(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信手段は、近傍位置にある外部装置からの誘導電磁界又は電波により生じる電力供給により、その電力供給後にあって当該外部装置から前記検出値の送信要求があることを検知した際に、前記記憶手段に記憶された前記管理対象の植物を対象にした時間帯別の比較履歴を当該外部装置に対して送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、この発明にはこの実施の形態に限定されるものではない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
【0016】
[実施の形態1]
以下、
図1〜5を参照して本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
本実施の形態1では、本発明の植物管理装置を生花店等に陳列される植物毎に設けられた園芸用ラベルに適用した場合について説明する。
【0017】
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態1における植物管理装置1aの構成を示すブロック図を示す。
図1に示すように、植物管理装置1aは、CPU(Central Processing Unit)10、第1記憶部11、第1通信部12、クロック発生部13、表示灯14、鳴動部15、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18を備え、各部は電気的に接続されており、第1通信部12を除く各部は第1電源部19からの電源供給を受けている。また、植物管理装置1aは、外部装置2aから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて第1通信部12を介して外部装置2aと通信可能に接続される。なお、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18を総称して検出部という。
【0018】
CPU10は、第1記憶部11の所定領域を作業領域として、第1記憶部11に記憶されている各種制御プログラムやデータに基づいて各種処理を実行し、上記各部に制御信号を送って植物管理装置1aの動作全般を統括的に制御する。
【0019】
また、CPU10は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18により検出された各種検出値(温度、湿度、照度)と予め定められた判別基準情報とに基づいて、植物の栽培状態を判別する判別手段としての機能を実現し、当該植物の栽培状態の判別結果に応じた植物の栽培状態を表示灯14又は鳴動部15により報知させる機能を実現する。更に、CPU10は、外部装置2aから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて、第1記憶部11に記憶されている各種検出値や第1記憶部11に記憶されている植物の栽培状態を、第1通信部12を介して当該外部装置2aに送信させる。
【0020】
CPU10は、植物の栽培状態の判別を行う場合、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18により検出された各種検出値と、第1記憶部11に予め記憶されている限界上限閾値及び限界下限閾値と、を比較して現在の植物の栽培状態の異常有無を判別し、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別した場合には植物の栽培状態の異常状態を表示灯14又は鳴動部15を駆動させて報知させる。また、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18により検出された各種検出値の履歴と、当該検出値の履歴に対応する第1記憶部11に予め記憶されている最適上限閾値及び最適下限閾値と、を比較して植物の栽培状態の問題傾向を判別する。
【0021】
従って、植物が生育するために最低限必要とされる周辺環境の状態(限界上限閾値及び限界下限閾値)と、検出された植物の周辺環境の状態(検出された各種検出値)とを比較することにより、現在の植物の栽培状態の異常の有無を判別することができ、現在の栽培状態に異常が有る場合、当該異常状態をユーザに報知することができるため、植物が生育するために最低限必要とされる周辺環境の状態確保の必要性をユーザに促すことができる。
【0022】
また、植物が生育するために最適な周辺環境の状態(最適下限閾値及び最適上限閾値)と、検出された植物の周辺環境の状態の履歴(各種検出値の履歴)とを比較することにより、植物の栽培状態の問題傾向を判別することができる。
【0023】
第1記憶部11は、CPU10により実行される各種制御処理プログラム及びこれらプログラムで使用される各種データ等が予め記憶されている領域と、当該制御処理プログラムや各種データが展開される領域とを有する記録媒体である。第1記憶部11は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体等の電気的に消去及び書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されており、植物管理装置1aに固定的に設けられたもの又は着脱自在に装着されるものである。例えば、FeRAM(Ferro electric Random Access Memory)、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)、OUM(カルコゲニド合金による相変化記録メモリ)等を挙げることができる。
【0024】
第1記憶部11は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18によりそれぞれ検出された各種検出値を時系列に順次記憶、即ち、検出値の履歴(センサログ)として記憶する環境情報記憶手段、CPU10により判別された植物の栽培状態を記憶する栽培状態記憶手段としての機能を実現する。
【0025】
また、第1記憶部11は、判別基準情報として、植物に対応して定められ、当該植物が生育するために最低限必要とされる周辺環境の状態を示す生育限界環境情報としての限界上限閾値及び限界下限閾値を予め記憶している生育限界環境情報記憶手段、判別基準情報として、植物に対応して定められ、当該植物が生育するために最適な周辺環境の状態を示す最適環境情報としての最適上限閾値及び最適下限閾値を予め記憶している最適環境情報記憶手段、としての機能を実現する。
【0026】
