(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記複数の反応器の各積算稼働時間を平準化するように、前記複数の反応器をオン/オフ制御することを特徴とする請求項1または2記載のオゾン発生装置。
前記オゾン発生手段の前段に除湿手段を有し、前記オゾン発生手段には前記除湿手段を介してガスが供給されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のオゾン発生装置。
前記NOx分解触媒から排出されるガスからオゾンを検出する第2の検出手段を有し、前記制御手段は、前記第2の検出手段が検出したオゾンの量が増加すると前記オゾン発生手段で発生させるオゾンの量を減らし、前記第2の検出手段が検出したオゾンの量が減少すると前記オゾン発生手段で発生させるオゾンの量を増やすようにフィードバック制御することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のオゾン発生装置。
前記NOx分解触媒から排出されるガスからNOxを検出する第3の検出手段を有し、前記制御手段は、前記第3の検出手段が検出したNOxの量が増加すると前記オゾン発生手段で発生させるオゾンの量を増やし、前記第3の検出手段で検出したNOxの量が減少すると前記オゾン発生手段で発生させるオゾンの量を減らすようにフィードバック制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のオゾン発生装置。
アラーム手段をさらに有し、前記制御手段は、前記オゾン発生手段における複数の反応器のうち故障した反応器の数が所定数を超えると前記アラーム手段から警報を発するように制御することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、オゾン発生装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態は、自動車のような車両に搭載されるオゾン発生装置を想定している。
【0022】
〔第1の実施形態〕
図1は、オゾン発生装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【0023】
オゾン発生装置1は、オゾン発生に使用する大気中の埃等を除去するエアフィルタ11と、エアフィルタ11を通過した大気に圧力を加えるコンプレッサ12と、コンプレッサ12で圧力が加えられたガスを除湿する除湿部(除湿手段)13と、除湿部13で除湿されたガスを利用してオゾンを発生させるオゾン発生器14とで構成されているオゾン発生部10(オゾン発生手段)と、筺体18とを備えている。
【0024】
また、オゾン発生装置1は、オゾン発生装置1の各部を制御する制御部15(制御手段)と、制御部15に使用されるプログラム、データ等を格納する記憶部16(記憶手段)と、制御に必要となるパラメーター(温度や回転数など)を検出する検出部17(検出手段)を備えている。制御部15及び記憶部16並びに検出部17は、CPU、メモリ、センサ等の公知の技術によって構成することができる。
【0025】
図2は、オゾン発生器14の構成を示す図である。
図2(a)に示すように、オゾン発生器14において、オゾンは反応器によって発生される。反応器は、セラミック製の筒状部材と、筒状部材内に設けられた第1の電極と、筒状部材の外側に設けられた第2の電極を有し、筒内にガスが流される。
【0026】
反応器において、第1及び第2の電極間に交番電圧を印加されると放電(無声放電または沿面放電)が起き、筒内を流れるガスに含まれる酸素分子からオゾンが発生される。交番電圧が印加されていないときにはオゾンは発生されない。以下では、反応器に対して交番電圧が印加されて稼動状態にあることをオン、印加されずに稼動していないことをオフということにする。また、本実施形態の説明においては、無声放電を例に説明する。
【0027】
図2(b)に示すように、オゾン発生器14において、複数の反応器14
1〜14
mが、図中の矢印で示すガスの流路に並列に設けられている。実際にはガスの流路方向に、複数の反応器14
1〜14
mを取り囲むように容器が延びているが、図中では簡単のために省略している。
【0028】
複数の反応器14
1〜14
mには、オゾン発生器14に供給されたガスが略等量に分配されて供給される。オゾン発生器14がm個の反応器14
1〜14
mを有する場合、各反応器にはオゾン発生部14に供給されるガス流量の略1/mの流量が供給される。
【0029】
オゾン発生部14においては、複数の反応器14
1〜14
mのそれぞれをオン/オフ制御することができる。複数の反応器14
1〜14
mのすべてをオンにした場合に最大のオゾン発生量Cmaxが得られ、全てをオフにした場合にオゾンは発生しない。k個の反応器をオン、m−k個の反応器をオフとした場合には、オゾン発生量は、(k/m)Cmaxとなる。
【0030】
