触ヒドロシリル化、ヒドロホルミル化、ハイドロボレーション、エポキシド化、水和、ジヒドロキシル化、ヒドロアミノ化、又はマレイン化が挙げられる。
或る実施態様において、本明細書の製造されたビニル末端分枝ポリマーが米国特許第6,022,929 号;A. Toyota, T. Tsutsui,及びN. Kashiwa著, Polymer Bulletin 48, 213-219頁, 2002; J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 7433-7434 頁; 及び2009年6月19日に出願された米国特許出願第12/487,739号(WO 2009/155472として公表された) に記載されたように官能化される。
官能化分枝ポリマーは油添加及びその他の多くの適用に使用し得る。好ましい使用として、潤滑剤及び/又は燃料のための添加剤が挙げられる。好ましいヘテロ原子含有基として、アミン、アルデヒド、アルコール、酸、コハク酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸が挙げられる。
【0075】
本明細書の特別な実施態様において、本明細書に開示されたビニル末端分枝ポリマー、又はこれらの官能化類似体が、添加剤として有益である。或る実施態様において、本明細書に開示されたビニル末端ポリマー、又はこれらの官能化類似体が、潤滑剤への添加剤として有益である。特別な実施態様は本明細書に開示されたビニル末端ポリマー、又はこれらの官能化類似体を含む潤滑剤に関する。
その他の実施態様において、本明細書に開示されたビニル末端分枝ポリマーがポリマー生成物の調製のためのモノマーとして使用されてもよい。これらのポリマー生成物の調製に使用し得る方法として、配位重合及び酸触媒重合が挙げられる。或る実施態様において、ポリマー生成物がホモポリマーであってもよい。例えば、ビニル末端ポリマー (A)がモノマーとして使用された場合、式 (A)n (式中、nは重合度である)を有するホモポリマー生成物を生成することが可能である。
その他の実施態様において、モノマービニル末端ポリマーの混合物から生成されたポリマー生成物が互いに異なる2種以上の反復単位を含む、混合ポリマーであってもよい。例えば、ビニル末端ポリマー (A)及び異なるビニル末端ポリマー (B)が共重合された場合、式 (A)n(B)m (式中、nは混合ポリマー生成物中に存在する、ビニル末端ポリマー(A) のモル当量数であり、かつmはビニル末端ポリマー (B)のモル当量数である)を有する混合ポリマー生成物を生成することが可能である。
更に別の実施態様において、ポリマー生成物が別のアルケンとのビニル末端分枝ポリマーの混合物から生成されてもよい。例えば、ビニル末端分枝ポリマー (A)及びアルケン (B)が共重合された場合、式 (A)n(B)m (式中、nは混合ポリマー生成物中に存在する、ビニル末端ポリマーのモル当量数であり、かつmはアルケンのモル当量数である)を有する混合ポリマー生成物を生成することが可能である。
【0076】
別の実施態様において、本発明はヘテロ原子含有基及び本明細書に記載されたいずれかのビニル末端分枝ポリオレフィンの反応生成物を含む官能化分枝ポリオレフィンに関するものであり、この場合、好ましくは官能基がP、O、S、N、Br、Cl、F、I、及び/又はBからなる群から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、かつ官能化分枝ポリオレフィンが鎖当り0.60〜1.2 、また0.75〜1.10個の官能基を有する(好ましくはMnが官能化及び任意の誘導体化の前のビニル末端分枝ポリオレフィンのMnと較べて15%より大きく変化しなかったと仮定して)。鎖当りの官能基の数 (F/Mn) はWO 2009/155472 (VDRAがVRDAであり、これが約4.65〜4.85 ppmのビニリデン共鳴及び約5.15〜5.6 ppm のビニレン共鳴について標準化された積分シグナル強さであることを含む、26〜27頁、パラグラフ[00111] 〜[00114] を参照のこと)に記載されたように1H NMR により測定される。
好ましいヘテロ原子含有基は1個以上のスルホネート、アミン、アルデヒド、アルコール、又は酸を含み、好ましくはヘテロ原子含有基はエポキシド、コハク酸、マレイン酸又は無水マレイン酸を含み、またヘテロ原子含有基は1個以上の酸、エステル、酸無水物、酸エステル、オキシカルボニル、カルボニル、ホルミル、ホルミルカルボニル、ヒドロキシル、及びアセチルハライドを含む。
分枝ポリオレフィンの官能化% = (F * 100)/(F+VI +VE) 官能化分枝ポリオレフィンについてのビニル基の数/1000 個の炭素(VI*) 及びビニリデン基の数/1000 個の炭素 (VE*)は未官能化ポリマーについてのVI及びVEと同じ様式で官能化ポリオレフィンの1H NMRスペクトルから測定される。好ましくは、分枝ポリオレフィンの官能化%が75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上又は更に好ましくは95%以上である。
別の実施態様において、本明細書に記載された官能化ポリオレフィンが出発ビニル末端ポリオレフィンと同じ又はそれより15%まで大きい(好ましくは10%まで大きい)Mn、及び/又はMw及び/又はMzを有し、“同じ”は5%以内を意味すると定義される。
別の実施態様において、本明細書に記載されたビニル末端分枝ポリオレフィンがWO 2009/155472(これが参考として本明細書に含まれる)に開示されたあらゆる方法、ブレンド、生成物、又は組成物中に使用し得る。或る実施態様において、組成物が潤滑剤ブレンド、接着剤、又はワックスである。或る実施態様において、本発明は潤滑剤ブレンド、接着剤、又はワックスとしてのその組成物の使用に関する。
【0077】
別の実施態様において、本発明は下記のものに関する:
1.:
(i) 好ましくは35℃より高い(好ましくは約35℃から150 ℃まで、40℃から140 ℃まで、60℃から140 ℃まで、又は80℃から130 ℃までの範囲の)温度そして、必要により、約0.35〜10 MPa (好ましくは0.45〜6 MPa 又は0.5 〜4 MPa) の範囲の圧力で、エチレン及び/又はプロピレン(好ましくはプロピレン)そして、必要により一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー(好ましくはC4〜C20 アルファオレフィンモノマー、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィンモノマー、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)を含む一種以上のモノマーを、分枝ポリオレフィンを生成し得る触媒系と接触させ(好ましくはその触媒系はメタロセン触媒化合物及び活性剤(好ましくはその活性剤は非アルモキサン化合物であり、好ましくはアルモキサンが0質量%で存在し、好ましくは活性剤が非配位アニオン活性剤である)を含み(またその触媒系が一種以上の非メタロセン触媒化合物、一種以上のメタロセン触媒化合物、又はこれらの組み合わせを含み、好ましくはその触媒系は単一メタロセン触媒を含む)、そのメタロセン触媒化合物は下記の式により表される:
