(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した支持金具は、例えば捨てコンクリート等の地面に設置されるが、精密に水平な地面を形成するのは極めて困難であり、どうしても傾きや凹凸が生じてしまう。そして、凹凸や傾きを有する地面に支持金具を設置すると、当該支持金具に支持された型枠の高さにバラツキが生じてしまい、型枠の高さ調整に手間取るという問題があった。また、上述した基礎断熱工法は手間がかかり、作業効率が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、一体べた基礎コンクリート打設工法を容易にできる型枠保持金具、および当該型枠保持金具を用いた一体べた基礎コンクリート打設工法の提供を目的とする。
【0009】
本発明は、側面に断熱材が設けられた基礎梁の打設を容易に行うことができる一体べた基礎コンクリート打設工法の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の
請求項1に記載の型枠保持金具は、一体べた基礎コンクリートを打設する際に使用される型枠保持金具であって、内側型枠を支持する型枠受け部材と、前記型枠受け部材を支持する連結部材と、前記連結部材を所定高さに支持する脚部材と、を備え、前記型枠受け部材は、水平方向に延びる長尺状の底板と、前記底板から上方に起立すると共に前記底板に対して平行に延びる長尺状の側板と、を備え、前記底板は、前記内側型枠の下面を支持し、前記側板は、前記内側型枠の屋内側表面の下端部を支持し、前記連結部材は底盤補強筋に連結され、前記底盤補強筋はコンクリートが流し込まれる底盤部分に配筋された横鉄筋であ
り、前記連結部材は、前記型枠受け部材を支持する支持部と、前記底盤補強筋に固定される第1固定手段と、前記支持部と前記第1固定手段とを連結する第1連結部と、支持部材と、前記支持部材と前記第1固定手段とを連結する第2連結部と、を備え、前記支持部材には前記底盤補強筋に固定される第2固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の
請求項2に記載の型枠保持金具は、前記脚部材は、前記支持部に固定された上脚部材と、前記上脚部材に螺着された下脚部材と、を有し、前記下脚部材は前記支持部材の貫通孔に挿通保持されることを特徴とする。
【0015】
本発明
の請求項3に記載の型枠保持金具は、前記型枠受け部材は前記連結部材に固定され、前記型枠受け部材の前記側板は、前記内側型枠の屋内側表面の下端部を横幅方向全体にわたって支持し、前記型枠受け部材の前記底板は、前記型枠受け部材の下面を幅方向全体にわたって支持することを特徴とする。
【0016】
本発明の
請求項4に記載の型枠保持金具は、
一体べた基礎コンクリートを打設する際に使用される型枠保持金具であって、内側型枠を支持する型枠受け部材と、前記型枠受け部材を支持する連結部材と、前記連結部材を所定高さに支持する脚部材と、を備え、前記型枠受け部材は、水平方向に延びる長尺状の底板と、前記底板から上方に起立すると共に前記底板に対して平行に延びる長尺状の側板と、を備え、前記底板は、前記内側型枠の下面を支持し、前記側板は、前記内側型枠の屋内側表面の下端部を支持し、前記連結部材は、長尺薄板状の連結部を有し、前記連結部の長手方向一端側は略コの字形型に屈曲されて係止部を構成し、前記連結部の長手方向他端側には前記型枠受け部材を支持するための支持部が設けられ、前記連結部は前記係止部が外側型枠の外面周縁部に形成された補強リブに係止されて前記外側型枠に連結され、前記連結部材の前記支持部は、底面支持部材と、前記底面支持部材から延出する側面支持部材と、を有し、前記型枠受け部材は、前記型枠受け部材の前記底板及び前記側板が前記底面支持部材の上面及び前記側面支持部材の側面にそれぞれ当接されて位置決めされ、固定手段によって前記支持部に固定されることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の型枠保持金具は、一体べた基礎コンクリートを打設する際に使用される型枠保持金具であって、内側型枠を支持する型枠受け部材と、前記型枠受け部材を支持する連結部材と、前記連結部材を所定高さに支持する脚部材と、を備え、前記型枠受け部材は、水平方向に延びる長尺状の底板と、前記底板から上方に起立すると共に前記底板に対して平行に延びる長尺状の側板と、を備え、前記底板は、前記内側型枠の下面を支持し、前記側板は、前記内側型枠の屋内側表面の下端部を支持し、前記連結部材は底盤補強筋に連結され、前記底盤補強筋はコンクリートが流し込まれる底盤部分に配筋された横鉄筋であり、前記連結部材は支持部を有し、前記支持部は、底面支持部材と、前記底面支持部材から延出する側面支持部材と、を有し、前記型枠受け部材は、前記型枠受け部材の前記底板及び前記側板が前記底面支持部材の上面及び前記側面支持部材の側面にそれぞれ当接されて位置決めされ、固定手段によって前記支持部に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の型枠保持金具によれば、長尺板の側板により内側型枠の屋内側表面の下端部を支持するので、外側型枠と内側型枠との間にコンクリートを流し込んだ際に、内側型枠が屋内側に膨らむのを防止できる。