(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属部品は、前記機器内部に配置された配線電極、シールドケース、配線基板上の配線電極、配線基板上のグランド電極、又は、前記配線電極若しくは前記グランド電極と接続されたコネクタであること、を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】無線ICデバイスの第1実施例を示す断面図である。
【
図2】電磁結合モジュールと配線電極との接続状態を示す断面図である。
【
図4】配線電極とシールドケースとの接続状態を示す斜視図である。
【
図5】無線ICデバイスの第2実施例を示す断面図である。
【
図6】電磁結合モジュールから配線ケーブルへの接続状態を示す斜視図である。
【
図7】共振回路の第1例を内蔵した給電回路基板を示す分解斜視図である。
【
図8】共振回路の第2例を設けた給電回路基板を示す平面図である。
【
図9】無線ICデバイスの第3実施例を示す斜視図である。
【
図10】無線ICデバイスの第4実施例を示す斜視図である。
【
図11】無線ICデバイスの第5実施例を示す斜視図である。
【
図12】無線ICデバイスの第6実施例を示す斜視図である。
【
図13】無線ICデバイスの第7実施例を示す斜視図である。
【
図14】無線ICデバイスの第8実施例を示す斜視図である。
【
図15】無線ICデバイスの第9実施例を示す斜視図である。
【
図16】無線ICデバイスの第10実施例を示す斜視図である。
【
図17】無線ICデバイスの第11実施例を示す分解斜視図である。
【
図20】無線ICデバイスの第12実施例を示す斜視図である。
【
図21】無線ICデバイスの第13実施例を示す斜視図である。
【
図22】無線ICデバイスの第14実施例を示す斜視図である。
【
図23】無線ICデバイスの第15実施例を示す平面図である。
【
図24】前記第15実施例である無線ICデバイスの製造工程途中の状態を示す平面図である。
【
図25】無線ICデバイスの第16実施例を示す平面図である。
【
図26】無線ICデバイスの第17実施例を示す平面図である。
【
図27】無線ICデバイスの第18実施例を示す平面図である。
【
図28】無線ICデバイスの第19実施例を示す平面図である。
【
図29】無線ICデバイスの第20実施例を示す平面図である。
【
図30】無線ICデバイスの第21実施例を示す平面図である。
【
図31】前記第21実施例の動作原理を説明するための平面図である。
【
図33】無線ICデバイスの第22実施例を示す断面図である。
【
図34】無線ICデバイスの第23実施例を示す断面図である。
【
図35】無線ICデバイスの第24実施例を示す断面図である。
【
図36】無線ICデバイスの第25実施例を示す立面図である。
【
図37】無線ICデバイスの第26実施例を示す平面図である。
【
図38】無線ICデバイスの第27実施例を示す平面図である。
【
図39】無線ICデバイスの第28実施例を示す平面図である。
【
図40】無線ICデバイスの第29実施例を示す平面図である。
【
図41】無線ICデバイスの第30実施例を示す平面図である。
【
図42】無線ICデバイスの第31実施例を示す平面図である。
【
図43】無線ICデバイスの第32実施例を示す平面図である。
【
図44】無線ICデバイスの第33実施例を示す平面図である。
【
図46】無線ICデバイスの第34実施例を示す断面図である。
【
図47】無線ICデバイスの第35実施例を示す断面図である。
【
図48】無線ICデバイスの第36実施例を示す平面図である。
【
図49】無線ICデバイスの第37実施例を示す平面図である。
【
図50】無線ICデバイスの第38実施例を示す平面図である。
【
図51】無線ICデバイスの第39実施例を示す平面図である。
【
図52】無線ICデバイスの第40実施例を示す平面図である。
【
図53】無線ICデバイスの第41実施例を示す平面図である。
【
図54】無線ICデバイスの第42実施例を示す平面図である。
【
図56】無線ICデバイスの第43実施例を示す平面図である。
【
図57】無線ICデバイスの第44実施例を示す平面図である。
【
図58】無線ICデバイスの第45実施例を示す平面図である。
【
図59】無線ICデバイスの第46実施例を示す平面図である。
【
図60】無線ICデバイスの第47実施例を示す平面図である。
【
図61】無線ICデバイスの第48実施例を示す平面図である。
【
図62】無線ICデバイスの第49実施例を示す平面図である。
【
図63】前記第49実施例の動作原理を説明するための平面図である。
【
図64】前記第49実施例を構成する電磁結合モジュールを示す斜視図である。
【
図65】前記電磁結合モジュールを示す断面図である。
【
図66】無線ICデバイスの第50実施例を示す平面図である。
【
図67】無線ICデバイスの第51実施例を示す平面図である。
【
図68】無線ICデバイスの第52実施例を示す平面図である。
【
図69】無線ICデバイスの第53実施例を示す平面図である。
【
図70】無線ICデバイスの第54実施例を示す平面図である。
【
図71】無線ICデバイスの第55実施例を示す平面図である。
【
図72】無線ICデバイスの第56実施例を示す平面図である。
【
図73】前記第56実施例を構成する電磁結合モジュールを示す平面図である。
【
図74】無線ICデバイスに用いられる電磁結合モジュールの変形例を示す平面図である。
【
図75】無線ICデバイスの第57実施例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電子機器の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部品、部分は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施例、
図1〜
図4参照)
図1に無線ICデバイスの第1実施例を実装した電子機器の要部を示す。この電子機器はプリント配線基板20を内蔵しており、該プリント配線基板20上には電磁結合モジュール1やチップ抵抗、チップコンデンサなどの電子部品26が実装され、内部にシールド電極27が配置されている。
【0016】
電磁結合モジュール1は、
図2に示すように、所定周波数の送受信信号を処理する無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10とからなる。アンテナ素子として機能する放射板は機器のシールドケース28が兼用されており、プリント配線基板20上には電磁結合モジュール1と電磁界結合する第2の配線電極21a,21b(
図2及び
図4参照)がシールドケース28と電気的に導通するように設けられている。電磁結合モジュール1と放射板(シールドケース28)とを含めて無線ICデバイスと称する。
【0017】
無線ICチップ5は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路などを含み、必要な情報がメモリされており、
図3に示すように、裏面に入出力端子電極6,6及び実装用端子電極7,7が設けられている。入出力端子電極6,6が給電回路基板10の表面に設けた電極12a,12b(
図7及び
図8参照)に金属バンプ8を介して電気的に接続されている。また、実装用端子電極7,7が電極12c,12dに金属バンプ8を介して電気的に接続されている。なお、金属バンプ8の材料としては、Au、Ag、はんだなどを用いることができる。
【0018】
また、給電回路基板10の表面と無線ICチップ5の裏面との間には、給電回路基板10と無線ICチップ5との接合強度を向上させ、かつ、バンプ8を保護するための保護膜9が設けられている。
【0019】
シールドケース28は金属材からなり、前記プリント配線基板20上に実装した電磁結合モジュール1や電子部品26を覆うように配置され、かつ、以下に詳述するように、電磁結合モジュール1の放射板として機能する。ケース28が非導電材からなる場合には、
