(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路間に露出した絶縁樹脂表面は、前記浄化処理前の露出した絶縁樹脂表面の表面粗さ(十点平均粗さRzjis)の値をRz(S)、当該浄化処理後の露出した絶縁樹脂表面の表面粗さ(十点平均粗さRzjis)の値をRz(C)としたとき、Rz(C)とRz(S)との比である[Rz(C)/Rz(S)]の値を1.2以下とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来、銅張積層板の製造に用いる銅箔は、当該銅箔の絶縁樹脂層との張り合わせ面に粗化処理を施し、この粗化処理の凹凸形状が絶縁樹脂層の表面に食い込んだ状態となるようにして、物理的なアンカー効果を得て、絶縁樹脂層を張り合わせていた。従って、銅張積層板をエッチング法で回路形成して銅箔層を除去した部位では、粗化処理形状が転写された凹凸のある絶縁樹脂層が露出していた。このような凹凸のある絶縁樹脂層の場合には、この表面に事後的に設けられるソルダーレジスト層、多層化する際に事後的に積層される樹脂層との密着性も良好なものであった。
【0003】
ところが、近年、主要な携帯用電子機器である携帯電話、モバイルコンピューター、携帯型音楽プレーヤー、デジタルカメラ等は軽薄短小化と同時に多機能化が要求されるようになり、内蔵するプリント配線板には軽薄短小化と同時に、配線密度を向上させ多機能化に対応可能な回路形成が求められている。このようなプリント配線板を製造するにあたっては、銅張積層板が備える銅箔を極力薄くし、且つ、銅箔と絶縁層との接着面を平坦にすることによって良好なエッチングファクターを備える微細配線を形成することが要求され、無粗化銅箔を使用することも多くなってきている。ここで言う無粗化銅箔は、銅箔の絶縁樹脂層との張り合わせ面に、粗化処理を施していない。従って、絶縁樹脂層の表面に食い込んだ状態となる凹凸形状の粗化処理が形成されず、銅箔と絶縁樹脂層との間に物理的なアンカー効果を得ることができない。
【0004】
その結果、無粗化銅箔を張り合わせた銅張積層板を用いてプリント配線板を製造すると、エッチング法で回路形成して銅箔層を除去した部位は、凹凸形状の無い平坦な絶縁樹脂層が露出しているため、アンカー効果が発揮されず、その外層に形成するソルダーレジスト層や絶縁樹脂層との密着性が劣るようになる。従って、吸湿した状態でフュージング等の加熱工程を施すと、ソルダーレジスト層が絶縁樹脂層から剥離する現象(デラミネーション)が発生するという不具合が生ずる場合があった。デラミネーションが発生したプリント配線板の断面を
図6に示す。
図6では、絶縁樹脂基材BMとソルダーレジストPSRの間に、銅回路CCの直近まで空間(デラミネーションDL)が存在していることが、明らかに観察できる。
【0005】
また、このデラミネーションが発生した部位では、回路への通電による表層マイグレーションが発生しやすくなり、プリント配線板としての長期信頼性の保証が困難になる。このようなソルダーレジスト層と絶縁樹脂層との吸湿・耐熱密着性を向上させる技術として、以下の特許文献1及び特許文献2に開示の技術がある。
【0006】
特許文献1には、微細配線形成や電気特性、製造コストの上で有利であって、尚且つ信頼性が高いプリント配線板の製造方法を提供することを目的として、表面の十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下の金属箔を用いるプリント配線板の製造方法において、ソルダーレジストを塗布又は積層する際の前処理として、ソルダーレジスト層との接着界面となる樹脂表面に粗化処理を施す工程を有するプリント配線板の製造方法を開示している。
【0007】
そして、この特許文献1の実施例には、電解銅箔(F0−WS−18、古河サーキットフォイル株式会社製、18μm厚、Rz=1.8μm)のシランカップリング剤処理された被接着面に樹脂組成物を厚みが3.0μmになるように塗工し、残溶剤が5重量%以下になるように160℃で10分程度の乾燥を行った樹脂付銅箔を、4枚重ねした日立化成工業株式会社製ガラス布絶縁層高Tgエポキシ樹脂プリプレグGEA−679F(厚み0.1mm)の上下に配置し、180℃、2.5MPaの条件で1時間プレス成形して製造した銅張積層板を用い、不要な部分の銅箔を塩化鉄系エッチング液等により除去したプリント配線板を、3%水酸化ナトリウム+6%過マンガン酸カリウム水溶液で処理して化学粗化した絶縁樹脂基板上に日立化成工業株式会社製SR−7200G(ソルダーレジスト)を積層し、121℃、湿度100%、2気圧の条件で2時間処理後、260℃の半田浴に20秒浸漬、又は、121℃、湿度100%、2気圧の条件で196時間処理してもソルダーレジストに膨れ等が発生しないとの記載がある。