限界上限閾値及び限界下限閾値とは、植物の生育が継続できない(即ち、植物が枯れない)臨界的な環境状態であり、植物の品種に応じて、検出部毎に定めることができる。最適上限閾値及び最適下限閾値とは、植物が最もよく生育する環境状態であり、植物の品種に応じて、検出部毎に定めることができる。
【0027】
図2は、第1記憶部11に記憶されている各種データの例を示す。
図2に示すように、第1記憶部11に記憶されている各種データは、植物管理装置1aを一意に識別するための読み取り専用のIDとしてのUID(Unique Item identification)110、閾値情報120a、報知番号130、センサログ140、報知フラグ150、販売支援データ160等である。
【0028】
閾値情報120aは、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18毎に、予め設定された時刻範囲に対して限界下限閾値、限界上限閾値、最適下限閾値、最適上限閾値が予め設定されている。例えば、温度検出部16は時刻0:00〜6:00の範囲において、限界下限閾値は5[℃]、最適下限閾値は10[℃]、最適上限閾値は20[℃]、限界上限閾値は25[℃]に設定されている。
【0029】
報知番号130は、警告番号テーブル131とアドバイス番号テーブル132とを有している。
警告番号テーブル131は、CPU10により温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18からそれぞれ検出された検出値と対応する限界下限閾値及び限界上限閾値とが比較された結果としての現在の植物の栽培状態の異常状態を示す各種警告番号と当該警告番号の内容(異常状態)を示している。
【0030】
例えば、温度検出部16から検出された現在の検出値(温度)が限界下限閾値以下である場合には、低温状態を示す警告番号001に該当し、一方、現在の検出値が限界上限閾値以上である場合には、高温状態を示す警告番号002に該当することとなる。また、湿度検出部17から検出された現在の検出値(湿度)が限界下限閾値以下である場合には、低湿状態を示す警告番号003に該当し、一方、現在の検出値が限界上限閾値以上である場合には、高湿状態を示す警告番号004に該当することとなり、照度検出部18から検出された現在の検出値(照度)が限界下限閾値以下である場合には、低照度状態を示す警告番号005に該当し、一方、現在の検出値が限界上限閾値以上である場合には、高照度状態を示す警告番号006に該当することとなる。
【0031】
アドバイス番号テーブル132は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18からそれぞれ検出された現在の検出値及び当該現在の検出値と時系列的に連続した過去の検出値の履歴と対応する最適下限閾値及び最適上限閾値とを比較した結果、現在の植物の栽培状態の問題傾向に該当する各種アドバイス番号と当該アドバイス番号の内容(問題傾向)を示している。
【0032】
例えば、温度検出部16から検出された現在の検出値(温度)を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適下限閾値以下である場合には、低温傾向を示すアドバイス番号001に該当し、一方、現在の検出値を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適上限閾値以上である場合には、高温傾向を示すアドバイス番号002に該当することとなる。
また、湿度検出部17から検出された現在の検出値(湿度)を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適下限閾値以下である場合には、低湿傾向を示すアドバイス番号003に該当し、一方、現在の検出値を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適上限閾値以上である場合には、高湿傾向を示すアドバイス番号004に該当することとなり、照度検出部18から検出された現在の検出値(照度)を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適下限閾値以下である場合には、低照度傾向を示すアドバイス番号005に該当し、一方、現在の検出値を含む複数の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適上限閾値以上である場合には、高照度傾向を示すアドバイス番号006に該当することとなる。
【0033】
センサログ140は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18から夫々予め設定された時間間隔で検出された各種検出値が時系列に順次記憶されている。
【0034】
報知フラグ150は、警告番号フラグテーブル151とアドバイス番号フラグテーブル152とを有している。
警告番号フラグテーブル151は、CPU10により判別された現在の植物の栽培状態の異常状態を示す各種警告番号のフラグであり、植物の栽培状態が各種警告番号の内容に該当する場合には対応する警告番号のフラグが1に設定される。
【0035】
アドバイス番号フラグテーブル152は、CPU10により判別された現在の植物の栽培状態の問題傾向を示す各種アドバイス番号のフラグであり、植物の栽培状態が各種アドバイス番号の内容に該当する場合には対応するアドバイス番号のフラグが1に設定される。
【0036】
販売支援データ160は、植物管理装置1aが設けられた植物を顧客に販売する際に提示することにより、販売促進可を図り得る情報である。例えば、植物の品種、育て方、価格や開花時期等の販売データ、開花時の画像等を挙げることができる。
【0037】
第1通信部12は、第1記憶部11に記憶されている各種情報を当該外部装置2aに送信する通信手段としての機能を実現する。本実施の形態1においては、例えば、外部装置2aから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて、CPU10及び第1記憶部11と協働して第1記憶部11に記憶されている各種情報を当該外部装置2aに送信するRFIDタグのアンテナ、好ましくはパッシブタグに用いられるアンテナを挙げることができる。なお、第1電源部19からの電力供給を受けて自ら電波を発するアクティブタグのアンテナであってもよい。
【0038】
クロック発生部13は、一定周期のクロック信号を発生してCPU10に出力する。CPU10は、クロック発生部13により発生されるクロック信号と外部装置2aから送信される現在時刻とに基づいて、現在時刻の調整処理や各種動作のタイミング調整を行う。
