(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記選択信号判定部の判定により所定の選択信号と判定すると、防災無線放送局に選局して、所定の音量となるように音声を増幅させることを特徴とする請求項1に記載の防災無線受信機。
前記制御部は、前記緊急地震速報検知部が前記チャイム音を検出すると、所定のAM/FMラジオ放送局を選局して、所定の音量となるように音声を増幅させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防災無線受信機。
【背景技術】
【0002】
近年、防災への意識又は取組は高まってきている。そして、メディアもスピーディーで且つ正確な情報の発信を求められ、一般市民は、如何にその情報を収集できるかが関心とされている。そこで、緊急時にメディアは緊急地震速報や防災無線放送により夫々に情報を発信している。
【0003】
緊急地震速報は、地震等の災害発生時にラジオやテレビジョンにおいて放送局が、特定の番組を放送中であっても、中断して緊急地震速報を伝えるものである。
【0004】
また、防災無線放送は、市町村等の行政機関等が、地震、火災、水害等の災害時の緊急通報、避難情報に関する情報等を市町村内に居住する住民に報知する無線放送である。緊急時には、親局から各種情報が送信され、例えば、屋外拡声受信装置で受信した情報をスピーカを通じて拡声して一帯の住民に報知する。また、親局から送信された各種情報は、受信機等によっても受信可能で、受信機を通じて各世帯の住民に情報を報知する。
【0005】
そして、各世帯の住民には行政機関等の斡旋で防災ラジオ等を購入又は支給されて、行政機関等の放送する防災無線放送を聴くことができるようにされている地域も増えてきている。防災ラジオには、主電源をオフとして完全にシャットダウンしている以外に、通常のラジオ放送を選局して聴いたり、所定の防災無線放送をセットして聴く機能の他に、主電源をオンとしながら、みかけ上オフされてるかのごとく、ラジオ放送を流さずに無音状態としながら、内部的にサーチアクションを繰り返し、緊急時に防災無線放送が開始されるとそれを検知して防災無線放送を所定の音量にしてスピーカから発するための防災スタンバイ(自動受信)機能を有するものがある。
【0006】
また、防災ラジオには、ラジオ放送を聴いている最中でも割込み受信機能を有して、防災無線放送等を優先的に選局してスピーカから発するものがある。さらに、防災ラジオには、ACアダプタと電池を共用可能として停電時には電池による電源で災害時でも緊急放送を聴くことができるようにされているものもある。
【0007】
そして、下記に示す特許文献1には、防災無線放送およびAM/FM放送を受信可能で、AM/FM放送の緊急地震速報を自動的に聴取可能にする防災無線受信機が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る防災無線受信機の概要について説明するための図である。
【0023】
防災無線受信機10は、
図1に示すように、各家庭に設けられている。無論、各世帯で各個人が個別に所有していても構わない。そして、防災無線受信機10は、ラジオ放送局が送信するAM/FM放送を受信する機能(AM/FM受信モード)と、親局50のアンテナ51を介して送信する防災無線放送を受信する機能(防災無線受信モード)とを有する。
【0024】
なお、親局50は、アンテナ51を介して送信する防災無線放送を屋外拡声受信装置60のスピーカを通じて拡声し、一帯の住民に報知させるものである。
【0025】
また、防災無線受信機10は、放送信号としてはAM/FM放送信号を受信し、AM/FM放送信号の何れかの緊急速報として緊急地震速報を受信し、緊急速報の報知音声としてチャイム音信号を受信するものである。
【0026】
そして、防災無線受信機10は、地震が発生してラジオ放送局による緊急地震速報が放送されてチャイム音信号を検出したときには、自動的に音声の出力系統を起動して、この緊急地震速報を聴取することができる、主電源はオンであるがみかけ上電源オフとしながら内部的にサーチ処理を行っている防災スタンバイ(自動受信)機能であるチャイム検出モードを有する。
【0027】
さらに、防災無線受信機10は、地震が発生して後述するスケルチ機能を利用して、主電源オンであるがみかけ上電源オフとしながら内部的にサーチ処理を行って、防災無線放送の発信を検出したときには、自動的に音声の出力系統を起動して、防災無線放送を聴取することができる防災スタンバイ(自動受信)機能であるスケルチモードを有する。
