特許第5794306号(P5794306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794306
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20150928BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H05K7/20 E
【請求項の数】25
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-531059(P2013-531059)
(86)(22)【出願日】2012年8月22日
(86)【国際出願番号】JP2012005266
(87)【国際公開番号】WO2013031147
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年2月24日
(31)【優先権主張番号】特願2011-191541(P2011-191541)
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2011-237862(P2011-237862)
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰仁
(72)【発明者】
【氏名】柴田 美里
(72)【発明者】
【氏名】小高 章弘
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−211663(JP,A)
【文献】 特開2010−035347(JP,A)
【文献】 特開2006−121861(JP,A)
【文献】 特開2005−036773(JP,A)
【文献】 特開2007−159204(JP,A)
【文献】 特開2010−167871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換用の半導体スイッチング素子を内蔵し、一面にフィン付放熱部材を有する半導体パワーモジュールと、
前記フィン付放熱部材に接合される冷却体と、
前記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した複数の実装基板と、
複数の実装基板を個別に前記半導体パワーモジュールとの間に所定間隔を保って支持し、当該実装基板の発熱を前記冷却体に筐体を介することなく放熱するように前記半導体パワーモジュールの少なくとも一側面側を通って前記冷却体に接触する複数の伝熱支持部材とを備え
前記実装基板と前記伝熱支持部材との組毎に前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部の高さを異ならせるとともに、当該伝熱支持側板部が前記半導体パワーモジュールの異なる側面を通って前記冷却体に接触されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記半導体パワーモジュールは、長方形の平面を有する扁平直方体形状を有し、前記複数の伝熱支持部材の少なくとも一つは、前記半導体パワーモジュールの長辺側の一側面を通るように配置され、他の伝熱支持部材の少なくとも一つは前記半導体パワーモジュールの長辺側の他側面を通るように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記伝熱支持部材は、前記半導体パワーモジュールに形成された接続端子に対応する位置に挿通孔を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
電力変換用の半導体スイッチング素子を内蔵し、一面に冷却体に接触するフィン付放熱部材が形成された半導体パワーモジュールと、
前記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した複数の実装基板と、
該複数の実装基板を個別に前記半導体パワーモジュールとの間に所定間隔を保って支持し、当該実装基板の発熱を前記冷却体に筐体を介することなく放熱するように前記半導体パワーモジュールの少なくとも一部を通って前記冷却体に接触する伝熱支持部材とを備え、
前記実装基板と前記伝熱支持部材との組毎に前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部の高さを異ならせるとともに、当該伝熱支持側板部が前記半導体パワーモジュールの異なる一部を通って前記冷却体に接触されている
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
前記冷却体は水冷ジャケット構成を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記実装基板は金属ベース回路基板で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記実装基板と前記伝熱支持部材との間に伝熱部材を介挿したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記伝熱部材は、絶縁性を有する絶縁体で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記伝熱部材は、伸縮性を有する弾性体で構成されていることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記伝熱部材は、伸縮性を有する弾性体で構成され、前記実装基板の前記伝熱板部側実装面に前記発熱回路部品が実装されていることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記伝熱部材は、前記実装基板と同じ大きさに形成されていることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記伝熱部材は、前記実装基板に実装される電子回路部品のうち相対的に発熱量又は伝熱密度の大きい発熱回路部品の周囲のみに配置したことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記実装基板と前記伝熱支持部材の伝熱支持板部とを前記伝熱部材を介して締付固定部材で固定したことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記締付固定部材の周囲に前記実装基板と前記伝熱支持部材の伝熱支持板部との間隔を所定値に維持する間隔調整部材が介挿されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記伝熱支持部材は、伝熱部材を介して前記実装基板を支持する伝熱支持板部と、該伝熱支持板部の側面を固定支持して前記冷却体に接触される伝熱支持側板部とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記伝熱支持側板部は、前記実装基板の各側面に対応する板部を有し、当該各板部に前記伝熱支持板部を支持する支持部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項17】
前記伝熱支持板部と前記伝熱支持側板部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記伝熱支持板部は、複数の伝熱支持側板部に固定支持されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項19】
前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部は前記半導体パワーモジュールの前記フィン付放熱部材及び前記冷却体間に挿通される冷却体接触板部を有することを特徴とする請求項15又は16に記載の電力変換装置。
【請求項20】
