特許第5794021号(P5794021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5794021-ライナーレス感熱記録ラベル 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794021
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ライナーレス感熱記録ラベル
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/337 20060101AFI20150928BHJP
   B41M 5/28 20060101ALI20150928BHJP
   B41M 5/30 20060101ALI20150928BHJP
   B41M 5/40 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B41M5/18 101E
   B41M5/18 B
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-164339(P2011-164339)
(22)【出願日】2011年7月27日
(65)【公開番号】特開2013-28015(P2013-28015A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子
(72)【発明者】
【氏名】錦織 義治
(72)【発明者】
【氏名】竹林 新二
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−366035(JP,A)
【文献】 特開2003−228288(JP,A)
【文献】 特開平05−008541(JP,A)
【文献】 特開2003−034076(JP,A)
【文献】 特開平09−127871(JP,A)
【文献】 特開平09−263049(JP,A)
【文献】 特開2001−010230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/28−5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、該支持体の一面側の最外面を構成する剥離層と、前記支持体の他面側の最外面を構成する粘着剤層とを有し、前記支持体と前記剥離層との間に、感熱記録層が形成されたライナーレス感熱記録ラベルであって、
前記剥離層は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、JIS K 5101に基づく吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有し、
前記顔料は、焼成カオリンであり、
前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、5質量部以下配合されている、ライナーレス感熱記録ラベル。
【請求項2】
支持体と、該支持体の一面側の最外面を構成する剥離層と、前記支持体の他面側の最外面を構成する粘着剤層とを有し、前記支持体と前記剥離層との間に、感熱記録層が形成されたライナーレス感熱記録ラベルであって、
前記剥離層は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、JIS K 5101に基づく吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有する層(ただし、シランカップリング剤処理顔料を含むもの、または、シランカップリング剤と顔料とを含むものを除く。)であり、
前記顔料は、焼成カオリンであり、
前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、5質量部以下配合されている、ライナーレス感熱記録ラベル。
【請求項3】
前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、0.1〜5質量部配合されている、請求項1または2に記載のライナーレス感熱記録ラベル。
【請求項4】
前記剥離層が、JIS K 5101に基づく吸油量が60ml/100g未満の顔料をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のライナーレス感熱記録ラベル。
【請求項5】
前記感熱記録層と前記剥離層との間に、保護層をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のライナーレス感熱記録ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離紙不要のライナーレス感熱記録ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ファクシミリ、各種計算機、POS(point of sales)システムなどの記録媒体として、剥離紙不要のライナーレス感熱記録ラベルがある。ライナーレス感熱記録ラベルとしては、例えば特許文献1に記載されているように、支持体の表面側に感熱記録層、中間層、剥離層を順次備え、支持体の裏面側に粘着剤層を備えた構成のものがある。このようなライナーレス感熱記録ラベルを巻回すると、剥離層上に粘着剤層が位置するため、別途剥離紙を設けなくても巻物状にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−24565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のように、感熱記録層の上に剥離層が形成され、この剥離層が最外面を構成しているライナーレス感熱記録ラベルは、印字に伴って印字障害が発生する、すなわち連続印字性が悪い、という問題があった。
これは以下のような原因による。
剥離層が印字側の最外面を構成するライナーレス感熱記録ラベルの感熱記録層に、記録機器で印字を行う際には、記録機器の感熱ヘッドは剥離層と接触することになる。すると、感熱ヘッドと剥離層との間に摩擦が生じ、剥離層が剥がれ、いわゆるヘッド粕が発生する。感熱ヘッドは、例えば180℃程度の高温であるため、発生したヘッド粕は感熱ヘッドの熱で溶けつつ感熱ヘッドの表面に徐々に堆積していく。その結果、印字の継続に伴って、印字障害が発生してしまう。
