特許第5794247号(P5794247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794247
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/10 20060101AFI20150928BHJP
   B62D 55/32 20060101ALI20150928BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B62D55/10 B
   B62D55/32
   E02F9/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-51808(P2013-51808)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-177181(P2014-177181A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2013年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020362
【氏名又は名称】コベルコクレーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳田 聡
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大雄
(72)【発明者】
【氏名】浅蔭 朋彦
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−017274(JP,A)
【文献】 特開平09−177126(JP,A)
【文献】 特開2006−069492(JP,A)
【文献】 特開2011−236653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/10
B62D 55/32
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板および側板を備える一側フレームと、
前記一側フレームに取り付けられる他側フレームと、
一端が前記一側フレームの前記側板に固定されるとともに他端が前記他側フレームに対して着脱自在であるホースと、
前記一側フレームに取り付けられ、前記一側フレームの前記天板よりも上で前記ホースを保持し、前記ホースの中心軸の向きが上下方向となるように前記ホースを保持するホース保持ブラケットと、
を備える建設機械。
【請求項2】
前記ホース保持ブラケットは、前記一側フレームに対して着脱可能に構成されるブラケット着脱部を備える、
請求項に記載の建設機械。
【請求項3】
前記ホース保持ブラケットは、
前記一側フレームに取り付けられるブラケットフレームと、
前記ブラケットフレームに取り付けられ、前記ホースを保持する複数のホース保持部と、
を備え、
前記ブラケットフレームは、前記ホース保持部がそれぞれ取り付けられた複数の単位フレームに分割可能に構成される、
請求項に記載の建設機械。
【請求項4】
天板および側板を備える一側フレームと、
前記一側フレームに取り付けられる他側フレームと、
一端が前記一側フレームの前記側板に固定されるとともに他端が前記他側フレームに対して着脱自在であるホースと、
前記一側フレームに取り付けられ、前記一側フレームの前記天板よりも上で前記ホースを保持するホース保持ブラケットと、
を備え、
前記ホース保持ブラケットは、前記一側フレームに対して着脱可能に構成されるブラケット着脱部を備え、
前記一側フレームは、足場を取り付け可能に構成される足場取付ブラケットを備え、
前記ブラケット着脱部は、前記足場取付ブラケットに着脱可能に構成される
設機械。
【請求項5】
天板および側板を備える一側フレームと、
前記一側フレームに取り付けられる他側フレームと、
一端が前記一側フレームの前記側板に固定されるとともに他端が前記他側フレームに対して着脱自在であるホースと、
前記一側フレームに取り付けられ、前記一側フレームの前記天板よりも上で前記ホースを保持するホース保持ブラケットと、
前記一側フレームに起伏可能に取り付けられる足場と、
を備え、
前記足場は、足場使用状態と、前記一側フレームに対して起きた状態である跳ね上げ格納状態と、の間で状態を変更可能であり、
前記ホース保持ブラケットは、前記ホースを保持するホース保持部を備え、
前記ホース保持部は、前記足場使用状態のときにおける前記足場の下面に取り付けられる
設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースを備える建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組立および分解が可能なフレームを備える建設機械がある(例えば特許文献1など)。特許文献1(同文献の図8参照)に記載の建設機械は、分解可能な下部走行体を備える。また、従来より、分解可能な上部旋回体を備える建設機械もある。これらの建設機械は、2つのフレーム間をつなぐ油圧ホース(以下「ホース」)を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−329748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のホースは、一端が一方のフレームに固定され、他端が他方のフレームに着脱自在とされる場合がある。このホースの他端は、建設機械が組立状態の時に接続状態とされ、建設機械が分解状態の時に非接続状態とされる。このようなホースは、適切に格納しなければ、取扱い(ホースの格納作業や接続作業など)が困難となる場合がある(詳細は後述)。
【0005】