【0008】
また、特許文献2には、絶縁層と密着する面の表面粗さの小さい金属箔を使用した場合でも、金属箔除去後の絶縁層上のソルダーレジストの密着を確保することができ、PCTに対する信頼性に優れ、且つ微細配線を有し、高周波信号の伝送損失の少ない回路基板を提供することを目的として、絶縁層上に金属箔を張り合わせた金属箔付積層板の金属箔を除去して形成した導体パターンを有する回路基板において、金属箔を除去した後の露出した絶縁層表面に粗面形状を形成した回路基板及びその製造方法を開示している。
【0009】
そして、この特許文献2の実施例には、黒化処理を施した内層コア材の両面に、絶縁層として日立化成工業株式会社製GEA−679FGを介して日立化成工業株式会社製プロファイルフリー銅箔PF−E−3をホットプレスを用いて張り合わせ、セミアディティブ法により導体パターンを形成したプリント配線板に、プラズマガスとして酸素を用い、出力1000W、雰囲気圧力100Paで5分間酸素プラズマ処理を実施した後、化学エッチング処理(メック株式会社製、CZ−8100)で導体パターン表面の粗化処理を行い、次に、ドライフィルムタイプのソルダーレジストである太陽インキ製造株式会社製PFR−800AUS402を真空ラミネートして作製したプリント配線板を、プレッシャークッカーテスト(PCT:121℃、100%RH、2atmで、96時間連続して保持)後、実体顕微鏡で観察を行い、絶縁層とソルダーレジストとの間には剥離が無かったとの記載がある。
【0010】
即ち、特許文献1と特許文献2とに記載された技術は、表面粗さの小さな金属箔を用いた金属箔張り積層板の金属箔をエッチングし、露出した絶縁層の表面を加工することによって、粗化処理が行われている銅箔を用いた場合の凹凸を備えた絶縁樹脂層の露出面と同等レベルの表面粗さを備える状態を得ることで、絶縁樹脂層とソルダーレジストとの間の良好な吸湿・耐熱密着性を確保している。
【0011】
確かに、特許文献1及び特許文献2に開示の発明のように、表面粗さの小さい銅箔を用いた銅張積層板の銅箔層をエッチング加工し、回路形状を形成し、回路間に露出した絶縁樹脂層の表面を加工して、粗化処理が行われている銅箔を用いた場合の凹凸を備えた絶縁樹脂層の露出面と同等レベルの表面粗さを備える状態を得ても、特許文献1に記載されたプレッシャークッカーテスト(121℃、湿度100%、2気圧の条件で2時間処理)後、260℃の半田バスに20秒間浸漬しても、絶縁層とソルダーレジスト層との間に、20μm径以上のスポット状のデラミネーションの発生はみられない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本件発明に係るプリント配線板の製造形態: 本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、無粗化銅箔を張り合わせた銅張積層板を用いてプリント配線板を製造する方法であって、無粗化銅箔を銅エッチング液でエッチングして回路形成した後に、回路間に露出した絶縁樹脂表面に浄化処理を施し、浄化処理を施した当該絶縁樹脂表面に残留する当該無粗化銅箔の表面処理金属成分を、XPS分析装置(X線源:Al(Kα)、加速電圧:15kV、ビーム径:50μm)で半定量分析したときに各表面処理金属成分を検出限界以下とすることを特徴とするものである。即ち、本件発明に係るプリント配線板の特徴は、エッチングして回路を形成した後に、回路間に露出した絶縁樹脂表面に残留する無粗化銅箔の表面処理金属成分を可能な限り除去する点にある。回路間に露出した絶縁樹脂層表面に、当該金属成分が残留すると、ソルダーレジスト層と絶縁樹脂層との間の密着性に悪影響を与え、通電時の耐マイグレーション性を劣化させるからである。更に、このように回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分を除去することで、従来の手法が採用する当該絶縁樹脂表面の粗化レベルにまで過剰な粗化処理をしなくても、その表面に設けるソルダーレジスト層や外層に設ける絶縁樹脂層との間の吸湿・耐熱密着性を良好に保つことができる。なお、本件発明における吸湿・耐熱密着性は、所定のプレッシャークッカーテストと半田耐熱試験とを組み合わせて判断したものである。
【0023】
最初に、本件発明において用いる「無粗化銅箔を張り合わせた銅張積層板」に関して述べる。ここで言う「無粗化銅箔を張り合わせた銅張積層板」とは、最外層の銅箔として、無粗化銅箔を使用している銅張積層板の総称であり、所謂、片面銅張積層板、両面銅張積層板、内層コア基材を内包した多層銅張積層板の全ての概念を含むものである。また、無粗化銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔及びキャリア付極薄銅箔の使用が可能で、厚さに関しても特段の限定は無い。