前記冷却体接触板部と前記半導体パワーモジュールの前記フィン付放熱部材との間に板状弾性部材が介挿されていることを特徴とする請求項19に記載の電力変換装置。
【請求項21】
前記冷却体接触板部は、前記半導体パワーモジュールに形成された当該半導体パワーモジュールを前記冷却体に固定する固定部材を挿通する挿通孔に対向する位置に固定部材挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項20に記載の電力変換装置。
【請求項22】
前記半導体パワーモジュールは、前記冷却体を当該半導体パワーモジュールの前記冷却体とは反対側に臨ませる開口部が形成され、
前記伝熱支持部材は、伝熱部材を介して前記実装基板を支持する伝熱支持板部と、該伝熱支持板部の側面を固定支持して前記半導体パワーモジュールの前記開口部を通じて前記冷却体に接触される伝熱支持側板部とで構成されてい
ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項23】
前記伝熱支持板部は、複数の伝熱支持側板部に固定支持されていることを特徴とする請求項22に記載の電力変換装置。
【請求項24】
前記伝熱支持部材は、黒色の表面を有することを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の電力変換装置。
【請求項25】
前記実装基板は、相対的に発熱量又は伝熱密度の大きい発熱回路部品を前記冷却体への伝熱距離が短くなる位置に配置したことを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換用の半導体スイッチング素子を内蔵したモジュール上に、所定間隔を保って上記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した実装基板を支持するようにした電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電力変換装置としては、特許文献1に記載された電力変化装置が知られている。この電力変換装置は、筐体内に、水冷ジャケットを配置し、この水冷ジャケット上に電力変換用の半導体スイッチング素子としてのIGBTを内蔵したパワーモジュールを配置して冷却するようにしている。また、筐体内には、パワーモジュールの水冷ジャケットとは反対側に所定距離を保って制御回路基板を配置し、この制御回路基板で発生する熱を、放熱部材を介して制御回路基板を支持する金属ベース板に伝達し、さらに金属ベース板に伝達された熱を、この金属ベース板を支持する筐体の側壁を介して水冷ジャケットに伝達するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4657329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、制御回路基板で発生する熱を、制御回路基板→放熱部材→金属ベース板→筐体→水冷ジャケットという経路で放熱するようにしている。このため、筐体が伝熱経路の一部として利用されることにより、筐体にも良好な伝熱性が要求されることになり、材料が熱伝導率の高い金属に限定され、小型軽量化の要求される電力変換装置おいて、樹脂等の軽量な材料の選択が不可能となり軽量化が困難となるという未解決の課題がある。
【0005】
また、筐体には、防水・防塵が要求されることが多いため、金属ベース板と筐体との間、筐体と水冷ジャケットとの間には液状シール剤の塗布やゴム製パッキンの挟み込みなどが一般的に行われている。液状シール剤やゴム製パッキンは熱伝導率が一般的に低く、これらが熱冷却経路に介在することで熱抵抗が増え冷却効率が低下するという未解決の課題もある。この未解決の課題を解決するためには、基板や実装部品の除去しきれない発熱を筐体や筐体蓋からの自然対流による放熱も必要となり、筐体や筐体蓋の表面積を大きくするために、筐体や筐体蓋の外形が大きくなり電力変換装置が大型化することになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、基板に実装された発熱回路部品の熱の放熱経路に筐体を介在させることなく、発熱回路部品の熱を効率よく冷却体に放熱することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、電力変換用の半導体スイッチング素子を内蔵し、一面にフィン付放熱部材を有する半導体パワーモジュールと、前記フィン付放熱部材に接合される冷却体と、前記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した複数の実装基板と、該複数の実装基板を個別に前記半導体パワーモジュールとの間に所定間隔を保って支持し、当該実装基板の発熱を前記冷却体に筐体を介することなく放熱するように前記半導体パワーモジュールの少なくとも一側面側を通って前記冷却体に接触する複数の伝熱支持部材とを備え、前記実装基板と前記伝熱支持部材との組毎に前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部の高さを異ならせるとともに、当該伝熱支持側板部が前記半導体パワーモジュールの異なる側面を通って前記冷却体に接触されている
この構成によると、複数の実装基板に実装されている発熱回路部品の熱を個別の伝熱支持部材によって冷却体に筐体を介することなく直接放熱することができ、実装基板毎に異なる放熱経路を形成することができる。伝熱支持部材がモジュールの一側面を通って冷却体に接触するので、伝熱経路を短くすることができる。
【0008】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記半導体パワーモジュールは、長方形の平面を有する扁平直方体形状を有し、前記複数の伝熱支持部材の少なくとも一つは、前記半導体パワーモジュールの長辺側の一側面を通るように配置され、他の伝熱支持部材の少なくとも一つは前記半導体パワーモジュールの長辺側の他側面を通るように配置されている。
この構成によると、実装基板に実装されている発熱回路部品の熱を伝熱支持部材によって筐体を介することなく冷却体に放熱することができるとともに、伝熱支持部材の伝熱断面積を広くすることができ、放熱効果を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る電力変換装置の第3の態様は、前記伝熱支持部材が、前記モジュールのケース体に形成された接続端子に対応する位置に挿通孔を形成した構成とされている。
この構成によると、隣接する挿通孔間に伝熱路を形成することができ、伝熱路の断面積を増加させて効率よく伝熱することができる。また、振動に対する剛性も確保することができる。
【0010】
また、本発明に係る電力変換装置の第4の態様は、電力変換用の半導体スイッチング素子を内蔵し、一面に冷却体に接触するフィン付放熱部材が形成された半導体パワーモジュールと、前記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した複数の実装基板と、該複数の実装基板を個別に前記半導体パワーモジュールとの間に所定間隔を保って支持し、当該実装基板の発熱を前記冷却体に筐体を介することなく放熱するように前記半導体パワーモジュールの少なくとも一部を通って前記冷却体に接触する伝熱支持部材とを備え、前記実装基板と前記伝熱支持部材との組毎に前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部の高さを異ならせるとともに、当該伝熱支持側板部が前記半導体パワーモジュールの異なる一部を通って前記冷却体に接触されている。
この構成によると、上記第の態様と同様に、実装基板に実装されている発熱回路部品の熱を伝熱支持部材によって筐体を介することなく冷却体に放熱することができ、実装基板毎に異なる放熱経路を形成することができる。しかも、伝熱支持部材が半導体パワーモジュールの少なくとも一部を通って冷却体に接触するので、モジュールの外形が大きい場合に、伝熱経路を短くすることができる。