そこで本発明は、ホースの取扱いを容易にできる建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の建設機械は、第1フレームと、前記第1フレームの前後に取り付けられる第2フレームと、前記第1フレームに対して間隔を開けて前記第1フレームの側方に配置され、前記第2フレームに取り付けられる第3フレームと、一端が前記第1フレームの側面に固定されるとともに他端が前記第3フレームに対して着脱自在であるホースと、前記第1フレームの前記側面に取り付けられ、前記側面の側方で前記ホース全体を格納するホース格納部材と、を備える。
【0007】
第2の発明の建設機械は、天板および側板を備える一側フレームと、前記一側フレームに取り付けられる他側フレームと、一端が前記一側フレームの前記側板に固定されるとともに他端が前記他側フレームに対して着脱自在であるホースと、前記一側フレームに取り付けられ、前記一側フレームの前記天板よりも上で前記ホースを保持するホース保持ブラケットと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明および第2の発明では、ホースの取扱いを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の建設機械の下部走行体を上から見た図である。
図2図1に示す下部走行体の一部を矢印IIの向きに見た斜視図である。
図3】ホース格納状態の図2相当図である。
図4】第2実施形態の建設機械の上部旋回体の斜視図である。
図5図4に示す上部旋回体の一部を示す図である。
図6図5に示す上部旋回体を矢印VIの向きに(横から)見た図である。
図7】(a):図6に示すホース保持ブラケット160を上から見た図である。(b):図7(a)のVIIb矢視図である。
図8】(a):図7(a)に示すホース保持部180を上から見た図である。(b):図8(a)のVIIIb矢視図である。
図9】第2実施形態の変形例の上部旋回体の一部を示す図である。
図10】従来の建設機械の上部旋回体を横から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図3を参照して第1実施形態の建設機械1について説明する。
【0011】
建設機械1は、いわば大型建設機械であり、輸送時や保管時に分解状態とされ、作業時に組立状態とされる。建設機械1が分解状態とされる理由は、組立状態のままでは、公道輸送の寸法制限や重量制限の範囲内に収まらない場合があるからである。建設機械1は、例えば移動式クレーンである。建設機械1は、上部旋回体(図4の上部旋回体105を参照)と、下部本体5と、を備える。
【0012】
下部本体5は、建設機械1を走行させる下部走行体であり、クローラ式である。下部本体5は、カーボディ10(第1フレーム)と、アクスル15(第2フレーム)と、クローラフレーム20(第3フレーム)と、アクチュエータ25と、配管30と、ホース格納部材60と、を備える。
【0013】
カーボディ10(第1フレーム)は、下部本体5の中央部に設けられる。カーボディ10は、上から見て例えば四角形(又は略四角形)等である。カーボディ10を構成する面には、前面10fと、後面10rと、側面10sと、がある。ここで、前面10f及び後面10rに直交する方向を前後方向Xとする。前後方向Xに直交し、かつ、水平方向と平行な方向(すなわち側面10sに直交する方向)を横方向Yとする。下部本体5の横方向Yにおける内側(下部本体5の中心線C5に近づく向き)を横方向内側Y1とする。下部本体5の横方向Yにおける外側(中心線C5から遠ざかる向き)を横方向外側Y2とする。カーボディ10は、旋回ベアリング11を備える。
【0014】
旋回ベアリング11には、下部本体5に対して上部旋回体が旋回可能となるように、上部旋回体が取り付けられる。
【0015】
アクスル15(第2フレーム)は、クローラフレーム20を支持するフレームである。アクスル15は、カーボディ10の前及び後に(合計2つ)取り付けられる。アクスル15には、前面10fに取り付けられるフロントアクスル15Fと、後面10rに取り付けられるリアアクスル15Rと、がある。アクスル15は、着脱(組立および分解)可能にカーボディ10に取り付けられる。アクスル15は、横方向Yに延び、カーボディ10の横方向外側Y2の端部よりも横方向外側Y2に突出する。
【0016】
クローラフレーム20(第3フレーム)は、クローラ(履帯)(図示なし)が取り付けられるフレームである。クローラフレーム20は、カーボディ10に対して間隔を開けて、カーボディ10の側方(横方向外側Y2)に(合計2つ)配置される。クローラフレーム20には、カーボディ10の右方に配置される右クローラフレーム20Rと、カーボディ10の左方に配置される左クローラフレーム20Lと、がある。クローラフレーム20は、アクスル15に取り付けられる。クローラフレーム20は、2つのアクスル15(フロントアクスル15F及びリアアクスル15R)それぞれに、着脱可能に取り付けられる。クローラフレーム20は、前後方向Xに延び、アクスル15よりも前及び後に突出する。
【0017】
アクチュエータ25は、建設機械1を動作させ、具体的には下部本体5を走行させる。アクチュエータ25は、油が供給されて駆動する油圧アクチュエータであり、例えば油圧モータである。アクチュエータ25は、1つのクローラフレーム20に例えば2つずつ(合計4つ)設けられる(合計2つでもよい)。アクチュエータ25は、クローラフレーム20の前後方向Xの端部(例えば両端部)に搭載される。
【0018】
