特許第5794518号(P5794518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794518
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】打ち抜き型
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/40 20060101AFI20150928BHJP
   B26F 1/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B26F1/40 A
   B26F1/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2010-522650(P2010-522650)
(86)(22)【出願日】2009年5月26日
(86)【国際出願番号】JP2009059571
(87)【国際公開番号】WO2010013531
(87)【国際公開日】20100204
【審査請求日】2011年6月27日
【審判番号】不服2013-12121(P2013-12121/J1)
【審判請求日】2013年6月26日
(31)【優先権主張番号】特願2008-197058(P2008-197058)
(32)【優先日】2008年7月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2008-210123(P2008-210123)
(32)【優先日】2008年8月18日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2008-210124(P2008-210124)
(32)【優先日】2008年8月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598056733
【氏名又は名称】株式会社▲高▼橋型精
(74)【代理人】
【識別番号】100095485
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 千賀志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 光広
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広真
【合議体】
【審判長】 栗田 雅弘
【審判官】 久保 克彦
【審判官】 刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−214716(JP,A)
【文献】 特開2004−58181(JP,A)
【文献】 特開平4−344240(JP,A)
【文献】 特開2002−301732(JP,A)
【文献】 特表2008−513240(JP,A)
【文献】 特開2007−320192(JP,A)
【文献】 特開2005−271189(JP,A)
【文献】 特開2006−150579(JP,A)
【文献】 特開2005−52949(JP,A)
【文献】 特開2006−15445(JP,A)
【文献】 特開平5−277578(JP,A)
【文献】 特開平2−247024(JP,A)
【文献】 特開平5−177600(JP,A)
【文献】 特開2001−353696(JP,A)
【文献】 特開昭58−215895(JP,A)
【文献】 特開昭46−45537(JP,A)
【文献】 特開2007−90809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00, B29C 70/06, B29C43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下定盤の一方に配置された打ち抜き刃と他方に配置され受け部材とを備えた、立体形成体を打ち抜くための打ち抜き型であって、
前記打ち抜き刃を持つ第1基盤と、
前記受け部材を持つ第2基盤と、
前記第1基盤をセットする第1治具と、
前記第2基盤をセットする第2治具と、
前記第1治具と前記第2治具とを垂直方向にのみ摺動可能にする案内部材と、
を備え、
前記打ち抜き刃は、板状の金属ブロックの表面側に刃を備え、当該刃の先端高さが当該刃先の部位によって異なる高さを持つように削り出しにより形成され、
前記受け部材は、その表面に前記打ち抜き刃の刃先の高さに対応した凹凸を有し、
