(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の動作モードは、無線通信機能を停止したスリープモード、使用周波数変更モードあるいは電源オフモードを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のモバイル無線通信機器。
前記条件は前記固有情報を受信したときの受信強度閾値および/または動作を許可された時間帯を含むことを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載のモバイル無線通信機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による実施形態によれば、無線LANアクセスポイント機能を有するモバイル無線通信機器が特定の無線LANアクセスポイントのビーコン到達エリアに進入すると、アクセスポイント機能の重複を回避するように動作モードを変更する。たとえば、電源オフ、外部ネットワークへの接続機能のオフ、スリープモード(無線機能の停止)あるいは無線通信周波数の変更などである。ビーコン到達エリアへの進入は、特定無線LANアクセスポイントのビーコンから固有情報、たとえばサービスセット識別子SSID(Service Set Identifier)や媒体アクセス制御(MAC)アドレスを認識することにより検知できる。以下、本発明の実施形態及び実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
1.システム構成
図1において、無線LANアクセスポイント101はアクセスルータ104を介してインターネット等の外部ネットワーク105に接続されている。モバイルルータ102は、3G、LTE(long Term Evolution)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等によって外部ネットワークに接続する機能を有し、無線LANアクセスポイント通信可能エリア103へ外から進入してきたものとする。
【0011】
モバイルルータ102は、無線LANアクセスポイント101のビーコンを受信することによって、無線LANアクセスポイント101のSSIDおよびMACアドレスを取得し、無線LANアクセスポイント通信可能エリア103への進入を検出する。この進入を検出することで、後述するように、モバイルルータ102は特定の動作を実行する。特定の動作とは、アクセスポイント機能の重複を回避するように動作モードを変更する。例えば、電源OFF、外部ネットワークに接続する機能をOFF、スリープ状態(無線機能の停止)、無線通信周波数の変更等である。
【0012】
図2に示すように、無線LANアクセスポイント101は、無線LANアンテナ110、無線LANインタフェース部111、制御部112、通信インタフェース部113、フラッシュリードオンリメモリ(Flach ROM)114およびランダムアクセスメモリ(RAM)56を含んでいる。無線LANアクセスポイント101は無線LANインタフェース部111および無線LANアンテナ110を通して端末側とビーコンやデータの送受信を行う。一例として、無線LANインタフェース部110は2.4GHz帯、5GHz帯の両方の規格に対応し、2.4GHz帯、5GHz帯のデータの同時処理が可能であるものとする。
【0013】
図3に示すように、モバイルルータ102は、無線LANアンテナ121、3Gアンテナ122、無線LANインタフェース部123、3Gインタフェース部124、制御部125、Flach ROM126およびRAM127を含んでいる。一例として、無線LANインタフェース部123は2.4GHz帯、5GHz帯の両方の規格に対応し、2.4GHz帯、5GHz帯のデータの同時処理が可能であるものとする。
【0014】
なお、
図2に示す制御部112および
図3に示す制御部125は、それぞれ図示しないメモリに格納されたプログラムをコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)上で実行することによる以下で説明する制御動作を実行することもできる。
【0015】
以下、一例として3G無線規格に対応したモバイルルータを用いて説明するが、3Gに限定するものではなく、LTEやWiMAX等、無線ネットワークを構成する様々な無線規格でも同様の効果が得られる。また、無線LANインタフェース部123は2.4GHz帯、5GHz帯の両方の規格に対応するが、どちらか片方でも、同様の効果が得られる。
【0016】
2.第1実施例
以下、本発明の第1実施例によるモバイルルータ102の動作制御について
図4および
図5を参照しながら説明する。
【0017】
2.1)登録情報
