(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不良品判別手段の判別した不良品についての前記画像データ抽出手段の抽出した画像データ以外の画像データを消去する不要データ消去手段を具備することを特徴とする請求項1記載の設備監視システム。
前記不良品判別手段の判別した不良品についての前記画像データ抽出手段の抽出した画像データのみを格納する必要画像データ格納手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項5記載の設備監視システム。
前記不良品判別ステップは、前記製品の製造工程ごとに製造の良否を判別する画像データを格納したデータベースの各画像データと類比を判別することで前記製品が不良品であるかを判別する類比判別ステップを更に具備することを特徴とする請求項7記載の設備監視方法。
前記不良品判別処理は、前記製品の製造工程ごとに製造の良否を判別する画像データを格納したデータベースの各画像データと類比を判別することで前記製品が不良品であるかを判別する類比判別処理を更に実行させることを特徴とする請求項9記載の設備監視プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の設備監視システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視システム10は、工程撮像カメラ11と、不良検査撮像カメラ12と、不良品判別手段13と、画像データ格納手段14と、画像データ抽出手段15と、画像表示手段16を備えている。ここで、工程撮像カメラ11は、製品の製造工程における前記した製品の外観の特徴を時間的に分解して撮影するカメラとして特定の1つの製造工程に配置されている。不良検査撮像カメラ12は、この工程撮像カメラ11の下流側に位置し、前記した特定の1つの製造工程を経た前記した製品の外観の撮影によって製造の良否を判別するカメラである。不良品判別手段13は、この不良検査撮像カメラ12の撮影した画像を前記した製造工程を経た段階での良否の基準となる画像と対比して前記した製品が不良品であるかを判別する。画像データ格納手段14は、工程撮像カメラ11の出力する画像データを製品と対応させて格納する。画像データ抽出手段15は、不良品判別手段13で不良品であると判別されたとき、該当する不良品の画像データを画像データ格納手段14から抽出する。画像表示手段16は、この画像データ抽出手段15で抽出された画像データを前記した製造工程における経時変化を示す画像として時間的に分解して表示する。
【0012】
図2は、本発明の他の設備監視システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視システム20は、工程撮像カメラ21と、不良検査撮像カメラ22と、不良品判別手段23と、製造工程特定手段24と、画像データ格納手段25と、画像データ抽出手段26を備えている。ここで、工程撮像カメラ21は、1つの製品の製造工程における外観の特徴を撮影するカメラとして所定数の製造工程にそれぞれ対応して配置される。不良検査撮像カメラ22は、すべての工程撮像カメラ21の下流側に位置し、前記した所定数の製造工程を経た前記した製品の外観の撮影によって製造の良否を判別するカメラである。不良品判別手段23は、不良検査撮像カメラ22の撮影した画像を前記した製造工程を経た段階での良否の基準となる画像と対比して前記した製品が不良品であるかを判別する。製造工程特定手段24は、不良品判別手段23で不良品であると判別されたとき、その画像の特徴を少なくとも用いて不良品の発生した製造工程を特定する。画像データ格納手段25は、工程撮像カメラ21の出力する画像データを製品と対応させて格納する。画像データ抽出手段26は、製造工程特定手段24で特定した不良品の発生した製造工程に対応する画像データを画像データ格納手段25から抽出する。
【0013】
図3は、本発明の設備監視方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視方法30は、工程撮影ステップ31と、画像データ格納ステップ32と、検査用撮影ステップ33と、不良検査ステップ34と、画像データ抽出ステップ35と、画像表示ステップ36を備えている。ここで、工程撮影ステップ31では、製品の特定の1つの製造工程で前記した製品の外観の特徴を工程撮像カメラで時間的に分解して撮影する。画像データ格納ステップ32では、この工程撮影ステップ31で撮影によって得られた画像データを格納する。検査用撮影ステップ33では、前記した工程撮像カメラの下流側に配置された検査用撮影カメラで、製品の外観を検査のために撮影する。不良検査ステップ34では、この検査用撮影ステップ33で得られた画像データを用いて製造の良否を判別する。画像データ抽出ステップ35では、この不良検査ステップ34で前記した製品が不良品であると判別されたとき、該当する不良品の画像データを前記した画像データ格納ステップで格納した画像データ格納手段から抽出する。画像表示ステップ36では、この画像データ抽出ステップ35で抽出した画像データを前記した製造工程における経時変化を示す画像として時間的に分解して表示する。
【0014】
