【文献】
Renesas Mobile Europe,Discussion on RACH based solution and Timing difference based solution[online],3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113015,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113015.zip>,2011年 5月 2日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の送信および前記第2の送信が重畳するものと判定する工程が、前記第1の送信のn番目のサブフレームのOFDMシンボル長の少なくとも一部が前記第2の送信のn+1番目のサブフレームのOFDMシンボル長と重畳するものと判定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記判定に応答して少なくとも前記第1または第2の送信の電力を低減する工程が、非優先的な送信の電力低減に先立って、前記第1または第2の送信を優先させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記電力を低減する工程が、前記第1の送信のn番目のサブフレームの第1のスロットに対応した第1の時間にわたって電力を低減する工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
前記論理回路が、前記第1の送信のn番目のサブフレームのOFDMシンボル長の少なくとも一部が前記第2の送信のn+1番目のサブフレームのOFDMシンボル長と重畳するものと判定することによって、前記第1の送信および前記第2の送信が重畳するものと判定する、請求項9に記載の装置。
前記論理回路が、非優先的な送信の電力低減に先立って、前記第1または第2の送信を優先させることにより、少なくとも前記第1または第2の送信の電力を低減する、請求項10に記載の装置。
前記第1または第2の送信に電力バックオフを適用する指示を含む制御情報を電力バックオフが適用されない周波数において送信する送信機をさらに備える、請求項9、10、または11に記載の装置。
前記論理回路が、前記第1の送信のn番目のサブフレームの第1のスロットに対応した第1の時間にわたって電力を低減することにより電力低減を行う、請求項9または10に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
基地局のサービスエリア拡張のため、リモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)が利用されている。次世代の移動体通信システムは、キャリアアグリゲーションの動作の一部として、RRH展開周波数のキャリアアグリゲーションにも対応する。また、キャリアアグリゲーションによって、ユーザ側ではデータレートが向上する。キャリアアグリゲーションにおいては、複数のキャリア周波数(「コンポーネントキャリア」)上でユーザ機器(UE:User Equipment)とのデータ送受信を行う。このような帯域幅の拡張により、データレートの向上が可能である。
【0003】
UEには、一連のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を設定可能である。具体的には、UEに各コンポーネントキャリア上のセルを設定して、これらセルの一部をアクティブ化するようにしてもよい。そして、アクティブ化セルを用いてデータの送受信が可能である(すなわち、アクティブ化セルを用いてスケジューリングが可能である)。複数CCのアグリゲーションが必要な場合(たとえば、大きなデータバーストの場合等)、ネットワークは、1または複数のCC上の設定セルをアクティブ化可能である。プライマリCCと称するCC上には、指定されたプライマリセル(Pcell)が存在しており、これは常にアクティブ化される。その他の設定セルは、Scellと称する(その対応するCCは、セカンダリCCと称する)。
【0004】
RRHは、基地局が使用する周波数とは異なる周波数で展開され、その周波数でホットスポットのようなサービスエリアを提供する。このようなホットスポットに存在するユーザ機器(UE)は、基地局が使用する周波数およびRRHが使用する周波数のキャリアアグリゲーションを行うため、それに対応したスループットの利益を享受できる。ただし、RRHは、高位レイヤー処理やスケジューリング等の標準的な基地局機能を実装していない。RRHが送信するベースバンド信号は、基地局で生成され、高速有線接続(たとえば、光接続等)によりRRHに伝送される。このため、RRHは、高速接続を有する基地局の遠隔アンテナユニットとして機能する。
【0005】
基地局101、RRH102、およびUE103を
図1に示す。当然のことながら、基地局101とRRH102との間には非無線接続104が存在する。UE103に対しては、基地局101およびRRH102の両者から送信が行われる。ただし、基地局101からの送信周波数は、RRH102からの送信周波数とは異なる。
【0006】
RRHが存在することにより、(基地局から基地局信号を直接受信することに加えて)UEが基地局信号を受信可能な追加の物理的位置が提供される。また、基地局とRRHとの間の通信には遅延が生じている。この遅延により、UEは、基地局が使用する周波数およびRRHが使用する周波数において、大きく異なる伝搬遅延を認識することになる。その結果、これら2つの周波数に対して、異なるタイミングアドバンスを適用する必要がある。
【0007】
