特許第5794793号(P5794793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5794793機械式立体駐車装置及びその運転制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5794793
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】機械式立体駐車装置及びその運転制御方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20150928BHJP
   E04H 6/06 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   E04H6/42 Z
   E04H6/06 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-54214(P2011-54214)
(22)【出願日】2011年3月11日
(65)【公開番号】特開2012-188879(P2012-188879A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】712005920
【氏名又は名称】東京エンジニアリングシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】巳波 健
(72)【発明者】
【氏名】石毛 孝佳
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−121403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00−6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の内外を仕切る可動式のゲートと、装置内部に設けられた複数の可動式のパレットと、該パレットに設置される、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドと、前記ゲート及び前記パレットの駆動機構を制御する動作制御部と、前記ゲートの外側に設置される操作盤とを含み、
前記動作制御部は、前記パレットの停止時にのみ前記ゲートの開放を許容し、前記ゲートの閉時にのみ前記パレットの動作を許容し、前記ゲートの開時に、装置ロック状態となって前記パレットの動作禁止制御及び前記ゲートの閉動作禁止制御がなされる制御モードへと切替わり、
前記操作盤に入力される前記制御モードの解除操作に係る解除指令を受領して前記制御モードを解除する前後において、前記バッテリー充電用スタンドの使用の有無を監視し、
前記バッテリー充電スタンドの使用中における前記制御モードの解除を不能とし、かつ、前記制御モードの解除後の前記バッテリー充電用スタンドの使用を受けて、再び前記制御モードへと切替わり、前記ゲートの閉動作を不能とする、制御ロジックを備えることを特徴とする機械式立体駐車装置。
【請求項2】
前記操作盤には、前記バッテリー充電用スタンドの使用状態を示す表示手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の機械式立体駐車装置。
【請求項3】
前記バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開状態を受けて、前記バッテリー充電用スタンドの使用を示す信号を前記動作制御部に出力する、充電制御部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の機械式立体駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式立体駐車装置及びその運転制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4に示される機械式立体駐車装置10は、複数のパレット12、13、14が上下一列に固定されてなるパレット昇降体16が、地表面GLを掘り下げて形成されたピット18内に、左右に隣接して複数(図示の例では、161、162の2機)配置された、いわゆる昇降式の立体駐車装置である。そして、各パレット昇降体161、162には、上下に昇降させる昇降機構が各々設けられており、独立して上下に昇降可能である。そして、操作者H、H’は、ピット18に隣接して装置外部に設けられた操作盤20のスイッチを操作して、目的のパレットを地表面(入出庫面)GLに呼び出し、車両22の入出庫を行うものである。通常は、図示の如く上段のパレット12が入出庫面GLにある状態が、待機状態における定位置であり、中段のパレット13及び下段のパレット14に対して車両22の入出庫を行う場合には、パレット昇降体16を昇降させ、入出庫を完了した後、定位置へとパレット昇降体16を復帰させるまでの一連の操作が、操作者H、H’に求められる。
