(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ICカードに設けられた撮像手段により取得した顔の画像から特徴量を抽出する場合、指紋等とは異なり、特徴量を抽出することができる画像を取得しがたいとう課題があった。これは、指紋の画像などと異なり、照合対象である顔の範囲が大きく(特に、ICカード本体よりも顔の方が大きい)、撮像する範囲が容易に決定できないからである。
【0007】
更に、ICカードは利用者が常時携帯するものであることを考慮すると(例えば、ストラップにより首にかけて常時携帯する)、ICカードは軽量であり、薄いものであることが必要である。従って、顔画像を撮像する撮像部等を大型化することはできず、撮像する範囲が異なってもそれを調整するズームや焦点調整のためのレンズ駆動機構等を搭載することは避けなければならない。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、認証対象者を誘導する認証カード、認証システム、ガイダンス方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、認証対象者の顔を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンスを行うガイダンス手段とを有する認証カードである。
【0010】
本発明は、特定システムの利用を認証する認証システムであって、認証対象者の顔を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンスを行うガイダンス手段と、前記特定システムの利用者の顔の特徴量が格納された利用者データ記憶手段と、前記撮像手段により撮像された認証対象者の顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量と前記利用者データ記憶手段の特徴量とを照合し、認証を判定する照合手段と、認証された認証対象者の顔画像データを、認証カードのデータを送信する顔画像データ送信手段とを有する認証カードと、前記認証対象者の顔画像データを記録する記録手段とを有する認証システムである。
【0011】
本発明は、特定システムの利用を認証する認証システムであって、認証対象者の顔を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンスを行うガイダンス手段と、前記特定システムの利用者の顔の特徴量が格納された利用者データ記憶手段と、前記撮像手段により撮像された認証対象者の顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量と前記利用者データ記憶手段の特徴量とを照合し、認証できる場合には照合時刻を送信する照合手段とを有する認証カードと、前記照合時刻を受信し、前記照合時刻と現在時刻とを比較し、その差が予め定められた範囲内である場合、前記認証対象者の認証を許可する手段とを有する認証システムである。
【0012】
本発明は、特定システムの利用を認証する認証システムであって、認証対象者の顔を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンスを行うガイダンス手段と、前記撮像手段により撮像された認証対象者の顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量を送信する特徴量抽出手段とを有する認証カードと、前記特定システムの利用者の顔の特徴量が格納された利用者データ記憶手段と、前記認証カードから前記認証対象者の特徴量を受信し、受信した特徴量と前記利用者データ記憶手段の特徴量とを照合し、認証を判定する照合手段とを有する認証システムである。
【0013】
本発明は、認証対象者の顔を撮像する撮像手段を有する認証カードのガイダンス方法であって、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンスを行う認証カードのガイダンス方法である。
【0014】
本発明は、認証対象者の顔を撮像する撮像手段を有する認証カードのプログラムであって、前記撮像手段により、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、前記認証対象者を誘導するガイダンス処理を、認証カードに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、認証対象者を誘導することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明によるICカードを用いた認証システムの構成図である。本認証システムは、特定システムの認証を行うシステムであり、以下の説明では、特定システムとして、認証の是非によって立入り禁止地域の進入を許可するシステムを例にして説明する。