【0078】
【化9】
【0079】
式中、
Mはジルコニウム又はハフニウム(好ましくはハフニウム)からなる群から選ばれ、
夫々のXは、独立に、1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハライド、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれ(二つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい)(好ましくはXはハライド又は1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、好ましくはXはクロリド又はメチルである)、
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換もしくは未置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基であり、
更に、いずれか二つの隣接R基が縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、かつ
更に、隣接R4基、R5基、及びR6基のいずれかが縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
【0080】
Tは式 R2aJ (式中、JはC、Si、Ge、N、又はPの一種以上であり(好ましくはJはSiである)、かつ夫々のRa は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20 ヒドロカルビル基又はC1〜C20 置換ヒドロカルビルである(好ましくはRaはメチル、エチル、クロリドである))により表される橋かけ基であり、
少なくとも一つのR3(好ましくは両方)は、R1、R2、R4、R5又はR6のいずれかが水素ではない場合に置換又は未置換フェニル基であることを条件とする)
(ii)好ましくはモノマーの少なくとも50モル%、更に好ましくは少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%をポリオレフィンに変換し、そして
(iii) 合計不飽和鎖末端に対し、50%より大きい(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端、及び60℃以上(好ましくは100 ℃以上、好ましくは120 ℃以上)のTm を有する分枝ポリオレフィンを得ることを含む重合方法。
2. ブテンコモノマーが存在し、かつ混合ブテン流がブテンコモノマーの源である、パラグラフ1又は12の方法。
3. 活性剤が下記の式により表される嵩高活性剤である、パラグラフ1、2、又は12の方法。
【0081】
【化10】
【0082】
(式中、
夫々のR1は、独立に、ハライド、好ましくはフルオリドであり、
夫々のR2は、独立に、ハライド、C6〜C20 置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、Ra はC1〜C20 ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり (好ましくはR2はフルオリド又はペルフッ素化フェニル基である) 、
夫々のR3はハライド、C6〜C20 置換芳香族ヒドロカルビル基又は式-O-Si-Ra(式中、RaはC1 〜C20 ヒドロカルビル又はヒドロカルビルシリル基である)のシロキシ基であり (好ましくはR3はフルオリド又はC6 ペルフッ素化芳香族ヒドロカルビル基である) 、R2及びR3は一つ以上の飽和又は不飽和、置換又は未置換環を形成することができ、 (好ましくはR2及びR3はペルフッ素化フェニル環を形成する) 、
Lは中性ルイス塩基であり、
(L-H)+はブレンステッド酸であり、
dは1,2、又は3であり、
そのアニオンは1020 g/ モルより大きい分子量を有し、かつ
B原子の置換基の少なくとも三つが夫々250 立方Åより大きく、また300 立方Åより大きく、又は500 立方Åより大きい分子体積を有する)
【0083】
4. 嵩高活性剤がトリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (n-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ (t-ブチル)アンモニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウム テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム) テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、及び [4-t-ブチル-PhNMe2H][(m-C6F5-C6F4)4B]の少なくとも一種である、パラグラフ3の方法。
5. その方法が単一反応帯(好ましくは溶液重合)中で行なわれる、パラグラフ1、2、3、4、又は12の方法。
6. 生産性が4500 g/ミリモル以上(好ましくは5000 g/ミリモル以上、好ましくは10,000 g/ミリモル以上、好ましくは50,000 g/ミリモル以上)であり、また生産性が少なくとも80,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも150,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも200,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも250,000 g/ミリモル、好ましくは少なくとも300,000 g/ミリモルである、パラグラフ1、2、3、4、5、又は12の方法。
