(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の形状調整機構において、前記スタイレットキャリアが、前記ハンドル本体において軸方向に摺動可能なスライドの形態であることを特徴とする形状調整機構。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の形状調整機構において、前記カテーテルハンドルが複数のシェル部材を備え、前記複数のシェル部材が、前記ハンドル本体を形成するように組み立てられ、かつ前記ハンドル本体の内部にアクセスするために互いから少なくとも部分的に分離され得ることを特徴とする形状調整機構。
請求項1〜4のいずれか一項に記載の形状調整機構において、前記ハンドル本体が、前記形状調整器を回転可能に受け入れるための受入構造を画定することを特徴とする形状調整機構。
請求項7に記載の形状調整機構において、前記カラーが、前記カラーが前記ハンドル本体の周囲の位置に嵌め込まれるのを可能にする複数の分離可能な部品を含むことを特徴とする形状調整機構。
請求項1〜8のいずれか一項に記載の形状調整機構において、前記相補的ガイド構造が、前記形状調整器の作動的に内面に画定されたカミング溝と、前記スタイレットキャリアによって支持される従動部とを備え、前記従動部が、前記形状調整器の前記カミング溝に受け入れられるべく前記ハンドル本体に画定された溝穴を通して突出していることを特徴とする形状調整機構。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面において、参照数字10は、概してカテーテルの実施形態を示す。カテーテル10は、カテーテルハンドル12を備えており、そこから、カテーテルシースまたは電極シース14が突出している。カテーテルシース14は、カテーテルシース14の遠位部分18に複数の電極16を保持している。電極16は、診断目的および/または治療目的で使用される。
【0018】
カテーテルはスタイレット20(
図9および
図11〜
図13に示す)をさらに含む。スタイレット20の近位部分22は、後により詳細に説明するようにカテーテルハンドル12内に受け入れられる。カテーテルシース14は内腔(図示せず)を有しており、その中にスタイレット20が受け入れられる。図面の
図12により明確に示すように、スタイレット20の遠位部分24は、ある形状、より詳細にはループ形状26に予め成形されている。しかしながら、スタイレットの遠位部分24を、たとえばつる巻線、先細のつる巻線、ピッグテール形状または他のあらゆる所望の形状等、他のあらゆる非直線形状に予め成形することができることは明らかである。
【0019】
スタイレット20は、カテーテルシース14の内腔内に嵌合し、スタイレット20の遠位部分24のループ形状26は、図面の
図1に示すようにカテーテルシース14の遠位部分18に付与される。説明を簡単にするために、本開示を、スタイレット20の遠位部分24の形状がループ形状であることに関連して説明する。しかしながら、以下のことは、成形された遠位部分24を有する他のあらゆるスタイレット20にも適用可能とすることができることは明らかである。
【0020】
実施形態では、カテーテル10は、形状解放機構28を含む。形状解放機構28は、カテーテルハンドル12と、ハンドル12内に摺動可能に受け入れられてハンドル12から遠位に突出するスリーブ30の形態の細長いカテーテルシースキャリアとを備えている。形状解放機構28は、スタイレット20がカテーテルシース14の遠位部分18に付与する形状を解放することができる。これは、カテーテルシースを前方に押し、それによって、スタイレット20の遠位部分が、
図2の80に示すように電極シースの遠位部分18に対して近位の位置まで移動するようにすることによって達成される。この作動位置において、スタイレット20の遠位部分とカテーテルシースの遠位部分18とは、もはや互いに位置合せされていない。
図2は、カテーテルシース14が前方に押され、カテーテルシース14およびスタイレット20の遠位部分がもはや互いに位置合せされていない場合の、作動位置におけるカテーテル形状解放機構28を示す。
【0021】
ハンドル12はハンドル本体32を備えている。ハンドル本体32は、図面の
図8に最も明確に示す複数のシェル部品34から構成されている。図示する実施形態では、ハンドル本体32は、実質的に互いの鏡像である2つのシェル部品を備えている。ハンドル本体32は、近位端36と遠位端38とを有している。ハンドル本体32の近位端36と遠位端38との間に、通路40(
図8)が延在している。
【0022】
図面の
