(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の積層体と、内部電極に電気的に接続され、前記積層体の長手方向の両端面それぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える積層コンデンサと、
絶縁性の基板本体、前記積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され前記第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に形成され前記第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、前記基板本体の前記第2主面に形成された第2の外部接続用電極、前記第1の部品接続用電極と前記第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、前記第2の部品接続用電極と前記第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える基板型の端子と、を備える電子部品であって、
前記基板本体は、無機材料を含み、厚みが0.05mm〜0.4mm、ヤング率100〜400GPaであり、
前記積層体の長手方向と直交する短手方向における前記基板本体の寸法は、前記短手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも小さく、前記長手方向における前記基板本体の寸法は、前記長手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも大きい、
または、
前記積層体の長手方向における前記基板本体の寸法は、前記長手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも小さく、前記長手方向に直交する短手方向における前記基板本体の寸法は、前記短手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも大きい、
電子部品。
誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の構成の積層体と、内部電極に電気的に接続され、前記積層体の長手方向の両端面それぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える積層コンデンサと、
絶縁性の基板本体、前記積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され前記第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に形成され前記第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、前記基板本体の前記第2主面に形成された第2の外部接続用電極、前記第1の部品接続用電極と前記第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、前記第2の部品接続用電極と前記第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える基板型の端子と、を備える電子部品であって、
前記積層体の長手方向と直交する短手方向における前記基板本体の寸法は、前記短手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも小さく、前記長手方向における前記基板本体の寸法は、前記長手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも大きい、
電子部品。
前記基板本体は、前記第1主面と前記第2主面を結ぶ端面または側面に、前記基板本体の前記第1主面から前記第2主面まで貫通する第1の溝部および第2の溝部が設けられ、
前記第1の部品接続用電極と前記第1の外部接続用電極を接続する第1の接続部は、前記第1の溝部の側壁面に設けられ、
前記第2の部品接続用電極と前記第2の外部接続用電極を接続する第2の接続部は、前記第2の溝部の側壁面に設けられている、
請求項7または請求項8に記載の電子部品。
誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の構成の積層体と、内部電極に電気的に接続され、前記積層体の長手方向の両端面のそれぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える積層コンデンサと、
絶縁性の基板本体、前記積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され前記第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に形成され前記第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、前記基板本体の前記第1主面に対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、前記基板本体の前記第2主面に形成された第2の外部接続用電極、前記第1の部品接続用電極と前記第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、前記第2の部品接続用電極と前記第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える基板型の端子と、を備える電子部品であって、
前記積層体の長手方向における前記基板本体の寸法は、前記長手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも小さく、前記長手方向に直交する短手方向における前記基板本体の寸法は、前記短手方向における前記積層コンデンサの寸法よりも大きい、
電子部品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1の構成は、基板型の端子であるインターポーザ基板における下面電極の配列方向と、上面電極の配列方向とを交差させる。これにより積層コンデンサの外部電極の配列方向が回路基板の実装電極の配列方向と交差し、積層コンデンサの歪が回路基板に伝達され難くなる。したがって回路基板で可聴音が発生することが抑制される。ただし上記構成では、インターポーザ基板を回路基板に実装するためのランドパターンが、単体の積層コンデンサを回路基板に実装するためのランドパターンとは異なる形状になる。しかしながら、高密度実装が要求される現在の回路基板ではランドパターンの変更は容易ではなく、インターポーザ基板を利用することで回路基板等の小型化が困難になり高コスト化の要因となってしまう。
【0008】
