(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794578
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】パイプ拡張用の機械
(51)【国際特許分類】
B21D 39/20 20060101AFI20150928BHJP
B21D 53/08 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
B21D39/20 C
B21D53/08 J
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-502455(P2012-502455)
(86)(22)【出願日】2010年3月26日
(65)【公表番号】特表2012-522642(P2012-522642A)
(43)【公表日】2012年9月27日
(86)【国際出願番号】DK2010000037
(87)【国際公開番号】WO2010115427
(87)【国際公開日】20101014
【審査請求日】2013年3月22日
(31)【優先権主張番号】PA200900463
(32)【優先日】2009年4月6日
(33)【優先権主張国】DK
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511237368
【氏名又は名称】アミダ エ/エス
【氏名又は名称原語表記】AMIDA A/S
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル,ダヴィドセン
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−068331(JP,A)
【文献】
実開平07−021229(JP,U)
【文献】
実開昭52−055941(JP,U)
【文献】
特開平04−319030(JP,A)
【文献】
特開昭53−109861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 39/20
B21D 53/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ拡張用の機械であって、拡張マンドレルと、パイプ中で拡張マンドレルを引く又は押すための駆動ユニットと、を備える機械フレームを備えており、前記機械(1)は、少なくとも1つのモータ駆動ドラム(11)、及び、前記ドラムの出口から水平方向に前記パイプに向かって前方に延びるベルトガイド又はワイヤガイド(8)、を有する少なくとも1つの駆動ユニット(7)を備えており、前記ドラムが、前記パイプ中に拡張マンドレル(21)を有するベルト又はワイヤを押す又は引くことにさらに適している、機械であって、前記拡張マンドレル(21)が拡張可能であること、及び、前記ドラム(11)が、2つの側プレート(13)と、当該2つの側プレートの間に配置され外周に前記ベルト又はワイヤが巻かれる輪状のハブ(14)と、前記ハブを前記側プレート間で回転可能に保持する円形案内路(15)を備えており、前記ハブの内周に設けられた歯付きリム(18)と係合して配列される1つの駆動ギアホイール(16、D)及び少なくとも2つのアイドリングギアホイール(17、M)を備えていること、及び、前記ドラムの前記円形案内路が、前記ドラムの側プレート同士の間で前記ハブの外周に沿って円形に配置されるベアリング(20)によって形成されること、を特徴とする機械。
【請求項2】
請求項1に記載の機械において、前記駆動ユニット(7)が、前記側プレート(9)同士の間に並んで配置された複数のドラム(11)を備えていること、及び、各前記ドラムが、各ドラム用の個別のモータ(10)及びベルトガイド又はワイヤガイド(8)に接続されていること、を特徴とする機械。
【請求項3】
請求項2に記載の機械において、各モータ(10)が、前記駆動ユニットの前記側プレート同士の間で延びるシャフト(12)であって、1つの駆動ギアホイール(16、D)と堅固に係合するとともに複数のアイドリングギアホイール(17、M)とゆるく係合するシャフト(12)を駆動することを特徴とする機械。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の機械において、ベルトガイド又はワイヤガイドを有する前記ドラム同士の間の相互の距離が調整可能であることを特徴とする機械。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の機械において、当該機械は2つの駆動ユニットを備えており、前記駆動ユニットは、鏡面反転するように構成されており、前記機械に水平に設けられたキャリッジ(5)上で垂直姿勢で並んで配置されていることを特徴とする機械。