【0005】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、ヘッド粕の感熱ヘッドへの堆積が抑制され、連続印字性に優れるライナーレス感熱記録ラベルの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討した結果、ライナーレス感熱記録ラベルの剥離層に、60ml/100g以上の吸油量の顔料を含ませることによって、ヘッド粕のヘッドへの堆積が抑制され、連続印字性が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のライナーレス感熱記録ラベルは、支持体と、該支持体の一面側の最外面を構成する剥離層と、前記支持体の他面側の最外面を構成する粘着剤層とを有し、前記支持体と前記剥離層との間に、感熱記録層が形成されたライナーレス感熱記録ラベルであって、前記剥離層は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、JIS K 5101に基づく吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有し、前記顔料は、焼成カオリンであり、前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、5質量部以下配合されていることを特徴とする。
また、本発明の別の態様のライナーレス感熱記録ラベルは、支持体と、該支持体の一面側の最外面を構成する剥離層と、前記支持体の他面側の最外面を構成する粘着剤層とを有し、前記支持体と前記剥離層との間に、感熱記録層が形成されたライナーレス感熱記録ラベルであって、前記剥離層は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、JIS K 5101に基づく吸油量が60ml/100g以上の顔料とを含有する層(ただし、シランカップリング剤処理顔料を含むもの、または、シランカップリング剤と顔料とを含むものを除く。)であり、前記顔料は、焼成カオリンであり、前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、5質量部以下配合されていることを特徴とする。
前記焼成カオリンは、前記シリコーン化合物100質量部に対して、0.1〜5質量部配合されていることが好ましい。
前記剥離層は、JIS K 5101に基づく吸油量が60ml/100g未満の顔料をさらに含んでもよい。
前記感熱記録層と前記剥離層との間に、保護層をさらに有することが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヘッド粕の感熱ヘッドへの堆積が抑制され、連続印字性に優れるライナーレス感熱記録ラベルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のライナーレス感熱記録ラベルの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のライナーレス感熱記録ラベル(以下、単に感熱記録ラベルという。)の一例を示すものであって、この例の感熱記録ラベル10は、例えば、紙、合成繊維紙、合成紙、合成樹脂フィルムなどのシート状材料からなる支持体11の一面側(表面側という場合もある。)に、感熱記録層12、保護層13、剥離層14が順次形成され、支持体11の他面側(裏面側という場合もある。)に粘着剤層15が形成されたテープ状のものである。この感熱記録ラベル10は、支持体11の表面側においては剥離層14が最外面を構成し、裏面側においては粘着剤層15が最外層を構成しているため、巻回することにより、剥離層14上に粘着剤層15が位置したライナーレスタイプの巻物となる。
【0010】
感熱記録層12は、ロイコ染料と加熱時にこれを発色させる顕色剤とを含有する。
ロイコ染料としては、トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系化合物等が挙げられ、これらのなかから選択して使用できる。具体的には、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシル)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン等から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
【0011】
顕色剤としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェーノルA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、1,3ービス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−メトキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(pートリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−ベンジル尿素、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’−ビス(oートルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’−ビス(ベンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、1,2−ビス[4’−(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ]エタン、4,4’−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテルおよび3,3’−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホンなどの少なくとも1種が用いられる。
【0012】
感熱記録層12には、通常、結着剤が含まれ、結着剤としては、種々の分子量のポリビニルアルコール類、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスを1種以上用いることができる。
【0013】
感熱記録層12には、記録感度を高めるための増感剤が含まれていてもよい。
増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が例示される。
【0014】
また、感熱記録層12には、顔料、ワックス類、保存安定剤、着色剤、各種助剤が含まれてもよい。
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、カオリン、焼成カオリン、タルク、および表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の顔料などを挙げることができる。