7. 重合の滞留時間が300 分まで(好ましくは約1分から300 分まで、好ましくは約5分から250 分まで、又は好ましくは約10分〜120 分までの範囲)である、パラグラフ1、2、3、4、5、6、又は12の方法。
【0084】
8. 7,500 〜60,000 g/モルのMn (1H NMRにより測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして、必要により、一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィンモノマー、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィンモノマー、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体) を含み、かつ
(i) 不飽和鎖末端の合計数に対し、50%以上(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端、
【0085】
(ii) 0.90以下 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’vis及び/又は1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8 )の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比、及び/又は0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比、
(iii) 必要により60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、好ましくは60〜180 ℃、好ましくは80〜175 ℃の)Tm、
(iv)必要により、7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hf、
(v) 必要により、5:1 より大きい(好ましくは10:1より大きい)アリル鎖末端対内部ビニリデン比、
(vi)必要により、10:1より大きい(好ましくは15:1より大きい)アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比、及び
(vii) 必要により、1:1 より大きい(好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比
を有する、パラグラフ1〜7又は12の方法により製造された分枝ポリオレフィン。
9. 60,000 g/モルより大きいMn (GPC により測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして必要により、一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィンモノマー、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィンモノマー、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体) を含み、かつ
(i) 不飽和鎖末端の合計数に対し、50%以上 (好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上) のアリル鎖末端、
(ii) 0.90以下 (好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下) のg’vis 、
(iii) 必要により、完全水素化後に、少なくとも50%(好ましくは少なくとも75%)減少する臭素価、
(iv)必要により、60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、好ましくは60℃から180 ℃まで、好ましくは80℃から175 ℃までの)Tm、及び
(v) 必要により、7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hf
を有する、パラグラフ1〜7又は12の方法により製造された分枝ポリオレフィン。
【0086】
10. 7,500 g/モル未満、好ましくは100 〜7,500 g/モルのMn (1H NMRにより測定される) を有し、一種以上のアルファオレフィン (好ましくはプロピレン及び/又はエチレン、好ましくはプロピレン) そして、必要により、一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー (好ましくはC4〜C20 アルファオレフィンモノマー、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィンモノマー、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)を含み、かつ
(i) 不飽和鎖末端の合計数に対し、50%以上(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上)のアリル鎖末端、
(ii)1.2 〜2.0 (好ましくは1.6 〜1.8 )の飽和鎖末端 (好ましくはイソブチル鎖末端) の百分率対アリル鎖末端の百分率の比、及び/又は0.95以下(好ましくは0.90以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.80以下)のMn(GPC)/Mn(1H NMR)の比、
(iii) 必要により60℃より高い(好ましくは100 ℃より高く、好ましくは60〜180 ℃、好ましくは80〜175 ℃の)Tm、
(iv)必要により、7 J/g より大きい(好ましくは15 J/gより大きく、30 J/gより大きく、50 J/gより大きく、60 J/gより大きく、又は80 J/gより大きい)Hf、
(v) 必要により、5:1 より大きい(好ましくは10:1より大きい)アリル鎖末端対内部ビニリデン比、
(vi)必要により、10:1より大きい(好ましくは15:1より大きい)アリル鎖末端対ビニリデン鎖末端比、及び
(vii) 必要により、1:1 より大きい(好ましくは2:1 より大きく、5:1 より大きく、又は10:1より大きい)アリル鎖末端対ビニレン鎖末端比
を有する、パラグラフ1〜7又は12の方法により製造された分枝ポリオレフィン。
【0087】
11. 官能基がアミン、アルデヒド、アルコール、酸、コハク酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸から選ばれる、パラグラフ8〜10の官能化分枝ポリオレフィン。
12.
