特許第5794217号(P5794217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794217
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150928BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150928BHJP
【FI】
   F21S2/00 438
   F21S2/00 435
   F21S2/00 431
   F21S2/00 437
   F21S2/00 436
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-215684(P2012-215684)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-71978(P2014-71978A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】水城 哲
(72)【発明者】
【氏名】小川 慎一
(72)【発明者】
【氏名】梅田 幸彦
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−528636(JP,A)
【文献】 特開2001−202815(JP,A)
【文献】 特開2012−124836(JP,A)
【文献】 特開2011−003476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
G02B 6/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源体(21)と、
棒状をなし、一端面が光源体(21)の光を入射する入射面(37)とされ、他端面が入射対向面(39)とされ、側面の一部が導光体(30、61)の長さ方向に延びる出射部(31)とされ、出射部(31)以外の側面の部位に、導光体(30、61)の内部を反射する光の一部を出射部(31)に向けて反射する凹状反射面(29)が、導光体(30、61)の長さ方向に相互間隔をおいて複数形成された、透明樹脂よりなる導光体(30、61)と、
導光体(30、61)の出射部(31)以外の側面の部位を覆う壁部(44)からなる断面コ字状をなす樹脂よりなるリフレクタ(50)を含み、リフレクタ(50)の開口は出射部(31)から出射する光の照射口(41)とされたハウジング(40)とを備え、
リフレクタ(50)の壁部(44)には穴(45、72、77)が貫設され、穴(45、72、77)は導光体(30、61)の隣接する凹状反射面(29)と凹状反射面(29)との間に位置するように配された照明装置。
【請求項2】
導光体(30、61)は、照射口(41)が開口しているハウジング(40)の部位より入射面(37)側の端が突出しており、
ハウジング(40)は、照射口(41)より入射面(37)側に位置する導光体(30、61)の部位から出射されて照射口(41)へ向く光を遮光する入射面側遮光壁(48)が照射口(41)より導光体(30、61)の入射面(37)側に形成されている請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
出射部(31)のうち、入射面側遮光壁(48)と照射口(41)との境界から照射口(41)へ向かって少なくとも2mmの範囲を含み且つ最長でも10mmを超えない範囲に光散乱部(34)が設けられている請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
リフレクタ(50)は、導光体(30、61)の入射対向面(39)から出射されリフレクタ(50)で反射されて照射口(41)へ向く光を遮光する入射対向面側遮光壁(49)がリフレクタ(50)の入射対向面(39)側の端部に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
導光体(30、61)は、リフレクタ(50)で反射されて入射対向面(39)へ向く光を散乱させる光散乱部が入射対向面(39)に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
導光体(30、61)は、光源体(21)からの光が入射面(37)で出射部(31)方向に屈折するよう、入射面(37)が光源体(21)の光軸に直交する面に対して3〜7°傾斜して形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
導光体(30、61)は、入射面(37)の周囲が面取り(37b)されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
凹状反射面(29)は、導光体(30、61)の長さ方向と直交する方向に延びる溝状凹部(33)の内面であり、
