特許第5794438号(P5794438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5794438金属−セラミック基板の包装並びにそのような基板の包装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794438
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】金属−セラミック基板の包装並びにそのような基板の包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20150928BHJP
   B65D 81/20 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B65D85/38 R
   B65D81/20 C
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-503000(P2013-503000)
(86)(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公表番号】特表2013-523547(P2013-523547A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】DE2011000354
(87)【国際公開番号】WO2011124205
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2012年11月20日
(31)【優先権主張番号】102010018668.6
(32)【優先日】2010年4月28日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010014138.0
(32)【優先日】2010年4月7日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506417832
【氏名又は名称】ロジャース ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ブロイティガム,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】エルンストベルガー,エリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイガー,ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ−ハーダー,ユルゲン
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−152576(JP,A)
【文献】 特表2007−505798(JP,A)
【文献】 特開平11−198938(JP,A)
【文献】 特開平04−152107(JP,A)
【文献】 特開昭59−152167(JP,A)
【文献】 特開平10−256689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/86
B65D 75/00 −77/40
B65D 81/20
H01L 21/673
H05K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、セラミック層と、前記セラミック層の少なくとも1つの表面側に形成されている複数の個別のメタライゼーション(5.1)と、前記メタライゼーションの間を通る規定破断線(6)とから成る金属−セラミック基板(3、3a)のための包装であって、
前記包装は平坦な材料の熱成形によって製造される少なくとも一つのトレー(1,1a)を備え、前記少なくとも一つのトレー(1,1a)は、前記金属−セラミック基板(3、3a)の形状に合わせられた前記金属−セラミック基板(3、3a)のための少なくとも1つの収納部(7、7a)を備え、前記収納部(7、7a)は複数の前記金属−セラミック基板(3、3a)が互いに積み重ねられる深さがあり、前記収納部(7、7a)の内部空間は、底面(8)と、周辺側については周縁部(9)と、前記トレー(1,1a)全体を覆う少なくとも一つのカバー(21)とによって囲まれており、
前記カバー(21)は真空気密に封印され、前記少なくとも1つのトレイ(1、1a)を覆う前記カバー(21)の内部空間にバキューム圧が加えられ、前記周縁部(9)に作用する、周辺圧力から生じる力(F)によって積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)を周辺側で締め付けることにより、積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)が前記収納部(7、7a)に固定され、
前記カバー(21)は溶接可能なプラスチックフィルムであり、
前記収納部(7、7a)には、周辺側にコーナー凹部(17)、及び、積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)用の接触面を形成する突起部(19,20)が設けられており、