また、型枠受け部材では、側板は底板から上方に起立するように設けられているので、底板が側板の補強リブとして機能し、内側型枠の屋内側への膨らみをより効果的に防止できる。従って、内側型枠として鋼製型枠だけでなく断熱型枠をも用いることができ、内側型枠として断熱型枠を用いた場合であっても、流し込まれたコンクリートの圧力によって断熱型枠が破損するのを防止できる。また、内側型枠として断熱型枠を用いれば、表面に断熱材が設けられた一体べた基礎コンクリートを得ることができ、内側型枠の取り外しにかかる手間を省略できる。更に、内側型枠として鋼製型枠を用いるか断熱型枠を用いるかに係わらず、外側型枠と内側型枠との距離は一定でよいので、同一の型枠保持金具を共通に用いることができる。更に、連結部材は、
外側型枠に連結されるので、外側型枠と内側型枠の間にコンクリートを流し込んだ際に、流し込まれたコンクリートの圧力によって型枠保持具全体が建物の屋内側へ位置ずれするのを防止できる。
【0021】
本発明の型枠保持金具によれば、型枠受け部材の側板は、内側型枠の屋内側表面の下端部を横幅方向に沿って支持するので、内側型枠が屋内側へ膨らむのを効果的に防止できる。
【0022】
本発明の型枠保持金具によれば、底板から上方に起立する他の側板を備え、他の側板と側板との間隔は、内側型枠の厚みに対応するので、内側型枠の下端部を他の側板と側板との間に挿入させるだけで、型枠保持金具に内側型枠を容易に設置できる。
【0023】
本発明の型枠保持金具によれば、連結部材は、底盤補強筋に固定される第1固定手段を備えるので、型枠保持金具は底盤補強筋に固定的に連結される。したがって、外側型枠と内側型枠の間に流し込まれたコンクリートの圧力によって型枠保持具全体が建物の屋内側へ位置ずれするのを効果的に防止できると共に、例えば外側型枠の種類や形状等による制約を受けることなく型枠保持金具を設置することができる。
【0024】
また、連結部材は支持部材を更に備え、この支持部材には底盤補強筋に固定される第2固定手段が設けられているので、型枠保持金具は複数箇所において底盤補強筋に固定されることとなり、これによりコンクリートの圧力によって型枠保持具全体が建物の屋内側へ位置ずれするのを更に効果的に防止できる。
【0025】
本発明の型枠保持金具によれば、連結部材の一端側が外側型枠に係止され、型枠受け部材は、連結部材の他端側にて内側型枠を支持するので、連結部材の長さにより外側型枠と内側型枠との距離が規定されることになり、外側型枠に対する内側型枠の位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【0026】
本発明の型枠保持金具によれば、脚部材が高さ調整自在に構成されているので、型枠保持金具が設置される捨てコンクリート等の地面に傾きや凹凸があっても、型枠保持金具の高さを調節することができ、これに保持される内側型枠の高さを容易に調整できる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る型枠保持金具及びこれを用いた一体べた基礎コンクリート打設工法について説明する。
図1〜
図3を参照して、図示の型枠保持金具1は、例えばステンレス製であって、一端側が外側型枠91に係止される連結部材2と、連結部材2を所定高さに支持する脚部材3と、連結部材2の他端側にて内側型枠92の下端部を支持する型枠受け部材4と、を備える。
【0033】
より具体的に、連結部材2は、長尺薄板状の連結部21を有し、連結部21の長手方向一端側は平面視略コの字型に屈曲されて係止部21aを構成している。また、連結部21の一端部から外側型枠91の厚みに相当する位置には縦方向にミシン目状の分離部21bが形成されている。連結部21の長手方向他端側には、型枠受け部材4を支持するための支持部22が設けられている。この支持部22は側面視横向きT字形状を有し、連結部21の上縁に連結されて水平方向に延びる略矩形平板状の底面支持部材22aと、底面支持部材22aの側縁から上下方向に延出する略矩形平板状の側面支持部材22bと、を有する。
【0034】
脚部材3は、下端部にネジ孔(図示せず)が形成された棒状の上脚部材(