【0018】
図1中、1はICカード、2はカードリーダ、3は開閉ゲートである。
【0019】
ICカード1は、カード本体自体で照合機能を持つものであり、利用者の照合の結果、認証が成功すると、認証許可信号をカードリーダ2に送信する。尚、ICカード1の構成及び動作の詳細については後述する。
【0020】
カードリーダ2は、データ受信部21とゲート開閉制御部22とを有する。データ受信部21は、ICカード1から認証許可信号を受信すると、ゲート開閉制御部22に送信する。ゲート開閉制御部22は、認証許可信号を受信すると、ゲート開放許可信号を開閉ゲート3に送信する。
【0021】
開閉ゲート3は、認証の是非によって立入り禁止地域などに設けられている扉を開閉させるものであり、ゲート開放許可信号を受信すると、ゲートを開放する。
【0022】
次に、ICカード1を詳細に説明する。
【0023】
ICカード1は、利用者の顔による照合を行う照合機能を備えたICカードである。
【0025】
図2中、11は利用者の顔を撮像するための撮像部(レンズ)であり、12a,12bは、認証の照合に必要な認証対象者の顔の特徴量を少なくとも抽出することができる画像を撮像できるように、認証対象者を誘導するガイダンスランプ、13は照合処理を起動させる起動スイッチである。尚、ガイダンスランプ12a,12bは、LEDや電球などの発光素子であれば良い。
【0026】
続いて、ICカード1の構成を説明する。
図3はICカード1のブロック図である。
【0027】
図3に示す如く、ICカード1は、起動スイッチ13と、ガイダンスランプ12a,12bと、撮像部100と、ガイダンス制御部101と、照合処理部102と、利用者データ記憶部103と、送信部105とを備える。
【0028】
撮像部100は認証対象者の顔の画像を撮像する撮像部であり、CCDやCMOSなどのイメージセンサおよび制御系、イメージセンサに顔の画像を結像するレンズ光学系などで構成される。尚、ICカード1は利用者が常時携帯するものであることを考慮すると(例えば、ストラップにより首にかけて常時携帯する)、ICカード1は軽量であり、薄いものであることが必要である。従って、撮像部100は、ズームや焦点調整のためのレンズ駆動機能を持たない、固定焦点のレンズが好ましい。
【0029】
ガイダンス制御部101は、起動スイッチ104のONにより、照合のための顔の撮像のガイダンスを制御する制御部である。上述したように、撮像部100はレンズ駆動機能を持たないことが好ましい。従って、固定焦点レンズの場合、光学的にピント調整やズーム(拡大縮小)ができないので、認証対象者の顔の照合ができる程度の画像(少なくとも特徴量を抽出できる程度の画像)を取得することができる位置に、認証対象者がICカード1を移動、又は、認証対象者自身が移動する必要がある。そこで、ガイダンス制御部101は、撮像部100により、照合に必要な認証対象者の顔の特徴量が得られる程度の画像を取得することができる位置に、認証対象者を誘導させるようなガイダンスを行う。そして、撮像部100により得られた画像が、認証対象者の顔の照合ができる程度の画像であったならば、その顔画像データを照合処理部102に出力する。
【0030】
具体的には、撮像部100により撮像され、照合に必要な認証対象者の顔の特徴量が得られる程度の認証対象者の顔画像の大きさが
図4の破線の大きさだとすると、その破線の大きさよりも撮像部100から得られる顔画像が小さい場合、ICカード1を認証対象者に近づけることを報知するように、ガイダンスランプ12aを点灯させる。また、
図4の破線の大きさよりも撮像部100から得られる顔画像が大きい場合、ICカード1を認証対象者から遠ざけることを報知するように、ガイダンスランプ12bを点灯させる。一方、撮像部100から得られる顔画像の大きさが
図4の破線の大きさと同じ程度の場合には、ガイダンスランプ12a,12bを共に点灯させて、その位置が照合に適した位置であることを報知する。そして、その位置で撮像された顔の画像データを照合処理部102に出力する。尚、上述の例の識別例では、顔画像の特徴量を抽出するような処理は要求せず、顔の輪郭等に基づいて、その大きさが判ればよいが、特徴量の抽出ができるか否かで判断しても良い。
【0031】
また、撮像する顔画像の大きさだけに限られず、撮像した画像の全体の輝度情報より、撮像した画像が極端に暗い場合や明るい場合など照合処理に適さない(顔画像の特徴量を得られない)時にも、ガイダンスランプ12a,12bを点滅させる(例えば、撮像した画像の顔の部分が極端に暗い場合にはガイダンスランプ12aを点滅、明るい場合にはガイダンスランプ12bを点滅させる)などして、撮影環境が顔画像の撮像に適さないことを報知しても良い。この場合、認証対象者は、ガイダンスランプ12a,12bのガイダンスに従って異なる位置に移動して、再度、照合処理を行うこととなる。
