特許第5794073号(P5794073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794073
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】情報表示装置及び情報表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   G06F17/30 170J
   G06F17/30 360Z
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-210161(P2011-210161)
(22)【出願日】2011年9月27日
(65)【公開番号】特開2013-73298(P2013-73298A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 利久
【審査官】 田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−026007(JP,A)
【文献】 特開2006−092004(JP,A)
【文献】 野村 智彦 Tomohiko NOMURA,仮想電子辞書システムにおけるGUIの設計と実装 Implementation and Design of GUI in Virtual Electronic Dictionary System,第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 [online],日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会,2004年 6月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定手段と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力手段と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御手段と、
を備え
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記辞書記憶手段に記憶されたいずれかの辞書情報の何れかの見出し語の説明情報を表示させる説明情報表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記説明情報表示制御手段により表示制御された説明情報中の何れかの構成要素の情報を、登録用領域までドラッグ&ドロップすると、このドラッグ&ドロップされた情報の構成要素を当該辞書情報に対応付けて設定するドラッグ&ドロップ設定手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報表示装置において、
前記複数種類の辞書情報には、
1文字の漢字の見出し語と、少なくとも当該漢字の筆順を構成要素の情報として含む説明情報とを対応付けた漢字辞典の辞書情報が含まれており、
前記説明情報表示制御手段は、
前記構成要素−辞書情報対応設定手段に筆順の構成要素が設定されている場合には、前記検索文字列に対応する見出し語内、或いは当該見出し語の送り仮名表記内の各漢字の筆順の情報を、当該筆順の構成要素に対応づけて設定された漢字辞典の辞書情報からそれぞれ読み出して、一括して表示させること特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
表示手段と、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定手段と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力手段と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御手段と、
を備え、
前記複数種類の辞書情報には、
複数の言語の辞書情報が含まれており、
当該情報表示装置は、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段を、言語種ごとに備え、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
何れかの辞書情報を、ジャンプ先の辞書情報として設定するジャンプ先設定手段を有しており、
前記説明情報表示制御手段は、
辞書情報から読み出した構成要素の部分を一括して前記表示手段のメインディスプレイに表示させ、
当該情報表示装置は、
前記構成要素情報一括表示制御手段により表示制御された各構成要素の情報のうちの何れかの単語を、ユーザ操作に基づきジャンプ対象単語として指定する単語指定手段と、
前記単語指定手段により前記ジャンプ対象単語が指定された場合に、当該ジャンプ対象単語に対応する見出し語の説明情報を、前記ジャンプ先の辞書情報から読み出して前記表示手段のサブディスプレイに表示させるジャンプ先表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
表示手段を有するコンピュータに、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定機能と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力機能と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御機能と、
を実現させ、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能は、
ユーザ操作に基づいて、前記辞書記憶機能により記憶されたいずれかの辞書情報の何れかの見出し語の説明情報を表示させる説明情報表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記説明情報表示制御機能により表示制御された説明情報中の何れかの構成要素の情報を、登録用領域までドラッグ&ドロップすると、このドラッグ&ドロップされた情報の構成要素を当該辞書情報に対応付けて設定するドラッグ&ドロップ設定機能と、