したがって、オゾン発生器14における複数の反応器14
1〜14
mのオン/オフをそれぞれ切り替えることによりオゾン発生量を調整することができる。オンの反応器の数が増加するとオゾン発生量が増加する。オンの反応器の数が減少するとオゾン発生量が減少する。
【0031】
図2(b)において、オゾン発生器14は、縦3個、横8個の計24個の反応器から構成されているが、これに限定されるものではない。オゾン発生器14のオゾン発生量を調整するためには、複数の反応器14
1〜14
mの数は2以上であればよい。反応器の数が多くなるほど、オゾン発生量をより細かいステップで調整することができる。
【0032】
なお、オゾン発生器14を構成する反応器においては、オゾン発生量が温度依存性を有し、反応器が高温になるほどオゾン発生量が低下する。
【0033】
一方、前述のように、反応器はセラミック製の筒状部材で構成されるため、機械的にもろい性質がある。このため、オゾン発生器14に衝撃が加えられると一部の反応器の筒状部材が破損することがある。また、反応器の第1及び第2の電極は、高温の筒状部材において無声放電を発生させるため高い電圧が印加される。したがって、オゾン発生器14が過熱すると一部の反応器の電極が焼損したり、サージ電圧が発生すると一部の反応器の電極が断線したりすることがある。このように筒状部材や電極が損なわれた反応器は、オゾンを発生する正常な動作を行うことができず、故障した状態とみなされる。
【0034】
オゾン発生器14においては、複数の反応器14
1〜14
mのいくつかは故障した状態であり得る。また、オゾン発生器14の稼働時間の経過とともに故障した状態にある反応器の数は増加し得る。
【0035】
オゾン発生器14の反応器のいくつかが故障した場合、すべての反応器をオンとして稼動させることはできないが、故障した反応器をオフとして、残りのすべての反応器をオンとすることはできる。したがって、オゾン発生器14を構成する反応器の数が大きいほど、複数の反応器14
1〜14
mの一部の故障が全体に及ぼす影響は小さくなる。このことから、オゾン発生器14の安定した動作を保証するためには、反応器の数がある程度大きいことが好ましいといえる。
【0036】
また、前述のように、反応器の故障はオゾン発生器の稼働時間の経過とともに増加する。したがって、長時間にわたるオゾン発生部14の安定した動作を保証するためにも、反応器の数がある程度大きいことが好ましいといえる。
【0037】
一方、オゾン発生器14を構成する反応器の数が増加するとともに、オゾン発生器14は大型化し、重量も大きくなり、さらにコストも大きくなる。本実施の形態においては、オゾン発生部14の所望の性能を確保するとともに、これらのことを比較考量した結果、オゾン発生部14を縦3個、横8個の計24個の反応器から構成している。
【0038】
図3は、車両におけるオゾン発生装置等の配置を示す図である。本実施の形態のオゾン発生装置1は、内燃機関21により駆動される自動車のような車両100に搭載される。このような車両100において、オゾン発生装置1では、後述する所定のアルゴリズムにしたがい、所定量のオゾンを発生し、内燃機関21から排出されたガスに添加する。
【0039】
オゾン発生装置1は、車両100に搭載されるため、設置のためのスペースや重量、供給できる電力に限りがある。このため、オゾン発生装置1は、一定のサイズや重量を有し、所定の消費電力に留まるように設計される。
【0040】
このオゾン発生装置は、車両100の運転席110においてキー111をオンにすることにより、始動され、動作が開始される。そして、キー111をオフとすることにより動作が停止される。
【0041】
内燃機関21は、例えばガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない電子制御ユニットにより制御されている。内燃機関21は、オゾン発生装置と同様に、キー111のオンによりイグニッションスイッチがオンとなり運転が開始され、オフによりイグニッションンスイッチがオフとされて運転が停止される。
【0042】
内燃機関21から排出されたガスにはオゾン発生装置1からのオゾンが加えられ、NOx分解触媒22に供給される。本実施の形態では、NOx分解触媒22には、NOx還元吸蔵触媒を利用している。
【0043】
NOx分解触媒22においては、供給されるオゾンによりNOがNO
2へ酸化される。NOx分解触媒においては、NOに比べてNO
2の分解性能が高いので、適切なオゾン量の投入によってNOx分解の効率が向上する。
【0044】
NOx分解触媒22においては、NOx分解率に温度依存性を有し、一定の温度でNOx分解度が最大になる。本実施の形態のNOx分解触媒22は、220℃においてNOx分解度が最大になる。
【0045】
このように、NOx分解触媒22においては、供給されるガス中のNO濃度や温度に依存してNOx分解の効率は変化する。NOx分解触媒22により分解できなかったNOなどのNOxは、NOx分解触媒22から排出される。