図4は、本発明の他の設備監視方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視方法40は、画像データ格納ステップ41と、不良品判別ステップ42と、製造工程特定ステップ43と、画像データ抽出ステップ44を備えている。ここで、画像データ格納ステップ41では、1つの製品に関する所定数の製造工程のそれぞれから製品の外観の特徴を撮影した画像データをそれぞれ格納する。不良品判別ステップ42では、前記した所定数の製造工程を経た前記した製品の外観を撮影した画像データを前記した製造工程を経た段階での良否の基準となる画像を表わした画像データと対比して前記した製品が不良品であるかを判別する。製造工程特定ステップ43では、不良品判別ステップ42で不良品であると判別されたとき、その画像の特徴を少なくとも用いて不良品の発生した製造工程を特定する。画像データ抽出ステップ44では、製造工程特定ステップ43で特定した不良品の発生した製造工程に対応する画像データを画像データ格納ステップ41で格納した画像データの中から抽出する。
【0015】
図5は、本発明の設備監視プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視プログラム50は、コンピュータに、工程撮影処理51と、画像データ格納処理52と、検査用撮影処理53と、不良検査処理54と、画像データ抽出処理55と、画像表示処理56を実行させるようにしている。ここで、工程撮影処理51では、製品の特定の1つの製造工程で前記した製品の外観の特徴を工程撮像カメラで時間的に分解して撮影する。画像データ格納処理52では、この工程撮影処理51で撮影によって得られた画像データを格納する。検査用撮影処理53では、前記した工程撮像カメラの下流側に配置された検査用撮影カメラで、製品の外観を検査のために撮影する。不良検査処理54では、この検査用撮影処理53で得られた画像データを用いて製造の良否を判別する。画像データ抽出処理55では、この不良検査処理54で前記した製品が不良品であると判別されたとき、該当する不良品の画像データを前記した画像データ格納ステップで格納した画像データ格納手段から抽出する。画像表示処理56では、この画像データ抽出処理55で抽出した画像データを前記した製造工程における経時変化を示す画像として時間的に分解して表示させる。
【0016】
図6は、本発明の他の設備監視プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の設備監視プログラム60は、コンピュータに、画像データ格納処理61と、不良品判別処理62と、製造工程特定処理63と、画像データ抽出処理64を実行させるようにしている。ここで、画像データ格納処理61では、1つの製品に関する所定数の製造工程のそれぞれから製品の外観の特徴を撮影した画像データをそれぞれ格納する。不良品判別処理62では、前記した所定数の製造工程を経た前記した製品の外観を撮影した画像データを前記した製造工程を経た段階での良否の基準となる画像を表わした画像データと対比して前記した製品が不良品であるかを判別する。製造工程特定処理63では、不良品判別処理62で不良品であると判別されたとき、その画像の特徴を少なくとも用いて不良品の発生した製造工程を特定する。画像データ抽出処理64では、製造工程特定処理63で特定した不良品の発生した製造工程に対応する画像データを画像データ格納処理61で格納した画像データの中から抽出する。
<発明の第1の実施の形態>
次に本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0017】
図7は、本発明の実施の形態による設備監視システムの構成の概要を表わしたものである。この設備監視システム100は、図示しない製品の製造を行う製品製造部101と、製造後の製品を検査する検査部102を備えている。製品製造部101には、製品の製造時に不良箇所が発生するおそれのある複数の監視箇所P1、P2、……PNを撮影するために、工程撮像カメラ1031、1032、……103Nが配置されている。検査部102には、製品の製造が正常に行われたかを外観でチェックするための不良検査撮像カメラ104が配置されている。
【0018】
図7に示した例では、製品製造部101に全部でN台(Nは2以上正の整数)の工程撮像カメラ1031、1032、……103Nが配置されているが、場合によってはNが1(単数)である場合もある。また、不良検査撮像カメラ104を単数の台数として示しているが、複数台の不良検査撮像カメラを用いることも可能である。工程撮像カメラ1031、1032、……103Nは、静止画を所定枚数撮影するカメラであってもよいし、動画を撮影するカメラであってもよい。それぞれの製造工程で不良品が発生したときに、原因を解明できるようなカメラであることが望ましい。被写体としての製品の撮影時の倍率、照明の当て方、撮影の方向等の撮影条件も、原因を解明しやすい製品の外観を表わした画像を得ることが目的となる。
【0019】
設備監視システム100は、設備の監視を行う設備モニタリング装置105を備えている。設備モニタリング装置105には、モニタリング結果を視覚的に表示する画像表示部106と、オペレータが設備モニタリング装置105の操作を行うためのキーボード等の操作部107が接続されている。
【0020】
設備モニタリング装置105は、たとえばパーソナルコンピュータによって構成することができる。設備モニタリング装置105は、CPU(Central Processing Unit)111と、このCPU111が実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等のメモリ112を備えた制御部113を有している。また、設備モニタリング装置105は、映像を記録する工程撮像カメラ1031、1032、……103Nのそれぞれと接続される撮影開始終了制御部114と、製造時の映像データを受信して格納する製造時データ受信格納部115を有している。更に、設備モニタリング装置105は、不良検査撮像カメラ104の画像を入力して一時的に蓄積し、製品の外観から不良品の発生の有無を検査する不良検査部116を有している。