を有することを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項5】
表示手段を有するコンピュータに、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定機能と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力機能と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御機能と、
を実現させ、
前記複数種類の辞書情報には、
複数の言語の辞書情報が含まれており、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能を、言語種ごとに備え、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能は、
何れかの辞書情報を、ジャンプ先の辞書情報として設定するジャンプ先設定手段を有しており、
前記説明情報表示制御機能は、
辞書情報から読み出した構成要素の部分を一括して前記表示手段のメインディスプレイに表示させ、
前記構成要素情報一括表示制御機能により表示制御された各構成要素の情報のうちの何れかの単語を、ユーザ操作に基づきジャンプ対象単語として指定する単語指定機能と、
前記単語指定機能により前記ジャンプ対象単語が指定された場合に、当該ジャンプ対象単語に対応する見出し語の説明情報を、前記ジャンプ先の辞書情報から読み出して前記表示手段のサブディスプレイに表示させるジャンプ先表示制御機能と、
を有することを特徴とする情報表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置及び情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、辞書機能を有する電子辞書などの情報表示装置においては、各見出し語と見出し語の説明情報とを対応付けて記憶する辞書データベースが少なくとも1つ備えられている。この情報表示装置で見出し語検索を行うと、入力された文字に対応する見出し語が辞書データベース内で検索され、検出された見出し語と、その説明情報とが表示される。
【0003】
ところで、見出し語の説明情報には、複数の語義(第1の語義,第2の語義,…)や、品詞、活用タイプなど、見出し語を説明するための構成要素の情報が複数含まれている。
そのため、近年、このような情報表示装置に関する技術として、見出し語ごとに構成要素の情報の並べ替えや取捨選択を行って説明情報を表示させる技術や、複数の辞書データベースから同一の見出し語の説明情報を読み出して同内容の語義を並べて表示させる技術等が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−194701号公報
【特許文献2】特開2005−202859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、例えば品詞については第1国語辞典の辞書データベース、第1の語義については第2国語辞典の辞書データベース、第2の語義については第3国語辞典の辞書データベースというように、構成要素ごとに所望の辞書データベースから説明情報を読み出し、これらの構成要素ごとの情報を一括して表示させることはできない。つまり、複数の辞書データベースから構成要素ごとに所謂「良いとこ取り」を行って一括表示させることはできない。
【0006】
本発明の課題は、見出し語の説明情報を構成要素ごとに所望の辞書データベースから読み出し、これら構成要素ごとの情報を一括して表示させることのできる情報表示装置及び情報表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、情報表示装置において、
表示手段と、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定手段と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力手段と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御手段と、
を備え
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記辞書記憶手段に記憶されたいずれかの辞書情報の何れかの見出し語の説明情報を表示させる説明情報表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記説明情報表示制御手段により表示制御された説明情報中の何れかの構成要素の情報を、登録用領域までドラッグ&ドロップすると、このドラッグ&ドロップされた情報の構成要素を当該辞書情報に対応付けて設定するドラッグ&ドロップ設定手段と、
を有することを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、情報表示装置において、
表示手段と、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定手段と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力手段と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御手段と、
を備え、
前記複数種類の辞書情報には、
複数の言語の辞書情報が含まれており、
当該情報表示装置は、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段を、言語種ごとに備え、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
何れかの辞書情報を、ジャンプ先の辞書情報として設定するジャンプ先設定手段を有しており、
前記説明情報表示制御手段は、
辞書情報から読み出した構成要素の部分を一括して前記表示手段のメインディスプレイに表示させ、
当該情報表示装置は、