モバイルルータ102のFlach ROM114には、特定のアクセスポイントのSSID(固有情報)とそれに対応する動作モードとを示す動作モードテーブルが予め登録される。登録方法としては、たとえば
図4に例示するようなテーブルをモバイルルータ102のGUI(Graphical User Interface)に表示させて登録すればよい。
【0018】
図4を参照すると、SSID:SSID001に対してはスリープモード、SSID:SSID002 or SSID003に対しは電源OFFがそれぞれ登録されている。このようにSSIDは複数登録することも可能である。SSIDを複数登録する場合、本実施例では一例としてand、orを利用した条件式を用い、同時条件と排他条件を作成している。また、SSID:SSID004 and SSID005に対しは周波数変更=>7chが登録されている。スリープモードとは、例えば、3Gインタフェース部124の動作を停止し、無線LANインタフェース部123のビーコン受信間隔を最小限に抑えた状態をいう。周波数変更=>7chとは、無線LANの通信チャンネルを7chに変更する動作である。制御部125は、
図4に示すような動作テーブルを参照することで、検知したSSIDに応じて、動作モードをスリープモード/電源オフ/周波数変更に切り替えることができる。
【0019】
2.2)動作モード変更制御
図5において、まず、特定のアクセスポイントのSSIDとそれに対応する動作モードとからなる登録情報を上述したように入力することで、
図4に示すような動作モードテーブルをFlach ROM114に登録する(動作201)。
【0020】
続いて、無線LANインタフェース123は定期的にビーコンを受信し、周囲の無線LANアクセスポイントのブロードキャスト情報を取得する(動作202)。ビーコンには、無線LANアクセスポイントのSSID、MACアドレス等の情報が含まれている。制御部125は、取得したビーコンに含まれるSSIDと動作モードテーブルに登録されたSSIDとを比較し(動作203)、SSIDが一致するかどうかの確認を行う(動作204)。SSIDが一致しない場合(動作204;NO)、制御部125は動作の変更を実施せずに、動作202へ戻る。SSIDが一致すると(動作204;YES)、制御部125は一致したSSIDに対応する動作モードへ遷移するように無線LANインタフェース部123および3Gインタフェース部124を制御する(動作205)。電源オフ以外の動作モードでは、次の動作が継続される。
【0021】
スリープモードあるいは周波数変更モードのいずれかで動作しているときには、無線LANインタフェース123は定期的にビーコンを受信して周囲の無線LANアクセスポイントのSSIDを取得し(動作210)、制御部125は、取得したビーコンに含まれるSSIDと動作モードテーブルに登録されたSSIDとを比較し(動作211)、SSIDが一致するかどうかの確認を行う(動作212)。SSIDが一致すれば(動作212;YES)、対応する動作モードに遷移し(動作213)、電源オフ以外の動作モードであれば動作210へ戻り、動作210〜212が繰り返される。SSIDが一致しない場合(動作212;NO)、制御部125は現在の動作モードを通常モードに遷移させ(動作214)、上述した動作202へ戻る。
【0022】
2.3)効果
以上説明したように、本実施例によれば、以下に記載するような効果を奏する。
【0023】
第1の効果は無線LANアクセスポインとモバイルルータの無線通信機能の重複を防ぐことである。モバイルルータ等の無線通信機能を有する機器は、無線LANアクセスポイントのビーコンを受信し、ビーコンに含まれるSSIDまたはMACアドレスが、あらかじめモバイルルータ等の無線通信機能を有する機器に登録されたSSIDまたはMACアドレスと一致した場合、登録情報に応じて動作モードの変更を行い無線LANアクセスポインとの機能の重複を防ぐことができる。
【0024】
第2の効果はモバイルルータの消費電力を削減し、動作時間を延伸することである。上記動作モードの変更でスリープモードや電源OFF等の電力消費量低減モードに変更を行うことによって、消費電力の削減効果が得られる。
【0025】
第3の効果は無線通信の電波干渉を低減し、通信品質が改善することである。上記動作モードの変更で無線通信周波数の変更を行うことによって、無線通信機器間の電波干渉を低減する効果が得られる。
【0026】
2.4)変形例
本実施例では、一例として、モバイルルータおよび無線LANアクセスポイントを用いて説明したが、ビーコンを送出可能なすべての機器、また、ビーコンを受信し、SSIDまたはMACアドレス情報等の固有情報を取得可能なすべての機器に対して適用可能である。また、本実施例では、モバイルルータ等の無線機器の動作モードについてスリープモード、通信周波数変更=>7ch、電源OFFの3つの例を挙げたが、これに限定するものではない。モバイルルータ等の無線機器が遷移できるすべてのモードに対して、上記実施例を適用することが出来る。