配管30は、油(圧油、作動油)を流す油圧配管である。配管30は、上部旋回体に搭載された動力源(図示なし)から、アクチュエータ25に油を供給する(油圧動力を伝達する)。配管30は、アクチュエータ25から排出された油を、上部旋回体に搭載されたタンク(図示なし)に戻す。配管30には、例えば、下部本体5の前進用、後進用、及びドレン油用などがある。配管30は、カーボディ10及びクローラフレーム20に搭載される。配管30は、上流側(上部旋回体側)から順に、スイベルジョイント31と、カーボディ内配管33と、エルボ35と、カーボディ側ポート39と、ホース40と、クローラフレーム側ポート51と、アクチュエータ配管53と、を備える。配管30は、左右対称に(下部本体5の横方向Yに対称に)設けられ、前後方向Xに対称に設けられる。なお、図1では、左右の配管30のうち一方(図1における下側)にのみ、配管30の構成要素(31〜53)の符号を付している。また、図1では、複数本の配管30(図2参照)のうち一部のみ(合計4本のみ)図示している。また、図2及び図3では、複数の配管30のうち一部にのみ、配管30及びその構成要素(31〜53)の符号を付している。
【0019】
スイベルジョイント31は、図1に示すように、上部旋回体側の配管と下部本体5側の配管との接続部である。
カーボディ内配管33は、カーボディ10の内部に配置される。
エルボ35は、カーボディ10の側面10sに固定される。エルボ35は、横方向Yから前後方向Xに曲がる。
【0020】
カーボディ側ポート39は、ホース40が取り付けられる接続ポート(コネクタ)である。カーボディ側ポート39は、カーボディ10の側面10sに固定される。カーボディ側ポート39は、例えば、側面10sの前後方向X中央部に配置される。カーボディ側ポート39は、エルボ35の先端部(前端部および後端部)に固定される。
【0021】
ホース40は、カーボディ側ポート39と、クローラフレーム側ポート51と、を接続する。ホース40の一端は、カーボディ10の側面10s(カーボディ側ポート39)に固定される。ホース40とカーボディ側ポート39とは、建設機械1が分解状態のときにも接続状態とされる(常時接続状態とされる)。ホース40の他端は、クローラフレーム20(クローラフレーム側ポート51)に対して着脱自在である。ホース40とクローラフレーム側ポート51とは、建設機械1が組立状態のときは接続状態とされ、建設機械1が分解状態のときは非接続状態とされる。以下、ホース40の上記一端側を「基端側」、上記他端側を「先端側」ともいう。図2に示すように、ホース40は、例えば、本体部41と、カプラ43と、を備える。なお、図2及び図3では、フロントアクスル15Fを想像線で示し、また、左クローラフレーム20Lを図示していない。
【0022】
本体部41は、ホース40のうち、容易に曲がる部分(曲げ部、可撓性の部分)である。本体部41は、例えばゴムや繊維等で形成される。
【0023】
カプラ43は、ホース40と、クローラフレーム側ポート51(図1参照)とを着脱自在とする。カプラ43は、ホース40の先端側端部に設けられる。カプラ43は、口金具(図示なし)を介して本体部41に接続される。カプラ43は、例えば特殊な工具を用いることなく着脱が可能なもの(クイックカプラ)であり、例えばネジ等により着脱可能なものであり、また例えばワンタッチで着脱可能なもの等である。
【0024】
クローラフレーム側ポート51(図1参照)は、ホース40のカプラ43が取り付けられる接続ポート(コネクタ、カプラ)である。図1に示すように、クローラフレーム側ポート51は、クローラフレーム20の横方向内側Y1の面に固定される。クローラフレーム側ポート51は、アクスル15とクローラフレーム20との接続部の近傍(フロントアクスル15Fの後方、リアアクスル15Rの前方)に配置される。
【0025】
アクチュエータ配管53は、クローラフレーム側ポート51とアクチュエータ25とをつなぐ。
【0026】
ホース格納部材60は、図3に示すように、カーボディ10の側面10sの側方(横方向外側Y2)でホース40全体を格納する。すなわち、カーボディ10の側面10sの側方以外の位置(前面10fの前方や後面10rの後方など)でホース40が保持されなくてもホース40が地面に脱落することがないように、ホース格納部材60はホース40を保持する。ホース格納部材60は、ホース40全体を覆う必要はなく、ホース40全体に接触する必要はない。ホース格納部材60は、側面10s(いわば格納面)に取り付けられる(固定される)。図1に示すように、ホース格納部材60は、左右両方の側面10sに取付けられる。図3に示すように、1つのホース格納部材60は、前側のクローラフレーム側ポート51(図1参照)に接続されるホース40全体と、後側のクローラフレーム側ポート51(図1参照)に接続されるホース40全体と、を格納する。図2に示すように、ホース格納部材60は、側面10sの下部に取り付けられる。ホース格納部材60は、例えば、板部61と、フック63と、フック65(図3参照)と、を備える。
【0027】
板部61は、側面10sから横方向外側Y2に突出する板である。板部61は、例えば長方形であり、前後方向Xに延びる。板部61は、例えばカーボディ10の底板の一部であり、また例えば底板とは別の板でもよい。
【0028】
フック63は、板部61に複数(図2では5つ)取り付けられる。フック63は、板部61から上に突出する。複数のフック63は、柵を構成する。フック63は、板部61に対して固定されてもよく、着脱可能でもよい。
【0029】
フック65は、図3に示すように、ホース格納状態(後述)のホース40の折り曲げ部分(前後方向Xの端部付近)を保持する。フック65は、カーボディ10の例えば側面10sに取り付けられる(固定される)。
【0030】
