(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794600
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】データ複製システム、データ複製方法、及びディスクアレイ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
G06F3/06 304F
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2008-292403(P2008-292403)
(22)【出願日】2008年11月14日
(65)【公開番号】特開2010-117992(P2010-117992A)
(43)【公開日】2010年5月27日
【審査請求日】2011年10月20日
【審判番号】不服2014-3640(P2014-3640/J1)
【審判請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上浦 朋花
【合議体】
【審判長】
小曳 満昭
【審判官】
和田 志郎
【審判官】
山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−115138(JP,A)
【文献】
特開2001−202199(JP,A)
【文献】
特開平10−198607(JP,A)
【文献】
特開2007−179156(JP,A)
【文献】
特開2005−242690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、
前記ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送する転送手段と
を備え、
前記応答時間計測手段は、
所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システム。
【請求項2】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、
データを記憶する第1の記憶手段と、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、
前記セカンダリ側のディスクアレイ装置は、
前記転送手段から転送されるデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したデータを記憶する第2の記憶手段とを備え、
前記応答時間計測手段は、
所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システム。
【請求項3】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、
前記ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送する転送手段と
を備え、
前記応答時間計測手段は、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが
最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システム。
【請求項4】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、
データを記憶する第1の記憶手段と、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、
前記セカンダリ側のディスクアレイ装置は、
前記転送手段から転送されるデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したデータを記憶する第2の記憶手段とを備え、
前記応答時間計測手段は、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システム。
【請求項5】
前記多重度決定手段は、
前記コピー完了応答時間が長いときには、前記コピー転送多重度を大きく設定し、前記コピー完了応答時間が短いときには、前記コピー転送多重度を小さく設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ複製システム。
【請求項6】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製方法であって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置により、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測するステップと、
前記計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定するステップと、
前記決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送するステップと
を含み、
前記コピー完了応答時間は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置が、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間であり、
前記コピー転送多重度は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して求めることを特徴とするデータ複製方法。
【請求項7】
プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製方法であって、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置により、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測するステップと、
前記計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定するステップと、
前記決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送するステップと
を含み、
前記コピー完了応答時間は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置が、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間であり、
前記コピー転送多重度は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して求め、