【0027】
さらに、本実施例では無線LANアクセスポイントのビーコンに含まれるSSIDをトリガとしてモバイルルータ等の無線機器の動作モードの変更を実施しているが、SSIDではなくMACアドレスでも同様の効果が得られる。また、SSIDおよびMACアドレスの両方を認識して、動作モード変更のトリガとしても同様の効果が得られる。
【0028】
上記実施例では、無線LANアクセスポイントのSSIDをトリガとしてモバイルルータ等の無線機器の動作モードの変更を実施しているが、モバイルルータのビーコンに含まれるSSIDをトリガとして無線LANアクセスポイントが動作モードの変更を実施しても同様の効果が得られる。
【0029】
3.第2実施例
上述した第1実施例ではモバイルルータ102は、登録された無線アクセスポイントの固有情報(SSID等)を検出すると、それに対応した動作モードへ変更する制御が行われる。これに対して、本発明の第2実施例によれば、遷移のトリガとして、無線LANアクセスポイント101のビーコンの受信強度と、モバイルルータ102がビーコンを受信した時間帯とを追加する。以下、本発明の第2実施例によるモバイルルータ102の動作制御について
図6および
図7を参照しながら説明する。
【0030】
3.1)登録情報
モバイルルータ102のFlach ROM114には、特定のアクセスポイントのSSID(固有情報)とそれに対応する動作モードおよび動作条件を示す動作モードテーブルが予め登録される。登録方法としては、たとえば
図6に例示するようなテーブルをモバイルルータ102のGUI(Graphical User Interface)に表示させて登録すればよい。動作条件としては、本実施例では受信強度閾値と動作時間帯を採用している。
【0031】
たとえば、
図6において、SSID:SSID001に対してはスリープモード、受信強度閾値50以上、および動作時間帯は23:00〜6:00に設定されている。同様に、SSID:SSID002に対し、動作モードは電源OFF、受信強度閾値は10以下という内容が登録されている。SSID:SSID003に対し、動作モードは周波数変更=>7ch、受信強度閾値は30〜50、動作時間帯は8:00から17:00という内容が登録されている。受信強度は、無線LANアクセスポイントのビーコンをモバイルルータが受信した時の受信強度である。受信強度閾値は、モバイルルータ102が動作モードの変更を行うためのビーコンの受信強度の条件である。本実施例では、受信強度閾値をある単位(たとえばdBu)を持った数値で表現しているが、大、中、小等、抽象表現を用いて表してもよい。また、動作時間帯は、モバイルルータ102が動作モードの変更を行うことを許容する時間帯を示すパラメータである。
3.2)動作モード変更制御
【0032】
図7において、まず、特定のアクセスポイントのSSIDと、それに対応する動作モードと、ビーコンの受信強度閾値と、動作モードの変更を行う時間帯と、からなる登録情報を上述したように入力することで、
図6に示すような動作モードテーブルをFlach ROM114に登録する(動作301)。
【0033】
続いて、無線LANインタフェース123は定期的にビーコンを受信し、周囲の無線LANアクセスポイントのブロードキャスト情報(SSID、MACアドレス等の固有情報)とビーコンの受信強度を取得する(動作302)。
【0034】
制御部125は、現在の時間がSSID登録情報の動作時間帯に含まれているか否かを判断し(動作303)、現在の時間がSSID登録情報の動作時間帯に含まれない場合(動作303;NO)、通常の動作を続行する。SSID登録情報の動作時間帯に含まれる場合(動作303;YES)、受信したビーコンに含まれるSSIDとSSID登録情報とを比較し(動作304)、SSIDが一致するかどうかの確認を行う(動作305)。SSIDが一致しない場合(動作305;NO)、制御部125は、動作の変更を実施せず、通常の動作を続行する(動作309)。SSIDが一致する場合(動作305;YES)、制御部125はビーコンの受信強度とSSID登録情報の受信強度閾値とを比較する(動作306)。
【0035】
ビーコンの受信強度が受信強度閾値より大きい場合(動作307;YES)、制御部125は
図6に例示するSSID登録情報に基づき対応する動作モードへ遷移する(動作308)。ビーコンの受信強度が受信強度閾値以下であれば場合(動作307;NO)、制御部125は通常動作モードの変更を実施しない。尚、電源オフ以外の動作モードであれば、受信SSIDとSSID登録情報とが一致しない場合(動作305;NO)、またはビーコンの受信強度がSSID登録情報の受信強度閾値以下になった場合(動作307;NO)、通常動作モードへ復帰する(動作310)。
【0036】