図4に斜線を付して示すように、ケース28の内面に導電材からなる電極膜28'を形成し、該電極膜28'を放射板として機能させることができる。
【0020】
給電回路基板10は、給電回路(インダクタンス素子を有する共振回路や整合回路を含む、但し、
図2では省略されている)を内蔵したもので、裏面から両側面にわたって外部電極19a,19bが設けられ、表面には接続用電極12a〜12d(
図7及び
図8参照)が形成されている。外部電極19a,19bは給電回路基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合し、第2の配線電極21a,21bとは導電性接着剤29を介して電気的に導通状態で接続されている。なお、この電気的な接続にははんだなどを用いてもよい。
【0021】
即ち、給電回路基板10には所定の共振周波数を有する共振回路が内蔵されており、無線ICチップ5から発信された所定の周波数を有する送信信号を外部電極19a,19b及び配線電極21a,21bを介してシールドケース28(又は電極膜28')に伝達し、かつ、シールドケース28(又は電極膜28')で受けた信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ5に供給する。それゆえ、この無線ICデバイスは、シールドケース28(又は電極膜28')で受信された信号によって無線ICチップ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号がシールドケース28(又は電極膜28')から外部に放射される。
【0022】
前記電磁結合モジュール1にあっては、給電回路基板10の表面に設けた外部電極19a,19bが、給電回路基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合するとともに、アンテナとして機能するシールドケース28と電気的に導通している。電磁結合モジュール1としては比較的サイズの大きいアンテナ素子を別部品として搭載する必要はなく、小型に構成できる。しかも、給電回路基板10も小型化されているので、無線ICチップ5はこのような小型の給電回路基板10に搭載すればよく、従来から広く使用されているIC実装機などを用いることができ、実装コストが低減する。また、使用周波数帯を変更するに際しては、共振回路の設計を変更するだけでよく、シールドケース28などはそのまま用いてもよい。シールドケース28は比較的サイズが大きく、必要な放射特性が得られる。
【0023】
また、外部電極19a,19bと第2の配線電極21a,21bとを接合する導電性接着剤29には金属粒子を含むものを用いることが好ましい。温度変化などによる接着剤29と外部電極19a,19b及び配線電極21a,21bとの熱膨張量の差が小さく、接合信頼性が向上する。
【0024】
なお、第2の配線電極21a,21bはプリント配線基板20の内部に設けられていてもよい。この場合、内部に設けた配線電極21a,21bは周知のビアホール導体を介して基板20の表面の電極と電気的に導通される。また、プリント配線基板20自体もセラミック製の多層基板である以外に、樹脂製の基板であってもよい。
【0025】
(第2実施例、
図5及び
図6参照)
図5に無線ICデバイスの第2実施例を実装した電子機器の要部を示す。この電子機器は、本体基板30上に複数のプリント配線基板31,32を内蔵し、ケース33で覆ったもので、一方のプリント配線基板31上に前記電磁結合モジュール1や他の電子部品が実装され、他方のプリント配線基板32上にはその他の電子部品が実装されている。
【0026】
電磁結合モジュール1は、その外部電極19a,19b(
図2参照)が、
図6に示すように、プリント配線基板31上に設けた第2の配線電極21a,21bに電気的に接続されている。配線電極21a,21bは周知の配線コネクタ35に設けた第1の配線電極である配線ケーブル36の一端に電気的に接続され、該配線ケーブル36の他端はプリント配線基板32上に設けた固定部37に固定され、電気的に開放された状態である。
【0027】
本第2実施例においては、基板31,32間の配線ケーブル36が電磁結合モジュール1の放射板として機能し、RFIDシステムとしてリーダライタと高周波信号を送受信する。従って、その作用効果は前記第1実施例と同様である。
【0028】
(共振回路の第1例、
図7参照)
給電回路基板10に内蔵された共振回路の第1例を
図7に示す。この給電回路基板10は、誘電体からなるセラミックシート11A〜11Hを積層、圧着、焼成したもので、シート11Aには接続用電極12a,12bと電極12c,12dとビアホール導体13a,13bが形成され、シート11Bにはキャパシタ電極18aと導体パターン15a,15bとビアホール導体13c〜13eが形成され、シート11Cにはキャパシタ電極18bとビアホール導体13d〜13fが形成されている。さらに、シート11Dには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14b,14dが形成され、シート11Eには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14c,14eが形成され、シート11Fにはキャパシタ電極17と導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Gには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Hには導体パターン16a,16bとビアホール導体13fが形成されている。
【0029】
以上のシート11A〜11Hを積層することにより、ビアホール導体14c,14d,14gにて螺旋状に接続された導体パターン16aにてインダクタンス素子L1が構成され、ビアホール導体14b,14e,14fにて螺旋状に接続された導体パターン16bにてインダクタンス素子L2が構成され、キャパシタ電極18a,18bにてキャパシタンス素子C1が構成され、キャパシタ電極18b,17にてキャパシタンス素子C2が構成される。
【0030】
インダクタンス素子L1の一端はビアホール導体13d、導体パターン15a、ビアホール導体13cを介してキャパシタ電極18bに接続され、インダクタンス素子L2の一端はビアホール導体14aを介してキャパシタ電極17に接続される。また、インダクタンス素子L1,L2の他端は、シート11H上で一つにまとめられ、ビアホール導体13e、導体パターン15b、ビアホール導体13aを介して接続用電極12aに接続されている。さらに、キャパシタ電極18aはビアホール導体13bを介して接続用電極12bに電気的に接続されている。
【0031】
そして、接続用電極12a,12bが金属バンプ8(
図2参照)を介して無線ICチップ5の入出力端子電極6,6(
図3参照)と電気的に接続される。電極12c,12dは無線ICチップ5の実装用端子電極7,7に接続される。
【0032】
また、給電回路基板10の裏面には外部電極19a,19bが導体ペーストの塗布などで設けられ、外部電極19aはインダクタンス素子L(L1,L2)と磁界により結合し、外部電極19bはビアホール導体13fを介してキャパシタ電極18bと接続される。外部電極19a,19bは配線電極21a,21bに電気的に接続されることは前述のとおりである。
【0033】
なお、この共振回路において、インダクタンス素子L1,L2は2本の導体パターン16a,16bを並列に配置した構造としている。2本の導体パターン16a,16bはそれぞれ線路長が異なっており、異なる共振周波数とすることができ、無線ICデバイスを広帯域化できる。
【0034】
なお、各セラミックシート11A〜11Hは磁性体のセラミック材料からなるシートであってもよく、給電回路基板10は従来から用いられているシート積層法、厚膜印刷法などの多層基板の製作工程により容易に得ることができる。