なお、パレット昇降体16の昇降機構についての詳しい説明は省略するが、電動モータや油圧等を動力源とし、パレット昇降体16を昇降させるための動力伝達手段として、チェーン等が用いられるものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、近年では、電気自動車やプラグインハイブリッド車のように、電動モータを動力源に含む自動車の普及を考慮して、かかる自動車のためのバッテリー充電用スタンドの普及が求められており、機械式立体駐車装置に対するバッテリー充電用スタンドの設置も発案されている(例えば、特許文献2参照。)。図4に示された機械式立体駐車装置10は、本発明者により開発されたものであり、待機状態で入出庫面GLに位置する上段パレット12に、バッテリー充電用スタンド24が設けられたものである。
バッテリー充電スタンド24は、スタンド扉24aを備えており、その内部に車両22とバッテリー充電スタンド24とを接続する、着脱式の充電コード24bのコンセントが格納されることで、コンセント電極部が雨滴に曝されることを防いでいる。そして、バッテリー充電スタンド24を使用して充電を行う際には、スタンド扉24aを開き、充電コード24bをバッテリー充電スタンド24側のコンセントに接続するものである。
なお、図4の機械式立体駐車装置10は、野外に設置された例が示されているが、適宜、建屋内に設置することも可能である。
【0004】
又、図5には、機械式立体駐車装置10の別例である、いわゆる横行昇降式の立体駐車装置が示されている。この機械式立体駐車装置は地上4段、地下1段の5段構成であり、地上第4段(最上段)及び地下段には、入出庫段である地上第1段へと昇降可能な昇降パレット12A、12Eが3台づつ配置されている。これらの昇降パレット12A、12Eは、何れも、昇降駆動機構を備えている。又、地上第2段、第3段には、横行可能かつ地上第1段へと昇降可能な横行・昇降パレット12B、12Cが2台づつ配置されている。横行・昇降パレット12B、12Cは、横行レール上を走行車輪によって走行することにより、横行する横行フレームを備え、該横行フレームに、昇降パレット12Aと同様の昇降駆動機構が設けられたものである。更に、入出庫面に位置する地上第1段には、横行パレット12Dが2台配置されている。横行パレット12Dは、横行レール上を走行車輪によって走行するための横行駆動機構を備えている。なお、図5の機械式立体駐車装置10は、横方向に3列構成となっているが、必要に応じて列の増減が可能である。
【0005】
この機械式立体駐車装置10において、地上第2段〜第4段の昇降パレット12A〜12C、及び、地下段パレット12Eに対し車両を入出庫させる際には、地上第1段のパレット12Dが横行退避することにより、昇降パレット12A〜12C、12Eの1台分のスペースを確保する。そして、地上第1段に形成されたスペースへと、目的の昇降パレット12A、12Eが昇降移動し、又は、横行昇降パレット12C、12Dが、横行・昇降する。よって、入出庫段に位置する横行パレット12Dを含む、全てのパレットへの入出庫が可能となるものである。又、機械式立体駐車装置10には、その待機時や、入出庫に係るパレットの地上第1段への移動を完了する間、機械式立体駐車装置内部への人や車の誤進入を防止するため、地上第1段を塞ぐ昇降式のゲート15が設けられている(例えば、非特許文献1参照。)。
そして、前述のようなバッテリー充電用スタンド24の設置は、かかる横行昇降式の立体駐車装置の各パレット12A〜12Eにも、同様に進められているところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−164780号公報
【特許文献2】特開2010−222793号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「東急ネオ・トーパーク 地上4・3段・地下1段(横行昇降式・ピット式)駐車装置TPKc型」製品パンフレット,東急パーキングシステムズ株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図4に示されるように、バッテリー充電スタンド24を備える機械式立体駐車装置10において、バッテリー充電スタンド24を操作する際には、操作者H、H’が装置内に進入し、パレット昇降体16に接触し得る位置での作業が必要となる。従って、操作者H、H’の装置内への進入中には、安全性を確実に確保するために、パレット昇降体16の昇降その他の、装置の動作を制限することが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリー充電スタンドが使用状態にあるときには、ゲート又はパレット昇降体の動作を制限して、バッテリー充電用スタンドを備える機械式立体駐車装置の安全性を、十分に確保することにある。
【0009】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0010】