【0032】
照合処理部102は、ガイダンス制御部101から顔画像データを受信し、顔画像データから特徴量を抽出する。そして、抽出した認証対象者の特徴量と利用者データ記憶部103に記憶されている利用者の特徴量とを照合する。照合の結果、特徴量が一致して認証対象者が正規の利用者であると認証できる場合には、認証許可を示す認証許可信号を送信部105に出力する。一方、特徴量が一致せず、認証対象者が正規の利用者であると認証できない場合には、ガイダンス制御部101を介してガイダンスランプ12a,12bを点滅させるなどして、認証対象者が正規の利用者であると認証できない旨を報知する。
【0033】
尚、利用者データ記憶部103に記憶されている利用者の特徴量は、一人の利用者の特徴量(例えば、ICカード1の正規利用者)に限られない。例えば、来客などにより一時的に認証サービスが必要な場合など、来客の顔の特徴量を予め記憶させておいても良い。すなわち、ひとつのICカード1に対して一人の特徴量だけでなく、1対多の関係でも良い。
【0034】
送信部105は、照合処理部102から許可信号を受信すると、カードリーダ2のデータ受信部21に認証許可信号を出力する。
【0035】
次に、第1の実施の形態の動作を説明する。
【0036】
図5、
図6は第1の実施の形態における照合からゲート開放までの動作フローチャートである。
【0037】
まず、認証許可を得るためにICカード1の保持者は、起動スイッチ104を押下する(Step 100)。
【0038】
起動スイッチ104が押下されると、照合処理が起動し、ガイダンス制御部101はガイダンスランプ12a,12bをゆっくりとした点滅間隔で点滅させ、認証対象者に撮影を促す(Step 101)。
【0039】
そして、認証対象者がICカード1のレンズ11に顔を向け、撮像が開始されると、ガイダンス制御部101は、撮像部100から得られる顔画像と予め定められた大きさとを比較する(Step 102)。
【0040】
比較の結果(Step 103)、撮像部100から得られる顔画像が予め定められた大きさと同程度ならば、ガイダンスランプ12a,12bを共に点灯させる(Step 104)。そして、その位置で撮像された顔の画像データを照合処理部102に出力する(Step 105)。
【0041】
一方、比較の結果(Step 103)、撮像部100から得られる顔画像が予め定められた大きさよりも小さい場合(Step 106)、ICカード1を認証対象者に近づけることを報知するように、ガイダンスランプ12aを点灯させる(Step 107)。そして、Step 102に戻る。
【0042】
一方、比較の結果、撮像部100から得られる顔画像が予め定められた大きさよりも大きい場合(Step 106)、ICカード1を認証対象者から遠ざけることを報知するように、ガイダンスランプ12bを点灯させる(Step 108)。そして、Step 102に戻る。
【0043】
照合処理部102は、ガイダンス制御部101から顔画像データを受信し、顔画像データから特徴量を抽出する(Step 109)。そして、抽出した認証対象者の特徴量と利用者データ記憶部103に記憶されている利用者の特徴量とを照合する(Step 110)。
【0044】
照合の結果(Step 111)、特徴量が一致して認証対象者が正規の利用者であると認証できる場合には、認証許可を示す認証許可信号を送信部105に出力する(Step 112)。一方、特徴量が一致せず、認証対象者が正規の利用者であると認証できない場合には、ガイダンスランプ12a,12bを点滅させ(Step 113)、そして、Step 102に戻る。
【0045】
送信部105は、照合処理部102から認証許可信号を受信すると、カードリーダ2のデータ受信部21に認証許可信号を出力する(Step 114)。
【0046】
認証許可信号を受信したカードリーダ2のデータ受信部21は、認証許可信号をゲート開閉制御部22に出力する(Step 115)。
【0047】
認証許可信号を受信したゲート開閉制御部22は、ゲート開放信号を開閉ゲート3に送信する(Step 116)。
【0048】
ゲート開放信号を受信した開閉ゲート3は、ゲートを開放する(Step 117)。
【0049】
以上の如く、第1の実施の形態は、照合機能を持ったカードにおいて、照合に必要な画像を撮像できる位置にカードや認証対象者を誘導するガイダンス制御部を備えているので、認証対象者に負担をかけずに、画像照合に必要な画像を撮像することができる。
【0050】