【0039】
表示灯14は、CPU10による植物の栽培状態の判別結果に応じて、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別された場合、植物の栽培状態の異常状態を報知する報知手段を実現する。例えば、各種異常番号に応じて色や点滅状態が予め設定された複数のLED(Light Emitting Diode)を挙げることができる。
【0040】
鳴動部15は、CPU10による植物の栽培状態の判別結果に応じて、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別された場合、植物の栽培状態の異常状態を報知する報知手段を実現する。例えば、各種異常番号に応じて鳴動音が予め設定されたブザーを挙げることができる。
【0041】
温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18は、それぞれ植物の周辺環境の状態を示す環境情報を検出する検出手段としての機能を実現する。温度検出部16は植物の周辺環境の温度を検出する温度検出手段、湿度検出部17は植物の周辺環境の湿度を検出する湿度検出手段、照度検出部18は植物の周辺環境の照度を検出する照度検出手段としての機能を実現している。なお、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18は互いを識別する識別番号が付されている。
【0042】
検出部として、植物の周辺環境の温度を検出する温度検出部16、植物の周辺環境の湿度を検出する湿度検出部17、植物の周辺環境の照度を検出する照度検出部18を用いることができ、植物の生育に影響を与える周辺環境として、温度、湿度、照度の少なくとも一つに基づいて植物の栽培状態を判別することができるため、適切な栽培状態を判別することができる。
【0043】
本実施の形態1においては、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18を備えた植物管理装置1aとして説明するが、植物が鉢植えである場合には当該鉢の土壌の水分量や養分量を検出する検出部であってもよく、植物の種類の生育管理に適した検出部を用いることが好ましい。
【0044】
第1電源部19は、植物管理装置1aの各部に電源の供給を行う装置であり、例えば、乾電池や充電式電池等の蓄電池や、太陽電池を挙げることができる。なお、ユーザによる電池の交換の手間が無く長寿命である太陽電池を用いることが好ましい。更に、太陽電池を第1電源部19として用いる場合には、発電量を検出し監視することにより、日照量を推定することができるため、照度センサが不要となり、植物管理装置1aの小型化を図ることができるという効果を奏する。
【0045】
次に、外部装置2aの構成を説明する。
外部装置2aは、植物管理装置1aから各種情報を読み取り可能なハンディターミナル等と呼ばれる装置であり、
図1に示すように、CPU20、第2記憶部21、操作表示部22、第2通信部23、を備え、各部は電気的に接続されており、各部は第2電源部24からの電源供給を受けている。
【0046】
CPU20は、第2記憶部21の所定領域を作業領域として、第2記憶部21に記憶されている各種制御プログラムやデータに基づいて各種処理を実行し、上記各部に制御信号を送って外部装置2aの動作全般を統括的に制御する。
【0047】
またCPU20は、第2通信部23を介して受信した警告番号又はアドレス番号に対応したメッセージを操作表示部22に表示させる。
【0048】
第2記憶部21は、CPU20により実行される各種制御処理プログラム及びこれらプログラムで使用される各種データ等が予め記憶されている領域と、当該制御処理プログラムや各種データが展開される領域とを有する記録媒体である。第2記憶部21は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体等の電気的に消去及び書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されており、外部装置2aに固定的に設けられたもの又は着脱自在に装着されるものである。例えば、FeRAM(Ferro electric Random Access Memory)、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)、OUM(カルコゲニド合金による相変化記録メモリ)等を挙げることができる。
【0049】
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備え、CPU20から入力される表示制御信号に従って所要の表示処理を行うと共に、表示画面を覆うように設けられたタッチパネル、電源キー、テンキー、各種機能キー等を有し、キーの押下による操作信号をCPU20に出力する。
【0050】
第2通信部23は、植物管理装置1aの第1記憶部11に記憶されている各種情報を読み出して受信し、受信した情報をCPU20に出力する機能を実現する。本実施の形態1においては、植物管理装置1aの第1通信部12に対応する周波数及び無線通信プロトコルを有し、非接触で植物管理装置1aの第1記憶部11に記録された情報を読み取る。
【0051】
第2電源部24は、外部装置2aの各部に電源の供給を行う装置であり、例えば、乾電池や充電式電池等の蓄電池や、太陽電池を挙げることができる。なお、ユーザによる電池の交換の手間が無く長寿命である太陽電池を用いることが好ましい。
【0052】
次に、本実施の形態1の動作を説明する。
図3は、本実施の形態1における栽培状態判別処理を示すフローチャートである。
図3に示す栽培状態判別処理は、CPU10及び第1記憶部11の協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。なお、本処理は、予め設定された時間毎に実行されるものである。
【0053】
まず、現在の検出値を取得する検出部の識別番号Xの初期化(X=0)が行われ、識別番号Xに1が加算される(ステップS1)。そして、識別番号Xに対応する検出部から現在の検出値が取得される(ステップS2)。また、識別番号Xに対応する検出部から現在の検出値が検出された時刻に対応する限界下限閾値、限界上限閾値、最適下限閾値、最適上限閾値、センサログ等が読み出される(ステップS3)。
【0054】
取得された現在の検出値と読み出された限界下限閾値及び限界上限閾値とが比較され(ステップS4)、現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さいか否かが判別される(ステップS5)。
