特許第5794136号(P5794136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794136
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】通信機および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-278529(P2011-278529)
(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公開番号】特開2013-131833(P2013-131833A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】西川 延良
【審査官】 速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−341055(JP,A)
【文献】 特開平11−186938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調手段と、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行ってデータシンボルを生成するIFFT手段と、
所定の基準信号および前記データシンボルを含む送信フレームを生成する生成手段と、
所定の基準に従って前記基準信号または前記送信フレーム内の1の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を加算する演算を行う演算手段と、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記データシンボルを前記入力データとして前記演算手段の処理を繰り返し行う制御手段と、
前記演算手段で演算を施した前記データシンボルを含む前記送信フレームを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信機。
【請求項2】
前記演算手段は、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を加算する演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信機。
【請求項3】
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
所定の基準信号およびデータシンボルを含む送信フレームを受信する受信手段と、
所定の基準に従って前記基準信号、前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボル、または逆演算手段で演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を減算する演算を行う逆演算手段と、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算手段の処理を行った後に、対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記逆演算手段で演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算手段の処理を繰り返し行う受信側制御手段と、
前記逆演算手段で演算を施した前記データシンボルを直並列変換し、高速フーリエ変換を行ってサブキャリア変調信号を生成するFFT手段と、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調手段と、
を備えることを特徴とする通信機。
【請求項4】
前記逆演算手段は、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を減算する演算を行うことを特徴とする請求項3に記載の通信機。
【請求項5】
前記逆演算手段は、前記入力データの符号を示す情報と前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルとの間にある所定の相関関係を利用して、前記データシンボルの同期位置を検出して該データシンボルを抽出し、前記演算を行うことを特徴とする請求項4に記載の通信機。
【請求項6】
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調ステップと、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行ってデータシンボルを生成するIFFTステップと、
所定の基準信号および前記データシンボルを含む送信フレームを生成する生成ステップと、
所定の基準に従って前記基準信号または前記送信フレーム内の1の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を加算する演算を行う演算ステップと、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記データシンボルを前記入力データとして前記演算ステップの処理を繰り返し行う制御ステップと、
前記演算ステップで演算を施した前記データシンボルを含む前記送信フレームを送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項7】
前記演算ステップにおいて、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を加算する演算を行うことを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
所定の基準信号およびデータシンボルを含む送信フレームを受信する受信ステップと、