また、照合に必要な画像を撮像できる位置にカードや認証対象者を誘導するガイダンスを行うので、撮像部に光学的に焦点調整やズーム(拡大縮小)する機能が必要なく、カードの厚さを薄く、また、軽量にすることができる。
【0051】
尚、上述した第1の実施の形態では、ガイダンスランプの点灯、点滅によってガイダンスを行ったが、これに限られない。例えば、異なる発光色のガイダンスランプを用意し、色の違いによってガイダンスを行っても良い。また、ガイダンスランプの個数も限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で個数を増減しても良い。
【0052】
更に、ガイダンスの手段として、発光素子に限られず、音声やディプレイなどでも構わない。例えば、
図7に示す如く、ICカード1に表示部14を設け、撮像時に、照合ができる程度の画像(少なくとも特徴量を抽出できる程度の画像)を撮像できる認証対象者の顔位置を定めるテンプレート15を表示部14に表示し、撮像部100により撮像される認証対象者の顔の画像をテンプレート上に重畳表示するようにしても良い。このような構成することにより、認証対象者は、表示部14に表示されたテンプレート15に自分の顔が合うように、ICカード1を動かすことができるので、容易に照合に必要な画像を得ることができる。尚、表示部14は、照合時以外の時には、ICカード1の利用者名等を表示するようにしても良い。
【0053】
更に、
図8に示す如く、ICカード1に鏡のような反射部材16を設け、この反射部材16にテンプレート(例えば、目の位置)のようなもの記載しておいても良い。このような構成によれば、表示部を設けることと同様な効果が得られる。尚、反射部材16は、ICカード1の裏側(例えば、ストラップにより首にかけて携帯する場合、利用者側に向く面)に撮像部100のレンズと共に設けることが好ましい。
【0054】
更に、ICカード1において、顔画像の照合が適正であり、認証が得られたとしても、認証時からカードリーダ2への送信時までがかなり経っている場合等、ICカード1を不正に使用していることも考えられる。例えば、カードリーダ2から離れた場所で、ICカード1の正規の利用者を脅迫して正規の利用者の顔画像で照合させて、ゲート内の施設等に不正に侵入する場合などである。このような場合を考慮し、照合処理部102又は送信部105は、予め定められた時間(例えば、30秒)を経過すると、認証許可信号の送信を中止するようにしても良い。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、認証のログの記録を行う例を説明する。尚、上述した実施の形態と異なる所を中心に説明する。
【0055】
図9は、第2の実施の形態の認証システムの構成図である。
【0056】
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる所は、ログを採取するサーバ4と、ログが記録されるログ記録部5とを設けたところにある。
【0057】
また、第2の実施の形態では、ICカード1は認証許可信号と共に、ICカード1に割り当てられている識別番号及び照合に利用して認証許可を得た認証対象者の顔画像データをカードリーダ2に送信する。
【0058】
カードリーダ2のデータ受信部21では、認証許可信号、ICカード1の識別番号及び認証対象者の顔画像データを受信すると、認証許可信号を開閉制御部22に出力し、ICカード1の識別番号及び認証対象者の顔画像データをサーバ4に出力する。
【0059】
サーバ4では、カードリーダ2からのICカード1の識別番号及び認証対象者の顔画像データを受信し、受信したICカード1の識別番号及び認証対象者の顔画像データを、それらの受信時刻と共に、ログ記録部5にログとして記録する。
【0060】
第2の実施の形態では、照合時のログを記録しているので、後日、入場記録等の確認が必要となった場合でも、ログの記録から照合することができる。特に、ICカード1の識別番号と共に顔画像のデータを記録しているので、入場した人が顔によりすぐに判別することができる。
【0061】
尚、ログに記録するものは、ICカード1の識別番号、認証対象者の顔画像データ及び受信時刻に限られない。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態を説明する。尚、上述した実施の形態と異なる所を中心に説明する。
【0062】
ICカード1において、顔画像の照合が適正であり、認証が得られたとしても、認証時からカードリーダ2への送信時までがかなり経っている場合等、ICカード1を不正に使用していることも考えられる。例えば、カードリーダ2から離れた場所で、ICカード1の正規の利用者を脅迫して正規の利用者の顔画像で照合させて、ゲート内の施設等に不正に侵入する場合などである。
【0063】