前記構成要素情報一括表示制御手段により表示制御された各構成要素の情報のうちの何れかの単語を、ユーザ操作に基づきジャンプ対象単語として指定する単語指定手段と、
前記単語指定手段により前記ジャンプ対象単語が指定された場合に、当該ジャンプ対象単語に対応する見出し語の説明情報を、前記ジャンプ先の辞書情報から読み出して前記表示手段のサブディスプレイに表示させるジャンプ先表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、見出し語の説明情報を構成要素ごとに所望の辞書データベースから読み出し、これら構成要素ごとの情報を一括して表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
図3】カスタム辞書設定テーブルのデータ構造を示す図である。
図4】カスタム辞書登録処理を示すフローチャートである。
図5】辞書検索処理を示すフローチャートである。
図6】表示部による表示内容を示す図である。
図7】表示部による表示内容を示す図である。
図8】表示部による表示内容を示す図である。
図9】表示部による表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る情報表示装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11、カードスロット12及びキー群2を備えている。
【0012】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、それぞれタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0013】
カードスロット12は、種々の情報を記憶した外部情報記憶媒体12a(図2参照)と着脱可能に設けられている。
【0014】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、辞書選択キー2dと、カーソルキー2eと、戻るキー2g等とを有している。
【0015】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。辞書選択キー2dは、後述の辞書データベース820,…(図2参照)の選択に使用されるキーである。
【0016】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。戻るキー2gは、前回表示した画面に戻るとき等に使用されるキーである。
【0017】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構成について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0018】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、通信部50、記録媒体読取部55、CPU(Central Processing Unit)20、フラッシュROM(Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)90を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0019】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11からなり、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0020】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0021】
通信部50は、有線/無線LAN(Local Area Network)等により近距離通信可能となっているか、或いはインターネットに接続可能となっており、これにより、通信機能を備えた外部機器との通信が可能となっている。
【0022】
記録媒体読取部55は、上述のカードスロット12を備えており、当該カードスロット12に装着された外部情報記憶媒体12aから情報を読み出したり、当該外部情報記憶媒体12aに情報を記録したりするようになっている。
【0023】
ここで、外部情報記憶媒体12aには、通信部50を介してダウンロードされる辞書データベース820や学習コンテンツ830等が格納されるようになっている。なお、これらの辞書データベース820や学習コンテンツ830は後述のフラッシュROM80における辞書データベース820や学習コンテンツ830と同様のデータ構造を有しているため、ここでは説明を省略する。
【0024】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果をRAM90に保存するとともに、当該処理結果を表示部40に適宜出力させる。
【0025】
フラッシュROM80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM80は、本発明に係る情報表示プログラム81と、辞書データベース群82と、学習コンテンツ群83と、カスタム辞書設定テーブル群84等とを記憶している。
【0026】
情報表示プログラム81は、後述のカスタム辞書登録処理(図4参照)及び辞書検索処理(図5参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0027】
辞書データベース群82は、複数種類の辞書データベース820を有している。これらの辞書データベース820,…においては、見出し語と、この見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とが対応付けされて複数格納されている。ここで、説明情報の構成要素の情報としては、後述の図3に示すように、見出し語の音声データや活用語幹・語尾、送り仮名表記などが挙げられる。構成要素の情報が音声データの場合には、当該構成要素の情報(音声データ)は説明情報内で音声アイコンI3(図6(a)参照)として表示される。
【0028】
