【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1の照明装置20は、
図1に示すように、自動車のインストルメントパネル10に組み込まれて使用される。具体的には、助手席(図示略)の前方に位置するグローブボックス11の上方に形成されている段部12の上方に取付けられて、段部12の下方を照らす。また、グローブボックス11が開けられた時には、グローブボックス11内を照らす照明としても機能する。
【0028】
照明装置20は、
図2〜9に示すように、光源としてLED22が内蔵された光源体21と、光源体21からの光が入射され、出射面31から出射する導光体30と、導光体30を覆うリフレクタ50を有するハウジング40とを備えている。
【0029】
光源体21は、樹脂からなる略直方体状の筐体23の内部にLED22が設けられており、LED22の発光面と対峙する筐体23の壁面には開口が設けられ、この開口の周囲には導光体30の一端部を支持す取付壁25が外部に向かって突設されている。
【0030】
導光体30は略無色透明なPMMAからなる略四角棒状である。導光体30は、光源体21側の一端面がLED22の光を入射する入射面37であり、反対側の他端面が入射対向面39である。導光体30の四側面は、一側面が出射面31であり、出射面31に対向する一側面が対向反射面32であり、残りの二側面が横反射面28である。
【0031】
入射面37は、リフレクタ50(後述する照射口41が開口しているハウジング40の部位)の端より光源体21側に位置し、出射面31側の端がLED22側に近付くようにして、LED22の光軸に直交する面に対して5°傾斜するように形成されて、LED22からの光が入射面37で出射面31方向に屈折するようになっている。また、入射面37の出射面31側の端と対向反射面32側の端とには面取り37bが施されている。
【0032】
導光体30は、入射対向面39側の端部の対向反射面32側を光学影響を与えないように切り欠いた、導光体30の向きを視認できて向きを間違えて組付けるのを防止するための段部38を有する。入射対向面39及び段部38の面38aには、なし地のシボ形状が形成されている。このシボ形状はリフレクタ50で反射されて入射対向面39又は段部38の面38aへ向く光を散乱させるものである。なお、図において、なし地のシボ形状は破線のクロスハッチングで示されている。
【0033】
出射面31は、後述する入射面側遮光壁48と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲と、後述する入射対向面側遮光壁49と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲とに、なし地のシボ形状34が形成されて、この範囲からの光を散乱させるようになっている。
【0034】
対向反射面32には複数(40個)の溝状凹部33か導光体30の長さ方向に略等間隔で形成されている。溝状凹部33は、導光体30の中心に向かって狭くなる略V字状で、導光体30の長さ方向と直交する方向に延びている。この略V字状で導光体30の長さ方向と直交する方向に延びている面が凹状反射面29である。凹状反射面29は、凹状反射面29で光を拡散させるため、なし地のシボ形状(シボの深さ:2〜10μm)が形成されている。
【0035】
導光体30は、入射面37側の端部に光源体21を導光体30に固定するための一対の嵌合用リブ35及び一対の嵌合爪36がそれぞれ対向配置されている。一対の嵌合用リブ35は、それぞれ横反射面28に突設され、入射面37側の端が取付壁25の先端に当接している。一対の嵌合爪36は、出射面31と対向反射面32とに突設され、取付壁25に係合している。また、取付壁25に挿入するときに導光体30の向きを合わせられるよう、出射面31に突設されている嵌合爪36は対向反射面32に突設されている嵌合爪36より入射面37側に寄っている。
【0036】
ハウジング40は樹脂より成形されている。導光体30を覆うリフレクタ50と、光源体21を収容すると共に、導光体30の入射面37側の端部を覆う光源収容部46とを有する。
【0037】
リフレクタ50は、対向反射面32を覆う対向壁部44cと、二つの横反射面28を覆う横壁部44dとからなり、出射面31側が開口した断面コ字状をなしている。この出射面31側の開口が、出射面31から出射される光が通過して照射面を照らす照射口41である。
【0038】
リフレクタ50の外面には、照明装置20をインストルメントパネル10に取り付けるための取着片47が形成されている。
【0039】
横壁部44dの内面には、リフレクタ50に収容された導光体30を係止するための複数(4個)の係止突起43が突設されている。係止突起43より対向壁部44c側の横壁部44d及び対向壁部44cには、係止突起43が設けられることでアンダーカットになっているハウジング40を型抜きするための抜き穴45が貫設されている。係止突起43は、導光体30の凹状反射面29に抜き穴45が重ならないよう、隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配されている。
【0040】
照射口41の入射面37側の端まで延びている、光源収容部46の一部である遮光体51には、出射面31方向へ延びる入射面側遮光壁48が設けられている。遮光体51は照射口41より入射面37側に位置する出射面31の部位から直角に出射される出射光を遮蔽するものである。入射面側遮光壁48は照射口41より入射面37側に位置する導光体30の部位から出射されて照射口41へ向く光を遮光するものである。また、入射対向面39側の端の壁部44fには、導光体30の入射対向面39側の端部を覆って出射面31方向へ延びる入射対向面側遮光壁49が設けられている。入射対向面側遮光壁49は入射対向面39から出射されリフレクタ50で反射されて照射口41へ向く光を遮光するものである。また、対向壁部44cの入射対向面39側の端付近の内面には、導光体30の段部38に当接する突起27が設けられている。