【0028】
さらに、防災無線受信機10は、ラジオ放送局によるAM/FM放送を聴いている最中に地震が発生してスケルチ機能を利用して防災無線放送の発信を検出したときには、割込み受信機能により、防災無線放送を受信し自動的に音声の出力系統を起動して、防災無線放送を聴取することができるものである。
【0029】
このように、防災無線受信機10には、防災スタンバイ(自動受信)機能や割込み受信機能が搭載されているため、緊急地震速報および防災無線放送を逃すことなく聴取することができる。
【0030】
ここで、ラジオ放送局による緊急地震速報、及び行政機関等の親局50のアンテナ51を介して送信する防災無線放送について、夫々の放送開始を示す信号の形態について説明する。
【0031】
ラジオ放送局は、ニュースや音楽等の番組をAM/FM波で送信する。このラジオ放送局は、地震の発生時には、放送中の番組を中断し、「チャラン、チャラン」等のチャイム音を鳴らした後、例えば、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった規定に定められた約1分程の緊急地震速報を行う。
【0032】
つまり、チャイム音は、緊急地震速報の開始を報知するためのものである。なお、チャイム音は、メロディーがラジオ放送局ごとに異なる場合があり、特定の放送局に限定するものではないが、国営放送であるNHKのチャイム音による音声パターンを認識するように設定しておけば、日本全国でそのチャイム音を検出することができる。
【0033】
親局50は、防災行政無線システムの一部を構成するものである。そして、親局50は、例えば、市町村の役場に設置され、災害の発生時には、防災無線放送を防災無線信号で送信する。このとき、市町村の地域別に設置された屋外拡声受信装置60は、防災無線信号を受信し、屋外拡声受信装置60のスピーカから緊急無線放送を音声で出力するものである。
【0034】
また、親局50は、例えば、行政事務に関する情報を、朝と夕方等、決められた時間に防災無線信号で送信するものであったり、学校、病院、消防団等の特定のコミュニティー用に防災無線信号による放送開始前に選択信号を発し、受信機側でそのコミュニティーの対象か否かを判別して放送を受信するようにされているものである。なお、特定のコミュニティー用に防災無線信号による放送の終了時には、終話信号が発信されて放送の終わりを検出するようにされている。
【0035】
そして、親局50が送信する防災無線信号は、例えば、極狭い周波数帯域のFM波である。その周波数帯は、例えば、68MHz〜70MHzであり、FM放送の一部の周波数帯域の近傍の周波数帯である。
【0036】
また、この防災無線信号を受信するにあたって、防災無線受信機10は、スケルチ回路を有しており、FM波の受信を行う。
【0037】
スケルチ回路は、スケルチモードを実行するため、FM波を基に、防災無線信号を受信したか否かを判別するものである。この判別の際に、スケルチ回路は、例えば、ノイズスケルチ値の場合、防災無線受信回路の出力信号に含まれる雑音の大きさが予め設定された値より大きいか小さいかを比較し、結果を出力する。この結果は受信信号の有無つまり防災無線の周波数の電波の強弱を表す。
【0038】
例えば、ノイズスケルチの場合、スケルチ回路は、防災無線の周波数の電波が弱く雑音が大きい場合には、防災無線を受信していないものと認識する。一方、スケルチ回路は、防災無線の周波数の電波が強く雑音が小さい場合には、防災無線を受信したものと認識する。そして、スケルチ回路は、例えばアクティブLowの場合、防災無線を受信していない時はHighのスケルチ信号を、防災無線を受信している時はLowのスケルチ信号を、制御部であるマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略す)に出力する。
【0039】
次に、防災無線受信機10の回路ブロックについてブロック図を用いて説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る防災無線受信機10の主要部の構成例を示すブロック図である。
【0040】
防災無線受信機10は、