前記収納部(7、7a)の周辺側を囲む前記周縁部(9)は複数の周縁領域(9.1−9.4)から構成され、かつ、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)が互いにつながっていて、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)は前記トレイ(1、1a)の底面側が塞がれていない逆U字型プロファイルの形状をしており、すなわち、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)は前記周縁部(9)の外側面を形成する第1の壁部分(11)と、前記収納部(7、7a)の周辺を囲む第2の壁部分(13)と、前記第1及び第2の壁部分を接続している第3の壁部分(14)とを備えており
前記周縁部(9)が、5〜45mmの幅を有している、ことを特徴とする包装。
【請求項2】
前記トレイ(1、1a)の前記周縁部(9)の外側に、突出部(15)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の包装。
【請求項3】
前記トレイ(1、1a)の外部寸法が236単位又は208単位であり、及び/又は積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)の収納に用いる前記収納部(7、7a)の前記内部空間の寸法が178又は179単位もしくは127又は128単位であり、1単位は1mmであることを特徴とする、請求項1〜2のうちいずれか一項に記載の包装。
【請求項4】
前記トレイ(1、1a)及び積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)の収納に用いる前記収納部(7、7a)の部分空間が長方形に形成されており、前記トレイ(1、1a)の長辺側の前記周縁部(9)の有効幅は、前記トレイ(1、1a)の短辺の外部寸法の19%〜20%であり、前記トレイ(1、1a)の短辺側の前記周縁部(9)の有効幅は、前記トレイ(1、1a)の前記長辺の外部寸法の12%〜13%であることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の包装。
【請求項5】
前記周縁部(9)の前記第1の壁部分(11)から突き出している、周辺を囲むエッジ部分又はエッジ領域を形成する脚(12)と、前記周辺を囲むエッジ部分の前記トレイ(1、1a)のコーナーが、1.5mm〜40mmの範囲の半径で丸みを付けられていること、を特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の包装。
【請求項6】
前記トレイ(1a)が、前記金属−セラミック基板(3a)の少なくとも2つの前記収納部(7a)を有し、前記収納部(7a)は、少なくとも1つの列に配置されており、前記少なくとも1つの列の少なくとも2つの前記収納部(7a)は、共通の溝によってトレイ上面に形成されており、前記溝は、少なくとも2つの前記収納部(7a)の間の移行部(28)に、縮小された幅及び/又は深さを有していることを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の包装。
【請求項7】
包装(2)の中に積み重ねられた金属−セラミック基板(3、3a)を包装するための方法であって、前記方法は、
平坦な材料の熱成形によって製造され、前記金属−セラミック基板(3、3a)の形状に合わせられ、底側を底面(8)によって周辺側を周縁部(9)によって囲まれた少なくとも1つの収納部(7、7a)を備えるトレイ(1、1a)を準備すること、
前記金属−セラミック基板(3、3a)を前記収納部(7、7a)の中に積み重ねて収納すること、
積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)の入った少なくとも1つの前記トレイ(1、1a)を、袋又はホース型のカバー(21)の中に収納すること、
前記カバー(21)を真空気密に封印し、前記カバー(21)の内部空間にバキューム圧を加え、前記周縁部(9)に作用する、周辺圧力から生じる力(F)によって積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)を周辺側で締め付けることにより、積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)を前記収納部(7、7a)に固定すること、から構成され、
前記収納部(7、7a)は複数の前記金属−セラミック基板(3、3a)が互いに積み重ねられる深さがあり、
前記カバー(21)は溶接可能なプラスチックフィルムであり、
前記収納部(7、7a)には、周辺側にコーナー凹部(17)、及び、積み重ねられた前記金属−セラミック基板(3、3a)用の接触面を形成する突起部(19,20)が設けられており、
前記収納部(7、7a)の周辺側を囲む前記周縁部(9)は複数の周縁領域(9.1−9.4)から構成され、かつ、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)が互いにつながっていて、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)は前記トレイ(1、1a)の底面側が塞がれていない逆U字型プロファイルの形状をしており、すなわち、前記複数の周縁領域(9.1−9.4)は前記周縁部(9)の外側面を形成する第1の壁部分(11)と、前記収納部(7、7a)の周辺を囲む第2の壁部分(13)と、前記第1及び第2の壁部分を接続している第3の壁部分(14)とを備えており、