(i) 35℃より高い(好ましくは約35℃から150 ℃まで、40℃から140 ℃まで、60℃から140 ℃まで、又は80℃から130 ℃までの範囲の)温度そして、必要により、約0.35〜10 MPa (好ましくは0.45〜6 MPa 又は0.5 〜4 MPa) の範囲の圧力で、エチレン及び/又はプロピレン(好ましくはプロピレン)そして、必要により一種以上のC4〜C40 アルファオレフィンモノマー(好ましくはC4〜C20 アルファオレフィンモノマー、好ましくはC4〜C12 アルファオレフィンモノマー、好ましくはブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、及びこれらの異性体)を含む一種以上のモノマーを、分枝ポリオレフィンを生成し得る触媒系と接触させ(好ましくはその触媒系はメタロセン触媒化合物及び活性剤(好ましくはその活性剤は非アルモキサン化合物であり、好ましくはアルモキサンが0質量%で存在し、好ましくは活性剤が非配位アニオン活性剤である)を含み(またその触媒系が一種以上の非メタロセン触媒化合物、一種以上のメタロセン触媒化合物、又はこれらの組み合わせを含み、好ましくはその触媒系は単一メタロセン触媒を含む)、そのメタロセン触媒化合物は下記の式により表される:
【0088】
【化11】
【0089】
式中、
Mはジルコニウム又はハフニウム(好ましくはハフニウム)からなる群から選ばれ、
夫々のXは、独立に、1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、水素化物、アミド、アルコキシド、スルフィド、ホスフィド、ハライド、ジエン、アミン、ホスフィン、エーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれ(二つのXが縮合環又は環系の一部を形成してもよい)(好ましくはXはハライド又は1個から20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、好ましくはXはクロリド又はメチルである)、
夫々のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、独立に、水素又は置換もしくは未置換ヒドロカルビル基、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基であり、
更に、いずれか二つの隣接R基が縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、かつ
更に、隣接R4基、R5基、及びR6基のいずれかが縮合環又は多中心縮合環系(これらの環が芳香族、部分飽和又は飽和であってもよい)を形成してもよいことを条件とし、
Tは式 R2aJ (式中、JはC、Si、Ge、N、又はPの一種以上であり(好ましくはJはSiである)、かつ夫々のRa は、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20 ヒドロカルビル又はC1〜C20 置換ヒドロカルビルである(好ましくはRaはメチル、エチル、クロリドである))により表される橋かけ基であり、
少なくとも一つのR3(好ましくは両方)は、R1、R2、R4、R5又はR6のいずれかが水素ではない場合に置換又は未置換フェニル基であることを条件とする)
(ii)モノマーの少なくとも50モル%(好ましくは少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%)をポリオレフィンに変換し、そして
(iii) 合計不飽和鎖末端に対し、50%より多い(好ましくは60%以上、好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上の)アリル鎖末端、及び60℃以上(好ましくは100 ℃以上、好ましくは120 ℃以上)のTm を有する分枝ポリオレフィンを得ることを含む重合方法。
【実施例】
【0090】
生成物特性決定
生成物を、先に示したように、1H NMR、GPC-3D、及びDSC により特性決定した。
実施例に使用したメタロセン
下記のメタロセンを下記の実施例に使用した。
【0091】
【化12】
【0092】
メタロセンA及びCをAlbemarle (Baton Rouge, LA) から得、更に精製しないで使用した。メタロセンBを以下に示すように合成した。
メタロセンBの合成