さらに、前記第2基盤にはヒータが備えられ、かつ、前記第1基盤と前記第2基盤とは打ち抜きと同時にプレス形成する機能を備えたことを特徴とする打ち抜き型。
【請求項2】
前記第1治具と前記第2治具の少なくとも一方が面状部材であり、前記面状部材と前記基盤との間に弾性シートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の打ち抜き型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートやフィルムからなる立体形成品(曲面成形品,折り曲げ成形品)やプレス成型品や射出成型品、あるいは有機EL,太陽電池の保護フィルム等のハードコート層を有するフィルムを、立体形状の輪郭に沿って打ち抜くに際して、微細かつ正確な打ち抜き処理ができる打ち抜き型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック等からなる立体成形品を抜き型により打ち抜く技術が知られている(特許文献1参照)。この種の技術では、図16(A)に示すように、帯状刃(トムソン刃)81に刃先eと反対側(峰P側)から楔形状(逆扇状)の切り込み82を入れる。そして、図16(B)に示すように、この帯状刃81を、刃先eと峰Pとが同心の弧となるように湾曲させて基台83に取り付ける。受け部材84にも、帯状刃81の刃先eの湾曲形状に対応する凹凸を形成しておく。そして、基台83を下定盤85に、受け部材84を上定盤86に取り付け、打ち抜き対象の曲面成形品や折り曲げ成形品の打ち抜きを行なう。
【特許文献1】特開2006−15445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の打ち抜き技術では、帯状刃81が取り付けられた基台83と、受け部材85との位置調整が容易ではないため、打ち抜き対象を正確な形状に切断できなかったり、打ち抜かれない部分が生じたりする。このため、微細な打ち抜きを当初から断念せざるを得ないという問題がある。
【0004】
また、上記の打ち抜き技術では、帯状刃81は細かく折り曲げることができないことから、微細な打ち抜きができないし、切り込み82のために、帯状刃81全体が変形していまい、正確な打ち抜きができないという問題もあるし、帯状刃81が破断してしまういという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、シートやフィルムからなる立体形成品(曲面成形品,折り曲げ成形品)やプレス成型品や射出成型品、あるいは有機EL,太陽電池の保護フィルム等のハードコート層を有するフィルムを、立体形状の輪郭に沿って打ち抜くに際して、微細かつ正確な打ち抜き処理ができる打ち抜き型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は(1)から(3)を要旨とする。
(1)
上下定盤の一方に配置された打ち抜き刃と他方に配置され受け部材とを備えた、立体形成体を打ち抜くための打ち抜き型であって、
前記打ち抜き刃を持つ第1基盤と、
前記受け部材を持つ第2基盤と、
前記第1基盤をセットする第1治具と、
前記第2基盤をセットする第2治具と、
前記第1治具と前記第2治具とを垂直方向にのみ摺動可能にする案内部材と、
を備え、
前記打ち抜き刃は、板状の金属ブロックの表面側に刃を備え、当該刃の先端高さが当該刃先の部位によって異なる高さを持つように削り出しにより形成され、
前記受け部材は、その表面に前記打ち抜き刃の刃先の高さに対応した凹凸を有する
ことを特徴とする打ち抜き型。
【0007】
本発明は、シートやフィルムからなる立体形成品(曲面成形品,折り曲げ成形品)やプレス成型品や射出成型品、あるいは有機EL,太陽電池の保護フィルム等のハードコート層を有するフィルムを、レーザを使用することなく微細かつ正確に打ち抜くことができる。
【0008】
(2)
前記第1治具と前記第2治具の少なくとも一方が面状部材であり、前記面状部材と前記基盤との間に弾性シートが設けられていることを特徴とする(1)に記載の打ち抜き型。
【0009】
この弾性シートにより、前記打ち抜き刃の先端と前記受け面との接触圧を弾性により緩和し、または前記打ち抜き刃の先端と前記受け面の起伏との間隔誤差を吸収することができる。弾性シートとして、ブチルゴム(IIR)や、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、クロロスルフォン化ゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、フッ素ゴム(FKM)等の非ジエン系ゴム等が使用できる。