前記周縁部(9)が、5〜45mmの幅を有している、を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前提部分に基づく包装並びに請求項8の前提部分に基づく方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば金属層又は金属板(銅板又は銅箔など)を互いに、及び/又はセラミックもしくはセラミック層と接合する、いわゆる「DCB処理」(直接銅接合技術)が知られており、特に金属又は銅板もしくは金属又は銅箔が用いられ、金属又は銅板もしくは金属又は銅箔の表面は金属と反応ガス、好ましくは酸素との間の化学結合から成る層又はコーティングを有している。例えば文献1又は文献2に開示されているこの方法では、この層又はコーティング(ホットメルト層)が、金属(例えば、銅)の融点よりも低い融点をもつ結晶を形成するため、セラミック上に箔を置いて層全体を加熱することによって、特に主としてホットメルト層又は酸化物層の領域においてのみ金属又は銅が溶融することによって、この層を互いに接合することができる。
【0003】
次に、このDCB処理は、例えば以下の処理工程を有する。
−均質な酸化銅層が生じるように銅箔を酸化する。
−セラミック層上へ銅箔を配置する。
−約1025〜1083℃、例えば約1071℃の処理温度にまで複合体を加熱する。
−室温まで冷却する。
【0004】
金属−セラミック基板、特に大型の金属−セラミック基板又は多面取りプリントパネルとして製造された金属−セラミック基板は、電子回路又はモジュールのプリント回路基板として知られている。これらの金属−セラミック基板は、例えば、セラミック層又は比較的大型のセラミック基板から成り、この比較的大型のセラミック基板は、少なくとも1つの表面が、例えばDCB処理(DCB接合)を用いて、銅箔などの形でメタライゼーションが行われている。複数のメタライゼーションは、例えば同じ種類の個別メタライゼーションから形成されている。これらの個別メタライゼーションの間には、例えば長方形又は正方形のセラミック層の中に規定破断線が設けられており、この金属−セラミック基板は、好ましくは電気コンポーネントに取り付けた後に、これらの規定破断線で破断することによって個別の基板もしくは個別の回路又はモジュールに分離することができる。これらの規定破断線により、大型の金属−セラミック基板の個別基板への分離を簡略化することができるが、特に運搬中に、金属−セラミック基板の好ましくない破損が比較的容易に生じる。
【0005】
大型の金属−セラミック基板又は多面取りプリントパネルとして製造された金属−セラミック基板とは、本発明の意味において、例えば、178mm×127mmのフォーマットを有し、少なくとも片方のセラミック層の表面、好ましくはセラミック層の両面に複数の個別メタライゼーションを有し、それらの個別メタライゼーションの間には、セラミック層の中に規定破断線が通されているため、これらの規定破断線に沿って破断することで、それぞれの構成部品もしくは回路又はモジュールのプリント回路基板を形成する個別基板に分離することができるような、金属−セラミック基板を意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US−PS3744120
【特許文献2】DE−PS2319854
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、大型の多面取りプリントパネルとして製造された金属−セラミック基板のより安全な輸送と保管とを可能にする包装を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、請求項1による包装が形成される。金属−セラミック基板の包装方法は、請求項8の対象である。
【0009】
本発明の発展形態では、包装が、例えば次のように形成される。
トレイの周縁部が、トレイの底面側が塞がれていない、周囲を囲むU字型プロファイルとして形成されている、及び/又は、
少なくとも1つの金属−セラミック基板を収納するために形成されている、金属−セラミック基板の形状に合わせられた少なくとも1つの収納部がコーナーの凹部を有している、及び/又は、
少なくとも1つのホルダを周辺側で境界している壁に、収納部内に突き出している突出部が形成されており、これらの突出部は少なくとも1つの金属−セラミック基板の接触面を形成し、この基板を格納するために用いる収納部の部分空間を規定している、及び/又は、
少なくとも1つの収納部を周辺側で境界している壁の少なくとも1つの部分範囲、例えば突出部が、少なくとも1つの収納部の底面に対して傾斜しており、包装が閉じられていない場合、この部分範囲の壁が90°よりも多少大きい角度、例えば90°〜95°の範囲の角度を成している、
及び/又は、
トレイが一体形成で平坦な材料、好ましくは平坦なプラスチック材料、例えば平坦な熱可塑性樹脂材料の熱成形によって製造されている、及び/又は、
トレイの材料、好ましくは熱成形に使用する材料が、0.3〜4mmの範囲の材料厚み、好ましくは1mmの材料厚みを有している、及び/又は、