【0055】
現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さくないと判別された場合、即ち、現在の検出値が限界下限閾値以下又は限界上限閾値以上であると判別された場合(ステップS5;No)、植物の栽培状態に異常有りと判別される。そして、該当する警告番号が選択され、選択された警告番号に対応するフラグが1に設定される(ステップS6)。更に、選択された警告番号に応じて表示灯14又は鳴動部15が駆動され、ユーザに植物の栽培状態の異常が報知され(ステップS7)、ステップS11に進む。
【0056】
現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さいと判別された場合(ステップS5;Yes)、現在の検出値及び当該現在の検出値と時系列的に連続した過去の検出値の履歴と、読み出された最適下限閾値及び最適上限閾値とが比較され(ステップS8)、現在の検出値及び複数の過去の検出値全てが最適下限閾値よりも大きく最適上限閾値よりも小さいか否かが判別され、問題傾向の有無が判別される(ステップS9)。
【0057】
問題傾向有りと判別された場合、即ち、現在の検出値及び複数の過去の検出値の少なくともいずれか1つの検出値が最適下限閾値以下又は最適上限閾値以上であると判別された場合(ステップS9;No)、問題傾向有りと判別される。そして、該当するアドバイス番号が選択され、選択されたアドバイス番号に対応するフラグが1に設定され(ステップS10)、ステップS11に進む。
【0058】
検出された現在の検出値がセンサログとして保存されると共に、設定されたフラグが保持され(ステップS11)、検出値が検出されていない検出部の有無が判別され(ステップS12)、未検出の検出部が有りと判別された場合(ステップS12;No)、識別番号Xに1が加算され(ステップS13)、ステップS2に戻る。
【0059】
未検出の検出部無しと判別された場合、即ち、すべての検出部の検出値を取得したと判別された場合(ステップS12;Yes)、本処理は終了される。
【0060】
図4は、本実施の形態1における通信処理を示すラダーチャートである。
図4に示す通信処理は、植物管理装置1aによる動作は、CPU10及び第1記憶部11の協働によるソフトウエア処理により実現される処理であり、外部装置2aによる動作は、CPU20及び第2記憶部21の協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
【0061】
まず、外部装置2aは、第2通信部23から誘導磁界又は電波を植物管理装置1aの第1通信部12に出力し、植物管理装置1aへの電力供給を開始する(ステップS21)。植物管理装置1aは、外部装置2aから供給される電力によって本処理を起動せる(ステップS22)。
【0062】
外部装置2aは、植物管理装置1aのUIDを要求するUID要求コマンドを植物管理装置1aに送信する(ステップS23)。植物管理装置1aは、UID要求コマンドを受信すると第1記憶部11に記憶されているUIDを外部装置2aに送信する(ステップS24)。外部装置2aは植物管理装置1aから受信されたUIDを受信する(ステップS25)。
【0063】
外部装置2aは、植物管理装置1aのUIDを受信して当該植物管理装置1aを識別確認した後、現在時刻を示す情報を植物管理装置1aに送信する(ステップS26)。植物管理装置1aは、外部装置2aから受信した現在時刻を示す情報とクロック発生部13により発生しているクロックとに基づいて、時刻調整処理を実行する(ステップS27)。
【0064】
外部装置2aは、フラグが1に設定されている警告番号を要求する警告番号要求コマンドを植物管理装置1aに送信する(ステップS28)。植物管理装置1aは、警告番号要求コマンドを受信すると、第1記憶部11に記憶されている警告番号フラグテーブル151を参照して、フラグが1に設定されている警告番号を外部装置2aに送信する(ステップS29)。外部装置2aは植物管理装置1aから受信された警告番号を受信し、第2記憶部21に保存する(ステップS30)。
【0065】
外部装置2aは、フラグが1に設定されているアドバイス番号を要求するアドバイス番号要求コマンドを植物管理装置1aに送信する(ステップS31)。植物管理装置1aは、アドバイス番号要求コマンドを受信すると、第1記憶部11に記憶されているアドバイス番号フラグテーブル152を参照して、フラグが1に設定されているアドバイス番号を外部装置2aに送信する(ステップS32)。外部装置2aは植物管理装置1aから受信されたアドバイス番号を受信し、第2記憶部21に保存する(ステップS33)。
【0066】
外部装置2aは、植物管理装置1aに記憶されているセンサログを要求するセンサログ要求コマンドを植物管理装置1aに送信する(ステップS34)。植物管理装置1aは、センサログ要求コマンドを受信すると、第1記憶部11に記憶されているセンサログを外部装置2aに送信する(ステップS35)。外部装置2aは植物管理装置1aから受信されたセンサログを受信し、第2記憶部21に保存する(ステップS36)。また、植物管理装置1aは、センサログを送信した後、問題傾向を判別するために必要とされる検出値以外の検出値を消去する(ステップS37)。
【0067】
外部装置2aは、植物管理装置1aが問題傾向を判別するために必要とされる検出値以外の検出値を消去した信号を受信すると、第2第2通信部23から出力している誘導磁界又は電波を停止して植物管理装置1aへの電力供給を停止する(ステップS38)。植物管理装置1aは、外部装置2aから電力供給が停止されると、本処理を終了する。
【0068】
外部装置2aは、フラグが1に設定された警告番号又はアドバイス番号の有無を判別し(ステップS39)、フラグ1に設定された警告番号又はアドバイス番号が有ると判別した場合(ステップS39;No)警告番号又はアドバイス番号に対応するメッセージを操作表示部22に表示し(ステップS40)、本処理を終了する。
【0069】
外部装置2aは、フラグ1に設定された警告番号又はアドバイス番号が無いと判別した場合(ステップS39;Yes)、本処理を終了する。
【0070】
図5(a),(b)は、外部装置2aの操作表示部22の表示画面上に表示される警告番号又はアドバイス番号に対応するメッセージ画面の例を示す。
図5(a)は警告番号に対応するメッセージを表示する警告メッセージ画面G1の例、
図5(b)はアドバイス番号に対応するメッセージを表示するアドバイスメッセージ画面G2の例を示す。
【0071】