空気に敏感な化合物の合成に典型的なドライボックス操作に従い、乾燥ガラスウェアー(90℃、4時間)及びSigma Aldrich (St. Louis, MO) から購入した無水溶媒(これらは3Aシーブ上で更に乾燥された)を使用することを含んだ。全ての試薬をSigma-Aldrich (Milwaukee, WI) から購入し、特にことわらない限り、更に精製しないで使用した。
メタロセンBのジクロリド前駆体 (B-Cl2)をAlbemarle から得、下記の操作に従ってメタロセンBに変換した:不活性雰囲気下で、パージしたVacuum AtmospheresTMドライボックス中で、B-Cl2 3.02g を250 mLの1口丸底フラスコ中で乾燥トルエン150 mLに溶解した。これに3.0M メチルマグネシウムブロミド4.0 mL (5当量) を滴下して添加した。その溶液を油浴中で90℃で一夜加熱した。次いでその混合物を室温に冷却し、その時点でトリメチルシリルクロリド10.0 mL を滴下して添加した。10分間撹拌した後、乾燥1,4-ジオキサン 10.0 mLを添加し、その混合物を更に10分間撹拌した。その混合物をオーブン乾燥微細ガラス濾過器により濾過してマグネシウム塩を除去した。フラスコをn-ペンタン約20 mL ですすぎ、これをフリットに通すことにより濾液と合わせた。溶媒を真空で除去してメタロセンB2.23g をオフホワイトの粉末として得た(収率74%)。
実施例で使用した活性剤
下記の活性剤を下記の実施例で使用した。活性剤I及びIII をAlbemarle から購入した。活性剤IIをSingle Site Catalystから購入した。
【0093】
【表2】
【0094】
実施例1-2 についての重合条件
実施例の全てを連続撹拌タンク溶液方法で運転した0.5 リットルのオートクレーブ反応器中で製造した。オートクレーブは撹拌機、水冷/スチーム加熱部材と温度コントローラー、及び圧力コントローラーを備えていた。溶媒、モノマー、例えば、プロピレンを最初に3カラム精製系に通すことにより精製した。重合の低活性の証拠があった時にはいつでも、精製カラムを周期的に再生した。
反応器への溶媒供給量を質量フローメーターにより測定した。プラズマ供給ポンプが溶媒流量を制御し、反応器への溶媒圧力を増大した。圧縮された、液化プロピレン供給量を質量フローメーターにより測定し、流量をパルス供給ポンプにより制御した。溶媒及びモノマーを最初にマニホールドに供給した。次いで溶媒及びモノマーの混合物を冷却器に通すことにより約-15 ℃に冷却し、その後に単一の管により反応器に供給した。集められたサンプルを最初にフード中で空気乾燥して溶媒の殆どを蒸発させ、次いで真空オーブン中で約90℃の温度で約12時間乾燥させた。真空オーブン乾燥サンプルを計量して収率を得た。モノマー転化率を反応器に供給されたモノマーの量についてのポリマー収率に基づいて計算した。全ての反応を約2.4 MPa/g の圧力で行なった。
下記の実施例で使用した触媒はrac-ジメチルシリルビスインデニルハフニウムジメチル (触媒 A) 、rac-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジメチル (触媒 B) 、及びrac-ジメチルシリルビス(2-メチル-4-フェニルインデニル) ジルコニウムジメチル (触媒 C) であった。使用した活性剤はN,N-ジメチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル) ボレート (活性剤 I) 、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル) ボレート (活性剤 II)、及びN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス (ヘプタフルオロ-2-ナフチル) ボレート (活性剤 III) であった。全てのメタロセン触媒をトルエン900 ml中で約1:1 のモル比で活性剤で前活性化した。全ての触媒溶液を不活性雰囲気中で保ち、計量ポンプにより反応器に供給した。トリ-n-オクチルアルミニウム (TNOAL) 溶液 (Sigma Aldrich, Milwaukee, WIから入手し得る) を更にイソヘキサン中で希釈し、脱除剤として使用した。
【0095】
プロピレン重合
重合条件、供給原料の転化率(%)、及び触媒生産性を下記の表1にリストする。全ての実験で、入口プロピレン供給濃度は3.5 〜4 M であった。2標準立方センチメートルのH2を実験#42 の供給原料中に使用した。トリ (n-オクチル)アルミニウム (TNOAL) を脱除剤としてくまなく使用した。TNOAL 対メタロセンのモル比は約20であった。滞留時間は5分で一定であった。
【0096】
【表3】

【0097】