【0035】
また、前記シート11A〜11Hを、例えば、ポリイミドや液晶ポリマなどの誘電体からなるフレキシブルなシートとして形成し、該シート上に厚膜形成法などで電極や導体を形成し、それらのシートを積層して熱圧着などで積層体とし、インダクタンス素子L1,L2やキャパシタンス素子C1,C2を内蔵させてもよい。
【0036】
前記給電回路基板10において、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2とは平面透視で異なる位置に設けられ、インダクタンス素子L1,L2により外部電極19a(配線電極21a)と磁界的に結合し、キャパシタンス素子C1により外部電極19b(配線電極21b)と電界的に結合している。
【0037】
従って、給電回路基板10上に前記無線ICチップ5を搭載した電磁結合モジュール1は、図示しないリーダライタから放射される高周波信号(例えば、UHF周波数帯)をシールドケース28や配線ケーブル36で受信し、配線電極21a,21bを介して外部電極19a,19bと磁界結合及び電界結合している共振回路を共振させ、所定の周波数帯の受信信号のみを無線ICチップ5に供給する。一方、この受信信号から所定のエネルギーを取り出し、このエネルギーを駆動源として無線ICチップ5にメモリされている情報を、共振回路にて所定の周波数に整合させた後、外部電極19a,19b及び配線電極21a,21bを介してシールドケース28や配線ケーブル36に伝え、ケース28、ケーブル36からリーダライタに送信、転送する。
【0038】
給電回路基板10においては、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて共振周波数特性が決定される。シールドケース28や配線ケーブル36から放射される信号の共振周波数は、共振回路の自己共振周波数によって実質的に決まる。そのためシールドケース28や配線ケーブル36の形状や材質が変わっても共振回路の再設計をしなくてもよく、種々の電子機器に対応することができる。
【0039】
ところで、共振回路は無線ICチップ5のインピーダンスと放射板(シールドケース28、配線ケーブル36)のインピーダンスを整合させるためのマッチング回路を兼ねている。給電回路基板10は、インダクタンス素子やキャパシタンス素子で構成された共振回路とは別に設けられたマッチング回路を備えていてもよい(この意味で、共振回路を整合回路とも称する)。共振回路にマッチング回路の機能をも付加しようとすると、共振回路の設計が複雑になる傾向がある。共振回路とは別にマッチング回路を設ければ、共振回路、マッチング回路をそれぞれ独立して設計できる。また、共振回路に代えて整合回路を備えてもよい。さらに放射板であるシールドケース28や配線ケーブル36の形状や大きさを考慮して共振回路の設計を行ってもよい。その場合、給電回路基板10の実装位置精度を高くする必要があるが、無線ICデバイスとしての放射特性を向上させることができる。
【0040】
(共振回路の第2例、
図8参照)
給電回路基板40に設けた共振回路の第2例を
図8に示す。この給電回路基板40は、フレキシブルなPETフィルムなどからなり、基板40上に、インダクタンス素子Lを構成する螺旋形状の導体パターン42と、キャパシタンス素子Cを構成するキャパシタ電極43とを形成したものである。導体パターン42及びキャパシタ電極43から引き出された電極12a,12bは無線ICチップ5の端子電極6,6と電気的に接続される。また、基板40上に形成された電極12c,12dは終端のグランド電極であり、無線ICチップ5の端子電極7,7に電気的に接続される。
【0041】
給電回路基板40ではインダクタンス素子Lとキャパシタンス素子Cとで共振回路を構成し、それぞれに対向する前記第2の配線電極21a,21bとの間で磁界結合及び電界結合し、所定周波数の高周波信号を送受信する点は前記第1例と同様である。特に、第2例では給電回路基板40がフレキシブルなフィルムから構成されているため、電磁結合モジュール1が低背化される。また、インダクタンス素子Lに関しては、導体パターン42の線幅や線間隔を変更することでインダクタンス値を変更し、共振周波数を微調整することができる。
【0042】
なお、本第2例においても、インダクタンス素子Lは2本の導体パターン42を螺旋形状に配置し、螺旋中心部において2本の導体パターン42を接続している。これらの2本の導体パターン42はそれぞれ異なるインダクタンス値L1,L2を有しており、それぞれの共振周波数を異なる値に設定することができ、前記第1例と同様に無線ICデバイスの使用周波数帯を広帯域化することができる。
【0043】
(第3実施例、
図9参照)
第3実施例である無線ICデバイスは、
図9に示すように、電子機器のプリント配線基板20上に、第2の配線電極22a,22bをミアンダ状に形成し、該配線電極22a,22bのそれぞれの一端に前記電磁結合モジュール1を実装したものである。プリント配線基板20上にはバッテリーあるいは液晶パネルの金属ケース50が配線電極22bに近接して搭載されている。電磁結合モジュール1と配線電極22a,22bとの結合は前記第1及び第2実施例と同様である。
【0044】
本第3実施例においては、第2の配線電極22a,22bが放射板として機能するとともに、配線電極22bに近接して配置した金属ケース50が配線電極22bと結合して放射板として機能する。配線電極22a,22bはそれ自体でも放射板として機能するが、金属ケース50をも放射板として利用しているので放射特性、アンテナ利得が向上する。本第3実施例では、金属ケース50が搭載されなくても無線ICデバイスとして機能させることができる。金属ケース50の共振周波数を無線ICデバイスの使用周波数と合わせればアンテナ利得がより向上する。
【0045】
(第4実施例、
図10参照)
第4実施例である無線ICデバイスは、
図10に示すように、前記第3実施例で示した金属ケース50の一部を配線電極22b上に重ねて配置したもので、他の構成は第3実施例と同様である。本第4実施例の作用効果は第3実施例と同様であり、特に、金属ケース50と配線電極22bとが部分的に重ねられていることで両者の結合度が大きくなる。
【0046】
(第5実施例、
図11参照)
第5実施例である無線ICデバイスは、
図11に示すように、配線電極22aをプリント配線基板20上に設けたグランド電極23に電気的に接続したもので、配線電極22bは前記金属ケース50と近接している。
【0047】
なお、グランド電極23はプリント配線基板20に内蔵されたものであってもよい。この場合、配線電極22aはビアホール導体を介してグランド電極23に接続されるか、
図9に示したミアンダ状としてグランド電極23に重ね合わせて結合させてもよい。
【0048】
本第5実施例では、配線電極22bと金属ケース50とが放射板として機能するとともに、配線電極22aと接続されているグランド電極23も放射板として機能する。グランド電極23は面積が大きく、放射特性、アンテナ利得が向上する。
【0049】
(第6実施例、
図12参照)
第6実施例である無線ICデバイスは、
図12に示すように、前記第5実施例で示した金属ケース50の一部を配線電極22b上に重ねて配置したもので、他の構成は第5実施例と同様である。本第6実施例の作用効果は第5実施例と同様であり、特に、金属ケース50と配線電極22bとが部分的に重ねられていることで両者の結合度が大きくなる。
【0050】
(第7実施例、
図13参照)
第7実施例である無線ICデバイスは、
図13に示すように、プリント配線基板20上に第2の配線電極としてループ状電極24を設け、該ループ状電極24の両端部に前記電磁結合モジュール1を実装したものである。プリント配線基板20上には前記金属ケース50がループ状電極24に近接して搭載されている。電磁結合モジュール1とループ状電極24との結合は前記第1及び第2実施例と同様である。