上記の事情を考慮し、第3の実施の形態では、顔画像の照合に加えて、照合時刻も認証の対象に含める例を説明する。
【0064】
図10は第3の実施の形態の認証システムの構成図である。
【0065】
第3の実施の形態では、ICカード1の照合処理部102は時刻を計測し、認証が得られた場合には認証時刻と認証許可信号とを、送信部105に送信する。送信部105は、認証時刻と認証許可信号とをカードリーダ2に送信する。
【0066】
カードリーダ2のデータ受信部21は、認証許可信号及び照合時刻を受信すると、認証許可信号及び認証時刻をサーバ4に送信する。
【0067】
サーバ4の認証時刻確認部40では、認証時刻と現在時刻とを比較し、その差が予め定められた範囲内の時間(例えば、30秒)である場合には、認証許可信号をカードリーダ2のゲート開閉制御部22に送信する。
【0068】
認証許可信号を受信したカードリーダ2のゲート開閉制御部22は、ゲート開放信号を開閉ゲート3に送信する。
【0069】
ゲート開放信号を受信した開閉ゲート3は、ゲートを開放する。
【0070】
第3の実施の形態は、顔画像の認証に加えて、認証時刻と現在時刻との比較を行っているので、ゲートから離れたような場所で、ICカードを不正に照合させ、ゲート内の施設等に侵入を試みるような不正行為を防止することができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態を説明する。尚、上述した実施の形態と異なる所を中心に説明する。
【0071】
上述した第1の実施の形態から第3の実施の形態では、顔画像の照合処理をICカード1で行う例を説明した。
【0072】
第4の実施の形態では、ICカード1では顔画像の特徴量だけを抽出し、サーバ4側で照合・認証を行う例を説明する。
【0073】
図11は第4の実施の形態のICカード1のブロック図である。
【0074】
図11に示す如く、ICカード1は、利用者データ記憶部103及び照合処理部102に代えて顔画像データから特徴量を抽出する特徴量抽出部110を備えている。特徴量抽出部110は、顔画像データから抽出した特徴量を送信部105に送信する。送信部105は、特徴量抽出部110から特徴量を受信すると、カードリーダ2のデータ受信部21に特徴量を出力する。
【0075】
図12は第4の実施の形態の認証システムの構成図である。
【0076】
カードリーダ2のデータ受信部21は、特徴量を受信すると、この特徴量をサーバ4に送信する。
【0077】
サーバ4は認証処理部41と利用者データ記憶部42とを有する。
【0078】
認証処理部41は、カードリーダ2のデータ受信部21から特徴量を受信し、この特徴量と利用者データ記憶部42に記憶されている特徴量とを照合する。尚、ICカード1の識別情報と特徴量とを対応させて利用者データ記憶部42記憶しておき、ICカード1の識別情報を、認証対象者の特徴量と共にICカード1から取得するように構成することもできる。この場合、認証処理部41は、受信した識別情報に対応する特徴量を利用者データ記憶部42から取得し、この特徴量と受信した認証対象者の特徴量とを照合すればよいので、処理負担を軽減することができる。
【0079】
認証処理部41は、照合の結果、特徴量が一致して認証対象者が正規の利用者であると認証できる場合には、認証許可を示す認証許可信号を、カードリーダ2のゲート開閉制御部22に送信する。
【0080】
認証許可信号を受信したカードリーダ2のゲート開閉制御部22は、ゲート開放信号を開閉ゲート3に送信する。
【0081】
ゲート開放信号を受信した開閉ゲート3は、ゲートを開放する。
【0082】
第4の実施の形態では、認証処理をサーバで行うようにしたので、ICカード1における処理負担が軽減される。
【0083】
尚、上述した第1から第4の実施の形態においては、利用者が身分を証明する際に用いる携帯性のあるICカードの例を説明したが、カードに限られない。本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、多少厚さのある携帯型の認証装置にも本発明を適用することができる。
【0084】
また、上述した説明からも明らかなように、各部をハードウェアで構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、プログラムメモリに格納されているプログラムで動作するプロセッサによって、上述した各実施の形態と同様の機能、動作を実現させる。また、上述した実施の形態の一部の機能のみをコンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【0085】
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。