基地局は、UEにタイミングアドバンスを割り当てることにより、基地局のダウンリンク送信の開始と同時に、UEからのアップリンク送信が基地局で受信されるようにする(アップリンクのサブフレーム境界の受信をダウンリンクのサブフレーム境界の送信に合わせる)。さらに、基地局は、(伝搬遅延に基づいて)異なるUEに異なるタイミングアドバンスを割り当てることにより、各UEからのアップリンク送信が同時に受信されるようにする。
【0008】
単一のタイミングアドバンスを用いたキャリアアグリゲーション(すなわち、関与するすべてのアップリンクCCが同じタイミングアドバンスを使用)の場合、アップリンク送信は、時間的に整合が図られる。ただし、RRHが存在する場合、この前提は無効となる。
【0009】
図2は、2つの周波数のダウンリンク送信とアップリンク送信との間の時間的関係を示している。具体的には、周波数1(F1)のダウンリンク(DL)送信(Tx)をサブフレーム201として、F1のDL受信(Rx)をサブフレーム202として、F1のUL Txをサブフレーム203として、F1のUL Rxをサブフレーム204としてそれぞれ示している。同様に、F2のDL Txをサブフレーム205として、F2のDL Rxをサブフレーム206として、F2のUL Txをサブフレーム207として、F2のUL Rxをサブフレーム208としてそれぞれ示している。
【0010】
基地局101は、F1およびF2のアップリンク送信が同時に受信されるように試行しているものとする。RRH102によるF2の送信は(アップリンクおよびダウンリンクともに)、ファイバ接続104を通した送信および関連するRRH処理によって、遅延が付加されている。この付加的な遅延は、30マイクロ秒にもなる。
図2に示すように、F2アップリンクがF1アップリンクと同時に基地局へ到達するためには、F2の送信に対してUEが適用するタイミングアドバンスによって、ファイバおよびRRH処理による遅延を補償する必要がある。
【0011】
結果として、F1およびF2のアップリンクのサブフレーム203、204、207、および208は、時間的に整合しなくなる。
図2において、F2アップリンクのサブフレーム207は、F1アップリンクのサブフレーム203より前に開始する。具体的には、F1アップリンクのサブフレームn−1の最後のシンボルが、F2アップリンクのサブフレームnの最初のシンボルと重畳する。UEがF1のサブフレームn−1およびF2のサブフレームnの両者で送信を行う必要がある場合、F1のサブフレームn−1の最後のシンボルまたはF2のサブフレームnの最初のシンボルの送信に利用可能な電力は、制限される場合がある。たとえば、UEは、マクロセルの縁部に存在する場合、シンボル重畳時に必要な電力がSAR上限を超えることがあるため、所要電力で送信できない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
熟練の技術者には当然のことながら、図面中の各要素は、簡単化および明瞭化を目的としており、必ずしも縮尺通りに描いたものではない。たとえば、本発明の種々実施形態の理解を深めるため、図面中の一部の要素の寸法および相対位置、あるいは図面中の一部の要素の寸法または相対位置は、他の要素よりも誇張している場合がある。また、これら本発明の種々実施形態が遮られることのないように、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要となる一般的で十分理解された要素については、図示していない場合が多い。さらに、当然のことながら、特定の動作および工程、あるいは特定の動作または工程は、特定の順序で記述または図示している場合があるものの、当業者であれば、順序に関するそのような具体性が実際には不要であることが理解されよう。また、当業者であれば、「回路」等の特定の実施形態の表現が、持続性コンピュータ可読メモリに格納されたソフトウェア命令を実行する汎用演算装置(たとえば、CPU等)または特殊処理装置(たとえば、DSP等)によっても同等に可能であることが認識されよう。さらに、当然のことながら、本明細書中で使用する用語および表現は、特定の異なる意味が本明細書中において別途規定されていない限り、上記技術分野の当業者が使用する用語および表現に適した通常の技術的意味を有する。
【0015】
上述の要求を解決するため、本明細書においては、重畳送信に対する電力割り当て方法および装置を提供する。ユーザ機器は、その動作時に、様々な周波数における単一の基地局への送信が重畳するか否かを判定する。重畳する場合は、1つの周波数の少なくとも1つの送信に対して電力バックオフを行うものとする。周波数の重畳時には少なくとも1つの送信の電力が低減されることになるため、重畳シンボルにおける送信電力がSAR上限を超えることはない。
【0016】
ここで、図面を参照して、類似の構成要素には類似の符号を付している。
図3は、ユーザ機器300のブロック図である。図示のように、ユーザ機器300は、論理回路301、受信回路302、および送信回路303を備えている。論理回路301は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、汎用マイクロプロセッサ、プログラマブル論理デバイス、または特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を備えており、送信機303および受信機302のアクセスおよび制御に利用する。受信回路302および送信回路303は、周知の通信プロトコルを用いる通信技術分野で一般的な回路であり、メッセージの送受信手段として機能する。
【0017】
ユーザ機器300は、上述のようにキャリアアグリゲーションを行うものであってもよい。より具体的に、UE300は、RRH展開周波数のキャリアアグリゲーションに対応している。このため、UE300は、様々な周波数で基地局101と同時に通信可能となる。
