【実施例】
【0031】
次に本発明を、実施例を用いながら、詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
初めに、実施例で用いた植物抽出物の製造方法について説明をする。
【0033】
[火棘抽出物の製造方法]
火棘の乾燥果実5.00gを90℃の熱水50mLに浸漬し、3時間煮沸の後に濾過し、得られた抽出液をダイヤイオンHP−20(三菱化成工業社製)のカラム(φ3cm×11cm,Vt=80mL)に負荷後、800mLの10%エタノール水溶液で洗浄した。次いで、400mLの40%エタノール水溶液で溶出し、溶出液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して固形物1.04gを得た。
【0034】
[ジオスコリア・コンポジータ抽出物の製造方法]
ジオスコリア・コンポジータ(根茎)50gを水250mLに温度40〜50℃で温浸して濾別した後、再び残渣を同様に温浸することを数回繰り返し、抽出液1.5Lを得る。これを減圧濃縮した残留物に精製水を100mL加え、1週間熟成した後、不溶物濾別して得た抽出液を減圧濃縮し、次いで1,3−ブチレングリコールを加えて抽出液の1,3−ブチレングリコール含有量が40質量%になるように調製し、100mLの抽出溶液(乾燥残分3.3%)を得た。これを実施例においてジオスコリア・コンポジータ抽出物として用いた。
【0035】
[キンギンカ抽出物の製造法]
キンギンカ(花)25gを50%エタノール溶液500mLに70℃で浸漬して濾別した後、再び残渣を同様に浸漬することを数回繰り返し、抽出液1.4Lを得る。これを減圧濃縮した残留物に精製水を100mL加え、1週間熟成した後、不溶物濾別して得た抽出液を減圧濃縮し、次いでエタノールを加えて抽出液のエタノール含有量が50質量%になるよう調製し、100mLの抽出溶液を得た。これを実施例においてキンギンカエキスとして用いた。
【0036】
[サンショウ抽出物の製造法]
サンショウ(果皮)100gを50%エタノール溶液500mLに室温で1週間浸漬して濾別する。ろ液を−20℃にて1週間放置した後、これをろ過して400mlの抽出溶液を得た。これを実施例においてサンショウエキスとして用いた。
【0037】
次に、実施例で行った安定性評価方法について説明する。実施例における安定性評価は、試料の変色についての外観評価により行った。具体的な変色評価試験方法としては、45℃で1ヶ月間保存した状態、及び2ヶ月間保存した状態のものについて目視を行い、下記変色評価基準により、判断した。
【0038】
変色評価基準
×:強い変色あり
△:変色あり
○:わずかに変色あり
◎:変色なし
【0039】
実施例1〜17、比較例1〜15(化粧水)
表1〜表4に示す処方に従って、化粧水を常法にて調製し、上記の試験を行った。その結果を表1〜表4に合わせて示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
表1〜表4より明らかなように、成分(A)は、2種以上を併用することにより変色が認められた(比較例1〜3、10〜13)。これに対し、成分(B)又は成分(C)のいずれか一方を配合しても変色は防止できなかった(比較例3〜9、14、15)のに対し、成分(B)及び成分(C)を配合することにより、変色が防止できた(実施例1〜15)。
【0045】
以下に、本発明の処方例を示す。いずれの化粧料も、経時的安定性に優れ、しかも使用性に優れたものである。
【0046】
処方例1(化粧水)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.01
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.0005
エタノール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.0
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
1,3−ブチレングリコール 4.0
ジプロピレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.)(*2) 2.0
フェノキシエタノ−ル 0.3
オウバクエキス(*3) 0.2
N−アセチルグルコサミン(*4) 0.1
豆乳発酵液(*5) 0.1
オレンジ果汁(*6) 0.01
酵母エキス(*7) 0.01
海藻エキス(*8) 0.01
チョウジエキス(*9) 0.01
精製水 残量
*2;グルカムE−20(アマコール社製)
*3;オウバク抽出液J(丸善製薬社製)
*4;マリンスウィートF(焼津水産社製)
*5;豆乳発酵液(三省製薬社製)
*6;ホモフルーツ(オレンジ)N(香栄興業社製)
*7;ディスムチンBTJ(ペンタファーム社製)
*8;マリンパージ(一丸ファルコス社製)
*9;チョウジ抽出液(丸善製薬社製)
【0047】