【請求項6】
請求項1に記載の機械において、前記拡張マンドレル(21)が、中心円錐部(24)を取り囲んでおり前記拡張マンドレルの遠位端部で拡張可能な少なくとも3つのシェル部分(23)から構成される拡張ボール(22)を備えており、前記円錐部は前記ベルト又はワイヤに接続された中心部材(25)の先端に連結されていること、及び、前記シェル部分が、所定の位置に当該シェル部分を維持するばね(26)によってさらに取り囲まれていること、を特徴とする機械。
【請求項7】
請求項6に記載の機械において、前記拡張マンドレルは、軸受けブシュを有する円筒部材(28)を介して前記拡張マンドレルの最先端に設けられたエンドナット(30)の方へ前記拡張ボール(22)を付勢する反対圧力ばね(27)と、当該反対圧力ばねの端部に当接するストップブシュ(29)と、をさらに備えることを特徴とする機械。
【請求項8】
請求項7に記載の機械において、前記エンドナット(30)は、丸い側面と、前記拡張ボール(22)側に向いた係合面(31)と、を有するように構成されるとともに、前記シェル部分の形状に適合する軸受けブシュとして構成されており、及び、前記拡張ボールの拡張の度合いを制限する1以上の調整ディスク(33)を受け入れる凹部(32)を備えることを特徴とする機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ拡張用の機械に関し、特に、熱交換器のパイプ拡張用の機械に関し、当該機械は、拡張マンドレルと、パイプ中で拡張マンドレルを押す又は引くための駆動ユニットと、を有する機械フレームを備えており、前記機械(1)はさらに、少なくとも1つのモータ駆動ドラム(11)、及び、ドラムの出口から水平方向にパイプに向かって前方に延びるベルトガイド又はワイヤガイド(8)、を有する少なくとも1つの駆動ユニット(7)を備えており、前記ドラムは、駆動ユニットの側プレート(9)同士の間に配置されており、ベルト又はワイヤを有しており、及び、パイプ中に拡張マンドレルを有するベルト又はワイヤを押す又は引くようにさらに構成されている。
【背景技術】
【0002】
日本国特開2000−301271号公報は熱交換器のパイプ拡張用の機械システムを開示している。当該機械は、パイプ中で拡張マンドレルを押すことによって熱交換器のパイプを拡張する。
【0003】
日本国特開昭59−010427号公報はまた熱交換器のパイプ拡張用の拡張システムを開示している。同公報にはまた、パイプが、U字形の形状を有するように形成されること、及び、拡張マンドレルがパイプの開放端内に押し込まれること、が示されている。
【0004】
パイプ中で拡張マンドレルを押すことの欠点の1つは、パイプが、その径を増大させると長手方向に収縮することであり、このことは、熱交換器の端部のU字形の位置が異なることを意味している。これは、厚さを含むパイプの寸法が完全に同一でないという事実によって引き起こされる。
【0005】
欠点のもう1つは、特に、製造の理由のために同時に大量のパイプを拡張することが要求される場合に、圧力ロッドによって拡張マンドレルを前進させる際にパイプの拡張のために比較的大きな力を作用させなければならないことである。
【0006】
日本国特開2001−105060号公報はパイプ拡張用の機械を説明している。当該機械は、パイプ中で引かれる拡張マンドレルを有している。機械は、拡張マンドレルに固定されるワイヤを有するドラムを有する駆動ユニットを備えている。拡張ドラムは拡張可能ではないので、マンドレルに結合される前に、及び、堅いマンドレルがパイプ中で引かれる前に、ワイヤはパイプ中を通り抜けなければならない。この機械は、同時に大量のパイプを拡張することに適していない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、上述の欠点を改善する、冒頭部分で説明したタイプの機械を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、小型で大きな生産能力を有するように機械を構築することを保証する解決策を提供することである。
【0009】
上述の目的は、請求項1の前置部分で説明する機械によって実現され、前記機械は、その間に少なくとも1つのモータ駆動ドラムが配置される1セットの側プレートを備える少なくとも1つの駆動ユニットを備えるように構成されており、前記ドラムは、ベルト又はワイヤ、及び、ドラムの出口から水平方向にパイプに向かって前方に延びるベルトガイド又はワイヤガイド、を備えており、前記ドラムは、パイプ中で拡張可能な拡張マンドレルを備えるベルト又はワイヤを押す又は引くようにさらに構成されている。