【0011】
また、本発明に係る電力変換装置の第の態様は、前記冷却体が水冷ジャケット構成を有している。
この構成によると、冷却体による伝熱支持部材に対する冷却効果を増加させることができる。
【0016】
また、本発明に係る電力変換装置の第の態様は、前記実装基板が金属ベース回路基板で構成されている。
この構成によると、金属ベース回路基板の放熱板を伝熱支持部材に連結することにより、発熱回路部品の放熱を効率良く行うことができる。
また、本発明に係る電力変換装置の第の態様は、前記実装基板と前記伝熱支持部材との間に伝熱部材を介挿している。
この構成によると、実装基板の発熱回路部品の熱を、伝熱部材を介して伝熱支持部材に効率よく伝熱することができる。
【0017】
また、本発明に係る電力変換装置の第の態様は、前記伝熱部材が、絶縁性を有する絶縁体で構成されている。
この構成によると、伝熱部材が絶縁体で構成されているので、実装基板と伝熱支持板部とを確実に絶縁することができる。
また、本発明に係る電力変換装置の第の態様は、前記伝熱部材が、伸縮性を有する弾性体で構成されている。
この構成によると、伝熱部材が弾性体で構成されているので、実装基板及び実装された回路部品との接触面積を広くして放熱効果を向上させることができる。
【0018】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記伝熱部材が、伸縮性を有する弾性体で構成され、前記実装基板の前記伝熱板部側実装面に前記発熱回路部品が実装されている。
この構成によると、伝熱部材を実装基板の発熱回路部品に直接接触させることができ、大きな放熱効果を発揮することができる。
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記伝熱部材が、前記実装基板と同じ大きさに形成されている。
この構成によると、伝熱部材の大きさが実装基板と同じとされているので、伝熱面積を広くして放熱効果を高めることができる。
【0019】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記伝熱部材が、前記実装基板に実装される電子回路部品のうち相対的に発熱量又は伝熱密度の大きい発熱回路部品の周囲のみに配置されている。
この構成によると、放熱効果を発揮したい部分にのみ伝熱部材を配置するので、伝熱部材の使用面積を減少させて、低コスト化を図ることができる。
【0020】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記実装基板と前記伝熱支持部材の伝熱支持板部とを前記伝熱部材を介して締付固定部材で固定している。
この構成によると、実装基板と伝熱支持部材の伝熱支持板部の間に伝熱部材を挟んだ状態で締付固定部材によって固定するので、組付けを容易に行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記締付固定部材の周囲に前記実装基板と前記伝熱支持部材の伝熱支持板部との間隔を所定値に維持する間隔調整部材が介挿されている。
この構成によると、伝熱部材が弾性体である場合に、伝熱部材の圧縮率を正確に規定することができる。
【0022】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記伝熱支持部材が、伝熱部材を介して前記実装基板を支持する伝熱支持板部と、該伝熱支持板部の側面を固定支持して前記冷却体に接触される伝熱支持側板部とで構成されている。
この構成によると、実装基板を伝熱支持板部で支持するので、実装基板の剛性を高めることができる。
【0023】
また、本発明に係る電力変換装置の第1の態様は、前記伝熱支持側板部は、前記実装基板の各側面に対応する側板部を有し、当該各板部に前記伝熱支持板部を支持する支持部を形成している。
この構成によると、1つの伝熱支持側板部によって複数の実装基板を支持することができる。
【0024】
また、本発明に係る電力変換装置の第17の態様は、前記伝熱支持板部と前記伝熱支持側板部とが一体に形成されている。
この構成によると、伝熱支持板部と伝熱支持側板部とが一体に形成されているので、両者間の連結部に継ぎ目がなく、連結部での熱抵抗を小さくすることができる。
【0025】
また、本発明に係る電力変換装置の第18の態様は、前記伝熱支持板部は、複数の伝熱支持側板部に固定支持されている。
この構成によると、伝熱支持板部が複数の伝熱支持側板部に固定支持されているので、冷却体への伝熱面積を増加させて、効率の良い放熱を行うことができる。
また、本発明に係る電力変換装置の第19の態様は、前記伝熱支持部材の伝熱支持側板部が前記半導体パワーモジュールの前記フィン付放熱部材及び前記冷却体間に挿通される冷却体接触板部を有する。
この構成によると、伝熱支持側板部に冷却体に接触する冷却体接触板部を有するので、冷却体への放熱を確実に行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記冷却体接触板部と前記半導体パワーモジュールの前記フィン付放熱部材との間に板状弾性部材が介挿されている。
この構成によると、板状弾性部材によって冷却体接触板部が冷却体に押し付けされるので、冷却体と冷却体接触板部との接触を確実に行うこと化できる。
【0027】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記冷却体接触板部が、前記半導体パワーモジュールに形成された当該半導体パワーモジュールを前記冷却体に固定する固定部材を挿通する挿通孔に対向する位置に固定部材挿通孔が形成されている。
この構成によると、半導体パワーモジュールと伝熱支持部材とを同時に冷却体に固定することができ、組立工数を減少させることができる。
【0028】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記半導体パワーモジュールが、冷却部材を当該モジュールの前記冷却部材とは反対側に臨ませる開口部が形成され、前記伝熱支持部材が、前記伝熱部材を介して前記実装基板を支持する伝熱支持板部と、該伝熱支持板部の側面を固定支持して前記モジュールの前記開口部を通じて前記冷却部材に接触される伝熱支持側板部とで構成されている。
この構成によると、伝熱支持側板部がモジュールの開口部を通じて冷却部材に接触されるので、モジュールと伝熱支持側板部とを一体化させることができる。
【0029】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記伝熱支持板部が、複数の伝熱支持側板部に固定支持されている。
この構成によると、伝熱支持板部が複数の伝熱支持側板部に固定支持されているので、冷却体への伝熱面積を増加させて、効率の良い放熱を行うことができる。
【0030】
また、本発明に係る電力変換装置の第2の態様は、前記伝熱支持部材が、黒色の表面を有する。
この構成によると、伝熱支持部材の表面を黒色とすることにより、熱の放射率を大きくすることができ、放射伝熱量が増えることで、伝熱支持部材の周囲への放熱が活発化され、基板の熱冷却を効率化することができる。
【0031】
また、本発明に係る電力変換装置の第2態様は、前記実装基板が、相対的に発熱量又は伝熱密度の大きい発熱回路部品を前記冷却体への伝熱距離が短くなる位置に配置されている。
この構成によると、実装基板への発熱回路部品を伝熱距離が短くなるように配置するので、伝熱量を増やして効率的な放熱を行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、発熱回路部品を含む回路部品を実装した実装基板を冷却体に接触する伝熱支持部材で筐体を介することなく支持するので、発熱回路部品で生じる熱を、伝熱支持部材を介して直接冷却体に放熱することができ、熱抵抗を抑えて冷却効率の良い熱冷却を行うことができる。このため、筐体や筐体蓋からの放熱作用との併用を減少させることができ、筐体や筐体蓋の大きさを抑えて小型化されて安価な電力変換装置を提供することができる。