包装が閉じられている場合、少なくとも1つの収納部に少なくとも1つの金属−セラミック基板を入れたトレイが真空気密に閉じられ、真空引きされた外装の中に格納されており、特に好ましくは、周縁部に加わる外部の周辺気圧又は大気圧によって生じる力が、少なくとも1つの金属−セラミック基板を周辺側で締め付けることによって収納部に固定する、及び/又は、
好ましくは溶接可能な平坦な材料、例えば溶接可能なフィルムから成る袋又はホースによって外装又はカバーが形成されている、及び/又は、
封印されたカバー又は外装の内部空間に、特に好ましくは周辺圧力又は大気圧よりも低い圧力で、保護ガス、好ましくは窒素が充填されている、及び/又は、
外装又はカバーを形成するフィルムに、湿気及び/又は酸素に対する拡散バリアが取り付けられている、
この場合、上述した包装の特徴は、それぞれ個別に、及び任意の組合せで使用することができるであろう。
【0010】
本発明の発展形態、利点及び適用方法は、以下の実施例及び図の説明にも示されている。この場合、説明されている特徴及び/又は図で示されている特徴は全て、請求項又はそれらの参照請求項の要約とは無関係に、それ自体又は任意の組合せについても基本的に本発明の対象である。また、請求項の内容は、本明細書の構成要素になる。
【0011】
以下に、本発明を実施例の図に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に基づく包装のトレイを上から見た斜視図である。
図2図1のトレイの上面図である。
図3図2のA−A線に沿って切断した場合の、図1のトレイの断面図である。
図4図1のトレイの側面図又は正面図である。
図5】トレイスタックの側面図である。
図6】多面取り金属−セラミック基板を上から見た簡略図である。
図7図1〜6に示された包装の収納部のコーナー部分を、簡略化して拡大した部分断面である。
図8】本発明に基づく包装のもう1つの実施形態のトレイを上から見た斜視図である。
図9図8のトレイの上面図である。
図10図9のA−A線に沿って切断した場合の、図8のトレイの断面図である。
図11図8のトレイの側面図又は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図の中で通常1で示されているトレイ(外装又は包装キャリア)は、包装2、特に多面取りプリントパネルとして製造される多数の大型金属−セラミック基板3の輸送及び保管用包装の主な構成部品である。図6に示されているように、これらのプリントパネルは、当業者には周知の方法で、それぞれ、主として大型のセラミック基板又は大型のセラミック層4から成り、層の上面及び下面には銅層の形で、例えばDCB接合によって複数のメタライゼーション5が行われている。複数のメタライゼーション5はそれぞれ多数の構造化部分5.1を形成し、特に、各構造化部分5.1の上側に同じ大きさの構造化部分の下側が直接向かい合っている形になっている。構造化部分5.1の上側は、それぞれプリント基板及び/又は接触面などを形成し、構造化部分5.1の下側は、例えばそれぞれ、これ以上構造化されない金属面として実施されている。構造化部分5.1の間には、セラミック層4の中に規定破断線6が例えばレーザー処理などによって設けられており、この金属−セラミック基板3は、好ましくは個別の構造化部分5.1を電気コンポーネントに取り付けた後で、これらの規定破断線で破断することによって個別の基板もしくは個別の回路又はモジュールに分離することができる。しかし、これらの規定破断線6により、大型の金属−セラミック基板3は非常に壊れやすくなっている。次に詳しく説明する包装2の構造は、この状態を特に考慮している。
【0014】
トレイ1は、熱可塑性の平坦な材料又は熱可塑性樹脂フィルムからなり、約0.3〜4mm、好ましくは約1mmの材料厚さを備え、熱成形によって製造されており、特に、トレイ1は収納開口部又は収納部7を形成しており、この収納部によってトレイ1の上面は塞がれていないが、その他の面は底面8及び周縁部9によって閉じられている。トレイ1を製造するための材料としては、例えば、PETなどが適している。収納部7は、上から見て長方形の金属−セラミック基板3の形に合わせられており、収納部7の深さは、この中に、例えば全部で15〜20の複数の金属−セラミック基板3が積み重ねられるスペースができるように決定されている。さらに、収納部7の形状は、金属−セラミック基板3が収納部7の中にほとんど遊びなく収納され、包装2が開かれている場合に、金属−セラミック基板3を収納部7に簡単に収納できるように、またこの収納開口部から簡単に取り出せるように決定されている。
【0015】
底面8は、突起のような多数の突出部10で形成されており、これらの突出部は、トレイ1を形成する平坦な材料から形成され、底面8の平面から収納部7の中に突き出している。突出部10は大部分が縦長であり、トレイ1の周辺側に対して軸方向に斜めに向けられており、これらの突出部10により、底面の安定性が向上し、それによってトレイ1全体の安定性も向上する。さらに、突出部10は、一番下の、すなわち、底面8に隣接して収納部7に収納されている金属−セラミック基板3の接触面も形成している。
【0016】