なお、本実施の形態においては、以上の辞書データベース820として、英語を学習するための英語系辞書や、日本語を学習するための日本語系辞書など、別々の言語の辞書データベース820が用いられている。そして、英語系辞書としては、例えば「ジ○ニアス英和辞書」や「オ○クスフォード英英辞書」、「プ○シード和英辞書」等の辞書データベース820が用いられている。また、日本語系辞書としては、例えば「広○苑」(国語辞典)や「明○国語辞典」、「新漢○林」(漢字辞典)、「日本語発音アクセント辞典」(発音辞典)等の辞書データベース820が用いられている。このうち、漢字辞典の辞書データベース820では、1文字の漢字の見出し語と、少なくとも当該漢字の筆順を構成要素として含んだ説明情報とが対応付けられて複数格納されている。
【0029】
学習コンテンツ群83は、単語集などの学習コンテンツ830を複数有しており、本実施の形態においては、「TOEIC2000語」等の学習コンテンツ830を有している。
【0030】
カスタム辞書設定テーブル群84は、辞書データベース820の言語種ごとにカスタム辞書設定テーブル840を有している。
【0031】
これらのカスタム辞書設定テーブル840は、後述のカスタム辞書登録処理(図4参照)において設定される「カスタム辞書」の内容を記憶するテーブルであり、複数の辞書データベース820から構成要素ごとに所謂「良いとこ取り」を行って説明情報を表示させるために用いられるようになっている。
【0032】
具体的には、図3に示すように、このカスタム辞書設定テーブル840は、見出し語の説明情報における複数の構成要素のうち、1つ以上の各構成要素として「音声」、「活用語幹・語尾」、「筆順」などの要素名又はその識別IDを、辞書データベース820の何れかに対応付けて設定している。但し、本実施の形態においては、「筆順」の構成要素は、漢字辞典の辞書データベース820のみに対応付けられるようになっている。
【0033】
また、本実施の形態におけるカスタム辞書設定テーブル840には、何れかの辞書データベース820の辞書名がジャンプ先として記憶されるとともに、何れかの学習コンテンツ830のコンテンツ名が学習用情報の読み出し元として記憶されている。
【0034】
RAM90は、CPU20が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えている。
【0035】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
<カスタム辞書登録処理>
図4は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行するカスタム辞書登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
この図に示すように、カスタム辞書登録処理においてまずCPU20は、ユーザ操作に基づいて日本語及び英語のカスタム辞書設定テーブル840の何れかを設定対象として指定する(ステップS1)。
【0038】
次に、CPU20は、ユーザ操作に基づいて何れかの辞書データベース820を選択辞書データベース820Sとして選択した後(ステップS2)、ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する(ステップS3)。なお、このステップS2においてユーザは、ステップS1で設定対象として指定したカスタム辞書設定テーブル840に対応する言語種の辞書データベース820を選択するようになっている。
【0039】
次に、CPU20は、検索文字列に対応する見出し語(例えば選択文字列に前方一致する見出し語)を選択辞書データベース820Sから検索し、検出された見出し語をメインディスプレイ10に一覧表示させた後、ユーザ操作に基づいて何れかの見出し語を選択見出し語として選択する(ステップS4)。
【0040】
次に、CPU20は、選択辞書データベース820Sから選択見出し語の説明情報を読み出してメインディスプレイ10に表示させるとともに、カスタムアイコンI1及びジャンプアイコンI2(図6(a)参照)をメインディスプレイ10の端部に表示させた後(ステップS5)、選択辞書データベース820Sの変更操作が行われるか否かを判定する(ステップS6)。なお、カスタムアイコンI1及びジャンプアイコンI2は、後述の処理において説明情報内の構成要素の情報などをドラッグ&ドロップする際のドロップ先の領域として用いられるようになっている。
【0041】
このステップS6において選択辞書データベース820Sの変更操作が行われたと判定した場合(ステップS6;Yes)には、CPU20は、変更操作に応じて選択辞書データベース820Sを変更した後、上述のステップS5に移行する。
【0042】
また、ステップS6において選択辞書データベース820Sの変更操作が行われないと判定した場合(ステップS6;No)には、CPU20は、学習コンテンツ830の指定操作が行われるか否かを判定する(ステップS7)。
【0043】
このステップS7において学習コンテンツ830の指定操作が行われないと判定した場合(ステップS7;No)には、CPU20は、メインディスプレイ10に表示された説明情報における何れかの構成要素の情報に対して選択操作が行われるか否かを判定する(ステップS8)。
【0044】
このステップS8において何れの構成要素の情報に対しても選択操作が行われないと判定した場合(ステップS8;No)には、CPU20は、ステップS8の処理を繰り返す。
【0045】
また、ステップS8において何れかの構成要素の情報に対して選択操作が行われたと判定した場合(ステップS8;Yes)には、CPU20は、選択された構成要素(以下、選択構成要素とする)の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS9)。
【0046】
このステップS9において選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS9;Yes)には、CPU20は、選択辞書データベース820Sの辞書名及び識別IDと、選択構成要素とを対応付けて、設定対象のカスタム辞書設定テーブル840に設定し(ステップS10)、上述のステップS6に移行する。
【0047】