【0018】
上述の通り、UE300がF1のサブフレームn−1およびF2のサブフレームnの両者で送信を行う必要がある場合、F1のサブフレームn−1の最後のシンボルまたはF2のサブフレームnの最初のシンボルの送信に利用可能な電力は、制限される場合がある。たとえば、UE300は、マクロセルの縁部に存在する場合、重畳シンボルにおける送信電力がSAR上限を超えることがある。これらの問題に対処するため、論理回路301は、F1およびF2の送信におけるあらゆる重畳を監視する。重畳の状態が検出された場合は、論理回路301により、1つの周波数の少なくとも1つの送信に対して電力バックオフを行うものとする。
【0019】
有意な重畳が存在する場合の重畳シンボルにおける電力バックオフ
F2のサブフレームn+1の最初のシンボルと重畳する場合に、F1のサブフレームnの最後のシンボルにおいてUE300が適当な電力を送信できないものとすると、これら2つの送信の一方に電力バックオフを適用する必要がある。この場合、受信機302は、サブフレームnにおけるF1アップリンク送信のアップリンク許可およびサブフレームn+1におけるF2アップリンク送信のアップリンク許可を受信する。その後、論理回路301は、F1およびF2の送信が重畳するシンボルを決定するとともに、所要の組み合わせ送信電力が割り当て可能な電力を超えているか否かを判定する。送信電力が上限を超えている場合、論理回路301は、F1またはF2(もしくは両者)の所要電力バックオフを決定する。その後、論理回路301は、重畳シンボルでのみ、F1またはF2(もしくは両者)に電力バックオフを適用する。
【0020】
この様子を
図4に示す。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(401)とともに、F1のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(402)。また、UEは、F2のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(411)とともに、F2のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(412)。F1のサブフレームnの最後のOFDMシンボル(403)は、F2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボル(413)と重畳する。F1は、優先キャリアである。重畳期間における所要総送信電力は、最大許容送信電力を超える。点線421は、F1のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。点線431は、F2のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。UEは、F2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボルにおいて電力バックオフを適用する(432)。
【0021】
キャリアの優先および他のキャリアへのバックオフの適用
論理回路301は、以下のようないくつかの基準に基づいて、F1またはF2のいずれかに電力バックオフを優先可能である。
・サブフレームの最後のシンボルにおいてUEがサウンディング基準信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信している(設定のある場合)。SRSの送信電力を低減すると、基地局が、アップリンクリソース割り当てサイズの増加等の動作を行うことができるようになる。このため、UE300は、F1のサブフレームnの最後のシンボルでSRSを送信するように設定されている場合、F2アップリンク送信にのみ電力バックオフを適用可能である。
・同様に、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)ペイロードを搬送するシンボルの電力を低減すると、悪影響が出る可能性がある。このため、ユーザ機器300は、F1またはF2のサブフレームnにおいてPUCCHを送信するように構成されており、PUCCHを搬送していないアップリンク送信に対してのみ電力バックオフを適用可能である。
・F1およびF2ともに、重畳サブフレームにおいて重要な信号を搬送する場合がある。たとえば、UEは、F1のバンド1のすべてのCCおよびF2のバンド2のすべてのCCについてPUCCHを送信するように構成されていてもよいし、F1においてPUCCHを送信し、F2においてアップリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を含む物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を送信するように構成されていてもよい。そして、論理回路301は、たとえばF2において、これら2つの信号の一方に電力バックオフを適用可能であるとともに、F2の信号にバックオフが適用済みである旨をF1の信号を介してネットワークに示すことができる。たとえば、ユーザ機器300は、F1のサブフレームnおよびF2のサブフレームn+1においてPUCCHを送信するように構成されている場合、F2のサブフレームn+1の最初のシンボルに電力バックオフを適用可能であるとともに、サブフレームn+1の最初のシンボルに電力バックオフが適用済みである旨をF1のPUCCHにおいてネットワークに示すことができる。
【0022】
単一のシンボル重畳発生時におけるサブフレーム全体への電力バックオフ適用