(1)装置の内外を仕切る可動式のゲートと、装置内部に設けられた複数の可動式のパレットと、該パレットに設置される、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドと、前記ゲート及び前記パレットの駆動機構を制御する動作制御部と、前記ゲートの外側に設置される操作盤とを含み、前記動作制御部は、前記パレットの停止時にのみ前記ゲートの開放を許容し、前記ゲートの閉時にのみ前記パレットの動作を許容し、前記ゲートの開時に、装置ロック状態となって前記パレットの動作禁止制御及び前記ゲートの閉動作禁止制御がなされる制御モードへと切替わり、前記操作盤に入力される前記制御モードの解除操作に係る解除指令を受領して前記制御モードを解除する前後において、前記バッテリー充電用スタンドの使用の有無を監視し、前記バッテリー充電スタンドの使用中における前記制御モードの解除を不能とし、かつ、前記制御モードの解除後の前記バッテリー充電用スタンドの使用を受けて、再び前記制御モードへと切替わり、前記ゲートの閉動作を不能とする、制御ロジックを備える機械式立体駐車装置(請求項1)。
【0011】
本項に記載の機械式立体駐車装置は、ゲートの開時に、動作制御部が、装置ロック状態となってパレットの動作禁止制御及びゲートの閉動作禁止制御がなされる制御モードへと切替わり、これにより、装置内部への出入やバッテリー充電スタンドの使用のための状態が確保される。その後は、当該制御モードの解除の前後を問わず、バッテリー充電用スタンドの使用の有無を監視するものである。そして、バッテリー充電スタンドの使用中における前記制御モードの解除を不能とし、かつ、前記制御モードの解除後であっても、バッテリー充電用スタンドの使用を受けて、再び前記制御モードへと切替わり、ゲートの閉動作を不能とするものである。
【0012】
すなわち、ゲートの開時に、ゲートの外に設置される操作盤によって、制御モードの解除操作に係る解除指令が入力され、それが動作制御部によって受領された後であっても、装置内部に操作者が進入して、バッテリー充電スタンドを使用可能な状態にある。よって、動作制御部は、制御モードの解除操作に係る解除指令の受領の前後で、バッテリー充電用スタンドの使用の有無を監視することで、制御モードの解除操作に係る解除指令が入力された後であっても、バッテリー充電用スタンドの使用を受けて、ゲートの閉動作を不能とする動作モードへと戻り、バッテリー充電スタンドの使用が、ゲートの開閉及びパレットの動作に対して優先されるものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記操作盤には、前記バッテリー充電用スタンドの使用状態を示す表示手段が設けられている機械式立体駐車装置(請求項2)。
本項に記載の機械式立体駐車装置は、操作盤に設けられた表示手段に、バッテリー充電用スタンドの使用状態が示されることで、ゲートの開閉及びパレットの動作に対して、バッテリー充電スタンドの使用が優先され、ゲートの開閉及びパレットの動作が行われない状態であることを、操作者に認識させるものである。そして、バッテリー充電スタンドの使用の終了を、操作者に促すものである。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)項において、前記バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開状態を受けて、前記バッテリー充電用スタンドの使用を示す信号を前記動作制御部に出力する、充電制御部を備える機械式立体駐車装置(請求項3)。
本項に記載の機械式立体駐車装置は、バッテリー充電用スタンドを使用する際に操作されるスタンド扉の開状態を受けて、充電制御部から動作制御部へと、バッテリー充電用スタンドの使用を示す信号を出力することで、動作制御部が、バッテリー充電用スタンドの使用を受けてゲートの閉動作を不能とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、バッテリー充電スタンドが使用状態にあるときには、ゲート又はパレット昇降体の動作を制限し、バッテリー充電用スタンドを備える機械式立体駐車装置の安全性を、十分に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の、充電制御部及び昇降制御部の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の操作盤を(a)に、操作盤の表示手段に表示される操作画面の表示例を(b)から(h)に示した図である。
図3】本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の、制御手順を示すフローチャートである。
図4】従来の昇降式の立体駐車装を示す模式図である。
図5】従来の横行昇降式の立体駐車装置を示す立体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
又、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の全体構成は、図4図5に示される従来の昇降式の立体駐車装置10と同じである。よって、以下の説明においては適宜図4図5も参照されたい。