図5(a)に示すように、警告メッセージ画面G1には、異常発生を報知するため「警告」等の異常発生メッセージM1と、異常状態の内容、即ち、警告番号に対応する内容を示す警告内容メッセージM2とが表示される。警告内容メッセージM2としては、例えば、発生した異常状態を判別するために用いられた検出値を検出した検出部の種類や警告番号(ここでは、「(湿度検出部、警告番号003)」と共に、警告番号に対応する内容(ここでは、「湿度が不足しています」)及び異常状態を解消させるための情報(ここでは、「30〜50%に保ってください」)を示すメッセージを挙げることができる。
【0072】
図5(b)に示すように、アドバイスメッセージ画面G2には、問題傾向発生を報知するため「注意」等の問題傾向発生メッセージM3と、問題傾向の内容、即ち、アドバイス番号に対応する内容を示す問題傾向内容メッセージM4とが表示される。問題傾向内容メッセージM4としては、例えば、発生した問題傾向を判別するために用いられた検出値を検出した検出部の種類やアドバイス番号(ここでは、「(温度検出部、アドバイス番号001)」と共に、アドナイス番号に対応する内容(ここでは、「温度が不足しています」)及び問題傾向を解消させるための情報(ここでは、「15〜25度が適温です」)を示すメッセージを挙げることができる。
【0073】
なお、表示画面がカラー表示可能な画面である場合、警告メッセージ画面G1の異常発生メッセージM1と、アドバイスメッセージ画面G2の問題傾向発生メッセージM3とを互いに異なる色で表示したり、点滅させて表示したりすることがユーザに対して視覚的に把握させやすいため好ましい。例えば、異常発生メッセージM1の背景色を赤色、問題傾向発生メッセージM3の背景色を黄色として表示させる。
【0074】
以上のように本実施の形態1によれば、植物毎の周辺環境の状態に基づいて判別された栽培状態を報知することができるため、ユーザ自身が植物毎の栽培状態を判断する手間を省くことができると共に、適切な栽培管理をユーザに促すことができる。従って、植物の生育管理に不慣れなユーザであっても、植物の栽培管理を容易に行うことができる。
【0075】
また、外部装置2aから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて、検出した各種検出値(センサログ)又は判別された栽培状態(警告番号又はアドバイス番号)を当該外部装置2aに送信することができる。従って、外部装置2aとの通信に電力を消費しないため低電力化を図ることができると共に植物管理装置1aと外部装置2aとの通信に拘わる構成を簡略化することができ、植物管理装置1aの小型化を図ることができ、植物の配置位置の自由度を向上させることができる。また、ユーザは、外部装置2aが受信した各種検出値(センサログ)や判別された栽培状態(警告番号又はアドバイス番号)に基づいて植物の生育環境の管理をし得ることが可能である。
【0076】
[実施の形態2]
以下、
図6〜10を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。
本実施の形態2では、本発明の植物管理装置を生花店等に陳列される植物毎に設けられた園芸用ラベルに適用し、統括管理装置を生花店等に陳列される植物を統括的に管理する店内管理サーバに適用し、通信装置を植物管理装置及び統括管理装置と通信接続可能なハンディターミナルと称される装置に適用した場合について説明する。
【0077】
まず、構成を説明する。
図6は、本実施の形態2における植物管理システムAの構成を示すブロック図を示す。
図6に示すように、植物管理システムAは、植物管理装置1b、通信装置2b、統括管理装置3を備えて構成されている。なお、植物管理システムAを構成する各装置の数量は、図示例に限定されないものとする。
【0078】
なお、本実施の形態2における植物管理装置1bは、実施の形態1における
図1に示す植物管理装置1aと同様の部分は説明を省略し、異なる部分及び内容のみ説明する。また、本実施の形態2における通信装置2bは、実施の形態1における
図1に示す外部装置2aと同様の部分は説明を省略し、異なる部分及び内容のみ説明する。
【0079】
植物管理装置1bは、CPU(Central Processing Unit)10、第1記憶部11、第1通信部12、クロック発生部13、表示灯14、鳴動部15、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18を備え、各部は電気的に接続されており、第1通信部12を除く各部は第1電源部19からの電源供給を受けている。また、植物管理装置1bは、通信装置2bから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて第1通信部12を介して通信装置2bと通信可能に接続される。なお、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18を総称して検出部という。
【0080】
CPU10は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18により検出された各種検出値(温度、湿度、照度)と予め定められた判別基準情報とに基づいて、植物の栽培状態を判別する第1判別手段としての機能を実現し、当該植物の栽培状態の判別結果に応じた植物の栽培状態を表示灯14又は鳴動部15により報知させる機能を実現する。更に、CPU10は、通信装置2bから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて、第1記憶部11に記憶されている各種検出値を第1通信部12を介して当該通信装置2bに送信させる。
【0081】
CPU10は、植物の栽培状態の判別を行う場合、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18により検出された各種検出値と、第1記憶部11に予め記憶されている限界上限閾値及び限界下限閾値と、を比較して現在の植物の栽培状態の異常有無を判別し、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別された場合には植物の栽培状態の異常状態を表示灯14や鳴動部15を駆動させて報知させる。
【0082】
第1記憶部11は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18によりそれぞれ検出された各種検出値を時系列に順次記憶、即ち、検出値の履歴(センサログ)として記憶する第1環境情報記憶手段としての機能を実現する。また、植物管理装置1bが設けられた植物が生育するために最低限必要とされる周辺環境の状態を示す限界上限閾値及び限界下限閾値を予め記憶している。なお、限界上限閾値及び限界下限閾値は、実施の形態1に記載の限界上限閾値及び限界下限閾値と同様の概念であるため、説明は省略する。