【0021】
工程撮像カメラ1031、1032、……103Nは、それぞれ製造中の製品を監視する場所に応じた機能を有している。たとえば、ある場所の工程撮像カメラ103は、吸着によって図示しないカセットから部品をピックアップするマウンタの高速度で動作するノズルの動きを解析可能にするために、画像を高速度で撮影する。また、他の箇所の工程撮像カメラ103は、リフロ炉における赤外線領域の撮影を可能にして、加熱部位の状態を観察できるようになっている。同一の観察部位に、機能の異なる複数の工程撮像カメラ103が配置されてもよい。
【0022】
設備モニタリング装置105は、更に、製造工程順序データ格納部117と、不良画像データ抽出部118、不要データ消去部119、不良データベース120および時刻情報管理部121を有している。このうち、製造工程順序データ格納部117は、製品の製造工程がどのような順序で行われるかを、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nの監視箇所P1、P2、……PNとの関係で表わしている。不良画像データ抽出部118は、不良検査部116が製品の不良の発生したことを検出したとき、製造工程順序データ格納部117との関係で、製造のどの段階で発生した不良であるかを特定する。そして、製造の段階に応じて、製造時データ受信格納部115から対応する画像データを抽出する。これにより、たとえばAという製品がbという工程で不良品となった場合には、その不良品となった監視箇所Pの画像データが対応する工程撮像カメラ103との関係で、製造時データ受信格納部115から抽出されることになる。
【0023】
不要データ消去部119は、不良品が発生せずに製造が終了したり、不良画像データ抽出部118が不良品に関するデータの抽出を行った段階で、製造時データ受信格納部115に格納している不要となったデータを消去する。したがって、製造時データ受信格納部115は、一時的なデータの格納手段として機能し、必ずしも大容量の記憶装置で構成する必要はない。
【0024】
不良データベース120は、不良検査部116と接続されており、不良品の有無の検査を行うときに、比較対象とする各種の画像を納めている。不良データベース120は、また不良品が発生したときの各監視箇所P1、P2、……PNの比較すべき画像から、製造工程のいずれが不良品の発生に係わる可能性があるかを示すデータも格納している。
【0025】
時刻情報管理部121は、撮影開始終了制御部114、製造時データ受信格納部115、不良検査部116および不良画像データ抽出部118に時刻情報を与えて、撮影時期の管理や必要な画像の抽出を可能にしている。また、時刻情報管理部121は不良検査部116が不良品を発見したときに、その処理に必要とされた時間を計測する。そして、その所要時間と、工程撮像カメラ1031、1032、……103Nのそれぞれがその不良品を撮影した時刻を求めて不良画像データ抽出部118に与えることになる。これにより、不良画像データ抽出部118は不良品が発生するその時点における画像データを製造時データ受信格納部115から抽出することができる。
【0026】
工程撮像カメラ1031、1032、……103Nおよび不良検査撮像カメラ104は、共に図示しないCPUと、CPUの実行する制御プログラムを格納する同じく図示しないメモリを有している。そして、外部信号に応じて撮影を開始または終了させる撮影動作制御回路(図示せず)と、撮影によって得られた画像データを設備モニタリング装置105に送出する画像データ送出部(図示せず)を備えている。
【0027】
なお、設備モニタリング装置105に、図示しないネットワークを介してパーソナルコンピュータや外部記憶装置が接続している場合、これらを製造時データ受信格納部115として代用したり、画像データの保存手段として使用することができる。パーソナルコンピュータは、その図示しないハードディスクやSSD(Solid State Drive)に画像データを格納することになる。
【0028】
図8は、工程撮像カメラの撮影制御の様子を表わしたものである。ここでは、
図7に示した工程撮像カメラ1031の動作を説明する。他の工程撮像カメラ1032、……103Nも工程撮像カメラ1031と同一の制御を行うが、撮影の開始および終了のタイミングは、独自に定められている。
図7と共に説明する。
【0029】
工程撮像カメラ1031は、設備モニタリング装置105内の撮影開始終了制御部114から開始トリガを受信するのを待機している。開始トリガを受信すると(ステップS201:Y)、時刻情報管理部121から撮影開始終了制御部114を経由して送られてくる時刻情報を付属情報として記録しながら、工程撮像カメラ1031は監視箇所P1の撮影を開始する。そして、得られた画像データを設備モニタリング装置105内の製造時データ受信格納部115における工程撮像カメラ1031に割り当てられた領域に格納する(ステップS202)。
【0030】
以上の撮影動作は、撮影開始終了制御部114から撮影の終了を示す終了トリガを受信するまで継続する(ステップS203:N)。終了トリガを受信した時点で(ステップS203:Y)、撮影は終了する(エンド)。
【0031】