【0018】
図1には、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の、制御手段26の構成をブロック図で示している。この制御手段26は、充電制御部28と昇降制御部30との双方が、相手方の状況を取り込んで作動制御を行うものである。
充電制御部28は、バッテリー充電用スタンドのコンセント通電制御部32を含み、かつ、バッテリー充電用スタンド24の操作中を示す信号、ブレーカトリップ信号又はCPトリップ信号を、適宜、昇降制御部30の装置動作制御部36、操作処理制御部38及び異常信号出力制御部40へと出力する信号出力手段34を備えている。なお、本発明の実施の形態では、バッテリー充電用スタンド24の操作中を示す信号は、スタンド扉24aの開状態の検知信号であり、例えば、図4に示されるように、扉検知スイッチ24cをバッテリー充電スタンド24に設けることで得ることができる。
【0019】
一方、昇降制御部30は、装置動作制御部36、操作処理制御部38及び異常信号出力制御部40を含み、かつ、装置定位置信号、電源ON−OFF信号、通電許可信号、装置異常信号及び手動操作信号を、充電制御部28のコンセント通電制御部32へと出力する信号出力手段42を備えている。
なお、充電制御部28及び昇降制御部30の構成については、マイクロコンピュータなどの電子演算器、リレー回路等によって適宜構成されるものである。
【0020】
また、操作盤20は、図2(a)に示されるように、入力手段及び画像表示手段としてのタッチパネル44、音声表示手段としてのブザー46、電源キースイッチ48及び非常停止ボタン50を備えている。タッチパネル44は、操作者H、H’と昇降制御部30とのインターフェースであり、図2(b)〜(h)に例示されるように、操作者H、H’に対して必要な情報及び要求される操作に応じた画面を表示することができ、画面中に表示さる各種キーに直接的にタッチすることで、必要な入力を行うものである。これらの画像表示は、電源キースイッチ48に専用キーを差し込み、電源スイッチをONにすることで、初めて表示されるものであり、電源スイッチをONに切り替えない限り、通常の操作は一切出来ないようになっている。
ブザー46は、後述する機械式立体駐車装置の制御手順において、昇降制御部30から音声情報を受けて、操作案内、通常作動時の確認音、非常時の警告音等を、適宜発することで、操作性を向上させるものである。又、非常停止ボタン50は、操作者H、H’によって押されることで、装置を緊急停止させるための手動操作信号が、昇降制御部30へと送信され、機械式立体駐車装置は直ちに停止する。なお、図2(a)の操作盤20及び図2(b)〜(h)の操作画面は一例であり、同様の機能を有するものであれば、その構成は自由である。
【0021】
以下に、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置の制御手順を、図1図3を参照しながら説明する。
S100:操作盤20の電源キースイッチ48に専用キーを差し込み、専用キーを「入」まで回してキースイッチをONにする。そして、昇降制御部30の操作処理制御部38により、キースイッチがONであるか否かを監視する。
S110:S100においてキースイッチON(YES)の場合には、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(b)に示されるテンキーが表示される。操作者H、H’は、タッチパネル44のテンキーにより、入出庫に係るパレットのパレット番号を入力して「設定」を押すことで、入出庫に係るパレットの呼出操作を行う。
S120:S110の呼出操作を受けて、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(c)に示される「運転(運転を開始します)」キーが表示される。操作処理制御部38は、この「運転」キーへの入力を監視し、運転開始操作がなされたか否かを把握する。
S130:S120において、運転開始操作がなされていると判断される場合には(YES)、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(d)に示される「装置動作中」表示がなされる。又、操作処理制御部38から装置動作制御部36へとパレット移動指令が出力され、装置動作制御部36は、呼出操作がなされたパレットを地表面(入出庫面)GLへと移動させる。
S140:装置動作制御部36により、呼出操作がなされたパレットの移動が完了したか否かを監視する。
S150:S140において、呼出操作がなされたパレットの移動が完了し、パレットが停止すると(YES)、装置動作制御部36から操作処理制御部38へと、パレット停止の旨の信号が出力される。そして、装置動作制御部36によりゲート15(図5)が開放動作され、かつ、ゲート15の開動作が完了したか否かの監視がなされる。