また特許文献2の構成では、インターポーザ基板に、基板法線方向から視て積層コンデンサに重なる位置まで入り込む溝を形成する。これにより、インターポーザ基板における下面電極の配列方向と、上面電極の配列方向を揃えても、回路基板で可聴音が発生することが抑制できるとともに、高密度実装が要求される現在の回路基板にも使用可能となる。しかし、積層コンデンサの高容量化に伴い、積層コンデンサの歪が大きくなり、回路基板で可聴音が発生しやすくなってきた。これに対処する方法として、インターポーザ基板を厚くすることが考えられるが、実装高さが大きくなることになり、電子機器の薄型化に反するうえ、実装時の姿勢が不安定になることから、インターポーザ基板を厚くすることは困難であった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、基板型の端子を備える電子部品であって、実装高さを抑えながら、実装される回路基板からの可聴音の発生を抑制できる電子部品およびこのような電子部品が複数収容された態様からなる電子部品連を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の電子部品は、積層コンデンサと基板型の端子を備える。積層コンデンサは、誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の積層体と、内部電極に電気的に接続され、積層体の長手方向の両端面それぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える。基板型の端子は、絶縁性の基板本体、前記積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、基板本体の第1主面に形成され第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、基板本体の第1主面と対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、基板本体の第2主面に形成された第2の外部接続用電極、第1の部品接続用電極と第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、第2の部品接続用電極と第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える。そして、基板型の端子の基板本体は、無機材料を含み、厚みが0.05mm〜0.4mm、ヤング率100〜400GPaであることを特徴としている。
【0011】
この構成では、同じ厚みのガラスエポキシ基板を用いた場合と比較して、ヤング率が高く(ガラスエポキシ基板は約20GPa)、振動の伝達が抑制される。したがって、回路基板に振動が伝わりにくく、可聴音の小さな薄型の電子部品を実現できる。
【0012】
また、この発明の電子部品では、基板本体のヤング率は、積層体の誘電体材料のヤング率よりも大きいことが好ましい。
【0013】
この構成では、ヤング率の高さにより振動の伝達を抑制できるので、基板本体の厚みを薄くすることができ、実装高さを抑えながら、実装される回路基板からの可聴音の発生を抑制できる。
【0014】
また、この発明の電子部品では、基板本体はアルミナを含むことが好ましい。さらに、この発明の電子部品では、基板本体はガラス成分を含むことが好ましい。
【0015】
この構成では、ガラス成分の添加により、ヤング率を制御することができると同時に、アルミナにガラス成分を添加することで、焼結温度が下がり、基板の製造が容易になる。その結果、適正な厚みとヤング率の基板を製造でき、実装高さを抑えながら、実装される回路基板からの可聴音の発生を抑制できる電子部品を提供することができる。
【0016】
また、この発明の電子部品では、内部電極は積層コンデンサが実装される基板型の端子の実装面に対して垂直であることが好ましい。
【0017】
この構成では、振動の発生が抑制され、可聴音の発生をさらに抑制することができる。
【0018】
また、この発明の電子部品では、基板型の端子には、基板本体の法線方向から視て、積層コンデンサに重なる位置まで入り込む溝が形成されており、第1の接続電極および第2の接続電極は、溝の壁面に形成されていることが好ましい。
【0019】
この構成では、電子部品としての回路基板への接合強度を保ちつつ、はんだが積層コンデンサの第1、第2の外部電極まで到達する量を抑制できる。これにより、さらに可聴音の発生を抑制することができる。
【0020】
この発明の電子部品は、次のような特徴を有していてもよい。この発明の電子部品は、積層コンデンサと基板型の端子を備える。積層コンデンサは、誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の構成の積層体と、内部電極に電気的に接続され積層体の長手方向の両端面それぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える。
【0021】
基板型の端子は、絶縁性の基板本体、積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、基板本体の第1主面に形成され第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、基板本体の第1主面に対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、基板本体の第2主面に形成された第2の外部接続用電極、第1の部品接続用電極と第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、第2の部品接続用電極と第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える。そして、この発明の電子部品の基板本体は、当該基板本体の長手方向と直交する短手方向における基板本体の寸法は、短手方向における積層コンデンサの寸法よりも小さい。
【0022】
この構成では、はんだが過剰に供給されても、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生を抑制できる。
【0023】
また、この発明の電子部品では、短手方向における基板本体の寸法は、短手方向における積層コンデンサの寸法の0.8倍以上1.0倍未満の寸法であることが好ましい。
【0024】
このような寸法にすることで、積層コンデンサを搭載した状態での安定性と、可聴音発生の抑制を両立することができる。
【0025】
また、この発明の電子部品では、次の構成であることが好ましい。基板本体は、第1主面と第2主面を結ぶ端面または側面に、基板本体の前記第1主面から第2主面まで貫通する第1の溝部および第2の溝部が設けられている。第1の接続部は第1の溝部の側壁面に設けられ、第2の接続部は第2の溝部の側壁面に設けられている。
【0026】
この構成では、はんだが過剰に供給されても、基板型の端子に設けられた第1、第2の溝部からぬれ上がる。第1、第2の溝部は、平面視して、少なくとも一部が積層コンデンサと重なる。したがって、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生を抑制できる。
【0027】
また、この発明の電子部品では、第1の接続部は端面または側面から離間し、第2の接続部は端面または側面から離間することが好ましい。
【0028】