導光体(30、61)は、凹状反射面(29)が形成されている側の入射対向面(39)側の端部に導光体(30、61)の向きを視認できて向きを間違えて組付けるのを防止するための凹部(38)を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体とハウジングとを用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の車内照明の光源にLED(発光ダイオード)を用いる機会が増えてきている。光源にLEDを用いた車内照明装置の中には、長尺(棒状)な導光体を用いることで線状に照らすようにしたものが提案されている(特許文献1〜4)。
【0003】
このような照明装置に用いられる導光体は、特許文献5に記載のように、一側面に、入射した光を別の側面方向に反射散乱する凹状反射面を有するV字状の溝等を複数個、導光体の長さ方向に間隔をあけて列状に配置することで、一つの側面(出射面)から光を出射するようになっている。
また、図13に示すように、このような照明装置90は、車両・パネルへの固定や光漏れ防止等のため、導光体91を覆う壁部94が断面コ字状に形成され、導光体91の長さ方向に沿うように開口した照射口93を有するハウジング92内に導光体91が収容・固定されて使用されている。
【0004】
ところで、ハウジングは、導光体の固定や軽量化等様々な目的のために穴が壁部に貫設されている。例えば、図13に示すように、ハウジング92の壁部94には導光体91を係止するための凸条のつめ(リブ)95が内面に形成される場合がある。このような場合には、リブ95がアンダーカットになっており、ハウジング92を型抜きするための抜き穴96がハウジング92の壁部94に貫設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−269492号公報
【特許文献2】特開2011−240811号公報
【特許文献3】特許第4353142号公報
【特許文献4】特許第4448744号公報
【特許文献5】特許第4463246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、導光体91に形成されたV字状の溝等の凹部97の凹状反射面と、ハウジング92に形成された抜き穴96とが重なってしまうと、図14に示すように、凹部97の凹状反射面を透過した光i1が、抜き穴96から直接ハウジング92の外部に出てしまう(漏れてしまう)ことから、照明品質の低下(特に光ロス)を招いていた。
また、照明装置90を車内照明に用いた場合には、長年の使用により、抜き穴96から埃等が入り込み凹状反射面の凹部97に積もってしまう。これにより凹状反射面の反射率が低下することで、照明品質の低下(特に光ロス)の一因となる恐れもある。
また、照射口の長さ方向の両端付近は、ハウジング内での反射光等が影響して光量が多くなっており、照明ムラが生じていた。例えば、照射口93の光源体99側の端付近は、図15に示すように、照射口93より光源体99側に位置する導光体91の部位からの光i3により光量が多くなっており、照射口93の光源体99とは反対側の端付近は、図16に示すように、導光体91の端面98からの光i5がハウジング92で反射することで光量が多くなっている。
【0007】
そこで、本発明は、ハウジングに貫設された穴からの光の漏れが少なく、照明品質が高い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、光源体と、棒状をなし、一端面が光源体の光を入射する入射面とされ、他端面が入射対向面とされ、側面の一部が導光体の長さ方向に延びる出射部とされ、出射部以外の側面の部位に、導光体の内部を反射する光の一部を出射部に向けて反射する凹状反射面が、導光体の長さ方向に相互間隔をおいて複数形成された、透明樹脂よりなる導光体と、導光体の出射部以外の側面の部位を覆う壁部からなる断面コ字状をなす樹脂よりなるリフレクタを含み、リフレクタの開口は出射部から出射する光の照射口とされたハウジングとを備え、リフレクタの壁部には穴が貫設され、穴は導光体の隣接する凹状反射面と凹状反射面との間に位置するように配されたものである。
【0009】
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
【0010】
[ハウジング]
ハウジングは、特に限定されないが、照射口が開口しているハウジングの部位より導光体の入射面側の端が突出している場合には、照射口より入射面側に位置する導光体の部位から出射されて照射口へ向く光を遮光する入射面側遮光壁が照射口より導光体の入射面側に形成されていることが好ましい。これは、照射口より入射面側に位置する導光体の部位から出射されて照射口へ向く光を遮光することで、照射口の入射面側の端付近の光量が多くなることを抑制できて、照明ムラを小さくできるからである。
【0011】
また、リフレクタは、導光体の入射対向面から出射されリフレクタで反射されて照射口へ向く光を遮光する入射対向面側遮光壁がリフレクタの入射対向面側の端部に形成されていることが好ましい。これは、入射対向面から出射されリフレクタで反射されて照射口へ向く光を遮光することで、照射口の入射対向面側の端付近の光量が多くなることを抑制できて、照明ムラを小さくできるからである。