ワックス類としては、例えば、パラフィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高吸脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
【0015】
感熱記録層12は、水などの分散媒体中に上述の各成分が含まれる感熱記録層用塗液を支持体11上に塗布、乾燥する方法により形成される。
感熱記録層用塗液は、例えば、ロイコ染料、顕色剤、増感剤、顔料、ワックスなどを一一緒に分散媒体に加えて、あるいは別々に加えて分散させた後、分散液に含まれる各成分をボールミル、アトライター、サンドミルなどで例えば、平均粒子径3μm以下となるように粉砕し、その後、結着剤をさらに混合する方法などにより調製できる。
【0016】
感熱記録層用塗液の塗布方法としては、例えばエアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティング等の方法が挙げられる。
感熱記録層用塗液の乾燥後の塗布量としては、2〜12g/m程度であり、好ましくは3〜8g/m程度である。
【0017】
保護層13は、水性樹脂を主成分とする中間層であり、水性樹脂としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、アラビアガム、完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性樹脂、およびスチレン・ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の水分散性樹脂が挙げられる。水分散性樹脂はラテックスの形態で使用される。これらのなかでは、成膜性に優れた完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素性ポリビニルアルコールが好ましい。
【0018】
保護層13には、さらに助剤として、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、および界面活性剤、着色染料、蛍光染料、耐水化剤等を添加することもできる。
【0019】
保護層13は、感熱記録層12上に、水などの分散媒体中に上述の各成分が含まれる保護層用塗液を塗布、乾燥して形成される。塗布方法としては、先に感熱記録層用塗液の塗布方法として例示した方法などを採用できる。乾燥後、スーパーカレンダー処理などの平滑化処理を行って、保護層13を平滑化してもよい。保護層用塗液の乾燥後の塗布量としては、0.5〜6g/m程度である。
【0020】
剥離層14は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有する。
樹脂成分に使用されるシリコーン化合物としては、紫外線硬化型、電子線硬化型のものが挙げられ、具体例としては、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物、アクリル基、メタクリル基またはシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物、マレイミド基またはフェニルマレイミド基含有オルガノポリシロキサン組成物、アジド基含有オルガノポリシロキサンとビニル基含有オルガノポリシロキサンとの混合組成物、チオアクリル基、チオメタクリル基またはチオシンナモイル基含有オルガノポリシロキサン組成物、アクリルアミド基、メタクリルアミド基またはシンナモイルアミド基含有オルガノポリシロキサン組成物等が挙げられ、また紫外線開始型カチオン重合を利用したエポキシ基含有オルガノポリシロキサンと光分解型開始剤のジアゾニウムルイス酸塩との混合組成物等も使用することができる。
紫外線硬化の場合は、シリコーン化合物とともに光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えばジアリールヨードニウム塩(例えば、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート。)等が挙げられる。
なお、樹脂成分には、シリコーン化合物以外の活性エネルギー線硬化型樹脂が必要に応じて含まれてもよい。
【0021】
剥離層14に含まれる吸油量60ml/100g以上の顔料は、感熱記録ラベル10への印字時に、記録機器の感熱ヘッドが剥離層14と接触し、摩擦することで生じるヘッド粕の感熱ヘッドへの堆積を抑制するために使用される。このような吸油量の顔料が剥離層14に含まれると、感熱ヘッドの熱により溶融したヘッド粕は顔料に吸収され、感熱ヘッドに堆積しにくくなる。そのため、このような剥離層14を備えた感熱記録ラベル10は、印字を継続しても印字障害が発生しにくく、連続印字性に優れる。吸油量60ml/100g以上の顔料を剥離層に含有させても、記録濃度や剥離力にはほとんど影響しない。
顔料の吸油量は、好ましくは80ml/100g以上である。顔料の吸油量の上限には特に制限はないが、顔料の分散が不安定になることがあるため150ml/100g以下が好ましい。なお、吸油量は、JIS K 5101に基く。
【0022】
剥離層14に含まれる顔料としては、例えば、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、毬栗状炭酸カルシウムなどが挙げられ、これらの顔料のうち吸油量が60ml/100g以上のものを使用できるが、連続印字性が特に優れることから、焼成カオリンが好ましい。焼成カオリンであれば、吸油量60ml/100g以上を満足する。
【0023】
また、顔料としては、スティキング等の印字性改善のために、吸油量60ml/100g以上の顔料とともに、吸油量60ml/100g未満の顔料を併用してもよい。このような顔料としては、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム、タルク等の無機系の顔料、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の顔料からなる群より選ばれる1種以上の顔料を使用できる。併用する場合には、吸油量60ml/100g以上の顔料100質量部に対して、上記の群より選ばれる1種以上の顔料は500質量部以下の範囲が好ましい。更に、助剤として、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、着色染料、蛍光染料等を配合することができる。
【0024】