また、ステップS9において選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS9;No)には、CPU20は、選択構成要素の情報をジャンプアイコンI2上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS15)。
【0048】
このステップS15において選択構成要素の情報をジャンプアイコンI2上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS15;Yes)には、CPU20は、選択辞書データベース820Sをジャンプ先の辞書データベース820として、その辞書名及び識別IDを設定対象のカスタム辞書設定テーブル840に設定して(ステップS16)、上述のステップS6に移行する。
【0049】
また、ステップS15において選択構成要素の情報をジャンプアイコンI2上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS15;No)には、CPU20は、他の操作が行われるか否かを判定する(ステップS17)。
【0050】
このステップS17において他の操作が行われないと判定した場合(ステップS17;No)には、CPU20は上述のステップS6に移行する一方、他の操作が行われたと判定した場合(ステップS17;Yes)には、当該操作に応じた処理を行う。
【0051】
また、上述のステップS7において学習コンテンツ830の指定操作が行われたと判定した場合(ステップS7;Yes)には、CPU20は、指定された学習コンテンツ830(以下、指定学習コンテンツ830Sとする)に選択見出し語が存在するか否かを判定する(ステップS21)。
【0052】
このステップS21において指定学習コンテンツ830Sに選択見出し語が存在しないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU20は、その旨のメッセージをメインディスプレイ10に表示させた後(ステップS22)、上述のステップS6に移行する。
【0053】
また、ステップS21において指定学習コンテンツ830Sに選択見出し語が存在すると判定した場合(ステップS21;Yes)には、CPU20は、指定学習コンテンツ830Sから選択見出し語に関する部分を読み出してメインディスプレイ10に表示させた後、指定学習コンテンツ830S内の部分をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS31)。
【0054】
このステップS31において指定学習コンテンツ830S内の部分をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU20は、当該ステップS31の処理を繰り返す。
【0055】
また、ステップS31において指定学習コンテンツ830S内の部分をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU20は、指定学習コンテンツ830Sを学習用情報の読み出し元として、そのコンテンツ名及び識別IDを設定対象のカスタム辞書設定テーブル840に記憶させ(ステップS32)、上述のステップS6に移行する。
【0056】
<辞書検索処理>
図5は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行する辞書検索処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
この図に示すように、辞書検索処理においてまずCPU20は、日本語系、英語系の「カスタム辞書」を用いる旨の選択操作が行われるか否か、つまり日本語系、英語系のカスタム辞書設定テーブル840を使用して辞書検索する旨の選択操作が行われるか否かを判定し(ステップT1)、行われないと判定した場合(ステップT1;No)には他の処理へ移行する。
【0058】
また、ステップT1において日本語系、英語系の「カスタム辞書」を用いる旨の選択操作が行われたと判定した場合(ステップT1;Yes)には、CPU20は、選択された言語種のカスタム辞書設定テーブル840を選択カスタム辞書設定テーブル840Sとして設定した後、検索文字列の入力操作が行われるか否かを判定する(ステップT2)。なお、このステップT2においてユーザは、ステップT1で選択された「カスタム辞書」の言語種に対応する検索文字列を入力するようになっている。
【0059】
このステップT2において検索文字列の入力操作が行われないと判定した場合(ステップT2;No)には、CPU20は、当該ステップT2の処理を繰り返す。
【0060】
また、ステップT2において検索文字列の入力操作が行われたと判定した場合(ステップT2;Yes)には、CPU20は、検索文字列に対応する見出し語(例えば選択文字列に前方一致する見出し語)を辞書データベース820から検索し、検出された見出し語をメインディスプレイ10に一覧表示させた後、ユーザ操作に基づいて何れかの見出し語を選択見出し語として選択するとともに、選択カスタム辞書設定テーブル840Sの言語種が日本語であるか否かを判定する(ステップT3)。
【0061】
このステップT3において選択カスタム辞書設定テーブル840Sの言語種が日本語でないと判定した場合(ステップT3;No)には、CPU20は、選択カスタム辞書設定テーブル840Sによる記憶情報において構成要素に対応付けられた各辞書データベース820から、選択見出し語の説明情報のうち、当該構成要素の情報を読み出してRAM90に一時記憶させ(ステップT4)、後述のステップT11に移行する。
【0062】
また、ステップT3において選択カスタム辞書設定テーブル840Sの言語種が日本語であると判定した場合(ステップT3;Yes)には、CPU20は、選択カスタム辞書設定テーブル840Sによる記憶情報において「筆順」以外の構成要素に対応付けられた各辞書データベース820から、選択見出し語の説明情報のうち、当該構成要素の情報を読み出してRAM90に一時記憶させる(ステップT4)。
【0063】
次に、CPU20は、説明情報における送り仮名表記の部分に漢字が含まれるか否かを判定し(ステップT5)、含まれないと判定した場合(ステップT5;No)には後述のステップT11に移行する。