図8に示す実施形態では、2つのシェル部品34がクリップ42によって合わせて固定されており、クリップ42は、シェル部品34のうちの一方に保持され、他方のシェル部品34の相補的受入構造44に受け入れられる。
【0023】
図面の
図14に示す実施形態では、場合によっては、各シェル部品34の一方の側のみがクリップ42または受入構造44を有している。ハンドル本体32のシェル部品34の他方の側が、図面の
図14に示されているヒンジの翼46に合わせて蝶番状に取り付けられている。
【0024】
シェル部品34が互いに接続する方法に関らず、ハンドル本体32の内部にアクセスすることができるようにシェル部品34を切り離すことにより、ハンドル本体32を開放するのは単純なプロセスである。さらに、クリップの代りに、他の方法で、たとえば、ハンドル本体32の周囲に受け入れられる1つまたは複数のばねクリップ等により、互いにねじ留めされることによって、部品34同士を合わせて保持することができることは明らかである。
【0025】
図面の
図3を参照すると、形状解放機構28のスリーブ30は、2つの部品48を備えている。図示する実施形態では、2つの部品48は、クリップ50および位置特定構造52を介して互いに留まる。ハンドル本体32のシェル部品34に関して上述したように、これらの部品48を互いに蝶番式に取り付け互いにクリップ留めまたはねじ留めすることによってスリーブ30を形成することも可能であることは明らかである。
【0026】
スリーブ30は、カテーテルシース14を支持する支持部材54を包囲する。支持部材54は、内部に長手方向に延在する溝56が形成されている。カテーテルシース14の近位部分58は、支持部材54の溝56内に支持されている。必要に応じて、近位部品58を、好適な接着剤によって溝56内に接合することができる。
【0027】
形状解放機構28はまた、歪み緩和部(strain relief)60も有している。添付図面に示す実施形態では、カテーテルシースが、カテーテルシース14が形状解放機構のスリーブ30に接触する接続部に対して応力を加えることなく移動し曲がることができるように、歪み緩和部は、円錐状に成形されている。歪み緩和部60は、スリーブ30の遠位端62(
図1および
図2)に固定されている。歪み緩和部60は、弾性的に可撓性の材料からなり、かつ近位カラー64を有し、近位カラー64は、スリーブ30の部品48の肩部66に係合して、スリーブ30の部品48が合わせて固定される時に歪み緩和部を係留して保持する。弾性的に可撓性の材料である歪み緩和部60はまた、スリーブ30の内部、したがってカテーテルハンドル12の内部に体液等の異物が侵入しないようにする。
【0028】
形状解放機構28は、スリーブ30のハンドル本体32に対する摺動変位を誘導する相補的ガイド構造を有している。相補的ガイド構造は、スリーブ30の部品48のうちの1つの近位端に配置されているピン68を備えている。カテーテルハンドル12の一部、より詳細にはカテーテルハンドル12の操縦機構72に、ガイドプレート70(
図4)が固定されている。操縦制御機構72については後に詳細に説明する。
【0029】
ガイドプレート70は、ガイドプレート70内において軸方向に延在するガイドスロット74を画定している。ガイドスロット74は、クランク状に曲げられており、ガイドスロット74の近位端において、戻り止め76の形態の係止機構が画定されている。したがって、スリーブ30が、図面の
図1に示すようにその後退位置にある時、ピン68は、戻り止め76の末端78において戻り止め76に受け入れられる。スリーブ30を、図面の
図2に示すような位置まで軸方向に摺動することができるように解放するために、ピン68が末端78から離れてガイドスロット74の残りの部分と整列するように移動するように、スリーブ30を回転させる必要がある。したがって、スリーブ30は、図面の
図2に示すような位置まで自由に伸長する。
【0030】
形状解放機構28の目的は、使用時に患者の体内の組織に引っ掛った場合にループ形状26を解放することである。これにより、複雑化および難題がもたらされる可能性がある。図示するように、ループ形状26は堅く巻かれた構造である。しかしながら、スリーブ30をハンドル12に対して伸長させることにより、カテーテルシース14を、図面の
図1に示す位置から図面の
図2に示す位置までスタイレット20に対して伸長させることによって、スタイレット20の遠位部分24は、カテーテルシース14の遠位部分18から引き抜かれ、図面の