この構成では、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、第1、第2の溝部内のみを濡れ上がるので、より確実に、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生をより確実に抑制できる。
【0031】
また、この発明の電子部品は、次の構成であってもよい。電子部品は、積層コンデンサと、基板型の端子とを備える。積層コンデンサは、誘電体層と内部電極とを複数積層した長方体状の構成の積層体と、内部電極に電気的に接続され、積層体の長手方向の両端面のそれぞれに形成される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備える。
【0032】
基板型の端子は、絶縁性の基板本体、積層コンデンサが配置される該基板本体の第1主面に形成され第1の外部電極と接続する第1の部品接続用電極、基板本体の第1主面に形成され第2の外部電極と接続する第2の部品接続用電極、基板本体の前記第1主面に対向する第2主面に形成された第1の外部接続用電極、基板本体の第2主面に形成された第2の外部接続用電極、第1の部品接続用電極と第1の外部接続用電極を接続する第1の接続電極、および、第2の部品接続用電極と第2の外部接続用電極を接続する第2の接続電極を備える。そして、積層体の長手方向における基板本体の寸法は、長手方向における積層コンデンサの寸法よりも小さい。
【0033】
この構成では、はんだが過剰に供給されても、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生を抑制できる。
【0034】
また、この発明の電子部品では、長手方向における基板本体の寸法は、長手方向における積層コンデンサの寸法の0.8倍以上1.0倍未満の寸法であることが好ましい。
【0035】
このような寸法にすることで、積層コンデンサを搭載した状態での安定性と、可聴音の発生の抑制を両立することができる。
【0036】
また、この発明の電子部品は、次の構成であることが好ましい。基板本体は、第1主面と2主面を結ぶ端面または側面に基板本体の第1主面から第2主面まで貫通する第1の溝部と第2の溝部が設けられている。第1の接続部は第1の溝部の側壁面に設けられ、第2の接続部は第2の溝部の側壁面に設けられている。
【0037】
この構成では、はんだが過剰に供給されても、基板型の端子に設けられた第1、第2の溝部からぬれ上がる。第1、第2の溝部は、平面視して、少なくとも一部が積層コンデンサと重なる。したがって、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生を抑制できる。
【0038】
また、この発明の電子部品では、第1の接続部は端面または側面から離間し、第2の接続部は端面または側面から離間していることが好ましい。
【0039】
この構成では、基板型の端子をぬれ上がったはんだは、第1、第2の溝部内のみを濡れ上がるので、より確実に、積層コンデンサの底面(基板側の端子に実装される面)でぬれ上がりが阻害される。したがって、はんだが積層コンデンサの両端面にぬれ上がりにくい。これにより、可聴音の発生を、より確実に抑制できる。
【0040】
また、この発明の電子部品連は、次の構成を特徴としている。電子部品連は、上述のいずれかに記載の電子部品と、電子部品を収容する収容穴を複数有するキャリアテープと、を備える。電子部品は、基板型の端子が収容穴の底面側を向くように配されている。収容穴の底面の短手寸法は、収容穴の深さ寸法よりも小さい。
【0041】
この構成では、電子部品をキャリアテープに決められた方向で確実に収容し続けることができる。
【発明の効果】
【0042】
この発明に示す電子部品の構成を利用して積層コンデンサを回路基板へ実装すれば、回路基板での可聴音の発生を抑制できる。さらに、構造が簡素で小型化が可能であり、回路基板への実装構造も容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の第1の実施形態に係る電子部品について、図を参照して説明する。
図1(A)は本発明の第1の実施形態に係る積層コンデンサの平面図、
図1(B)は正面図、
図1(C)は右側面図である。
図2(A)は本発明の第1の実施形態に係る電子部品の外視斜視図、
図2(B)は平面図、
図2(C)は正面図、
図2(D)は右側面図、
図2(E)は底面図である。
【0045】
電子部品1は、
図2(A)に示すように、積層コンデンサ2と基板型の端子3とを備える。
【0046】
積層コンデンサ2は、所謂、積層セラミックコンデンサであり、積層体21と外部電極22A,22Bと内部電極23とを備える。なお、積層コンデンサ2としては、複数の誘電体層が積層された構造であればよく、誘電体材料に樹脂フィルムを使用した積層型金属化フィルムコンデンサ等を用いてもよい。
【0047】
積層体21は、長手方向の両端面である第1端面(同図における左側面)および第2端面(同図における右側面)が略正方形の略長方体状であり、複数のセラミック誘電体層を短手方向に積層して構成される。積層体21は、第1端面と第2端面に接続する積層方向に垂直な第1主面と第2主面、積層方向に平行な第1側面と第2側面を有する。内部電極23は積層体21の内部に誘電体層を挟んで積層される。なお、第1端面と第2端面は、略正方形に限らず略長方形であってもよく、例えば、積層方向に短くなっていてもよい。
【0048】
外部電極22Aは、積層体21の第1端面(同図における左側面)に設けられ、積層体21の第1端面に接続する4つの面(第1主面、第2主面、第1側面および第2側面)の一部に延設されている。外部電極22Bは、積層体21の第2端面(同図における右側面)に設けられ、積層体21の第2端面に接続する4つの面(第1主面、第2主面、第1側面および第2側面)の一部に延設されている。なお、外部電極22A,22Bは、積層体21の少なくとも1つの面に設けられていればよい。
【0049】
なお、外部電極22A,22Bには、耐腐食性や導電性を加味して所定の金属メッキが施されていてもよい。また、積層コンデンサ2としては一般に普及している外形寸法のものを利用すると良く、例えば、長手方向寸法×短手方向寸法が3.2mm×1.6mm、2.0mm×1.25mm、1.6mm×0.8mm、1.0mm×0.5mm、0.8mm×0.4mm、0.6mm×0.3mmなどのものを利用することができる。
【0050】
電子部品1は、上述の積層コンデンサ2を基板型の端子3の実装面に搭載する構成からなる。なお、積層コンデンサ2は、基板型の端子3に搭載されたときに、基板型の端子3の実装面と向かい合う面となる底面が、第1主面、第2主面、第1側面、または第2側面のいずれであってもよい。積層コンデンサ2の第1主面もしくは第2主面を基板型の端子3に向かい合った底面とすることで、内部電極23の面方向と基板型の端子3の実装面とが平行になる。また、積層コンデンサ2の第1側面もしくは第2側面を基板型の端子3に向かい合った底面とすることで、内部電極23の面方向と基板型の端子3の実装面とが垂直になる。
【0051】