【0064】
また、ステップT5において説明情報における送り仮名表記の部分に漢字が含まれると判定した場合(ステップT5;Yes)には、CPU20は、「筆順」の構成要素に対応付けられた漢字辞典の辞書データベース820内で各漢字を検索し(ステップT6)、検出された各漢字見出し語の説明情報から、筆順の情報を読み出してRAM90に一時記憶させる(ステップT7)。
【0065】
次に、CPU20は、選択カスタム辞書設定テーブル840Sに学習用情報の読み出し元として学習コンテンツ830のコンテンツ名が記憶されているか否かを判定し(ステップT11)、記憶されていないと判定した場合(ステップT11;No)には、後述のステップT15に移行する。
【0066】
また、ステップT11において選択カスタム辞書設定テーブル840Sに学習用情報の読み出し元として学習コンテンツ830のコンテンツ名が記憶されていると判定した場合(ステップT11;Yes)には、CPU20は、当該学習コンテンツ830から選択見出し語に関する学習用情報を読み出してRAM90に一時記憶させる(ステップT13)。
【0067】
次に、CPU20は、RAM90に一時記憶された各構成要素の情報を一括してメインディスプレイ10に表示させる(ステップT15)。また、このときCPU20は、メインディスプレイ10の端部にジャンプアイコンI2を表示させる(図8(a)参照)。
【0068】
次に、CPU20は、ジャンプアイコンI2に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップT21)、行われないと判定した場合(ステップT21;No)には他の処理へ移行する。
【0069】
また、ステップT21においてジャンプアイコンI2に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップT21;Yes)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいてメインディスプレイ10における表示内容から何れかの単語をジャンプ対象単語として指定する(ステップT22)。
【0070】
次に、CPU20は、選択カスタム辞書設定テーブル840Sにジャンプ先としていずれかの辞書名が設定されているか否かを判定し(ステップT23)、設定されていないと判定した場合(ステップT23;No)には他の処理へ移行する。
【0071】
また、ステップT23において選択カスタム辞書設定テーブル840Sにジャンプ先としていずれかの辞書名が設定されていると判定した場合(ステップT23;Yes)には、CPU20は、当該辞書名の辞書データベース820からジャンプ対象単語の説明情報を読み出してサブディスプレイ11に表示させる(ステップT24)。
【0072】
そして、CPU20は、戻るキー2gが操作されるか否かを判定し(ステップT25)、操作されないと判定した場合(ステップT25;No)には上述のステップT24に移行する一方、操作されたと判定した場合(ステップT25;Yes)には上述のステップT22に移行する。
【0073】
(動作例)
続いて、上記の情報表示処理を具体的に説明する。
【0074】
まず、ユーザがカスタム辞書登録処理を実行させて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840を設定対象として指定して(ステップS1)、「広○苑」(国語辞典)の辞書データベース820を選択辞書データベース820Sとして選択した後(ステップS2)、ユーザ操作に基づいて検索文字列「うまれる」を入力し(ステップS3)、見出し語「うまれる」を選択見出し語として選択すると(ステップS4)、図6(a)に示すように、選択辞書データベース820S(「広○苑」)から選択見出し語「うまれる」の説明情報が読み出されてメインディスプレイ10に表示されるとともに、カスタムアイコンI1及びジャンプアイコンI2がメインディスプレイ10の端部に表示される(ステップS5)。
【0075】
次に、ユーザが音声アイコンI3(「音声」の構成要素)に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS9;Yes)、図3の1段目に示すように、選択辞書データベース820Sの辞書名「広○苑」及び識別IDと、選択構成要素「音声」とが対応付けられて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS10)。
【0076】
次に、図6(b)に示すように、ユーザが「活用語幹・語尾」の構成要素の情報に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS9;Yes)、図3の2段目に示すように、選択辞書データベース820Sの辞書名「広○苑」及び識別IDと、選択構成要素「活用語幹・語尾」とが対応付けられて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS10)。
【0077】
次に、ユーザが選択辞書データベース820Sの変更操作を行うと(ステップS6;Yes)、この変更操作に応じて辞書名「明○国語辞典」が選択辞書データベース820Sに設定された後、図6(c)に示すように、選択辞書データベース820S(「明○国語辞典」)から選択見出し語「うまれる」の説明情報が読み出されてメインディスプレイ10に表示される(ステップS5)。
【0078】
次に、ユーザが「送り仮名表記」の構成要素の情報に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS9;Yes)、図3の3段目に示すように、選択辞書データベース820Sの辞書名「明○国語辞典」及び識別IDと、選択構成要素「送り仮名表記」とが対応付けられて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS10)。
【0079】