【0010】
この駆動ユニットによれば、最初に、拡張していないマンドレルを拡張の始点までパイプ内に導入して、その後、引くことによってマンドレル及び従ってパイプを拡張することによって、パイプを拡張することができる。
【0011】
マンドレルは、モータ駆動ドラムから巻き解かれたベルト又はワイヤとともにパイプ内に導入される。導入時、マンドレルの径は、その径がパイプの内径よりも小さくなるように減少させられる。パイプの導入開口部は、マンドレルが引き戻される際にパイプ用の止め具を形成するベルトガイド又はワイヤガイドに係合する。マンドレルは、駆動ユニットのドラムの回転の方向を逆にすることによって引き戻される。引くことによってマンドレルを開かせ、その結果、マンドレルはパイプを拡張させる。圧力による拡張の場合に比べて、引くことによる拡張にはほとんど作業を必要としないことが分かる。
【0012】
引くことによってパイプを拡張することによって、パイプの拡張によって生じるパイプの長さの収縮が開放したパイプの端部で生じることを保証する。そして、パイプの端部を同じ長さまで切断しても問題はなく、又は、パイプが不規則に収縮するようにパイプの端部に反対圧力を作用させても問題はない。
【0013】
駆動ユニットは、さらなるドラム及びドラムガイドを備えてよく、それによって、1工程でさらなるパイプの拡張を可能にする。
【0014】
請求項1の特徴部分に記載するように、拡張マンドレルは拡張可能であり、及び、モータ駆動ドラムは、2つの側プレート、ハブ及び円形案内路を備えるように構成されており、前記ハブは、1つの駆動ギアホイールと、前記ハブの歯付きリム内に及び歯付きリムと係合して配列される少なくとも2つのアイドリングギアホイールと、を備えており、ドラムの前記円形案内路は、ドラムの側面同士の間の円内で両側面の最外リムに沿って配置された複数のベアリングによって形成される。
【0015】
これによって、パイプ内への拡張マンドレルの導入のためにドラムからベルト又はワイヤを巻き解いて、その後にベルト又はワイヤを巻き上げることによってマンドレルを引き戻すことが可能である。これに関連して、ドラムの円形案内路は、案内路のベアリングがルートに沿ってベルト又はワイヤを支持する際に、ベルト又はワイヤを巻き解いてパイプ内に導入することを可能にする手段である。
【0016】
請求項2に記載するように、駆動ユニットは、当該駆動ユニットの側プレート同士の間で並んで配置される複数のドラムを備えており、及び、各ドラムが、別個のモータドライブ及びその自身のベルトガイド又はワイヤガイドに接続されている場合には、さらなるパイプが1工程で拡張され得るので、機械の生産量が増大することが保証される。
【0017】
請求項3に記載するように、各モータが、駆動ユニットの側プレート同士の間で延びてそこに取り付けられるシャフトであって、第1ドラムに対して駆動ギアホイールと堅固に係合するとともに他のドラムに対して複数のアイドリングギアホイールとゆるく係合するシャフトを駆動する場合には、大量のドラムが同一の駆動ユニットに組み込まれ得ることが保証される。
【0018】
さらに、請求項4に記載するように、ドラム同士の間の距離を調整し得るように駆動ユニットを構成することが好都合である。これによって、機械が、異なる径のパイプを拡張するように調節され、それによって熱交換器が異なる形状及び生産能力を有することが保証される。
【0019】
請求項5及び6に記載するように、鏡面反転バージョンでいずれも並んで垂直姿勢で配置される、又は、第1対が垂直姿勢にあって第2対が反転姿勢にあり、さらなる対が対応して後退姿勢に配列される鏡面反転バージョンの対として配置される、2つ以上の駆動ユニットを機械が備える場合には、機械の生産能力の大きな増大が、比較的制限された空間内で実現される。
【0020】
請求項7に記載するように、拡張マンドレルが、中心円錐部を取り囲む少なくとも3つのシェル部分から構成される拡張ボールを備えるように構成されており、前記円錐部が中心部材上に取り付けられ、シェル部分が、当該シェル部分を所定の位置に維持するばねによってさらに取り囲まれるように構成されている場合には、パイプの拡張に適したツールが実現される。
【0021】
このツールは、径が最小である状態でパイプ内に導入されることが可能である。この状態は、パイプの壁に対する摩擦が円錐部の狭い部分に向かってシェル部分を押し戻すので、パイプ内にマンドレルが導入される際に実現される。マンドレルが押し出される際、円錐部の厚い部分はシェル部分同士の間でさらに内側に移動させられ、その結果、マンドレルが拡張してパイプが拡張される。