基板型の端子3は基板本体31と部品接続用電極32A,32Bと外部接続用電極33A,33Bと接続電極34A,34Bとを備える。基板本体31は、積層コンデンサ2が搭載される第1主面と、第1主面に対向する第2主面を有する。すなわち、基板本体31の第1主面側が、基板型の端子3の実装面となる。部品接続用電極32A,32Bは、基板本体31の第1主面に設けられ、外部接続用電極33A,33Bは基板本体31の第2主面に設けられている。
【0052】
基板本体31は材質が絶縁性の無機材料を主成分として含み、実装面に直交する基板法線方向の厚みが0.05〜0.4mmの略直方体形状である。基板本体31は、基板法線方向と直交する第1主面と、第1主面に対向する第2主面を有する。基板本体31の第1主面は、基板型の端子3の実装面である。基板本体31は、基板本体31の第1及び第2主面に直交し、基板本体31の短手方向に沿った第1端面と第2端面を有し、基板本体31の第1及び第2主面に直交し、基板本体31の長手方向に沿った第1側面と第2側面を有する。基板本体31は、基板法線方向から視た平面形状が略矩形状である。ここでは、基板本体31の平面形状は積層コンデンサ2の平面形状よりも若干小さく形成している。例えば、積層コンデンサ2の平面寸法に対して0.9倍の寸法の平面形状としている。基板本体31の外形寸法は、姿勢安定性を考慮して、長手寸法が積層コンデンサ2の長手寸法(L)の0.8倍以上が好ましく、0.9倍以上がより好ましい。また、短手寸法が積層コンデンサ2の短手寸法(W)の0.8倍が好ましく、0.9倍以上がより好ましい。さらに、実装面積を考慮して、長手寸法が積層コンデンサ2の長手寸法(L)の2.0倍以下が好ましく1.5倍以下がより好ましい。また、短手寸法が積層コンデンサ2の短手寸法(W)の2.0倍以下が好ましく、1.5倍以下がより好ましい。
【0053】
部品接続用電極32A,32Bは基板本体31の第1主面に長手方向に配列して形成されている。部品接続用電極32Aは、基板本体31の第1主面の第1端面側に矩形状に形成されている。部品接続用電極32Bは、基板本体31の第1主面の第2端面側に矩形状に形成されている。これらの部品接続用電極32A,32Bは、積層コンデンサ2の外部電極22A,22Bが接合される。その接合法はどのようなものであってもよいが、例えば部品接続用電極32A,32Bや外部電極22A,22Bに予め再溶融可能な金属メッキ(例えば錫メッキ)を設けておき、その金属メッキの再溶融により実現することができる。このような接合法を用いることにより、部品接続用電極32A,32Bと外部電極22A,22Bとの間には再溶融した金属メッキによる接合層41が形成され、両者は電気的、機械的に接続される。なお、その他の接合法を用いても良く、例えばはんだ等の接合剤を利用して、積層コンデンサ2と基板型の端子3とを接合してもよい。
【0054】
なお、部品接続用電極32A,32Bは、積層コンデンサ2の外部電極22A,22Bの平面形状に略一致する平面形状としても良く、その場合、所謂セルフアライメント効果により所望の位置に積層コンデンサ2を確実に実装できる。積層コンデンサ2の実装位置が高精度であれば、積層コンデンサ2が基板型の端子3の一方の端面側または側面側に偏らないので、積層コンデンサ2の外部電極22A,22Bの下に均等に配置され、電子部品1を回路基板100に実装する際に、実装のための接合剤が積層コンデンサ2の外部電極22A,22Bの端面にまでぬれ上がることを、より効果的に抑制できる。
【0055】
外部接続用電極33A,33Bは基板本体31の第2主面に長手方向に配列して形成されている。外部接続用電極33Aは、基板本体31の第2主面の第1端面側に矩形状に形成されている。外部接続用電極33Bは、基板本体31の第2主面の第2端面側に矩形状に形成されている。なお、外部接続用電極33A,33Bは電子部品1を実装する回路基板の実装用ランドに応じて形状を設定すればよい。
【0056】
接続電極34A,34Bは、基板本体31の第1端面と第2端面に形成している。接続電極34Aは第1端面に形成されており、部品接続用電極32Aと外部接続用電極33Aとを導通させる。接続電極34Bは第2端面に形成されており、部品接続用電極32Bと外部接続用電極33Bとを導通させる。接続電極34A,34Bは、基板本体31の第1端面および第2端面の代わりに第1側面または第2側面の少なくとも一方に形成されていてもよく、第1端面および第2端面に加えて第1側面および第2側面の少なくとも一方に形成されていてもよい。また、接続電極34A,34Bは、基板本体31を厚み方向に貫通する形状で設けられた、所謂ビア導体であってもよい。
【0057】
図3(A)は本発明の第1の実施形態に係る電子部品を回路基板に実装した状態での斜視図であり、
図3(B)は正面図、
図3(C)は右側面図である。
【0058】
電子部品1は接合剤としてはんだ200を用いて回路基板100に実装される。回路基板100は、はんだペーストが塗布される実装用ランド101A,101Bを備え、実装用ランド101A,101B上に電子部品1の外部接続用電極33A,33Bを接触させた状態で、はんだペーストを溶融、固化させることにより、電子部品1は回路基板100に実装される。はんだペーストを溶融、固化させると、溶融したはんだ200が電子部品1の接続電極34A,34Bをぬれ上がり、はんだ200のフィレットが形成される。
【0059】
はんだ200のフィレットは、少なくとも実装用ランド101A,101Bから接続電極34A,34Bにかけて形成される。したがって、電子部品1と回路基板100との間を十分な接合強度で接合することができる。また、電子部品1の回路基板100からの浮きを防ぐことができる。また、フィレット形状から接合不良を外視確認することができる。接合剤としては、はんだ200の他、適切なぬれ性を有し導電性を有するものであれば、どのような接合剤を用いてもよい。
【0060】
ここで、はんだ200の供給量が過大であれば、基板型の端子3の第1主面側、すなわち積層コンデンサ2まではんだ200がぬれ上がる可能性があるが、本実施形態の構成では、基板型の端子3の第1端面および第2端面が積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の内側にあって積層コンデンサ2の第1端面および第2端面から離間しているので、はんだ200が外部電極22A,22Bまで到達したとしても、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりが阻害される。
【0061】
したがって、はんだ200の供給量がある程度過大であっても、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の外部電極22A,22Bに、殆どはんだ200がぬれ上がらない。このため、積層コンデンサ2と回路基板100とは実質的に、基板型の端子3を介して間接的に接合されることになる。
【0062】
ところで、このように回路基板100に実装した電子部品1は、実装用ランド101A,101Bから電圧を印加することで、コンデンサ2に微小な歪みが生じる。この積層コンデンサ2の歪みは基板型の端子3を介して回路基板100に伝達されることになる。
【0063】