S160:S150において、ゲート15開完了と判断されると(YES)、装置動作制御部36から操作処理制御部38へとゲート15開完了の旨の信号が出力される。そして、ゲート15が開放されることで、装置動作制御部36により、パレット12(パレット昇降体16)動作禁止制御、及び、ゲート15の閉動作禁止制御がなされる「装置内進入中」モードへと、制御モードが切り替わる。この「装置内進入中」モードにおいて、装置ロック状態となることから、装置内部への操作者H、H’及び車両22の出入、更にはバッテリー充電スタンド24の使用が可能となる。
【0022】
S170:操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(e)に示される「装置内進入中」表示がなされる。又、操作処理制御部38から装置動作制御部36へと、パレット12(パレット昇降体16)動作禁止指令、及び、ゲート15の閉動作禁止指令が出力される。
S180: 「装置内進入中」モードにおいて、バッテリー充電用スタンド24のスタンド扉24aが開状態にある(例えば、スタンド扉検知信号が出力されていない)場合には、充電制御部28の信号出力手段34から、操作処理制御部38へと、スタンド扉開信号が出力されている。操作処理制御部38は、スタンド扉開信号の有無を監視することで、バッテリー充電用スタンド24の使用の有無を把握する。なお、スタンド扉24aの開状態は、バッテリー充電用スタンド24を使用しての充電中であると、単なる閉め忘れであるとを問わない。
S190:S180において、バッテリー充電用スタンド24が使用中であると判断されると(YES)、操作処理制御部38から装置動作制御部36へと、パレット12(パレット昇降体16)動作禁止指令、及び、ゲート15の閉動作禁止指令が継続して出力され、装置動作制御部36の「装置内進入中」モードの解除も出来ないようにし、装置ロック状態が維持される。又、適宜、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(h)に示される「充電スタンドの扉が開いています」表示がなされる。
【0023】
S200:操作者H、H’による装置内部での操作が完了し、機械式立体駐車装置を待機状態へと戻す際には、操作者H、H’は装置外から装置内の無人を確認し、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44の、図2(e)に示される(「装置内進入中モード」の)「解除」キーを押す。S180において、バッテリー充電用スタンド24が使用中ではないと判断されていれば(NO)、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(f)に示される「ゲート閉」キー及び「進入」キー表示がなされ、かつ、「装置内進入中」モードの解除操作の有無を監視する。
S210:S200において、操作盤20のタッチパネル44に表示される「(装置内進入中)解除」キーが押され、「装置内進入中」モードの解除操作がなされると、操作処理制御部38から装置動作制御部36へと、「装置内進入中」モードの解除指令が出力され、装置動作制御部36により、装置ロック状態が解除される。
S220:操作処理制御部38は、「装置内進入中」モードの解除指令が出力後も、スタンド扉開信号の有無を監視し、バッテリー充電用スタンド24の使用の有無を把握する。すなわち、操作処理制御部38は、「装置内進入中」モードの解除操作に係る解除指令が装置動作制御部36に受領され、装置動作制御部36における「装置内進入中」モードが解除された後も、バッテリー充電用スタンド24の使用の有無を監視する。
S230:S220において、バッテリー充電用スタンド24が使用中であると判断されると(YES)、操作処理制御部38から装置動作制御部36へと、再び、パレット12(パレット昇降体16)動作禁止、及び、ゲート15の閉動作が禁止される「装置内進入中」モードへと制御モードを戻す指令が出力され、装置ロック状態が維持される。又、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44には、図2(h)に示される「充電スタンドの扉が開いています」表示がなされ、操作者H、H’に、スタンド扉24aを閉じることを促す。
S240:操作処理制御部38は、スタンド扉開信号の有無を監視することで、バッテリー充電用スタンド24の使用中(スタンド扉24aの閉状態)か否かを把握する。そして、バッテリー充電用スタンド24が使用終了と判断されると(YES)、上記S170へと復帰する。
【0024】
S250:S220において、バッテリー充電用スタンド24が使用中ではないと判断されると(NO)、操作処理制御部38から、操作盤20のタッチパネル44に、図2(f)の「ゲート閉」キーが表示され、これを押すと、図2(g)に示された「運転(運転を開始します)」キーが表示される。
S260:操作処理制御部38は、S250のゲート閉操作の有無を監視し、操作者H、H’によりタッチパネル44に表示された「運転(運転を開始します)」キーが押されると、操作処理制御部38は、ゲート15の閉操作に係る操作指令を受領する。