【0024】
また、当該銅箔の表面処理に関しても特段の限定は無く、防錆成分としてみれば、ニッケル−亜鉛合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル-亜鉛−モリブデン合金、ニッケル-コバルト−モリブデン合金、亜鉛-スズ合金、クロメート処理等の各種合金を用いることも可能である。更に、銅箔の絶縁樹脂層との接触面には、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤等のシランカップリング剤処理層を設けることも、密着性向上の観点から好ましい。
【0025】
そして、銅張積層板の製造に用いる絶縁樹脂層は、その樹脂成分、樹脂内に配置するガラスクロスやガラス不織布等の骨格材に関しても、特段の限定は無い。また、当該絶縁樹脂層は、フィラー粒子を含有することも可能である。
【0026】
しかし、無粗化銅箔と絶縁樹脂層との密着性を考慮すると、当該銅張積層板の最外層に無粗化銅箔を配するにあたり、プライマー樹脂層付無粗化銅箔を用いることが好ましい。このプライマー樹脂層付無粗化銅箔とは、粗化処理の施されていない銅箔の片面に樹脂基材との良好な密着性を確保するための極薄プライマー樹脂層を設けた銅箔である。このようなプライマー樹脂層付無粗化銅箔としては、例えば、三井金属鉱業株式会社製「Multi Foil G:略称MFG」や、日立化成工業株式会社製「PF−E」等を用いることができる。このときのプライマー樹脂層は、銅箔と絶縁樹脂との双方に対して接着力を発揮するものであり、無粗化銅箔と絶縁樹脂層との良好な密着性を確保することが容易となる。
【0027】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法においては、サブトラクティブ法やセミアディティブ法を用いて回路を形成できる。サブトラクティブ法であれば、最初に当該銅張積層板の最外層にある無粗化銅箔を銅エッチング液でエッチングして、不要な銅箔部位を除去して、回路形成を行う。このときの回路形成方法としては、外層銅箔の表面にエッチングレジスト層を形成し、エッチングレジストパターンを露光、現像して形成し、その後、銅エッチング液を用いて回路パターンの形成を行い、最終的にエッチングレジストを除去して、プリント配線の回路が形成される。また、セミアディティブ法であれば、無粗化銅箔を張り合わせた銅張積層板のビアホールを形成する位置に穴をあける。その後、無電解銅めっきを施し、形成した無電解銅めっき層の表面にめっきレジスト層を形成し、めっきレジストパターンを露光、現像する。その後、銅を電気めっきして回路パターンの形成を行い、めっきレジストを除去してから銅エッチング液で無粗化銅箔をエッチング除去することで、プリント配線板の回路が形成される。
【0028】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、本来であれば、塩化銅エッチング液、塩化鉄エッチング液、硫酸−過酸化水素系エッチング液等の銅エッチング液の種類に関して、特段の限定は無く、いずれの使用も可能である。しかし、銅エッチング液に硫酸−過酸化水素系エッチング液を用いた場合に適用することがもっとも好ましい。現在のところ、銅エッチング液の中でも「硫酸−過酸化水素系エッチング液」は、ファインピッチ回路の形成に好適であることから、セミアディティブ法で一般的に用いられるエッチング液である。しかし、「硫酸−過酸化水素系エッチング液」を用いると、銅をエッチングして回路を形成した後に、回路間に露出した絶縁樹脂表面に、無粗化銅箔の表面処理金属成分として、比較的エッチング除去が困難と言われるニッケル、モリブデン、コバルト、スズ等の成分が残留しやすい傾向にあると言われるからである。従って、本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、回路を形成する際に銅エッチング液として「硫酸−過酸化水素系エッチング液」を用いる場合を想定したプリント配線板の製造方法に好適であるといえる。
【0029】
以上のようにして回路形成が終了すると、その後、回路間に露出した絶縁樹脂表面に残留した無粗化銅箔の表面処理金属成分の除去を行う。この操作を、「浄化処理」と称している。この浄化処理の達成度は、絶縁樹脂表面に残留する無粗化銅箔の表面処理金属成分を、XPS分析装置(X線源:Al(Kα)、加速電圧:15kV、ビーム径:50μm)で半定量分析して判断する。このような手法を用いた理由は、以下のとおりである。例えば、浄化した後の露出した絶縁樹脂層を濃硫酸等で溶解し、ICP分析法や原子吸光分析法等の高感度の直接分析手法を用いて、残留している金属元素量を確認することが理想的である。しかし、このような化学的分析手法は、手順が煩雑で時間がかかるため、製造工程で実施できる手法ではない。これに対し、XPS分析装置を用いる手法であれば、簡易的に測定が可能であるため、製造工程で実施することも可能である。