積層コンデンサ2の歪みがそのままの大きさ(振動振幅)で回路基板100に伝達されると、回路基板100で可聴音が生じる恐れがあるが、本実施形態では、基板型の端子3として、積層コンデンサ2から伝達される振動振幅を低減することができる材質および構造を採用する。
【0064】
具体的には、次の実験結果に基づいて、基板型の端子3の形状および材質を決定する。表1は、基板型の端子3の基板本体31の厚みとヤング率を変化させた場合における可聴音の音圧変化を示している。表1の音圧は、
図4に示す音圧測定装置によって測定されている。
図4は音圧測定装置の概略構成図である。電子部品1が実装された評価用基板110(回路基板100に相当する)は、非反響ボックス50に収納されている。音圧測定装置は、評価用基板110に形成された実装用電極パターンから電圧を印加する電力供給装置51を備えている。また、音圧測定装置はマイクロフォン52を備え、マイクロフォン52は、非反響ボックス50内における評価用基板110に実装された電子部品1の直上に配置され、評価用基板110の音圧を集音する。マイクロフォン52の設置位置は電子部品1の長手方向の中央付近配置されていることが好ましい。マイクロフォン52は、評価用基板110から約3mm離れて配置されている。マイクロフォン52は、音圧を検出するFFTアナライザ53(株式会社小野測器社製 CF−5220)に接続されている。
【0065】
なお、表1では、電子部品1に対して、DC=4V,AC=1Vppの交流電圧を印加し、音圧レベルを測定した結果を示している。
【0066】
ここで、音圧測定実験に利用した積層コンデンサ2は、外形寸法が1.6mm(長さ)×0.8mm(幅)×0.8mm(厚み)であり、誘電体層の材料は、チタン酸バリウムが主成分である。積層コンデンサ2の静電容量は10μFであり、内部電極23と基板型の端子3の実装面とは垂直である。基板型の端子3は、基板本体31の外形寸法が1.4mm(長さ)×0.7mm(幅)であり、基板本体31の厚みおよびヤング率は、実験用のパラメータとなっている。厚みは0.05mmから0.4mmを範囲とし、ヤング率は20GPa,100GPa,200GPa,400GPaである。ここで、ヤング率が20GPaである場合が従来のガラスエポキシ樹脂(ガラエポ)製の基板本体31であり、ヤング率が100GPa,200GPa,300GPa,400GPaである場合がセラミック基板(アルミナ)にガラス成分の添加量を変化させて形成した基板本体31である。
【0068】
表1に示すように、同等の厚みで比較した場合、ヤング率が20GPaであるガラスエポキシ基板に比べて、ヤング率100〜400GPaのセラミック基板の音圧レベルが低い。したがって、樹脂基板の代わりに、ヤング率の高い無機材料基板を使用することで、実装高さを抑えながら、実装される回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる電子部品1を提供することができる。
【0069】
さらに、不快な可聴音と認識される音圧レベル65dBを基準にすると、基板本体31の厚みが0.05mm〜0.4mmの間で常に音圧レベルが65dB未満となる条件は、100〜400GPaのヤング率を有するセラミック基板であった。
【0070】
さらに、可聴音をより低減させるには、60dB以下の音圧レベルがより好ましい。この場合、基板本体31の厚みが0.1mm〜0.4mmでヤング率が100GPa〜400GPaのセラミック基板を用いるとよい。
【0071】
さらに、可聴音をより低減させるには、50dB以下の音圧レベルがより好ましい。この場合、0.3〜0.4mmで100〜400GPa、または0.2mm〜0.4mmで300〜400GPaである。
【0072】
また、基板型の端子3の基板本体31のヤング率は、積層体21の誘電体材料のヤング率よりも大きい方が好ましい。この場合、積層体21と基板本体31に同じ応力がかかったとき、ヤング率の大きい基板本体31の方が、伸縮量が小さい。したがって、振動の伝達を抑え、実装される回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。例えば、本実施形態における誘電体材料であるチタン酸バリウムのヤング率は約70GPaであり、基板本体31のヤング率を100GPa以上にすることは、このような点でも好ましい。
【0073】
基板本体31の無機材料としては、例えばアルミナ(270〜400GPa)が選ばれる。アルミナに加えて、ガラス成分を加えてヤング率を下限80GPa程度まで制御することができる。ガラス成分の添加により、ヤング率を制御することができると同時に、アルミナにガラス成分を添加することで、焼結温度が下がり、基板本体31の製造が容易になる。このように、アルミナとガラス成分その他の添加物の組成比を制御することで、適正な厚みとヤング率の基板本体31を製造でき、実装高さを抑えながら、実装される回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる電子部品1を提供することができる。
【0074】
基板本体31の無機材料は、アルミナの代わりに、炭化ケイ素(400〜480GPa)、炭化窒素(約300GPa)、ジルコニア(150〜250GPa)なども適宜使用することができる。この場合も添加物を加えることで、適正な厚みとヤング率の基板本体31を製造でき、実装高さを抑えながら、実装される回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる電子部品1を提供することができる。
【0075】
さらに、積層コンデンサ2の内部電極23と基板型の端子3の実装面が平行であるか垂直であるかによっても、音圧レベルが変化する。表2は、基板型の端子3の基板本体31の厚みとヤング率を変化させた場合における可聴音の音圧変化を示している。
【0076】
ここで、内部電極23の向きに関する音圧測定実験に利用した積層コンデンサ2は、外形寸法が1.0mm(長さ)×0.5mm(幅)×0.5mm(厚み)であり、静電容量は1.0μFである。基板型の端子3は、外形寸法が0.9mm(長さ)×0.4mm(幅)×0.3mm(厚み)であり、一方は基板本体31がガラスエポキシ基板(ヤング率20GPa)からなり、他方は基板本体31がセラミック基板(ヤング率200GPa)からなる。
【0078】
表2から分かるように、内部電極23が水平でも垂直でもセラミック基板の方が、音圧レベルが低い。また、内部電極23が水平よりも垂直の方が、音圧レベルが低い。さらに、セラミック基板は60dB未満に収まる。垂直にすれば、50dBに収まる。
【0079】
以上のように、基板型の端子3の基板本体31にヤング率の高い材料を用いることで、可聴音の発生を抑制することができる。この際、基板型の端子3の基板本体31の厚みが薄くても、すなわち電子部品1としての高さが低くても、従来構成よりも可聴音の発生を抑制することができる。
【0080】
さらに、積層コンデンサ2の内部電極23と基板型の端子3の実装面を垂直にすることで、可聴音の発生をさらに抑制することができる。
【0081】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子部品について、図を参照して説明する。