しかも、筐体に良好な伝熱性を要求することがないので、筐体に樹脂等の軽量な材料を用いることができ、筐体を軽量化して安価な電力変換装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る電力変換装置の第1の実施形態の全体構成を示す断面図である。
図2】第1の実施形態の要部を示す拡大断面図である。
図3】実装基板を取り付け状態の具体的構成を示す拡大断面図である。
図4】実装基板の伝熱支持部材への取り付け方法を示す図である。
図5】実装基板を伝熱支持部材へ取り付けた状態を示す断面図である。
図6】伝熱部材の変形例を示す断面図である。
図7】伝熱支持部材を示す側面図である。
図8】発熱回路部品の基板ユニット内における放熱経路を説明する図である。
図9】発熱回路部品の全体の放熱経路を説明する図である。
図10】電力変換装置に対して上下振動や横揺れが作用した状態を示す図である。
図11】実装基板への発熱回路部品の配置例を示す模式的斜視図である。
図12】実装基板への発熱回路部品の配置例を示す断面図である。
図13】第1の実施形態の変形例の放熱経路を説明する図である。
図14】本発明に係る電力変換装置の第2の実施形態の全体構成を示す断面図である。
図15】第2の実施形態の要部を示す断面図である。
図16】本発明に係る電力変換装置の第3の実施形態の要部を示す断面図である。
図17】第3の実施形態の変形例を示す断面図である。
図18】伝熱支持部材の他の例を示す断面図である。
図19】金属ベース回路基板を適用した場合の変形例を示す断面図である。
図20】伝熱支持部材のさらに他の例を示す斜視図である。
図21図20の平面図である。
図22図20の正面図である。
図23図20の側面図である。
図24図20における伝熱支持部材のみの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は本発明に係る電力変換装置の全体構成を示す断面図である。
図中、1は電力変換装置であって、この電力変換装置1は筐体2内に収納されている。筐体2は、合成樹脂材を成形したものであり、水冷ジャケットの構成を有する冷却体3を挟んで上下に分割された下部筐体2A及び上部筐体2Bで構成されている。
【0035】
下部筐体2Aは有底角筒体で構成されている。この下部筐体2Aは開放上部が冷却体3で覆われ、内部に平滑用のフィルムコンデンサ4が収納されている。
上部筐体2Bは、上端及び下端を開放した角筒体2aと、この角筒体2aの上端を閉塞する蓋体2bとを備えている。そして、角筒体2aの下端が冷却体3で閉塞されている。この角筒体2aの下端と冷却体3との間には、図示しないが、液状シール剤の塗布やゴム製パッキンの挟み込みなどのシール材が介在されている。
【0036】
冷却体3は、冷却水の給水口3a及び排水口3bが筐体2の外方に開口されている。これら給水口3a及び排水口3bは例えばフレキシブルホースを介して図示しない冷却水供給源に接続されている。この冷却体3は例えば熱伝導率の高いアルミニウム、アルミニウム合金を射出成形して形成されている。そして、冷却体3は、下面が平坦面とされ、上面が中央部3cを残して角枠状の周溝3dが形成されている。また、冷却体3には、下部筐体2Aに保持されたフィルムコンデンサ4の絶縁被覆された正負の電極4aを上下に挿通する挿通孔3eが形成されている。
【0037】
電力変換装置1は、図2とともに参照して明らかなように、電力変換用の例えばインバータ回路を構成する半導体スイッチング素子として例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を内蔵したパワーモジュール11を備えている。このパワーモジュール11は、扁平な直方体状の絶縁性のケース体12内にIGBTを内蔵しており、ケース体12の下面に金属製の放熱部材13が形成されている。ケース体12及び放熱部材13には平面からみて四隅に固定部材としての固定ねじ14を挿通する挿通孔15が形成されている。また、ケース体12の上面には、挿通孔15の内側における4箇所に所定高さの基板固定部16が突出形成されている。
【0038】
この基板固定部16の上端には、パワーモジュール11に内蔵されたIGBTを駆動する駆動回路等が実装された駆動回路基板21が固定されている。また、駆動回路基板21の上方に所定間隔を保ってパワーモジュール11に内蔵されたIGBTを制御する相対的に発熱量の大きい、又は発熱密度の大きい発熱回路部品を含む制御回路等を実装した実装基板としての制御回路基板22が固定されている。さらに、制御回路基板22の上方に所定間隔を保ってパワーモジュール11に内蔵されたIGBTに電源を供給する発熱回路部品を含む電源回路等を実装した実装基板としての電源回路基板23が固定されている。
【0039】
そして、駆動回路基板21は、基板固定部16に対向する位置に形成した挿通孔21a内に継ぎねじ24の雄ねじ部24aを挿通し、この雄ねじ部24aを基板固定部16の上面に形成した雌ねじ部16aに螺合することにより固定されている。
また、制御回路基板22は継ぎねじ24の上端に形成した雌ねじ部24bに対向する位置に形成した挿通孔22a内に継ぎねじ25の雄ねじ部25aを挿通し、この雄ねじ部25aを継ぎねじ24の雌ねじ部24bに螺合することにより固定されている。
【0040】
さらに、電源回路基板23は継ぎねじ25の上端に形成した雌ねじ部25bに対向する位置に形成した挿通孔23a内に固定ねじ26を挿通し、この固定ねじ26を継ぎねじ25の雌ねじ部25bに螺合することにより固定されている。
また、制御回路基板22及び電源回路基板23は、伝熱支持部材32及び33によって筐体2を介することなく冷却体3への放熱経路を独自に形成するように支持されている。これら伝熱支持部材32及び33は、熱伝導率が高い金属例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。
【0041】
また、伝熱支持部材32及び33は、制御回路基板22を支持する冷却体3の周溝3d内に配置されて冷却体接触板部となる角枠状の共通の底板部34を有する。したがって、伝熱支持部材32及び33は底板部34によって一体に連結されている。
【0042】
そして、伝熱支持部材32及び33と底板部34とは黒色の表面を有する。これら伝熱支持部材32及び33と底板部34との表面を黒色化にするには、表面に黒色樹脂をコーティングしたり、黒色塗料で塗装したりすればよい。このように、伝熱支持部材32及び33と底板部34との表面を黒色とすることにより、金属の素材色と比較し熱放射率が大きくなり、放射伝熱量を増やすことができる。このため、伝熱支持部材32及び33と底板部34との周囲への放熱が活発化され、制御回路基板22及び電源回路基板23の熱冷却を効率良く行うことができる。なお、底板部34を除いて伝熱支持部材32及び33のみの表面を黒色にするようにしてもよい。
【0043】
伝熱支持部材32は、平板上の伝熱支持板部32aと、この伝熱支持板部32aの図2で見てパワーモジュール11の長辺に沿う右端側に固定ねじ32bで固定された伝熱支持側板部32cとで構成されている。そして、伝熱支持側板部32cが共通の底板部34に連結されている。
伝熱支持板部32aには、伝熱部材35を介して制御回路基板22が固定ねじ36によって固定される。伝熱部材35は、伸縮性を有する弾性体で電源回路基板23と同じ外形寸法に構成されている。この伝熱部材35としては、シリコンゴムの内部に金属フィラーを介在させることにより絶縁性能を発揮しながら伝熱性を高めたものが適用されている。
【0044】
また、伝熱支持側板部32cは、図2に示すように、冷却体3の周溝3d内に配置される共通の底板部34の長辺側の外周縁に一体に連結されて上方に延長する連結板部32dと、この連結板部32dの上端から左方に延長する上板部32eとで断面逆L字状に形成されている。連結板部32dは、パワーモジュール11の長辺側の右側面を通って上方に延長している。