(作業スペースS)図1に示すように、下部本体5を上から見たとき、カーボディ10の側面10sと、フロントアクスル15Fの後面と、リアアクスル15Rの前面と、クローラフレーム20の横方向内側Y1の面と、で囲まれた部分を「作業スペースS」とする。作業スペースSは、カーボディ10の左方および右方それぞれにある(図1では2つの作業スペースSのうち一方のみ示している)。作業スペースSは、下部本体5の組立及び分解の作業や、ホース40を取り扱う作業を行うときに用いられる。
【0031】
(下部本体の組立手順)
分解状態の下部本体5は、次の[1a]〜[1d]の順に組立状態とされる。
[1a]下部本体5が分解状態のとき、図3に示すように、ホース40は「ホース格納状態」である。ホース格納状態は、ホース格納部材60にホース40(の全体)が格納された状態である。ホース格納状態のときのホース40は、フック63の内側(フック63と側面10sとの間)に配置される。ホース40の屈曲部(前後方向X端部付近)は、フック65により保持される(保持されなくてもよい)。このホース格納状態により、図1に示す作業スペースSが確保される。
[1b]図3に示すホース格納状態のまま、図1に示すアクスル15が、カーボディ10の前面10f及び後面10rに取り付け(組み付け)られる。
[1c]クローラフレーム20が、アクスル15に取り付けられる。
[1d]図2に示すように、ホース40がホース格納部材60から取り出される。そして、図1に示すように、クローラフレーム側ポート51にホース40(カプラ43(図2参照))が接続される。
【0032】
(下部本体の分解手順)
組立状態の下部本体5は、次の[2a]〜[2e]の順に分解状態とされる。
[2a]図1に示すクローラフレーム側ポート51から、ホース40(カプラ43(図2参照))が取り外される。そして、図3に示すように、ホース40がホース格納状態(上述)とされる。
[2b]ホース格納状態とされた後、すなわち図1に示す作業スペースSが確保された状態で、クローラフレーム20がアクスル15から取り外される(分割される)。
[2c]アクスル15がカーボディ10から取り外される。
【0033】
(効果1)
次に、図1に示す建設機械1による効果を説明する。建設機械1は、カーボディ10(第1フレーム)と、カーボディ10の前後に取り付けられるアクスル15(第2フレーム)と、カーボディ10に対して間隔を開けてカーボディ10の側方(横方向外側Y2)に配置され、アクスル15に取り付けられるクローラフレーム20(第3フレーム)と、を備える。建設機械1は、一端がカーボディ10の側面10sに固定されるとともに他端がクローラフレーム20に対して着脱自在であるホース40と、ホース格納部材60と、を備える。
[構成1]図3に示すように、ホース格納部材60は、カーボディ10の側面10sに取り付けられ、側面10sの側方(横方向外側Y2)でホース40全体を格納する。
【0034】
ホース格納部材60は、ホース40全体を格納する(上記[構成1]参照)。よって、ホース格納部材60にホース40全体が格納された状態(ホース格納状態)のままで、図1に示すカーボディ10、アクスル15、及びクローラフレーム20どうしの組立および分解ができる。特に、ホース格納部材60が取付けられる位置がカーボディ10の(前面10fや後面10rでなく)側面10sなので、カーボディ10に対するアクスル15の組立及び分解が、ホース格納状態のままでも可能である。以下、カーボディ10、アクスル15、及びクローラフレーム20どうしの組立および分解を「組立分解A」とする。但し、「組立分解A」にはホース40のクローラフレーム側ポート51に対する着脱は含まない。
[効果1−1]ホース格納状態のままで組立分解Aができるので、作業スペースSが確保された状態で組立分解Aができる。よって、組立分解Aを容易に行える(組立分解Aの効率を向上させることができる)。
[効果1−2]また、ホース格納状態のままで組立分解Aができるので、組立分解Aのときにホース40を取り扱う作業(ホース40をポートから取り外す作業、ホース格納部材60以外の場所にホース40を置く作業など)を行う必要がない。よって、ホース40の取扱いを容易にできる。
[効果1−3]また、ホース40をクローラフレーム20に(クローラフレーム側ポート51に)接続する際、ホース格納状態から接続作業を開始できる。よって、一旦、ホース格納部材60以外の場所に(バラバラに)ホース40を配置してから上記接続作業を開始する場合に比べ、ホース40の取り扱い(取り回し作業など)を容易にできる。
【0035】
[従来技術1]上記の「(効果1)」により解決される課題について説明する。従来より、カーボディ10の周上(前面10f、後面10r、及び側面10s)にホース40が格納される建設機械がある。しかし、前面10fや後面10rにホース40が格納された状態では、カーボディ10とアクスル15との組立及び分解ができない。そのため、この組立及び分解時に、ホース40の少なくとも一部分を地面等に置く必要がある。ホース40を作業スペースSに置くと、組立分解Aの作業がしにくくなる(例えば、作業者は足元に気を配る必要が生じる)という問題がある。また、ホース40を作業スペースS以外に置くとすると、カーボディ10及びクローラフレーム20からホース40の(一端だけでなく)両端が取り外された状態にする必要がある。この場合、ポートに対するホース40の着脱作業の手間がかかる問題、バラバラに配置されたホース40をポートに接続することによりホース40の取り回しが困難になる問題、及び、後述する[ホース両端がフレームから取り外される課題](第2実施形態参照)が生じるという問題がある。
【0036】
(他の効果)
上記「第1フレーム」はカーボディ10であり、上記「第2フレーム」はクローラフレーム20である。この場合、ホース格納部材60はカーボディ10に設けられる。そのため、ホース40を格納場所から取り出すときに、クローラフレーム20に設けられたシリンダ(後述)が邪魔になるという問題がない。この問題の詳細は次の[従来技術2]の通りである。