図2において80に示すように、カテーテルシース14の遠位部分18の近位の位置になる。スタイレット20の遠位部分24が、カテーテルシース14の遠位部分18に対して近位に引き抜かれると、スタイレットの遠位部分24の張力が低減し、遠位部分がより引き出された、それほど堅く巻かれていない形状をとることになり、カテーテルシース14の成形部分がからまっていた可能性がある組織からその成形部分のからみを解きまたはその成形部分を解放するのを容易にする。実際には、カテーテルのループ構造が組織に引っ掛ると、使用者は、係止機構を解除して、カテーテルシースキャリアスリーブ30を適所に維持し、その後、スリーブ30を適所に保持しながら、カテーテルハンドルおよびスタイレットを引き戻す。このように、カテーテルシースの遠位先端は、組織に引っ掛った場所に留まり、スタイレットのループが引き戻されると、シースは再び自由になる。後により詳細に説明するサイズ調整機構128の適切な操作により、ループを組織から解放するのに役立つようにループ構造のサイズを低減することも可能である。
【0031】
上述したように、カテーテルハンドル12は操縦制御機構72を含む。この操縦制御機構72は、カテーテルシース18の遠位部分を、患者の脈管構造を通して操縦するため、かつカテーテルシース14の遠位部分においてループ構造26を偏向させるために用いられる。
【0032】
操縦制御機構72についてより詳細に説明する前に、カテーテル10のスタイレット20の操作を理解するために、スタイレット20についても説明する。スタイレットは、好ましくは、外側管状部材82、内側管状アクチュエータ92およびプルワイヤ100を有する多構成部品スタイレットであり、それらによってスタイレットは、まず平面で偏向し、次にスタイレットの遠位部分において形状を調整することができる。これらの機能は、後により詳細に説明するように1つの構成部品の別の構成部品に対する相対移動によって達成される。
【0033】
図9は、カテーテルハンドルに接続されていない時のスタイレット20の近位部分を示し、
図11は、カテーテルハンドル12のハンドル本体32のシェル部品34の一方に取り付けられているスタイレットの近位部分を示す。
図12は、スタイレット20の遠位部分を示し、
図13は、外側管状部材82の形態でのスタイレット20の構成部品の遠位部分を示す。
【0034】
外側管状部材82は、図面の
図13により詳細に示す遠位部分84を有している。外側管状部材82の遠位部分84は、ループ形状26に予め成形されており、遠位端86を有している。遠位部分84は、88に示すようにクランク状に曲げられており、それにより、ループ形状26は、外側管状部材82の長手方向軸に対して横切るかまたは垂直な平面に位置している。管状部材82の遠位部分84においてクランク状領域88の近位に、細長い、切り取られた曲げ促進部90が形成されている。部分90は、扇形(scalloped)部分であり、後により詳細に説明するように、スタイレット20のループ形状26の遠位端の偏向を容易にするように、切取の大きさが変化し切取部90の近位端から遠位端まで増加している。
【0035】
スタイレット20はまた、内側の管状アクチュエータ92(
図12に示す)も含む。アクチュエータ92は、遠位端が、94においてスタイレット20の外側管状部材82の遠位部分84に固定されている。接続箇所94は、クランク状部分88に対して近位に配置されているが、切取部90に対して遠位に配置されていることが留意されるべきである。管状アクチュエータ92は、溝穴付き曲げ促進領域96を有しており、それは、スタイレット20の外側管状部材82の切取部90と実質的に同じ長さでありかつ一致して位置している。外側管状部材82と内側管状アクチュエータ92との間の相対移動により、矢印98(
図13)の方向におけるループ形状26の偏向がもたらされる。
【0036】
プルワイヤ100の形態の形状またはサイズ調整アクチュエータが、外側管状部材82および管状アクチュエータ92の内腔を通して受け入れられ、プルワイヤ100の遠位端は、外側管状部材82の遠位端86に固定されている。
図13に示すように、外側管状部材82の遠位端86と外側管状部材82のクランク状領域88との間に、第2の長手方向に延在する切取部102が形成されていることが留意されるべきである。この切取部102により、プルワイヤ100と外側管状部材82との間の相対移動によって、ループ形状26のサイズの調整が容易になる。
【0037】
図面の
図9に示すように、プルワイヤ100の近位端は、好適な取付構造を介してスライド104の形態のスタイレットキャリアに取り付けられている。取付構造は、スライド204に溝穴(図示せず)を含み、それは、プルワイヤ、またはプルワイヤ100の近位端に取り付けられた取付スリーブを受け入れるように、およその寸法が決められている。外側管状部材82の近位端は、取付スリーブ106を保持し、同様に、管状アクチュエータ92の近位端は、取付スリーブ108を保持している。