S270:S260においてゲート閉操作がなされると(YES)、操作処理制御部38から装置動作制御部36へとゲート閉動作開始の旨の信号が出力され、装置動作制御部36は、ゲート15の閉動作を行う。又、装置動作制御部36は、適宜、パレットを定位置へと復帰させる。このとき、操作処理制御部38によって、操作盤20のタッチパネル44には、図2(d)に示される「装置動作中」表示がなされる。
S280:装置動作制御部36により、ゲート16の閉動作が完了したか否かを監視する。
S290:操作処理制御部38により、操作盤20のキースイッチ48が「切」となっているか否かを監視する。「切」の位置でキースイッチOFFとなり、操作処理制御部38により、操作盤20のタッチパネル44の表示画像は消され、通常の操作は何ら受け付けなくなる。そして、機械式立体駐車装置の動作は完了し、操作者H、H’は、操作盤20のキースイッチ48から専用キーを抜き取ることができる。
【0025】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置は、ゲート15の開時に、動作制御部30が、装置ロック状態となってパレット12(パレット昇降体16)の動作禁止制御及びゲート15の閉動作禁止制御がなされる制御モードである、「装置進入中」モードへと切替わり、これにより、装置内部への出入やバッテリー充電スタンド24の使用のための状態が確保される。その後は、「装置進入中」モードの解除の前後を問わず、バッテリー充電用スタンド24の使用の有無を監視するものである。そして、バッテリー充電スタンド24の使用中における「装置進入中」モードの解除を不能とし、かつ、「装置進入中」モードの解除後であっても、バッテリー充電用スタンド24の使用を受けて、再び「装置進入中」モードへと切替わり、ゲート15の閉動作を不能とするものである。
しかも、動作制御部30は、ゲート15の閉時にのみパレット12、13、14又はパレット昇降体16の動作を許容するものであることから、機械式立体駐車装置の主要な動作であるゲート15の開閉及びパレット12、13、14、パレット昇降体16の動作に対して、バッテリー充電スタンド24の使用が優先され、バッテリー充電用スタンド24を備える機械式立体駐車装置の安全性を、十分に確保するのである。
【0026】
なお、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置は、バッテリー充電用スタンド24を使用する際に操作されるスタンド扉24cの開状態を受けて、充電制御部28から動作制御部30へと、バッテリー充電用スタンド24の使用を示す信号を出力することで、動作制御部30が、バッテリー充電用スタンド24の使用を受けて、ゲート15の閉動作を不能とするものであり、スタンド扉24cの閉め忘れ等も解消することができる。
【0027】
又、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置は、ゲート15の開時に、ゲート15の外に設置される操作盤20によって、「装置進入中」モードの解除操作に係る解除指令が入力され、それが動作制御部30によって受領された後であっても、装置内部に操作者H、H’が進入して、バッテリー充電スタンド24を使用可能な状態にある。そこで、動作制御部30は、「装置進入中」モードの解除操作に係る解除指令の受領の前後で、バッテリー充電用スタンド24の使用の有無を監視することで、「装置進入中」モードの解除操作に係る解除指令が入力された後であっても、バッテリー充電用スタンド24の使用を受けて、ゲート15の閉動作を不能とし、ゲート15の開閉及びパレット12、13、14、パレット昇降体16の動作に対して、バッテリー充電スタンド24の使用が優先されるものである。
【0028】
又、本発明の実施の形態に係る機械式立体駐車装置は、操作盤20に設けられた表示手段44に、バッテリー充電用スタンド24の使用状態が示されることで、ゲート15の開閉及びパレット12、13、14、パレット昇降体16の動作に対して、バッテリー充電スタンド24の使用が優先され、ゲート15の開閉及びパレット12、13、14、パレット昇降体16の動作が行われない状態であることを、操作者H、H’に認識させることができる。そして、バッテリー充電スタンド24の使用の終了を操作者に促すことができる。
【0029】
なお、図4図5の例と異なり、一列のパレット昇降体16のみ備える機械式立体駐車装置であっても、本発明を適用することで、同様の作用効果を得ることが可能であることは、理解されるであろう。
【符号の説明】
【0030】
10:機械式立体駐車装置、 12、13、14:パレット、15:ゲート、 16、161、162:パレット昇降体、20:操作盤、22:車両、24:バッテリー充電スタンド、24a:スタンド扉、24c:扉検知スイッチ、26:制御手段、28:充電制御部、30:昇降制御部、32:コンセント充電制御部、 34、42:信号出力手段、36:装置動作制御部、38:操作処理制御部、44:タッチパネル
図1
図2
図3
図4
図5