【0037】
[従来技術2]従来より、クローラフレーム20の面上(横方向内側Y1の面)にホース40が格納される建設機械がある。この従来の建設機械では、ホース40が格納された状態で上記「組立分解A」が可能である。一方、クローラフレーム20には、シリンダが設けられる。このシリンダは、アクスル15とクローラフレーム20とを結合するピンを着脱するものである。このシリンダの配置によっては、シリンダが邪魔になることにより、ホース40を格納場所から取り出しにくくなる問題がある。
【0038】
(第2実施形態)
図4図8を参照して、第2実施形態の建設機械101について説明する。
【0039】
建設機械101は、上述した第1実施形態の建設機械1(図1参照)と同様、いわば大型建設機械である。図4に示すように、建設機械101は、下部本体(図1の下部本体5を参照)と、上部旋回体105と、を備える。
【0040】
上部旋回体105は、下部本体の上に旋回可能に搭載される。上部旋回体105は、メインフレーム110(一側フレーム)と、サブフレーム120(他側フレーム)と、足場129と、配管130と、ホース保持ブラケット160(図5参照)と、を備える。上部旋回体105の長手方向を前後方向Vとする。前後方向Vと直交し、かつ、水平方向と平行な方向を横方向Wとする。上部旋回体105の横方向Wにおける内側(上部旋回体105の中心線C105に近づく向き)を横方向内側W1とする。上部旋回体105の横方向Wにおける外側(中心線C105から遠ざかる向き)を横方向外側W2とする。なお、図4では、サブフレーム120及び足場129を想像線で示している。
【0041】
メインフレーム110(一側フレーム)は、下部本体(図1の下部本体5を参照)に取り付けられる、メインの旋回フレームである。メインフレーム110は、メインフレーム110の上面を構成する天板110aと、底面を構成する底板110bと、側面を構成する側板110sと、を備える。側板110sは、天板110aと底板110bとの間に設けられる。メインフレーム110は、足場取付ブラケット113と、吊環部材115と、を備える。
【0042】
足場取付ブラケット113は、足場129をメインフレーム110に取り付けるための部材であり、足場129を取付可能に構成される。足場取付ブラケット113は、天板110aと側板110sとの接合部の近傍に配置される。足場取付ブラケット113は、天板110aの横方向外側W2端部に固定される。足場取付ブラケット113は、側板110sの上端部に固定される。足場取付ブラケット113は、例えば、孔や凹部が形成された板(足場取付用プレート)などである(板でなくてもよい)。
【0043】
吊環部材115は、メインフレーム110を補助クレーンで吊るための部材である。吊環部材115は、足場取付ブラケット113と同様に、天板110aと側板110sとの接合部の近傍に配置される。吊環部材115は、例えば、孔が形成された板などである(板でなくてもよい)。
【0044】
サブフレーム120(他側フレーム)は、メインフレーム110に取り付けられる。サブフレーム120は、メインフレーム110に分解可能に取り付けられる(組み立てられる)。サブフレーム120は、メインフレーム110の横方向外側W2に取り付けられる。サブフレーム120には、建設機械101の駆動源(図示しないエンジン、油圧ポンプ等)が搭載される。サブフレーム120には、例えば、コントロールバルブ(上部旋回体105に搭載されたアクチュエータを制御する弁)が搭載される。
【0045】
足場129は、メインフレーム110とサブフレーム120との間に配置される。足場129は、メインフレーム110の上面(天板110a)とサブフレーム120の上面とをつなぐように配置される。足場129は、メインフレーム110の足場取付ブラケット113に着脱可能に取り付けられる。足場129は、例えば、足場取付ブラケット113の孔に差込可能なピン(図示なし)や、足場取付ブラケット113の凹部にはめ込み可能な突起(図示なし)などを備える。
【0046】
配管130は、油(圧油、作動油)を流す油圧配管である。配管130は、メインフレーム110とサブフレーム120とをつなぐ。配管130には、例えば、下部本体の走行用(前進用、後進用)、上部旋回体105の旋回用、メインフレーム110に取り付けられる起伏部材(図示しないブーム等)の起伏用などがある。配管130は、メインフレーム側ポート139と、ホース140と、サブフレーム側ポート151と、を備える。
【0047】
メインフレーム側ポート139は、ホース140が取り付けられる接続ポート(コネクタ)である。メインフレーム側ポート139は、メインフレーム110に固定され、側板110sに固定される。図5に示すように、メインフレーム側ポート139は、中心軸が、上向き、略上向き、又は斜め上向きになるように配置される。この中心軸の上下方向に対する傾きθは、例えば45°未満、また例えば30°未満などである。メインフレーム側ポート139は、例えば、側板110sに固定されるエルボ(図1に示すエルボ35を参照)の先端部などに設けられる。なお、図5では、複数のメインフレーム側ポート139のうち、一部にのみ符号を付している。また、図5では、メインフレーム側ポート139及びホース140を想像線で示している。
【0048】