次に、図6(d)に示すように、ユーザが「第1の語義」の構成要素の情報に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS9;Yes)、図3の6段目に示すように、選択辞書データベース820Sの辞書名「明○国語辞典」及び識別IDと、選択構成要素「第1の語義」とが対応付けられて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS10)。
【0080】
次に、ユーザが選択辞書データベース820Sの変更操作を行うと(ステップS6;Yes)、この変更操作に応じて「新漢○林」(漢字辞典)が選択辞書データベース820Sに設定された後、図7(a)に示すように、選択辞書データベース820S(「新漢○林」)から選択見出し語「生」の説明情報が読み出されてメインディスプレイ10に表示される(ステップS5)。
【0081】
次に、ユーザが「筆順」の構成要素の情報(ここでは筆順を示す画像へのリンク部分)に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をカスタムアイコンI1上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS9;Yes)、図3の11段目に示すように、選択辞書データベース820Sの辞書名「新漢○林」及び識別IDと、選択構成要素「筆順」とが対応付けられて、日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS10)。
【0082】
次に、ユーザが選択辞書データベース820Sの変更操作を行うと(ステップS6;Yes)、この変更操作に応じて「日本語発音アクセント辞典」(発音辞典)が選択辞書データベース820Sに設定された後、図7(b)に示すように、選択辞書データベース820S(「日本語発音アクセント辞典」)から選択見出し語「うまれる」の説明情報が読み出されてメインディスプレイ10に表示される(ステップS5)。
【0083】
次に、ユーザが音声アイコンI3(「音声」の構成要素の情報)に対して選択操作を行い(ステップS8;Yes)、この選択構成要素の情報をジャンプアイコンI2上にドラッグ&ドロップする旨の操作を行うと(ステップS15;Yes)、図3の13段目に示すように、選択辞書データベース820Sをジャンプ先の辞書データベース820として、その辞書名「日本語発音アクセント辞典」及び識別IDが日本語のカスタム辞書設定テーブル840に設定される(ステップS16)。
【0084】
次に、ユーザが辞書検索処理を実行させて、図7(c),(d)に示すように、日本語系の「カスタム辞書」を用いる旨の選択操作を行い(ステップT1;Yes)、検索文字列「うまれる」の入力操作を行って(ステップT2;Yes)、見出し語「うまれる」を選択見出し語として選択すると、選択カスタム辞書設定テーブル840Sによる記憶情報において「筆順」以外に対応付けられた各辞書データベース820から、選択見出し語「うまれる」の説明情報のうち、当該構成要素の情報が読み出されてRAM90に一時記憶される(ステップT4)。また、「筆順」の構成要素に対応付けられた「新漢○林」の辞書データベース820内で、送り仮名表記「生まれる・産まれる」の部分に含まれる各漢字「生」,「産」が検索され(ステップT6)、検出された各漢字見出し語「生」,「産」の筆順の情報が読み出されてRAM90に一時記憶される(ステップT7)。
【0085】
そして、図8(a)に示すように、RAM90に一時記憶された各構成要素の情報が一括されてメインディスプレイ10に表示される(ステップT15)。また、このときメインディスプレイ10の端部にジャンプアイコンI2が表示される。なお、本動作例においては、各構成要素の情報には、当該構成要素の収録元の辞書名が付記される。
【0086】
次に、ユーザがジャンプアイコンI2に対してタッチ操作を行い(ステップT21;Yes)、メインディスプレイ10における表示内容から単語「胎内」をジャンプ対象単語として指定すると(ステップT22)、選択カスタム辞書設定テーブル840Sにジャンプ先として登録された、辞書名「日本語発音アクセント辞典」の辞書データベース820からジャンプ対象単語「胎内」の説明情報が読み出されてサブディスプレイ11に表示される(ステップT24)。なお、このときサブディスプレイ11に表示された音声アイコンI3に対してタッチ操作を行うと、「胎内」の音声データが音声出力される。
【0087】
また、上述の図7(d)の状態においてユーザが検索文字列「すばらしい」の入力操作を行って(ステップT2;Yes)、見出し語「すばらしい」を選択見出し語として選択すると、選択カスタム辞書設定テーブル840Sによる記憶情報において「筆順」以外の構成要素に対応付けられた各辞書データベース820から、選択見出し語「すばらしい」の説明情報のうち、当該構成要素の情報が読み出されてRAM90に一時記憶される(ステップT4)。また、「筆順」の構成要素に対応付けられた「新漢○林」の辞書データベース820内で、送り仮名表記「素晴らしい」の部分に含まれる各漢字「素」,「晴」が検索され(ステップT6)、検出された各漢字見出し語「素」,「晴」の情報から、筆順の情報が読み出されてRAM90に一時記憶される(ステップT7)。
【0088】
そして、図8(b),(c)に示すように、RAM90に一時記憶された各構成要素の情報が一括されてメインディスプレイ10に表示される(ステップT15)。なお、図8(c)は、図8(b)の状態から表示内容を下側にスクロールさせた状態を示している。
【0089】
なお、英語系の「カスタム辞書」を用いて辞書検索処理を行い、見出し語「broadcast」を選択見出し語として選択すると、図9に示すように説明情報が表示されることとなる。このとき、英語のカスタム辞書設定テーブル840では、「音声」や「発音記号」、「品詞」などの構成要素に対して「ジ○ニアス英和辞書」の辞書データベース820が対応付けられており、「活用形」や「用例」の構成要素に対して「オ○クスフォード英英辞書」の辞書データベース820が対応付けられており、学習用情報の読み出し元として「TOEIC2000語」が記憶されている。また、サブディスプレイ11には、「TOEIC2000語」の学習コンテンツ830内で見出し語「broadcast」を学習済みとしてチェックするためのチェックボタンBが表示されている。