ここで、撮影開始終了制御部114は、製品製造部101の監視箇所P1で製品の加工工程が開始する時点で開始トリガを工程撮像カメラ1031に送出する。また、監視箇所P1で製品の加工工程が完全に終了する時点あるいはこれから所定の余裕時間を経て、撮影開始終了制御部114は、終了トリガを工程撮像カメラ1031に送出する。製品の加工工程が開始する時点は、たとえば該当する製品が製品製造部101の該当する場所まで搬送されてきたときに、図示しないセンサでこれを検出することで把握することになる。もちろん、製品製造部101の各工程がベルトコンベア等の搬送手段の搬送制御によって撮影開始終了制御部114で独自に把握できる場合には、これを基にして開始トリガや終了トリガを発生させるようにしてもよい。
【0032】
工程撮像カメラ1031は撮影した画像データのみを製造時データ受信格納部115に送出し、時刻情報を設備モニタリング装置105の受信時に付加するようにしてもよい。本実施の形態では撮影の時点で時刻情報を書き込むようにして、工程撮像カメラ1031の画像処理による画像データ送出までの遅延に伴う時刻情報の誤差の発生を防止している。
【0033】
図9は、不良検査撮像カメラの撮影制御の様子を表わしたものである。
図7と共に説明する。
【0034】
不良検査撮像カメラ104は、たとえば生産設備の検査部102が配置されたアンローダ部に設置し、加工工程を完了した状態の検査対象を撮像し、画像データを獲得することができる。この不良検査撮像カメラ104は設備モニタリング装置105内の不良検査部116から検査のための撮影の開始トリガの受信を待機している(ステップS221)。開始トリガを受信すると(Y)、時刻情報管理部121から不良検査部116を介して取得した時刻情報を記録して検査部102における製品を撮影し、その画像データを設備モニタリング装置105に送出して(ステップS222)、処理を終了する(エンド)。画像データの撮影は、たとえば検査部102で該当する製品を回転させて、複数の位置から行ってもよい。また、複数台の不良検査撮像カメラ104を用いて、それぞれ異なった撮影範囲や倍率の画像データを撮影するようにしてもよい。
【0035】
図10は、この画像データを用いて設備モニタリング装置が行う検査および画像データ保存処理の様子を表わしたものである。
図7と共に説明する。
【0036】
設備モニタリング装置105は、不良検査撮像カメラ104から検査による画像データが送られてくるのを待機している(ステップS241)。画像データを受信すると(Y)、受信した画像を、不良データベース120を用いて不良画像と比較する(ステップS242)。たとえば、部品の電極がハンダから浮いている画像や、部品の電極の間にハンダが繋がっている画像、あるいはハンダの面積が多すぎる画像や少なすぎる画像、または特定の部品が実装されていない画像といった不良品についての各種の画像を、受信した画像と比較する。
【0037】
一連の比較処理が終了したら(ステップS243:Y)、これらの比較結果を総合して、検査結果が不合格(NG)であるかの判別が行われる(ステップS244)。たとえば、予め定めた部品が実装されていないことが判明した場合には、不合格とされる。この一方で、ある画像との比較で不合格とされるものであっても、他の関連する画像との比較で合格とされる場合には合格としてもよい。たとえば、部品の実装位置が規定以上ずれていても、配線パターンが欠落していないことが他の画像で確認されたような場合である。
【0038】
比較結果が不合格(NG)とされた場合(ステップS244:Y)、制御部113は、製造工程順序データ格納部117に格納されたデータを用いて、不合格とされた画像に対応する1つまたは複数の工程を特定する(ステップS245)。不良データベース120に格納された画像のそれぞれに、障害に関連する工程を付属データとして書き込んでいてもよい。
【0039】
不良品の発生した工程が特定されたら、時刻情報管理部121は、該当する製品がその工程で該当する工程撮像カメラ103によって撮影された時刻範囲を算出する(ステップS246)。この際に、製造工程の順序や不良検査部116による検査時間の長短によって、現時点から遡る時間が異なってくる。また、不良品の発生に複数の工程が関与しているおそれがある場合には、それぞれの工程についての画像データの撮影時刻の算出が必要となる。
【0040】
原因解析のための該当する工程についての画像データの撮影時刻範囲が算出されたら、製造時データ受信格納部115から対応する工程の画像データを抽出する(ステップS247)。そして、不良品を特定する製品の番号と、その不良品について不良検査撮像カメラ104から得られた画像データと共に、抽出された画像データが所定のファイル名のファイルとして保存される(ステップS248)。ファイルの保存は、図示しないハードディスクに対して行われてもよいし、メモリ112の空き領域を利用してもよい。もちろん、前記したパーソナルコンピュータへの保存も可能である。これら保存したファイルの内容は、画像表示部106で不良品の発生原因の解明のために表示されることになる。
【0041】
このように検査結果が不合格となった場合に、必要とする画像データの保存が行われたので、不要データ消去部119は、製造時データ受信格納部115における不要となった画像データについての時刻範囲を算出する(ステップS249)。そして、不要データ消去部119は製造時データ受信格納部115からこれら不要になった画像データを消去して(ステップS250)、再びステップS241の処理に戻ることになる(リターン)。
【0042】