所定の基準に従って前記基準信号、前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボル、または逆演算ステップで演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を減算する演算を行う逆演算ステップと、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算ステップの処理を行った後に、対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記逆演算ステップで演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算ステップの処理を繰り返し行う受信側制御ステップと、
前記逆演算ステップで演算を施した前記データシンボルを直並列変換し、高速フーリエ変換を行ってサブキャリア変調信号を生成するFFTステップと、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項9】
前記逆演算ステップにおいて、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を減算する演算を行うことを特徴とする請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記逆演算ステップにおいて、前記入力データの符号を示す情報と前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルとの間にある所定の相関関係を利用して、前記データシンボルの同期位置を検出して該データシンボルを抽出し、前記演算を行うことを特徴とする請求項9に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の通信では、入力信号をサブキャリア変調し、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)を行い、ベースバンド信号を生成する。そのため、サブキャリアの数が増え、FFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)サイズが大きくなると、大きなピークを持つベースバンド信号が生成され、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなるという性質を持っている。PAPRが高くなると、信号を歪みなく伝送するために広範囲において線形性を有する増幅器が必要となる。そこでPAPRを低減するための技術が開発されている。
【0003】
特許文献1では、PAPRを低減するため、IFFTを行う前に逐次決定法により算出した最適位相に基づきサブキャリア変調信号の位相を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−165781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
OFDM方式の通信では、PAPRを低減することが課題となっている。特許文献1では、PAPRを低減する最適位相を算出するために繰り返し計算処理を行い、サブキャリアごとに位相を制御する必要がある。
【0006】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、OFDM方式の通信において、PAPRを低減し、さらにPAPRを低減するための処理を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調手段と、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行ってデータシンボルを生成するIFFT手段と、
所定の基準信号および前記データシンボルを含む送信フレームを生成する生成手段と、
所定の基準に従って前記基準信号または前記送信フレーム内の1の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を加算する演算を行う演算手段と、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記データシンボルを前記入力データとして前記演算手段の処理を繰り返し行う制御手段と、
前記演算手段で演算を施した前記データシンボルを含む前記送信フレームを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記演算手段は、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を加算する演算を行う。
【0009】
本発明の第2の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
所定の基準信号およびデータシンボルを含む送信フレームを受信する受信手段と、
所定の基準に従って前記基準信号、前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボル、または逆演算手段で演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を減算する演算を行う逆演算手段と、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算手段の処理を行った後に、対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記逆演算手段で演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算手段の処理を繰り返し行う受信側制御手段と、