図5(A)は本発明の第2の実施形態に係る電子部品の外視斜視図、
図5(B)は平面図、
図5(C)は正面図、
図5(D)は右側面図、
図5(E)は底面図である。
図6(A)は本発明の第2の実施形態に係る電子部品を回路基板に実装した状態での斜視図であり、
図6(B)は正面図、
図6(C)は右側面図である。
【0082】
本実施形態の電子部品1Aは、基板型の端子3Aの構造が、第1の実施形態に係る電子部品1と異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0083】
基板本体31Aの平面形状は積層コンデンサ2の平面形状よりも若干大きく形成している。例えば、積層コンデンサ2の平面寸法に対して所定比となる平面形状や、積層コンデンサ2の平面形状から所定長だけはみ出す平面形状としている。
【0084】
また、基板本体31Aは、第1端面および第2端面に、基板本体31の第1主面から第2主面まで貫通する溝部35A,35Bを設けている。溝部35A,35Bは、基板法線方向から視て、円弧状である。そして、溝部35A,35Bの一部は、基板法線方向から視て積層コンデンサ2の底面下に入り込むように形成されている。則ち、積層コンデンサ2は外部電極22A,22Bが溝部35A,35Bに重なるように、基板型の端子3に搭載されている。溝部35A,35Bは、第1側面および第2側面に設けられていてもよい。この場合、以降の実施形態の説明において、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面は、積層コンデンサ2の第1側面および第2側面と、言い換えることができる。
【0085】
接続電極34A,34Bは、溝部35A,35Bの円弧状の側壁面に形成している。接続電極34Aは溝部35Aに設けられ部品接続用電極32Aと外部接続用電極33Aとを導通させる。接続電極34Bは溝部35Bに設けられ部品接続用電極32Bと外部接続用電極33Bとを導通させる。
【0086】
この構成では、はんだ200の供給量が過大であっても、基板型の端子3Aの第1主面側にぬれ上がったはんだ200が外部電極22A,22Bまで到達することが困難である。さらには、積層コンデンサ2の底面側に入り込む溝部35A,35Bの側壁面に接続電極34A,34Bが形成されているため、はんだ200が基板型の端子3Aをぬれ上がる過程で、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりが阻害されることになり、基板型の端子3Aの第1主面側まではんだ200がぬれ上がり難くなる。したがって、はんだ供給量がある程度過大であっても、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の外部電極22A,22Bにぬれ上がるはんだ量を抑制することができる。例えば、実装用ランド101A,101Bにコンデンサ2を直接実装する場合と同程度のはんだ量であれば、外部電極22A,22Bまでぬれ上がるはんだ200の高さ(Hth)を、最大でも底面から略1/4〜略1/3程度に制限することができる。このため、積層コンデンサ2と回路基板100とは実質的に、基板型の端子3Aを介して間接的に接合されることになる。
【0087】
そして、本実施形態の構成であっても、第1の実施形態と同様に、基板型の端子3Aの基板本体31Aの材質を決定することで、同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子部品について、図を参照して説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。本実施形態の電子部品1Bは、基板型の端子3Bの構造が、第1の実施形態に係る電子部品1と異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0089】
基板本体31Bの長手寸法が積層コンデンサ2の長手寸法(L)の1.0倍未満であり、短手寸法が積層コンデンサ2の短手寸法(W)の1.0倍以上である。姿勢安定性を考慮して、基板本体31Bの長手寸法は、積層コンデンサ2の長手寸法(L)の0.8倍以上が好ましく、0.9倍以上がより好ましい。また、実装面積を考慮して、基板本体31Bの短手寸法は、積層コンデンサ2の短手寸法(W)の2.0倍以下が好ましく1.5倍以下がより好ましい。
【0090】
基板本体31Bは、ガラスを含むエポキシ樹脂、所謂ガラスエポキシ樹脂である。基板本体31Bは、これに限らず、他の樹脂を用いることができ、他の無機材料を用いることができる。
【0091】
ここで、はんだ200の供給量が過大であれば、基板型の端子3Bの第1主面側、すなわち積層コンデンサ2まではんだ200がぬれ上がる可能性があるが、本実施形態の構成では、基板型の端子3Bの第1端面および第2端面が積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の内側にあって積層コンデンサ2の第1端面および第2端面から離間しているので、はんだ200が外部電極22A,22Bまで到達したとしても、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりが阻害される。このため、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の振動がはんだ200を介して回路基板に100に伝わりにくい。したがって、電子部品1Bが実装された回路基板100において、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面の振動に起因する回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0092】
また、基板型の端子3Bの第1端面と第2端面との間隔、すなわち、振動の伝達する間隔が小さくなるので、振動の伝達する力が弱まり、回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0093】
また、本実施形態の構成であれば、はんだ200のぬれ上がりを効果的に抑制できるので、基板型の端子3Bの厚みを小さくしても、回路基板100から発生する可聴音を抑制することができる。基板型の端子3Bの厚みは、0.05mm〜0.4mmが好ましい。
【0094】
そして、本実施形態の構成であっても、第1の実施形態と同様に、基板本体31Bの材質を決定することで、同様の作用効果を得ることができる。たとえば、基板本体31Bにセラミックを用い、そのヤング率を100GPa〜400GPaにすることで、より効果的に回路基板100から発生する可聴音を抑制することができる。
【0095】
次に、本発明の第4の実施形態に係る電子部品1Cについて、図を参照して説明する。
図8は本発明の第4の実施形態に係る電子部品の外視斜視図である。本実施形態の電子部品1Cは、基板型の端子3Cの構造が、第3の実施形態に係る電子部品の基板型の端子に溝が設けられている点で異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0096】