【0022】
請求項8に記載するように、拡張マンドレルが、反対圧力ばね、軸受けブシュを有する円筒部材、ストップブシュ、調整ディスク、及び、エンドナットを備える場合には、摩擦調整可能ツールが実現される。
【0023】
さらに、請求項9に記載するように、丸い側面と、反対方向に向いた係合面と、を有するようにエンドナットを構成し、前記係合面が、シェル部分の形状に適した軸受けブシュとして構成されるとともに、1以上の調整ディスクを受け入れる凹部を有するように構成されることが好都合である。
【0024】
エンドナットの丸い形状は、マンドレルがパイプ内に導入される際に何らの障害が生じないことを保証する。ナットの係合面の形状は、マンドレルがどの程度拡張し得るかを特定する。拡張の度合いは、図示した凹部内に1以上の調整ディスクを位置決めすることによって調整され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面を参照して本発明の例示の実施形態を以下にさらに十分に説明する。
【
図1】本発明に係る機械の基本構造を示す平面図である。
【
図1a】非反転及び鏡面反転の駆動ユニットを備える機械の平面図である。
【
図1b】機械フレーム上にどのように駆動ユニットを配置し得るかを示す側面図である。
【
図2】垂直及び鏡面反転姿勢の駆動ユニットを備える機械の側面図である。
【
図2a】他の駆動ユニットの背後に配列される駆動ユニットを備える機械の側面図である。
【
図5.1】6つのドラムを有するドラムスタック内のシャフト位置を示す図である。
【
図5.2】ドラムのスタック内の駆動ギアホイール及びアイドリングギアホイールの位置の断面図である。
【
図6.1】パイプ内に導入される際の拡張マンドレルの切断図である。
【
図6.2】引き出される際の拡張マンドレルの切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る、パイプ拡張用、特に、熱交換器のパイプ拡張用の機械を
図1〜
図6に示す。
【0027】
図1はパイプ拡張用の機械1の平面図である。2つの垂直材2から機械フレームが構成されており、垂直材2、2同士の間に垂直に方向づけられたブリッジ3と水平に方向づけられたブリッジ4とが配置されている。ブリッジの高さは調整可能である。2つの垂直材同士の間で移動可能なキャリッジ5がブリッジ3上に取り付けられている。キャリッジ5はその上にさらなるキャリッジ6を配列しており、キャリッジ6は、ブリッジ3に向かって及びブリッジ3から離れて内側で移動させられ得る。複数のベルトガイド又はワイヤガイド8を有する駆動ユニット7がキャリッジ6上に取り付けられている。駆動ユニットは、側プレート9、ドラム11及びドラムモータ10を有するものとして図示されている。キャリッジ5、6の位置及びブリッジ3、4の位置の調整は手動で又はモータドライブによって実行されてよい。
【0028】
図1aは、非反転及び鏡面反転バージョンの駆動ユニット7を備える機械の平面図であり、各駆動ユニット7は4つのドラムを備える。このことは、個々の駆動ユニットの生産能力が完全に利用される際に生産能力を向上させることを可能にする。
【0029】
図1bは機械の側面図である。駆動ユニット7はキャリッジ6上に取り付けられており、そしてキャリッジ6がキャリッジ5上に取り付けられている。図はさらに、駆動ユニットが、キャリッジ5上で往復運動し得るキャリッジ6によって水平方向に動かされ得ることを示している。駆動ユニットはまた、キャリッジ5及び6を有するブリッジ3の高さを調整可能であるので、垂直方向に動かされ得る。
【0030】
図1a、
図2及び
図2aは、様々な組み合わせで配列されるさらなる駆動ユニット7を備える機械を示している。駆動ユニットは、部分的に並んで配列されており、部分的にキャリッジ6上に垂直姿勢で相互に背後に配列されており、部分的にキャリッジ6の下側に反転姿勢で配列されている。すべての組み合わせが同時に同一の機械上で確立されてよい。これによって、最大4つのレベルの列のさらなるパイプが同時に引かれ、そのことは、例えば熱交換器のパイプの拡張において利点がある。
【0031】
図3は駆動ユニット7の構造を示している。駆動ユニットは1セットの側プレート9から構成されており、その間に1以上のドラム11が配列されている。一方の側プレートは、シャフト12を有する1以上のモータ10が取り付けられるように構成されている。他方の側プレートは、シャフトを支持するために軸受けブシュを備えている。ドラム11はシャフト上に取り付けられており、前記ドラムは、ベルトガイド又はワイヤガイド8を有するように示されている。ガイド8は漏斗形状の開口8aを備えている。漏斗は、例えば熱交換機上のパイプの端部を容易に捕まえ得ることを保証する。漏斗はまた、拡張マンドレルを引くときの止め具として機能する。