前記逆演算手段で演算を施した前記データシンボルを直並列変換し、高速フーリエ変換を行ってサブキャリア変調信号を生成するFFT手段と、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記逆演算手段は、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を減算する演算を行う。
【0011】
好ましくは、前記逆演算手段は、前記入力データの符号を示す情報と前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルとの間にある所定の相関関係を利用して、前記データシンボルの同期位置を検出して該データシンボルを抽出し、前記演算を行う。
【0012】
本発明の第3の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調ステップと、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行ってデータシンボルを生成するIFFTステップと、
所定の基準信号および前記データシンボルを含む送信フレームを生成する生成ステップと、
所定の基準に従って前記基準信号または前記送信フレーム内の1の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を加算する演算を行う演算ステップと、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記データシンボルを前記入力データとして前記演算ステップの処理を繰り返し行う制御ステップと、
前記演算ステップで演算を施した前記データシンボルを含む前記送信フレームを送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記演算ステップにおいて、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルに、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を加算する演算を行う。
【0014】
本発明の第4の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
所定の基準信号およびデータシンボルを含む送信フレームを受信する受信ステップと、
所定の基準に従って前記基準信号、前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボル、または逆演算ステップで演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルである入力データの符号の正負を判定し、前記送信フレーム内で前記入力データに対して定められた位置にある前記入力データ以外の前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した実数である所定の振幅値を減算する演算を行う逆演算ステップと、
対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記基準信号または前記送信フレーム内の定められた位置にある前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算ステップの処理を行った後に、対応づけられた前記定められた位置にある前記データシンボルが存在する前記逆演算ステップで演算を施した前記送信フレーム内の前記データシンボルを前記入力データとして前記逆演算ステップの処理を繰り返し行う受信側制御ステップと、
前記逆演算ステップで演算を施した前記データシンボルを直並列変換し、高速フーリエ変換を行ってサブキャリア変調信号を生成するFFTステップと、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記逆演算ステップにおいて、前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルから、前記入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した前記所定の振幅値を減算する演算を行う。
【0016】
好ましくは、前記逆演算ステップにおいて、前記入力データの符号を示す情報と前記送信フレーム内で前記入力データの直後に位置する前記データシンボルとの間にある所定の相関関係を利用して、前記データシンボルの同期位置を検出して該データシンボルを抽出し、前記演算を行う。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、OFDM方式の通信において、PAPRを低減し、さらにPAPRを低減するための処理を簡易化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。
図3】実施の形態における送信側でのデータシンボルの演算例を示す図である。
図4】実施の形態における送信演算の例を示す図である。
図5】実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態における受信側でのデータシンボルの演算例を示す図である。
図7】実施の形態における受信演算の例を示す図である。
図8】実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】ランダム信号でシミュレーションしたPAPRの特性を示す図である。
図10】同一信号でシミュレーションしたPAPRの特性を示す図である。