【0045】
伝熱支持部材33は、平板上の伝熱支持板部33aと、この伝熱支持板部33aの図2で見てパワーモジュール11の長辺に沿う左端側に固定ねじ33bで固定された伝熱支持側板部33cとで構成されている。そして、伝熱支持側板部33cが共通の底板部34に連結されている。
伝熱支持板部33aには、前述した伝熱部材35と同様の伝熱部材37を介して電源回路基板23が固定ねじ38によって固定される。
【0046】
また、伝熱支持側板部33cは、図2及び図3に示すように、冷却体3の周溝3d内に配置される共通の底板部34の長辺側の外周縁に一体に連結されて上方に延長する連結板部33dと、この連結板部33dの上端から左方に延長する上板部33eとで断面逆L字状に形成されている。連結板部33dは、パワーモジュール11の長辺側の左側面を通って上方に延長している。
【0047】
そして、連結板部33dの底板部34及び上板部33eとの連結部を例えば円筒面の一部でなる湾曲面33f及び33gに形成している。このように連結板部33dと底板部34及び上板部33eとの連結部を円筒状の湾曲面33f及び33gとすることにより、上下振動や横揺れ等に対する耐振動性を向上することができる。すなわち、電力変換装置1に上下振動や横揺れが伝達されたときに連結板部33dと底板部34及び上板部33eとの連結部に生じる応力集中を緩和することが可能となる。
【0048】
さらに、連結板部33dと底板部34及び上板部33eとの連結部を円筒状の湾曲面33f及び33gとすることにより、連結板部33dと底板部34及び上板部33eとの連結部を直角のL字形状とする場合に比較して熱伝導経路を短くすることができる。このため、伝熱支持板部33aから冷却体3までの熱伝導経路を短くして、効率的な熱冷却が可能となる。
【0049】
さらに、制御回路基板22及び電源回路基板23には、発熱回路部品39が、図4及び図5に示すように、下面側に実装されている。
そして、制御回路基板22及び電源回路基板23と、伝熱部材35,37及び伝熱支持板部32a,33aとの連結が図4に示すように行われる。これら制御回路基板22及び電源回路基板23と、伝熱支持板部32a及び33aとの連結は左右が逆となることを除いては実質的に同じであるので、電源回路基板23及び伝熱支持板部33aを代表として説明する。
【0050】
この電源回路基板23と伝熱支持板部33aとの連結には、図4及び図5に示すように、伝熱部材37の厚みTより低い伝熱板部管理高さHを有する間隔調整部材としての間座40が用いられる。この間座40は、伝熱支持板部33aに形成された固定ねじ38が螺合する雌ねじ部41の外周側に接着等によって仮止めされている。ここで、間座40の伝熱板部管理高さHは、伝熱部材37の圧縮率が約5〜30%となるように設定されている。このように、伝熱部材37を約5〜30%程度に圧縮することにより、熱抵抗が減り効率良い伝熱効果を発揮することができる。
【0051】
一方、伝熱部材37には、継ぎねじ25を挿通可能な挿通孔37aと、間座40を挿通可能な挿通孔37bとが形成されている。
そして、伝熱支持板部33aに仮止めされた間座40を挿通孔37bに挿通されるように伝熱部材37を伝熱支持板部33aに載置し、この伝熱支持板部33aの上に電源回路基板23を発熱回路部品39が伝熱部材37に接するように載置する。
【0052】
この状態で、固定ねじ38を電源回路基板23の挿通孔23bを通じ、間座40の中心開口を通じて伝熱支持板部33aの雌ねじ部41に螺合させる。そして、固定ねじ38を伝熱部材37の上面が間座40の上面と略一致するまで締め付ける。
このため、伝熱部材37が5〜30%程度の圧縮率で圧縮されることになり、熱抵抗が減って効率の良い伝熱効果を発揮することができる。このとき、伝熱部材37の圧縮率は間座40の高さHによって管理されるので、締め付け不足や締め付け過剰が生じることなく、適切な締め付けが行われる。
【0053】
また、電源回路基板23の下面側に実装された発熱回路部品39が伝熱部材37の弾性によって伝熱部材37内に埋め込まれる。このため、発熱回路部品39と伝熱部材37との接触が過不足なく行われるとともに、伝熱部材37と電源回路基板23及び伝熱支持板部33aとの接触が良好に行われ、伝熱部材37と電源回路基板23及び伝熱支持板部33aとの間の熱抵抗を減少させることができる。
制御回路基板22と伝熱支持板部32aとの伝熱部材35を介在させた連結も上記と同様にして行われる。
【0054】
なお、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持板部32a及び33aの下面には、絶縁距離を短くするために絶縁シート42及び43が貼着されている。
また、伝熱支持部材33の伝熱支持側板部33cにおける連結板部33dには、図7に示すように、パワーモジュール11の図1に示す3相交流出力端子11bに対応する位置に後述するブスバー55を挿通する例えば方形の3つの挿通孔33iが形成されている。このように、3つの挿通孔33iを形成することにより、隣接する挿通孔33i間に比較的幅広の伝熱路Lhを形成することができ、全体の伝熱路の断面積を増加させて効率よく伝熱することができる。また、振動に対する剛性も確保することができる。
【0055】
同様に、伝熱支持部材32の伝熱支持側板部32cの連結部にも、図1に示すように、パワーモジュール11の正極及び負極端子11aに対向する位置にそれぞれ同様の挿通孔32iが形成されている。この挿通孔32iを形成することにより、上述した挿通孔33iと同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
また、伝熱支持部材32及び33の共通の底板部34には、図2及び図3に示すように、パワーモジュール11の固定ねじ14を挿通する挿通孔15に対向する位置に固定部材挿通孔34aが形成されている。さらに、底板部34の上面とパワーモジュール11に形成された放熱部材13の下面との間に板状弾性部材45が介在されている。
そして、パワーモジュール11及び放熱部材13の挿通孔15及び底板部34の固定部材挿通孔34aに固定ねじ14を挿通し、この固定ねじ14を冷却体3に形成された雌ねじ部3fに螺合させることにより、パワーモジュール11と底板部34とが冷却体3に固定されている。
【0057】
次に、上記第1の実施形態の電力変換装置1の組立方法を説明する。
先ず、図4で前述したように、電源回路基板23を伝熱支持部材33の伝熱支持板部33aに伝熱部材37を介して重ね合わせ、固定ねじ38によって伝熱部材37を5〜30%程度の圧縮率で圧縮した状態で電源回路基板23、伝熱部材37及び伝熱支持板部33aを固定して、電源回路ユニットU3を形成しておく。
同様に、制御回路基板22を伝熱支持部材32の伝熱支持板部32aに伝熱部材35を介して重ね合わせ、固定ねじ36によって伝熱部材35を5〜30%程度の圧縮率で圧縮した状態で制御回路基板22、伝熱部材35及び伝熱支持板部32aを固定して制御回路ユニットU2を形成しておく。
【0058】
一方、冷却体3の周溝3d内に、伝熱支持部材32及び33に共通の底板部34を、その上面とパワーモジュール11に形成した放熱部材13の下面との間に板状弾性部材45を介在させた状態で、パワーモジュール11とともに固定ねじ14で固定する。このように、パワーモジュール11と伝熱支持部材32及び33の共通の底板部34とを同時に冷却体3に固定することができるので、組立工数を減少させることができる。
【0059】
また、底板部34を冷却体3に固定する際に板状弾性部材45を底板部34とパワーモジュール11の放熱部材13との間に介在させるので、この板状弾性部材45によって底板部34が冷却体3の周溝3dの底部に押し付けられて、底板部34が冷却体3に確実に接触されて、広い接触面積を確保することができる。