【0030】
このXPS分析装置を用いた半定量分析において、絶縁樹脂表面に検出される銅箔の表面処理金属成分が、検出限界以下となるまでの清浄化が必要である。即ち、この方法によって、検出可能なレベルで銅箔の表面処理金属成分が残留していなければ、回路間に露出した絶縁樹脂表面を粗化せずとも、プレッシャークッカーテスト(121℃、湿度100%、2気圧の条件で5時間処理)の後、260℃の半田バスに60秒間以上浸漬しても、絶縁樹脂層とソルダーレジストとの間での20μm径以上のスポット状のデラミネーションが発生しないという効果を安定的に得ることができるからである。
【0031】
更に、本件発明に係るプリント配線板の製造方法においては、回路間に露出した絶縁樹脂表面は、前記浄化処理前の露出した絶縁樹脂表面の表面粗さ(十点平均粗さRzjis)の値をRz(S)、当該浄化処理後の露出した絶縁樹脂表面の表面粗さ(十点平均粗さRzjis)の値をRz(C)としたとき、[Rz(C)/Rz(S)]の値が1.2以下とすることが好ましい。なお、Rz(C)及びRz(S)は、JIS規格(JIS B 0601
2001)に定める「十点平均粗さ(Rzjis)」を、レーザー非接触式粗さ計を用いて測定した場合の値であり、検出下限は0.02μm程度である。
【0032】
本件出願に係る発明では、浄化処理で用いる手法によっては、回路間に露出した絶縁樹脂表面の表面粗さが増加する場合があり、この表面粗さの増加の程度を表すのが、[Rz(C)/Rz(S)]の値である。この[Rz(C)/Rz(S)]の値が1.2を超えるレベルに表面状態が変化すると、例えば、プラズマ処理を採用した場合には、回路を支える絶縁樹脂層にアンダーカットが発生する。その結果、微細回路では、回路と絶縁樹脂との密着性が低下するため好ましくない。
【0033】
更に、このとき、Rz(C)が、1.8μm以下となるように浄化処理することが好ましい。このRz(C)が1.8μmを超えると、上述のセミアディティブプロセスではオーバーエッチング時間を長く設定せざるを得なくなるため好ましくない。まお、より微細な回路を形成するためには、Rz(C)は、1.0μm以下であることがより好ましい。
【0034】
ここで、本件発明に係るプリント配線板の製造方法における浄化処理における浄化方法に関して述べる。ここで言う「浄化処理」とは、回路間に露出した絶縁樹脂表面に残留した金属成分の除去を目的としたものである。よって、本来であれば、物理的な処理や化学的な処理から適宜選択して実施することができる。具体的には、イオンビーム法、RFビーム法、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のプラズマ処理、濃塩酸溶液エッチング法や過マンガン酸を用いたデスミア法等から適宜選択することが可能である。しかし、微細回路が形成されたプリント配線板の表面を、回路にダメージを与えること無く、均一に処理することが可能な方法を選択することが必要である。係る観点から、回路間に露出した絶縁樹脂表面の残留した金属成分を、XPS分析装置を用いた半定量分析で各表面処理金属成分を検出限界以下とし、且つ、上述の浄化処理後の表面粗さを得るためには、「プラズマ処理」又は「可能な限り銅を溶解しない溶液処理」を用いることが好ましい。
【0035】
上述したプラズマ処理の場合には、チャンバー内の雰囲気ガスの選択自由度や浄化処理能力を優先すれば、反応性イオンエッチング法を採用することが好ましい。しかし、反応性イオンエッチングを採用すると、浄化対象とするプリント配線板を片面ずつ処理する必要がある。その結果、浄化処理工程全体としては生産効率が低下すると同時に、雰囲気ガスの消費量も多くなる。そのため、投入エネルギーを10J/cm
2〜120J/cm
2とした条件でプラズマエッチングを行い、プリント配線板の両面を同時に浄化処理することが好ましい。しかし、投入エネルギーを10J/cm
2未満とすると、エッチング量が少なく、回路間に露出した絶縁樹脂表面に残留した金属成分を十分に除去できない場合があるため好ましくない。一方、投入エネルギーを120J/cm
2を超えるものとすると、回路を支える絶縁樹脂層にアンダーカットが発生する。その結果、微細回路では、回路と絶縁樹脂との密着性が低下するため好ましくない。また、係る場合、絶縁樹脂層表面に表面粗さのバラツキも発生しやすくなるため好ましくない。