【0032】
モータは、電気式で又は油圧式で駆動されてよく、可逆的である。
【0033】
図4はドラム11の構造を示している。ドラムは2つの側プレート13から構成されており、その間にハブ14及び円形案内路15が配列されている。ハブの内側は歯付きリム18として構成されており、そこでは1つの駆動ギアホイール16及び2つのアイドリングギアホイール17が歯付きリムに係合している。外側には、ハブは、ベルト又はワイヤが巻き上げられ得る溝19を備えている。
【0034】
円形案内路15は、ベルトガイド又はワイヤガイド8のための開口を有する側プレート同士の間に円形に囲むように配列される複数のベアリング20を備えている。円形ガイドの低摩擦によって、ベルト又はワイヤが可撓性であるにも拘わらず巻き解かれ得ることが保証される。
【0035】
図5.1及び
図5.2は、6つのドラムのスタックを有する駆動ユニットの駆動シャフトがどのように配列されているかを示している。
図5.1は、一端から見たドラムスタックを示している。図ではA−A切断線が示されており、断面図が
図5.2に示されている。
【0036】
図5.1は、内側に歯付きリム18を有するハブ14を示しており、そこにはシャフト1〜6が配列されている。
【0037】
図5.2の断面図は、シャフト1〜6上に配列される6つのドラム1〜6を示している。
【0038】
各ドラムは、ともにドラムのための支持体を提供する1つの駆動ギアホイールD及び2つのアイドリングギアホイールMに連結されている。駆動ギアホイールDは、凸部及び溝の配列によってそれらのそれぞれのシャフトと堅固に係合している。
【0039】
図5.2を考慮する場合、ドラム1が、シャフト1上に駆動ギアホイールDを有しており、シャフト5上及びシャフト3上にアイドリングギアホイールMを有していることが分かる。
図5.1は、シャフト1、5及び3が、二等辺三角形の頂点を構成するように位置決めされており、ともにドラム1を支持することを示している。
【0040】
図5.2は、ドラム2が、シャフト2上に駆動ギアホイールDを有するとともにシャフト6及び4上にアイドリングギアホイールMを有することを示している。
図5.2は、シャフト2、6及び4が、二等辺三角形の頂点を構成するように位置決めされており、ともにドラム2を支持することを示している。
【0041】
図5.2を考慮する場合、すべてのドラムが3つのシャフトによって支持されており、シャフトの数がドラムの数に対応していることが分かる。
【0042】
従って、各シャフトは、ドラム用の駆動シャフトとして、かつ、他のドラム用のアイドリングシャフトとして機能する。この構造は、材料を大いに節約することを保証すると同時に、比較的小さい空間内に多くのドラムを有する駆動ユニットを構成することを可能にする。
【0043】
図6.1及び
図6.2は拡張マンドレル21の構造を示している。
図6.1は、パイプ内に導入される際のマンドレルを示しており、
図6.2は、引き出される際のマンドレルを示している。
【0044】
マンドレル21は、両端にねじ山を有するように構成される中実の中心部材25から構成されている。中心部材上には拡張ボール22が取り付けられており、拡張ボール22は、ボウル形状の係合面31を有するエンドナット30と軸受けブシュ34を有する円筒部材28との間でマンドレル内に配列されている。円筒部材28は、反対圧力ばね27によって特定されるばね圧で拡張ボールに係合する。反対圧力ばねは、ストップブシュ29によって一端にロックされる。
【0045】
拡張ボール22は、少なくとも3つのボールシェル部分23を備えている。好適な実施形態では、拡張ボールは、5つのボールシェル部分を備えているものの、その数はさらに大きくてもよく、例えば最大9つのボールシェル部分を備える。
【0046】
ボールシェル部分23は、硬化鋼の円錐部24を取り囲んでおり、シェル部分は、コイルばね26によって所定の位置に維持されている。
【0047】
図6.1に示すように、マンドレルの導入中に拡張ボールの最小径が生じ、パイプの側面に対する摩擦が、円錐部の最小径に向かって後方にシェル部分を動かす。
図6.2に示すように、引くことがシェル部分同士の間の内側に円錐部を移動させるので、マンドレルが引き出される際に拡張ボールが拡張される。ボール及び従ってパイプがこれによって拡張される。
【0048】
拡張の度合いは、いくつの調整ディスク33が凹部32内に配列されるかによって特定される。