また、パワーモジュール11には、冷却体3に固定する前又は固定した後に、その上面に形成された基板固定部16に駆動回路基板21を載置する。そして、この駆動回路基板21をその上方から4本の継ぎねじ24によって基板固定部16に固定する。そして、伝熱支持板部32aを伝熱支持側板部32cに固定ねじ32bで連結する。
【0060】
そして、継ぎねじ24の上面に制御回路ユニットU2の制御回路基板22を載置し、4本の継ぎねじ25によって固定する。さらに、継ぎねじ25の上面に電源回路ユニットU3の電源回路基板23を載置し、4本の固定ねじ26によって固定する。そして、伝熱支持板部33aを伝熱支持側板部33cに固定ねじ33bによって連結する。
その後、図1に示すように、パワーモジュール11の正負の直流入力端子に11aに、ブスバー50を接続し、このブスバー50の他端に冷却体3を貫通するフィルムコンデンサ4の正負の電極4aを固定ねじ51で連結する。さらに、パワーモジュール11の直流入力端子11aに外部のコンバータ(図示せず)に接続する接続コード52の先端に固定された圧着端子53を固定する。
【0061】
さらに、パワーモジュール11の3相交流出力端子11bにブスバー55を固定ねじ56で接続し、このブスバー55の途中に電流センサ57を配置する。そして、ブスバー55の他端に外部の3相電動モータ(図示せず)に接続したモータ接続ケーブル58の先端に固定した圧着端子59を固定ねじ60で固定して接続する。
その後、冷却体3の下面及び上面に、下部筐体2A及び上部筐体2Bを、シール材を介して固定して電力変換装置1の組立を完了する。
【0062】
この状態で、外部のコンバータ(図示せず)から直流電力を供給するとともに、電源回路基板23に実装された電源回路、制御回路基板22に実装された制御回路を動作状態とし、制御回路から例えばパルス幅変調信号でなるゲート信号を駆動回路基板21に実装された駆動回路を介してパワーモジュール11に供給する。これによって、パワーモジュール11に内蔵されたIGBTが制御されて、直流電力を交流電力に変換する。変換した交流電力は3相交流出力端子11bからブスバー55を介してモータ接続ケーブル58に供給し、3相電動モータ(図示せず)を駆動制御する。
【0063】
このとき、パワーモジュール11に内蔵されたIGBTで発熱する。この発熱はパワーモジュール11に形成された放熱部材13が冷却体3の中央部3cに直接接触されているので、冷却体3に供給されている冷却水によって冷却される。
一方、制御回路基板22及び電源回路基板23に実装されている制御回路及び電源回路には発熱回路部品39が含まれており、これら発熱回路部品39で発熱を生じる。このとき、発熱回路部品39は制御回路基板22及び電源回路基板23の下面側に実装されている。
【0064】
そして、これら制御回路基板22及び電源回路基板23の下面側には、熱伝導率が高く弾性を有する伝熱部材35及び37を介して伝熱支持部材32及び33の伝熱支持板部32a及び33aが設けられている。
このため、発熱回路部品39が伝熱部材35及び37で覆われ、発熱回路部品39と伝熱部材35及び37との接触面積が大きくなるとともに密着して発熱回路部品39と伝熱部材35及び37との熱抵抗が小さくなる。したがって、発熱回路部品39の発熱が伝熱部材35及び37に効率よく伝熱される。そして、伝熱部材35及び37自体は5〜30%程度の圧縮率で圧縮されて熱伝導率が高められているので、図8に示すように、伝熱部材35及び37に伝熱された熱が効率良く伝熱支持部材32及び33の伝熱支持板部32a及び33aに伝達される。
【0065】
そして、伝熱支持板部32a及び33aには、伝熱支持側板部32c及び33cが連結されているので、伝熱支持板部32a及び33aに伝達された熱は、図9に示すように、伝熱支持側板部32c及び33cを通って共通の底板部34に伝達される。この底板部34は、冷却体3の周溝3d内に直接接触されているので、伝達された熱は冷却体3に放熱される。
【0066】
さらに、底板部34に伝達された熱は、その上面側から板状弾性部材45を介してパワーモジュール11の放熱部材13に伝達され、この放熱部材13を介して冷却体3の中央部3cに伝達されて放熱される。
このように、上記第1の実施形態によると、制御回路基板22及び電源回路基板23に実装された発熱回路部品39の発熱が熱抵抗の大きな制御回路基板22及び電源回路基板23を介することなく直接伝熱部材35及び37に伝熱されるので、効率の良い放熱を行うことができる。
【0067】
そして、伝熱部材35及び37に伝達された熱は伝熱支持板部32a及び33aに伝熱され、さらに伝熱支持側板部32c及び33cに伝達される。このとき、伝熱支持側板部32c及び33cがパワーモジュール11の長辺に沿って設けられている。
このため、伝熱面積を広くとることができ、広い放熱経路を確保することができる。しかも、伝熱支持側板部32c及び33cは折れ曲がり部が円筒状の湾曲部とされているので、折れ曲がり部をL字状にする場合に比較して冷却体3までの伝熱距離を短くすることができる。ここで、熱輸送量Qは、下記(1)式で表すことができる。
Q=λ×(A/L)×T …………(1)
【0068】
ただし、λは熱伝導率[W/m℃]、Tは温度差[℃]基板温度T1−冷却体温度T2、Aは伝熱最小断面積[m2]、Lは伝熱長さ[m]である。
この(1)式から明らかなように、伝熱長さLが短くなると、熱輸送量Qは増加することになり、良好な冷却効果を発揮することができる。
【0069】
また、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持側板部32c及び33cが共通の底板部34で一体化されているので、伝熱支持側板部32c及び33cと底板部34との間に部品同士の継ぎ目がなく、熱抵抗を抑制することができる。
さらに、発熱回路部品39が実装された制御回路基板22及び電源回路基板23から冷却体3までの放熱経路に筐体2が含まれていないので、筐体2に伝熱性が要求されることがない。したがって、筐体2の構成材料としてアルミニウム等の高熱伝導率の金属を使用する必要がなく、合成樹脂材で筐体2を構成することが可能となり、軽量化を図ることができる。
【0070】
また、放熱経路が筐体2に依存することなく、電力変換装置1単独で放熱経路を形成することができるので、パワーモジュール11と、駆動回路基板21、制御回路基板22及び電源回路基板23を一体化した構成の電力変換装置1を種々の異なる形態の筐体2や冷却体3に適用することができる。このため、単体としての電力変換装置1の剛性及び放熱性とハンドリングとを向上させることができる。
【0071】
また、制御回路基板22及び電源回路基板23に金属製の伝熱支持板部32a及び33aが固定されているので、制御回路基板22及び電源回路基板23の剛性を高めることができる。すなわち、伝熱支持板部32a及び33aで伝熱機能と剛性強化機能を発揮することができる。このため、電力変換装置1を車両の走行用モータを駆動するモータ駆動回路として適用する場合のように、電力変換装置1に図10に示す上下振動や横揺れが作用する場合でも、伝熱支持部材32及び33で剛性を高めることができる。したがって、上下振動や横揺れ等の影響が少ない電力変換装置1を提供することができる。
【0072】
なお、上記第1の実施形態においては、制御回路ユニットU2及び電源回路ユニットU3で、伝熱部材35及び37を制御回路基板22及び電源回路基板23と同じ外形とした場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、伝熱部材35及び37を図6に示すように発熱回路部品39が存在する箇所にのみ設けるようにしてもよい。
【0073】