【0041】
本発明の実施例1の照明装置20によれば、次に示す効果が得られる。
・抜き穴45が凹状反射面29に重ならないよう、抜き穴45を隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配したことで、
図7に示すように、凹状反射面29を透過した光i1が、壁部44で遮光され、抜き穴45を通って直接ハウジング40の外部に出ないようになることから、光ロスが低減され、照明品質を高くできる。
・係止突起43が凹状反射面29に重ならないよう、係止突起43を隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配したことで、
図7に示すように、凹状反射面29で反射された光i2が係止突起43で遮光されないようになることから、効率的な照射を行うことができる。
【0042】
・ハウジング40に入射面側遮光壁48を設けたことで、
図8に示すように、照射口41より入射面37側に位置する導光体30の部位(特に、嵌合用リブ35)から出射されて照射口41へ向く光i3と、光源体21から漏れてくる光とを遮光することができ、照射口41の入射面37側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできる。
・ハウジング40に入射対向面側遮光壁49を設けたことで、
図9に示すように、導光体30の入射対向面39等から出射しハウジング40で反射して照射口41へ向く光i6を遮光することができ、照射口41の入射対向面39側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできる。
【0043】
・導光体30の入射対向面39及び段部38の面38aになし地のシボ形状を形成したことで、リフレクタで反射されて入射対向面39等へ向く光及び、
図9に示すように、導光体30の入射対向面39等から出射される光i5を散乱させることができ、受光面に生じる明暗の境界を暈すことができる。
・導光体30の入射面37を、出射面31側の端がLED22側に近付くようにして、LED22の光軸に直交する面に対して5°傾斜するように形成したことで、
図8に示すように、LED22からの光iを入射面37で出射面31方向に屈折させることができ、導光体30の入射対向面39からの光を少なくできて、照射口41の入射対向面39側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできると共に、効率的な照射を行うことができる。
【0044】
・入射面側遮光壁48と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲と、入射対向面側遮光壁49と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲との導光体30の出射面31に、なし地のシボ形状34が形成されたことで、
図8、9に示すように、この範囲からの光i4を散乱させるこができ、受光面に生じる明暗の境界を暈すことができる。
【0045】
・入射面37の出射面31側の端と対向反射面32側の端とに面取り37bが施されていることで、面取り37bの調整によって入射面37の大きさを変更でき、導光体30へ入射される光量を制御できる。
【0046】
・導光体30の入射対向面39側の端部の対向反射面32側に段部38を切り欠いたことで、照明品質が低下することなく、導光体30に方向性を持たせ、導光体30の向きを視認することができることから、導光体30の向きを間違えて組立てることを防止できる。また、段部38の幅が凹状反射面29と同じであることから、それぞれの面での配向が相似になって、対向反射面32側の端の照明品質が向上する。
【実施例2】
【0047】
本発明の実施例2の照明装置60は、
図10に示すように、丸棒状の導光体61を使用した点が実施例1の照明装置20と異なり、その他の点は照明装置20と同じである。なお、
図10において、照明装置20と同じ部位には、同じ符号を付している。
【0048】
導光体61は、凹状反射面29が形成されている(溝状凹部33が凹設されている)側面の部位(対向反射面)32を対向壁部44cに正対させてリフレクタ50に収納され、出射面31は照射口41を向いている。また、入射対向面39側の端部の対向反射面32側を光学影響を与えないように切り欠いた段部38を有する。入射対向面39及び段部38の面38aには、なし地のシボ形状が形成されている。なお、図において、なし地のシボ形状は破線のクロスハッチングで示されている。
【0049】
本発明の実施例2の照明装置60によれば、実施例1の照明装置20で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で、次のように適宜変更して具体化することもできる。
(1)
図11に示すように、長さが異なる導光体30を使用する場合に、入射面37に施されている面取り37bによって入射面37の大きさを調整して、LEDから入射される光量を導光体30の長さに応じて変化させて、共通の光源体を使用するようにする。
【0051】
(2)
図12の(a)に示すように、リフレクタ50を固定するネジ71を嵌挿するためのネジ穴72を対向壁部44cに貫設する。また、
図12の(b)に示すように、リフレクタ50に被係合物76を嵌入して固定するための嵌入穴77を対向壁部44cに貫設する。