別のオプションでは、2つのシンボル間に単一のシンボル重畳がある場合でも、F1およびF2の同時送信に対して電力バックオフを適用する。受信機302がサブフレームnにおけるF1アップリンク送信のアップリンク許可およびサブフレームn+1におけるF2アップリンク送信のアップリンク許可を受信している場合、論理回路301は、F1およびF2の送信が重畳する一つのシンボルを決定するとともに、所要の組み合わせ送信電力が割り当て可能な電力(閾値電力)を超えているか否かを判定する。閾値電力を超えている場合、論理回路301は、(重畳が単一のシンボルのみであっても)F1およびF2の同時送信に必要な電力バックオフを適用する。すなわち、ユーザ機器300は、F1のサブフレームnとF2のサブフレームn+1との時間的整合が厳密に図られているかのように動作する。
【0023】
スロット境界における電力変更
サブフレーム全体(C)に電力バックオフを適用するのは非効率である。一方、重畳シンボルにのみ電力バックオフを適用すると、基地局における復号が難しくなる可能性がある(重畳シンボルにのみ電力バックオフを適用すると、重畳シンボルの送信電力がサブフレームのその他のシンボルと異なってしまう)。そこで、重畳シンボルを含むスロットに電力バックオフを適用すると都合が良い。各スロットに復調基準シンボル(DMRS:Demodulation Reference Symbol)の送信が含まれるものとすると、基地局300では、アップリンク送信をより確実に復号可能である。
【0024】
重畳シンボルを含むスロットへの電力バックオフの適用を
図5に示す。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(501)とともに、F1のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(502)。また、UEは、F2のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(511)とともに、F2のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(512)。F1のサブフレームnの最後のOFDMシンボル(503)は、F2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボル(513)と重畳する。F1は、優先キャリアである。重畳期間における所要総送信電力は、最大許容送信電力を超える。点線521は、F1のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。点線531は、F2のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。UEは、F2のサブフレームn+1の最初のスロットにおいて電力バックオフを適用している(532)が、F2のサブフレームn+1の2番目のスロットにおいては電力バックオフを適用していない(533)。
【0025】
遷移期間のシフト/変更
UE300は、連続するスロット間に「遷移期間」を設けて電力を調整することができる。リソース割り当ては2つのスロットで異なる場合があるため、スロット境界における電力調整が必要である。遷移期間を利用して、電力を所要レベルに調整(増減)する。遷移期間は通常、スロット境界前後の短時間である(たとえば、スロット境界の前後20マイクロ秒で、合計40マイクロ秒である)。
【0026】
遷移期間は、以下のように適応可能である。
1.受信機302は、サブフレームnにおけるF1アップリンク送信のアップリンク許可およびサブフレームn+1におけるF2アップリンク送信のアップリンク許可を受信する。
2.論理回路301は、F1およびF2の送信が重畳する重畳期間を決定する。
3.論理回路301は、重畳期間を遷移期間と見なす。2つのキャリアの場合、両キャリアの一方の遷移期間をシフト可能である。TAが大きい方のキャリアのサブフレーム開始時における遷移期間は、当該サブフレームの最初のシンボルに含まれるように後倒しされる(あるいは、TAが小さい方のキャリアのサブフレーム終了時における遷移期間は、当該サブフレームの最後のシンボルに含まれるように前倒しされる)。重畳するシンボルに含まれるように遷移期間をシフトすると、ユーザ機器300は、柔軟な電力調整が可能となる(遷移期間中にUEが電力を変化させるものとする)。したがって、この手法により、ユーザ機器300は、電力バックオフを一切適用することなく重畳期間を取り扱い可能となる。
【0027】
図6は、遷移期間の電力調整動作を示す図である。UEは、サブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(601)とともに、サブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(602)。UEの送信リソースは、サブフレームの最初のスロットから2番目のスロットへと変化し得る。UEは、遷移期間中の各サブフレームのスロット1からスロット2への遷移において送信電力を調整する(611)。点線621は、サブフレームnおよびn+1に跨る送信電力の変動を表している。
【0028】
