特許第5794430号(P5794430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794430
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/08 20060101AFI20150928BHJP
   B29C 51/26 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B29C51/08
   B29C51/26
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-195175(P2012-195175)
(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公開番号】特開2013-99932(P2013-99932A)
(43)【公開日】2013年5月23日
【審査請求日】2014年4月1日
(31)【優先権主張番号】特願2011-231876(P2011-231876)
(32)【優先日】2011年10月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591076109
【氏名又は名称】エヌジーケイ・キルンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(72)【発明者】
【氏名】波多野 惣介
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩治
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−200850(JP,A)
【文献】 米国特許第04432716(US,A)
【文献】 特開平08−258168(JP,A)
【文献】 特開2009−101564(JP,A)
【文献】 特開平11−077815(JP,A)
【文献】 特開平03−207631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/08
B29C 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉において加熱された炭素繊維入り樹脂シートをプレス装置まで搬送する炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置であって、
加熱炉とプレス装置との間を移動する昇降可能なスライダと、
このスライダ上に搭載され、炭素繊維入り樹脂シートの両端部をチャックして張力を加えるシート保持手段とを備え
シート保持手段は複数枚の炭素繊維入り樹脂シートをチャックできるようにスライダ上に複数組設けられ、複数枚の炭素繊維入り樹脂シートを同時にまたは時間差を持たせて加熱炉内に搬入し、加熱された複数枚の樹脂シートを加熱炉内で積層する機能を有するものであることを特徴とする炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置。
【請求項2】
シート保持手段が、炭素繊維入り樹脂シートの両端部を直接チャックするチャック爪と、
これらのチャック爪を外側に変位させる張力付与手段と備えたことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置。
【請求項3】
シート保持手段が、保持枠の内側に配置されたスプリング付きの保持金具と、この保持枠をチャックするチャック爪とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置。
【請求項4】
炭素繊維入り樹脂シートが四角形であり、シート保持手段がその四隅をチャックして張力を加えることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用部品、飛行機用部品等として用いられる炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における自動車や飛行機の軽量化の要請に対応して、金属部品を樹脂製部品に置き換えようとする研究が行われている。特に最近では、炭素繊維による樹脂製品の強化技術が進み、炭素繊維を練り込んだ樹脂シートを自動車のフロアパネルやピラー等に使用する試みがなされている。
【0003】
このような炭素繊維入り樹脂シートは予め加熱炉において加熱軟化させたうえ、プレス装置において所望形状にプレス成形される。しかしこの加熱温度は炭素繊維入り樹脂シートがドローダウンする温度よりも高温であるため、加熱炉からプレス装置へ搬送する途中で炭素繊維入り樹脂シートが変形し易い。このような変形が生ずるとプレス装置への供給位置がずれ易く、成形品に寸法誤差が発生するおそれがある。
【0004】
従来から軟質シートの搬送装置としては、特許文献1に示されるように多数の刺し針を備えたシート保持枠を用いる構造が知られている。しかしこの場合にはシートの周縁部全体に針穴が明くこととなるため、最終的には周縁部分を切り落とさねばならず、材料歩留まりが低下するという問題があった。特に炭素繊維入り樹脂シートは非常に高価であるため、この問題は無視することができない。