前記ダミーのコピー要求は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に送信されることを特徴とするデータ複製方法。
【請求項8】
前記コピー転送多重度は、
前記コピー完了応答時間が長いときに大きく設定され、前記コピー完了応答時間が短いときに小さく設定されることを特徴とする請求項6乃至7のいずれか一項に記載のデータ複製方法。
【請求項9】
セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送して複製させるプライマリ側のディスクアレイ装置であって、
データを記憶する第1の記憶手段と、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段と
を備え、
前記応答時間計測手段は、
所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項10】
セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送して複製させるプライマリ側のディスクアレイ装置であって、
データを記憶する第1の記憶手段と、
ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、
前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、
前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段と
を備え、
前記応答時間計測手段は、
前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、
前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項11】
前記多重度決定手段は、
前記コピー完了応答時間が長いときには、前記コピー転送多重度を大きく設定し、前記コピー完了応答時間が短いときには、前記コピー転送多重度を小さく設定することを特徴とする請求項9乃至10のいずれか一項に記載のディスクアレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクアレイ装置間の遠隔データコピー方式に係り、ディスクアレイ装置間を通信回線で相互に接続し、上位装置であるホストコンピュータを経由せずにディスクアレイ装置間のデータ複製を作成するデータ複製システム、データ複製方法
、及びディスクアレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害に備えてプライマリサイトのディスクアレイ装置のデータを、リモートに配置したセカンダリサイトのディスクアレイ装置にバックアップするコンピュータシステムが一般に存在しており、ホストを経由せずにディスクアレイ装置間でリモートコピーを実現する技術が幾つか知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0003】
特許文献1、2では、プライマリサイトのディスクアレイ装置は、コピー転送多重度分のコピー要求をセカンダリサイトのディスクアレイ装置に転送し、セカンダリサイトのディスクアレイ装置は、コピー要求を受信してコピーを実施し、コピーが完了すると、プライマリサイトのディスクアレイ装置へコピー完了通知を送信し、プライマリサイトのディスクアレイ装置は、コピー完了通知を受け取ると、次のコピー要求を転送していた。
【特許文献1】特開2005−275537号公報
【特許文献2】特開2006−338064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、2つのディスクアレイ装置は、遠隔に配置されているため、その接続回線の種類や、接続方法、更には、今後、より遠距離で接続することを考慮した場合、2つのディスクアレイ装置間の回線遅延は、コンピュータシステムに大きく依存する。すなわち、遠隔のデータコピーにおいて、プライマリサイトのディスクアレイ装置がコピー要求を転送してから、セカンダリサイトのディスクアレイ装置からコピー完了通知を受け取るまでの時間(以降、コピー完了応答時間と呼ぶ)は、回線遅延に大きく影響を受ける。回線遅延が大きい場合には、コピー完了応答時間が長くなり、次のコピー要求転送が遅延し、セカンダリサイトのディスクアレイ装置でコピー処理が実行されない時間が生じてコピー処理が遅延する。
【0005】
そこで、プライマリサイトのディスクアレイ装置がセカンダリサイトのディスクアレイ装置に同時に転送するコピー要求数(以後、コピー転送多重度と呼ぶ)を大きくすることで、セカンダリサイトのディスクアレイ装置でのコピー処理が止まらないようにすることができる。しかしながら、回線遅延が小さい場合にコピー転送多重度を大きくすると、セカンダリサイトのディスクアレイ装置でコピー待ちのタスクが溜まって、コピー処理が実行される比率が小さくなってしまい、結局、コピー処理が遅延することになる。
【0006】
このように、ディスクアレイ装置間のコピー性能は、回線遅延によって左右されていたが、いかなる回線の状況でも高いコピー性能を発揮させたいという要望があった。しかしながら、上述した特許文献1、2では、回線遅延がシステムによって異なるにも拘らず、非同期コピーに際して、回線遅延に応じてコピー転送多重度を制御していないため、コピー転送多重度が回線遅延に適合しない場合に、ディスクアレイ装置で期待されるコピー性能を発揮できないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、非同期コピーに際して、回線遅延に左右されず、装置で期待されるコピー性能を発揮することができるデータ複製システム、データ複製方法
、及びディスクアレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、前記ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送する転送手段とを備え、前記応答時間計測手段は、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測
し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システムである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、データを記憶する第1の記憶手段と、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置は、前記転送手段から転送されるデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信したデータを記憶する第2の記憶手段とを備え、前記応答時間計測手段は、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測