図2に示すように、アンテナとしてFMアンテナ11及びAMアンテナ12を有する。また、防災無線受信機10は、各放送の受信回路として、各アンテナに接続されるラジオ受信回路13及び防災無線受信回路20を有する。そして、防災無線受信機10は、各受信回路で受信/復調されたAM/FM放送又は防災無線放送の各音声データが音声選択回路19に伝達され、ユーザー選択又は自動選択により音声選択回路19で選択された音声データとして、アンプである音声増幅回路18に伝達されるようにされている。音声増幅回路18はCPU等のマイコンからなる制御部40により音量を制御されて、制御された音声データをスピーカ17から発するようにされている。
【0041】
また、制御部40は、ラジオ機能として、AM/FM放送を選局するべくラジオ受信回路13を制御して、受信する放送局を選択している。
【0042】
また、防災無線受信機10は、緊急地震速報の開始を報知するチャイム音を検出するために特定放送局の放送を監視すべく音声処理を行う音声信号処理部14と、チャイム音の音声パターンと同パターンの音声かを検出する緊急地震速報検知部15を有し、制御部40で緊急地震速報が放送されているか否かを判定する。なお、音声信号処理部14と緊急地震速報検知部15とはワンチップICで構成されており、防災スタンバイ(自動受信)機能であるチャイム検出モードのときに、このICはON状態とされて、継続的にチャイム音の発生を監視するものである。
【0043】
さらに、防災無線受信機10は、先述のスケルチ回路21と、選択対象の防災無線放送か否かを検出するべく選択信号を復調させる選択信号復調回路22と、選択信号検出による選択対象の防災無線放送かを検出するとともに、放送の終了時の終話信号を検出する選択信号判定部23を有し、制御部40で選択対象の防災無線放送が放送されているか否かを判定する。なお、選択信号復調回路22と選択信号判定部23とはワンチップICで構成されており、防災スタンバイ(自動受信)機能であるスケルチモードのときに、スケルチ回路21によるスケルチと判定した時に、このICはON状態とされて、選択信号の判定を行うものである。
【0044】
また、本発明では、スケルチ判定によって、防災無線放送が行われると、放送が終わるまでは、音声信号処理部14と緊急地震速報検知部15とのワンチップICによるチャイム音検出は行わないことからこのICはOFF状態とさせている。
【0045】
次に、本発明の実施形態に係る防災無線受信機10の動作例についてフローチャートを用いて説明する。
図3は本発明の実施形態に係る防災無線受信機10の動作例を示すフローチャートである。
【0046】
防災無線受信機10は、ユーザーにより主電源をオンとされるモードの内、モードSWを設定されて、AM/FM受信モード、防災スタンバイ(自動受信)モード等のモードに選択されて所定の動作を行う。ここでは、防災スタンバイ(自動受信)モードに設定されて、みかけ上無音状態としながら内部的サーチ処理を繰り返し行って、緊急時に緊急地震速報や防災無線放送の受信を可能とするモードを選択された状態について説明する。
【0047】
CPUである制御部40は、モードSWを確認する処理(ステップS101)を実行する。制御部40は、防災スタンバイモードに設定されてスピーカから音を発せずに、みかけ上の電源オフ状態としながら、内部的に緊急地震速報を検出用に音声信号処理部14と緊急地震速報検知部15とのワンチップICを動作させ、継続的にチャイム音の発生を監視したり、防災無線放送を検出するためのスケルチ回路21を動作させて各放送開始をサーチする処理(ステップS105)を開始する。
【0048】
制御部40は、緊急地震速報や防災無線放送の放送開始をサーチする処理として、先ず、防災無線放送の放送開始をサーチするべくスケルチ信号による割込み処理の判定(ステップS110)を行う。
【0049】
防災無線放送の放送開始をサーチするスケルチ信号による割込み処理の判定(ステップS110)において、例えば、スケルチ信号がアクティブLowに変化してノイズレベルが所定量以下と判定して防災無線放送の周波数帯による何らかの放送が開始されたことを示す割込み処理が発生すると、ステップS135に進み、ノイズレベルが所定量以上と判定して防災無線放送の周波数帯による何らかの放送が開始されていないと判定すると、ステップS115に進む。
【0050】
防災無線放送の放送開始をサーチするスケルチ信号による割込み処理の判定(ステップS110)において、防災無線放送の周波数帯による何らかの放送が開始されたと判定すると、次に、制御部40は、緊急地震速報を検出用のワンチップICを停止させてチャイム音の監視を中断させる処理(ステップS135)を実行する。
【0051】