【0010】
前記弾性シートを、片面または両面に磁気吸着作用を持つマグネットシートとすることができる。たとえば、前記弾性シートが両面に磁気吸着作用を持つマグネットシートである場合には、(a)マグネットシートの一方の面が第1基盤に磁気吸着し他方の面が第1治具に磁気吸着し、または、(b)マグネットシートの一方の面が第2基盤に磁気吸着し他方の面が第2治具に磁気吸着するように構成することができる。
【0011】
あるいは、弾性シートが片面に磁気吸着作用を持つマグネットシートである場合には、(c)マグネットシートの一方の面が第1基盤に貼着され他方の面が第1治具に磁気吸着し、(d)マグネットシートの一方の面が第2基盤に貼着され他方の面が第2治具に磁気吸着し、(e)マグネットシートの一方の面が第1治具に貼着され他方の面が第1基盤に磁気吸着し、(f)マグネットシートの一方の面が第2治具に貼着され他方の面が第2基盤に磁気吸着するように構成できる。
【0012】
(3)
前記第1基盤と前記第2基盤の少なくとも一方に、プレス成型する機能、真空成形する機能、打ち抜き対象を立体成形体に積層する機能を備えたことを特徴とする(1)または(2)に記載の打ち抜き型。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、三次元の打ち抜き刃を、削り出しにより形成したので、精密さを必要とする部位の打ち抜きを担保できる。
【0014】
また、本発明では、シート・フィルム状の平面状の対象のみならず、フィルムやシートを曲面形成してなる対象についても、打ち抜きができる。さらに、本発明では、射出成型やプレス成型により形成された製品の端縁(バリ等)を、これら成形と同時に打ち抜く(除去する)こともできるし、有機EL,太陽電池の保護フィルム等のハードコート層を有するフィルムにヒビを生じることなく打ち抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1基盤と第2基盤との間にスプリング機構が設けられた本発明の第1実施形態を示す説明図であり、(A)はx方向側面図、(B)はy方向側面図である。
図2】本実施形態でも使用されている打ち抜き刃を示す斜視図である。
図3】第1基盤および第2基盤が上下定盤に取り付けられた本発明の第2実施形態を示す説明図であり、(A)はx方向側面図、(B)はy方向側面図である。
図4】(A)は図3の打ち抜き型の第2基盤を受け面が形成された側から見た図、(B)は図3に示した打ち抜き型と同じ図、(C)は図2の打ち抜き型の第1基盤を打ち抜き刃が形成された側から見た図、(D)は打ち抜き前のプラスチック成形体を示す図、(E)は打ち抜き後の製品成形体を示す図である。
図5】第1治具と第2治具との間にスプリング機構が設けられ、上定盤には第1治具も第2治具も取り付けられていない、本発明の第3実施形態を示す図であり、(A)はx方向側面図、(B)はy方向側面図である。
図6】第1治具および第2治具が定盤に取り付けられた本発明の第4実施形態を示す図であり、(A)はx方向側面図、(B)はy方向側面図である。
図7】本発明の第4実施形態の詳細説明図であり、(A)は打ち抜き型の第2基盤を受け面が形成された側から見た図、(B)は打ち抜き型の側面説明図、(C)は第1基盤がセットされた第1治具を打ち抜き刃が形成された側から見た図である。
図8】(A)は第1基盤11の下定盤側に弾性シートが設けられた例を、(B)は第2基盤12の上定盤側に弾性シートが設けられた例を示す図である。
図9】本発明の第6実施形態を示す側面説明図である。(A)は第1治具が上定盤に取り付けられた本実施形態を示す図、(B)はバリ付の射出成型体を示す図、(C)はバリが除去された後の射出成型体を示す図である。
図10】本発明の第7実施形態を示す斜視説明図であり、(A)は打ち抜きが行われる前の状態を示す図、(B)は打ち抜きが行われるときの状態を示す図、(C)は第1基盤を刃の側から見た図である。
図11】本発明の打ち抜き型の第8実施形態を示す説明図であり、打ち抜き型をロール・ツー・ロール式打ち抜きシステムに使用した例を示している。
図12】本発明の第9実施形態を示す説明図であり、プレス形成と同時に型抜きを行なう打ち抜き型を示す図である。