【0051】
本第7実施例においては、ループ状電極24が放射板として機能するとともに、金属ケース50もループ状電極24と結合して放射板として機能する。特に、ループ状電極24は、無線ICチップ5と放射板とのインピーダンスを整合させることができ、別途整合部を設ける必要がなく、無線ICチップ5と放射板との間での信号伝達効率が向上する。
【0052】
(第8実施例、
図14参照)
第8実施例である無線ICデバイスは、
図14に示すように、前記第6実施例(
図12参照)で示した金属ケース50をプリント配線基板20の裏面に配置したものである。金属ケース50の一部は配線電極22bとプリント配線基板20を介して結合している。他の構成は第6実施例と同様である。本第8実施例の作用効果は第6実施例と同様であり、特に、金属ケース50がプリント配線基板20の裏面に配置されているので、グランド電極23を大きな面積で設定できる。
【0053】
(第9実施例、
図15参照)
第9実施例である無線ICデバイスは、
図15に示すように、前記第3実施例(
図9参照)において、プリント配線基板20の表面にさらにいま一つの金属ケース51を配線電極22aに近接して搭載したものである。金属ケース51が配線電極22aと結合して放射板として機能することで、アンテナ利得がさらに向上する。
【0054】
(第10実施例、
図16参照)
第10実施例である無線ICデバイスは、
図16に示すように、前記第9実施例で示した金属ケース51をプリント配線基板20の裏面に配置したものである。この場合、金属ケース51は配線電極22aとプリント配線基板20を介して結合することになる。
【0055】
(第11実施例、
図17〜
図19参照)
第11実施例である無線ICデバイスは、
図17及び
図18に示すように、プリント配線基板20を収納する上下の金属ケース52,53を放射板として機能させたものである。プリント配線基板20上には電磁結合モジュール1と結合された配線電極22a,22bが設けられている。配線電極22aは裏面に設けられて表面側とはビアホール導体で接続されている。配線電極22bは表面に設けられている。
【0056】
また、
図19に示すように、金属ケース52には配線電極22bと効率的に結合させるための結合導体52aが設けられ、金属ケース53には配線電極22aと効率的に結合させるための結合導体53aが設けられている。
【0057】
本第11実施例においても、配線電極22a,22bが放射板として機能するとともに、金属ケース52,53が配線電極22a,22bと結合して放射板として機能し、放射特性、アンテナ利得が向上する。
【0058】
(第12実施例、
図20参照)
第12実施例である無線ICデバイスは、
図20に示すように、前記第5実施例(
図11参照)に示したように、配線電極22aと接続されたグランド電極23に金属ケース50を部分的に重ねたもので、グランド電極23と金属ケース50とが結合して放射板として機能する。
【0059】
(第13実施例、
図21参照)
第13実施例である無線ICデバイスは、
図21に示すように、第2の配線電極として設けたループ状電極25を広い面積としてグランド電極23や電源電極としても機能するようにしたものである。そして、ループ状電極25の一部には金属ケース50が重ねられている。本第13実施例ではループ状電極25と金属ケース50とが放射板として機能する。
【0060】
(第14実施例、
図22参照)
第14実施例である無線ICデバイスは、
図22に示すように、第2の配線電極として設けたループ状電極25とグランド電極23とが一体となって放射板として機能し、その放射板を覆うように、かつ、グランド電極23と電気的に接続された金属ケース54がプリント配線基板20上に配置されている。そして、金属ケース54にはループ状電極25と平面視で重なる部分に切欠き55が形成されている。ループ状電極25の周囲には磁界が発生するため、ループ状電極25上に位置する切欠き55から磁界が金属ケース54の外部に放射される。これにて、放射特性が向上する。なお、金属ケース54は図示しない他の電子部品の少なくとも一つを覆うように配置されていても構わない。
【0061】
(第15実施例、
図23及び
図24参照)
第15実施例である無線ICデバイスは、
図23に示すように、プリント配線基板100上に設けたグランド電極101に開口部102を形成し、該開口部102内にインダクタンス素子として機能する一対のループ状電極103を形成したもので、電磁結合モジュール1が(又は無線ICチップ5が単独で)ループ状電極103のそれぞれの端部に結合されている。プリント配線基板100上にはスイッチングモジュール105やIC106、チップ抵抗やチップコンデンサなどの素子107が実装されている。また、プリント配線基板100はシールドケース109によって覆われている。
【0062】
プリント配線基板100にはUSBのコネクタ110が接続されており、このコネクタ110の金属部分がグランド電極101と電気的に導通状態にあり、電磁結合モジュール1の放射板として機能する。グランド電極101にはコネクタ110が取り付けられている近辺にスリット104が形成されており、コネクタ110を介して受信した電磁波が前記ループ状電極103に効率よく伝播する。
【0063】
図24は、プリント配線基板100にシールドケース109やコネクタ110を取り付ける前の状態を示す。この状態においては、グランド電極101が放射板として機能する。従って、本第15実施例では、製造工程において、
図24に示す状態から
図23に示す最終製品の段階まで無線ICデバイスとして機能する。
【0064】
(第16実施例、
図25参照)
第16実施例である無線ICデバイスは、
図25に示すように、プリント配線基板100上に設けたグランド電極101に同軸ケーブル(電源ケーブル)111のシールド線111aが電気的に接続されている。その他の構成は前記第15実施例と同様である。
【0065】
本第16実施例においては、同軸ケーブル111のシールド線111aがグランド電極101と電気的に導通状態にあり、電磁結合モジュール1の放射板として機能する。シールド線111aは長尺であるため、電磁波が弱くても通信が可能である。
【0066】
(第17実施例、
図26参照)
第17実施例である無線ICデバイスは、
図26に示すように、プリント配線基板100上に設けたグランド電極101にUSBカードのスロットケース112を電気的に接続したものである。その他の構成は前記第15実施例と同様である。スロットケース112は金属部品であり、グランド電極101と電気的に導通状態にあり、電磁結合モジュール1の放射板として機能する。
【0067】
(第18実施例、
図27参照)
第18実施例である無線ICデバイスは、
図27に示すように、プリント配線基板100上に設けたグランド電極101にバッテリー113の金属ケースを電気的に接続したものである。その他の構成は前記第15実施例と同様である。バッテリー113の金属ケースはグランド電極101と電気的に導通状態にあり、電磁結合モジュール1の放射板として機能する。
【0068】
(第19実施例、
図28参照)
第19実施例である無線ICデバイスは、
図28に示すように、
図23に示した第15実施例において、シールドケース109を導体部109aを介してグランド電極101と電気的に接続したものである。他の構成は第15実施例と同様である。本第19実施例においては、コネクタ110の金属部分とともにシールドケース109も放射板として機能する。また、グランド電極101には導体部109aの近辺にスリット104が形成されており、シールドケース109を介して受信した電磁波が前記ループ状電極103に効率よく伝播する。
【0069】
(第20実施例、
図29参照)
第20実施例である無線ICデバイスは、
図29に示すように、