図7は、上述の問題を有効に解決するための遷移期間の適用を示す図である。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(701)とともに、F1のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(702)。また、UEは、F2のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(711)とともに、F2のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(712)。F1のサブフレームnの最後のOFDMシンボルは、F2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボルと重畳する(713)。F1は、優先キャリアである。重畳期間における所要総送信電力は、最大許容送信電力を超える。点線721は、F1のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。点線731は、F2のサブフレームnおよびn+1に跨る電力の時間変動を表している。期間722は、F1の遷移期間を表している。また、期間732、733、および735は、F2の元の遷移期間を表している。UEは、元の遷移期間733を新たな遷移期間734にシフトして、当該新たな遷移期間がF2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボルと重畳するようにする(713)。
【0029】
非優先CCの最初/最後のシンボルのパンクチャリング
1.論理回路301は、送信を行うアップリンクCCの中から、優先コンポーネントキャリアを決定する。この優先CCは、プライマリCCまたは物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を搬送するCCであってもよい。また、アップリンク制御情報(UCI)を含むPUSCHを搬送するCCも可能である。UEは、サブフレームに対して、優先CCに必要な電力を割り当てる。
2.非優先CCでの送信の場合、論理回路301は、以下のようにシンボルのパンクチャリング(すなわち、ゼロ送信電力の使用)を送信機303に指示する。
a.非優先CCのタイミングアドバンス(TA)が優先CCのTAより大きい場合は、非優先CCの最初のシンボルをパンクチャリングする。
b.非優先CCのTAが優先CCのTAより小さい場合は、非優先CCの最後のシンボルをパンクチャリングする。
注)上記「a」「b」を行うのは、非優先CCの最初/最後のシンボルにおける所要総電力が最大許容送信電力を超える場合のみである。
【0030】
シンボルのパンクチャリングを
図8に示す。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(801)とともに、F1のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(802)。また、UEは、F2のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(811)とともに、F2のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(812)。さらに、UEは、F3のサブフレームnにおいてアップリンク許可を受ける(821)とともに、F3のサブフレームn+1においてもアップリンク許可を受ける(822)。F1のサブフレームnの最後のOFDMシンボル(803)は、F2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボル(813)と重畳する。F2のサブフレームnの最後のOFDMシンボルは、F3の最初のOFDMシンボル(823)と重畳する。F2は、優先キャリアである。重畳期間における所要総送信電力は、最大許容送信電力を超える(861)。キャリアF1のタイミングアドバンスは、キャリアF2のタイミングアドバンスよりも小さい。このため、UEは、F1のサブフレームnの最後のOFDMシンボル(803)をパンクチャリング可能である。また、キャリアF3のタイミングアドバンスは、キャリアF2のタイミングアドバンスよりも大きい。このため、UEは、キャリアF3のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボル(823)をパンクチャリング可能である。
【0031】
非優先周波数における利用可能電力の割り当て
1.論理回路301は、送信を行うアップリンクCCの中から、優先CCを決定する。この優先CCは、プライマリCCまたはPUCCHを搬送するCCであってもよい。また、UCIを含むPUSCHを搬送するCCも可能である。さらには、TA値が最小のCCも可能である。そして、論理回路301は、サブフレームに対して、優先CCに必要な電力を割り当てる。
【0032】
2.各非優先CCiのサブフレームnの最初のスロットを送信する場合、論理回路301は初めに、コンポーネントキャリアの所要電力を決定する。送信電力P
cc(i)は、以下のように演算する。
a.CCiのTAが優先CCのTAより大きい場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームnの最初のスロットにおいて必要な電力である。
b.CCiのTAが優先CCのTA以下の場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームn−1の2番目のスロットにおいて必要な電力およびCCiのサブフレームnの最初のスロットにおいて必要な電力のうちの大きい方である。
【0033】
3.各非優先CCiのサブフレームnの2番目のスロットを送信する場合、論理回路301は初めに、CCiの所要電力を決定する。P
cc(i)は、以下のように演算する。
a.CCiのTAが優先CCのTAより大きい場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームn+1の最初のスロットにおいて必要な電力およびCCiのサブフレームnの2番目のスロットにおいて必要な電力のうちの大きい方である。
