【実施例】
【0037】
次に、本発明の積層フィルム100に係る実施例と、比較例とについて説明する。なお、これら実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
外層110およびシール層160を構成する樹脂として、ポリプロピレン(住友化学株式会社製、品名:ノーブレンFL8115)を準備した。第1接着層120および第2接着層150を構成する樹脂として、接着性ポリプロピレン系樹脂(三井化学株式会社製、品名:アドマーQB550)を準備した。ナイロン層130を構成する樹脂として、ナイロン(宇部興産株式会社製、品名:宇部ナイロン1030B2)を準備した。バリア層140を構成する樹脂として、脂肪族ポリアミド樹脂(三菱ガス化学株式会社製、品番:ナイロンMXD6)を準備した。
【0039】
シール層160のポリプロピレンと、第2接着層150の接着性ポリプロピレン系樹脂と、バリア層140の脂肪族ポリアミド樹脂と、ナイロン層130のナイロンと、第1接着層120の接着性ポリプロピレン系樹脂と、外層110のポリプロピレンとをこの順で共押出しし、積層フィルム100を作製した。得られた積層フィルム100の厚さは、0.11mmであった。また、積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さは6であり、外層110の厚さは30であった。
【0040】
<吸水率の測定>
まず、積層フィルム100を50mm×50mmの大きさで切り出して試験片を作製し、試験片の重量の測定を行った。次に、試験片を110℃の熱水に30分間浸漬させ(熱水浸漬)、その後熱水から試験片を取り出した。そして、熱水浸漬終了直後に、試験片の重量の測定を行った。さらに、熱水浸漬終了から、23℃、65%RHの条件下で24時間経過後に、試験片の重量の測定を行った。
【0041】
熱水浸漬前の試験片の重量に係る測定値と、熱水浸漬終了直後の試験片の重量に係る測定値とを用いて、下記の式により、熱水浸漬終了直後の吸水率を算出した。
熱水浸漬終了直後の吸水率(wt%)={(熱水浸漬終了直後の試験片の重量)−(熱水浸漬前の試験片の重量)}/(熱水浸漬前の試験片の重量)×100
【0042】
また、熱水浸漬前の試験片の重量に係る測定値と、熱水浸漬終了から24時間後の試験片の重量に係る測定値とを用いて、下記の式により、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率を算出した。
熱水浸漬終了から24時間後の吸水率(wt%)={(熱水浸漬終了から24時間後の試験片の重量)−(熱水浸漬前の試験片の重量)}/(熱水浸漬前の試験片の重量)×100
【0043】
上記の測定を行った結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は3.2wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.3wt%であった(下記表1参照)。
【0044】
(実施例2)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム100を得た。積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを9とし、外層110の厚さを30とした。
【0045】
この積層フィルム100について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0046】
その結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は2.9wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.1wt%であった(下記表1参照)。
【0047】
(実施例3)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム100を得た。積層フィルム100の厚さを、0.15mmとした。積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを9とし、外層110の厚さを30とした。
【0048】
この積層フィルム100について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0049】
その結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は3.2wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.7wt%であった(下記表1参照)。
【0050】
(実施例4)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム100を得た。積層フィルム100の厚さを、0.18mmとした。積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを9とし、外層110の厚さを30とした。
【0051】
この積層フィルム100について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0052】
その結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は3.2wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.8wt%であった(下記表1参照)。
【0053】
(実施例5)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム100を得た。積層フィルム100の厚さを、0.15mmとした。積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを9とし、外層110の厚さを20とした。
【0054】
この積層フィルム100について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0055】
その結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は3.0wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.5wt%であった(下記表1参照)。
【0056】
(実施例6)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム100を得た。積層フィルム100の厚さを、0.15mmとした。積層フィルム100の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを9とし、外層110の厚さを10とした。
【0057】
この積層フィルム100について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0058】
その結果、本実施例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は3.0wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は2.3wt%であった(下記表1参照)。
【0059】
(比較例1)
下記以外については実施例1と同様にして、積層フィルム500を得た。
図3に示されるように、バリア層140と第2接着層150との間にナイロン層170をさらに設けた。このナイロン層170を構成する樹脂として、ナイロン(宇部興産株式会社製、品名:宇部ナイロン1030B2)を準備した。バリア層140を構成する樹脂として、EVOH樹脂(株式会社クラレ製、品番:J171B)を準備した。積層フィルム500の厚さを、0.11mmとした。積層フィルム500の厚さを100としたとき、バリア層140の厚さを6とし、外層110の厚さを30とした。
【0060】
この積層フィルム500について、実施例1と同様にして、吸水率の測定を行った。
【0061】
その結果、本比較例に係る熱水浸漬終了直後の吸水率は4.5wt%であり、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率は3.4wt%であった(下記表1参照)。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1〜6に係る積層フィルム100は、比較例1の積層フィルム500と比べて、熱水浸漬終了直後の吸水率、熱水浸漬終了から24時間後の吸水率のいずれの値も低かった。