図11】シミュレーションした相関分析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。以下の説明において、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)は、IFFTとIDFT(Inverse Discrete Fourier Transformation:逆離散フーリエ変換)を含む概念とする。したがって本発明の実施の形態においては、IFFTの代わりに、IDFTを行うよう構成してもよい。同様にFFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)は、FFTとDFT(Discrete Fourier Transformation:離散フーリエ変換)を含む概念とする。またIDFTおよびDFTを行う場合は、以下の説明におけるFFTサイズとは、DFTのサイズを意味する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。通信機1は、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の無線通信により他の機器と通信を行う。通信機1は、アンテナ10、変調部11、直並列変換部12、IFFT部13、演算部14、送信部15、およびコントローラ20を備える。
【0021】
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)21、RAM(Random Access Memory)23、およびROM(Read-Only Memory)24を備える。複雑化を避け、理解を容易にするために、コントローラ20から各部への信号線が省略されているが、コントローラ20は通信機1の各部にI/O(Input/Output)22を介して接続しており、それらの処理の開始、終了、処理内容の制御を行う。
【0022】
RAM23には、例えば送信フレームを生成するためのデータが記憶されている。ROM24は、コントローラ20が通信機1の動作を制御するための制御プログラムを格納する。コントローラ20は、制御プログラムに基づいて、通信機1を制御する。
【0023】
図2は、実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。上述の通信機1に受信機能をもたせるため、図2に示す通信機1はさらに復調部31、並直列変換部32、FFT部33、逆演算部34、受信部35、および送受信切替部36を備える。送信機能および受信機能を備える図2に示す通信機1を用いて、通信機1が行う通信方法について以下に説明する。
【0024】
変調部11は、入力信号を所定の変調方式で変調し、変調信号を生成し、直並列変換部12に送る。変調方式として、例えばQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying:四位相偏移変調)を用いる。直並列変換部12は、変調信号を直並列変換して並列信号を生成し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する。そして、サブキャリア変調信号をIFFT部13に送る。
【0025】
IFFT部13は、サブキャリア変調信号のIFFTを行い、データシンボルを生成して演算部14に送る。演算部14は、プリアンブル、所定の基準信号およびデータシンボルを含む送信フレームを生成する。所定の基準信号は、PAPRが低い信号であり、データ長は可変であっても固定であっても構わない。所定の基準信号として、例えば任意のCAZAC(Constant Amplitude Zero Auto-Correlation)系列の要素を用いる。図3は、実施の形態における送信側でのデータシンボルの演算例を示す図である。基準信号をuとし、1つの送信フレームに含まれるデータシンボルの数をmとして各データシンボルをu(1≦k≦m)とすると、送信フレームの構成は図3の上段に示すような構成となる。すなわち、演算部14は、IFFT部13から受け取ったm個のデータシンボルを含む送信フレームを生成する。
【0026】
なお例えば先頭のデータシンボルなどの所定の位置のデータシンボルを基準信号として用いるよう構成してもよい。その場合には、先頭のデータシンボルには以下に説明する送信演算を施さない。
【0027】
演算部14は、所定の基準に従って基準信号または送信フレーム内の1のデータシンボルである入力データの符号の正負を判定し、送信フレーム内で入力データに対して定められた位置にある入力データ以外のデータシンボルに、入力データの符号の正負に基づき所定の規則に従って符号を設定した所定の振幅値を加算する送信演算処理を行う。演算部14は、対応づけられた上述の定められた位置にあるデータシンボルが存在する基準信号またはデータシンボルを入力データとして送信演算処理を繰り返し行う。
【0028】
演算部14は、例えば1シンボル期間にわたって基準信号またはデータシンボルを積分し、積分した結果が0以上であれば符号は正であると判定し、積分した結果が0未満であれば符号は負であると判定する。送信演算を施す対象となる入力データに対して定められた位置にある入力データ以外のデータシンボルは重複せず、対象となるデータシンボルに加えられる送信演算は1回のみである。演算部14は、例えば送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルに送信演算を施す。所定の規則に従って符号を設定した所定の振幅値とは、例えば入力データと同じ符号を設定した所定の振幅値である。送信演算処理の繰り返しにおいて、所定の振幅値はある一定の値である。受信側では所定の振幅値についての情報を保持しているものとする。演算部14は、例えば以下のように送信演算処理を行う。