【0046】
図4は、オゾン発生装置1の制御方法の一連の工程を示すフローチャートである。ステップS11は、車両100の運転席110においてキー111がロックされた状態にある。例えば、運転席110の所定の位置にキーが差し込まれていない状態である。この状態においては、オゾン発生装置1は停止状態にある。また、内燃機関21も停止状態にある。
【0047】
ステップS12は、運転席110においてキー111がオンとされた状態である。例えば、運転席110の所定の位置にキーが差し込まれ、オンされた状態である。オゾン発生装置1の制御部15は、記憶部16に格納された所定のプログラムを読み出し、このプログラムにしたがって以下の一連の工程を開始する。
【0048】
更に、キー111のイグニッションスイッチがオンとされ、内燃機関21の運転が開始される。同時に、オンとなるオゾン発生装置の反応器が以下の一連の工程で決定され、内燃機関21からの排ガスへのオゾンガス供給が始まる。
【0049】
ステップS13は、制御部16は、各種センサを用いてオゾン発生に関係する所定の箇所の状態を計測する。
【0050】
図5は、ステップS13の計測工程の流れを示すフローチャートである。ステップS21においては、制御部15は、検出手段17によってオゾン発生器14の反応器の温度Tr〔K〕を計測する。この温度の計測するセンサには、例えば熱電対のような公知技術を利用することができる。
【0051】
オゾン発生器14は、複数の反応器14
1〜14
mから構成されるので、一般に反応器ごとの温度は異なることになる。本実施の形態では、オゾン発生器14における所定の一点で代表させて温度を計測し、反応器の温度としている。
【0052】
また、オゾン発生器の数点で温度を計測したり、すべての反応器の温度を計測したりした複数の計測温度に基づいて反応器の温度を決定することもできる。さらに、反応器の故障を考慮して、故障していない正常に動作している反応器のうち、稼動しているオン状態のもののみの温度に基づいて反応器の温度を決めることもできる。制御部15は、計測した反応器の温度を記憶部16に格納する。
【0053】
ステップS22においては、制御部15は、検出部17によって内燃機関21の回転数R〔rpm〕を計測する。回転数を計測するセンサには、例えば電磁誘導などの公知技術を利用することができる。制御部15は、計測した内燃機関12の回転数を記憶部16に格納する。
【0054】
ステップS23においては、制御部15は、検出部17によってNOx分解触媒22の温度Tc〔K〕を計測する。この温度の計測するセンサには、例えば熱電対のような公知技術を利用することができる。
【0055】
本実施の形態では、NOx分解触媒22の入口の温度を計測している。しかしながら、NOx分解触媒22の出口の温度を計測したり、内部や表面の温度を計測したりしてもよい。制御部15は、計測したNOx分解触媒22の温度を記憶部16に格納する。
【0056】
図4に戻り、ステップS14において、制御部15は、所定の計算を行う。
図6は、ステップ14の計算工程の流れを示すフローチャートである。
【0057】
ステップS31において、制御部15は、内燃機関の排気量Q〔m
3/min〕を計算する。制御部15は、記憶部16に格納されている内燃機関21の1燃焼あたりの排気量q〔m
3〕を読み出す。また、制御部15は、ステップS22において記憶部16に格納した内燃機関21の回転数R〔rpm〕を記憶部16から読み出す。
【0058】
そして、制御部15は、排気量Qを、回転数Rと1燃焼あたりの排気量qの積、すなわち、Q=R×qにより計算する。制御部15は、計算した排気量Qを記憶部16に格納する。
【0059】
ステップS32において、制御部15は、記憶部16に格納された第1のデータテーブルを参照してNO発生率C〔%〕を算出する。このNO発生率は、NOx分解触媒22におけるNOx分解処理にかかわらず残存するNO濃度に対応するものである。
【0060】
図7(a)は、第1のデータテーブルを示すグラフである。このグラフは、横軸をNOx分解触媒22の温度Tc、縦軸をNOx分解触媒22におけるNOx分解率〔%〕としている。NOx分解率の曲線は、220℃において最大値となり、220℃から温度が上下に離れるにつれて速やかに減少し、例えば温度120°において分解率が零に近づくような、220℃を軸として温度上下方向に略対称な略釣鐘状の形状をしている。
【0061】
制御部15は、ステップS23において記憶部16に格納したNOx分解触媒温度22の温度を記憶部16から読み出す。そして、記憶部16に格納された第1のデータテーブルを参照し、当該温度に対応するNOx分解率〔%〕を決定する。
【0062】
そして、制御部15は、このNOx分解率に基づいてNO発生率C〔%〕を計算する。例えば、例えばNOx残存率〔%〕に対応する100−NOx分解率〔%〕をNO発生率Cとすることができる。これは、NOxの大部分がNOであるため、NOxの量がNOの量に略等しいためである。あるいは、このようにして求めたNOx残存率にNOに換算するための所定の係数を乗じてNO発生率Cとすることもできる。制御部15は、計算したNO発生率Cを記憶部16に格納する。