b.CCiのTAが優先CCのTA以下の場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームnの2番目のスロットにおいて必要な電力である。
【0034】
なお、上記方法では、サブフレームn+1において必要な電力とサブフレームnにおいて必要な電力とを比較して最終的な電力割り当てを決定する必要がある。このため、ユーザ論理回路301は、事前に(すなわち、「ルックアヘッド」で)サブフレームn+1におけるUL許可を考慮する必要がある。
【0035】
非優先CCにおいて利用可能電力を割り当てる別の方法
1.論理回路301は、送信を行うアップリンクCCの中から、優先CCを決定する。この優先CCは、プライマリCCまたはPUCCHを搬送するCCであってもよい。また、UCIを含むPUSCHを搬送するCCも可能である。さらには、TA値が最小のCCも可能である。UEは、サブフレームに対して、優先CCに必要な電力を割り当てる。
【0036】
2.各非優先CCiのサブフレームnの最初のスロットを送信する場合、論理回路301は初めに、P
cc(i)を決定する。すべてのP
cc(i)を演算した後、論理回路301は、異なるCCごとに重みを割り当てることにより、非優先CCに利用可能電力を配分する(たとえば、P
cc(i)に比例して利用可能電力を配分する)。P
cc(i)は、以下のように演算する。
a.CCiのTAが優先CCのTAより大きい場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームnの最初のスロットにおいて必要な電力である。
b.CCiのTAが優先CCのTA以下の場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームn−1の2番目のスロットにおいて必要な電力およびCCiのサブフレームnの最初のスロットにおいて必要な電力のうちの大きい方である。
【0037】
3.各非優先CCiのサブフレームnの2番目のスロットを送信する場合、論理回路301は初めに、P
cc(i)を決定する。すべてのP
cc(i)を演算した後、UEは、異なるCCごとに重みを割り当てることにより、非優先CCに利用可能電力を配分する(たとえば、P
cc(i)に比例して利用可能電力を配分する)。P
cc(i)は、以下のように演算する。
a.CCiのTAが優先CCのTAより大きい場合、P
cc(i)は、所定の電力値である。たとえば、この所定の電力値としては、CCiのP
cmax,cが可能である。
b.CCiのTAが優先CCのTA以下の場合、P
cc(i)は、CCiのサブフレームnの2番目のスロットにおいて必要な電力である。
【0038】
なお、上記方法では、最終的な電力割り当てを決定するのに、サブフレームn+1において必要な電力とサブフレームnにおいて必要な電力とを比較する必要がない。
非優先CCにおいて利用可能電力を割り当てる別の方法
論理回路301によるCCへの電力割り当ては、それぞれの送信時間の順で行うことも可能である。すなわち、サブフレームnの場合は、TAが最大のCC(アップリンク送信のスケジューリング済みの場合)に必要な電力が割り当てられる。その後、TAが2番目のCCに必要な電力が割り当てられ、以下同様である。
【0039】
ネットワークへの電力バックオフの通知
電力バックオフの適用は、少なくとも一部の通信に対して、UEがネットワーク側の期待よりも低い電力を割り当てたことを意味する。そこで、ネットワークに対して、UEでの電力制限を通知すると都合が良い。これにより、ネットワークは、重畳を回避するスケジューリングを行ったり、重畳発生時に適切なリソース割り当てを行ったりすることができる。基地局に対してUEでの電力制限を通知するメカニズムは、電力ヘッドルームレポート(PHR:Power Headroom Reporting)手順である。
【0040】
現行の電力ヘッドルーム演算手順では、アップリンクのサブフレームが揃っていることを前提とする。上記概説のように一部が重畳する場合(F1のサブフレームnの最後のシンボルがF2のサブフレームn+1の最初のシンボルと重畳する場合)、この方法で演算したPHは誤りとなる。
【0041】
PHRの演算は、関与する送信の種類に応じて若干異なる。PUSCHのみを送信するタイプ1のPHRを例に挙げると、電力ヘッドルームの演算は以下の通りである。
PH
type1,c(i)=P
CMAX,c(i)-{10log
10(M
PUSCH,c(i))+P
O_PUSCH,c(j)+α
c(j)・PL
c+Δ
TF,c(i)+f
c(i)}
ここで、P
CMAX,c(i)はコンポーネントキャリアの最大許容電力であり、{}内の項は、割り当てられたアップリンク許可に従ってトランスポートブロックを送信するのに要する電力を表す。
【0042】
図9は、電力ヘッドルーム演算の時系列を示す図である。電力ヘッドルームレポートは、901で開始する。UEは、F1のサブフレーム902およびF2のサブフレーム903においてアップリンク許可を受ける。対応する許可使用サブフレームn+4は、それぞれF1およびF2においてリソース割り当て904および905を有する。また、UEは、サブフレーム906においてもアップリンク許可を受け、対応する許可使用サブフレームn+5は、リソース割り当て907を有する。許可使用サブフレーム904および905に基づく電力ヘッドルームレポートでは、リソース割り当て904における送信と重畳するリソース割り当て907の部分における送信に必要な電力を考慮しない。
【0043】
PHRが開始となって、特定のCCがアップリンク許可を有していない場合、UEは、所定のパラメータを用いて{}内の項(基準許可としても知られている)を演算する必要がある。これは、F1のサブフレームnおよびF2のサブフレームn+1の重畳シンボルにおける電力制限を反映しない電力ヘッドルーム演算となる。たとえば、