基板本体31Cは、第1端面および第2端面に面し基板本体31の第1主面から第2主面まで貫通する円弧状の溝部35A,35Bを設けている。そして、溝部35A,35Bは、基板法線方向から視て積層コンデンサ2の底面下に入り込むように形成されている。積層コンデンサ2は外部電極22A,22Bが溝部35A,35Bに重なるように、基板型の端子3に搭載されている。
【0097】
接続電極34A,34Bは、溝部35A,35Bの円弧状の側壁面に形成している。接続電極34Aは溝部35Aに設けられ部品接続用電極32Aと外部接続用電極33Aとを導通させる。接続電極34Bは溝部35Bに設けられ部品接続用電極32Bと外部接続用電極33Bとを導通させる。
【0098】
本実施形態の構成では、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられ、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより離間しているので、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりがより阻害される。また、基板型の端子3Cの溝部35A,35Bの間隔、すなわち、振動の伝達する間隔がより小さくなる。したがって、電子部品1Cが実装された回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0099】
また、本実施形態の構成では、基板法線方向から視て、基板型の端子3Cと積層コンデンサ2との位置がずれて、基板型の端子3Cの端面が積層コンデンサ2の端面からはみ出したとしても、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられているので、接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の底面下に位置することがでる。したがって、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができる。接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより内側に離間させるために、接続電極34A,34Bは、基板型の端子3Cの端面より所定距離、離間して設けられることが好ましい。
【0100】
なお、溝部35A,35Bは、基板本体31Cの第1端面および第2端面に代えて、第1側面および第2側面に設けられていてもよい。もしくは、第1端面および第2端面に加えて第1側面および第2側面に設けられていてもよい。また、溝部35A,35Bは、基板本体31Cの角部に設けられていてもよい。これらの場合においても、溝部35A,35Bにおいて、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができ、回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0101】
次に、本発明の第5の実施形態に係る電子部品1Dについて、図を参照して説明する。
図9は本発明の第5の実施形態に係る電子部品の外視斜視図である。本実施形態の電子部品1Dは、基板型の端子3Dの構造が、第1の実施形態に係る電子部品1と異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0102】
基板本体31Dの長手寸法が積層コンデンサ2の長手寸法(L)の1.0倍以上であり、短手寸法が積層コンデンサ2の短手寸法(W)の1.0倍未満である。実装面積を考慮して、基板本体31Dの長手寸法は、積層コンデンサ2の長手寸法(L)の2.0倍以下が好ましく1.5倍以下がより好ましい。また、姿勢安定性を考慮して、基板本体31Bの短手寸法は、積層コンデンサ2の短手寸法(W)の0.8倍以上が好ましく、0.9倍以上がより好ましい。
【0103】
基板本体31Dは、ガラスを含むエポキシ樹脂、所謂ガラスエポキシ樹脂である。基板本体31Dは、これに限らず、他の樹脂を用いることができ、他の無機材料を用いることができる。
【0104】
ここで、はんだ200の供給量が過大であれば、基板型の端子3Dの第1主面側、すなわち積層コンデンサ2まではんだ200がぬれ上がる可能性があるが、本実施形態の構成では、基板型の端子3Dの第1側面および第2側面が積層コンデンサ2の第1側面および第2側面の内側にあって積層コンデンサ2の第1側面および第2側面から離間しているので、はんだ200が外部電極22A,22Bまで到達したとしても、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりが阻害される。このため、積層コンデンサ2の第1側面および第2側面の振動がはんだ200を介して回路基板に100に伝わりにくい。したがって、電子部品1Dが実装された回路基板100において、積層コンデンサ2の第1側面および第2側面の振動に起因する回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0105】
また、基板型の端子3Dの第1側面と第2側面との間隔、すなわち、振動の伝達する間隔が小さくなるので、振動の伝達する力が弱まり、回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0106】
また、本実施形態の構成であれば、はんだ200のぬれ上がりを効果的に抑制できるので、基板型の端子3Dの厚みを小さくしても、回路基板100から発生する可聴音を抑制することができる。基板型の端子3Dの厚みは、0.05mm〜0.4mmが好ましい。
【0107】
そして、本実施形態の構成であっても、第1の実施形態と同様に、基板本体31Dの材質を決定することで、同様の作用効果を得ることができる。たとえば、基板本体31Dにセラミックを用い、そのヤング率を100GPa〜400GPaにすることで、より効果的に回路基板100から発生する可聴音を抑制することができる。
【0108】
次に、本発明の第6の実施形態に係る電子部品1Eについて、図を参照して説明する。
図10は本発明の第6の実施形態に係る電子部品の外視斜視図である。本実施形態の電子部品1Eは、基板型の端子3Eの構造が、第3の実施形態に係る電子部品1Dの基板型の端子に溝が設けられている点で異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0109】
基板本体31Eは、第1端面および第2端面に面し基板本体31の第1主面から第2主面まで貫通する円弧状の溝部35A,35Bを設けている。そして、溝部35A,35Bは、基板法線方向から視て積層コンデンサ2の底面下に入り込むように形成されている。積層コンデンサ2は外部電極22A,22Bが溝部35A,35Bに重なるように、基板型の端子3Eに搭載されている。
【0110】
接続電極34A,34Bは、溝部35A,35Bの円弧状の側壁面に形成している。接続電極34Aは溝部35Aに設けられ部品接続用電極32Aと外部接続用電極33Aとを導通させる。接続電極34Bは溝部35Bに設けられ部品接続用電極32Bと外部接続用電極33Bとを導通させる。
【0111】