図25に示した第16実施例において、シールドケース109を導体部109aを介してグランド電極101と電気的に接続したものである。他の構成は第16実施例と同様である。本第20実施例においては、同軸ケーブル111のシールド線111aとともにシールドケース109も放射板として機能する。また、グランド電極101には導体部109aの近辺にスリット104が形成されており、シールドケース109を介して受信した電磁波が前記ループ状電極103に効率よく伝播する。
【0070】
(第21実施例、
図30〜
図32参照)
第21実施例である無線ICデバイスは、
図30に示すように、プリント配線基板120上に設けたグランド電極121のスリット状の開口部121aに配線電極(以下、電源ライン122と記す)を形成し、電源ケーブル128をグランド電極121に接続するとともに、いま一つの電源ケーブル129を電源ライン122に接続し、該電源ライン122上に電磁結合モジュール1を貼着したものである。プリント配線基板120はシールドケース127にて覆われ、電源ケーブル128,129はシールドケース127の外部に長く延在している。また、電源ライン122には、電圧安定化を図るため、高周波ノイズ除去用コンデンサ125や電圧レギュレータ126が搭載されている。
【0071】
一方、電磁結合モジュール1は、
図32に示すように、コイル(インダクタンス素子)131を内蔵した給電回路基板130上に無線ICチップ5を搭載し、樹脂保護材141で被覆したものである。コイル131はそのコイル軸が電源ライン122とは平行に位置し、両端は無線ICチップ5と電気的に導通している。
【0072】
本第21実施例である無線ICデバイスの動作原理は、
図31に示すように、電源ケーブル129が図示しないリーダライタから発せられた電磁波を受信すると、電源ライン122に電流が発生する。この電流はコンデンサ125を通じてグランド電極121へ流れ込み、電源ライン122に磁界φが発生する。この磁界φが給電回路基板130のコイル131と磁界結合し、無線ICチップ5を動作させる。
【0073】
本第21実施例において、電源ケーブル129が放射板として機能する。また、シールドケース127や電源ケーブル129は取り付けられていない製造工程の途中にあっては電源ライン122が放射板として機能する。また、電源ケーブル129をリーダライタに直結してもよい。
【0074】
(第22実施例、
図33参照)
第22実施例である無線ICデバイスは、
図33に示すように、電磁結合モジュール1を構成する給電回路基板130に、コイル131に加えて整合回路/共振回路132を設けたものである。他の構成は前記第21実施例と同様である。本第22実施例の作用も第21実施例と同様である。特に、回路132が整合回路であればコイル131との整合をとることができ、小さい電力で無線ICチップ5を動作させることができる。また、回路132が共振回路であれば周波数選択性を付加でき、周波数の変化を小さくでき、動作周波数帯を広くとることも可能になる。
【0075】
(第23実施例、
図34参照)
第23実施例である無線ICデバイスは、
図34に示すように、電磁結合モジュール1を構成する給電回路基板130の裏面に一対の外部端子電極133を形成したものである。他の構成は前記第21実施例と同様である。本第23実施例の作用も第21実施例と同様である。特に、給電回路基板130の裏面に外部端子電極133を形成することで、電磁結合モジュール1を電源ライン122にはんだ付けすることができ、他の表面実装部品と同時に実装することができる。なお、外部端子電極133は給電回路基板130の裏面のほぼ中央部分に一つだけ形成してもよい。
【0076】
(第24実施例、
図35参照)
第24実施例である無線ICデバイスは、
図35に示すように、電磁結合モジュール1を構成する給電回路基板130の裏面に一対の外部端子電極133を形成するとともに、給電回路基板130の裏面側に導体134を内蔵させ、電源ライン122を導体134の下部でカットしたものである。他の構成は前記第21実施例、第23実施例と同様である。本第24実施例の作用も第21実施例及び第23実施例と同様である。特に、電源ライン122を流れる電流が導体134に導かれてコイル131の近傍を流れるため、結合度が向上し、小さな電力で動作する。また、結合度のばらつきが小さくなる。
【0077】
(第25実施例、
図36参照)
第25実施例である無線ICデバイスは、
図36に示すように、電磁結合モジュール1を取り付けるための補助基板140を設けたものである。補助基板140上には結合用電極141が形成され、該結合用電極141の開口部142に形成されたインダクタンス素子として機能する一対のループ状電極143のそれぞれの端部に、電磁結合モジュール1が(又は無線ICチップ5が単独で)結合されている。他の構成は前記第21実施例と同様である。
【0078】
本第25実施例においては、電磁結合モジュール1がループ状電極143と結合し、さらに、結合用電極141が電源ライン122と結合しており、その作用は第21実施例と同様である。特に、補助基板140を用いることで、サイズの大きな結合用電極141を用いたり、給電回路基板130内のコイル131を大型化することができ、電源ライン122との結合度を高くすることができる。また、補助基板140の結合用電極141はそれ自身でも放射板として機能するため、プリント配線基板120のいずれの箇所に設置してもよい。
【0079】
(第26実施例、
図37参照)
第26実施例である無線ICデバイスは、
図37に示すように、電磁結合モジュール1が実装される電源ライン122をプリント配線基板120の縁部に沿って横方向に長く形成したものである。他の構成は前記第21実施例(
図30参照)と同様である。本第26実施例の作用も第21実施例と同様である。特に、電源ライン122を長くしたため、電源ライン122の放射板としての機能が大きくなり、シールドケース127や電源ケーブル129を取り付ける前であっても無線ICデバイスとして機能する。
【0080】
(第27実施例、
図38参照)
第27実施例である無線ICデバイスは、
図38に示すように、
図37に示した電源ライン122をさらに分岐させてプリント配線基板120の縁部に沿って横方向に長く形成したものである。他の構成は前記第21実施例及び第26実施例と同様である。本第27実施例の作用は前記第26実施例よりも放射板として機能する電源ライン122がより大きなサイズであるために、電磁波をより効率的に送受信でき、小さい電力で動作する。電源ライン122を共振する長さに設定することが好ましい。
【0081】
(第28実施例、
図39参照)
第28実施例である無線ICデバイスは、
図39に示すように、
図38に示した電源ライン122の延長部分をミアンダ形状にしたものである。他の構成は前記第21実施例と同様である。本第28実施例では放射板として機能する電源ライン122が実質的に大きなサイズとなり、電磁波をより効率よく送受信できる。
【0082】
(第29実施例、
図40参照)
第29実施例である無線ICデバイスは、
図40に示すように、プリント配線基板120上に形成されたグランド電極121の比較的大きな面積の開口部121bに複数のライン電極145をパラレルに設け、該ライン電極145にUBSなどの信号線146を接続し、かつ、ライン電極145の一つに電磁結合モジュール1を結合させたものである。ライン電極145とグランド電極121との間にはレギュレータ126が実装されている。
【0083】
本第29実施例においては信号線146が放射板として機能し、作用は前記第21実施例などと同様である。特に、バッテリーなどで動作して電源ケーブルが付属されない機器であっても無線ICデバイスとして機能させることができる。
【0084】
(第30実施例、
図41参照)
第30実施例である無線ICデバイスは、
図41に示すように、プリント配線基板120上に形成されたグランド電極121のスリット状の開口部121aにアンテナライン151を設け、該アンテナライン151にアンテナ線152を接続し、かつ、アンテナライン151に電磁結合モジュール1を結合させたものである。アンテナライン151とグランド電極121との間にはレギュレータ126が実装されている。