【0005】
また、炭素繊維入り樹脂シートにポリイミドフィルム等の保護フィルムを積層し、搬送中の変形を防止する技術も開発されている。しかしこの場合にはプレス成形後に製品からポリイミドフィルムを取り外さねばならず、余分の工程が発生する。またポリイミドフィルムは使い捨てであるから、余分なコストが発生するなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−292362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、加熱炉において加熱軟化させた炭素繊維入り樹脂シートを、位置決め精度よくプレス装置へ搬送することができ、しかも経済性に優れた炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、加熱炉において加熱された炭素繊維入り樹脂シートをプレス装置まで搬送する炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置であって、加熱炉とプレス装置との間を移動する昇降可能なスライダと、このスライダ上に搭載され、炭素繊維入り樹脂シートの両端部をチャックして張力を加えるシート保持手段とを備え、シート保持手段は複数枚の炭素繊維入り樹脂シートをチャックできるようにスライダ上に複数組設けられ、複数枚の炭素繊維入り樹脂シートを同時にまたは時間差を持たせて加熱炉内に搬入して加熱し、加熱された複数枚の樹脂シートを加熱炉内で積層する機能を有するものであることを特徴とするものである。
【0009】
なお請求項2のように、シート保持手段が、炭素繊維入り樹脂シートの両端部を直接チャックするチャック爪と、これらのチャック爪を外側に変位させる張力付与手段と備えた構造を採用することができる。
【0010】
また請求項3のように、シート保持手段が、保持枠の内側に配置されたスプリング付きの保持金具と、この保持枠をチャックするチャック爪とを備えた構造を採用することができる。また請求項4のように、炭素繊維入り樹脂シートが四角形である場合には、シート保持手段がその四隅をチャックして張力を加える構造であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置によれば、シート保持手段によって炭素繊維入り樹脂シートの両端部をチャックして張力を加えながらスライダを移動させ、加熱炉からプレス装置まで搬送する。このため張力を適切に調整すれば、炭素繊維入り樹脂シートを変形させることなく搬送することが可能となり、プレス装置への供給位置決め精度が良好となる。しかも炭素繊維入り樹脂シートの両端部の4点程度をチャックすればよいので、従来のように切り落としを必要とする部分がほとんど発生せず、材料歩留まりが向上する。さらに、炭素繊維入り樹脂シートにポリイミドフィルムを積層する方法に比較して余分の工程や補助材料を必要とせず、経済的である。さらに本発明の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置によれば、複数枚の炭素繊維入り樹脂シートを同時にまたは時間差を持たせて加熱炉内に搬入して加熱し、加熱炉内で積層して厚みの大きいプレス成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の全体側面図であり、シート保持手段が供給位置にある状態を示す。
図2】本発明の実施形態の全体側面図であり、シート保持手段が加熱位置にある状態を示す。
図3】本発明の実施形態の全体側面図であり、シート保持手段がプレス位置にある状態を示す。
図4】シート保持手段の拡大正面図である。
図5】シート保持手段の拡大平面図である。
図6変形例のシート保持手段の拡大正面図である。
図7変形例のシート保持手段の拡大平面図である。
図8】加熱炉の正面図である。
図9】他の加熱炉の正面図である。
図10本発明の実施形態の工程説明図であり、(A)は要部平面図、(B)は正面図である。
図11本発明の実施形態の工程説明図であり、(A)は要部平面図、(B)は正面図である。
図12本発明の実施形態の工程説明図であり、(A)は要部平面図、(B)は正面図である。
図13本発明の実施形態の工程説明図であり、(A)は要部平面図、(B)は正面図である。
図14本発明の実施形態のフローシートである。
図15本発明の実施形態の他のフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を説明する。
図1実施形態の搬送装置の全体図であり、1は固定ベース、2はこの固定ベース1の上方に水平方向にスライド自在に支持されたスライドベースである。スライドベース2は図示を略したリニアガイド等の支持手段により支持されており、シリンダ3によって図1に示す位置から図2に示す位置まで、Aとして示すストローク分だけ移動することができる構造である。なお、固定ベース1とスライドベース2との間にはシリンダ等の昇降装置8が設けられており、スライドベース2を昇降することができる。
【0015】