し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システムである。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、前記ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送する転送手段とを備え、前記応答時間計測手段は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システムである。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製システムであって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置は、データを記憶する第1の記憶手段と、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置は、前記転送手段から転送されるデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信したデータを記憶する第2の記憶手段とを備え、前記応答時間計測手段は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするデータ複製システムである。
【0011】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製方法であって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置により、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測するステップと、前記計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定するステップと、前記決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送するステップとを含み、前記コピー完了応答時間は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置が、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間であ
り、前記コピー転送多重度は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して求めることを特徴とするデータ複製方法である。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、プライマリ側のディスクアレイ装置のデータをセカンダリ側のディスクアレイ装置に複製するデータ複製方法であって、前記プライマリ側のディスクアレイ装置により、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測するステップと、前記計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定するステップと、前記決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送するステップとを含み、前記コピー完了応答時間は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置が、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間であり、前記コピー転送多重度は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して求め、前記ダミーのコピー要求は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に送信されることを特徴とするデータ複製方法である。
【0013】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送して複製させるプライマリ側のディスクアレイ装置であって、データを記憶する第1の記憶手段と、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を一定時間毎に計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、前記応答時間計測手段は、所定のタイミングで前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測
し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするディスクアレイ装置である。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、セカンダリ側のディスクアレイ装置にデータを転送して複製させるプライマリ側のディスクアレイ装置であって、データを記憶する第1の記憶手段と、ディスクアレイ装置間の回線遅延を含むコピー完了応答時間を計測する応答時間計測手段と、前記応答時間計測手段により計測されたコピー完了応答時間に基づいて、前記ディスクアレイ装置間の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を決定する多重度決定手段と、前記多重度決定手段により決定されたコピー転送多重度に従って、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置に前記第1の記憶手段に記憶されたデータを転送する転送手段とを備え、前記応答時間計測手段は、前記プライマリ側のディスクアレイ装置と前記セカンダリ側のディスクアレイ装置とが最初に接続されたとき、あるいは、接続する回線に変更があったときに前記セカンダリ側のディスクアレイ装置にダミーのコピー要求を送信してから、前記セカンダリ側のディスクアレイ装置から前記ダミーのコピー要求に対するコピー完了通知を受信するまでの時間を、コピー完了応答時間として計測し、前記多重度決定手段は、コピー完了応答時間を単位コピー長当たりのコピー処理時間とコピーサイズとの積で除算して前記コピー転送多重度を求めることを特徴とするディスクアレイ装置である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、回線遅延に左右されず、装置期待のコピー性能を発揮することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