図3のシナリオについて考えると、この場合は(たとえば、F1のダウンリンク経路損失の変化のため)サブフレームnに基づいてPHRが送信されることになる。UEは、サブフレームnにおけるアップリンク許可に基づいてF1のPHを演算するが、F2のサブフレームnにおいてはUL許可を有していないため、基準許可を用いてF2のPHを演算する。そして、UEは、F1およびF2について演算したPHから成るPHRをネットワークに送信する。
【0044】
これを
図10に示す。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンクリソース割り当て1001を有する。また、F2のサブフレームn+1においてアップリンクリソース1002を有する。電力ヘッドルームレポートが開始となって、UEは、F1およびF2のサブフレームnに基づいて電力ヘッドルームを演算する。ただし、UEは、F2のサブフレームnにおいてアップリンクリソースが何ら割り当てられていない(1004)。そこで、電力ヘッドルーム演算は、F1のサブフレームnにおけるリソース割り当て1001およびF2のサブフレームnにおける所定のリソース割り当てに基づいて行う。この電力ヘッドルームでは、F2のサブフレームn+1におけるリソース割り当て1002を考慮しない。このため、重畳OFDMシンボル(1005)すなわちF1のサブフレームnの最後のOFDMシンボルおよびF2のサブフレームn+1の最初のOFDMシンボルにおいて必要な電力は、電力ヘッドルームレポートには反映されない。
【0045】
図11は、より正確な電力ヘッドルームの演算を示す図である。具体的には、同定サブフレームに基づいて論理回路301が開始キャリアの電力ヘッドルームを演算する(上記の場合は、サブフレームnに基づいてF1のPHを演算する)。そして、論理回路301は、F2の2つのPH、すなわち(a)サブフレームnに基づくPHおよび(b)サブフレームn+1に基づくPHを演算する。その後、論理回路301は、それらの小さい方のPH値を選択してPHRに含める。電力ヘッドルームレポートは、1101で開始する。UEは、F1のサブフレーム1102およびF2のサブフレーム1103においてアップリンク許可を受ける。対応する許可使用サブフレームn+4は、それぞれF1およびF2においてリソース割り当て1106および1107を有する。また、UEは、F2のサブフレーム1104においてもアップリンク許可を受け、対応する許可使用サブフレームn+5は、リソース割り当て1108を有する。UEは、リソース割り当て1106に基づいてF1の電力ヘッドルームを演算する。F2に関しては、リソース割り当て1107に基づいて第1の電力ヘッドルームを演算し、リソース割り当て1108に基づいて第2の電力ヘッドルームを演算する。UEは、F1の電力ヘッドルームならびにF2の第1および第2の電力ヘッドルームのうちの小さい方を含む電力ヘッドルームレポートを構築する。この電力ヘッドルームは、1110で基地局に送信する。
【0046】
また、論理回路301は、報告したPHRが異なるキャリアの後続のサブフレーム間の重畳に基づくものであることを示すことができる。さらに、論理回路301は、電力上限に近付いている場合(たとえば、CA電力クラスと計画送信電力との差が小さく、UEが電力上限に近い場合)にのみ、上記手順を適用することもできる。
【0047】
UEは、第1のサブフレームにおいてアップリンク許可を受ける。本明細書中では、このサブフレームを許可受付サブフレームと称する。このアップリンク許可は、第2のサブフレームにおいてUEの送信リソースに割り当てる。本明細書中では、このサブフレームを許可使用サブフレームと称する。許可受付サブフレームおよび許可使用サブフレームでは、アップリンク許可の処理および送信のためのトランスポートブロックの構築を行うのに十分な時間がUEに与えられる。LTE FDDシステムにおいては、サブフレームnが許可受付サブフレームである場合、許可使用サブフレームはサブフレームn+4である。LTE TDDにおいては、サブフレームnが許可受付サブフレームである場合、許可使用サブフレームはn+kである。ここで、kは、アップリンク/ダウンリンク設定によって決まる。
【0048】
以下、電力ヘッドルームレポートの説明を続ける。上記手法では、遅延後のPHR演算に論理回路301が必要である。この問題に対処するため、TA(F2)がTA(F1)よりΔTAだけ大きい場合は、
1.PHRが開始となってUEがアップリンク許可を受けると、UEは初めに、対応する許可使用サブフレームを特定する。その後、許可使用サブフレームおよびその後続のサブフレームに基づいて、上述の通り2つの電力ヘッドルームを演算する。
2.UEは、許可使用サブフレームにおいてはPHRを送信せず、次の利用可能なアップリンク許可まで(同じPHRの)送信を遅らせる。
【0049】
また、UEは、電力ヘッドルーム演算の基本としたサブフレームを示していてもよい。
シンボルレベルPHR
別のオプションでは、シンボルレベルPHRを規定する。シンボルレベルPHRは、あるキャリアの先行または後続サブフレームのシンボルと重畳する別のキャリアのサブフレームのシンボルの電力ヘッドルームを基地局に示すものである。この方法では、論理回路301がシンボル番号を特定して、そのPHを(通常のPHに対する差分または絶対値として)報告する。たとえば、UEは、(サブフレームnに基づく)F2の通常のPHRのほか、重畳シンボルについて、F2のシンボルレベルPHRを報告する。
【0050】