図13図12の打ち抜き型の動作を示す図であり、(A)はプラスチックシートが打ち抜き型に配置されている様子を示す図、(B)はプラスチックシートが第1金型と第2金型によりプレスされた様子を示す図、(C)はプラスチックシートが刃により型抜きされた後、製品成型体を取り出した様子を示す図である。
図14】本発明の第9実施形態を示す説明図であり、真空形成と同時に型抜きを行なう打ち抜き型を示す図である。
図15図14の打ち抜き型の動作を示す図であり、 (A)はプラスチックシートが打ち抜き型に配置されている様子を示す図、(B)はプラスチックシートが第2基盤に吸引された様子を示す図、(C)はプラスチックシートが刃により型抜きされた様子を示す図である。
図16】従来技術の説明図であり、(A)は刃先と反対側から楔形状の切り込みが入れられた帯状刃を示す図、(B)はその使用態様を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1実施形態を図1(A)のx方向側面図、図1(B)のy方向側面図により説明する。図1(A),(B)では、第1実施形態にかかる打ち抜き型1Aは、下定盤21,上定盤22間に配置(下定盤21上に載置)されている。上定盤22を下降させることで、立体形成されたプラスチック成形体MP(本実施形態では片面シート)を打ち抜くことができる。なお、プラスチック成形体MPは、説明の便宜上図1(B)には示さない。
本発明の打ち抜き対象は、シート、フィルム状からなる立体成形品であってもよいし、厚みを持つ立体成形品(射出成型品やプレス成型品)であってもよい。
【0017】
打ち抜き型1Aは、第1基盤11と、第2基盤12と、案内部材13と、スプリング機構14とを備えている。第1基盤11は、打ち抜き刃Bを備えており、その高さは打ち抜き刃Bの部位によって異なる。図1(A),(B)では、打ち抜き型1Aは、y方向に沿って刃先高さが変化している。図2の斜視図に示すように、打ち抜き刃Bは、削り出しにより形成したブロック刃Bからなる。
【0018】
図1(A),(B)において、第2基盤12は、打ち抜き刃Bの刃先eに対して相対的に離隔しまたは近接するもので、当該刃先eの高さに対応した起伏を有する受け面Sを持っている。第2基盤12のうち、刃先eが当接する部分は、銅・軟鉄・真鍮等の金属・合金により形成することができる。たとえば、第2基盤12のうち刃先eに当接する部分を交換可能にしておくことができる。
【0019】
案内部材13は、第1基盤11と第2基盤12とを垂直方向にのみ摺動可能としてある。図1(A),(B)では、案内部材13は第1基盤11の4隅に埋め込んだ案内管131と、第2基盤12に埋め込んだ摺動ロッド132により構成される。
スプリング機構14は、第1基盤11と第2基盤12との間に設けられている。スプリング機構14は、第1基盤11と第2基盤12とを垂直方向に相対離隔するように付勢されている。スプリング機構14は、第1基盤11と第2基盤12とを垂直方向に相対的に離隔するように付勢するものであればどのような構成であってもよい。
【0020】
本発明の第2実施形態を図3(A)のx方向側面図、図3(B)のy方向側面図により説明する。図3(A),(B)では、第1基盤15は下定盤21に取り付けられており、第2基盤16は上定盤22間に取り付けられている。本実施形態でも、上定盤22を下降させることで、立体形成されたプラスチック成形体MPを打ち抜くことができる。本実施形態でも、プラスチック成形体MPは、図3(B)には示さない。第1実施形態では、打ち抜き型1Aは下定盤21に載置されているのみであったが、第2実施形態では、第1基盤15が下定盤21に、第2基盤16は上定盤22に、それぞれボルト18により取り付けられている。
【0021】
第2実施形態の打ち抜き型1Bの詳細説明図を図4(A)から(E)に示す。なお、第1実施形態の打ち抜き型1Aは、第2実施形態の打ち抜き型1Bにスプリング機構14が追加され、かつボルト孔181が設けられないものなので、第1実施形態の詳細説明図は示さない。
【0022】
図4(A)は、打ち抜き型1Bの第2基盤12を、受け面Sが形成された側から見た図である。図3(A),(B)にも示されるように第2基盤12には、軽量化のために受け面Sの内側には溝Gが形成されている(なお、第1実施形態の打ち抜き型1Aの第2基盤12にも、溝Gが形成されている(図1(A),(B)参照))。
【0023】