【0038】
操縦制御機構72は、ハンドル本体32によって画定された通路40内に変位可能にかつ好ましくは摺動可能に受け入れられる細長い中空円柱状部材110(
図8に示す)を備えている。カテーテルハンドル12の他の構成部品の場合のように、円柱状部材110は2つの部品112を備え、それらは、図示する実施形態では、相補的クリップ114および受入構造116を介して互いにクリップ留めされている。ハンドル本体32のシェル部品34の場合のように、円柱状部材110の部品112を、合わせて蝶番状に取り付け、閉鎖するようにクリップ留めするかまたはねじ留めすることも可能である。
【0039】
使用時に、カテーテルシース14の遠位端の操縦を容易にするように、臨床医の親指が係合する操縦制御機構72の遠位端に、半径方向外側に延在するノブ118の形態での隆起した突起が画定されている。カテーテルシース12の遠位部分18の偏向は、制御ノブ118の押す/引く動きによって達成される。
【0040】
図面の
図11を参照すると、スタイレット20の外側管状部材82の取付スリーブ106が、操縦制御機構72の部品112の一方の座部120に取り付けられているように示されている。他方の部品112は、座部120の対応する部分を含むことができる。このように、外側管状部材は、操縦制御機構72の摺動可能な円柱状部材110に接続される。ハンドル本体32の通路40において座部120の近位にさらなる座部112が画定されており、管状アクチュエータ92の取付スリーブ108は、座部122に固定される。したがって、内側管状アクチュエータは、カテーテルのハンドル本体32に固定され、外側管状部材が制御ノブ118の押し/引張りによって移動する時に適所にあり続ける。操縦制御機構72が、ハンドル本体32に対して矢印124の方向に移動する際、スタイレット20の外側管状部材82と内側管状アクチュエータ92との間の相対移動が発生し、その結果、図面の
図13において矢印98によって示すように、スタイレット20の遠位端が偏向することは明らかである。
【0041】
図面の
図11に示すように、プルワイヤ100の近位部分は、ハンドル本体32の通路40内に固定して配置されている半球状ガイドポスト126の周囲に誘導され、プルワイヤ100の近位端は、好ましくは、スライドの形態のスタイレットキャリア104に固定して取り付けられている。
【0042】
実施形態では、カテーテル10は、形状またはサイズ調整機構128を有している。形状調整機構128は、カテーテルハンドル12のハンドル本体32の外側に配置されたカラー130の形態の形状またはサイズ調整器を含む。
【0043】
スタイレットキャリア104は、形状またはサイズ調整機構128の一部を形成し、カテーテルハンドル12のハンドル本体32の通路40内に軸方向に摺動可能に配置されている。カラー130は、カテーテルハンドル12の他の部品と同様に、相補的クリップ134および受入構造136(
図8)を介して互いに留まる2つの部品132から構成されている。図面の
図14に示すような別の実施形態では、カラー130の部分132は、図面の
図14に示されているヒンジの翼138によって互いに蝶番式に取り付けられている。各部品132の他方の側は、クリップ134および受入構造136を介して互いに留まる。
【0044】
図面の
図8により明確に示すように、カテーテルハンドルのハンドル本体32のシェル部分34は、凹部140(
図8)を画定するようにくびれ領域を有している。カラー130は、凹部140に受け入れられ、軸方向の動きに対して制約されるが、ハンドル本体32の長手方向軸を中心に自由に回転することができる。
【0045】
各シェル部分34の凹部領域140は、内部に切取部分142が画定されており、それにより、シェル部品34が互いに嵌合すると、ハンドル本体32内に長手方向に延在する溝穴が画定される。
【0046】
カテーテル10のサイズ調整機構128は、カラー130の各部品132の内面にカミング溝144(図面の
図10に最も明確に示す)の形態の相補的ガイド構造を含む。相補的ガイド構造またはピン146の形態のガイド従動部が、プルワイヤ100が接続されている端部とは反対側のスライド104の端部に配置されている。ピン146は、シェル部品34の切取部142によって形成されたハンドル本体の溝穴を通して突出し、カラー130のカミング溝144に受け入れられる。したがって、カラー130の回転は、スライド146の軸方向変位になる。このスライド146の軸方向変位により、プルワイヤ100とスタイレット20の外側管状部材82との間の相対移動がもたらされ、その結果、スタイレット20の遠位部分24におけるループ形状26のサイズが増大するかあるいは低減するか、またはスタイレット20の遠位部分24の形状が変化する。スタイレット20の遠位部分24の形状またはサイズが変化することにより、医師は、カテーテルを正しい位置においてより正確に位置決めすることができる。さらに、使用時に、カテーテルをより容易に移動させるように、カテーテル先端のサイズまたは形状を変化させることが有用であり得る。