このスライドベース2の上面には、後述するリニアガイド等の支持手段によってスライダ4が支持されている。スライドベース2はその両端のスプロケット5、5間に張設された無端ベルト6を備えており、スライダ4は連結具7によってこの無端ベルト6に連結されている。このため図示を略したモータによってこの無端ベルト6を走行させることにより、スライダ4はスライドベース2上を移動することができる。その移動可能距離を図1にBとして示した。図1から明らかなように、この実施形態では、供給位置と加熱位置との距離がAであり、加熱位置からプレス位置までの距離がBである。
【0016】
スライダ4の上部には、シート保持手段10が搭載されている。その具体的な構造を以下に説明する。図4図5はシート保持手段10の一例を示すもので、左右一対のスライドベース2の上に、リニアガイド11によってスライダ4が支持されている。このスライダ4は、上記した無端ベルト6によって図4の紙面に対して垂直方向、図5では上下方向に走行するものである。ただし図4図5では無端ベルト6は省略されている。
【0017】
スライダ4上には、左右方向に延びる短いリニアガイド11が設置されており、その上にボックス状のチャックベース12が設けられている。チャックベース12の先端には、下側のチャック爪13が設けられている。またその先端よりもやや内側位置にはピン14によって開閉リンク15が枢着されており、この開閉リンク15の先端には上側のチャック爪16が設けられている。またチャックベース12の内部には開閉用シリンダ17が搖動可能に配置され、そのロッドの先端はピン18により開閉リンク15の中間位置に連結されている。このためは開閉用シリンダ17によって開閉リンク15をピン14を中心として搖動させ、下側のチャック爪13に対して上側のチャック爪16を開閉することができる。
【0018】
上記した構造のシート保持手段10は、図5に示すように左右に2個ずつ、全部で4個が設けられており、図4図5に示すように炭素繊維入り樹脂シートWの両端部をチャックすることができるものである。また、これらのチャックベース12の外側には張力付与手段19である小型シリンダが配置されており、リニアガイド11上でチャックベース12を小距離だけ移動させることができる。このため、図4図5に示すように炭素繊維入り樹脂シートWの両端部をチャックした状態で、張力付与手段19を作動させてチャックベース12を外側にわずかに移動させることによって、炭素繊維入り樹脂シートWに張力を加えることが可能である。
【0019】
図示のように炭素繊維入り樹脂シートWは多くの場合には四角形であるから、シート保持手段10のチャック爪13、16はその四隅をチャックして張力を加えるようにしておくことが好ましい。その張力は炭素繊維入り樹脂シートWの性状や加熱温度に応じて適宜設定し、ドローダウンによる垂れ下がりをなくすことができるが、引き伸ばすことはない程度としておくものとする。なお、炭素繊維入り樹脂シートWは炭素繊維の補強効果により、張力による伸びは比較的小さい。このようにして、炭素繊維入り樹脂シートWに張力を加えた状態でスライダ4を走行させ、搬送することが可能となる。
【0020】
上記した図4図5の例では、シート保持手段10のチャック爪13、16により炭素繊維入り樹脂シートWの端部を直接チャックしたが、図6図7に示す変形例では、シート保持手段10のチャック爪13、16は保持枠20をチャックする。この保持枠20は扁平な金属板からなり、その4つのコーナー部にスプリング21付きの保持金具22が取付けられている。図7に示すように、これらの保持金具22によって炭素繊維入り樹脂シートWの端部をチャックすると、スプリング21によって炭素繊維入り樹脂シートWに所定の張力を付与することができる。このためこの変形例では、スプリング21が張力付与手段19と同様の効果を発揮することとなる。
【0021】
いずれの例においても、炭素繊維入り樹脂シートWの端部の4か所程度をチャックするだけであるから、従来のように多数の針穴が形成されることはなく、材料歩留りを向上させることができる。また、チャック爪13、16や保持金具22に加熱手段を組み込めば、チャックされた部分にもその他の部分と同様の熱履歴を与えることも可能である。
【0022】
次に図1図3を参照しつつ、上記した装置の基本的な動作を説明する。先ず図1に示すように、シート保持手段10が供給位置にあるときに炭素繊維入り樹脂シートWをシート保持手段10に保持させる。図1の状態では昇降装置8は作動しておらず、スライドベース2は低い位置にある。次に昇降装置8によりスライドベース2を上昇させるとともにシリンダ3を作動させ、スライドベース2を図1に示す位置から図2に示す位置まで距離Aだけ移動させる。これによって図2に示すように炭素繊維入り樹脂シートWはシート保持手段10に保持されたまま、加熱炉30の内部に搬送される。図8に示すように加熱炉30は上下のフレーム31、32に赤外線ヒータ33、34を取付けた構造であり、炭素繊維入り樹脂シートWをシート保持手段10に保持させたままこれらの赤外線ヒータ33、34の間に保持し、加熱することができる構造である。
【0023】