周縁部9は、互いに直角に接続されて移行している4つのエッジ部分又は周縁領域9.1〜9.4を形成し、特に、互いに向かい合う、上から見て長方形のトレイ1の長辺を形成している両方の周縁領域9.1及び9.2と、互いに向かい合う、上から見て長方形のトレイ1の短辺を形成している両方の周縁領域9.3及び9.4とを形成していると説明できる。全周縁領域9.1〜9.4は、それぞれ、トレイ1の底面側が塞がれていない、周辺を囲むU字型プロファイルの形で実施されており、特に、外部の脚部又はプロファイル部分11を備え、この脚部又はプロファイル部分はトレイ1の周辺外面を形成しており、その下方の塞がれていない端部で脚12に移行し、この脚はプロファイル部分11から直角に外部へ突き出て、周辺を囲むエッジ部分として実施されており、特に、脚12の平面は底面8の平面に対して平行であるが、底面8の平面よりも下方にあり、この平面から間隔を開けて実施されている。従って、周辺を囲む脚12から形成されているエッジ部分は、トレイ1を平坦な地面に置くことのできる面となっている。
【0017】
さらに、周縁部9は、周辺を取り囲みながら、収納部7を側面又は周辺側で境界し、底面8に移行している内部脚又は壁部分13と、壁部分11、13をヨークのような形で連結している上部の壁部分14とを有し、この壁部分14は、底面8の平面から離れた平面に、底面8の平面に対して平行に、周辺を囲むように形成されており、収納部7の塞がれていない上面を取り囲む開口部エッジ面を形成している。
【0018】
図示されている実施形態では、周縁領域9.1〜9.4に、それぞれ平坦に又はほぼ平坦に形成されている壁部分11に、この壁部分から形成され、壁部分11の外面から突き出ている突出部15が設けられており、これらの突出部15は、上面図では壁部分11の上に、又は図示されている実施形態の該当する周縁領域9.1〜9.4の側面図ではそれぞれ長方形に実施されており、特に、それぞれの突出部15の長手側は該当する周縁領域9.1〜9.4の長辺に対して平行であり、上部の壁部分14からも、脚12を有する壁部分11の下部エッジからも離されている。図示されている実施形態では、各周縁領域9.1〜9.4にはそのような突出部15が2つ形成されており、特に、少なくともそれぞれの周縁領域9.1〜9.4に同じように実施されているこれらの突出部15は、それらの上部の長手縁部15.1と下部の長手縁部15.2とがそれぞれ同一面に配置されており、さらに各周縁領域9.1〜9.4の両方の突出部15は互いに離されており、2つの互いに隣接する周縁領域間の移行部を形成している各コーナー16からも離されている。上縁部15.1は壁部分11の平面に対してそれぞれ垂直に伸び、それによって底面8の平面に対して平行であり、上部の壁部分14の平面に対して平行である。壁部分14の平面から上縁部15.1までの距離は、底面8から脚12の平面までの距離よりも小さい。各突出部15の下縁部15.2は、壁部分11の平面に対して斜めに伸び、壁部分11の垂直線と鋭角αを有し、この鋭角αは、トレイ1の外面に向かって開き、図示されている実施形態では約30°である。
【0019】
内部の壁部分13は、複数の凹部と、これらの凹部の間で収納部7の中に突き出している突出部とを形成し、特に、4つのコーナー凹部17のそれぞれが2つの周縁領域9.1〜9.4間のコーナー又は移行部分にあり、それぞれ1つの凹部18が周縁領域9.1及び9.2の中央にあり、周縁領域9.1及び9.2のそれぞれ2つの突出部19は中央の凹部18によって互いに離されており、これらの突出部19にはそれぞれ1つのコーナー凹部17が続いており、各周縁領域9.3及び9.4では、その部分のコーナー凹部17の間に中央の突出部20が設けられている。1つのコーナー凹部17には、拡張部17.1が取り付けられており、特に湿気を吸収するエレメントを収納するために用いられる。
【0020】
少なくともコーナー凹部17、又はこれらのコーナー凹部の中で境界を成している面部分及び突出部19及び20の正面の面部分では、トレイ1の内部の壁部分13が僅かに円錐形に形成されており、すなわち、内部の壁部分13はそこで底面8の平面と角度βを有し、この角度βは、収納部7の内部に向かって開き、90°よりも多少大きく、例えば90°〜95°の範囲にあり、図示されている実施形態では約92°になっている。突出部19及び20の正面の面領域は、収納部7に積み重ねて格納される金属−セラミック基板3用の接触面を形成し、すなわち、周縁領域9.1及び9.2の互いに向かい合っている突出部19の距離は、金属−セラミック基板3の幅Bと同じか、又は幅Bよりも僅かに大きい。周縁領域9.3及び9.4の互いに向かい合っている突出部20の距離は、金属−セラミック基板の長さLと同じか、又は長さLよりも僅かに大きい。突出部19と20との間の空間は、従って金属−セラミック基板3を収納するために特定されている収納部7の部分空間である。
【0021】
突起部19及び20により、又はそれらの正面の面領域により、包装を閉じていない状態でも、より確実に、とりわけ滑り落ちがほとんどないように金属−セラミック基板3を収納部7の中に配置することが保証される。さらに、コーナー凹部17により、金属−セラミック基板3の特に壊れやすい角部分を、例えば運送中の衝突などによる力の作用から保護することができる。
【0022】