ステップS244で検査結果が不合格とならなかった場合には(N)、その製品に関して製造時データ受信格納部115に格納した画像データが不要になる。そこで、この場合にも、ステップS249に進んで不要となった画像データについての時刻範囲を算出し、これを基にして不要データ消去部119が該当する画像データを消去する(ステップS250)。この後、ステップS241の処理に戻ることになる(リターン)。
【0043】
なお、製造時データ受信格納部115からの画像データの消去に関しては、検査部102が製品製造部101に直結しているような所定の場合、画像データの消去範囲を算出することなく、過去の全データを消去してもよい場合があることはもちろんである。
【0044】
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、不良品が発生した時の生産設備の内部における動作の画像データを抽出したり、別の記憶装置へ保存して、画像解析を行うことができる。これにより、不良発生時の生産設備の動作を把握することができる。
【0045】
また、不良とならなかった製品に関して撮影した画像データや、不良となった製品に関する処理後の画像データを製造時データ受信格納部115から消去することにした。したがって、製造時データ受信格納部115として用意した記憶領域を有効活用することができ、また、記憶領域に掛けるコストを低減することができる。
【0046】
更に本実施の形態によれば、生産設備の内部の動作状態を画像データとして記録すると共に、これと連携して製品の外観検査を行うことにした。このため、外観検査で不良品を検出したとき、対応する生産設備の動作状態を画像データとして再生することができ、比較的少量のデータから効率的に不良発生原因の切り分けおよび特定を行うことができる。
<第1の実施の形態の第1の変形例>
図11は、以上説明した第1の実施の形態の第1の変形例における設備モニタリング装置の要部を表わしたものである。この第1の変形例の設備モニタリング装置105Aで、
図7に示した設備モニタリング装置105と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0047】
この変形例の設備モニタリング装置105Aは、
図7に示した各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nから画像データを受信する製造時データ受信部301を有している。製造時データ受信部301の受信した画像データは、不良検査部116Aの指示により製造時データ格納部302と、不良発生時データ格納部303のいずれかに振り分けて格納するようになっている。先の実施の形態では、製造時データ受信部301と製造時データ格納部302が一体となって、
図7に示す製造時データ受信格納部115となっており、不良発生時データ格納部303は存在していない。この変形例の設備モニタリング装置105Aでは、制御部113Aを構成するメモリ112Aに格納する制御プログラムを実施の形態のメモリ112に格納する制御プログラムと部分的に異なるものとして、制御内容の違いに対応させている。
【0048】
第1の変形例でも、製品の製造工程で不良品が検出されるまで、製造時データ受信部301の受信した画像データはすべて製造時データ格納部302に格納される。したがって、不良品が発生することがなければ、不良発生時データ格納部303に画像データが格納されることはない。
【0049】
ところで、不良品が発生するような場合、製造時データ格納部302に、常に良品の画像データが格納される訳ではない。不良検査部116Aが不良品を検出したとすると、これから時間的に遡る所定の時点で製造上の不良が発生しており、その画像データは、すでに製造時データ格納部302に格納されているからである。
【0050】
そこで、この変形例の不良検査部116Aは、不良品が検出されると、製造時データ格納部302に格納された該当する画像データを不良発生時データ格納部303に保存し直す制御を行う。ここで、不良発生時データ格納部303に移動させる画像データは、不良品の製造の原因の可能性がある時間帯のそれぞれの工程撮像カメラ1031、1032、……103Nの画像データであってもよいし、原因の特定された工程撮像カメラ103の画像データのみであってもよい。後者の場合には、実施の形態の不良画像データ抽出部118が抽出した画像データを不良発生時データ格納部303に格納することで、実質的に同一の制御を行うことができるので、この変形例では前者についての制御を説明する。
【0051】
図12は、この第1の変形例における各工程撮像カメラから送られてきた画像データの格納処理の様子を表わしたものである。
図7および
図11と共に説明する。
【0052】
設備モニタリング装置105Aは、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nから画像データが受信されるのを待機している(ステップS401)。画像データが受信されると(Y)、製造時データ格納部302における工程撮像カメラ1031、1032、……103Nのそれぞれに対応した記憶領域に画像データを格納する(ステップS402)。
【0053】
不良検査部116Aは、画像データを製造時データ格納部302に格納している状態で、格納場所の修正を指示する格納修正指示の受信があるか(ステップS403)と、画像データの受信が終了したか(ステップS404)の判別を行っている。実施の形態で説明した終了トリガに基づいて画像データの受信が不良品のない状態で終了した場合には(ステップS403:N、ステップS404:Y)、画像データを製造時データ格納部302に格納した状態で、一連の画像データの格納処理が終了する(エンド)。すなわち、この場合には、製造時データ格納部302に格納した画像データを不良発生時データ格納部303に移動する処理は行われない。