剥離層14において、吸油量60ml/100g以上の顔料は、シリコーン化合物100質量部に対して0.1〜10質量部配合されていることが好ましく、0.5〜5質量部が好ましい。下限値以上であると、吸油量60ml/100g以上の顔料がヘッド粕を充分に吸収し、連続印字性が向上する。上限値以下であると、剥離層14の剥離力や感熱記録層の記録濃度を良好に維持できる。
【0025】
剥離層14は、この例では保護層13上に、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有する剥離層用塗液を硬化後の塗布量が0.1〜1.5g/mとなるように設け、その後、紫外線、電子線などの活性エネルギー線を照射することにより形成される。剥離層用塗液は、例えばフレキソ印刷などの印刷法や、コールコーティング方法、バーコーティング方法、グラビアコーティング方法、カーテンコーティング方法、ディップコーティング方法などの塗布法で保護層13上に付着させることができる。
【0026】
感熱記録ラベル10において、支持体11の裏面側には粘着剤層15が形成され、この粘着剤層15が裏面の最外面を構成している。
粘着剤層15に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等の任意の粘着剤が挙げられ、例えばアクリル系粘着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等が挙げられる。本発明で特に好ましくは、ホットメルト型の粘着剤を用いることである。
粘着剤層15は、必要に応じて他の任意成分を含有してもよい。他の任意成分としては、タッキファイヤー、粘着性微球体、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等が挙げられる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。
【0027】
粘着剤層15の塗布量は、通常3〜50g/m、好ましくは5〜30g/m程度であり、例えばダイコーティング、リップコーテイング、ナイフコーティングなどで塗布される。なお、ホットメルト型の粘着剤を用いる時は、メルターにて溶融させてから塗布することが好ましい。
【0028】
以上説明した感熱記録ラベル10は、支持体11と、該支持体11の一面側の最外面を構成する剥離層14と、支持体11の他面側の最外面を構成する粘着剤層15とを有し、支持体11と剥離層14との間に、感熱記録層12が形成されたものであって、剥離層14は、少なくとも活性エネルギー線硬化型のシリコーン化合物を含む樹脂成分と、吸油量60ml/100g以上の顔料とを含有している。
このように、印字時に記録機器の感熱ヘッドと接触、摩擦する剥離層14が、吸油量60ml/100g以上の顔料を含有すると、印字時に生じたヘッド粕は顔料に吸収され、感熱ヘッドへの堆積が抑制される。よって、このような剥離層14を備えた感熱記録ラベル10は、印字を継続しても印字障害が発生しにくく、連続印字性に優れる。また、吸油量60ml/100g以上の顔料を剥離層14に含有させても、記録濃度や剥離力にはほとんど影響しない。
【0029】
このような感熱記録ラベル10は、必要に応じて、長さ方向に所定間隔でミシン目などの切断線が形成され、巻回されてライナーレスタイプの巻物とされる。なお、支持体11の裏面には、記録機器の具備するセンサで検出可能なアイマーク印刷を長さ方向に所定間隔で施しておき、記録機器が所定の長さずつ感熱記録ラベル10を発券できるようにしてもよい。
【実施例】
【0030】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の部、および%は特に断らない限り、「質量部」、「質量%」を示す。
【0031】
[実施例1]
「支持体の製造」
針葉樹晒クラフトパルプ(C.S.F.550ml)25部、広葉樹晒クラフトパルプ(C.S.F.560ml)75部を配合したパルプスラリーに、タルクを紙灰分が5.0%になるように添加し、さらに、サイズ剤としてロジンサイズを絶乾パルプに対して1.5%、硫酸アルミニウム2.0%を添加して紙料とした。この紙料を長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、4段スーパーカレンダーで処理して58g/m2の支持体を得た。
【0032】
「感熱記録層の形成」
(1)A液調製:ロイコ染料である3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン10部、5%メチルセルロース水溶液5部、および水40部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕した。なお、平均粒子径は粒度分布測定装置(SALD−2000、島津製作所製)にて測定した。
(2)B液調製:顕色剤である4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン30部、5%メチルセルロース水溶液5部、および水80部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕した。
(3)C液調製:1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、5%メチルセルロース水溶液5部、および水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕した。
(4)A液55部、B液115部、C液80部、10%ポリビニルアルコール(NL−05;日本合成化学(株)製)水溶液80部、および炭酸カルシウム35部を混合撹拌して、感熱記録層用塗液を調製し、これを乾燥後の塗布量が6g/m2となるように、先に得られた支持体の表面に塗布乾燥して、感熱記録層を形成した。
【0033】
「保護層の形成」
完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA110;(株)クラレ製)の10%水溶液100部、および平均粒子径が20nmのコロイダルシリカ(スノーテックスN;日産化学(株)製)の20%分散液50部、ポリエチレンワックス(ケミパールW−400;三井化学(株)社製)の40%分散液5部を混合撹拌して保護層用塗液を調製し、これを上記感熱記録層上に乾燥後の塗布量が4g/m2となるように塗布乾燥し、保護層を形成した。その後、保護層の表面の平滑化処理として、スーパーカレンダー処理を行った。
【0034】
「剥離層の形成」
UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(アンシレックス93;BASF製、吸油量90ml/100g)5部を混合攪拌し、剥離層用塗液(1)を得た。