図4(B)に図3(A),(B)に示した打ち抜き型1Bの側面説明図と同じ図を示す。図4(C)に第1基盤11を、打ち抜き刃Bが形成された側から見た図を示す。図4(D)に打ち抜き前のプラスチック成形体MPを示し、図4(E)に打ち抜き後の製品成形体Qを示す。
【0024】
本発明の第3実施形態を図5(A)のx方向側面図、図5(B)のy方向側面図により説明する。プラスチック成形体MPは、図5(B)には示さない。第3実施形態の打ち抜き型1Cでは、第1基盤11が第1治具15にセットされて、第2基盤12は第2治具16にセットされている。第1基盤11と第1治具15との間、第2基盤12と第2治具16との間には、打ち抜き刃Bの先端(刃先e)と受け面の起伏との間隔誤差を補正するための金属箔を配置することができる。
【0025】
スプリング機構14は第1治具15と第2治具16とに設けられている。すなわち、案内部材13は、第1治具15と第2治具16とを垂直方向にのみ摺動可能としてある。図5(A),(B)では、案内部材13は第1治具15の4隅に埋め込んだ案内管131と、第2治具16に埋め込んだ摺動ロッド132により構成される。スプリング機構14は、第1治具15と第2治具16との間に設けられている。スプリング機構14は、第1治具15と第2治具16とを垂直方向に相対離隔するように付勢されている。
【0026】
本発明の第4実施形態を図6(A)のx方向側面図、図6(B)のy方向側面図により説明する。図6(A),(B)では、第1基盤15は下定盤21に取り付けられており、第2基盤16は上定盤22間に取り付けられている。プラスチック成形体MPは図6(B)には示さない。第3実施形態では、打ち抜き型1Aは下定盤21に載置されているのみであったが、第2実施形態では、第1基盤15が下定盤21に、第2基盤16が上定盤22に、それぞれボルト18により取り付けられている。
【0027】
第4実施形態の打ち抜き型1Dの詳細説明図を図7(A)から(C)に示す。なお、第3実施形態の打ち抜き型1Cは、第4実施形態の打ち抜き型1Dにスプリング機構14が追加され、かつボルト孔181が設けられないものなので、第3実施形態の詳細説明図は示さない。
【0028】
図7(A)は、打ち抜き型1Dの第2基盤12を、受け面Sが形成された側から見た図であり、図7(B)は打ち抜き型1Dの側面説明図、図7(C)は第1基盤11がセットされた第1治具15を打ち抜き刃Bが形成された側から見た図である。本実施形態の打ち抜き型1Dでは、共通の第1治具15,第2治具16に、種々の仕様の打ち抜き刃(すなわち、第1基盤11,第2基盤12)をセットできるという利点がある。
第1から第4実施形態では、第1基盤11が下に、第2基盤12が上になるように配置したが、第2基盤12が下に、第1基盤11が上になるように配置してもよい。
【0029】
図8(A),(B)は、本発明の第5実施形態を示す側面説明図である。図8(A)の打ち抜き型1Eでは、第1基盤11の下定盤側(第1治具15と第1基盤11との間)に、弾性シート17が設けられている。また、図8(B)の打ち抜き型1Fでは、第2基盤11の上定盤側(第2治具16と第2基盤12との間)に、弾性シート17が設けられている。この弾性シート17により、打ち抜き刃Bの先端(刃先e)と受け面Sとの接触圧を弾性により緩和し、または打ち抜き刃Bの先端(刃先e)と受け面Sの起伏との間隔誤差を吸収することができる。
【0030】
図8(A)において、第1治具15の第1基盤11側の面が強磁性体であるときは、弾性シート17としてマグネットシートを用いることができる。第1基盤11の第1治具15側の面に、片面に磁気吸着性を持つマグネットシート(弾性シート17)を貼着して、第1基盤11と第1治具15とを磁気吸着させることができる。さらに第1基盤11の第1治具15側の面が強磁性体であるときは、両面に磁気吸着性を持つマグネットシート(弾性シート17)を用いて、第1基盤11と第1治具15とを磁気吸着させることができる。
【0031】
図8(B)において、 上記と同様に弾性シート17に代えてマグネットシートを設けることができる。なお、弾性シート17は、第1基盤11や第2基盤12と定盤(21または22)との間に設けることもできる。
第1から第5実施形態では、第1基盤11が下に、第2基盤12が上になるように配置したが、例えば、第1基盤11が上に、第2基盤12が下になるように配置することもできる。
【0032】