【0047】
したがって、使用時、カラー130の回転により、臨床医は、ループ形状26のサイズを制御することができる。これは、単純な片手操作である。サイズ調整機構128は、さらにまたは代りに、第2操縦または偏向機構として動作することができることは明らかである。
【0048】
ハンドル本体32に対して操縦制御機構72を変位させるために必要な労力を調整することが可能である。この目的で、摩擦要素150が設けられている。摩擦要素150は、ねじ152およびワッシャアセンブリ154を含み、ねじ152は、図面の
図8に示すように、ハンドル本体32のシェル部品34のねじ切ソケット156に受け入れられる。ねじは、操縦制御機構72の円柱部材110の部品112のうちの一方の近位伸長突出部160に画定されている溝穴158を通して突出する。
【0049】
カテーテル10は、カテーテルハンドル12のハンドル本体32の近位端36に配置されているコネクタ162を含む。コネクタ162は、カテーテルシース14の電極16の導体(図示せず)が接続されている端子164を有している。コネクタ162は、ハンドル本体32内に位置し、必要な場合は、シェル部品34を分離することによって取り除き交換することができる。コネクタ162は、カテーテル10が使用されている診断/治療システムの患者ケーブルに接続する。
【0050】
臨床医による片手での使用に適している小型カテーテルハンドルが提供されることが、説明した実施形態の特定の利点である。ハンドル12は、臨床医の手の中に容易に収まり、操縦制御機構72およびサイズ調整機構128等の動作制御部のすべてに容易に手が届く。操縦制御機構72およびサイズ調整機構128は、臨床医が好む臨床医による片手での操作が可能である。これにより、臨床医は、カテーテル10を位置決めし操作することにより容易に集中することができる。
【0051】
さらに、カテーテルは、ますます高価になってきている。生物学的に危険である可能性がある環境で使用されるため、大部分のカテーテルは、一度使用された後廃棄処分される。多くの場合、これは不要であり、カテーテルを再処理することができる。上述したように、モジュールタイプのハンドル10を提供し、さまざまな構成部品、より詳細にはカテーテルシース14およびスタイレット20の交換また修理を容易にするように、ハンドル10の内部にアクセスすることは容易なプロセスである。ハンドル12は、プラスチック材料の成形品であり、概して低コストである。したがって、ハンドル12が体液で汚染されかつ適切に洗浄することができない場合、ハンドル12を廃棄処分しそれを新しいものと交換することは比較的安価なプロセスである。そうであっても、ハンドル12はモジュール式部品から構成されているため、必要な場合はそれらの部品のみを交換すればよい。
【0052】
本明細書を通して「一実施形態」、「いくつかの実施形態」または「実施形態」と言及する場合、それは、その実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通してさまざまな場所で「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」または「実施形態において」という句が現れる場合、それは、すべて必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らないが、指している場合もある。さらに、1つまたは複数の実施形態において、特定の特徴、構造または特性を、本開示から当業者には明らかであるように、あらゆる好適な方法で組み合わせることができる。
【0053】
本明細書で用いる、共通の対象を述べるための順序を示す形容詞「第1」、「第2」、「第3」等の使用は、特に指定しない限り、同様の対象の異なる例が言及されていることを単に示し、そのように述べられている対象が、時間的に、空間的に、順位において、または他のあらゆる方法で、所与の順序でなければならないことを意味するようには意図されていない。
【0054】