本実施形態の構成では、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられ、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより離間しているので、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりがより阻害される。また、基板型の端子3Eの溝部35A,35Bの間隔、すなわち、振動の伝達する間隔がより小さくなる。したがって、電子部品1Eが実装された回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0112】
また、本実施形態の構成では、基板法線方向から視て、基板型の端子3Eと積層コンデンサ2との位置がずれて、基板型の端子3Eの端面が積層コンデンサ2の端面からはみ出したとしても、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられているので、接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の底面下に位置することがでる。したがって、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができる。接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより内側に離間させるために、接続電極34A,34Bは、基板型の端子3Eの端面より所定距離、離間して設けられることが好ましい。
【0113】
なお、溝部35A,35Bは、基板本体31Eの第1端面および第2端面に代えて、第1側面および第2側面に設けられていてもよい。もしくは、第1端面および第2端面に加えて第1側面および第2側面に設けられていてもよい。また、溝部35A,35Bは、基板本体31Eの角部に設けられていてもよい。これらの場合においても、溝部35A,35Bにおいて、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができ、回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0114】
次に、本発明の第7の実施形態に係る電子部品1Fについて、図を参照して説明する。
図11は本発明の第7の実施形態に係る電子部品の外視斜視図である。本実施形態の電子部品1Fは、基板型の端子3Fの構造が、第1の実施形態に係る電子部品の基板型の端子に溝が設けられ、溝に接続電極が設けられている点で異なり、他の構成は同じである。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0115】
基板本体31Fは、第1端面および第2端面に面し基板本体31の第1主面から第2主面まで貫通する円弧状の溝部35A,35Bを設けている。そして、溝部35A,35Bは、基板法線方向から視て積層コンデンサ2の底面下に入り込むように形成されている。積層コンデンサ2は外部電極22A,22Bが溝部35A,35Bに重なるように、基板型の端子3Fに搭載されている。
【0116】
接続電極34A,34Bは、溝部35A,35Bの円弧状の側壁面に形成している。接続電極34Aは溝部35Aに設けられ部品接続用電極32Aと外部接続用電極33Aとを導通させる。接続電極34Bは溝部35Bに設けられ部品接続用電極32Bと外部接続用電極33Bとを導通させる。
【0117】
本実施形態の構成では、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられ、積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより離間しているので、積層コンデンサ2の底面でぬれ上がりがより阻害される。また、基板型の端子3Fの溝部35A,35Bの間隔、すなわち、振動の伝達する間隔がより小さくなる。したがって、電子部品1Fが実装された回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0118】
また、本実施形態の構成では、基板法線方向から視て、基板型の端子3Fと積層コンデンサ2との位置がずれて、基板型の端子3Fの端面が積層コンデンサ2の端面からはみ出したとしても、接続電極34A,34Bが溝部35A,35Bに設けられているので、接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の底面下に位置することがでる。したがって、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができる。接続電極34A,34Bを積層コンデンサ2の第1端面および第2端面からより内側に離間させるために、接続電極34A,34Bは、基板型の端子3Fの端面より所定距離、離間して設けられることが好ましい。
【0119】
なお、溝部35A,35Bは、基板本体31Fの第1端面および第2端面に代えて、第1側面および第2側面に設けられていてもよい。もしくは、第1端面および第2端面に加えて第1側面および第2側面に設けられていてもよい。また、溝部35A,35Bは、基板本体31Fの角部に設けられていてもよい。これらの場合においても、溝部35A,35Bにおいて、はんだ200のぬれ上がりを積層コンデンサ2の底面で阻害することができ、回路基板100からの可聴音の発生を抑制できる。
【0120】
上述の各実施形態に示す構成からなる電子部品は、次に示すキャリアテープに収容された状態で、当該電子部品を利用する製造工程に持ち込まれる。
【0121】
図12に、複数の電子部品1が連なった電子部品連を示す。電子部品連は、キャリアテープを有する。
図12(A)に示されるように、キャリアテープ90は、テープ本体91と蓋92とを備える。テープ本体91には、電子部品1を収容する収容穴910がテープ本体91の長手方向に沿って相互に間隔をおいて複数設けられている。収容穴910は、平面視して(開口面から見て)、テープ本体91の長手方向に短く、長手方向に直交する短手方向に長い形状からなる。収容穴910の幅W(テープ本体91の長手方向に沿った長さ)は、収容穴910の深さDよりも小さい。収容穴910は、開口面が蓋92によって閉鎖されている。
図12(B)に示されるように、電子部品1は、基板型の端子3が収容穴910の底面側を向くように配されている。ここで、基板本体31の短手寸法が積層コンデンサ2の短手寸法よりも大きい場合、基板本体の31の短手寸法に応じて、収容穴の底面の短手寸法が大きくなる。積層コンデンサ2の底面の短手寸法(幅W)が大きいと、収容穴内で電子部品1が横転しやすい。本願発明において、たとえば実施形態1,5,6,7,8で例示した電子部品のように、基板本体31の短手寸法が、積層コンデンサ2の短手寸法よりも小さく、1.0倍未満とすることによって、収容穴の底面の短手寸法を基板本体31の短手寸法に合わせて、小さくすることができる。収容穴の底面の短手寸法が小さければ、積層コンデンサ2の横転を抑制することができる。積層コンデンサ2の端面の形状が正方形である場合、底面の短手寸法を収容穴の深さ寸法よりも小さくすることが好ましい。正方形とは直交する辺の長さの差が20%以下であることを意味する。