そして、制御部40は、緊急地震速報を検出用のワンチップICを停止させるとともに、選択信号復調回路22と選択信号判定部23とのワンチップICを動作モードとして制御を開始する処理(ステップS140)を実行する。
【0052】
次に、制御部40は、選択信号復調回路22により、検出された信号が防災無線放送か否かを検出するべく選択信号を復調させ、選択信号判定部23を制御して、その選択信号の復調信号により受信機がその放送を受信すべき選択対象か否かを判定(ステップS145)する。
【0053】
受信機がその放送を受信すべき選択対象か否かの判定(ステップS145)において、選択対象でなければ、ステップS165に進み、選択対象であればステップS150に進む。
【0054】
受信機がその放送を受信すべき選択対象でないと判定するとステップS165において、制御部40は、その受信した放送の終話信号を受信したか否かを選択信号判定部23を介して判定する。
【0055】
終話信号を受信したか否かの判定(ステップS165)において、終話信号を受信しなければ、あらためて、その周波数帯の放送が選択対象の放送に切り替わっていないかを確認すべくステップS145に戻る。一方、終話信号を受信したか否かの判定(ステップS165)において、終話信号を受信すれば放送が終了したことにより、ステップS170に進む。
【0056】
また、ステップS145において、受信機がその放送を受信すべき選択対象であると判定すると、制御部40は、その放送をスピーカ17から発するべく、音声選択回路19を制御して防災無線放送を選択するとともに、音声データを音声増幅回路18に伝達し、音声増幅回路18を制御して、所定の音量とする処理(ステップS150)を実行する。
【0057】
次に、制御部40は、放送の終了を意味する終話信号を受信したか否かの判定(ステップS155)を選択信号判定部23を制御して継続的に行う。
【0058】
制御部40は、放送の終了を意味する終話信号を受信すると音声選択回路19及び音声増幅回路18を制御して、防災無線放送の音声を停止させる処理(ステップS160)を実行し、ステップS170に進む。
【0059】
制御部40は、防災無線放送の終了又は、選択対象でない放送の終了を受けてステップS170において、受信した信号を制御するための選択信号復調回路22と選択信号判定部23とからなるワンチップICの動作を停止させる処理(ステップS170)を実行する。
【0060】
次に、制御部40は、あらためて、緊急地震速報を検出用に音声信号処理部14と緊急地震速報検知部15とのワンチップICを動作させ、継続的にチャイム音の発生を監視する処理(ステップS175)を開始させ、ステップS101に戻る。
【0061】
一方、防災無線放送の放送開始をサーチするスケルチ信号による割込み処理の判定(ステップS110)において、ノイズレベルが所定量以上と判定して防災無線放送の周波数帯による何らかの放送は開始されていないと判定したステップS115において、緊急地震速報の開始を報知するチャイム音を検出するために特定放送局の放送を監視し、「チャラン、チャラン」等のチャイム音の音声パターンと同パターンの音声かを検出して、緊急地震速報が放送されているか否かを判定(ステップS115)する。
【0062】
緊急地震速報が放送されているか否かの判定(ステップS115)において、所定のチャイム音を検出できなければ、ステップS110に戻って、スケルチ判定を行い、所定のチャイム音を検出すれば、ステップS120に進む。
【0063】
制御部40は、所定のチャイム音を検出すると、緊急地震速報をスピーカ17から発するべく、ラジオ受信回路13の放送局を所定の放送局に選局し、音声選択回路19を制御して所定の放送局の音声データを受信するように選択して音声データを音声増幅回路18に伝達し、音声増幅回路18を制御して、所定の音量とする処理(ステップS120)を実行する。
【0064】
次に、制御部40は、緊急地震速報を放送中であっても、割り込み受信機能として、防災無線放送が放送されるか否かを検出すべくスケルチ判定(ステップS123)を実行する。
【0065】
防災無線放送の放送開始をサーチするスケルチ判定(ステップS123)において、ノイズレベルが所定量以下と判定して防災無線放送の周波数帯による何らかの放送が開始されたと判定すると、先述のステップS135に進み、ノイズレベルが所定量以上と判定して防災無線放送の周波数帯による何らかの放送が開始されていないと判定すると、引き続き緊急地震速報をスピーカ17から発するとともにステップS125に進む。