図1の例では角ナット)31と、上端部に雄ねじ部32aが形成された棒状の下脚部材32と、を有し、下脚部材32は雄ねじ部32aが上脚部材31のネジ孔に螺入されて上脚部材31と連結されている。上脚部材31は、連結部材2の他端部(より厳密には、連結部21の側面、底面支持部材22aの下面、及び側面支持部材22bの側面)に対して強固に固定され、下脚部材32の下端部にはベース部33が設けられている。ベース部33は下脚部材32よりも大径に形成され、脚部材3の直立姿勢を安定的に支持する。かかる構成において、下脚部材32を一方向に回すと脚部材3の長さが短くなり、下脚部材32を逆方向に回すと脚部材3の長さが伸び、これによって連結部材2の高さを無段階で調整できるようにされている。
【0035】
型枠受け部材4は、長尺状の底板41と、底板41の両側縁から上方に起立すると共に底板41と平行に延びる長尺状の側板42,43と、を備える。底板41及び側板42,43は、一枚の薄板を折り曲げて一体に形成されている。側板42,43間の間隔は内側型枠92の厚みに対応しており、底板41及び側板42,43により囲まれた空間に内側型枠92の下端部が挿入されて支持される。即ち、底板41、側板42、及び側板43が、内側型枠92の下面、屋内側表面の下端部、及び屋外側表面の下端部に対し、内側型枠92の横幅方向全体に亘って当接して支持する。底板41は側板42,43よりも幾分長く形成され、底板41の先端部は側板42,43の先端よりも長さ方向に延出する延出部41aを構成している。
【0036】
型枠受け部材4は連結部材2とは独立した部材として構成されており、後述する基礎コンクリート打設時に、連結部材2の支持部22に固定されて連結される。より具体的には、型枠受け部材4の底板41及び側板42が、連結部材2の底面支持部材22aの上面及び側面支持部材22bの側面にそれぞれ当接されて位置決めされ、側板42がリベット等の固定手段5によって支持部22に固定される。このように型枠受け部材4が連結部材2に固定されると、型枠受け部材4は連結部材2に対して垂直且つ水平方向に延出する。なお、側板42を支持部22に固定すると共に/或いは側板42を支持部22に固定するのに代えて、底板41を支持部22に固定させてもよい。
【0037】
このように構成された型枠保持金具1を用いた一体べた基礎コンクリートの打設は次のように行われる。
図3〜
図5を参照して、予め打設された捨てコンクリート93上に、外側型枠91を金物或いはコンクリート釘等で固定し、連結部材2の係止部21aを外側型枠91の外面周縁部に形成された補強リブ91aに係止させると共に、脚部材3のベース部33を捨てコンクリート93上に載置する。連結部21の先端部位を隣接する外側型枠91,91の間に挟むようにして、残りの外側型枠91及び連結部材2を同様に設置していく。なお、この段階では、型枠受け部材4は連結部材2に固定されていない。
【0038】
次に、連結部材2の支持部22に型枠受け部材4を載置し、型枠受け部材4の側板42と側面支持部材22bとを固定手段5で固定する(
図6参照)。残りの連結部材2にも同様に型枠受け部材4を固定していく。型枠受け部材4の延出部41aは、隣接する型枠受け部材4の底板41に重ね合わせ、固定手段(図示せず)を用いて固定し連結させる。2つの型枠受け部材4が直角に交わる角部については、延出部41a同士を直角に重ね合わせて連結すればよい。
【0039】
このように複数の型枠受け部4が連結されることで型枠保持金具1の安定性を向上させることができる。また、このように型枠受け部材4同士を連結させると、側板42同士が長さ方向に連続するので、後述するように型枠受け部材4に装着された内側型枠92の屋内側表面の下端部を、側板42により横幅方向全体に亘って支持することができる。また、必要に応じて脚部材3の長さを調整することにより、連結された複数の型枠保持金具1の高さを均一にできる。
【0040】
ここで、型枠受け部材4の側板42の長さ寸法としては、外側型枠91の横幅寸法(
図6におけるX軸方向長さ)の少なくとも1.5倍であるのが好ましい。このように、側板42の長さを外側型枠91の横幅寸法の少なくとも1.5倍とすることで、
図6に示すように、型枠受け部材4を隣接する2つの連結部材2の間に掛け渡すようにして、型枠受け部材4を複数箇所(
図6の例では2箇所)で支持することができるので、型枠受け部材4を更に安定的に支持することができる。ここで、側板42の長さは、必ずしも外側型枠91の横幅寸法の1.5倍以上である必要はないが、側板42(型枠受け部4全体の長さ)が短すぎると安定性及び作業効率の点からは好ましくない。一方、側板42を長くすると通りが出しやすく、安定性及び作業効率を向上でき、例えば外側型枠91の横幅寸法の3倍とすると、型枠受け部材4を3箇所(3つの連結部材2)により支持することができ、型枠受け部材4がより安定すると共に、型枠受け部4同士の連結箇所が少なくなり、作業効率が向上する。