【0085】
本第30実施例においてはアンテナ線152が放射板として機能し、作用は前記第21実施例などと同様である。電磁結合モジュール1には、RFIDとして動作する周波数でのみエネルギーが無線ICチップ5に伝達されるように、共振回路や整合回路を形成することにより、アンテナの動作を妨げることがない。特に、本実施例では、電磁波を効率よく受信するために設計されているアンテナ線152を放射板として利用しているため、小さな電力で動作させることができる。
【0086】
(第31実施例、
図42参照)
第31実施例である無線ICデバイスは、
図42に示すように、電源ライン122とグランド電極121との間に、ESD対策用のデバイス(例えば、バリスタ153)を実装したものであり、電磁結合モジュール1はバリスタ153の後段に配置されている。他の構成は前記第21実施例(
図30参照)と同様である。本第31実施例の作用は第21実施例と同様であり、特に、バリスタ153を設けることで、耐静電サージ特性が向上する。
【0087】
(第32実施例、
図43参照)
第32実施例である無線ICデバイスは、
図43に示すように、電磁結合モジュール1を電源ライン122と結合させた構成は前記第21実施例(
図30参照)と同様である。異なるのは、給電回路基板130に設けたコイル131をそのコイル軸を電源ライン122とは直交する方向に形成した点にある。本第32実施例の作用は第21実施例と同様であり、特に、コイル131をコイル軸が給電回路基板130のシート積層方向と一致するように形成しているため、コイル131の形成が容易になる。
【0088】
(第33実施例、
図44及び
図45参照)
第33実施例である無線ICデバイスは、
図44に示すように、プリント配線基板120上に設けたグランド電極121のスリット状の開口部121aに電源ライン122を形成し、電源ケーブル128をグランド電極121に接続するとともに、いま一つの電源ケーブル129を電源ライン122に接続し、該電源ライン122とグランド電極121とに跨るように電磁結合モジュール1を貼着したものである。プリント配線基板120はシールドケース127にて覆われ、電源ケーブル128,129はシールドケース127の外部に長く延在している。また、電源ライン122には、電圧安定化を図るため、高周波ノイズ除去用コンデンサ125や電圧レギュレータ126が搭載されている。
【0089】
一方、電磁結合モジュール1は、
図45に示すように、無線ICチップ5と給電回路基板160とからなる。給電回路基板160の内部には、互いに磁気結合するインダクタンス素子L11,L12と、内部電極161とグランド電極121及び内部電極162と電源ライン122との間で形成される容量にて所定の共振周波数を有する共振回路が形成されている。無線ICチップ5はこの共振回路とはんだバンプを介して電気的に接続されている。
図45において、156は接着剤、166ははんだバンプの保護層である。
【0090】
本第33実施例である無線ICデバイスの動作原理は、電源ケーブル129が図示しないリーダライタから発せられた電磁波を受信すると、電源ライン122に電流が発生する。この際、電源ライン122とグランド電極121との間に電位差が発生する。高周波的には
図44に示すインダクタンス成分(コイル形状で示す)が存在するためである。この電位差により、給電回路基板160の内部電極161,162とグランド電極121及び電源ライン122とが電磁界結合し、信号が共振回路を介して無線ICチップ5を動作させる。
【0091】
従って、本第33実施例においても電源ケーブル129が放射板として機能し、その作用は前記第21実施例(
図30参照)と基本的に同様である。給電回路基板160の内部にはインダクタンス素子L11,L12と容量とからなる共振回路が形成されているため、無線ICチップ5との整合機能や周波数選択機能を有し、広い周波数帯域で効率よく信号を伝達することができる。なお、電磁結合モジュール1に代えて無線ICチップ5を単独で用いてもよい。
【0092】
(第34実施例、
図46参照)
第34実施例である無線ICデバイスは、
図46に示すように、電磁結合モジュール1を構成する給電回路基板160に設けた共振回路を、互いに磁気結合するインダクタンス素子L11,L12,L13にて形成したものである。本第34実施例において、他の構成は前記第33実施例と同様であり、作用も第33実施例と同様である。特に、共振回路が左右対称に構成されているため、電磁結合モジュール1を方向性を問うことなく実装することができる。
【0093】
(第35実施例、
図47参照)
第35実施例である無線ICデバイスは、
図47に示すように、給電回路基板160の裏面に内部電極161,162と対向する外部端子電極163,164を形成したものである。本第35実施例において、他の構成は前記第34実施例と同様であり、作用も第34実施例と同様である。特に、外部端子電極163,164を設けることにより、電磁結合モジュール1をプリント配線基板120上にはんだ付けすることができ、他の表面実装部品と同時に実装することができる。
【0094】
(第36実施例、
図48参照)
第36実施例である無線ICデバイスは、
図48に示すように、電磁結合モジュール1が実装される電源ライン122をプリント配線基板120の縁部に沿って横方向に長く形成したものである。他の構成は前記第33実施例(
図44参照)と同様である。本第36実施例の作用も第33実施例と同様である。特に、電源ライン122を長くしたため、電源ライン122の放射板としての機能が大きくなり、シールドケース127や電源ケーブル129を取り付ける前であっても無線ICデバイスとして機能する。
【0095】
(第37実施例、
図49参照)
第37実施例である無線ICデバイスは、
図49に示すように、
図48に示した電源ライン122の延長部分をミアンダ形状にしたものである。他の構成は前記第33実施例と同様である。本第37実施例では放射板として機能する電源ライン122が実質的に大きなサイズとなり、電磁波をより効率よく送受信できる。
【0096】
(第38実施例、
図50参照)
第38実施例である無線ICデバイスは、
図50に示すように、
図48に示した電源ライン122をさらに分岐させてプリント配線基板120の縁部に沿って横方向に長く形成したものである。他の構成は前記第33実施例及び第36実施例と同様である。本第38実施例の作用は前記第36実施例よりも放射板として機能する電源ライン122がより大きなサイズであるために、電磁波をより効率的に送受信でき、小さい電力で動作する。電源ライン122を共振する長さに設定することが好ましい。
【0097】
(第39実施例、
図51参照)
第39実施例である無線ICデバイスは、
図51に示すように、電源ライン122の両側の延長部分をともにミアンダ形状にしたものである。他の構成は前記第33実施例と同様である。本第39実施例では放射板として機能する電源ライン122が実質的に大きなサイズとなり、電磁波をより効率よく送受信できる。
【0098】
(第40実施例、
図52参照)
第40実施例である無線ICデバイスは、
図52に示すように、電源ライン122の一部をプリント配線基板120の下層に形成したもので、電磁結合モジュール1は表層に露出した電源ライン122とグランド電極121との間に跨って実装されている。また、電源ケーブル129は表層に露出させた電源ラインの端部122aに接続されている。
【0099】
本第40実施例の他の構成は前記第33実施例と同様であり、作用も第33実施例と同様である。特に、電源ライン122を部分的にプリント配線基板120の下層に配置したため、表層の配線に自由度が増す。
【0100】
(第41実施例、
図53参照)
第41実施例である無線ICデバイスは、