【0083】
図7は、第1記憶部11に記憶されている各種データの例を示す。
図7に示すように、第1記憶部11に記憶されている各種データは、植物管理装置1bを一意に識別するための読み取り専用のIDとしてのUID(Unique Item identification)110、植物管理装置1bを管理する統括管理装置を識別するための統括管理装置アドレス170、閾値情報120b、センサログ140等である。
【0084】
閾値情報120bは、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18毎に、予め設定された時刻範囲に対して限界下限閾値、限界上限閾値が予め設定されている。例えば、温度検出部16は時刻0:00〜6:00の範囲において、限界下限閾値は5[℃]、限界上限閾値は25[℃]に設定されている。
【0085】
センサログ140は、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18から夫々予め設定された時間間隔で検出された各種検出値が時系列に順次記憶されている。
【0086】
第1通信部12は、第1記憶部11に記憶されている各種検出値を当該通信装置2bに送信する通信手段としての機能を実現する。
【0087】
クロック発生部13は、実施の形態1と略同様であるため説明は省略する。
【0088】
表示灯14は、CPU10による植物の栽培状態の判別結果に応じて、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別された場合、植物の栽培状態の異常状態を報知する第1報知手段を実現する。例えば、異常の有無が判別される検出部毎に色や点滅状態が予め設定された複数のLED(Light Emitting Diode)を挙げることができる。
【0089】
鳴動部15は、CPU10による植物の栽培状態の判別結果に応じて、現在の植物の栽培状態に異常有りと判別された場合、植物の栽培状態の異常状態を報知する第1報知手段を実現する。例えば、異常の有無が判別される検出部毎に鳴動音が予め設定されたブザーを挙げることができる。
【0090】
温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18は、それぞれ植物の周辺環境の状態を示す環境情報を検出する検出手段としての機能を実現する。温度検出部16は植物の周辺環境の温度を検出する温度検出手段、湿度検出部17は植物の周辺環境の湿度を検出する湿度検出手段、照度検出部18は植物の周辺環境の照度を検出する照度検出手段としての機能を実現している。なお、温度検出部16、湿度検出部17、照度検出部18は互いを識別する識別番号が付されている。
【0091】
第1電源部19は、実施の形態1と略同様であるため説明は省略する。
【0092】
次に、通信装置2bの構成を説明する。
通信装置2bは、植物管理装置1bから各種情報を読み取り可能なハンディターミナル等と呼ばれる装置であり、
図6に示すように、CPU20、第2記憶部21、操作表示部22、第2通信部23、第3通信部25を備え、各部は電気的に接続されており、各部は第2電源部24からの電源供給を受けている。
【0093】
CPU20は、第2通信部23を介して受信した各種検出値を第2記憶部21に記憶させると共に、統括管理装置3から第3通信部25を介して受信した警告番号又はアドレス番号に対応したメッセージを操作表示部22に表示させる。
【0094】
第2記憶部21は、実施の形態1と略同様であるため説明は省略する。
【0095】
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備え、CPU20から入力される表示制御信号に従って所要の表示処理を行うと共に、表示画面を覆うように設けられたタッチパネル、電源キー、テンキー、各種機能キー等を有し、キーの押下による操作信号をCPU20に出力すると共に、第3通信部25により受信された警告番号又はアドレス番号に対応したメッセージを表示画面上に表示することにより報知する第2報知手段としての機能を実現する。
【0096】
第2通信部23は、植物管理装置1bの第1記憶部11に記憶されている各種検出値の送信を要求する第1送信手段と、植物管理装置1bから送信される各種検出値を受信する第1受信手段としての機能を実現する。
【0097】
第2電源部24は、実施の形態2と略同様であるため説明は省略する。
【0098】
第3通信部25は、所定の通信方式により直接又はネットワークを介して接続される統括管理装置3と通信を行うための通信制御を行い、第2通信部23により受信した各種検出値を統括管理装置3に送信する第2送信手段と、統括管理装置3から送信される警告番号又はアドバイス番号を受信する第2受信手段としての機能を実現する。
【0099】
統括管理装置3の構成を説明する。
統括管理装置3は、通信装置2bを介して受信した各種検出値を植物管理装置毎に統括的に管理する装置であり、
図6に示すように、CPU30、第3記憶部31、DB(Data Base)32、第4通信部33、操作表示部34を備え、各部は電気的に接続されて構成されている。
【0100】
CPU30は、第3記憶部31又はDB32の所定領域を作業領域として、第3記憶部31又はDB32に記憶されている各種制御プログラムやデータに基づいて各種処理を実行し、上記各部に制御信号を送って統括管理装置3の動作全般を統括的に制御する。
【0101】
また、CPU30は、第4通信部33を介して受信した各種検出値(温度、湿度、照度)と予め定められた判別基準情報とに基づいて、当該各種検出値が検出された植物管理装置1bが設けられた植物の栽培状態を判別する第2判別手段としての機能を実現し、当該植物の栽培状態の判別結果に応じた植物の栽培状態を第4通信部33を介して通信装置2bに送信させる機能を実現する。
【0102】
CPU30は、植物の栽培状態の判別を行う場合、第4通信部33を介して受信した各種検出値と、第3記憶部31に予め記憶されている限界上限閾値及び限界下限閾値と、を比較して現在の植物の栽培状態の異常有無を判別する。また、第4通信部33を介して受信した各種検出値の履歴と、当該検出値の履歴に対応する第3記憶部31に予め記憶されている最適上限閾値及び最適下限閾値と、を比較して植物の栽培状態の問題傾向を判別する。
【0103】