【0041】
次に、
図7に示すように、型枠受け部材4の底板41と側板42,43で囲まれた空間に内側型枠92の下端部を挿入して設置し、外側型枠91の上端(天端)の高さ位置と内側型枠92の上端(天端)の高さ位置とを合わせる。これにより、内側型枠92は捨てコンクリート93の上方位置にて外側型枠91に対して所定距離を開けて対向する。ここで、本実施形態においては、外側型枠91として鋼製型枠を用い、内側型枠92として押出発泡ポリスチレン製等の断熱材から成る断熱型枠を用いる。
【0042】
その後、鋼材94(
図3)を用いて外側型枠91同士を連結させ、外側型枠91の上端と内側型枠92の上端とを上部連結金物96を用いて連結させると共に、内側型枠92同士を連結させるための鋼材95を上部連結金物96に支持させる。鋼材94,95及び上部連結金物96を用いた型枠の連結は公知であるので詳細は省略する。
【0043】
このようにして型枠の設置が完了したら、
図9に示す様に、屋内スペースSを挟んで対向する上部連結金物96,96同士を、頭繋ぎ金具6を用いて連結させる。この頭繋ぎ金具6は、
図10に示す様に、断面略矩形状を有する長尺状に形成された鋼材であって、複数(
図10の例では5個)の貫通孔6aが長手方向に配列されて形成されている。貫通孔6aの間隔Lは一定であり、外側型枠91の横幅寸法に合わせて設定される。例えば外側型枠91の横幅寸法が910mmの場合、貫通孔6aの間隔Lを外側型枠91の横幅寸法の1/4の寸法、即ち227.5mmとすることにより、多様な形状の基礎に対応できる。
【0044】
このように構成された頭繋ぎ金具6を用いた上部連結金物96,96同士の連結は、次の様に行われる。即ち、
図9に示す様に、頭繋ぎ金具6の一端部を一方の上部連結金物96上に載置し、頭繋ぎ金具6の貫通孔6aと上部連結金物96の貫通孔96aとに挿通させたボルト7にナット8を螺着させ、これにより頭繋ぎ金具6と上部連結金物96とを連結させる。頭繋ぎ金具6の他端部についても同様に他方の上部連結金物96と連結させ、これにより屋内スペースSを挟んで対向する上部連結金物96,96同士が頭繋ぎ金具6により連結される。このような頭繋ぎ金具6を用いた上部連結金物96,96同士の連結は、
図11に示す様に、横方向及び縦方向のそれぞれについて複数箇所について行うのが好ましい。このように頭繋ぎ金具6を用いて上部連結金物96,96同士を連結させることで、外側型枠91及び内側型枠92の位置合わせを良好且つ容易に行うことができ、作業性を向上できる。
【0045】
次に、外側型枠91と内側型枠92の間にコンクリートを流し込む。このとき、流し込まれたコンクリートの圧力によって内側型枠92は屋内側に膨らもうとするが、内側型枠92の下端部は幅方向全体に亘って型枠保持金具4の側板42に当接すると共に、側板42は連結部材2を介して外側型枠91により支持されているで、内側型枠92の屋内側への膨みが抑制される。また、外側型枠91の上端部は屋外側に膨らもうとするが、屋内スペースを挟んで対向する外側型枠91,91は、上部連結金物96,96及び頭繋ぎ金具6により連結されているので、外側型枠91の屋外側への膨みが抑制される。更に、頭繋ぎ金具6と上部連結金物96とがボルト7とナット8を用いて強固に連結されるため、内側型枠92として鋼製型枠よりも比重の軽い断熱型枠を使用した場合であっても、コンクリートの圧力によって内側型枠(断熱型枠)92が上方に浮き上がるのを防止できる。
【0046】
その後、底盤部分にコンクリートを流し込み、必要に応じて断熱材100を型枠保持金具1の側板42(
図1)に当接させるようにして底盤部分のコンクリート上に設置する。コンクリートが固化したら、頭繋ぎ金具6、上部連結金物96、鋼材94,95、及び外側型枠91を取り外し、コンクリートの外側に突出した連結部材2の先端部位を分離部21bから切り離して排除する。一方、型枠保持金具1の残部は、一部がコンクリートに埋め込まれたまま残される。内側型枠92は、打設されたコンクリートと一体化し、コンクリート固化後は断熱材として機能する。このように断熱型枠を内側型枠92として用いることにより、従来行われていた鋼製型枠の内側に断熱材を配置する工程や、コンクリート固化後に内側型枠を取り外す工程が不要となり、従来の工法と比較して作業効率を向上できる。また、内側型枠92の屋内側表面は、その下端部が横幅方向に沿って側板42により連続的に支持されるので、内側型枠92として鋼製型枠よりも強度の弱い断熱型枠を用いた場合であっても、コンクリートを打設した際に断熱型枠が屋内側に膨らんで破損するのを防止できる。なお、流し込まれたコンクリートの圧力に耐えられるよう、断熱型枠は基礎梁高さに応じて充分な厚みを有する必要がある。例えば、基礎梁の高さ(底盤の上表面から基礎梁の上端までの距離、換言すると、基礎梁と底盤の段差)が400mmの場合、断熱型枠は75mm以上の厚さを有するのが好ましく、更に高い基礎梁を打設する場合には、更に厚い断熱型枠を用いるのが好ましい。