図が示しているように、凹部18は特に深く実施されており、すなわち、外部の壁部分11からこれらの凹部の内面までの距離は、周縁領域9.1及び9.2の外部の壁部分11からコーナー凹部17の内面までの該当する距離よりも小さいため、凹部18が深く形成されていることで、金属−セラミック基板3を収納部7に入れる際、及び収納部7から取り出す際に、金属−セラミック基板3を手で及び/又は機械で保持することが容易になる。上部の壁部分14のコーナー凹部17及び中央の凹部18は、それぞれが底面8まで伸び、周縁領域9.1〜9.4又は壁部分11、13、14は説明したような形成になっているが、周縁部9は一貫して連続しており、すなわち、周縁部は中断又は開口部なしに底面8と一体形成で製造されている。
【0023】
特に、図1及び2に示されているように、突出部19の範囲における周縁領域9.1及び9.2の上部の壁部分14は、突出部20の範囲における周縁領域9.3及び9.4の上部の壁部分14よりも幅広く形成されている。図示されている実施形態では、互いに向かい合う突出物19は、約127又は128単位の距離を有し、互いに向かい合う突出部20は約178又は179単位の距離を有し、互いに向かい合う両方の凹部18の底面は約170単位の距離を有し、特にトレイ1の外部寸法は、周縁領域9.1及び9.2が236単位であり、周縁領域9.3及び9.4が208単位である(それぞれ周辺を囲む脚12のオープン側のエッジで測定)(単位は1mm)。突出部19の範囲における周縁領域9.1及び9.2の幅は、周辺領域9.3及び9.4のトレイ1の外部寸法の19〜20%である。突出部20の範囲における周縁領域9.3及び9.4の幅は、周辺領域9.1及び9.2のトレイ1の外部寸法の12〜13%である。
【0024】
さらに、包装2の構成部品はホース又は袋型のカバー21であり、このカバーは、トレイ1及び収納部7に配置されている金属−セラミック基板3を完全に覆い、図3に符号21で示されている。このカバー21は、溶接可能なフィルム、好ましくはプラスチックフィルムから成る。このフィルムは、もっとも簡単なケースでは単層で形成されるが、多層で、少なくとも追加のバリア層又は金属コーティングを施した多層によって形成するのが好ましい。包装された状態では、収納部7に配置されている金属−セラミック基板3を完全に覆っているカバー21と共に、トレイ1が真空引きされ、真空気密に封印されているため、カバー21は、収納部7に収納されている最上部の金属−セラミック基板3の上面に対する周辺圧力の圧縮によって収納部7の塞がれていない面上を通る部分21.1だけを密着しているのではなく、図3の矢印Fによって示されているように、周辺圧力は、トレイ1の周縁部9及び特にプロファイル部分11とその部分の突出部15にも圧縮力を加える。
【0025】
これによって、周縁領域9.1〜9.4、及びこの場合は特に、突出部19及び20も内側へ動くため、収納部7内において金属−セラミック基板3をそれらの周辺で追加的に固定することができる。突出部15及びそれらの構造により、及び特に下方が塞がれていないU字型プロファイルとしての周縁部9の構造により、周辺圧力によって生じる力Fが、特に、それぞれの角度βを縮小する意味で、突出部19及び20の正面を収納部7の中へ旋回させ、これによって、金属−セラミック基板3をとりわけ効果的に収納部の中に固定することができる。
【0026】
金属−セラミック基板3をこのように固定するためには、収納部7がコーナー凹部17を備えていることが極めて重要であり、それによって一方では、これらのコーナー凹部でより狭くなっている周縁部9の構造により、収納部7にそれぞれの金属−セラミック基板3を固定する変形が周縁部9において可能になり、金属−セラミック基板3の壊れやすい角が外部の力の影響から保護される。上述した突出部15の上下縁部15.1及び15.2の構造により、力Fは上縁部15.1の範囲に集中して作用するため、力Fが作用するとこれらの突出部が変形する。
【0027】
包装2による金属−セラミック基板3の包装は、例えば、金属−セラミック基板3の必要数を収納部7に入れた後、金属−セラミック基板3の入ったトレイ1をカバー21の中に収納することによって行われる。それに続いて、金属−セラミック基板3の入ったトレイ1とカバー21とからなる包装物を真空引きできるチャンバに取り付け、次に通常の圧力又は周辺圧力(通常の大気圧)の60%〜90%、好ましくは通常又は周辺圧力の約70%の圧力で真空引きし、このバキューム圧においてカバー21を溶接によって真空気密に封印する。
【0028】
本方法の好ましい実施形態では、真空気密にカバー21を封印する前に、このカバーの内部空間が、特にメタライゼーション5の酸化を防止する洗浄ガス又は保護ガス、例えば窒素によって洗浄され、それに続いてバキューム圧でカバー21を真空気密に封印する。この方法の場合、それぞれ金属−セラミック基板3の入ったトレイ1と、最初はまだ塞がれていない、トレイ1を完全に収納しているカバー21とから成る包装物を真空引きできるチャンバに取り付け、次にこの包装物を第1の真空引き行程において通常の圧力又は周辺圧力の60%〜99%、好ましくは約70%で真空引きし、引き続き洗浄ガス又は保護ガス、例えば窒素によって洗浄し、次に通常圧力の70%で再度真空引きし、このバキューム圧においてカバー21を溶接によって真空気密に封印する。
【0029】