【0036】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、プラズマエッチングを行うにあたり、エッチングチャンバー内の雰囲気ガスとして「O
2とCF
4との混合ガス」を用いることが好ましい。上述したように、反応性イオンエッチング法であれば、チャンバー内の雰囲気ガスの種類を特定しなくても表面処理金属成分を除去できる。しかしながら、プラズマエッチングでは、雰囲気ガスの種類によってエッチング性が大きく変動する。ところが、「O
2とCF
4との混合ガス」を採用すれば、混合ガスの内、CF
4は金属と反応する機能を発揮し、O
2は樹脂表面に親水性を付与する機能を発揮するため、良好なエッチング状態を達成することができる。
【0037】
確かに、最初にCF
4ガスを用いてプラズマエッチングを実施し、その後、エッチングチャンバー内の雰囲気ガスとしてO
2ガスを用いてプラズマエッチングする方法を採用することも可能である。しかし、「O
2とCF
4との混合ガス」をエッチングチャンバー内の雰囲気ガスとして用いれば、1回のプラズマエッチングで上述した機能が発揮されることになるため、工程及び設備の単純化の観点から好ましい。
【0038】
そして、CF
4とO
2とのガス分圧の比[(CF
4分圧)/(O
2分圧)]の値が0.2〜5.0であることが好ましい。このガス分圧の比[(CF
4分圧)/(O
2分圧)]の値が0.2未満の場合には、金属と反応する機能を発揮できないため好ましくない。一方、CF
4とO
2とのガス分圧の比[(CF
4分圧)/(O
2分圧)]の値が5.0を超えると、金属と反応する機能は飽和に達し、O
2分圧が低いために樹脂表面に親水性を付与する機能を発揮できないため好ましくない。
【0039】
そして、エッチングチャンバー内の気圧は、5.0Pa〜200Paの範囲としてプラズマエッチングを行うことが好ましい。エッチングチャンバー内の気圧が5.0Pa未満の場合には、反応ガスが少ないためエッチング速度が遅く、プリント配線板の生産性が極端に低下するため好ましくない。一方、エッチングチャンバー内の気圧が200Paを超えると、プラズマの供給が困難になるため好ましくない。
【0040】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、浄化処理としてプラズマ処理を採用した場合には、プラズマ処理後に、湿式洗浄を行うことが好ましい。ここで言うプラズマエッチングの後には、回路間に露出した絶縁樹脂表面に、プラズマ処理により生じた絶縁樹脂残渣が残留するため、湿式洗浄で当該絶縁樹脂残渣を除去するのである。このときの湿式洗浄は、プラズマ処理により生じた絶縁樹脂残渣の除去を目的とするため、絶縁樹脂表面に残留した金属成分を溶解して除去する能力を必須とするものではなく、高圧ジェット水洗等の物理洗浄や、薬品処理等の化学洗浄から、最適な効果が得られる方法を選択して実施すればよい。その中でも、本件発明における湿式洗浄には、「界面活性剤を含有した酸洗溶液」及び/又は「銅のマイクロエッチング液」を用いた洗浄を選択することが好ましい。。
【0041】
この湿式洗浄では「界面活性剤を含有した酸洗溶液」での洗浄に続いて、「銅のマイクロエッチング液」での洗浄の順で行うことが好ましい。このように「界面活性剤を含有した酸洗溶液」で予め洗浄することで、プラズマ処理後のプリント配線板表面に有る残渣を取り除くと同時に、プリント配線板表面と溶液との濡れ性を改善し、後に使用する「銅のマイクロエッチング液」がプリント配線板の回路間ギャップの隅々にまで行き渡り、残渣の確実な除去が出来るからである。
【0042】
以上に言う「界面活性剤を含有した酸洗溶液」に使用できる「界面活性剤」としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれかを選択的に使用することが可能で、これらを混合して用いることも可能である。
【0043】
ここで言うノニオン界面活性剤とは、水中でイオン化しない親水基を持っているものであり、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型及びその他に分類されるものである。具体的には、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、アミン類、アルキレンジアミン、脂肪酸アミド、スルホンアミド、多価アルコール、グルコキシド誘導体等である。
【0044】