【0012】
壁部に貫設される穴の態様は、特に限定されないが、壁部の内面にリフレクタに収容された導光体を係止するための係止突起が形成されている場合にリフレクタの樹脂成形時に係止突部がアンダーカットになっても型抜きできるようにするための抜き穴、リフレクタを肉抜きして軽量化するための抜き穴、リフレクタを固定するネジ等の固定手段を嵌挿するためのネジ穴、ハウジングに被係合物を固定又は位置決めするために嵌入する嵌入穴等を例示できる。
【0013】
[導光体]
導光体の形態は、特に限定されないが、四角棒状、丸棒状、三角棒状、断面台形の棒状等を例示できる。
【0014】
凹状反射面の態様は、特に限定されないが、導光体の長さ方向と直交する方向に延びる溝状凹部の内面や、導光体の内部に向かって形成された錐体状又は錐台状等の凹部の内面等を例示できる。
【0015】
導光体は、特に限定されないが、リフレクタで反射されて入射対向面へ向く光を散乱させる光散乱部が入射対向面に形成されていることが好ましい。これは、リフレクタで反射されて入射対向面に再入射される(戻る)光を散乱させ、輝線等の急激な照度差を抑制して、全体としての照明ムラを小さくできるからである。
【0016】
また、ハウジングに入射面側遮光壁が形成されている場合には、導光体は、出射部のうち、入射面側遮光壁と照射口との境界から照射口へ向かって少なくとも2mmの範囲を含み、且つ最長でも10mmを超えない範囲に光散乱部が設けられていることが好ましい。これは、この範囲の出射部からの光を散乱させることで、照明装置で照らされる受光面に生じる明暗の境界を暈すことができるからである。また、入射面側遮光壁と照射口との境界からの長さが2mm未満では受光面に生じる明暗の境界を暈す効果が弱くなり、この長さが10mmを超えると光が散乱される範囲が大きくなって、照明品質が低下するおそれがあるからである。
【0017】
また、ハウジングに入射対向面側遮光壁が形成されている場合には、導光体は、出射部のうち、入射対向面側遮光壁と照射口との境界から照射口へ向かって少なくとも2mmの範囲を含み、且つ最長でも10mmを超えない範囲に光散乱部が設けられていることが好ましい。これは、この範囲の出射部からの光を散乱させることで、照明装置で照らされる受光面に生じる明暗の境界を暈すことができるからである。また、入射対向面側遮光壁と照射口との境界からの長さが2mm未満では受光面に生じる明暗の境界を暈す効果が弱くなり、この長さが10mmを超えると光が散乱される範囲が大きくなって、照明品質が低下するおそれがあるからである。
【0018】
光散乱部を設ける態様は、特に限定されないが、粗面化形状(例えば、シボ形状等)の形成や、光散乱フィルムの貼付等を例示できる。
【0019】
また、導光体は、光源体からの光が入射面で出射部方向に屈折するよう、入射面が光源体の光軸に直交する面に対して3〜7°傾斜して形成されていることが好ましい。これは、光源体からの光を出射部方向に屈折させることで、入射対向面からの光が少なくなり、照射口の入射対向面側の端付近の光量が多くなることを抑制できて、照明ムラを小さくできると共に、効率的な照射を行うことができるからである。また、この角度が3°未満では、光源体からの光が入射面で曲げられる角度が小さいため、入射対向面からの光をあまり減らすことができない。一方、7°を超えると、光源体からの光が入射面で曲げられる角度が大きいため、出射部が全体的に暗くなる。
【0020】
また、導光体は、入射面の周囲が面取り加工されていることが好ましい。これは、面取り加工することで、入射面の大きさを調整することができ、導光体へ入射される光量を制御できるからである。例えば、長さが異なる導光体に同じ光源を使用する際に、面取り加工により入射面の大きさを調整することで、両導光体の明るさを容易に制御(例えば同じに明るさにする)できる。そのため、光源を共通化して、導光体のみを変えることで、所望の照明態様を得ることが可能になり、部品の共通化による低コスト化が図れる。
【0021】
また、凹状反射面が導光体の長さ方向と直交する方向に延びる溝状凹部の内面である場合には、導光体は、凹状反射面が形成されている側の入射対向面側の端部に導光体の向きを視認できて向きを間違えて組付けるのを防止するための凹部を有することが好ましい。これは、光学影響が少ないところに凹部を有することで、照明品質が低下することなく、導光体に方向性を持たせ、導光体の向きを視認することができ、導光体の向きを間違えて組立てることを防止できるからである。
【0022】
[光源体]
光源体の光源としては、特に限定されないが、LED(発光ダイオード)、EL(エレクトロルミネセンス)、LD(レーザーダイオード)、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ等を例示でき、軽量且つコンパクトで、照射方向に指向性を有し、長寿命であることから、LEDが好ましい。
【0023】
[照明装置]