【0029】
図4は、実施の形態における送信演算の例を示す図である。k=1の場合、演算部14は、uk−1である基準信号uの符号の正負を判定し、基準信号uの符号を示すuを生成する。uには、例えば演算部14が基準信号の符号が正であると判定した場合には1、負であると判定した場合には−1が設定されている。これは以下の式においても同様である。演算部14は、uに所定の振幅値gを乗じる。g・uは、基準信号と同じ符号を設定した所定の振幅値である。そして基準信号の直後に位置するデータシンボルuに、g・uを加算した演算結果u’は、下記(1)式で表される。
【0030】
【数1】
【0031】
同様に、k=2の場合には、演算結果u’は、下記(2)式で表される。
【0032】
【数2】
【0033】
したがって、各データシンボルの演算結果u’は、下記(3)式で表される。
【0034】
【数3】
【0035】
演算部14は、上述の送信演算処理をk=1からk=mまで繰り返し行い、図3に示すように送信フレームの各データシンボルに対して送信演算を施す。
【0036】
なお送信演算を施す対象となる定められた位置にあるデータシンボルは、データシンボルの位置を特定するための情報が受信側で保持されているのであれば、送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルでなくてもよい。例えば、入力データより2つ後ろに位置するデータシンボルを対象としてもよい。送信演算を施す対象となる所定のデータシンボルが、送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルである場合には、送信側で順に上述の送信演算を施し、受信側では後述するように受信した送信フレームのデータシンボルに順に受信演算を施すことで送信演算を施す前のデータシンボルを復元することができるので、PAPRを低減するための処理が簡易である。またシンボル同期を行うことが可能となる。
【0037】
演算部14は、基準信号またはデータシンボルの符号と異なる符号を設定した所定の振幅値を加算するよう構成してもよい。
【0038】
各データシンボルに演算を施した送信フレームは、図3の下段に示されるように、プリアンブル、基準信号u、各データシンボルの演算結果u’から構成される。演算部14は、演算を施したデータシンボルを含む送信フレームを送信部15に送る。送信部は、送受信切替部36およびアンテナ10を介して他の機器に送信フレームを送信する。
【0039】
図5は、実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。変調部11は入力信号を所定の変調方式で変調して変調信号を生成し、直並列変換部12は、変調信号を直並列変換して並列信号を生成し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する(ステップS110)。IFFT部13は、サブキャリア変調信号のIFFTを行い、データシンボルを生成する(ステップS120)。
【0040】
演算部14は、プリアンブル、所定の基準信号および複数のデータシンボルを含む送信フレームを生成する(ステップS130)。演算部14は、所定の基準に従って基準信号の符号の正負を判定し、uを生成する(ステップS140)。ここで演算対象となるデータシンボルの位置を特定するためのkを1に設定する(ステップS150)。
【0041】
演算部14は、k=1の場合について、所定の基準に従ってデータシンボルuの符号の正負を判定し、uを生成する(ステップS160)。そして、演算部14は、uk−1に所定の振幅値gを乗算した値をデータシンボルuに加算した演算結果u’を生成する(ステップS170)。ここで、kは予め定めた送信フレームに含まれるデータシンボルの個数mより小さいため(ステップS180:NO)、kに1を加算して(ステップS190)、ステップS160に戻って上述の処理を繰り返す。
【0042】
上述の処理を繰り返してkがmに達した場合には(ステップS180:YES)、送信部15は、演算を施したデータシンボルを含む送信フレームを他の機器に送信する(ステップS200)。
【0043】
受信側での処理を以下に説明する。受信部35は、アンテナ10および送受信切替部36を介して送信フレームを受信し、逆演算部34に送る。
【0044】
図6は、実施の形態における受信側でのデータシンボルの演算例を示す図である。逆演算部34が受け取る送信フレームは図6の上段に示されるように、プリアンブル、基準信号u、各データシンボルu’(1≦k≦m)から構成される。
【0045】
逆演算部34は、所定の基準に従って基準信号、送信フレーム内の定められた位置にあるデータシンボル、または受信演算を施した送信フレーム内のデータシンボルである入力データの符号の正負を判定し、送信フレーム内で入力データに対して定められた位置にあり、入力データと異なるデータシンボルから、入力データの符号に基づき所定の規則に従って符号を設定した所定の振幅値を減算する受信演算処理を行う。逆演算部34は、対応づけられた上述の定められた位置にあるデータシンボルが存在する基準信号または送信フレーム内の定められた位置にあるデータシンボルを入力データとして受信演算処理を行った後に、対応付けられた上述の定められた位置にあるデータシンボルが存在する受信演算を施したデータシンボルを入力データとして受信演算処理を繰り返し行う。
【0046】
例えば、基準信号および偶数番目に位置するデータシンボルの符号に基づき、奇数番目に位置するデータシンボルにのみ送信演算を加えた場合は、受信側では偶数番目に位置するデータシンボルの符号に基づき、奇数番目に位置するデータシンボルに受信演算を加える。この場合には、送信フレーム内の定められた位置にあるデータシンボルである偶数番目のデータシンボルを入力データとして受信演算処理を行う。