すなわち、弾性シート17が両面に磁気吸着作用を持つマグネットシートである場合には、(a)マグネットシート(17)の一方の面が第1基盤11に磁気吸着し他方の面が第1治具15に磁気吸着し、または、(b)マグネットシート(17)の一方の面が第2基盤12に磁気吸着し他方の面が第2治具16に磁気吸着するように構成することができる。
【0033】
あるいは、弾性シート17が片面に磁気吸着作用を持つマグネットシートである場合には、(c)マグネットシート(17)の一方の面が第1基盤11に貼着され他方の面が第1治具15に磁気吸着し、(d)マグネットシート(17)の一方の面が第2基盤12に貼着され他方の面が第2治具16に磁気吸着し、(e)マグネットシート(17)の一方の面が第1治具15に貼着され他方の面が第1基盤11に磁気吸着し、(f)マグネットシート(17)の一方の面が第2治具16に貼着され他方の面が第2基盤12に磁気吸着するように構成できる。
【0034】
図9(A),(B),(C)は、本発明の第6実施形態を示す側面説明図である。図9(A)の打ち抜き型1Gでは、第1治具15が上定盤22に取り付けられており、第2治具16が下定盤21に取り付けられている。本実施形態では示さないが、図8で説明した弾性シートやマグネットシートを設けることができる。
第2治具12には、図9(B)に示すバリa付の射出成型体oがセットされる。本実施形態では、射出成型体oに形成された凸部bが第1基盤11の孔cに嵌合することで位置決めがなされる。上定盤22が下降することで、打ち抜き刃Bによるバリaの除去が行なわれる。これにより、図9(C)に示す製品成形体Oが作成される。
【0035】
図10(A),(B),(C)は、本発明の第7実施形態を示す斜視説明図である。図10(A)の打ち抜き型1Hでは、第1基盤11が上側に位置し、第2基盤12が上側に位置している。本実施形態では、第1基盤11,第2基盤12には、上下定盤に取り付けられることを想定して案内部材を取り付けるための孔がそれぞれの基盤の四隅に空けられている。
【0036】
本字形態の打ち抜き型1Hでは、打抜き前には図10(A)に示すように射出成型体oが、第2基盤12に形成された凹部pにセットされる。図10(C)は、第1基盤11を刃が見える側から見た図である。
この後、図10(B)に示すように、第1基盤11と第2基盤12を閉じる。このとき、予め第1基盤11の刃先eと、第2基盤12の受け面Sとが、一定間隔(たとえば、50から150ミクロン)になるように設定しておけば、刃先eが損傷する危険性は全くなくなる。
【0037】
図11は、本発明の第8実施形態を示す説明図である。図11の打ち抜き型は、ロール・ツー・ロール式打ち抜きシステムに使用されるもので、当該打ち抜き型として第1から第5実施形態の打ち抜き型1Aから1Fが使用できる。図11では、第4実施形態の打ち抜き型1Cを使用した場合を示してある。
【0038】
送り出し工程A1では、送りロール31からプラスチックシートが送り出される。このプラスチックシートには、プレス工程A2において成形機41により成形(真空成形または熱プレス成型)が施されプラスチック成形体MPとして抜き工程A3に送り出される。抜き工程A3において、プラスチック成形体MPの型抜きが行なわれる。そして、分離・巻取り工程A4において、型抜きがされたプラスチック成形体MPから製品成形体Qを分離し、分離による不要残部は巻き取りロール32に巻き取られる。
【0039】
本発明の打ち抜き型では、第1基盤11と第2基盤12の少なくとも一方に、プレス形成する機能、真空成形する機能、打ち抜き対象を立体成形体に積層する機能を備えることができる。以下、このような機能を備えた打ち抜き型を説明する。
【0040】
図12は、本発明の第9実施形態を示す説明図である。図12の打ち抜き型では、プラスチックシートPSからプラスチック成形体MPを立体形成すると同時に、打ち抜きを行なうことができる。
図12において、打ち抜き型1Iは、第1基盤11と、第2基盤12と、案内部材13と、第1治具15と、第2治具16と、コイルスプリングCSと、軟金属帯材19とからなる。
【0041】
第1基盤11は上定盤22に取り付けられ、第2基盤12は下定盤21に取り付けられている。第1基盤11は刃111と第1金型112とからなり、刃111は第1治具15に固定されている。第1金型112は、刃111よりも下方に突出しており、かつコイルスプリングCSにより下向きに付勢されている。