底面の突出部10は、上述したように、底面8の強化及び収納部7の一番下に入れられた金属−セラミック基板3の接触面として用いられるばかりでなく、この一番下の金属−セラミック基板3と底面8の内面との間に流路を形成し、この流路により、一番下の金属−セラミック基板3と底面8との間の部分をも真空引き及び/又は洗浄することが可能となり、この流路は、同時に、場合により湿気を含んだ空気及び/又は湿気を含んだ保護ガスのための「ベンチレーション」として、拡張部17.1に収納されている、包装では一般的な湿気除去手段(乾燥剤など)へとこの湿気を送り出すためにも用いられる。
【0030】
好ましくは、閉じられている包装又は封印されているカバーの真空状態が、金属−セラミック基板3の特に壊れやすい角部分、及びここでは特に底面8から最も離れている一番上の金属−セラミック基板3の壊れやすい角部分において、図7の符号21.2で示されている経過部をカバー21が有するように設定され、この経過部は、カバー21を形成するフィルムが、一番上の部分セラミック基板3のエッジ又は角部分から出発して、コーナーの凹部17をまたいで周縁部9又はこの周縁部の上面を形成する壁部分14の方に伸びている、すなわち、図7の点線21.3で示されているように、カバーがコーナーの凹部17の中に入り込んでいるのではなく、経過部21.2の部分では、底面8からカバーまでの距離が、金属−セラミック基板3から出発して周縁部の方へ行くに従って常に増加することによって特徴づけられている。この経過部21.2によって、上部から作用する圧縮力が、金属−セラミック基板3のそれぞれの角又は角部分に作用するのを防止する。
【0031】
周縁部9は、そのU字型プロファイルと、特に突出部15、19、20の相互作用とによって、「衝撃吸収部分」を形成し、この衝撃吸収部分は、例えば運送、保管及び/又は出荷中に、封印された包装2にショックが生じた場合に、収納部7の中に格納されている金属−セラミック基板3を損傷するような力がこの基板に加えられることを防止する。
【0032】
特に、真空引きして封印した後、例えばそれぞれの包装2を輸送又は出荷する間、カバー21又はこのカバーを形成するフィルムの損傷を防ぐために、下方のエッジ部分を形成する脚12がコーナー16部分の12.1において、特に1.5mm〜40mmの範囲の曲率半径で丸みを付けられ、最大曲率半径Rmaxは、脚12が外部の壁部分11の外面から突き出している幅bに左右される。従って、最大曲率半径Rmaxには数式1が該当する。
【0033】
【数1】
【0034】
同様に、真空引きして封印した後にカバー21が損傷するのを防ぐため、脚12又はこの脚によって形成されているエッジ部分の稜にバリ取りが行われるか、又は僅かに丸みをつけて形成されるか、又はフランジが付けられる。
【0035】
周縁部9によって形成されている衝撃吸収部分の効果を保証するため、周縁部9の厚み、すなわち壁部分11の外面と収納部7を周辺側で境界している収納部の内面との間を、特にトレイ1又は包装2をできる限りコンパクトな構造にする場合は別として、5mm〜45mmとする。
【0036】
すでに述べたように、それぞれの包装2は、少なくとも1つの金属−セラミック基板3の入ったトレイ1と、真空引きして真空密閉されたカバー21とから成ることに基づいている。しかし、基本的に、図5に従って、それぞれに金属−セラミック基板3を取り付けた複数のトレイ1を、共通の、真空引きして真空密閉したカバー21の中に積み重ねた状態にすることも可能であり、周辺圧力から生じる力Fによって、より下方のトレイ1に収納されている金属−セラミック基板3も、特に上述した方法で周縁領域9.1〜9.4が内側へ変形することにより、その収納部7の中に固定される。これらのトレイ1は、隣接する2つのトレイの上方のトレイが、周辺を囲む脚12によって形成されているエッジ部分で、その下にあるトレイの突出部15の上面15.1と接触するように配置されている。
【0037】
図8〜11は、その他の実施形態としてトレイ1aを示し、これは包装2のためのトレイ1に代わって、特に、例えば長方形に実施されている金属−セラミック基板3a用に使用することができ、この基板3aは基本的に基板3に相当するが、基板3に比べ明らかに小型の外部寸法を有している。トレイ1aは、例えば熱可塑性の平坦な材料などの適切な平坦材料、又は熱可塑性樹脂フィルムからなり、約0.3〜4mm、好ましくは約1mmの材料厚さを備え、熱成形によって一体形成で製造されており、特にスタック状に配置された複数の金属−セラミック基板3aを収納するために複数の収納部7aを有している点で、まずトレイ1とは異なっている。トレイ1aの外周はトレイ1と同様に形成されており、特に、断面がU型の周縁部又はこの周縁部9を形成する、互いに移行し合う周縁部分又は周縁領域9.1〜9.4を備えている。さらに、トレイ1aは、壁部分11と、丸みを付けたコーナー部分12.1とを備える脚12及び突出部15の構造に関してもトレイ1に対応している。
【0038】
平坦な材料から熱形成で製造される収納部7aは、図8〜11に示されている実施形態の場合、周縁領域9.1及び9.2によって形成されている、上から見て長方形のトレイ1aの長辺に対して平行に3つ配置されており、特に各列にそれぞれ3つの収納部7aを備えている。特に、収納部7aは、トレイ1aの上面、及び従って特にU字型の周縁部9の上部の壁部分14も形成している材料から形成され、収納部7aの外側の2つの列は、トレイ1aの上面でそれぞれトレイ部分22によって中央の収納部7aの列から切り離されるか、又は離されており、トレイ部分22の上面は壁部分14と同一平面にあり、トレイ1aのトレイ部分22の範囲は、同様に、トレイの下側が塞がれていないU字型プロファイルとして実施されている。