【0066】
次に、制御部40は緊急地震速報をスピーカ17から発するにあたって、時間管理を行う。緊急地震速報は秒単位を争う情報伝達であり、その処理や伝送に起因する警告の遅延時間を極力少なくするとともに、地震の主要動が各地に到達するまでの事前の時間を少しでも長く確保する必要があり、配信システムやネットワークなどには高速化のための工夫がされており、その放送時間もチャイム音から1分以内を目安とされている。
【0067】
そこで、制御部40はタイマー割込みを開始させ1分経過をカウントする処理を実行する。したがって、1分経過判定(ステップS125)において、経過していなければ、ステップS123に戻って、スケルチ判定を行い、1分経過すればステップS130に進む。
【0068】
1分経過判定(ステップS125)において、1分経過すると、緊急地震速報が終了されていることにより、制御部40は、音声増幅回路18を制御して、緊急地震速報の音声を停止させる処理(ステップS130)を実行し、ステップS101に戻る。
【0069】
なお、本発明では、緊急地震速報の放送開始の検出にあたっては、緊急地震速報検知部15としてCPUとは異なる専用ICによる検出を行うことによりマイコンの制御負担を軽減するとともに、監視タイミングで所定のICのみを動作モードとすることから消費電力を軽減しているが、さらに、専用ICにラジオ放送局による緊急警報放送(EWS)を検出する機能を有するようにすれば、緊急地震速報だけでなく、緊急警報放送(EWS)も自動受信することができる。
【0070】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、選択信号判定部23、緊急地震速報検知部15、音声信号処理部14及び選択信号復調回路22は、夫々CPUである制御部40内に構成することも可能であり、これにより、システム全体の消費電力を削減することも可能となる。
【0071】
以上のように本実施形態によれば、防災無線放送の受信時は緊急地震速報の検知を停止し制御部の負荷や消費電力を軽減しながらも、常に緊急時の緊急地震速報あるいは防災無線放送が放送された際に、これら緊急地震速報や防災無線放送を受信可能な状態にする防災無線受信機10を提供することができる。
【0072】
なお、防災無線放送において、選択対象でない行政事務に関する情報を、朝と夕方等、決められた時間に防災無線信号で送信する放送であったり、学校、病院、消防団等の特定のコミュニティー用に防災無線信号による放送のときには、終話信号の検出を行ってから、各放送の監視動作に戻るとしたが、選択対象の放送でなければ、直ちに監視動作に戻るようにしても構わない。
【0073】
また、本実施形態によれば、AM/FMラジオ放送の緊急地震速報を聴いている最中でも、緊急時の防災無線放送が放送された際には、直ちに防災無線放送を聴くことができる。
【0074】
さらに、本実施形態によれば、緊急放送である防災無線放送の放送が終了すると、あらためて、装置を緊急放送前の状態に戻すことにより、即座に、AM/FMラジオ放送の緊急地震速報を聴くことが可能となる。
【0075】
そして、本実施形態によれば、装置が無音状態、又は、通常のAM/FMラジオ放送を聴いているときであっても、直ちに所定の音量で緊急地震速報を聴くことができる。
【0076】
さらに、本実施形態によれば、AM/FMラジオ放送の緊急地震速報を聴いている最中でも、緊急時の防災無線放送が放送された際には、直ちに防災無線放送を聴くことができる。
【0077】
さらに、本発明の実施形態における処理は、コンピュータに実現させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、或いは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施形態で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等でプログラムを実行させることにより、本実施形態の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、本実施形態で述べた装置に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取り可能であって、読み取ったプログラムに従って制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。