【0047】
また、底盤部分のコンクリート上に設置された断熱材100は、当該コンクリートと隙間なく一体化する。これにより、基礎梁の側面に設けられた断熱材(内側型枠92)と底盤の外周部に設けられた断熱材100とが、全体として側面視略L字状に配置されることになり、低炭素建築物の認定基準に合致した断熱基礎を容易に施工できる。即ち、本実施形態によれば、断熱材を内側型枠92として用いることにより、コンクリート固化後に内側型枠92を取り外す必要がないため、コンクリート固化前であっても、断熱材100と内側型枠92としての断熱材とを近接させて配置することができる。また、コンクリート固化前に断熱材100を配置することにより、底盤部分のコンクリートと断熱材100とを一体化することができ、従来のように接着材を用いて断熱材と底盤とを接着させる必要がなく、施工効率を向上できる。また、底盤部分のコンクリートが固化した後に接着剤を用いて接着させる従来の工法においては、コンクリートの不陸により断熱材を隙間なくこれに密着させることができなかったが、本実施形態によれば断熱材100とコンクリートとを隙間なく一体化させることができる。
【0048】
上述したように、本実施形態における型枠保持金具1によれば、内側型枠92が屋内側へ膨らむのを確実に防止できるので、内側型枠92として断熱型枠を用いた場合であっても、この断熱型枠の破損を防止できる。また、内側型枠92として断熱型枠を用いれば、コンクリートと断熱材とを容易に一体化でき、コンクリートの打設を効率的に行うことができる。更に、脚部材3の下脚部材32を回すだけで型枠保持金具1の高さを容易に無段階調整できるので、捨てコンクリート93の表面に凹凸や傾きが生じていても、型枠保持金具1に支持される内側型枠92の高さを容易に揃えることができる。また、型枠保持金具1の型枠受け部材4に内側型枠92の下端部を挿入させるだけで内側型枠92を型枠保持金具1にセットできるので、作業効率を上げることができる。
【0049】
なお、上記説明では、内側型枠92として断熱型枠を用いたが、断熱型枠に代えて鋼製型枠或いは木製型枠を用いることもできる。この場合には、コンクリートが固化した後に、内側型枠92も取り外せばよい。このように内側型枠92として鋼製型枠を用いた場合であっても、型枠保持金具1の高さを調整することで内側型枠92の高さ調整を容易にでき、また型枠保持金具1の型枠受け部材4に内側型枠92を挿入させるだけで内側型枠92を型枠保持金具1にセットできるので、作業効率を上げることができると共に、内側型枠92が屋内側に膨らむのを確実に防止することができる。
【0050】
更に、型枠の間に断熱材を設置してコンクリートを打設する従来の工法では、断熱材の厚み分だけ外側型枠91と内側型枠92の間隔を広く開ける必要があるが、本実施形態に係る型枠保持金具1を用いれば、断熱材そのものを内側型枠92として用いることができるため、基礎梁に断熱材を設けるか否か(即ち、内側型枠92として断熱型枠を用いるか或いは鋼製型枠を用いるか)に係わらず、外側型枠91と内側型枠92との間隔を一定にでき、従って共通の型枠保持金具1を用いることができる。
【0051】
ここで、上記実施形態においては、頭繋ぎ金具6を用いて上部連結金物96,96同士のみを連結させたが、頭繋ぎ金具6の中途部を、屋内スペースSに設置された内部基礎梁用の型枠97,97を保持する上部連結金物98に対して同様に連結させてもよい(
図9参照)。このように頭繋ぎ金具6を上部連結金物98に連結させると、型枠97,97のぐらつきを防止して、これを安定させることができる。更に、頭繋ぎ金具6の中途部に目印部材9を固定させてもよい(
図9参照)。この目印部材9は、ボルト9aと、ボルト9aの下端部が螺入された長ナット部材9bと、長ナット部材9bの下端部を支持するベース部材9cから構成されている。ボルト9aの上部は、頭繋ぎ金具6の貫通孔6aに挿通されて、一対のナット8,8を用いて頭繋ぎ金具6に固定される。ベース部材9cの底面から長ナット部材9bまでの高さTは、底盤の厚みに対応する所定高さに設定されている。
【0052】