なお、本実施例では、モバイルルータが動作モードの変更を行うトリガとして、無線LANアクセスポイントのビーコンの受信強度および受信時間帯の両方の条件を用いて説明したが、どちらか片方の条件のみ適用してもよい。
4.第3実施例
【0037】
本発明の第3実施例によれば、無線LANアクセスポイントが予め登録したモバイルルータの通信可能エリアにはいると、当該モバイルルータに対して動作モードの変更を促すビーコンフレームを送信する。以下、
図8〜
図10を参照しながら説明する。
【0038】
4.1)システム構成
図8において、無線LANアクセスポイント901はアクセスルータ904を介してインターネット等の外部ネットワーク905に接続されている。無線LANアクセスポイント901はモバイルルータ902のビーコン906を受信し、ビーコン906に含まれるSSIDと無線LANアクセスポイント901に予め登録されたモバイルルータのSSIDとが一致した場合、モバイルルータ902に対して動作の変更を促す。無線LANアクセスポイント901は動作モードの変更を促す拡張データを含むビーコンフレーム907を送信し、モバイルルータ902は拡張データを含むビーコンフレーム907を受信すると、拡張データの内容に従い動作モードの変更を実施する。なお、無線LANアクセスポイント901およびモバイルルータ902の基本的構成についての説明は、
図2および
図3を参照して説明した通りであるから省略し、機能的に異なっている点を以下で説明する。
【0039】
図9は本実施例で使用するビーコンフレームの一例である。
図9に示すように、ビーコンフレームはPLPCプリアンブルA01、PCLPヘッダA02、IEEE802.11ヘッダA03、データA04、フレームチェックシーケンスA05から構成される。PLPCプリアンブルA01およびPCLPヘッダA02は、同期信号、変調方式、データ長等の情報を含む物理ヘッダである。IEEE802.11ヘッダA03とデータA04とフレームチェックシーケンスA05はIEEE802.11ヘッダと実際のデータおよびFCS(Frame Check Sequence)から構成されるMACフレームである。
【0040】
本実施例では、例えば、IEEE802.11ヘッダA03に拡張データA07を付属させるものとする。拡張データA07には、モバイルルータの動作モード情報およびSSIDまたはMACアドレスが含まれている。尚、本実施例では、一例として、IEEE802.11ヘッダA03に拡張データA07を付属させたが、付属先を制限するものではない。ビーコンフレーム内に拡張データが存在すれば、本実施例を実現することが可能である。
4.2)動作モード変更制御
【0041】
図10を参照すると、無線LANアクセスポイント901に特定のモバイルルータのSSIDと、そのSSIDが含まれるビーコンを取得した際のモバイルルータ902の動作モードをFlash ROM114に登録する(動作910)。登録方法および動作モードテーブルの形式は上述した実施例と同様であるから説明は省略する。
【0042】
無線LANアクセスポイント901の無線LANインタフェース部111は定期的にビーコンを受信し、周囲のアクセスポイントのブロードキャスト情報を取得する(動作911)。受信したビーコンに含まれるSSIDとSSID登録情報を比較し(動作912)、SSIDが一致するかどうかの確認を行う(動作913)。SSIDが一致しない場合(動作913;NO)、制御部112は通常のビーコンフレームを送信する(動作914)。
【0043】
SSIDが一致すれば(動作913;YES)、制御部112は無線LANインタフェース部111を制御し、モバイルルータ902に対して動作モード変更を促す拡張データを含むビーコンフレームを送信する(動作915)。
【0044】
モバイルルータ902は動作モード変更を促す拡張データを含むビーコンフレームを受信すると(動作915)、モバイルルータ902の制御部125は、拡張データの内容に従い動作モードをスリープモード/周波数変更/電源オフ等に変更する(動作916)。
【0045】
なお、無線LANアクセスポイント901とモバイルルータ902の動作を入れ替えて、モバイルルータ902が無線LANアクセスポイント901へ動作変更を促してもよい。
【0046】
5.第4実施例
上述した第1〜第3実施例では、ビーコンに含まれるSSIDまたはMACアドレス等の固有情報を検出することで、モバイルルータの動作モードが別のモードに遷移する方法を提案した。本発明はこれらに限定されるものではなく、無線LANアクセスポイントが送信するビーコンに含まれる暗号化方式の設定情報を時間軸上で変化させ、モバイルルータはその変化パターンを検出することによって動作モードを別のモードへ遷移することもできる。以下、この例を本発明の第4実施例として説明する。
【0047】