照明装置は、車両の室内照明又は室外照明や、家屋の室内又は室外の照明に用いられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ハウジングに貫設された穴からの光の漏れが少なく、照明品質が高い照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例1の照明装置を組み込んだインストルメントパネルの全体図である。
図2】同照明装置を示し、(a)は照射口側から見た斜視図、(b)は取着片側から見た斜視図である。
図3】同照明装置を照射口に正対する方向から見た図である。
図4】同照明装置の要部を拡大して示し、(a)は光源体と反対側の端付近の図、(b)は抜き穴付近の図、(c)は光源体付近の図、(d)は光源体と反対側の端付近のA−A断面図、(e)は抜き穴付近のB−B端面図、(f)は光源体付近のC−C端面図である。なお、(d)、(e)、(f)は、約45°回転させた図である。
図5】同照明装置の要部を拡大して示し、(a)は光源体と反対側の端付近のD−D端面図、(b)は抜き穴付近のE−E端面図、(c)は光源体付近のF−F端面図である。
図6】同照明装置の導光体の斜視図である。
図7】同照明装置の抜き穴付近の凹状反射面における光の反射及び透過を示す図である。
図8】同照明装置の導光体の入射面付近における光の入射及び出射を示す図である。
図9】同照明装置の導光体の入射対向面付近における光の出射を示す図である。
図10】本発明の実施例2の照明装置を示し、(a)は同照明装置の導光体の入射対向面付近の斜視図、(b)は同照明装置の導光体の入射対向面付近の断面図、(c)は同照明装置の抜き穴付近の端面図、(d)は壁部の形状を変えた同照明装置の抜き穴付近の端面図である。
図11】長さが異なる導光体を示す図である。
図12】(a)はネジ穴が貫設されたリフレクタの端面図、(b)は嵌入穴が貫設されたリフレクタの端面図である。
図13】従来の照明装置を示し、(a)は照射口に正対する方向から見た図、(b)は抜き穴付近を拡大した図、(c)は抜き穴付近を照明装置の長さ方向と直交する方向に切断した端面図である。
図14】同照明装置の抜き穴付近の凹状反射面における光の透過を示す図である。
図15】同照明装置の導光体の光源体側の端付近における光の出射を示す図である。
図16】同照明装置の導光体の光源体と反対側の端付近における光の出射を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の照明装置の好適な実施形態は、光源体と、四角棒状をなし、一端面が光源体の光を入射する入射面とされ、他端面が入射対向面とされ、一側面が出射面とされ、出射面に対向する一側面が対向反射面とされ、残りの二側面が横反射面とされ、対向反射面に、導光体の内部を反射する光の一部を出射面に向けて反射する凹状反射面が、導光体の長さ方向に相互間隔をおいて複数形成された、透明樹脂よりなる導光体と、対向反射面を覆う対向壁部と二つの横反射面を覆う横壁部とからなる断面コ字状をなす樹脂よりなるリフレクタを含み、横壁部の内面にはリフレクタに収容された導光体を係止するための係止突部が形成され、リフレクタの開口は出射面から出射する光の照射口とされたハウジングとを備え、リフレクタの対向壁部又は横壁部には、リフレクタの樹脂成形時に係止突部がアンダーカットになっても型抜きできるようにするための抜き穴が貫設され、抜き穴は導光体の隣接する凹状反射面と凹状反射面との間に位置するように配されたものである。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1の照明装置20は、図1に示すように、自動車のインストルメントパネル10に組み込まれて使用される。具体的には、助手席(図示略)の前方に位置するグローブボックス11の上方に形成されている段部12の上方に取付けられて、段部12の下方を照らす。また、グローブボックス11が開けられた時には、グローブボックス11内を照らす照明としても機能する。
【0028】
照明装置20は、図2〜9に示すように、光源としてLED22が内蔵された光源体21と、光源体21からの光が入射され、出射面31から出射する導光体30と、導光体30を覆うリフレクタ50を有するハウジング40とを備えている。
【0029】
光源体21は、樹脂からなる略直方体状の筐体23の内部にLED22が設けられており、LED22の発光面と対峙する筐体23の壁面には開口が設けられ、この開口の周囲には導光体30の一端部を支持す取付壁25が外部に向かって突設されている。
【0030】
導光体30は略無色透明なPMMAからなる略四角棒状である。導光体30は、光源体21側の一端面がLED22の光を入射する入射面37であり、反対側の他端面が入射対向面39である。導光体30の四側面は、一側面が出射面31であり、出射面31に対向する一側面が対向反射面32であり、残りの二側面が横反射面28である。
【0031】
入射面37は、リフレクタ50(後述する照射口41が開口しているハウジング40の部位)の端より光源体21側に位置し、出射面31側の端がLED22側に近付くようにして、LED22の光軸に直交する面に対して5°傾斜するように形成されて、LED22からの光が入射面37で出射面31方向に屈折するようになっている。また、入射面37の出射面31側の端と対向反射面32側の端とには面取り37bが施されている。