所定時間の加熱後、昇降装置8によりスライドベース2を降下させるとともに、スライドベース2の上面のスライダ4を、無端ベルト6によって図3に示す位置まで距離Bだけ移動させる。これによってシート保持手段10は炭素繊維入り樹脂シートWを保持したまま、プレス装置40の直上位置まで移動し、その位置でチャックを開くことによって炭素繊維入り樹脂シートWをプレス装置40に供給する。加熱炉30からプレス装置40まで搬送される間、炭素繊維入り樹脂シートWには張力が加えられているのでドローダウンが発生することはなく、プレス装置40に位置決め精度よく供給することが可能である。このため、成形精度の高いプレス成型が可能となる。その後、無端ベルト6は逆転され、またシリンダ3も逆方向に動作してスライダ4及びシート保持手段10を図1の位置に復帰させる。
【0024】
上記したようにシート保持手段10に保持させたままで炭素繊維入り樹脂シートWを加熱するようにしてもよいが、加熱される前の炭素繊維入り樹脂シートWはドローダウンのおそれがないので、必ずしも張力を加えて保持する必要はない。このため図9に示すように加熱炉30の内部にシート保持具35をシリンダ36によって昇降可能に設けておき、供給位置からこのシート保持具35までの搬送はロボットなどの通常の搬送手段によって行うことも可能である。ただし加熱された後はドローダウンの恐れがあるので、シート保持具35からプレス装置40への搬送は、本発明の張力付与手段を備えたシート保持手段10によって行うものとする。
【0025】
次に図10以下の図面を参照しつつ、本発明の装置の具体的な動作を説明する。以下に示すように、本発明によれば、2枚の炭素繊維入り樹脂シートWを積層したうえでプレスして厚みの大きいプレス成形品を得ることができる。
【0026】
図10に示すように、スライダ4上に複数組のシート保持手段10が設けられている。以下の説明では、シート保持手段10は2枚の炭素繊維入り樹脂シートをチャックできるように2組設けられており、それぞれをチャックAとチャックBと記す。また、チャックAとチャックBに対応する炭素繊維入り樹脂シートWをワークA、ワークBと記す。チャックAとチャックBは炭素繊維入り樹脂シートWの両端部をチャックして張力を加える機能を有するものである。
【0027】
先ず図10に示すように、チャックAとチャックBとによってそれぞれ炭素繊維入り樹脂シートWであるワークAとワークBとをチャックする。この状態でスライドベース2を走行させ、図11に示すように、ワークAとワークBを加熱炉30の内部に移動させ、シート保持具35上に載せる。シート保持具35をワーク架台A、ワーク架台Bと記す。ワークAとワークBをワーク架台A、ワーク架台B上に載せたのち、チャックAとチャックBは加熱炉30の炉内で待機する。
【0028】
一定時間の加熱が行われたら、チャックBを開くとともにワーク架台Bを上昇させ、ワークBをチャックする。そしてチャックBを炉内で移動させ、図12に示すようにワークBをワークAの上に重ねる。次に2枚重ねされたワークAとワークBをチャックAによってチャックし、スライダ4を走行させて図13に示すように、プレス装置40に供給する。プレス装置40は2枚重ねされたワークAとワークBをプレスし、2倍の厚さのプレス成形品を成形する。
【0029】
以上に説明した工程はワークAとワークBを同時の加熱炉40に投入するモードであり、そのフローを図14に示した。しかし図15のフローシートに示すように、ワークAとワークBを時間差を持たせて加熱炉40に投入することもできる。
【0030】
ここで時間差2枚加熱を行う場合には、図15の(1)に示すように、先にワークAをチャックAによって加熱炉30に搬送して一定時間加熱したのち、チャックBによりワークBを加熱炉30に搬送して加熱する。その後、チャックBによりワークBを炉内で搬送してワークAの上に重ね、前記と同様にプレス装置40に供給してプレスし、2倍の厚さのプレス成形品を成形する。また、図15の(2)に示すように、1枚だけを加熱することも勿論可能である。
【0031】
以上に説明したように、本発明の炭素繊維入り樹脂シートの搬送装置によれば、加熱炉30において加熱軟化させた炭素繊維入り樹脂シートWを、加熱炉内で積層したうえ、位置決め精度よくプレス装置40へ搬送することができる。また、炭素繊維入り樹脂シートWの四隅をチャックするだけでよいので材料歩留りがよく、補助材料も不要であるから経済性にも優れるという大きい利点がある。プレス成形された炭素繊維入り樹脂シートWは、軽量かつ高強度であるから、自動車用部品や飛行機用部品として用いられる。
【符号の説明】
【0032】
1 固定ベース
2 スライドベース
3 シリンダ
4 スライダ
5 スプロケット
6 無端ベルト
7 連結具
8 昇降装置
10 シート保持手段
11 リニアガイド
12 チャックベース
13 下側のチャック爪
14 ピン
15 開閉リンク
16 上側のチャック爪
17 開閉用シリンダ
18 ピン
19 張力付与手段
20 保持枠
21 スプリング
22 保持金具
30 加熱炉
31 フレーム
32 フレーム
33 赤外線ヒータ
34 赤外線ヒータ
35 シート保持具
36 シリンダ
40 プレス装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図14
図15
図10
図11
図12
図13