このように、頭繋ぎ金具6の中途部に目印部材9を連結させることで、長ナット部材9bの上端面が、底盤部分にコンクリートを流し込む際の目印となり、所定厚さを有する底盤を容易に打設することができる。なお、目印部材9の長ナット部材9b及びベース部材9cはコンクリートに埋め込まれ、コンクリート固化後は、長ナット部材9bからボルト9aを分離して取り除くことができる。
【0053】
また、
図9に示す例では、単一の頭繋ぎ金具6を用いて上部連結金物96,96同士を連結させたが。
図12及び
図13に示す様に、複数個の頭繋ぎ金具6を長手方向に連結させて使用することもできる。なお、
図12及び
図13は、一対の上部連結金物片98a,98aから構成された上部連結金物98を用いた場合を示している。このように複数個の頭繋ぎ金具6を連結させて使用する場合には、頭繋ぎ金具6の厚さ分だけ頭繋ぎ金具6の高さ位置にばらつきが生じるため、上側に位置する頭繋ぎ金具6と上部連結金物96との間にスペーサ(図示せず)を介在させて、当該上側に位置する頭繋ぎ金具6を水平に保つようにしてもよい。
【0054】
[第2実施形態]
図14を参照して、本発明の第2実施形態に係る型枠保持金具1Aについて説明する。型枠保持金具1Aは、上記型枠保持金具1と略同一の構成を有するが、連結部材2及び型枠受け部材4に代えて、当接片22cが設けられた連結部材2Aと、側板43を有しない型枠受け部材4Aと、を備える点で異なる。当接片22cは、底面支持部材22aから上方に起立し、側面支持部材22bと対面するように設けられている。型枠受け部材4Aを連結部材2Aの底面支持部材22aに載置すると、底板41の側縁41bが当接片22cに当接する。また、型枠受け部材4Aが連結部材2Aに固定された状態において、内側型枠92を型枠受け部材4Aに設置すると、内側型枠92の屋外側表面の下端部は、当接片22cに当接することになる。このような構成によっても、上述した実施形態における型枠保持金具1と同様の効果を得ることができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、
図15〜
図19を参照して、本発明の第3実施形態に係る型枠保持金具1Bについて説明する。上述した第1及び第2実施形態に係る型枠保持金具1,1Aと実質同一の部材については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。ここで、第1及び第2実施形態に係る型枠保持金具1,1Aは外側型枠91に係止されて連結されたが、本実施形態に係る型枠保持金具1Bは、外側型枠91に代えて、底盤補強筋Rに連結されて固定される点で異なる。なお、「底盤補強筋」とは、底盤のコンクリートを補強するために、コンクリートが流し込まれる底盤部分に予め配筋された横鉄筋を意味する。
【0056】
より具体的に、
図15を参照して、型枠保持金具1Bは、底盤補強筋Rに固定される連結部材2Bと、連結部材2Bを所定高さに支持する脚部材3Bと、連結部材2Bにより支持される型枠受け部材4と、を備え、連結部材2Bは第1連結部材23と第2連結部材26とを有する。なお、本実施形態においては、発明の理解を容易にするため、屋外側を前方とし、屋内側を後方として説明する。
【0057】
図16をも参照して、第1連結部材23は、支持部22Bと、第1固定部24と、支持部22Bと第1固定部24とを連結する第1連結部25とを有する。支持部22Bは、型枠受け部材4を支持するものであって、水平方向に延びると共に貫通孔H1が形成された略矩形平板状の底面支持部材22eと、底面支持部材22eの後端部両側から上方に起立する一対の略矩形平板状の側面支持部材22f,22fとを有する。
【0058】
第1連結部25は、底面支持部材22eに連続して設けられ、底面支持部材22eの後端中間部位から後方に向かって下り傾斜するように形成されている。また、第1連結部25の後端部は水平方向へ屈曲されて第1固定部24を構成している。
【0059】
第1固定部24には、前後方向を長手方向とする一対の長孔24a,24aが、左右方向に間隔を開けて形成されている。また、第1固定部24には、その後端中央部位から後方へ延出する延出部24Aが設けられている。延出部24Aの左右方向中央部位は水平方向に延びる一方、その左右両端部は斜め下方へ屈曲されている。
【0060】
図17をも参照して、第2連結部材26は、支持部材27と、第2固定部28と、支持部材27と第2固定部28とを連結する第2連結部29とを有する。支持部材27は、上支持部材270と、上支持部材270の下方位置において上支持部材270と対向するように設けられた下支持部材271と、上支持部材270と下支持部材271とを接続する板状の接続部272とを有する。上支持部材270は、貫通孔H2が形成された矩形状の平板部270Aと、平板部270Aの前後方向両側に設けられた耳状部270B,270Bとを有し、全体的に平面視略十字形に形成されている。また、各耳状部270Bの左右方向両端部は下方に屈曲されて、相互に対向する一対の挟持部270C,270Cを構成している。このように対向する挟持部270C,270C間の隙間Gには底盤補強筋Rの先端部位が挿通され(