そして、カチオン界面活性剤とは、溶液中で疎水基のついている部分が陽イオンに電離する性質の界面活性剤である。より具体的に言えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルアンモニウムベタイン、ステアリルジメチルアンモニウムベタイン、ジメチル−ベンジルラウリルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ラウリルビリジニウム塩、ラウリルイミダゾリニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート等である。
【0045】
次に、両性界面活性剤とは、水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示すものである。具体的に言えば、アルキルカルボキシベタイン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルイミダゾリン型等である。
【0046】
以上述べた界面活性剤を、硫酸、塩酸、硫酸−過酸化水素水溶液等のプリント配線板表面の清浄化の可能な溶液中に含有させ、界面活性剤濃度が0.1g/L〜20g/Lの濃度となるように添加して、洗浄に用いる酸性溶液が得られる。このときの界面活性剤濃度が0.1g/L未満の場合には、上述の如何なる界面活性剤を用いても、プラズマ処理後のプリント配線板表面と溶液との濡れ性を改善する効果は得られない。一方、界面活性剤濃度が20g/Lを超えるものとしても、プラズマ処理後のプリント配線板表面と溶液との濡れ性を向上させる効果は飽和して、資源の無駄遣いに過ぎなくなる。この酸性溶液を用いてのプラズマ処理後のプリント配線板の洗浄時間は、15秒〜7分であることが好ましい。この洗浄時間が15秒未満の場合には、プラズマ処理後のプリント配線板表面と溶液との濡れ性を改善する効果は得られない。一方、この洗浄時間が7分を超えるものとすると、プラズマ処理後のプリント配線板の回路部の浸食が始まるため好ましくない。
【0047】
上述した銅のマイクロエッチング液を用いる湿式洗浄では、銅回路を質量換算厚さで0.5μm以上エッチングして粗化する。銅回路を質量換算厚さで0.5μm以上エッチングすれば、銅回路の表面は、ソルダーレジスト層や多層化する際の絶縁樹脂層との十分な接着力を発揮する。一方で、係るエッチング条件であれば、回路表面に残留した汚染物質、エッチング残渣、回路間に露出した絶縁樹脂表面の清浄化処理による残渣等の除去も可能となる。この結果、ソルダーレジスト層と回路表面との密着性及び絶縁樹脂成分と回路表面との密着性が同時に向上する。
【0048】
ソルダーレジスト層形成後のプリント配線板の製造形態: 本件発明に係るソルダーレジスト層形成後のプリント配線板の製造方法は、上述の浄化処理を設けた方法で製造したプリント配線板を用いて、必要な箇所へのソルダーレジスト層を形成することを特徴とする。このように、上述の浄化処理を設けた方法で製造したプリント配線板を用いれば、回路間に露出した絶縁樹脂表面に残留した金属成分がXPS装置を用いた半定量分析の検出限界以下であるため、ソルダーレジスト層と絶縁樹脂層との密着性、ソルダーレジスト層と回路表面との密着性、絶縁樹脂成分と回路表面との密着性の全てが良好なソルダーレジスト層形成後のプリント配線板を得ることができる。
【0049】
ソルダーレジスト層形成後のプリント配線板の形態: このソルダーレジスト層形成後のプリント配線板は、2気圧のプレッシャークッカー内で5時間保持した後、260℃の半田バスに60秒間浸漬したときに、ソルダーレジスト層と絶縁樹脂表面との間に、直径20μm以上のスポット状のデラミネーションの発生が無いことが特徴である。従って、121℃、湿度100%、2気圧の条件で196時間処理した場合でも、ソルダーレジスト層と絶縁樹脂表面との間に、直径20μm以上のスポット状のデラミネーションの発生することが無い。以下、実施例と比較例とを用いて、本件発明の内容に関して、より具体的に説明する。
【実施例1】
【0050】
[銅張積層板の作製]
厚さ0.1mmのプリプレグ(GHPL830−NS:三菱瓦斯化学株式会社製)を3枚重ねた両面に、表面粗さ(十点平均粗さRzjis)が0.37μmである無粗化銅箔にプライマー樹脂を塗布したプライマー樹脂層付無粗化銅箔(MFG−DMT3F:三井金属鉱業株式会社製)を重ね、温度220℃、圧力4.0MPとした真空プレス装置で90分間成形し、厚さ0.3mmの銅張積層板を作製した。
【0051】
[プリント配線板の作製]
プリント配線板は、セミアディティブ法を用いて作製することとした。このプリント配線板の作製手順に関しては、実施例と比較例共に共通である。上記銅張積層板の外層銅箔の表面にめっきレジスト層を形成し、ライン幅/スペース幅が500μm/1200μmの格子状配線を形成するためのレジストパターン用露光フィルムを用いて露光、現像し、トータル厚さが15μmになるように電気銅めっきした。そして、めっきレジストを剥離後、硫酸−過酸化水素系エッチング液(CPE800:三菱瓦斯化学株式会社製)を用い、露出した無粗化銅箔をエッチング除去し、回路形成を行った。このようにして作製したプリント配線板を分割し、実施例1で用いるプリント配線板試料とした。