【0054】
一方、不良検査部116Aが不良品を検出した結果として、画像データの格納修正指示が出された場合には(ステップS403:Y)、不良発生時データ格納部303への該当する画像データの移動処理が実行される(ステップS405)。この場合には、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nからの画像データにおける不良品とされた製品の製造過程に対応したそれぞれの時刻範囲が算出される(
図10ステップS246参照)。製造時データ受信部301は、これらの時刻範囲の画像データを製造時データ格納部302から不良発生時データ格納部303に移動する。このようにして不良発生時データ格納部303に不良品とされた製品の製造過程に対応した画像データが格納されたら、一連の画像データの格納処理が終了する(エンド)。
【0055】
この変形例では、不良品の解析に必要な画像データは、製造時データ格納部302に一時的に存在しても最終的に不良発生時データ格納部303に保存される。したがって、製品の不良が検出されなかったり、検出されても該当する画像データが不良発生時データ格納部303に格納された後は、製造時データ格納部302に格納された画像データを消去することができる。
<第1の実施の形態の第2の変形例>
図13は、
図12に対応するもので、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例における各工程撮像カメラから送られてきた画像データの格納処理の様子を表わしたものである。
図13で
図12と同一の処理の部分には、同一のステップ番号を付している。
図7、
図11および
図12と共に説明する。
【0056】
第2の変形例の設備モニタリング装置105Bは、
図11に示した設備モニタリング装置105Aから不良発生時データ格納部303を削除した構成となっている。そこで、
図11の設備モニタリング装置105Aを適宜、設備モニタリング装置105Bと読み替えて説明を行う。
【0057】
設備モニタリング装置105Bは、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nから画像データが受信されるのを待機している(ステップS401)。画像データが受信されると(Y)、製造時データ格納部302における工程撮像カメラ1031、1032、……103Nのそれぞれに対応した記憶領域に画像データを格納する(ステップS402)。
【0058】
不良検査部116Aは、画像データを製造時データ格納部302に格納している状態で、格納場所の修正を指示する格納修正指示の受信があるか(ステップS403)と、画像データの受信が終了したか(ステップS404)の判別を行っている。実施の形態で説明した終了トリガに基づいて画像データの受信が不良品のない状態で終了した場合には(ステップS403:N、ステップS404:Y)、製造時データ格納部302に格納した画像データの全部を消去して(ステップS501)、一連の画像データの格納処理が終了する(エンド)。すなわち、第2の変形例では、製造時データ格納部302が第1の変形例の設備モニタリング装置105Aにおける不良発生時データ格納部303としての機能も備えていることになる。
【0059】
一方、不良検査部116Aが不良品を検出して、画像データの格納修正指示が出された場合には(ステップS403:Y)、第1の変形例で不良発生時データ格納部303に移動の対象とされた画像データ以外の画像データが消去される(ステップS502)。このため、まず、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nからの画像データにおける不良品とされた製品の製造過程に対応したそれぞれの時刻範囲が算出される(
図10ステップS246参照)。そして、製造時データ受信部301は、この時刻範囲以外の画像データを製造時データ格納部302から消去する。このようにして製造時データ受信部301に不良品とされた製品の製造過程に対応した画像データのみが残ったら、一連の画像データの格納処理が終了する(エンド)。
【0060】
このように第2の変形例では、不良品の解析に必要な画像データは、最終的に製造時データ格納部302に保存される。したがって、不良発生時データ格納部303が不要となる。
【0061】
以上説明した第1の実施の形態についての第1および第2の変形例では、製造時データ格納部302および不良発生時データ格納部303を設けたが、すでに説明したパーソナルコンピュータ等の他の装置の記憶領域を代用してもよいことは当然である。
【0062】
また、第1の実施の形態およびこれらの各変形例では、検査部102は製品製造部101の下流側に存在するものとして説明した。検査部102は製品の最終検査に限るものではない。たとえば、製品の製造に大きく分けて複数の工程があり、それぞれの工程に製造を検査する検査部が配置されているものであってもよい。
【0063】
更に第1の実施の形態およびこれらの各変形例では、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nの撮影した時刻を記録することで、該当する工程の画像データを抽出することにしたが、これに限るものではない。たとえば、各工程撮像カメラ1031、1032、……103Nから得られる画像データにカメラの識別情報が付されていたり、それぞれのカメラが識別可能であれば、これと製品の識別情報を併せることで、必要な画像データを特定することができる。特に、製品ごとに開始トリガと終了トリガで撮影時間帯を区切っている本実施の形態の場合には、それぞれの撮影時間帯と各製品の工程を関連付けることにより、不良品が発生したときの必要な画像データを簡単に取り出すことができる。