また、上記第1の実施形態においては、制御回路基板22及び電源回路基板23で発熱回路部品39を裏面側の伝熱部材35及び37側に実装する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではない。すなわち、図11に示すように、制御回路基板22及び電源回路基板23の伝熱部材35及び37とは反対側の外周領域Aoに実装するようにしてよい。この場合には、発熱量の大きい発熱回路部品39が外周部側に配置されるので、発熱回路部品39を中央に配置して他の回路部品で囲まれる場合に比較して発熱回路部品の空間への放熱を行うことが可能となる。このため、効率的な熱冷却を行うことができる。
【0074】
さらには、図12に示すように、制御回路基板22及び電源回路基板23のそれぞれにおいて、発熱回路部品39を伝熱支持側板部32c及び33cに近い部分に配置することにより、冷却体3迄の放熱経路の距離を短くするようにしてもよい。この場合でも、発熱回路部品39の冷却体3までの放熱経路の距離が短くなるので、効率良い放熱を行うことができる。
【0075】
また、上記第1の実施形態においては、発熱回路部品39を実装した基板が2種類存在する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、発熱回路部品39を実装した基板が例えば制御回路基板22の一枚だけである場合には、図13(a)に示すように構成してもよい。すなわち、制御回路基板22の左右両側にそれぞれ伝熱支持側板部32c及び32fを設けて、伝熱支持板部32aの両側に放熱経路を形成する。このように構成することにより、伝熱支持板部32aの両側に放熱経路が形成されることにより、放熱効果をより向上させることができる。
さらには、図13(b)に示すように伝熱支持側板部32cに各回路ユニットU2及びU3を支持する上板部32eを複数形成して、複数の回路基板を支持するようにしてもよい。
【0076】
次に、本発明の第2の実施形態を図14及び図15について説明する。
この第2の実施形態は、パワーモジュール11に形成されている放熱部材13が冷却体3に流れる冷却水に直接接触する冷却フィン61を備えた構成とされている。これに応じて、冷却体3の中央部に冷却フィン61を冷却水の通路に浸漬させる浸漬部62を形成している。
そして、浸漬部62を囲む周壁63と放熱部材13との間にOリング等のシール部材66が配設されている。
【0077】
その他の構成については前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図1及び図2との対応部分には同一符号を付しその詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態によると、パワーモジュール11の放熱部材13に冷却フィン61が形成され、この冷却フィン61が冷却水に浸漬部62で冷却水に浸漬されているので、パワーモジュール11をより効率良く冷却することができる。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態を図16について説明する。
この第3の実施形態は、伝熱支持側板部32c及び33cをパワーモジュール11内を通って冷却体3に接触するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、パワーモジュール11の左右端部側に伝熱支持側板部32c及び33cを挿通させる開口部としての貫通孔81a及び81bが前後方向に延長して形成されている。
ここで、貫通孔81a及び81bのそれぞれは、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持側板部32c及び323cにおける上板部32e及び33eを挿通することができるように位置及び幅が設定されている。
【0079】
そして、底板部34で連結された伝熱支持部材32及び33の上方に、パワーモジュール11を、その貫通孔81a及び81bが伝熱支持側板部32c及び33cの上板部32e及び33eに対向するように位置合わせした状態とする。この状態で、パワーモジュール11を下方に降下させることにより、貫通孔81a及び81b内に伝熱支持側板部32cの上板部32e及び伝熱支持側板部33cの上板部33eが挿通される。そして、パワーモジュール11の冷却部材13の下面を底板部34の上面に形成した板状弾性部材45の上面に接触させる。
【0080】
この状態で、パワーモジュール11及び底板部34を固定ねじ14で共に冷却体3にねじ止めすることより、伝熱支持部材32及び33を冷却体3にパワーモジュール11と共に固定する。
その後、パワーモジュール11の上面に駆動回路基板21、制御回路ユニットU2及び電源回路ユニットをU3を前述した第1の実施形態と同様に順次取り付け、制御回路ユニットU2側の伝熱支持板部32aを伝熱支持側板部32cの上板部32eに固定ねじ32bでねじ止めする。また、電源回路ユニットU3側の伝熱支持板部33aを伝熱支持側板部33cの上板部33eに固定ねじ33bでねじ止めする。
【0081】
この第3の実施形態によると、上記第1の実施形態の作用効果に加えて、共通の底板部34で連結された伝熱支持部材32及び33の上方にパワーモジュール11の貫通孔81a及び81bを対向させた状態で、パワーモジュール11と伝熱支持部材32及び33とを相対移動させることにより、パワーモジュール11と伝熱支持部材32及び33との組付けることができ、組付作業を容易に行うことができる。
【0082】
なお、上記第3の実施形態においては、パワーモジュール11に形成した貫通孔81a及び18b内に共通の底板部34で連結された伝熱支持部材32及び33を挿通して、底板部34を冷却体3にパワーモジュール11と共に固定する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、図17に示すように、伝熱支持部材32及び33を貫通孔81a及び81b内で冷却部材13に直接固定するようにしてもよい。
すなわち、パワーモジュール11を、その冷却部材13を貫通孔81a及び81bを通じてパワーモジュール11の上方側に臨ませるように延長した構成とする。
【0083】
一方、伝熱支持部材32及び33を連結する底板部34を左右両端部を残して切断した形状に構成する。
そして、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持部材32及び33の伝熱支持側板部32c及び33cの底板部32h及び33hを貫通孔81a及び81内に挿通して冷却部材13の上面に当接させた状態で、ろう付け、ねじ止め等の固定手段によって冷却部材13に固定する。この場合には、予め伝熱支持部材32及び33をパワーモジュール11に一体化させておくことにより、組付工数を減少させて、組付作業をより容易に行うことができる。この場合には、パワーモジュール11に形成する貫通孔81a及び81bの幅は、伝熱支持側板部32c及び33cの底板部32h及び33hを挿通可能な幅に設定すればよい。
【0084】
また、上記第3の実施形態においては、パワーモジュール11に形成した貫通孔81a及び18bを形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、貫通孔81a及び81bに代えて、パワーモジュール11の左右端部から内方に切欠を形成するようにしてもよい。要は、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持側板部32c及び33cが挿通可能な開口部が形成されていればよい。
【0085】
また、上記第3の実施形態においては、パワーモジュール11の左右端部側に貫通孔81a及び81bを形成した場合について説明したが、これに限らず、前後端部側に貫通孔を形成するようにしてもよく、さらにはパワーモジュール11の隣接する辺の一方に貫通孔81aを形成し、他方に貫通孔81bを形成するようにしてもよい。
【0086】
また、上記第3の実施形態においては、パワーモジュール11に2つの貫通孔81a及び81bを形成した場合について説明したが、パワーモジュール11の寸法によっては、貫通孔81a及び81bの一方のみを形成し、他方の貫通孔に挿通する伝熱支持側板部については第1の実施形態のようにパワーモジュール11の側面を通って冷却体3に固定するようにしてもよい。