図53に示すように、電源ライン122をコ字形状に折り曲げ、該折曲げ部分に電磁結合モジュール1の両端部を接合させたものである。本第41実施例の他の構成は前記第33実施例と同様であり、作用も第33実施例と同様である。
【0101】
(第42実施例、
図54及び
図55参照)
第42実施例である無線ICデバイスは、
図54に示すように、電磁結合モジュール1を電源ライン122を跨いでグランド電極121の両縁部に架かるように実装したものである。他の構成は前記第33実施例と同様であり、電磁結合モジュール1はグランド電極121上に発生する電位差により動作する。
【0102】
本第42実施例においては、
図55に示すように、給電回路基板160内にはインダクタンス素子L11、L12に加えて、電源ライン122に流れる電流により発生する磁界φと結合するコイル167がインダクタンス素子L11,L12と直列に形成されており、電源ライン122に流れる電流によっても動作する。即ち、このコイル167は整合用のインダクタンス素子としても機能する。また、電源ライン122で電磁波を十分受信できない場合であっても、グランド電極121が放射板として機能して受信が可能であり、給電回路のいずれか一方の素子が破壊されても、他方の素子を介して動作が可能である。
【0103】
(第43実施例、
図56参照)
第43実施例である無線ICデバイスは、
図56に示すように、電磁結合モジュール1の給電回路と結合するグランド電極121の一部121cをループ形状としたものである。他の構成は前記第33実施例及び第42実施例と同様であり、作用も第33実施例及び第42実施例と同様である。特に、共振回路と結合するグランド電極121の一部121cをループ形状とすることにより、アンテナ利得が向上し、無線ICチップ5を小さい電力で動作させることができる。
【0104】
(第44実施例、
図57参照)
第44実施例である無線ICデバイスは、
図57に示すように、プリント配線基板120上に形成されたグランド電極121の比較的大きな面積の開口部121bに複数のライン電極145をパラレルに設け、該ライン電極145にUBSなどの信号線146を接続し、かつ、ライン電極145の一つとグランド電極121とに跨るように電磁結合モジュール1を結合させたものである。ライン電極145とグランド電極121との間にはレギュレータ126が実装されている。
【0105】
本第44実施例においてはライン電極145とグランド電極121との間に生じる電位差を利用し、信号線146が放射板として機能し、作用は前記第33実施例や第29実施例と同様である。
【0106】
(第45実施例、
図58参照)
第45実施例である無線ICデバイスは、
図58に示すように、隣接するライン電極145に跨るように電磁結合モジュール1を結合させたものであり、他の構成及び作用は前記第44実施例と同様である。本第45実施例では、隣接する二つのライン電極145間に生じる電位差を利用している。
【0107】
(第46実施例、
図59参照)
第46実施例である無線ICデバイスは、
図59に示すように、プリント配線基板120上に形成されたグランド電極121のスリット状の開口部121aにアンテナライン151を設け、該アンテナライン151にアンテナ線152を接続し、かつ、アンテナライン151とグランド電極121との間に電磁結合モジュール1を跨るように結合させたものである。アンテナライン151とグランド電極121との間にはレギュレータ126が実装されている。本第46実施例においてはアンテナ線152が放射板として機能し、作用は前記第33実施例や第30実施例と同様である。
【0108】
(第47実施例、
図60参照)
第47実施例である無線ICデバイスは、
図60に示すように、電磁結合モジュール1を取り付けるための補助基板170を設けたものである。補助基板170上には結合用電極171が形成され、該結合用電極171に形成されたインダクタンス素子として機能する一対のループ状電極173のそれぞれの端部に、電磁結合モジュール1が(又は無線ICチップ5が単独で)結合されている。結合用電極171の両端ははんだ175によって電源ライン122及びグランド電極121に接続されている。他の構成は前記第33実施例と同様である。
【0109】
本第47実施例においては、電磁結合モジュール1がループ状電極173と結合し、さらに、結合用電極171が電源ライン122とグランド電極121に跨るように結合しており、その作用は第33実施例と同様である。特に、補助基板170を用いることで、サイズの小さな電磁結合モジュール1であっても電源ライン122とグランド電極121を跨いで配置することができる。また、補助基板170にインダクタンス素子などを形成することができ、給電回路基板160をより小さくすることができる。さらに、補助基板170の結合用電極171はそれ自身でも放射板として機能する。
【0110】
(第48実施例、
図61参照)
第48実施例である無線ICデバイスは、
図61に示すように、電源ライン122とグランド電極121との間に、ESD対策用のデバイス(例えば、バリスタ153)を実装したものであり、電磁結合モジュール1はバリスタ153の後段に配置されている。他の構成は前記第33実施例(
図44参照)と同様である。本第48実施例の作用は第33実施例及び第31実施例と同様である。
【0111】
(第49実施例、
図62〜
図65参照)
第49実施例である無線ICデバイスは、
図62に示すように、プリント配線基板180上に設けたグランド電極181に開口部182を形成してループ状電極183とし、該ループ状電極183に電磁結合モジュール1を実装したものである。電磁結合モジュール1は無線ICチップ5と給電回路基板190とで構成されている。給電回路基板190の内部には、
図64に示すように、コイル(インダクタンス素子)191が形成されている。コイル191はそのコイル軸がループ状電極183と平行に位置し、両端は無線ICチップ5と電気的に導通している。
【0112】
本第49実施例である無線ICデバイスの動作原理は、
図63に示すように、グランド電極181が図示しないリーダライタから発せられた電磁波を受信すると、ループ状電極183に電流が発生する。この電流により発生した磁界φが給電回路基板190のコイル191と磁界結合し、無線ICチップ5を動作させる。このとき、コイル191の片側にのみ磁界φが交差するように電磁結合モジュール1を配置することが好ましい。また、
図65に示すように、給電回路基板190内にはコイル191に加えて整合回路/共振回路192を設けてもよい。
【0113】
なお、プリント配線基板180上に設けた素子105,106,107は前記第15実施例(
図23参照)で説明したとおりである。
【0114】
(第50実施例、
図66参照)
第50実施例である無線ICデバイスは、
図66に示すように、グランド電極181に形成したループ状電極183をコ時形状に折り曲げ、電磁結合モジュール1をコイル191がループ状電極183に沿うように実装したものである。他の構成は前記第49実施例と同様である。
【0115】
本第50実施例において、作用は第49実施例と同様であり、特に、コイル191とループ状電極183との結合度が高くなり、効率よくエネルギーの伝達が行われる。また、電磁結合モジュール1が実装時にプリント配線基板180の縁部からほとんどはみ出さない。
【0116】
(第51実施例、
図67参照)
第51実施例である無線ICデバイスは、
図67に示すように、電磁結合モジュール1を前記第49実施例(
図62参照)とは逆向きにプリント配線基板180上に実装したものである。他の構成及び作用は第49実施例と同様である。特に、電磁結合モジュール1が実装時にプリント配線基板180の縁部からはみ出さない利点を有している。
【0117】
(第52実施例、
図68参照)
第52実施例である無線ICデバイスは、