【0032】
導光体30は、入射対向面39側の端部の対向反射面32側を光学影響を与えないように切り欠いた、導光体30の向きを視認できて向きを間違えて組付けるのを防止するための段部38を有する。入射対向面39及び段部38の面38aには、なし地のシボ形状が形成されている。このシボ形状はリフレクタ50で反射されて入射対向面39又は段部38の面38aへ向く光を散乱させるものである。なお、図において、なし地のシボ形状は破線のクロスハッチングで示されている。
【0033】
出射面31は、後述する入射面側遮光壁48と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲と、後述する入射対向面側遮光壁49と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲とに、なし地のシボ形状34が形成されて、この範囲からの光を散乱させるようになっている。
【0034】
対向反射面32には複数(40個)の溝状凹部33か導光体30の長さ方向に略等間隔で形成されている。溝状凹部33は、導光体30の中心に向かって狭くなる略V字状で、導光体30の長さ方向と直交する方向に延びている。この略V字状で導光体30の長さ方向と直交する方向に延びている面が凹状反射面29である。凹状反射面29は、凹状反射面29で光を拡散させるため、なし地のシボ形状(シボの深さ:2〜10μm)が形成されている。
【0035】
導光体30は、入射面37側の端部に光源体21を導光体30に固定するための一対の嵌合用リブ35及び一対の嵌合爪36がそれぞれ対向配置されている。一対の嵌合用リブ35は、それぞれ横反射面28に突設され、入射面37側の端が取付壁25の先端に当接している。一対の嵌合爪36は、出射面31と対向反射面32とに突設され、取付壁25に係合している。また、取付壁25に挿入するときに導光体30の向きを合わせられるよう、出射面31に突設されている嵌合爪36は対向反射面32に突設されている嵌合爪36より入射面37側に寄っている。
【0036】
ハウジング40は樹脂より成形されている。導光体30を覆うリフレクタ50と、光源体21を収容すると共に、導光体30の入射面37側の端部を覆う光源収容部46とを有する。
【0037】
リフレクタ50は、対向反射面32を覆う対向壁部44cと、二つの横反射面28を覆う横壁部44dとからなり、出射面31側が開口した断面コ字状をなしている。この出射面31側の開口が、出射面31から出射される光が通過して照射面を照らす照射口41である。
【0038】
リフレクタ50の外面には、照明装置20をインストルメントパネル10に取り付けるための取着片47が形成されている。
【0039】
横壁部44dの内面には、リフレクタ50に収容された導光体30を係止するための複数(4個)の係止突起43が突設されている。係止突起43より対向壁部44c側の横壁部44d及び対向壁部44cには、係止突起43が設けられることでアンダーカットになっているハウジング40を型抜きするための抜き穴45が貫設されている。係止突起43は、導光体30の凹状反射面29に抜き穴45が重ならないよう、隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配されている。
【0040】
照射口41の入射面37側の端まで延びている、光源収容部46の一部である遮光体51には、出射面31方向へ延びる入射面側遮光壁48が設けられている。遮光体51は照射口41より入射面37側に位置する出射面31の部位から直角に出射される出射光を遮蔽するものである。入射面側遮光壁48は照射口41より入射面37側に位置する導光体30の部位から出射されて照射口41へ向く光を遮光するものである。また、入射対向面39側の端の壁部44fには、導光体30の入射対向面39側の端部を覆って出射面31方向へ延びる入射対向面側遮光壁49が設けられている。入射対向面側遮光壁49は入射対向面39から出射されリフレクタ50で反射されて照射口41へ向く光を遮光するものである。また、対向壁部44cの入射対向面39側の端付近の内面には、導光体30の段部38に当接する突起27が設けられている。
【0041】
本発明の実施例1の照明装置20によれば、次に示す効果が得られる。
・抜き穴45が凹状反射面29に重ならないよう、抜き穴45を隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配したことで、図7に示すように、凹状反射面29を透過した光i1が、壁部44で遮光され、抜き穴45を通って直接ハウジング40の外部に出ないようになることから、光ロスが低減され、照明品質を高くできる。
・係止突起43が凹状反射面29に重ならないよう、係止突起43を隣接する凹状反射面29と凹状反射面29との間に位置するように配したことで、図7に示すように、凹状反射面29で反射された光i2が係止突起43で遮光されないようになることから、効率的な照射を行うことができる。