図11(A)に示すように、無線LANアクセスポイントより100msの間隔でビーコンが送出されているものとする。横軸は時間、縦軸はビーコンの電界強度である。無線LANアクセスポイントはビーコン毎に暗号化方式の情報を変更して送出する。例えば、
図12(B)に示すように、ビーコンB1にして暗号化方式”WEP”、ビーコンB2に対して暗号化方式”WPA1-PSK(TKIP)”、ビーコンB3に対して暗号化方式”WPA1-PSK(AES)”、ビーコンB4に対して暗号化方式”WPA2-PSK(TKIP)”、ビーコンB5に対して暗号化方式”WPA2-PSK(AES)”をそれぞれ設定して送出する。モバイルルータはビーコンB1からビーコンB5までの暗号化方式の情報を取得し、暗号化方式の変更パターンを認識する。例えば、“WEP”、”WPA1-PSK(TKIP)”、”WPA1-PSK(AES)”、”WPA2-PSK(TKIP)”、”WPA2-PSK(AES)”という順序で暗号化方式の情報を認識した場合、モバイルルータはスリープモードへ遷移する。
【0048】
なお、ビーコンに含まれる暗号化方式の情報が変化すればよいので、データ部には実際に暗号化がかかっていなくても同様の効果が得られる。また、本実施例では、5つのビーコンを利用して暗号化方式の変更パターンを形成したが、パターンを作成するビーコン数に制限はない。また、パターンを形成する暗号化方式の種類についても制限はない。また、一例として、モバイルルータを用いて説明したが、ビーコンを送出可能なすべての機器、また、ビーコンを受信し暗号化方式の情報を取得可能なすべての機器に対しても同様に適用可能である。また、一例として、モバイルルータがスリープモードに遷移する動作を説明したが、遷移する動作はスリープモードに限定するものではなく、上述した実施例やその他モバイルルータ等の無線機器が遷移可能なすべての状態が対象となる。
【0049】
4.付記
上述した実施形態の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
(付記1)
無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントとして動作可能なモバイル無線通信機器であって、
無線通信手段と、
複数の無線LANアクセスポイントのそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納する格納手段と、
前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードに前記無線通信手段を遷移させる制御手段と、
を有し、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とするモバイル無線通信機器。
(付記2)
前記複数の固有情報の1つあるいは2つ以上の組み合わせと前記動作モードの1つとが対応づけられていることを特徴とする付記1に記載のモバイル無線通信機器。
(付記3)
前記複数の動作モードは、無線通信機能を停止したスリープモード、使用周波数変更モードあるいは電源オフモードを含むことを特徴とする付記1または2に記載のモバイル無線通信機器。
(付記4)
前記登録情報は、各動作モードを実行するための条件を含むことを特徴とする付記1−3のいずれか1項に記載のモバイル無線通信機器。
(付記5)
前記条件は前記固有情報を受信したときの受信強度閾値および/または動作を許可された時間帯を含むことを特徴とする付記1−4のいずれか1項に記載のモバイル無線通信機器。
(付記6)
無線LAN(Local Area Network)システムにおける無線LANアクセスポイントであって、
無線LANアクセスポイントとして動作可能な複数のモバイル無線通信機器のそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納する格納手段と、
前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードを示す情報を当該固有情報を送信したモバイル無線通信機器に対して送信し、当該モバイル無線通信機器の動作モードを遷移させる制御手段と、
を有し、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とする無線LANアクセスポイント。
(付記7)
前記複数の固有情報の1つあるいは2つ以上の組み合わせと前記動作モードの1つとが対応づけられていることを特徴とする付記6に記載の無線LANアクセスポイント。
(付記8)
前記複数の動作モードは、無線通信機能を停止したスリープモード、使用周波数変更モードあるいは電源オフモードを含むことを特徴とする付記6または7に記載の無線LANアクセスポイント。
(付記9)
前記登録情報は、各動作モードを実行するための条件を含むことを特徴とする付記6−8のいずれか1項に記載の無線LANアクセスポイント。