一手法としては、TA(F2)が大きい方のキャリアの許可使用サブフレームの後続サブフレームの最初のシンボルについて、シンボルレベルPHを演算して報告する。この場合、UEは初めに、許可使用サブフレームの後続サブフレームにおけるUL割り当てを把握する必要がある。UE103は、許可受付サブフレームの1サブフレーム後まで許可使用サブフレームの後続サブフレームのUL割り当てを把握しないものとすると、当該サブフレームで報告するPHRには、シンボルレベルPHを含むことができなくてもよい。あるいは、TAが大きい方のキャリアのサブフレームの最初のシンボルについて、シンボルレベルPHを演算することも可能である。この場合、UEは、当該サブフレームで報告するPHRにシンボルレベルPHを含むことができる。これを
図12aおよび
図12bに示す。UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンクリソース割り当て1201を有し、F2のサブフレームnにおいてアップリンクリソース割り当て1202を有する。また、F2のサブフレームn+1においてアップリンクリソース1203を有する。電力ヘッドルームレポートが開始となって、UEは、F1およびF2のサブフレームnに基づいて電力ヘッドルームを演算する(1204)。この電力ヘッドルーム演算は、F1のサブフレームnにおけるリソース割り当て1201およびF2のサブフレームnにおけるリソース割り当て1202に基づいて行う。あるいは、UEがF2のサブフレームnにリソース割り当てを有していない場合は、基準リソース割り当てを使用する。また、UEは、重畳するシンボルについて、シンボルレベル電力ヘッドルームを演算する。たとえば、UEは、F2のサブフレームn+1の最初のシンボル1211について、電力ヘッドルームを演算する。シンボルレベル電力ヘッドルームは、当該シンボルにおける送信中に利用可能な電力ヘッドルームを示す。また、シンボルレベル電力ヘッドルームは、サブフレームnで送信する電力ヘッドルームレポートに含めることができる。サブフレームnにおける電力ヘッドルームレポートの送信に対して処理時間が十分でない場合は、サブフレームn+1における別個のレポートにおいてシンボルレベル電力ヘッドルームを送信することも可能である。
【0051】
あるいは、UEは、F1のサブフレームnにおいてアップリンクリソース割り当て1251を有し、F2のサブフレームnにおいてアップリンクリソース割り当て1252を有する。また、F2のサブフレームn+1においてアップリンクリソース1253を有する。電力ヘッドルームレポートが開始となって、UEは、F1およびF2のサブフレームnに基づいて電力ヘッドルームを演算する(1254)。この電力ヘッドルーム演算は、F1のサブフレームnにおけるリソース割り当て1251およびF2のサブフレームnにおけるリソース割り当て1252に基づいて行う。あるいは、UEがF2のサブフレームnにリソース割り当てを有していない場合は、基準リソース割り当てを使用する。また、UEは、重畳するシンボルについて、シンボルレベル電力ヘッドルームを演算する。たとえば、UEは、F2のサブフレームnの最初のシンボル1261について、電力ヘッドルームを演算する。また、シンボルレベル電力ヘッドルームは、サブフレームnで送信する電力ヘッドルームレポートに含めることができる。
【0052】
図13は、
図3のUE300の動作を示すフローチャートである。UE300は、異なる周波数で基地局アンテナおよびRRH102の両者からの基地局101の送信を受信機302が受信するように、キャリアアグリゲーションを行う。同様に、送信機303は、第1の周波数で基地局アンテナへ直接送信するとともに第2の周波数でRRH102へ直接送信することによって、アップリンク信号を基地局101に送信する。上述の通り、RRHは、有線またはファイバ接続を介して基地局に中継伝送されるアンテナを含む。
【0053】
論理フローがステップ1301で開始となり、受信機302は、タイミングアドバンスと併せて、各割り当て周波数からのアップリンクおよびダウンリンクの周波数割り当てを受信する。ステップ1303において、論理回路301は、第1の周波数の第1のフレームにおいて、第1のタイミングアドバンスを用いた基地局の第1のアンテナへの第1の送信をスケジューリングする。また、論理回路は、ステップ1305において第2の送信をスケジューリングする。この第2の送信は、第2のフレームにおいて、第2のタイミングアドバンスを用いた基地局の第2のアンテナへの送信としてスケジューリングする。第2のフレームは第1のフレームに遅れて発生し、第2のタイミングアドバンスは第1のタイミングアドバンスよりも大きい。そして、論理回路301は、第1の送信および第2の送信が重畳するか否かを判定し(ステップ1307)、この判定に応答して、少なくとも第1の送信または第2の送信の電力を低減するよう送信機303に指示する(ステップ1309)。この論理フローは、ステップ1311で終了となる。
【0054】
上述の通り、第1の送信および第2の送信が重畳するか否かを判定する工程は、第1の送信のn番目のサブフレームのOFDMシンボル長の少なくとも一部が第2の送信のn+1番目のサブフレームのOFDMシンボル長と重畳するものと判定する工程を含んでいてもよい。また、少なくとも第1または第2の送信の電力を低減する工程は、非優先的な送信の電力低減に先立って、第1または第2の送信を優先させる工程を含んでいてもよい。さらに、電力を低減する工程は、第1の送信のn番目のサブフレームの第1のスロットに対応した第1の時間にわたって電力を低減する工程を含んでいてもよいし、電力をゼロまで低減する(送信停止する)工程を含んでいてもよい。
【0055】
以上、特定の実施形態により本発明を具体的に図示して説明したが、当業者には当然のことながら、本発明の技術思想と範囲から逸脱することなく形態および詳細を種々変更可能である。また、そのような変更についても、以下の請求の範囲に含まれるものとする。