ホース140は、図4に示すように、メインフレーム側ポート139と、サブフレーム側ポート151と、を接続する。ホース140は複数設けられる。複数のホース140どうしは間隔をあけて配置される。この間隔は、例えば一定、また例えば不定(広い部分と狭い部分とがある)である。複数のホース140の長さは、例えば一定、また例えば不定(長いものと短いものとがある)である。ホース140の一端は、メインフレーム110の側板110s(メインフレーム側ポート139)に固定される。ホース140とメインフレーム側ポート139とは、建設機械101が分解状態のときにも接続状態とされる(常時接続状態とされる)。ホース140の他端は、サブフレーム120(サブフレーム側ポート151)に対して着脱自在である。ホース140とサブフレーム側ポート151とは、建設機械101が組み立て状態のときは接続状態とされ、建設機械101が分解状態のときは非接続状態とされる。以下、ホース140の上記一端側を「基端側」、上記他端側を「先端側」ともいう。図6に示すように、ホース140は、例えば、本体部141と、カプラ143と、を備える。なお、図6では、複数のホース140のうち一部(図6における左端の2本)にのみ、本体部141及びカプラ143の符号を付している。
【0049】
本体部141及びカプラ143は、図2に示す第1実施形態の本体部41及びカプラ143に対応する。図6に示すカプラ143は、図4に示すホース140とサブフレーム側ポート151とを着脱自在とする。
【0050】
サブフレーム側ポート151は、サブフレーム120に固定され、サブフレーム120の横方向内側W1の面に固定される。サブフレーム側ポート151は、メインフレーム側ポート139の横方向外側W2に配置され、例えばメインフレーム側ポート139よりも上に配置される。
【0051】
ホース保持ブラケット160は、図6に示すように、ホース140を保持するための部材である。ホース保持ブラケット160は、メインフレーム110に取り付けられ、メインフレーム110の天板110aよりも上でホース140を保持する。ホース保持ブラケット160は、ホース140(本体部141)の曲がる量を抑制できるように、ホース140を保持する。具体的には、ホース保持ブラケット160は次の(a)及び(b)のようにホース140を保持する。(a)ホース保持ブラケット160は、メインフレーム側ポート139の(ほぼ)真上でホース140を保持する。(b)ホース保持ブラケット160は、ホース140の中心軸の向きが(ほぼ)上下方向となるようにホース140を保持する。さらに具体的には、ホース保持ブラケット160は、上記(a)及び(b)のようにホース140を保持できるように、ホース保持部180(後述)が構成される(配置される)。ホース保持ブラケット160は、ブラケットフレーム170と、ホース保持部180と、を備える。なお、図5及び図6では、複数のホース保持部180のうち一部にのみ符号を付している。
【0052】
ブラケットフレーム170は、ホース保持部180が固定されるフレームである。図5に示すように、ブラケットフレーム170は、メインフレーム110に取り付けられる(取付可能に構成される)。図6に示すように、ブラケットフレーム170は、天板110aよりも上に突出する。図5に示すように、ブラケットフレーム170は、例えば天板110aの横方向外側W2端部から上に突出する。ブラケットフレーム170は、例えば前後方向Vに延びる。ブラケットフレーム170は、例えば、パイプや板などを組み合わせたもの等である。具体的には例えば、ブラケットフレーム170は、前後方向Vに延びる2本のパイプと、2本のパイプをつなぐ板と、を備える。このブラケットフレーム170は、分割(分解)可能に構成され、例えば前後方向Vに分割可能に構成される。ブラケットフレーム170は、複数の単位フレーム170a、170b、及び170cに分割可能に構成される(2つまたは4つ以上に分割可能でもよい)。単位フレーム170a〜170cそれぞれには、ホース保持部180(図7(a)及び図7(b)参照)が取り付けられる。ブラケットフレーム170は、フレーム連結部171と、ブラケット着脱部173と、を備える。
【0053】
フレーム連結部171は、単位フレーム170a〜170cどうしを連結する。フレーム連結部171は、単位フレーム170a〜170cどうしの前後方向Vの連結部分に設けられる。例えば、フレーム連結部171は、孔171a(例えば複数、図7(b)参照)と、孔171aに差し込まれるピン部171b(例えば単位フレーム170bの支柱部分など、例えば複数)と、を備える。
【0054】
ブラケット着脱部173は、メインフレーム110に対して着脱可能に構成される。ブラケット着脱部173は、足場取付ブラケット113に対して着脱可能に構成される。ブラケット着脱部173は、吊環部材115に着脱可能に構成されてもよい。ブラケット着脱部173は、例えば、単位フレーム170a及び170cそれぞれの前後方向Vの端部に設けられる。具体的には例えば、図7(b)に示すように、ブラケット着脱部173は、足場取付ブラケット113の孔に差し込まれるピン173aと、足場取付ブラケット113の凹部(図5参照)にはめ込まれるピン173bと、ピン173a及びピン173bを支持する板173cと、を備える。また例えば、図5に示すように、ブラケット着脱部173は、吊環部材115の孔(吊環)にはめ込まれるピン173dと、吊環部材115(板)の上端に接触する板173eと、を備えるものでもよい。なお、ブラケット着脱部173を備えない単位フレーム170bがあってもよい。また、ブラケット着脱部173は、足場取付ブラケット113や吊環部材115以外の部材に着脱可能に構成されてもよく、例えばブラケット着脱部173の取付専用の部材(例えばタップドブロックなど)に着脱可能に構成されてもよい。また、ブラケット着脱部173に替えて、ホース保持ブラケット160をメインフレーム110に固定(常時固定)するためのブラケット固定部(図示なし)を設けてもよい。
【0055】