図15及び
図18参照)、挟持部270C,270Cの下端部に設けられたねじ孔にねじ部材S1を螺着させて締め付けることで、挟持部270C,270Cが底盤補強筋Rに対して押圧されて強固に固定されるように構成されている。
【0061】
下支持部材271は平板状であって、上支持部材270の貫通孔H2と上下方向に対向する位置に貫通孔H3が形成されている。接続部272は平板状であって、上支持部材270の一側縁と下部材270の一側縁とを接続する。
【0062】
第2連結部29は、下支持部材271に連続して設けられ、下支持部材271の後端から後方に向かって登り傾斜するように形成されている。また、第2連結部29の後端部は水平方向へ屈曲されて第2固定部28を構成している。
【0063】
第2固定部28には、一対のねじ孔28a,28aが、左右方向に間隔を開けて形成されている。また、第2固定部28には、その後端中央部位から後方へ延出する延出部28Aが設けられている。延出部28Aの左右方向中央部位は水平方向に延びる一方、その左右両端部は斜め上方へ屈曲されている。このように形成された第2固定部28は、第1固定部24と共に底盤補強筋Rを上下方向から挟持した状態で(
図15及び
図18参照)、長孔24aに挿通されたねじ部材S2をねじ孔28aに螺着させて締め付けることで、第1固定部24と共に底盤補強筋Rに固定される。
【0064】
図18をも参照して、脚部材3Bは上脚部材31Bと下脚部材32Bとを有する。上脚部材31Bには、その中心軸に沿ってネジ孔H4が貫通形成されており、このネジ孔H4の中心線と底面支持部材22eの貫通孔H1の中心線とが一致するように、上脚部材31Bの上端が底面支持部材22eの底面に固定されている。一方、下脚部材32Bはねじ状部材から構成され、その上端面にはマイナス溝34が形成され、その下端部は下方に向かって小径となる下向き円錐状に形成されている。この下脚部材32Bは、第2連結部材26の支持部材27に形成された貫通孔H2,H3に挿通保持される。また、下脚部材32Bは、その上端が上脚部材31Bのネジ孔H4に螺入されることにより、上脚部材31Bに連結される。
【0065】
かかる構成において、下脚部材32Bを一方向に回すと脚部材3Bの長さが短くなり、下脚部材32Bを逆方向に回すと脚部材3Bの長さが伸び、これによって連結部材2Bの高さを無段階で調整できるようにされている。
【0066】
このように構成された型枠保持金具1Bは、次の様にして底盤補強筋Rに固定される。即ち、底盤補強筋Rの先端部位を支持部材27に規定された隙間Gに挿通させると共に、第2固定部28を底盤補強筋Rの下面に当接させ、第2連結部材26に取り付けられた下脚部材32Bの下端を、捨てコンクリート93に付けられた墨線Lに合わせて設置する。次に、下脚部材32Bを上脚部材31Bに螺着させ、第1連結部材23の支持部22Bが所定高さとなるように脚部材31を高さ調整すると共に、第1固定部24が底盤補強筋Rを挟んで第2固定部28に対向するように、第1固定部24を底盤補強筋Rの上面に当接させる。一対のねじ部材S2の各々を対応の長孔24aに挿通させ、対応のねじ孔28aに螺着させて締め付ける。これにより、第1固定部24と第2固定部28とが底盤補強筋Rを挟持した状態で底盤補強筋Rに固定される(第1固定部24及び第2固定部28が第1固定手段を構成する)。
【0067】
このとき、第1固定部24の延出部24Aは、その左右両側が斜め下方へ屈曲されていることから、第1固定部24は上方向に加えて斜め上方向からも底盤補強筋Rに当接することとなり、第1固定部24は底盤補強筋Rに対してより安定的に固定される。同様に、第2固定部28の延出部28Aは、その左右両側が斜め上方へ屈曲されていることから、第2固定部28は下方向に加えて斜め下方向からも底盤補強筋Rに当接することとなり、第2固定部28は底盤補強筋Rに対してより安定的に固定される。
【0068】
ここで、
図19に示す様に、型枠保持金具1Bが連結固定される底盤補強筋Rは、転圧された砕石99に設置されたサイコロと呼ばれるスペーサSPにより支持されるものであるが、砕石99の不陸により、底盤補強筋Rの高さ位置にばらつきが生じることがあり、その場合には脚部材3Bの中心線Cが傾いてしまう。より具体的に、底盤補強筋Rの高さ位置が基準高さよりも低いと、脚部材3Bの中心線Cは