第3記憶部31は、CPU30により実行される各種制御処理プログラム及びこれらプログラムで使用される各種データ等が予め記憶されている領域と、当該制御処理プログラムや各種データが展開される領域とを有する記録媒体である。第3記憶部31は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体等の電気的に消去及び書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されており、統括管理装置3に固定的に設けられたもの又は着脱自在に装着されるものである。例えば、FeRAM(Ferro electric Random Access Memory)、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)、OUM(カルコゲニド合金による相変化記録メモリ)等を挙げることができる。
【0104】
DB32は、第4通信部33を介して受信した各種検出値が検出された植物管理装置毎に、当該各種検出値を時系列に順次記憶、即ち、検出値の履歴(センサログ)として記憶する第2環境情報記憶手段としての機能を実現する。
【0105】
また、DB32は、CPU30により判別された植物の栽培状態を記憶すると共に、判別基準情報として、植物に対応して定められ、当該植物が生育するために最低限必要とされる周辺環境の状態を示す限界上限閾値及び限界下限閾値や、当該植物が生育するために最適な周辺環境の状態を示す最適上限閾値及び最適下限閾値を予め記憶している。なお、限界上限閾値及び限界下限閾値、最適上限閾値及び最適下限閾値は、実施の形態1に記載の限界上限閾値及び限界下限閾値、最適上限閾値及び最適下限閾値と同様の概念であるため、説明は省略する。
【0106】
図8(a),(b)は、DB32に記憶されている各種データの例を示す。
図8(a)に、植物の品種毎に設定された各種データの一例を示し、
図8(b)に、植物管理装置毎に記憶される各種データの一例を示す。
【0107】
図8(a)に示すように、植物の品種毎に設定された各種データとしては、植物の品種を示す品種名180、閾値情報120a、報知番号130、販売支援データ160等である。閾値情報120a、報知番号130、販売支援データ160は、実施の形態1の
図2に示す閾値情報120a、報知番号130、販売支援データ160と略同様であるため、説明は省略する。
【0108】
図8(b)に示すように、植物管理装置毎に記憶される各種データとしては、UID110、品種名180、センサログ140、報知フラグ150等である。UID110、センサログ140、報知フラグ150は、実施の形態1の
図2に示すUID110、センサログ140、報知フラグ150と略同様であるため、説明は省略する。
【0109】
第4通信部33は、通信装置2bから送信される各種検出値を受信する第3受信手段と、CPU30により判別された栽培状態(警告番号又はアドバイス番号)を通信装置2bに送信する第3送信手段としての機能を実現する。第4通信部33は、所定の通信方式により直接又はネットワークを介して接続される通信装置2bと通信を行うための通信制御を行う。
【0110】
操作表示部34は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electronic Luminescent)素子を用いた等の表示画面を備え、CPU30から入力される表示制御信号に従って所要の表示処理を行うと共に、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルや、テンキー、各種機能キー等のハードキー等を有し、タッチパネルやハードキーが押下されることにより生じる操作信号をCPU30に出力する。
【0111】
次に、本実施の形態2の動作を説明する。
図9は、本実施の形態2における栽培状態判別処理を示すフローチャートである。
図9に示す栽培状態判別処理は、CPU10及び第1記憶部11の協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。なお、本処理は、予め設定された時間毎に実行されるものである。
【0112】
まず、各検出部の現在の時刻に対応する限界下限閾値、限界上限閾値等が読み出される(ステップS51)。
【0113】
そして、現在の検出値を取得する検出部の識別番号Xの初期化(X=0)が行われ、識別番号Xに1が加算され(ステップS52)、識別番号Xに対応する検出部から現在の検出値が取得される(ステップS53)。
【0114】
取得された現在の検出値と読み出された限界下限閾値及び限界上限閾値とが比較され(ステップS54)、現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さいか否かが判別される(ステップS55)。
【0115】
現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さくないと判別された場合、即ち、現在の検出値が限界下限閾値以下又は限界上限閾値以上であると判別された場合(ステップS55;No)、植物の栽培状態に異常有りと判別され、表示灯14又は鳴動部15が駆動され、ユーザに植物の栽培状態の異常が報知され(ステップS56)、ステップS57に進む。
【0116】
現在の検出値が限界下限閾値よりも大きく限界上限閾値よりも小さいと判別された場合(ステップS55;Yes)、又はステップS56後、検出された現在の検出値がセンサログとして保存される(ステップS57)。
【0117】
検出値が検出されていない検出部の有無が判別され(ステップS58)、未検出の検出部が有りと判別された場合(ステップS58;No)、識別番号Xに1が加算され(ステップS59)、ステップS53に戻る。
【0118】
未検出の検出部無しと判別された場合、即ち、すべての検出部の検出値を取得したと判別された場合(ステップS58;Yes)、本処理は終了される。
【0119】
図10は、本実施の形態2における通信処理を示すラダーチャートである。
図10に示す通信処理は、植物管理装置1bによる動作は、CPU10及び第1記憶部11の協働によるソフトウエア処理により実現される処理であり、通信装置2bによる動作は、CPU20及び第2記憶部21の協働によるソフトウエア処理により実現される処理であり、統括管理装置3による動作は、CPU30及び第3記憶部31及びDB32の協働によるソフトウエア処理により実現される処理である。
【0120】
まず、通信装置2bは、第2通信部23から誘導磁界又は電波を植物管理装置1bの第1通信部12に出力し、植物管理装置1bへの電力供給を開始する(ステップS61)。植物管理装置1bは、通信装置2bから供給される電力によって本処理を起動せる(ステップS62)。