【0042】
・ハウジング40に入射面側遮光壁48を設けたことで、図8に示すように、照射口41より入射面37側に位置する導光体30の部位(特に、嵌合用リブ35)から出射されて照射口41へ向く光i3と、光源体21から漏れてくる光とを遮光することができ、照射口41の入射面37側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできる。
・ハウジング40に入射対向面側遮光壁49を設けたことで、図9に示すように、導光体30の入射対向面39等から出射しハウジング40で反射して照射口41へ向く光i6を遮光することができ、照射口41の入射対向面39側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできる。
【0043】
・導光体30の入射対向面39及び段部38の面38aになし地のシボ形状を形成したことで、リフレクタで反射されて入射対向面39等へ向く光及び、図9に示すように、導光体30の入射対向面39等から出射される光i5を散乱させることができ、受光面に生じる明暗の境界を暈すことができる。
・導光体30の入射面37を、出射面31側の端がLED22側に近付くようにして、LED22の光軸に直交する面に対して5°傾斜するように形成したことで、図8に示すように、LED22からの光iを入射面37で出射面31方向に屈折させることができ、導光体30の入射対向面39からの光を少なくできて、照射口41の入射対向面39側の端付近の光量が多くなることを抑制して、照明ムラを小さくできると共に、効率的な照射を行うことができる。
【0044】
・入射面側遮光壁48と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲と、入射対向面側遮光壁49と照射口41との境界から照射口41へ向かって10mmまでの範囲との導光体30の出射面31に、なし地のシボ形状34が形成されたことで、図8、9に示すように、この範囲からの光i4を散乱させるこができ、受光面に生じる明暗の境界を暈すことができる。
【0045】
・入射面37の出射面31側の端と対向反射面32側の端とに面取り37bが施されていることで、面取り37bの調整によって入射面37の大きさを変更でき、導光体30へ入射される光量を制御できる。
【0046】
・導光体30の入射対向面39側の端部の対向反射面32側に段部38を切り欠いたことで、照明品質が低下することなく、導光体30に方向性を持たせ、導光体30の向きを視認することができることから、導光体30の向きを間違えて組立てることを防止できる。また、段部38の幅が凹状反射面29と同じであることから、それぞれの面での配向が相似になって、対向反射面32側の端の照明品質が向上する。
【実施例2】
【0047】
本発明の実施例2の照明装置60は、図10に示すように、丸棒状の導光体61を使用した点が実施例1の照明装置20と異なり、その他の点は照明装置20と同じである。なお、図10において、照明装置20と同じ部位には、同じ符号を付している。
【0048】
導光体61は、凹状反射面29が形成されている(溝状凹部33が凹設されている)側面の部位(対向反射面)32を対向壁部44cに正対させてリフレクタ50に収納され、出射面31は照射口41を向いている。また、入射対向面39側の端部の対向反射面32側を光学影響を与えないように切り欠いた段部38を有する。入射対向面39及び段部38の面38aには、なし地のシボ形状が形成されている。なお、図において、なし地のシボ形状は破線のクロスハッチングで示されている。
【0049】
本発明の実施例2の照明装置60によれば、実施例1の照明装置20で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で、次のように適宜変更して具体化することもできる。
(1)図11に示すように、長さが異なる導光体30を使用する場合に、入射面37に施されている面取り37bによって入射面37の大きさを調整して、LEDから入射される光量を導光体30の長さに応じて変化させて、共通の光源体を使用するようにする。
【0051】
(2)図12の(a)に示すように、リフレクタ50を固定するネジ71を嵌挿するためのネジ穴72を対向壁部44cに貫設する。また、図12の(b)に示すように、リフレクタ50に被係合物76を嵌入して固定するための嵌入穴77を対向壁部44cに貫設する。
【符号の説明】
【0052】
20 照明装置
21 光源体
28 横反射面
29 凹状反射面
30 導光体
31 出射面
32 対向反射面
33 溝状凹部
34 シボ形状
37 入射面
37b 面取り
38 段部
39 入射対向面
40 ハウジング
41 照射口
43 係止突起
44 壁部
44c 対向壁部
44d 横壁部
45 抜き穴
48 入射面側遮光壁
49 入射対向面側遮光壁
50 リフレクタ
60 照明装置
61 導光体
図1
図2
図3
図4
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