(付記10)
前記条件は前記固有情報を受信したときの受信強度閾値および/または動作を許可された時間帯を含むことを特徴とする付記6−9のいずれか1項に記載の無線LANアクセスポイント。
(付記11)
前記動作モードを示す情報は、ビーコンフレームに格納された拡張データあるいは複数の周期的なビーコンに乗せられた複数の暗号化方式の時系列パターンにより送信されることを特徴とする付記6−10のいずれか1項に記載の無線LANアクセスポイント。
(付記12)
無線LAN(Local Area Network)システムであって、
複数の無線LANアクセスポイントのそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納したモバイル無線通信機器が、前記固有情報を検出した時に、当該固有情報に対応する動作モードに遷移し、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とする無線LANシステム。
(付記13)
無線LAN(Local Area Network)システムであって、
無線LANアクセスポイントとして動作可能な複数のモバイル無線通信機器のそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納した無線LANアクセスポイントが、前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードを示す情報を当該固有情報を送信したモバイル無線通信機器に対して送信し、
前記モバイル無線通信機器が前記動作モードを示す情報に従って動作モードを遷移し、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードである ことを特徴とする無線LANシステム。
(付記14)
無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントとして動作可能なモバイル無線通信機器の制御方法であって、
複数の無線LANアクセスポイントのそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納手段に格納し、
前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードに無線通信手段を遷移させ、
前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とするモバイル無線通信機器の制御方法。
(付記15)
無線LAN(Local Area Network)システムにおける無線LANアクセスポイントの制御方法であって、
無線LANアクセスポイントとして動作可能な複数のモバイル無線通信機器のそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納手段に格納し、
前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードを示す情報を当該固有情報を送信したモバイル無線通信機器に対して送信し、
前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とする無線LANアクセスポイントの制御方法。
(付記16)
無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントとして動作可能なモバイル無線通信機器としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
複数の無線LANアクセスポイントのそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納手段に格納する機能と、
前記固有情報を検出すると、無線通信手段を当該固有情報に対応する動作モードに遷移させる機能と、
を前記コンピュータに実現させ、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とするプログラム。
(付記17)
無線LAN(Local Area Network)システムにおける無線LANアクセスポイントとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、
無線LANアクセスポイントとして動作可能な複数のモバイル無線通信機器のそれぞれの固有情報と複数の動作モードとを対応づけた登録情報を格納手段に格納する機能と、
前記固有情報を検出すると、当該固有情報に対応する動作モードを示す情報を当該固有情報を送信したモバイル無線通信機器に対して送信する機能と、
を前記コンピュータに実現させ、前記複数の動作モードが無線LANアクセスポイントの重複を回避する動作モードであることを特徴とするプログラム。