【0063】
ステップS33において、制御部15は、オゾン発生装置1の発生するオゾンの量〔m
3/min〕を計算する。
【0064】
制御部15は、ステップS31において記憶部16に格納した内燃機関の排気量Q〔m
3/min〕を記憶部16から読み出す。また、ステップS32において記憶部16に格納したNO発生率C〔%〕を記憶部16から読み出す。
【0065】
そして、制御部15は、オゾンの量を内燃機関21の排気量とNO発生率Cの積、すなわちQ×Cとして計算する。制御部15は、このように計算したオゾンの量QC〔m
3〕を記憶部16に格納する。
【0066】
ステップS34においては、制御部15は、オゾン発生部14を構成する複数の反応器14
1〜14
mの1台あたりのオゾン発生量G〔m
3/min〕を計算する。
【0067】
制御部15は、ステップS23において記憶部16に格納したNOx分解触媒22の温度Tr〔K〕を記憶部16から読み出す。そして、記憶部16に格納された第2のデータテーブルを参照する。
【0068】
図7(b)は、第2のデータテーブルを示すグラフである。このグラフは、横軸を反応器の温度Tr、縦軸を反応器あたりオゾン発生量Gとしている。オゾン発生量の曲線は、反応器の温度の上昇に応じて単調減少している。
【0069】
なお、オゾン発生量Gは、反応器に対する入力電圧の関数でもある。反応器において所定濃度のオゾンを安定して発生させるためには、反応器への入力電圧は所定の範囲に限られる。当該範囲の最大入力電圧Vmaxにおいてオゾン発生量は最大量Gmaxとなり、最小入力で夏電圧Vminにおいてオゾン発生量は最低値Gminとなる。
【0070】
図7(b)中のGmin〜Gmaxは、ある反応器温度における反応器への入力電圧をVmin〜Vmaxで変化させたときのオゾン発生量の変化を示したものである。なお、図中のオゾン発生量の曲線は、最大入力電圧Vmaxと最小入力電圧Vminの間にある典型値の電圧を選んだ場合に得られるオゾン発生量の典型値を示すものである。
【0071】
制御部15は、記憶部16に格納された第2のデータテーブルを参照し、反応器の温度に対応する発生器の1台あたりのオゾン発生量G〔m
3/min〕を決定する。制御部15は、このように決定したオゾン発生量Gを記憶部16に格納する。
【0072】
ステップS35において、制御部15は、オゾン発生部14を構成する複数の反応器14
1〜14
mについて稼働台数Nを計算する。稼働台数Nは、次の式にしたがって与えられる。
【0073】
(1)反応器に最大入力電圧Vmaxを印加する場合
QC≦G
max(n
min+1) → N=n
min+1
最大入力電圧Vmaxを印加した反応器1台あたりのオゾン発生量G
maxとn
min+1との積がオゾンの量QC以上になるような最小の整数n
minを計算する。そして、稼働台数Nをn
min+1とする。この場合、稼働台数Nは最小のn
min+1となる。
【0074】
(2)反応器に最小入力電圧Vminを印加する場合
QC≦G
min(n
max+1) → N=n
max+1
最小入力電圧Vminを印加した反応器1台あたりのオゾン発生量G
minとn
max+1との積がオゾンの量QC以上になるような最小の整数n
maxを計算する。そして、稼働台数Nをn
max+1とする。この場合、稼働台数Nは最大のn
min+1となる。
【0075】
なお、反応器に最小入力電圧Vminと最大入力電圧Vmax間の電圧を印加する場合には、最小入力電圧Vminと最大入力電圧Vmaxにそれぞれ対応する稼動台数n
max+1とn
min+1に対して当該印加する電圧を内挿することによって対応する稼働台数Nを決定することができる。
【0076】
(3)反応器に最小入力電圧Vminを印加し、より正確に稼働台数を決める場合
QC≦(G
min+g/n)n → N=n
オゾンの量QCを最小入力電圧Vminを印加したGminで割った端数(剰余)gをn台の反応器で分担する。そして、不等式を満たすような最小の整数nを計算し、稼働台数Nをnとする。この方法は、オゾン発生部14において故障した反応器が増え、稼動できる反応器の数が少なくなったときに有益である。
【0077】
なお、反応器に最大入力電圧Vmaxを印加し、より正確に稼働台数を決める場合にも、同様に稼働台数Nを決定することができる。また、最小入力電圧Vminと最大入力電圧Vmax間の電圧を印加し、より正確に稼働台数を決める場合にも、前述と同様に内挿を用いて当該電圧に対応する稼働台数Nを決定することができる。
【0078】
ステップS15において、制御部15は、反応器14
1〜14
mの稼動状況を管理する。
図8は、ステップS15の稼動状況管理の工程の流れを示すフローチャートである。
【0079】
ステップS41において、制御部15は、記憶部16から、各反応器14