【0052】
[浄化処理]
実施例1の浄化処理では、上述のプリント配線板試料を60℃の4mol/L塩酸に60分間浸漬し、水洗後乾燥し、浄化処理試料を作製した。
【0053】
[回路間に露出した絶縁樹脂層表面の評価]
浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層の、浄化処理前と浄化処理後の表面を、XPS分析装置(X線源:Al(Kα)、加速電圧:15kV、ビーム径:50μm)で残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さ(Rzjis)を測定した。絶縁樹脂層の表面状態を、後の表1に示す。
【0054】
[ソルダーレジスト層の形成とデラミネーションの評価]
上述した浄化処理試料は、銅配線とソルダーレジストとの密着性を付与するために、マイクロエッチング液(CZ8101B:メック株式会社製)を30秒間スプレーし、水洗して乾燥した。この浄化処理試料に、ソルダーレジスト(AUS308:太陽インキ株式会社製)を形成し、121℃×5時間のPCT処理後に、260℃の半田バスに60秒間浸漬した(以下、この操作を「PCT半田試験」と称する。)。このPCT半田試験後の浄化処理試料に対して、デラミネーションの発生を、光学顕微鏡で観察して評価した。デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【実施例2】
【0055】
実施例2では、実施例1で用いたプライマー樹脂層付無粗化銅箔を、三井金属鉱業株式会社製MFG−DMT3Fに代えて日立化成工業株式会社製のPF−E−3を用いた以外は実施例1と同様にしてプリント配線板試料を作製した。
【0056】
上述したプリント配線板試料に、実施例1と同様にして浄化処理を施して浄化処理試料を作製し、浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さ(Rzjis)を測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【実施例3】
【0057】
実施例3では、実施例1で作製したプリント配線板の試料を用い、浄化処理条件のみを変更した。
【0058】
浄化処理では、上述したプリント配線板の試料を、[(CF
4分圧)/(O
2分圧)]=0.33、気圧15Paとしたチャンバー内で、投入エネルギーを40J/cm
2とした条件のプラズマエッチングを行い、次に、酸成分としての硫酸と界面活性剤としてのエチレングリコールを含有したメルプレートPC−316(メルテックス株式会社製)の10質量%溶液に5分間浸漬して洗浄を行った後、マイクロエッチング液(CZ8101B:メック株式会社製)を30秒間スプレーし、水洗して乾燥し、浄化処理試料を作製した。
図3に回路形成直後の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の走査型電子顕微鏡観察像を、
図2にプラズマエッチング直後の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の走査型電子顕微鏡観察像を、
図1にマイクロエッチング直後の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の走査型電子顕微鏡観察像を示す。
【0059】
その後、実施例1と同様にして、浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さ(Rzjis)を測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【実施例4】
【0060】
実施例3では、実施例1で作製したプリント配線板の試料を用い、浄化処理条件のみを変更した。
【0061】
浄化処理では、上述したプリント配線板の試料を、液温80℃の過マンガン酸カリウム(KMnO
4)溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製)に1分間浸漬した後、液温45℃の中和液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製)に5分間浸漬し、水洗し、乾燥して、浄化処理試料を作製した。
【0062】