略語一覧: 1: Met. = メタロセン, 2: Act. = 活性剤; Tp = 重合反応温度; *> 100% であると計算されたプロピレ転化率は100%であると解される。
プロピレン転化率は高かった: 53〜100% 。メタロセンCの生産性はメタロセンAのそれより3〜6倍高いと観察された。メタロセンBの生産性は殆どの場合にメタロセンCに匹敵した。
ポリマー生成物の特性決定
示差走査熱量測定 (DSC)
DSC を使用して、実験1-65からのポリマーを分析した。ポリマー生成物の幾つかの分析からのデータを下記の表2に示す。
【0098】
【表4】

【0099】
略語一覧: 1: Met. = メタロセン, 2: Act. = 活性剤; Tpは重合反応温度である; *> 100% であると計算されたプロピレン転化率は100%であると解される。
メタロセンCは優れた融点能力を与える。重合温度の上昇は融点の低下を生じる。融点の低下は生成物中の立体的欠陥及び位置的欠陥の一層高い集団から生じると考えられる。活性剤の中で、活性剤 IIIは融点を上昇するのに最も有効であることが明らかである。
ゲル透過クロマトグラフィー (GPC-3D)
ポリマーの幾つかについてのGPC 3D結果を表3に要約する。
【0100】
【表5】

【0101】
分子量は重合温度を上昇するにつれて低下することが観察された。全ての3種のメタロセンについての、Mwの有意な増大は、活性剤 IIIが使用された時に観察された。活性剤I及びIIでつくられたポリマーは、試験された温度範囲内で、夫々のメタロセンについて同じMw範囲に入る傾向があった。
DSC データ及びGPC データを一緒にすると、比較が同じ重合温度でなされた場合に、下記のメタロセン/活性剤の傾向 (1)及び (2)が観察された:
Mwの増大によるg’vis の低下が殆どのGPC クロマトグラムで観察され、これが長鎖分枝の証明として採用された。図2中で、g’f(log Mw)をメタロセンA/活性剤III 生成物の4種について比較した。全ての4種が実質的な長鎖分枝についての標示を示した。その他の生成物、例えば、メタロセンB/活性剤I及びメタロセンB/活性剤IIを使用して得られたものは極めて小さいLCB と合致するg’f(log MW) プロットを有する。全てのこれらの生成物を長鎖分枝を誘導し得る比較的高いプロピレン転化率条件 (60〜100%) 下でつくった。
1HNMR 結果
実験1-65のポリマー生成物の幾つかの分析からのデータを下記の表4に示す。
【0102】
【表6】

【0103】
1H NMRスペクトルを殆どのサンプルについて記録した。オレフィン不飽和の濃度の要約を表4に示す。鎖当り一つの不飽和と仮定して、夫々のサンプルの数平均分子量を1H NMRデータから計算し、表4中で、これらの値をGPC から誘導された数平均分子量と比較した。シグナル対ノイズ限界を考えると、1H NMRから計算されたMnは約50,000 g/ モルまでかなり信頼できると考えられる。Mn (1H NMR) 対Mn (GPC-DRI) のパリティプロットを図1に示す。殆どの場合、二つの方法から誘導されたMnは近似しているが、注目すべき例外がある。パリティからの逸脱は長鎖分枝からの寄与のためであると考えられる。
【0104】
所定の重合温度につき、使用したメタロセン-活性剤の関数としての百分率 ビニルのランキングを下記の (3)に要約する。
% ビニル: A/III > C/III > B/III > C/II > C/I > A/I ≧ B/II ~ A/II > B/I (3)
また、% ビニルは試験した夫々のメタロセン/活性剤対につき重合温度を上昇するにつれて、しばしば実質的に、一般に増大することが観察された。
あらゆる優先権書類、関連出願及び/又は試験操作を含む、本明細書に記載された全ての書類はそれらがこの明細書と不一致ではない程度で本明細書に参考として含まれるが、初期に出願された出願又は出願書類に挙げられていない優先権書類は本明細書に参考として含まれないことを条件とする。以上の一般の記載及び特別な実施態様から明らかであるように、本発明の形態が説明され、記載されたが、種々の改良が本発明の精神及び範囲から逸脱しないでなし得る。従って、本発明はそれにより限定されることは意図されない。同様に、“含む(comprising)”という用語はオーストラリアの法律の目的のために“含む(including)”という用語と同義と考えられる。同様に、“含む”は“実質的にからなる”、“である”、及び“からなる”という用語を包含し、それ故、“含む”が使用されるあらゆる箇所で、“実質的にからなる”、“である”、又は“からなる”が置換されてもよい。
図1