図19に二点鎖線C’で示す様に後方(建物内側)へ傾いてしまう。そこで、このような場合には、第1連結部材23を第2連結部材26に対して相対的に前方へ移動させ、この状態でねじ部材S2を締め付ければよい。反対に、底盤補強筋Rの高さ位置が基準高さよりも高いと、脚部材3Bの中心線Cは
図19に二点鎖線C”で示す様に前方(建物外側)へ傾いてしまう。よって、このような場合には、第1連結部材23を第2連結部材26に対して相対的に後方へ移動させ、この状態でねじ部材S2を締め付ければよい。
【0069】
次に、上支持部材270の挟持部270Cに対応して設けられたねじ部材S1を締め付けて、各挟持部270Cを底盤補強筋Rに固定させる(これら挟持部270Cが第2固定手段を構成する)。その後、
図15に示すように、連結部材2Bの支持部22Bに型枠受け部4を載置し、図示しない固定手段で固定させる。
【0070】
なお、支持部22Bには上脚部材31Bのネジ孔H4に連通する貫通孔H1が形成されていると共に、下脚部材32Bの上端にはマイナス溝34が形成されているため、作業者はドライバ(図示せず)を貫通孔H1に挿通させて下脚部材32Bを上脚部材31Bに対して回転させて脚部材3Bの高さ調整を行うことができる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、型枠保持金具1Bは外側型枠91に代えて底盤補強筋Rに連結固定されるので、外側型枠91の種類や形状等による制限を受けることなく使用することができる。
【0072】
また、下脚部材32Bの下端部は下向き円錐状とされているため、外側型枠91から型枠保持金具1Bによって保持される内側型枠92までの距離を正確に規定することができる。即ち、上記実施形態に係る型枠保持金具1,1Aは外側型枠91に係止されて連結されるため、連結部材2の長さによって外側型枠91から型枠保持金具1,1Aによって保持される内側型枠92までの距離を正確に規定することができる。これに対し本実施形態においては、型枠保持金具1Bは外側型枠91に連結されないため、捨てコンクリート93に付けられた墨線Lを目印に型枠保持金具1Bの設置位置を決定し、これにより外側型枠91から型枠保持金具1Bによって保持される内側型枠92までの距離を正確に規定する必要がある。この点、下脚部材32Bの下端部は下向き円錐状とされているため、墨線Lに対する位置決めを正確に行うことができ、これによって外側型枠91から内側型枠92までの距離を正確に規定することができる。
【0073】
更に、下脚部材32Bの下端部は下向き円錐状とされているため、底盤部分に流し込まれたコンクリートは、下脚部材32Bの下端部周辺に流れ込みやすくなり、これによって下脚部材32B付近に空洞が生じるのを抑制できる。
【0074】
このように構成された型枠保持金具1Bを用いた場合であっても、上述した型枠保持金具1,1Aを用いた場合と同様に、内側型枠92としての断熱型枠が屋内側へ膨らむのを確実に防止できるので、コンクリートと断熱材とを容易に一体化できる。
【0075】
以上、本発明の実施形態に係る型枠保持金具及びこれを用いた一体べた基礎コンクリート打設工法について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0076】
例えば、上記実施形態においては、型枠保持金具1の脚部材3を捨てコンクリート93上に載置したが、ボルト等の固定手段を用いて脚部材3をコンクリート93に固定させてもよく、このように固定することで型枠保持金具1の安定性を更に高めることができる。
【0077】
また、上記実施形態においては、連結部材2の支持部22が、側面視略T字状となるように構成されているが、本発明は係る構成に限定されず、型枠受け部材4を位置決めして固定できれば、異なる形状を有するものであっても良い。
【0078】
上記実施形態における型枠受け部材4は一端側にのみ延出部41aを有したが、他端側にも延出部41aを有してもよい。また、上記実施形態においては、連結部材2(2A,2B)と型枠受け部材4(4A)とを独立した別部材とし、一体べた基礎コンクリートの打設時にこれらを連結させる構成としたが、両者が一体的に形成されたものであってもよい。
【0079】
更に、
図2に示す連結部材2又は
図15に示す連結部材2Bと
図14に示す型枠受け部材4Aとを組み合わせても良く、或いは
図2に示す型枠受け部材4と
図14に示す連結部材2Aとを組み合わせても良い。
【0080】
上記第3実施形態においては、下脚部材32Bの上端面にマイナス溝34を形成したが、マイナス溝34に代えてプラス溝を形成してもよい。また、
図20に示す様に、第3実施形態においても、
図14に示す第2実施形態と同様に、底面支持部材22eから上方に起立する当接片22cを設けてもよい。