【0087】
なお、上記第1〜第3の実施形態においては、伝熱支持部材32及び33の伝熱支持板部32a及び33aと伝熱支持側板部32c及び33cとを別体で構成する場合について説明した。しかしながら、本発明は、上記構成に限定されるものでなく、図18に示すように、伝熱支持板部32a及び33aと伝熱支持側板部32c及び33cとを一体に構成するようにしてもよい。この場合には、伝熱支持板部32a及び33aと伝熱支持側板部32c及び32cとの間に継ぎ目が形成されることがなくなるので、熱抵抗を小さくしてより効率の良い放熱を行うことができる。
【0088】
また、上記第1〜第3の実施形態においては、制御回路基板22及び電源回路基板23に伝熱部材35及び37を介して伝熱支持板部32a及び33aを結合した場合について説明した。しかしながら、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、制御回路基板22及び電源回路基板として、図19に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金を主体とした放熱板71上に絶縁層72を介して回路パターン73を形成した金属ベース回路基板74を適用することができる。この場合には、図19に示すように、伝熱部材35及び37と伝熱支持板部32a及び33aを省略して、金属ベース回路基板74の放熱板71を直接伝熱支持側板部32c及び33cに接続するようにすればよい。
【0089】
また、上記第1〜第3の実施形態においては、制御回路基板22と電源回路基板23とを個別の伝熱支持部材で支持する場合について説明した。しかしながら、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、伝熱支持部材を図20図24に示す構造とすることができる。
【0090】
すなわち、前述した第1〜第3の実施形態における伝熱支持側板部32及び33を省略し、これらに代えて例えば矩形の制御回路規範22及び電源回路基板23の各側面に対応する4つの前側板部91a、後側板部91b、左側板部91c及び右側板部91dを共通の底板部34から立ち上げて伝熱支持側板部90を構成する。これら各板部91a〜91dの内、前側板部91a及び後側板部91bには、制御回路基板22を支持する伝熱支持板部32aに対向する位置に左右一対の幅広の逆U字状スリット92a,92bを形成し、これら逆U字状スリット92a,92bで囲まれる板部を内側に90度折り曲げて支持部93a,93bが形成されている。
【0091】
また、前側板部91a及び後側板部91bには、電源回路基板23に対向する上端が内方に90度折り曲げられて支持部94a及び94bが形成されている。
さらに、左側板部91c及び右側板部91dにも、前側板部91a及び後側板部91bと同様に1つの逆U字状スリット95a及び95bが形成され、これら逆U字状スリット95a及び95bに囲まれる板部を内側に90度折り曲げられて支持部96a及び96bが形成されている。また、左側板部91c及び右側板部91dにも、電源回路基板23に対向する上端が内方に90度折り曲げられて支持部97a及び97bが形成されている。
【0092】
そして、図20図23に示すように、側板部91a〜81dの中間部に形成された支持板部93a,93b、96a及び96b上に伝熱部材35を介して制御回路基板22を支持する伝熱支持板部32aを載置して、図示しない固定ねじで固定する。同様に、各側板部91a〜91dの上端に形成された支持板部94a,94b,97a及び97bに伝熱部材35を介して電源回路基板23を支持する伝熱支持板部33aを載置して、図示しない固定ねじで固定する。
このようにして、制御回路基板22及び電源回路基板23を支持した伝熱支持側板部90を、前述した第1及び第2の実施形態と同様に半導体パワーモジュール12とともに、冷却体3に固定する。
【0093】
伝熱支持側板部90を上記のように構成することにより、制御回路基板22及び電源回路基板23に実装された発熱回路部品で発生する発熱を伝熱支持板部32a及び33aと伝熱支持側板部90を介して冷却体3に確実に放熱することができる。したがって、上記第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも、伝熱支持側板部90を図20図24のように構成することにより、制御回路基板22及び電源回路基板23を支持する伝熱支持側板部を1つの部材で構成することができるとともに、複数の伝熱経路を確保することができ、放熱効率を向上させることができる。さらに、支持部83a,83b及び86a,86bを逆U字状スリット82a,82b及び85a,85bで囲まれる板部を折り曲げて形成している。このため、折り曲げ後に伝熱支持側板部90の内外を通じる空間部が形成されることになり、この空間部を放熱路として利用することができ、放熱効果をより向上させることができる。なお、図20図24の構成では、支持部83a,83b,84a,84b、86a,86b,87a,87bを折曲支持部として形成した場合について説明したが、内側に突出する板状の支持部を溶接等の固着手段で固定するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1〜第3の実施形態では、制御回路基板22及び電源回路基板23と伝熱支持板部32a及び33aとの間に介挿した伝熱部材35及び37が弾性を有する場合について説明した。しかしながら、本発明では上記構成に限定されるものではなく、絶縁被覆した金属板等の弾性を有さない伝熱部材を適用することもできる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態では、平滑用のコンデンサとしてフィルムコンデンサ4を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、円柱状の電解コンデンサを適用するようにしてもよい。
【0095】
また、上記第1〜第3の実施形態においては、本発明による電力変換装置を電気自動車に適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、軌条を走行する鉄道車両にも本発明を適用することができ、任意の電気駆動車両に適用することができる。さらに電力変換装置としては電気駆動車両に限らず、他の産業機器における電動モータ等のアクチュエータを駆動する場合に本発明の電力変換装置を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、基板に実装された発熱回路部品の熱の放熱経路に筐体を介在させることなく、発熱回路部品の熱を効率よく冷却体に放熱することができる電力変換装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0097】
1…電力変換装置、2…筐体、3…冷却体、4…フィルムコンデンサ、5…蓄電池収納部、11…パワーモジュール、12…ケース体、13…放熱部材、21…駆動回路基板、22…制御回路基板、23…電源回路基板、24,25…継ぎねじ、32…伝熱支持部材、32a…伝熱支持板部、32b…固定ねじ、32c…伝熱支持側板部、33…伝熱支持部材、33a…伝熱支持板部、33b…固定ねじ、33c…伝熱支持側板部、34…底板部、35,37…伝熱部材、39…発熱回路部品、40…間座(間隔調整部材)、45…板状弾性部材、61…冷却フィン、71…放熱板、72…絶縁層、73…回路パターン、74…金属ベース回路基板、81a,81b…貫通孔、90…伝熱支持側板部、91a…前側板部、91b…後側板部、91c…左側板部、91d…右側板部、93a,93b,94a,94b、96a,96b,97a,97b…支持部
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