本発明は、遠隔に配置された2つのディスクアレイ装置間におけるデータコピー方法の中で、非同期の遠隔データコピーに関し、プライマリサイトのディスクアレイ装置がセカンダリサイトのディスクアレイ装置に同時に転送する際の非同期コピーにおけるコピー転送多重度を、プライマリサイトのディスクアレイ装置がコピー要求を転送してから、セカンダリサイトのディスクアレイ装置からコピー完了通知を受け取るまでのコピー完了応答時間に対応した最適な多重度に設定し、装置の持つコピー性能を常に発揮できるようにすることを特徴とする。なお、本発明において、非同期コピーとは、プライマリサイトのディスクアレイ装置でのデータ更新が終わり次第、ホストに終了応答し、セカンダリサイトのディスクアレイ装置へのデータコピーを非同期に行うコピー方法である。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態によるディスクアレイ装置の構成を示すブロック図である。図において、遠隔データコピーを実施するディスクアレイ装置11、21は、プライマリサイト1とセカンダリサイト2との遠隔地に配置され、それぞれホスト12、22と接続されている。ディスクアレイ装置11、21間は、通信回線で相互に接続し、ホスト12、22を経由せずにディスクアレイ間の遠隔データコピーを実施する。
【0017】
ディスクアレイ装置11は、キャッシュ111、I/O処理部112、転送手段113、応答時間計測手段114、多重度決定手段115、制御メモリ116、及び論理ディスク117を備えている。I/O処理部112は、ホスト12からのライト命令を処理し、キャッシュ111に更新データを書き込み、セカンダリサイト2にコピーを実施する前に、ホスト12にレスポンスを返却する。
【0018】
転送手段113は、バックグラウンドでまだコピーが実施されていない更新データを検出し、コピー要求をセカンダリサイト2にコピー転送多重度まで多重で転送する(非同期コピー)。応答時間計測手段114は、プライマリサイト1のディスクアレイ装置11とセカンダリサイト2のディスクアレイ装置21とを最初に接続したときや、接続する回線に変更があったときに(キャリアや、リモート機器の変更等)、ダミーのコピー要求をセカンダリサイト2に転送し、このときのコピー完了応答時間を測定し、該測定したコピー完了応答時間を制御メモリ116に記憶する。
【0019】
多重度決定手段115は、制御メモリ116のコピー完了応答時間を読み出し、コピー完了応答時間に適したコピー転送多重度を算出して設定する。制御メモリ116は、コピー完了応答時間を保存する。論理ディスク117は、ホスト12からアクセスされるディスクで、物理ディスクを複数組み合わせて冗長性を持たせたものである。
【0020】
ディスクアレイ装置21は、受信手段211、コピー手段212、ステータス通知手段213、キャッシュ214、及び論理ディスク215を備えている。受信手段211は、プライマリサイト1から送信されたコピーデータを受信する。コピー手段212は、受信したコピーデータをキャッシュ214にコピーする。ステータス通知手段213は、コピー手段212によるコピー完了したら、プライマリサイト1にコピー完了を通知する。論理ディスク215は、プライマリサイト1の論理ディスク117の複製である。
【0021】
次に、本第1実施形態の動作について説明する。
図2は、本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー転送多重度決定処理を説明するためのフローチャートである。ディスクアレイ装置11において、キャリア/リモート機器に変更があったか否かを判定する(ステップS101)。そして、当該プライマリサイト1のディスクアレイ装置11とセカンダリサイト2のディスクアレイ装置21とが最初に接続されたときや、接続する回線に変更があると、応答時間計測手段114は、ダミーのコピー要求をセカンダリサイト2に送信し、コピー完了応答時間を計測して制御メモリ116に保存する(ステップS102)。続いて、多重度決定手段115は、制御メモリ116のコピー完了応答時間を参照し、コピー完了応答時間に適したコピー転送多重度を算出して設定する(ステップS103)。
【0022】
次に、コピー転送多重度を算出する計算式の一例について説明する。
ここで、回線遅延に必要な多重度に加えて、1つ余分にコピー待ちがある状態を最適なコピー転送多重度とする。
【0023】
コピー転送多重度=回線遅延÷コピー処理時間+1
コピー完了応答時間は、回線遅延に加えてコピー処理時間を含むので、
コピー転送多重度=(コピー完了応答時間−コピー処理時間)÷コピー処理時間+1
となり、ゆえに、
コピー転送多重度=コピー完了応答時間÷コピー処理時間
となる。
【0024】
コピー処理時間は、コピーサイズに比例するので、コピー転送多重度を求める式は、
コピー転送多重度=コピー完了応答時間÷(Tc×コピーサイズ)
となる。なお、Tcは、単位コピー長当たりのコピー処理時間である。
【0025】
次に、
図3は、本第1実施形態によるディスクアレイ装置11での書き込み(Write)処理を説明するためのフローチャートである。プライマリサイト1のI/O処理部112は、ホスト12からのライト命令を受信し(ステップS201)、更新データをキャッシュ111へ書き込み(ステップS202)、書き込みが完了したら、セカンダリサイト2へのコピーを行う前にホスト12へレスポンスを返す(ステップS203)。
【0026】
次に、
図4は、本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー要求転送起動処理を説明するためのフローチャートである。ディスクアレイ装置11の転送手段113は、バックグラウンドでキャッシュ112の更新データの中でセカンダリサイトにコピーが完了していないデータ(以降、未コピーデータと呼ぶ)を検索し、未コピーデータがあるか否かを判定し(ステップS301)、未コピーデータがない場合には、ステップS301に戻る。一方、未コピーデータがある場合には、転送中のコピー転送多重度が最大(MAX)であるか否かを判定し(ステップS302)、コピー転送多重度が最大(MAX)である場合には、ステップS301に戻る。一方、未コピーデータがあり、かつ、コピー転送多重度が最大(MAX)でなければ、コピー転送多重度まで多重でコピー要求転送処理を起動する(ステップS303)。
【0027】
次に、
図5は、本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー要求転送処理を説明するためのフローチャートである。ディスクアレイ装置11では、コピー要求転送処理において、まず、未コピーデータがあるか否かを判定し(ステップS401)、未コピーデータがない場合には、当該処理を終了する。一方、未コピーデータがある場合には、転送中のコピー転送多重度が最大(MAX)であるか否かを判定し(ステップS402)、コピー転送多重度が最大(MAX)である場合には、当該処理を終了する。