その後、実施例1と同様にして、浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さ(Rzjis)を測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【0063】
[比較例1]
比較例1では、実施例1で実施した浄化処理を行わなかった。そして、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。発生したデラミネーションを、透過光を用いてソルダーレジスト側から観察した表面観察像を
図4に示す。回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【0064】
[比較例2]
比較例2では、実施例1で実施した浄化処理時間60分間を10分間に変更した浄化処理試料を作製した。その後、実施例1と同様にして浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さを測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。発生したデラミネーションを、透過光を用いてソルダーレジスト層側から観察した表面観察像を
図5に示す。回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【0065】
[比較例3]
比較例3では、実施例3で実施した浄化処理からマイクロエッチングを省略した浄化処理試料を作製した。その後、実施例1と同様にして浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さを測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を後の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を後の表2に示す。
【0066】
[比較例4]
比較例4では、実施例3で実施した浄化処理からプラズマエッチングを省略した浄化処理試料を作製した。その後、実施例1と同様にして浄化処理試料の回路間に露出した絶縁樹脂層表面の残留金属成分量を半定量分析し、更に、表面粗さを測定した。また、デラミネーションの発生を実施例1と同様にして評価した。回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態を以下の表1に、デラミネーションの評価結果と浄化処理条件を以下の表2に示す。
【0069】
[実施例と比較例との対比]
表1に示す回路間に露出した絶縁樹脂層の表面状態と、表2に示すデラミネーションの評価結果と浄化処理条件から、実施例と比較例とを対比する。
【0070】
デラミネーションの発生の有無と浄化処理条件とを対比する。この実施例の浄化処理後の絶縁樹脂層表面からは、残留金属成分が検出されていないことが分かる。そして、実施例に関しては、実用上問題となるレベルのデラミネーションの発生が観察されていない。一方、比較例の場合には、浄化処理後の残留金属成分量が0.1atom%と、最も低いの比較例2の場合でも、50μm径以上のスポット状のデラミネーションが観察されている。そして、浄化処理後の残留金属成分量が5.4atom%の比較例3では300μm径レベルでスポット状のデラミネーションが観察され、浄化処理後の残留金属成分量が8.0atom%の比較例4と浄化処理を行っていない残留金属成分量が8.4atom%の比較例1では1.0mmを超えるスポット状のデラミネーションが観察されている。即ち、浄化処理後の絶縁樹脂表面で検出される残留金属成分量が多いほど、デラミネーションのスポット径が大きくなる傾向がみられる。
【0071】
一方で、Rz(C)とRz(S)との比である[Rz(C)/Rz(S)]の値を考察すると、実施例で1.00〜1.11の範囲、比較例では1.00〜1.05の範囲である。そこで、[Rz(C)/Rz(S)]の値が1.00の試料と、1.00を超える試料について浄化処理条件を対比すると、プラズマエッチングを実施した試料が1.00を超えている。
【0072】
上述した実施例と比較例との対比から、「ソルダーレジスト」と「回路間に露出した絶縁樹脂層表面」との密着性は、回路間に露出した絶縁樹脂層表面に残留する金属成分の影響を大きく受けている。一方、絶縁樹脂表面に、プラズマエッチングを施しても[Rz(C)/Rz(S)]の値が1.2を下まわる範囲では、ミクロ的な形状が変化しているが、ソルダーレジストとの密着性にはほとんど影響を与えないと言える。従って、回路間に露出した絶縁樹脂層表面に残留する金属成分が、XPSの半定量分析で検出される場合には、「ソルダーレジスト」と「回路間に露出した絶縁樹脂層表面」との密着性が悪くなることが確認できた。