1〜14
mについての、以前の時刻における積算稼働時間を読み出す。そして、図示しないクロックを参照し、稼動している反応器について現在時刻までの経過時間を加えた現在時刻の積算時間に更新して記憶部16に格納する。また、反応器14
1〜14
mのいずれか又は全部を交換した場合には、該当する積算稼働時間をリセットする。
【0080】
ステップS42において、制御部15は、故障した反応器を検出する。そして、新たに故障した反応器を発見すると、記憶部16から故障した反応器を記録した情報を読み出し、新たに発見した故障した反応器の情報を追加して記憶部16に格納する。
【0081】
図4に戻り、ステップS16において、制御部15は、ステップS15の稼働台数Nの計算とステップS15の稼動状況管理に基づいて反応器を制御する。
【0082】
制御部15は、記憶部16からステップS14において格納した稼働台数Nと、ステップS15において格納した積算時間及び故障した反応器の情報を読み出す。
【0083】
そして、制御部15は、故障した反応器を除いた残りの反応器について、積算稼働時間が平準化されるように、積算稼働時間が小さいものから順に稼働台数Nの反応器をオンとして稼動させ、その他の反応器の反応器をオフとして稼動させないようにする。反応器のオン/オフ制御には、電子管、半導体素子などの公知技術を利用することができる。また、必要な場合、オン制御する反応器に印加する電圧を最小入力電圧Vminと最大入力電圧Vmax間で変化させることもできる。
【0084】
ここで、反応器については所定の寿命が想定されるが、反応器の積算稼働時間を平準化することにより、複数の各反応器14
1〜14
mにおける稼動可能な資源を有効に利用することができる。また、オゾン発生装置1の使用を開始してから所定積算稼働時間の経過後に反応器を一斉に交換するなどの管理が容易になる。
【0085】
ステップS17においては、制御部15は、運転席110のキー111がオフとされたかどうか判別する。
【0086】
キー111がオフとされていない場合には、制御部は、前のステップS13に制御を戻す。キー111がオフとされない限り、制御部15は、このループを一定時間ごとに繰り返す。
【0087】
キー111がオフとされた場合には、制御部15は、この一連の工程を終了する。キー111がオフとされると、イグニッションスイッチもオフとされ、内燃機関21の運転も停止する。
【0088】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、NOx分解触媒22の後段に、NOx分解触媒22から排出されたガスのオゾン濃度を検出する検出器(第2の検出手段)を有する。制御部15は、検出器(第2の検出手段)で検出されたオゾン濃度が高くなるとオゾン発生量を減らし、オゾン濃度が低くなるとオゾン発生量を増やすようにオゾン発生部14をフィードバック制御する。他の構成については、第1の実施の形態と同様である。
【0089】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、NOx分解触媒22の後段に、NOx分解触媒22から排出されたガスのNOx濃度を検出する検出器(第3の検出手段)を有する。制御部15は、検出器(第3の検出手段)で検出されたNOx濃度が高くなるとオゾン発生量を増やし、NOx濃度が低くなるとオゾン発生量を減らすようにオゾン発生部14をフィードバック制御する。他の構成については、第1の実施の形態と同様である
【0090】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、運転席110におけるアクセルの踏み込み量、図示しない燃料タンクに付属した検出器による燃料減少速度、内燃機関21のシリンダヘッドの切り欠き位置調整用ラックの回転位置の少なくとも1つを検出する検出器(第4の検出手段)を有する。制御部は、このように検出した燃料タンクに付属した検出器による燃料減少速度、内燃機関21のシリンダヘッドの切り欠き位置調整用ラックの回転位置の少なくとも1つを、内燃機関21の負荷とする。
【0091】
制御部15は、内燃機関21の回転数とともに、または内燃機関21の回転数に代わって前記内燃機関21の負荷を利用することができる。他の構成については、第1の形態と同様である。
【0092】
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態は、オゾン発生部14を構成する複数の反応器14
1〜14
mのうち所定数が故障すると、制御部15が運転席110のアラーム112を駆動して運転手に警報を発するように制御するものである。
【0093】
前記所定数は、十分なNOx分解にはオゾン発生量が不足するような、NOx分解性能の確保に不足する数とすることができる。他の構成については、第1の形態と同様である。
【0094】
なお、上述した実施の形態は、本発明の具体例を示すものであり、本発明を限定するものではない。