そして、上記保護層上に、フレキソ印刷機を用いて剥離層用塗液(1)をUV硬化後の塗布量が0.5g/mとなるようにベタ印刷し、UV照射線量が100mJ/cmとなるようにUV照射して剥離層を硬化させ、剥離層を有する感熱記録用紙を得た。なお、吸油量はJIS K 5101に基づく。
【0035】
「粘着ラベルの製造」
上記感熱記録用紙に所定の長さ毎に切り離せるようにミシン目を入れ、かつ感熱ラベルプリンタ(記録機器)で発券できるように支持体の裏面に黒インクにてアイマーク印刷を施してから、支持体の裏面にホットメルト粘着剤(TN−530Z;(株)モレスコ製)を塗布量25g/m2となるようにホットメルトダイコーターで塗布し、巻物状に仕上げて、感熱記録ラベルを製造した。
【0036】
「評価」
得られた感熱記録ラベルについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、各評価項目の評価方法は下記の通りである。
(記録濃度)
感熱記録ラベルに、感熱ヘッドを備えたテストプリンタで記録を行い、得られた記録像の最大発色濃度をマクベス濃度計(RD−914、フィルタービジュアル;マクベス社製)で測定した。
(剥離力)
剥離速度0.3m/minの試験条件で、巻物状の感熱記録用粘着ラベルを剥離させていった剥離力(gf/50mm)を測定した。
(連続印字性(粕付着性))
感熱記録ラベルに対して、感熱ヘッドを備えたテストプリンタで連続して1000m印字を行い、感熱ヘッドに付着したヘッド粕の状態、印字障害が発生するまでの印字長さを下記の基準で評価した。
◎:感熱ヘッドにヘッド粕は全く付着せず、印字障害がない。
○:感熱ヘッドにヘッド粕は僅かに付着しているが、印字障害はない。
△:感熱ヘッドにヘッド粕が多く付着しているが、印字障害はない。
×:感熱ヘッドにヘッド粕が非常に多く付着し、印字障害が発生する。
【0037】
[実施例2]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(2):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(アンシレックス93;BASF製、吸油量90ml/100g)を3部、ステアリン酸亜鉛を3部として混合攪拌し、剥離層用塗液(2)を得た。
【0038】
[実施例3]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(3):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(アンシレックス93;BASF製、吸油量90ml/100g)を1部、球状シリコーン顔料(トスパール120;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を1部、ステアリン酸亜鉛を2部として混合攪拌し、剥離層用塗液(3)を得た。
【0039】
参考例1
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗料(4):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(ヒューバー80C;ヒューバー製、吸油量60ml/100g)を10部として混合攪拌し、剥離層用塗液(4)を得た。
【0040】
[実施例5]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(5):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(ヒューバー80C;ヒューバー製、吸油量60ml/100g)を5部、カオリン(ウルトラホワイト90;BASF製、吸油量50ml/100g)5部を混合攪拌し、剥離層用塗液(5)を得た。
【0041】
[実施例6]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(6):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、焼成カオリン(アンシレックス93;BASF製、吸油量90ml/100g)を0.5部、水酸化アルミニウム(ハイジライトH−32;昭和軽金属、吸油量22ml/100g)2.5部、ステアリン酸亜鉛を3部として混合攪拌して剥離層用塗液(6)を得た。
【0042】
[比較例1]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(7)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(7):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部として混合攪拌し、剥離層用塗液(7)を得た。
【0043】
[比較例2]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(8)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(8):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部ステアリン酸亜鉛を3部として混合攪拌し、剥離層用塗液(8)を得た。
【0044】
[比較例3]
剥離層用塗液として、剥離層用塗液(1)に代えて、以下の剥離層用塗液(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして巻物状の感熱記録ラベルを製造した。
剥離層用塗液(9):UV硬化型シリコーン(TPR6502;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を100部、光重合開始剤としてビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを1部、カオリン(ウルトラホワイト90;BASF製、吸油量50ml/100g)を10部として混合攪拌し、剥離層用塗液(9)を得た。
【0045】
【表1】
【0046】
表1の結果から、焼成カオリンを剥離層に含有させた各実施例では、感熱ヘッドにヘッド粕は全く付着しないか、付着したとしても僅かであり、印字障害は発生しなかった。また、記録濃度、剥離力にも問題が無かった。これに対して、焼成カオリンを剥離層に含まない各比較例では、感熱ヘッドにヘッド粕が非常に多く付着し、印字障害が発生した。
【符号の説明】
【0047】
10 感熱記録ラベル
11 支持体
12 感熱記録層
13 保護層
14 剥離層
図1