【0090】
以上の電子辞書1によれば、図3図5のステップT4、T15、図8図9等に示したように、説明情報における1つ以上の各構成要素が辞書データベース820の何れかに対応付けてカスタム辞書設定テーブル840に記憶されており、当該カスタム辞書設定テーブル840において要素名に対応付けられた各辞書データベース820から、検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該構成要素の情報が読み出され、これら読み出した構成要素の情報が一括して表示されるので、見出し語の説明情報を構成要素ごとに所望の辞書データベース820から読み出し、これら構成要素ごとの情報を一括して表示させることができる。
【0091】
また、図5のステップT7や図8等に示したように、カスタム辞書設定テーブル840において筆順の構成要素に漢字辞典の辞書データベース820が対応付けられている場合には、検索文字列に対応する見出し語内、或いは当該見出し語の送り仮名表記内の各漢字の筆順の情報が辞書データベース820から読み出されて表示内容に含められるので、筆順を含めて説明情報を表示させることができる。
【0092】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0093】
例えば、本発明に係る情報表示装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る情報表示プログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な外部情報記憶媒体12aに記憶されることとしてもよい。
【0094】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示手段と、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定手段と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力手段と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
<請求項2>
請求項1記載の情報表示装置において、
前記複数種類の辞書情報には、
1文字の漢字の見出し語と、少なくとも当該漢字の筆順を構成要素の情報として含む説明情報とを対応付けた漢字辞典の辞書情報が含まれており、
前記説明情報表示制御手段は、
前記構成要素−辞書情報対応設定手段に筆順の構成要素が設定されている場合には、前記検索文字列に対応する見出し語内、或いは当該見出し語の送り仮名表記内の各漢字の筆順の情報を、当該筆順の構成要素に対応づけて設定された漢字辞典の辞書情報からそれぞれ読み出して、一括して表示させること特徴とする情報表示装置。
<請求項3>
請求項1または2記載の情報表示装置において、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記辞書記憶手段に記憶されたいずれかの辞書情報の何れかの見出し語の説明情報を表示させる説明情報表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記説明情報表示制御手段により表示制御された説明情報中の何れかの構成要素の情報を、登録用領域までドラッグ&ドロップすると、このドラッグ&ドロップされた情報の構成要素を当該辞書情報に対応付けて設定するドラッグ&ドロップ設定手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の情報表示装置において、
前記複数種類の辞書情報には、
複数の言語の辞書情報が含まれており、
当該情報表示装置は、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段を、言語種ごとに備えることを特徴とする情報表示装置。
<請求項5>
請求項4記載の情報表示装置において、
前記構成要素‐辞書情報対応設定手段は、
何れかの辞書情報を、ジャンプ先の辞書情報として設定するジャンプ先設定手段を有しており、
前記表示手段は、
メインディスプレイと、サブディスプレイとを有しており、
前記説明情報表示制御手段は、
辞書情報から読み出した構成要素の部分を一括して前記メインディスプレイに表示させ、
当該情報表示装置は、
前記構成要素情報一括表示制御手段により表示制御された各構成要素の情報のうちの何れかの単語を、ユーザ操作に基づきジャンプ対象単語として指定する単語指定手段と、
前記単語指定手段により前記ジャンプ対象単語が指定された場合に、当該ジャンプ対象単語に対応する見出し語の説明情報を、前記ジャンプ先の辞書情報から読み出して前記サブディスプレイに表示させるジャンプ先表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
<請求項6>
表示手段を有するコンピュータに、
各見出し語と、当該見出し語についての複数の構成要素の情報を含む説明情報とを対応付けた辞書情報を複数種類記憶する辞書記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記複数の構成要素のうち1つ以上の構成要素を、前記複数種類の辞書情報の何れかに対応付けて設定する構成要素‐辞書情報対応設定機能と、
ユーザ操作に基づいて検索文字列を入力する入力機能と、
前記構成要素‐辞書情報対応設定機能により設定された各辞書情報から、前記検索文字列に対応する見出し語の説明情報のうち、当該各辞書情報に対応付けて設定された構成要素の情報をそれぞれ読み出し、これら読み出された各構成要素の情報を一括して前記表示手段に表示させる構成要素情報一括表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする情報表示プログラム。
【符号の説明】
【0095】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 情報表示プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9