ホース保持部180は、図6に示すように、ホース140を保持する(拘束する)部材(ホルダ)であり、複数設けられる。ホース保持部180は、ブラケットフレーム170に取り付けられる。図6に示すように、ホース保持部180は、ホース140の先端部またはその周辺(以下「ホース140の先端部周辺」を保持する。ホース140の先端部周辺は、例えば本体部141の先端部またはその近傍、また例えばカプラ143部分などである。図8(a)に示すように、ホース保持部180は、ホース140の先端部周辺を完全に固定しなくてもよく、ホース140の先端部周辺とホース保持部180との間に隙間があってもよい。ホース保持部180は、例えば、U字金具181と、ピン孔183と、ピン185と、を備える。ピン孔183は、U字金具181の先端部(両側)に形成される。ピン185は、2つのピン孔183に差し込まれる。ホース保持部180は、U字金具181とピン185との内側でホース140を保持する。
【0056】
(上部旋回体105の組立状態)
図4に示す建設機械101が(上部旋回体105が)組立状態のとき、上部旋回体105は次のように構成される。サブフレーム120は、メインフレーム110に取り付けられる(連結される、固定される)。ホース140のカプラ143(図6参照)は、サブフレーム側ポート151に接続される。足場取付ブラケット113には、足場129が取り付けられ、ホース保持ブラケット160(図6参照)は取り付けられない。足場129は、ホース140の上方に配置される。
【0057】
(上部旋回体105の分解状態(ホース格納状態))
建設機械101が(上部旋回体105が)分解状態のとき、上部旋回体105は次のように構成される。サブフレーム120は、メインフレーム110から取り外される。図6に示すように、足場取付ブラケット113には、ホース保持ブラケット160が取り付けられ、足場129は取り付けられない(足場129は、例えばメインフレーム110上などに格納される)。ホース140のカプラ143は、サブフレーム側ポート151(図4参照)から取り外される。ホース140の先端部周辺は、ホース保持ブラケット160のホース保持部180に保持される。
【0058】
(効果2)
次に、図4に示す建設機械101による効果を説明する。建設機械101は、天板110aおよび側板110sを備えるメインフレーム110(一側フレーム)と、メインフレーム110に取り付けられるサブフレーム120(他側フレーム)と、一端がメインフレーム110の側板110sに固定されるとともに他端がサブフレーム120に対して着脱自在であるホース140と、図6に示すメインフレーム110に取り付けられるホース保持ブラケット160と、を備える。
[構成2]ホース保持ブラケット160は、メインフレーム110の天板110aよりも上でホース140を保持する。
【0059】
上記[構成2]により、横から見て側板110s内に収まるようにホース140が格納される場合に比べ、ホース140の格納スペースを広く確保できる。よって、ホース140の取扱い(格納作業など)を容易にでき、また、多くのホース140をメインフレーム110に格納できる。また、ホース140(本体部141)を曲げる必要性を減らすことができるので、ホース140の曲げにより生じる負荷を抑制できる結果、ホース140が痛むことを抑制できる。
【0060】
[従来技術3]上記の「(効果2)」により解決される課題を説明する。従来より、建設機械の分解時に、2つのフレーム(例えば図4に示すメインフレーム110及びサブフレーム120)からホース140の両端が取り外される場合がある。この場合、次の[a]〜[d]の問題が生じるおそれがある。
[ホース両端がフレームから取り外されることによる課題]
[a]図4に示すホース140の両端をフレームから取り外し可能とするためには、ホース140の両端にカプラ143(図6参照)が必要になる。そのため、次の[a1]及び[a2]の問題が生じるおそれがある。[a1]ホース140の一方端にのみカプラ143がある場合に比べ、ホース140が曲がりにくくなる(曲げ部冗長性が低下する)。そのため、複数のホース140の共通化が困難となる。さらに詳しくは、フレーム間の距離に応じて(メインフレーム側ポート139とサブフレーム側ポート151との距離に応じて)、ホース140の本体部141(図6参照)の長さを様々に設定する必要性が高くなる。[a2]ホース140の一方端にのみカプラ143がある場合に比べ、カプラ143の数が増える(倍になる)ので、カプラ143にかかるコストが増加する。
[b]ホース140の両端を各フレームに対して着脱するので、一方端のみ着脱する場合に比べ、着脱の作業工数が増える(倍になる)。
[c]ホース140の両端を各フレームから取り外した後、次の[c1]〜[c4]の問題が生じるおそれがある。[c1]ホース140やポートからの油漏れの可能性が増える。[c2]ホース140の格納場所の設定が必要となる。[c3]格納場所へのホース140の運搬が必要となる。[c4]ホース140を紛失する可能性がある。
[d]ホース140のポートへの接続時に、誤接続や、誤品使用の可能性が増加する。
【0061】
[従来技術4]また、従来より、図10に示すように、ホース340の一端がフレームに固定され、ホース340の他端がフレームに対して着脱可能に構成される建設機械もある。この従来の建設機械では、上記[ホース両端がフレームから取り外されることによる課題]は生じないが、ホース340の取扱いが困難という問題がある。さらに詳しくは、この従来の建設機械では、天板310aと底板310bとの間の側板310s(細長いスペース)にホース340が格納される。通常、側板310sにはホース340以外の部材(例えばホース340に接続される図示しない配管など)が配置され、また、側板310sには配管が通る孔(図示なし)が形成される場合がある。そのため、ホース340の格納スペースが十分に確保できないおそれがある。また、この従来の建設機械では、側板310sに格納されるホース340は、曲げられた状態で格納される。そのため、ホース340を曲げる作業に手間がかかるおそれがあり、また、ホース340を曲げることでホース340が傷むおそれがある。