【0047】
逆演算部34は、送信側の演算部14が行った符号の正負の判定と同じ判定を行う。また定められた位置にあるデータシンボルとは、送信側の演算部14で送信演算を施す対象となるデータシンボルを特定する方法と同様の方法で特定されるデータシンボルであり、例えば送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルである。所定の規則に従って符号を設定した所定の振幅値とは、送信側の演算部14と同じ所定の規則に従って符号を設定した同じ所定の振幅値であり、例えば入力データと同じ符号を設定した所定の振幅値である。
【0048】
図7は、実施の形態における受信演算の例を示す図である。k=1の場合、逆演算部34は、rk−1である基準信号rの符号の正負を判定し、基準信号rの符号を示すrを生成する。rには、例えば逆演算部34が基準信号の符号が正であると判定した場合には1、負であると判定した場合には−1が設定されている。これは以下の式においても同様である。逆演算部34は、rに所定の振幅値gを乗じる。g・rは、基準信号と同じ符号を設定した所定の振幅値である。そして基準信号の直後に位置するデータシンボルu’から、g・rを減算した演算結果rは、下記(4)式で表される。
【0049】
【数4】
【0050】
ここで、図6に示すようにr=uであること、および上記(1)式により、上記(4)式から下記(5)式が導き出され、rはuに一致する。
【0051】
【数5】
【0052】
k=2の場合には、逆演算部34は、上述の演算を施したデータシンボルrの符号の正負を判定し、データシンボルrの直後に位置するデータシンボルu’からrの符号と同じ符号を設定した所定の振幅値を減算する。演算結果rは、下記(6)式で表される。
【0053】
【数6】
【0054】
ここで上述のとおり、r=uであること、および上記(2)式から、rはuに一致することが導き出される。したがって、各データシンボルの演算結果rは、下記(7)式で表され、rはuに一致する。
【0055】
【数7】
【0056】
逆演算部34は、上述の受信演算処理をk=1からk=mまで繰り返し行い、図6に示すように送信フレームの各データシンボルに対して受信演算を施す。そして図6の下段に示される、演算を施したデータシンボルr(1≦k≦m)をFFT部33に送る。
【0057】
FFT部33は、データシンボルを直並列変換してFFTを行い、サブキャリア変調信号を生成し、並直列変換部32に送る。並直列変換部32は、サブキャリア変調信号を並直列変換し、直列信号を生成して復調部31に送る。復調部31は、直列信号を所定の復調方式で復調する。例えば、復調部31は直列信号のQPSK復調を行う。これにより変調部11で変調した入力信号を復調部31で復調して出力することができる。
【0058】
図8は、実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。受信部35は、アンテナ10および送受信切替部36を介して送信フレームを受信する(ステップS310)。逆演算部34は、所定の基準に従って送信フレームに含まれる所定の基準信号の符号の正負を判定し、rを生成する(ステップS320)。ここで演算対象となるデータシンボルの位置を特定するためのkを1に設定する(ステップS330)。
【0059】
逆演算部34は、k=1の場合について、データシンボルu’からrk−1に所定の振幅値gを乗算した値を減算した演算結果r’を生成する(ステップS340)。そして、逆演算部34は、所定の基準に従ってデータシンボルrの符号の正負を判定し、rを生成する(ステップS350)。ここで、kは予め定めた送信フレームに含まれるデータシンボルの個数mより小さいため(ステップS360:NO)、kに1を加算して(ステップS370)、ステップS340に戻って上述の処理を繰り返す。
【0060】
上述の処理を繰り返してkがmに達した場合には(ステップS360:YES)、演算を施したデータシンボルを直並列変換してFFTを行い、サブキャリア変調信号を生成する(ステップS380)。並直列変換部32はサブキャリア変調信号を並直列変換し、復調部31は直列信号を所定の復調方式で復調する(ステップS390)。
【0061】
なお上述の例のように、送信側の演算部14で入力データと同じ符号を設定した所定の振幅値を送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルに加算した場合には、逆演算部34でシンボル同期を行うよう構成してもよい。入力データの符号を示す情報である上記(3)式のuk−1と入力データの直後に位置するデータシンボルである上記(3)式のuの間に正の相関がある。そこで逆演算部34は、入力データとの相関分析を行い、相関値が所定の値以上である正のピークが原点に現れるかどうかに基づき、送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルuの同期位置を検出し、データシンボルuを抽出する。そして、逆演算部34は、データシンボルuに上述の受信演算を施す。また送信側の演算部14で入力データと異なる符号を設定した所定の振幅値を送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルに加算した場合には、上記(3)式のuk−1と入力データの直後に位置するデータシンボルである上記(3)式のuの間に負の相関があることを利用して、同様にシンボル同期を行うことができる。
【0062】