【0121】
通信装置2bは、植物管理装置1bのUIDを要求するUID要求コマンドを植物管理装置1bに送信する(ステップS63)。植物管理装置1bは、UID要求コマンドを受信すると第1記憶部11に記憶されているUIDを通信装置2bに送信する(ステップS64)。通信装置2bは植物管理装置1bから受信されたUIDを受信する(ステップS65)。
【0122】
通信装置2bは、植物管理装置1bのUIDを受信して当該植物管理装置1bを識別確認した後、現在時刻を示す情報を植物管理装置1bに送信する(ステップS66)。植物管理装置1bは、通信装置2bから受信した現在時刻を示す情報とクロック発生部13により発生しているクロックとに基づいて、時刻調整処理を実行する(ステップS67)。
【0123】
通信装置2bは、植物管理装置1bの統括管理装置アドレスを要求する統括管理装置アドレス要求コマンドを植物管理装置1bに送信する(ステップS68)。植物管理装置1bは、統括管理装置アドレス要求コマンドを受信すると第1記憶部11に記憶されている統括管理装置アドレスを通信装置2bに送信する(ステップS69)。
【0124】
通信装置2bは植物管理装置1bから受信された統括管理装置アドレスを受信する(ステップS70)と、受信した統括管理装置アドレスに対応する統括管理装置3に対してアクセスし(ステップS71)、統括管理装置3との通信接続を確立する(ステップS72)。
【0125】
通信装置2bは、植物管理装置1bに記憶されているセンサログを要求するセンサログ要求コマンドを植物管理装置1bに送信する(ステップS73)。植物管理装置1bは、センサログ要求コマンドを受信すると、第1記憶部11に記憶されているセンサログを通信装置2bに送信する(ステップS74)。通信装置2bは植物管理装置1bから受信されたセンサログを受信し、第2記憶部21に保存する(ステップS75)。また、植物管理装置1bは、センサログを送信した後、第1記憶部11に記憶されているセンサログ(全ての検出値)を消去する(ステップS76)。
【0126】
通信装置2bは、植物管理装置1bがセンサログを消去した信号を受信すると、第2第2通信部23から出力している誘導磁界又は電波を停止して植物管理装置1bへの電力供給を停止する(ステップS77)。植物管理装置1bは、通信装置2bからの電力供給が停止されると本処理を終了する。
【0127】
通信装置2bは、第2記憶部21に記憶したセンサログを統括管理装置3に送信する(ステップS78)。統括管理装置3は、通信装置2bからセンサログを受信すると(ステップS79)、センサログの解析を行う(ステップS80)。
【0128】
センサログの解析とは、実施の形態1において
図3に示す植物管理装置1aが実行する各種検出部から現在の検出値を検出する動作を除く栽培状態判別処理における警告番号及びアドバイス番号のフラグ設定処理と略同様の処理である。
【0129】
即ち、センサログの解析とは、各種検出部のセンサログのうち最新の検出値が
図3に示す現在の検出値に相当し、最新の検出値と当該最新の検出値が検出された時刻に対応するDB32に予め記憶されている限界上限閾値及び限界下限閾値と、を比較して植物の栽培状態の異常有無を判別し、判別した異常状態に該当する警告番号を選択して、選択した警告番号に対応するフラグの設定処理や、また、最新の検出値及び当該最新の検出値と時系列的に連続した複数の検出値の履歴と、当該検出値の履歴に対応するDB32に予め記憶されている最適上限閾値及び最適下限閾値と、を比較して植物の栽培状態の問題傾向を判別し、判別した問題傾向に該当するアドバイス番号を選択して、選択したアドバイス番号に対応するフラグ設定の処理である。
【0130】
統括管理装置3は、センサログの解析が終了すると、解析結果として、フラグが1に設定されている警告番号及びアドバイス番号を通信装置2bに送信し(ステップS81)、また、受信したセンサログ及びセンサログの解析結果をDB32に保存する(ステップS82)。
【0131】
統括管理装置3は、受信したセンサログ及びセンサログの解析結果をDB32に保存した後、通信装置2bとの通信接続状態を切断して(ステップS83)、本処理を終了する。
【0132】
通信装置2bは、統括管理装置3から解析結果を受信し(ステップS84)、統括管理装置3との通信接続状態を切断する(ステップS85)。なお、通信接続状態の切断の処理は、統括管理装置3又は通信装置2bの一方が実行することにより必然的に他方も実行されることとなる。
【0133】
通信装置2bは、受信したセンサログの解析結果を参照して、フラグが1に設定された警告番号又はアドバイス番号の有無を判別し(ステップS86)、フラグが1に設定された警告番号又はアドバイス番号が有ると判別した場合(ステップS86;No)警告番号又はアドバイス番号に対応するメッセージを操作表示部22に表示し(ステップS87)、本処理を終了する。
【0134】
フラグ1に設定された警告番号又はアドバイス番号が無いと判別した場合(ステップS86;Yes)、本処理を終了する。
【0135】
なお、通信装置2bの操作表示部22の表示画面上に表示される警告番号又はアドバイス番号に対応するメッセージ画面の例は、実施の形態1の
図5に示す例と略同様であるため、図示及び説明は省略する。また、メッセージ画面を統括管理装置3の操作表示部34に表示させてもよい。
【0136】
以上のように、本実施の形態2によれば、植物毎の周辺環境の状態に基づいて判別された栽培状態の異常発生を報知することができるため、ユーザ自身が植物毎の栽培状態を判断する手間を省くことができると共に、適切な栽培管理をユーザに促すことができる。従って、植物の生育管理に不慣れなユーザであっても、植物の栽培管理を容易に行うことができる。
【0137】
また、植物管理装置1bは、通信装置2bから供給される誘導電磁界又は電波により生じる電力供給に応じて、検出した各種検出値(センサログ)を当該通信装置2bに送信することができる。従って、通信装置2bとの通信に電力を消費しないため低電力化を図ることができると共に植物管理装置1bと通信装置2bとの通信に拘わる構成を簡略化することができ、植物管理装置1bの小型化を図ることができ、植物の配置位置の自由度を向上させることができる。
【0138】
更に、植物管理装置1bにより検出された各種検出値(センサログ)を通信装置2bを介して統括管理装置3が一元的管理することができるため、植物管理装置1bの構成を植物の栽培状態の異常発生の有無を判別し報知する最低限の構成に留めることができ、植物管理装置1bのメモリ容量が縮小できることから植物管理装置1bの小型化及び低コスト化を図ることができる。