【0062】
(効果3)
図5に示すように、ホース保持ブラケット160は、メインフレーム110に対して着脱可能に構成されるブラケット着脱部173を備える。
【0063】
この構成では、ホース140の格納が不要なとき(建設機械101(図4参照)が組立状態のとき)に、メインフレーム110からホース保持ブラケット160を取り外すことができる。その結果、メインフレーム110に配置される機器(図示なし)のレイアウトの制限(ホース保持ブラケット160による制限)をなくすことができる。上記「メインフレーム110に配置される機器」は、例えば、アクチュエータ(ウインチなど)、配管、及び配線などである。
【0064】
(効果4)
図4に示すように、メインフレーム110は、足場129を取り付け可能に構成される足場取付ブラケット113を備える。図5に示すように、ブラケット着脱部173は、足場取付ブラケット113に着脱可能に構成される。
【0065】
この構成では、足場取付ブラケット113は、足場129(図4参照)の取り付け用およびホース保持ブラケット160の取り付け用の兼用である。よって、ホース保持ブラケット160をメインフレーム110に取り付けるためにのみ設けられる部材(例えば、タップドブロック等の固定具など)が不要である。その結果、メインフレーム110に配置される機器のレイアウトの制限(上記「取付専用の部材」によるレイアウトの制限)をなくすことができる。
【0066】
(効果5)
ホース保持ブラケット160は、メインフレーム110に取り付けられるブラケットフレーム170と、ブラケットフレーム170に取り付けられホース140を保持する複数のホース保持部180と、を備える。
[構成5]ブラケットフレーム170は、ホース保持部180がそれぞれ取り付けられた複数の単位フレーム170a〜170cに分割可能に構成される。
【0067】
上記[構成5]により、ホース保持ブラケット160の構成要素を小型および軽量にできる。よって、ホース保持ブラケット160の運搬作業、メインフレーム110に対する取付け作業及び取外し作業を容易に行える。
【0068】
(第2実施形態の変形例)
図9を参照して、第2実施形態の変形例のホース保持ブラケット260について、上記第2実施形態との相違点を説明する。図5に示すように、第2実施形態では、ホース保持部180がブラケットフレーム170に取り付けられたが、図9に示すように、この変形例では、ホース保持部180が足場229に取り付けられる。また、図4に示すように、第2実施形態では、足場129が足場取付ブラケット113に着脱可能だったが、図9に示すように、この変形例では、足場229がメインフレーム110に起伏可能に取り付けられる。以下、上記相違点をさらに説明する。
【0069】
足場229は、「足場使用状態」と「跳ね上げ格納状態」との間で状態を変更可能である。足場使用状態は、足場229が足場として使用されるときの状態であり、図4に示す上記第2実施形態の足場129の使用状態と同じ状態である。図9に示すように、足場使用状態の足場229は、天板110aから横方向外側W2に突出するように配置される。跳ね上げ格納状態は、メインフレーム110に対して足場229が起きた状態である。跳ね上げ格納状態の足場229は、天板110aから上に(天板110aよりも上に)突出するように配置される。足場使用状態のときにおける足場229の下面(裏面)を、下面229bとする。
【0070】
下面229bには、ホース保持部180が複数取り付けられる。ホース保持部180は、足場229の横方向外側W2の面に取り付けられる。
【0071】
(効果6)
図9に示す第2実施形態の変形例による効果を説明する。建設機械101(図4参照)は、メインフレーム110に起伏可能に取り付けられる足場229を備える。ホース保持ブラケット260は、ホース140(図6参照)を保持するホース保持部180を備える。
[構成6−1]足場229は、足場使用状態と、メインフレーム110に対して起きた状態である跳ね上げ格納状態と、の間で状態を変更可能である。
[構成6−2]ホース保持部180は、足場使用状態のときにおける足場229の下面229bに取り付けられる。
【0072】
上記[構成6−2]により、足場使用状態のときにホース保持部180が邪魔にならない。
上記[構成6−1]により、足場229及びホース保持ブラケット260(ホース保持部180)を、メインフレーム110に対して着脱する必要がない。また、取り外された足場229及びホース保持ブラケット260の紛失のおそれや、これらの保管場所の設定をする必要がない。
【0073】
(その他の変形例)
上記実施形態及び変形例はさらに様々に変形できる。例えば、ホース40(図1参照)やホース140(図4参照)が固定や着脱されるフレームは、建設機械1(図1参照)や建設機械101(図4参照)を構成するフレームであれば何でもよく、上述したフレーム(図1に示すカーボディ10、クローラフレーム20、図4に示すメインフレーム110、及びサブフレーム120)でなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、101 建設機械
10 カーボディ(第1フレーム)
15 アクスル(第2フレーム)
20 クローラフレーム(第3フレーム)
40、140 ホース
110 メインフレーム(一側フレーム)
110a 天板
110s 側板
113 足場取付ブラケット
120 サブフレーム(他側フレーム)
129、229 足場
160 ホース保持ブラケット
170 ブラケットフレーム
170a、170b、170c 単位フレーム
173 ブラケット着脱部
180 ホース保持部
229b 下面
図4
図1
図2
図3
図5
図6
図7
図8
図9
図10