【0039】
両方のトレイ部分22は、溝23によって中断され、この溝は、周縁領域9.3に対して平行に伸び、特に、図示されている実施形態では、この周縁領域に隣接する収納部7aと、各列においてそれぞれ次に続く収納部7aとの間に位置している。収納部7aの外側の列の1つと中央の列との間には、拡張部23.1を備える溝23が形成されており、この拡張部は湿気を吸収するエレメント、例えば包装では一般的な乾燥剤などを格納するために設けられている。
【0040】
収納部7aを境界する底面24、収納部7aを周辺側で境界する壁部分25、ガター型の溝23の底面26及びこれらの溝を側面で境界する壁部分27は、互いに、トレイ1aの上面又はそのトレイ部分22にも、また壁部分14にも中断することなく移行しているため、収納部7a及び溝23は、これらの一部を形成する、構造化された、トレイ上面だけに形成されるが、それ以外では密閉された溝構造を形成する。
【0041】
詳細には、トレイ1aを形成する平坦な材料は、各列の収納部7aが周縁領域9.1及び9.2に対して平行に伸びる共通の溝の一部であるように形成され、この溝は、各列の中で順番に続き、互いに離されている収納部7aの間の部分28において、軸方向にトレイ上面に対して平行かつ周縁領域9.1及び9.2に対して垂直に、縮小された幅を有し、収納部7aのトレイ下面又は底面24の平面に対して垂直に、縮小された深さを有している。
【0042】
図示されている実施形態の場合、各収納部7aは金属−セラミック基板3aのスタックを収納するために用いられ、これらの基板はそれぞれの収納部に直立状態で、すなわち、それらの表面側が底面24の平面又はトレイ下面の平面に対して垂直に格納されている。金属−セラミック基板3を収納部7aから取り出しやすくするため、各列の外側の収納部7aには、周縁領域9.3又は9.4に隣接する端部に、丸型の拡張部29が設けられている。
【0043】
図8〜11に示された実施形態では、個々の収納部7aが、上から見てトレイ1a上に、及びトレイ長手方向又は周縁領域9.1及び9.2の方向に、約44〜45単位の長さを有し、トレイ横方向又は周縁領域9.3及び9.4の方向に約33〜35単位の幅を有している。1つの列で隣り合う2つの収納部7aの間の間隔は、約65単位であり、収納部7aの隣り合う2つの列の間隔は約66単位である。移行部分28及び丸型の凹部29が軸方向にトレイ上面に対して平行、並びに周縁領域9.1及び9.2に対して垂直に有している幅は約20単位であり、1単位は1mmであるのが好ましい。
【0044】
外部寸法に関して、トレイ1aはトレイ1に対応しているため、トレイ1の代わりにトレイ1aを既存の生産ライン又は生産設備に使用することが可能であるだけでなく、特に、トレイ1をトレイ1aと重ねて使用すること、例えば包装2にトレイ1aをトレイ1と重ねて使用することも可能である。
【0045】
少なくとも1つのトレイ1aを有する包装の構成部品は、袋又はホース型のフィルム21によって形成されるカバーであり、このカバーは、特に、トレイ1及びカバー21からなる包装2について、前述したのと同じ方法で、セラミック基板3aが収納されたトレイ1aをカバーに収めた後で、少なくとも真空引きして真空気密に封印される。通常の大気圧に比べて低減されたカバー21内の内圧によって、金属−セラミック基板3aは収納部7aの中に固定され、特に、トレイ上面で金属−セラミック基板3aに接触するカバー21によって、並びにとりわけ周縁部9及び特に周縁領域9.1及び9.2の上に周辺圧力によって加えられる力が金属−セラミック基板3aを収納部7a内に固定するある程度の締め付け作用を発生し、特にトレイ1aが僅かに変形することによって固定される。
【0046】
トレイ1aを有する包装では、同様に、図5に従って、金属−セラミック基板3aを収納した、そのような種類の複数のトレイを互いに積み重ねてカバー21の中に格納することもできる。
【0047】
上述したように、実施例を用いて本発明を説明した。もちろん、本発明に基づく発明の発想から逸脱することなく、多数の変形例及び変更例が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1、1aトレイ
2包装
3、3a金属−セラミック基板
4セラミック層
5メタライゼーション
5.1個別のメタライゼーション
6規定破断線
7、7aトレイ1の収納部
8底面
9周縁部
9.1〜9.4周縁領域
10底面の突出部
11プロファイル部分又は壁部分
12脚
12.1丸みを付けられたコーナー
13、14壁部分
15突出部
15.1上縁部
15.2下縁部
16コーナー
17コーナーの凹部
17.1拡張部
18凹部
19、20突出部
21袋又はホース型フィルム
21.1部分
21.2、21.3フィルム21の経過部
22トレイ部分
23ガター型溝
23.1ガター型溝23の拡張部
24収納部7aの底面
25収納部7aの周辺側の壁部分
26溝23の底面
27溝23の周辺側の壁部分
282つの収納部7aの間の移行部分
29切欠き

b脚12の幅
L長方形の金属−セラミック基板3の長さ
B長方形の金属−セラミック基板の幅
F周辺圧力による外部の力の作用
α、β 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11