後の特許請求の範囲および本明細書の説明において、備えている(comprising)、備える(comprised of)または備える(which comprises)という用語のいずれも、非限定用語(open term)であり、それは、少なくとも続く要素/特徴を含むが、他を排除するものではないことを意味する。したがって、備えているという用語は、特許請求の範囲において使用される場合、その後に列挙される手段または要素またはステップに限定されているものとして解釈されるべきではない。たとえば、表現の範囲、AおよびBを備えている装置は、要素Aおよび要素Bのみから構成されている装置に限定されるべきではない。本明細書で用いる、含んでいる(including)または含む(which includes)あるいは含む(that includes)という用語のいずれもまた非限定用語であり、それもまた、少なくともその用語に続く要素/特徴を含むが、他を排除するものではないことを意味する。したがって、含んでいるとは備えていると同義であり、かつ備えていることを意味する。
【0055】
本発明の例示的な実施形態の上記説明において、本発明のさまざまな特徴が、開示を簡素化し、さまざまな発明の態様のうちの1つまたは複数の理解に役立つ目的で、単一の実施形態、図面またはその説明において合わせてグループ化されている場合があることは明らかである。しかしながら、この開示の方法は、請求項に記載の発明が、各請求項に明示的に列挙されているものより多くの特徴を必要とするという意図を反映しているものと解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、前述の開示した単一の実施形態のすべての特徴にあるとは限らない。したがって、発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、本明細書において、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、各請求項は、本発明の別個の実施形態として自立している。
【0056】
さらに、本明細書に記載するいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれているいくつかの特徴を含むが他の特徴を含まない一方で、当業者には理解されるように、種々の実施形態の特徴の組合せが、本発明の範囲内にあるように意図されており、かつ種々の実施形態を形成する。たとえば、以下の特許請求の範囲において、請求項に記載の実施形態のいずれも任意の組合せで使用することができる。
【0057】
本明細書に提供する説明では、多くの所定の詳細が示されている。しかしながら、本発明の実施形態をこれらの所定の詳細なしに実施してもよいことが理解される。他の場合では、本説明の理解を妨げないように、周知の方法、構造および技法については詳細に示していない。
【0058】
同様に、結合されたという用語は、特許請求の範囲で用いられる場合、直接的な接続のみに限定されるものと解釈されるべきではないことが留意されるべきである。「結合された」および「接続された」という用語が、それらの派生語とともに使用される場合がある。これらの用語は、互いに対する同義語として意図されていないことは明らかである。したがって、装置Bに結合された装置Aという表現の範囲は、装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続されている装置またはシステムに限定されるべきではない。それは、Aの出力とBの入力との間に、他の装置または手段を含む経路であり得る経路が存在することを意味する。「結合された」とは、2つ以上の要素が直接物理的にまたは電気的に接触していることか、または2つ以上の要素が互いに直接接触していないが依然として協働するかまたは互いと相互作用することを意味し得る。
【0059】
したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものについて説明したが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく他のかつさらなる変更を行ってもよく、こうした変形および変更をすべて本発明の範囲内にあるものとして請求するように意図されていることを理解するであろう。たとえば、上述したいかなる手順(formula)も、単に使用することができる手続きを代表するものである。ブロック図に対して機能を追加しても削除してもよく、機能ブロックの間で動作を交換してもよい。本発明の範囲内で記載されている方法に対してステップを追加しても削除してもよい。
【0060】
当業者により、特許請求の範囲から逸脱することなく所定の実施形態に示されている開示に対して多くの変形および/または変更を行うことができることは明明らかである。したがって、本実施形態は、すべての点において、限定するものではなく例示するものとみなされるべきである。