【0028】
一方、未コピーデータがあり、かつ、コピー転送多重度が最大(MAX)でなければ、セカンダリサイト2にコピー要求を転送し(ステップS403)、セカンダリサイト2からコピー完了通知を受信する(ステップS404)。そして、当該コピー要求転送処理が終了とすると、未コピーデータがなくなるか、コピー転送多重度が最大(MAX)になるまで、次のコピー要求転送処理を起動する(ステップS405)。これにより、常に転送中、コピー要求転送処理が起動されることになる。
【0029】
次に、
図6は、本第1実施形態によるディスクアレイ装置21でのコピー処理を説明するためのフローチャートである。セカンダリサイト2では、受信手段211がプライマリサイト1の転送手段113から転送された未コピーデータを受信する(ステップS501)。コピー手段212は、受信した未コピーデータをキャッシュへコピーする(ステップS502)。次に、ステータス通知手段213は、コピーが完了したらコピー完了通知をプライマリサイト1に送信する。(ステップS503)
【0030】
上述した第1実施形態によれば、回線遅延に左右されず、装置期待のコピー性能を発揮できる。より具体的には、回線遅延が小さい場合には、コピー転送多重度を小さくし、回線遅延が大きい場合には、コピー転送多重度を大きくするため、コピータスクの増えすぎによる性能低下と、コピー処理が途絶えることによる性能低下との両方を防ぐことができる。
【0031】
ここで、
図7(a)、(b)は、回線遅延が小さい場合のコピー転送多重度の大小による比較を示す概念図である。
図7(a)は、コピー転送多重度が小さい場合であり、
図7(b)は、コピー転送多重度が大きい場合である。本第1実施形態では、回線遅延が小さい場合には、コピー転送多重度を小さくするので、
図7(b)に示すコピー転送多重度が大きい場合に比べ、
図7(a)に示すように、セカンダリサイトのコピー中のタスクが少ないので、コピー処理がスムーズに行われる。
【0032】
また、
図8(a)、(b)は、回線遅延が大きい場合のコピー転送多重度の大小による比較を示す概念図である。
図8(a)は、コピー転送多重度が小さい場合であり、
図8(b)は、コピー転送多重度が大きい場合である。本第1実施形態では、回線遅延が大きい場合には、コピー転送多重度を大きくするので、
図8(a)に示すコピー転送多重度が小さい場合のようにセカンダリサイトのコピー処理が途絶えてしまうことなく、
図8(b)に示すように、セカンダリサイトのコピー処理が途絶えることはない。これに対して、従来技術のように、コピー転送多重度が一定の方式では、両方に対応することはできない。
【0033】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、ディスクアレイ装置の構成については、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。本第2実施形態では、ディスクアレイ装置11において、応答時間計測手段114と多重度決定手段115の動作が異なる。応答時間計測手段114は、一定時間毎にダミーのコピー要求をセカンダリサイト2に送信し、コピー完了応答時間を計測し、制御メモリ115に記憶させる。多重度決定手段115は、コピー完了応答時間を制御メモリ115から読み込み、コピー完了応答時間に適したコピー転送多重度を算出し、動的に設定する。
【0034】
すなわち、前述した第1実施形態では、プライマリサイト1のディスクアレイ装置11とセカンダリサイト2のディスクアレイ装置21とを最初に接続したときと、接続する回線に変更があったときに、コピー転送多重度を算出して設定するようにしている。これに対して、本第2実施形態では、一定時間毎にダミーのコピー要求をセカンダリサイト2に送信し、その都度、コピー完了応答時間を計測し、該コピー完了応答時間に適したコピー転送多重度を算出して設定する。
【0035】
図9は、本第2実施形態による転送多重度決定処理の動作を説明するためのフローチャートである。応答時間計測手段114は、一定時間毎に、ダミーのコピー要求をセカンダリサイトに送信し、その都度、コピー完了応答時間を計測し、制御メモリ115に記憶する(ステップS601)。多重度決定手段115は、一定時間毎に計測、記憶されたコピー完了応答時間を制御メモリ115から読み込み、コピー完了応答時間に適したコピー転送多重度を算出し(ステップS602)、該算出したコピー転送多重度をその都度設定する(ステップS603)。その後、一定時間スリープ状態とする(ステップS604)。なお、コピー転送多重度の算出方法は前述した第1実施形態と同じである。
【0036】
上述した第2実施形態によれば、品質の悪い回線の場合に一時的に回線遅延が発生した場合であっても、動的にコピー転送多重度を設定するので、コピー転送多重度不足によるコピー性能低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施形態によるディスクアレイ装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー転送多重度決定処理を説明するためのフローチャートである。
【
図3】本第1実施形態によるディスクアレイ装置11での書き込み(Write)処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー要求転送起動処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本第1実施形態によるディスクアレイ装置11でのコピー要求転送処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】本第1実施形態によるディスクアレイ装置21でのコピー処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】回線遅延が小さい場合のコピー転送多重度の大小による比較を示す概念図である。
【
図8】回線遅延が大きい場合のコピー転送多重度の大小による比較を示す概念図である。
【
図9】本第2実施形態による転送多重度決定処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
1 プライマリサイト
2 セカンダリサイト
11 ディスクアレイ装置
111 キャッシュ
112 I/O処理部
113 転送手段
114 応答時間計測手段
115 多重度決定手段
116 制御メモリ
117 論理ディスク
12 ホスト
21 ディスクアレイ装置
211 受信手段
212 コピー手段
213 ステータス通知手段
214 キャッシュ
215 論理ディスク
22 ホスト