【0064】
更にまた、本実施の形態では不良検査撮像カメラ104から得られた画像データによる画像を、不良データベース120に格納された画像と比較することで不良品が発生したかを検出することにした。このとき、画像の特徴抽出を行う等の書込データに対する何らかの処理を行った後に不良品であるかを判別してよいことは当然である。
<発明の第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0065】
図14は、本発明の第2の実施の形態における設備監視システムの構成の概要を表わしたものである。この
図14で第1の実施の形態における
図7と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。第2の実施の形態における設備監視システム100Bは、製品の製造の際に注目する1つの工程としての特定製造工程601を高速度の動画として撮影する高速カメラ602を備えている。特定製造工程601のすぐ下流側には、不良検査撮像カメラ104を備えた検査部102が配置されている。
【0066】
高速カメラ602は、設備の監視を行う設備モニタリング装置105B内の撮影開始終了制御部114Bに接続されており、図示しない製品が特定製造工程601で製造のための処理が行われるたびに、その期間だけ、製品を高速度で複数フレーム撮影する。撮影によって得られた各フレームの画像データは、設備モニタリング装置105B内の製造時データ受信格納部115Bに順次格納されるようになっている。特定製造工程601による製品ごとの撮影の開始は、たとえば図示しないベルトコンベアによって搬送されてきた製品を同じく図示しないフォトセンサが検出したタイミング、あるいはこれから所定時間遅延したタイミングに設定することができる。また、特定製造工程601による製品ごとの撮影の終了は、たとえば特定製造工程601の終了位置に配置された他のフォトセンサがこの製品を検出したタイミングあるいはこれから他の所定時間遅延したタイミングとして設定することができる。もちろん、製品ごとの撮影の開始のタイミングから時刻情報管理部121Bが管理する所定の時間経過後の時間を、特定製造工程601における撮影の終了タイミングとすることも可能である。
【0067】
高速カメラ602は、撮影開始終了制御部114Bが撮影の開始を指示してから終了を指示するまでの区間の画像データを設備モニタリング装置105Bに送出し、製造時データ受信格納部115Bに格納させる。検査部102に配置された不良検査撮像カメラ104は、特定製造工程601で処理が行われた製品の検査用の画像を撮影する。この画像は設備モニタリング装置105B内の不良検査部116に送られて、不良データベース120Bを用いて所定の正常画像あるいは不良画像と比較することで不良品の発生を検出する。
【0068】
この結果、特定製造工程601で不良品が発生したことが検出された場合、不良画像データ抽出部118Bは時刻情報管理部121Bにこれを通知する。時刻情報管理部121Bはこの通知があると、所定の遅延時間だけ過去に遡った時刻情報を不良画像データ抽出部118Bに与える。不良画像データ抽出部118Bは、この通知に基づいて製造時データ受信格納部115Bから不良品とされる製品の複数フレームからなる画像データを抽出する。この抽出された画像データは、動画分解部611に送られて、各フレームの画像に分解される。そして、このうちの予め指定された複数のフレームの画像が画像表示部106に送られて、画面に同時に並列表示する形態で、あるいは一連の画像を時系列で表示する形態で、画像表示部106に表示される。不要データ消去部119Bは、製造時データ受信格納部115Bにおける検査後の不要となった画像データを消去する。
【0069】
設備モニタリング装置105Bの制御部113Bには、このような第2の実施の形態における制御の主体となるCPU111と、このCPU111の実行する制御プログラムを格納するメモリ112Bが配置されている。操作部107は、画像表示部106と共に設備モニタリング装置105Bに接続されている。検査担当者は、不良検査部116の検査結果とは別に、不良検査撮像カメラ104によって得られた画像をチェックして、必要な場合には操作部107を使用して高速カメラ602の画像を読み出して、必要な分析を行うことができる。これにより、たとえば新たに設けた製造工程で、不良データベース120Bに格納される画像データの量が不十分な場合であっても、必要な解析が可能になる。
【0070】
ところで、本実施の形態の高速カメラ602は、一例として、特定製造工程601における次のような箇所の撮影に使用される。ここでは、表面実装技術を用いて所定の基板上に部品を搭載するマウント工程を行う設備としてのマウンタを例に挙げる。
【0071】
(1)マウンタ内部のノズルが、搭載する部品をカセットからピックアップする連続動作を観察する箇所。(2)ピックアップした部品を基板上に載せるときの連続動作を観察する箇所高速カメラ602は、このような箇所を撮影して、画像ファイル群または動作ファイルとして製造時データ受信格納部115Bに格納される。
【0072】