図68に示すように、給電回路基板190に内蔵したコイル191をそのコイル軸がループ状電極183と直交するように形成したものである。本第52実施例の作用は前記第49実施例と同様であり、特に、コイル191をコイル軸が給電回路基板190のシート積層方向と一致するように形成しているため、コイル191の形成が容易になる。
【0118】
(第53実施例、
図69参照)
第53実施例である無線ICデバイスは、
図69に示すように、グランド電極181にループ状電極183を形成することなく、電磁結合モジュール1をグランド電極181の縁部に実装したものである。他の構成及び作用は前記第49実施例と同様である。電磁結合モジュール1はグランド電極181の縁部を流れる電流により発生する磁界と結合して動作する。
【0119】
(第54実施例、
図70参照)
第54実施例である無線ICデバイスは、
図70に示すように、プリント配線基板180に切欠き184を形成し、該切欠き184の周囲に位置するグランド電極181の縁部をループ状電極183としたものである。他の構成及び作用は前記第49実施例と同様である。
【0120】
(第55実施例、
図71参照)
第55実施例である無線ICデバイスは、
図71に示すように、前記第53実施例では電磁結合モジュール1をグランド電極181のほぼ中央の縁部に実装したのに対して、電磁結合モジュール1をグランド電極181の隅部に実装したものである。他の構成及び作用は前記第49実施例及び第53実施例と同様である。
【0121】
なお、電磁結合モジュール1は、グランド電極181にループ状電極183を形成しない場合、グランド電極181の縁部であれば、任意の箇所に実装することができる。また、前記第54実施例に示したように、電磁結合モジュール1を実装したプリント配線基板180の隅部に切欠きを形成し、その周囲に位置するグランド電極181の縁部をループ状電極としてもよい。
【0122】
(第56実施例、
図72及び
図73参照)
第56実施例である無線ICデバイスは、
図72に示すように、給電回路基板190に内蔵されたコイル195を8の字パターンにしたもので、他の構成は前記第49実施例(
図62参照)と同様である。電磁結合モジュール1は、
図73に示すように、インダクタンス素子として機能するコイル195の両方のループにループ状電極183から発生する磁束φが通過するように、プリント配線基板180上に実装されている。それゆえ、本第56実施例では放射板として機能するグランド電極181と電磁結合モジュール1との結合度が高い。
【0123】
(電磁結合モジュールの変形例、
図74参照)
電磁結合モジュール1としては、
図74に示すように、正方形状の給電回路基板200を有するものであってもよい。インダクタンス素子として機能するコイル201も正方形状とされている。この電磁結合モジュール1は本発明に係る全ての実施例に適用することができる。
【0124】
(第57実施例、
図75参照)
第57実施例である無線ICデバイスは、
図75に示すように、プリント配線基板180上に形成したグランド電極181に縁部から中央部に達するスリット185を形成し、該スリット185の端部に開口部185aを形成し、電磁結合モジュール1を該開口部185aの直上に搭載したものである。給電回路基板190に形成されたコイル191と開口部185aとは平面視でほぼ同じ形状とされている。
【0125】
本第57実施例においては、開口部185aの周囲がループ状電極として機能し、コイル191と電磁界結合する。スリット185が形成されているため、グランド電極181で受信した電磁波による電流が開口部185aの周囲に集中して強い磁界が発生し、結合度が高くなる。
【0126】
なお、スリット185は必ずしもグランド電極181の縁部に連通している必要はない。また、スリット185がプリント配線基板180の配線設計上形成されるものであれば、特に電磁結合モジュール1を実装するためにスリットを形成する必要はない。
【0127】
(実施例のまとめ)
本発明に係る電子機器においては、給電回路基板に共振回路が形成され、放射板で受信された信号によって共振回路を介して無線ICが動作され、該無線ICからの応答信号が共振回路を介して放射板から外部に放射されてもよい。また、給電回路基板に整合回路が形成されていてもよい。
【0128】
インダクタンス素子は螺旋状電極で構成され、該螺旋状電極は配線基板上の配線電極において発生する磁界と結合するように形成されていてもよい。配線基板上の配線電極とグランド電極とは絶縁されて配置されており、給電回路基板は配線電極とグランド電極とに跨って配置されていてもよい。金属材からなるケースであれば、該ケース自体が放射板として機能する。ケースが非導電材からなる場合は、導電材からなる電極膜を形成し、該電極膜を放射板として機能させればよい。
【0129】
電磁結合モジュールと他の電子部品を搭載したプリント配線基板を備え、放射板を兼用するケースは高周波デバイス及び他の電子部品を覆うように配置されていてもよい。このプリント配線基板は、給電回路と放射板とを結合させる第2の配線電極を備えていてもよい。第2の配線電極がループ状電極であれば、無線ICと放射板とのインピーダンスを整合させることができ、別途整合部を設ける必要がなく、無線ICと放射板との間での信号伝達効率が向上する。ループ状電極は給電回路基板を搭載する補助基板に形成されていてもよい。また、複数のプリント配線基板を備え、少なくとも一つのプリント配線基板上には高周波デバイスが実装され、ケースは高周波デバイス及び他の電子部品の少なくとも一つを覆うように配置されていてもよい。
【0130】
前記プリント配線基板は、給電回路と放射板とを結合させる第2の配線電極を備え、ケースはプリント配線基板に実装された全ての電子部品及び高周波デバイスを覆うように配置されていてもよい。前記第2の配線電極が放射板の一部であってもよく、放射特性が向上し、第2の配線電極の配置によって指向性を変化させることができる。電子部品の少なくとも一部が放射板の一部として機能してもよく、放射特性が向上する。
【0131】
また、前記プリント配線基板はグランド電極を備え、第2の配線電極がグランド電極と電気的に接続されていてもよい。面積の大きいグランド電極をも放射板として機能させることで、放射特性がさらに向上する。
【0132】
前記第2の配線電極はプリント配線基板の表面又は内部のいずれに形成されていてもよい。また、プリント配線基板は樹脂製又はセラミック製のいずれであってもよい。
【0133】
さらに、給電回路基板の表面に給電回路と結合する外部電極が形成されていてもよい。
【0134】
給電回路基板はセラミックや液晶ポリマなどの樹脂からなる多層基板で構成されていてもよく、フレキシブルな基板で構成されていてもよい。多層基板で構成すれば、インダクタンス素子やキャパシタンス素子を高精度に内蔵可能であり、電極の形成の自由度が向上する。フレキシブルな基板で構成すれば、給電回路基板を薄型化、低背化することができる。
【0135】
無線ICは、本無線ICデバイスが取り付けられる物品に関する各種情報がメモリされている以外に、情報が書き換え可能であってもよく、RFIDシステム以外の情報処理機能を有していてもよい。
【0136】
なお、本発明に係る電子機器は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0137】
例えば、共振回路や整合回路は様々な構成のものを採用できることは勿論である。また、前記実施例に示した外部電極や給電回路基板の材料はあくまで例示であり、必要な特性を有する材料であれば、任意のものを使用することができる。無線ICチップを給電回路基板に実装するのに、金属バンプ以外の処理を用いてもよい。また、無線ICチップと給電回路との接続は、電気的な直接接続以外に、電磁界結合であってもよい。さらに、給電回路基板に無線ICが組み込まれていてもよい。
【0138】
また、電磁結合モジュールが実装される機器は、携帯電話などの無線通信機器に限らず、テレビや冷蔵庫などの家電機器を含めて種々の機器に適用することができる。