以上説明したとおり、本発明の実施の形態に係る通信機1によれば、OFDM通信方式において、サブキャリアごとに位相制御するといった処理が不要であり、PAPRを低減するための処理を簡易化することが可能となる。また基準信号またはデータシンボルの符号を示す情報と基準信号またはデータシンボルの直後に位置するデータシンボルとの間にある相関を利用して、該データシンボルの同期位置を検出することが可能となる。
【0063】
(具体例)
次に、シミュレーションにより本実施の形態に係る発明の効果を説明する。OFDM通信方式においては、入力信号が、例えば全て0もしくは1であるデータまたは10もしくは01が交互に繰り返されるデータのように、データシンボルが同一である同一信号の場合に、各サブキャリア変調信号の位相が一致するため、ベースバンド信号のPAPRが最大となる。PAPRの最大値を低減することで、増幅器において線形性が求められる範囲を狭めることができる。
【0064】
図9は、同一信号でシミュレーションしたPAPRの特性を示す図である。横軸がFFTサイズであり、縦軸がPAPR(単位:dB)である。入力信号に同一信号を用いて、従来技術と本実施の形態に係る発明について、ベースバンド信号を生成し、PAPRを算出するシミュレーションを行った。変調方式としてQPSKを用い、FFTサイズを4、8、16、32、64、128、256、512、1024、2048と変えて繰り返しシミュレーションを行い、各FFTサイズにおけるPAPRの平均値をプロットした。従来技術とは、演算部14において上述のような演算を加えずにサブキャリア変調信号からベースバンド信号を生成する方法である。本実施の形態に係る発明については、所定の振幅値を、50をFFTサイズで除算した値とし、FFTサイズの変更に応じて所定の振幅値も変更してシミュレーションを行った。また本実施の形態に係る発明については、各FFTサイズにおいて図4に示すuk−1とuを異なるランダム信号から生成し、演算結果u’のPAPRを算出することを100回繰り返した。
【0065】
図9において、従来技術のPAPRはプロット点を四角で表した実線のグラフであり、本実施の形態のPAPRはプロット点を三角で表した点線のグラフである。本実施の形態においては、全てのFFTサイズについてPAPRが低減されている。FFTサイズが16の場合には、従来技術のPAPRが12.0dBであるのに対し、本実施の形態のPAPRは1.6dBであり、PAPRが10.4dB低減されている。またFFTサイズが2048の場合には、従来技術のPAPRが33.1dBであるのに対し、本実施の形態のPAPRは28.0dBであり、PAPRが5.1dB低減されている。
【0066】
図10は、ランダム信号でシミュレーションしたPAPRの特性を示す図である。入力信号を同一信号でないランダム信号に変えて、同様のシミュレーションを行った。図10において、従来技術のPAPRはプロット点を四角で表した実線のグラフであり、本実施の形態のPAPRはプロット点を三角で表した点線のグラフである。本実施の形態においては、全てのFFTサイズについてPAPRが低減されている。FFTサイズが16の場合には、従来技術のPAPRが5.2dBであるのに対し、本実施の形態のPAPRは0.6dBであり、PAPRが4.6dB低減されている。またFFTサイズが2048の場合には、従来技術のPAPRが9.1dBであるのに対し、本実施の形態のPAPRは6.9dBであり、PAPRが2.2dB低減されている。本実施の形態によれば、入力信号が同一信号である場合だけでなくランダム信号である場合にも、PAPRが低減されている。
【0067】
したがって、PAPRを低減するための処理を簡易化した本実施の形態に係る発明によれば、OFDM通信方式において、PAPRを低減できることがわかった。
【0068】
図11は、シミュレーションした相関分析の結果を示す図である。FFTサイズを256、512、1024、2048と変えて、受信側において、逆演算部34の入力データである受信演算を施したデータシンボルの符号を示す情報と、送信フレーム内で該データシンボルの直後に位置するデータシンボルとの間で相関分析のシミュレーションを行った。図11に示すように、いずれのFFTサイズにおいても原点に正のピークが現れている。したがって、本実施の形態においては、入力データの符号を示す情報と、送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルとの間にある相関を利用して、送信フレーム内で入力データの直後に位置するデータシンボルの同期位置を検出することができることがわかった。
【0069】
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。変調部11の変調方式は、QPSKに限られず、QPSK以外のPSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直角位相振幅変調)などを用いることができる。変調部11と直並列変換部12の順序を変えて、入力信号を直並列変換してサブキャリア信号に割り当て、並列信号の各データを所定の変調方式で変調するよう構成してもよい。その場合、受信側では復調部31と並直列変換部32の順序を変えて、復調処理を行う。
【0070】
IFFT部13は、IFFTの代わりにIDFTを行うよう構成してもよいし、FFT部33は、FFTの代わりにDFTを行うよう構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 通信機
10 アンテナ
11 変調部
12 直並列変換部
13 IFFT部
14 演算部
15 送信部
20 コントローラ
21 CPU
22 I/O
23 RAM
24 ROM
31 復調部
32 並直列変換部
33 FFT部
34 逆演算部
35 受信部
36 送受信切替部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11