一方、不良検査撮像カメラ104は、マウント工程が終了した製品基板がアンロードされた位置で、図示しない次の製造工程が開始する前の場所に設置される。そして、たとえばマウント工程が終了した製品としての基板を上から見下ろすような方角から撮影してその画像データを取得する。そして、製品としての基板に搭載されている特定部品の搭載状態の外観を検査する。具体的には、基板に対するその特定部品の搭載位置ズレがあるかとか、その特定部品自体が基板に搭載されているかとか、部品が反転して搭載されていないかといった検査が行われる。
【0073】
図15は、一例として基板に部品が反転してマウントされた場合の画像状態を説明するためのものである。同図(B)は、基板に特定の部品がマウントされる前の状態を表わしたものであり、同図(B)はマウント後の状態を表わしている。同図(A)の基板621には、破線で示す領域622に特定の部品がまだ搭載されていない。同図(B)では、特定の部品623が基板621の正しい位置に搭載されているものの、表裏が反転している。
【0074】
このような反転した状態での特定の部品623の搭載が、
図14に示した不良検査撮像カメラ104によって判別されたら、図示しないマウンタが部品623をどのようにして搭載したかを高速カメラ602(
図14)の複数フレームの画像で解析すればよい。これにより、部品623が反転する瞬間を確認することができ、不良発生原因を確実に突き止めて、再発を防止する措置を採ることができる。特定の部品623を基板621に搭載する際に位置ずれが生じたような他の検査ミスに対しても、時系列で得られる画像を解析することで、原因の解明を容易に行うことができる。
【0075】
従来では、一連の工程が完了した後の製品の出来栄えから不良の発生原因を推測するため、原因の特定が困難となる場合が多い。本発明の第2の実施の形態では、チェックすべきそれぞれの製造工程のすぐ後に検査工程を配置しておいて、製品の不良が発生したときにはその工程の時系列な画像を入手するようにした。このため、不良の発生する製造工程を複数の工程から選別する手間を要せず、原因の解析を的確に進めることができる。なお、第2の実施の形態では一例として高速カメラ602を使用して、特定の製造工程における経時変化を示す動画を取得することにしたが、これに限定されるものではない。たとえば、時間間隔を置いて複数の静止画を得るカメラを代わりに使用してもよいし、複数台のカメラを用いて、同様に特定の製造工程における時系列的な画像データを分担して取得するようにしてもよい。
【実施例1】
【0076】
次に、第1の実施の形態に基づく実施例を簡単に説明する。
図7と共に説明する。
図7で不良検査撮像カメラ104は、製品としての基板を撮影して、その上に100個の部品が正しい位置に搭載されているかを不良検査部116で検査する。このとき不良データベース120からはこれらの部品が正しく搭載された画像データが読み出される。この読み出された画像データと、不良検査撮像カメラ104から得られた画像を不良検査部116で比較して、搭載が行われていない部品があったり、間違った位置に搭載されている部品があった場合に、これらの不良を検出する。このとき、それぞれの工程で部品が正しく搭載された画像あるいはこれらの工程で部品が正しく搭載されなかった画像を順次読み出して、比較を行うようにしてもよい。
【0077】
ここで、たとえば第50番目に搭載される部品に不良があることが検出されたとする。この場合には、製造工程順序データ格納部117に格納されたデータを参照して、工程撮像カメラ1031、1032、……103Nのうちの第50番目に搭載される部品に対応するカメラの画像データが製造時データ受信格納部115から抽出される。この工程撮像カメラ103を工程撮像カメラ10350とする。工程撮像カメラ10350は、第50番目に搭載される部品の様子を、各製品ごとに撮影し、これらの画像データを製造時データ受信格納部115に一連の画像データとして格納している。
【0078】
したがって、不良検査部116で不良品が検出された場合に、その製品が工程撮像カメラ10350で撮影された時間に遡って画像データの抽出が行われる。したがって、設備監視システム100の管理者あるいは製品の検査者は、発生した不良品についてその不良が発生した時点における画像データを抜き出して、画像表示部106に表示することができる。これにより、製造時データ受信格納部115に格納された膨大な画像データを順次表示するといった時間の掛かる作業を必要とせずに、不良品の発生した状況を確認することができ、不良品の発生を防止する対策を早急に検討することができる。
【0079】
以上説明した実施の形態および実施例では、プリント基板の製造工程について説明したが、これに限るものではない。たとえば樹脂を所定の物品の表面に塗布する設備を監視する場合にも、本発明を適用することができる。一例として、部品の表面に樹脂を1ラインずつ所定幅で100ライン分、隙間なく互いに並行に塗布するものとする。このような樹脂塗布設備の出口側に不良検査撮像カメラ104を配置して、不良品の検出を行うものとする。
【0080】
不良品として、たとえば10ライン目の塗布に問題があったとする。この場合には、検査が行われた時刻から、該当する製品について10ライン目の塗布が行われた時刻まで遡って、対応する工程撮像カメラ103の画像データを抽出し、画像表示部106に表示するようにすればよい。
【0081】
また、以上説明した実施の形態では、画像データをデータベースと比較して不良発生時の画像を抽出することにしたが、不良検査にて検出された不良の情報(不良発生した位置)と不良が発生した製造設備の製造情報(動作順序、各動作の作業時間、スケジュール)を用いて、不良発生時の加工動作の画像データを抽出するようにしてもよい。