第2基盤12は、第1金型112の表面VS1に対応する表面VS2を持ち、第2金型としても機能する。第2基盤12にはヒータが埋め込まれており、受け面Sの打ち抜きBの刃先eに対応する位置には真鍮からなる軟金属帯材19が形成されている。
【0042】
図13(A)から(C)に、打ち抜き型1Iの動作を示す。図13(A)はプラスチックシートPSが打ち抜き型1Gに配置されている様子を示す図、図13(B)はプラスチックシートPSが第1金型112と第2金型(第2基盤12)によりプレスされた様子を示す図、図13(C)はプラスチックシートPSが刃Bにより型抜された後に開型され、製品成型体Qが取り出された様子を示す図である。
【0043】
図14は、本発明の第10実施形態を示す説明図である。図14の打ち抜き型では、第9実施形態と同様、プラスチックシートPSからプラスチック成形体MPを真空成形により立体形成すると同時に、打ち抜きを行なうことができる。なお、真空成形装置は、図14の構成には限定されない。たとえば第1基盤11に、受け面Sに対応する金型を設けることもできる。
【0044】
図14において、打ち抜き型1Jは、第1基盤11と、第2基盤12と、案内部材13と、第1治具15と、第2治具16と、軟金属帯材19とからなる。
第1基盤11は上定盤22に取り付けられ、第2基盤12は下定盤21に取り付けられている。第1基盤11は刃111を有しており、第1治具15に固定されている。第2基盤12の表面VS2には真空吸着孔hが多数形成されている。受け面Sの打ち抜き刃Bの刃先eに対応する位置には真鍮からなる軟金属帯材19が形成されている。第2基盤12にはヒータを埋め込むことができるし、たとえばPSが紫外線硬化材料である場合には、第1基盤11に紫外線源を設けることができる。
【0045】
図15(A)から(C)に、打ち抜き型1Jの動作を示す。図15(A)は熱硬化性のプラスチックシートPSが打ち抜き型1Gに配置されている様子を示す図、図15(B)はプラスチックシートPSが第2基盤1)により吸引された様子を示す図、図15(C)はプラスチックシートPSが刃Bにより型抜きされた後に、製品成型体Qを取り出す様子を示す図である。
【0046】
第9実施形態,第10実施形態では、第8実施形態と同様、ロール・ツー・ロール式打ち抜きシステムを構築できる。
また、第9実施形態、第10実施形態で説明した軟金属帯材(硬度が刃先eよりも低い材料)19は、刃先eの損傷を防ぐために設けられるのもで、適宜、第1実施形態から第8実施形態においても設けることができる。
【0047】
以下に本発明の応用を示す。打ち抜き刃を、金属ブロックの削り出しにより形成したブロック刃と、曲げ加工された帯状刃とから構成できる。ブロック刃には、スリットを形成しておき、所定形状に折り曲げられた帯状刃の2つの端部を挿入することができる。ブロック刃の刃高は部位によって異なり、帯状刃の刃高は何れの部位でも同じである。スリット部分のブロック刃の刃高と、帯状刃の刃高とは同じであり、両刃は連続するように構成することができる。上記の打ち抜き刃1は、合板に装着することができる。
【0048】
また、本発明の抜き刃を上下定盤に配置して打ち抜き刃ユニットを構成し、上下定盤間に配置された打ち抜き対象物を打ち抜くことができる。この一対の抜き刃は、それぞれ、金属ブロックの上面に、刃先から前記当該金属ブロックの底面までの距離が、全ての部位で同一、または少なくとも一部で異なるように構成できる。そして、上記の一対の抜き刃は、それぞれ、刃先を互いに向かい合わせたときに、両刃先が一致(密接)するように形成されている。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J 打ち抜き型
11 第1基盤
12 第2基盤
13 案内部材
14 スプリング機構
15 第1治具
16 第2治具
17 弾性シート
18 ボルト
19 軟金属帯材
21 下定盤
22 上定盤
31 送りロール
32 巻き取りロール32
41 成形機
111 刃
112 第1金型
131 案内管
132 摺動ロッド
181 ボルト孔
a バリ
b 凸部
B 打ち抜き刃
B1 ブロック刃
B2 帯状刃
c 孔
CS コイルスプリング
e 刃先
MP プラスチック成形体
o 射出成型体
O 製品成形体
Q 製品成形体
SL1,SL2 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
図12
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図16