処方例2(乳液)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.001
エタノール 10.0
水素添加大豆リン脂質(*10) 0.2
コレステロール 0.1
シクロペンタポリシロキサン 3.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
ジプロピレングリコール 5.0
濃グリセリン 2.0
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*11) 0.1
カルボキシビニルポリマー(*12) 0.02
キサンタンガム 0.1
水酸化カリウム 0.05
エデト酸二ナトリウム 0.02
フェノキシエタノール 0.1
ラン抽出液(*13) 0.3
マツエキス(*14) 0.3
オクラエキス(*15) 0.3
オリーブ葉エキス(*16) 0.2
オトギリソウエキス(*17) 0.2
ユズエキス(*18) 0.2
メマツヨイグサ抽出液(*19) 0.1
アボカドエキス(*20) 0.1
ゲットウ葉エキス(*21) 0.1
ラフィノース(*22) 0.05
L−アスコルビン酸硫酸エステルニナトリウム(*23) 0.05
精製水 残量
*10;コートソームNC−21(日本油脂社製)
*11;PEMULENE TR−1(G.F.Goodroch社製)
*12;シンタレンL(3V SIGMA社製)
*13;ファルコレックス ラン(一丸ファルコス社製)
*14;ファルコレクスマツB(一丸ファルコス社製)
*15;フィトヒアロンB(一丸ファルコス社製)
*16;オリーブ葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*17;ファルコレックスオトギリソウB(一丸ファルコス社製)
*18;ユズ抽出液(丸善製薬社製)
*19;ルナホワイトB(丸善製薬社製)
*20;ファルコレックス アボガドB(一丸ファルコス社製)
*21;月桃葉抽出液BG(丸善製薬社製)
*22;オリゴGGF(旭化成工業社製)
*23;VC−SS(日本サーファクタント社製)
【0048】
処方例3(乳液)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.001
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.3
ステアリン酸 1.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5
コレステロール 1.0
ベヘニルアルコール 0.5
ワセリン 1.5
スクワラン 10.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
キサンタンガム 0.1
ベントナイト 0.5
1,3−ブチレングリコール 5.0
フェノキシエタノール 0.5
サンショウ抽出物(*24) 0.2
ホオノキ抽出液(*25) 0.2
カンゾウ抽出末(*26) 0.2
コムギ胚芽エキス(*27) 0.2
ヨクイニンエキス(*28) 0.2
ユキノシタエキス(*29) 0.2
スイカズラエキス(*30) 0.2
ジオウエキス(*31) 0.2
精製水 残量
*24;ファルコレックスサンショウ(一丸ファルコス社製)
*25;ファルコレックスホオノキB(一丸ファルコス社製)
*26;カンゾウ抽出液(丸善製薬社製)
*27;クラリスキン(Silab社製)
*28;ヨクイニン抽出液BG−S(丸善製薬社製)
*29;ユキノシタエキス(一丸ファルコス社製)
*30;ファルコレックス スイカズラSB(一丸ファルコス社製)
*31;ジオウ抽出液BG−J(丸善製薬社製)
【0049】
処方例4(乳液)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.001
水素添加大豆リン脂質(*10) 2.0
コレステロール 1.0
スクワラン 2.0
トリス(トリメトキシ)メチルシラン 5.0
イソノナン酸イソノニル 5.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
濃グリセリン 1.0
ジグリセリン 5.0
ポリエチレングリコール4000 3.0
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(*11) 0.1
カルボキシビニルポリマー(*12) 0.2
キサンタンガム 0.1
水酸化カリウム 0.08
エデト酸二ナトリウム 0.02
フェノキシエタノール 0.3
酵母エキス(*32) 0.1
ハクガイシ加水分解エキス(*33) 0.1
混合植物抽出液(*34) 0.1
カロットエキス(*35) 0.1
ブクリョウエキス(*36) 0.1
タイソウエキス(*37) 0.1
精製水 残量
*32;イーストリキッドZB(一丸ファルコス社製)
*33;シナブランカーWH(テクノーブル社製)
*34;マルチフルーツBSC(Arch Personal Care Products L.P.社製)
*35;ベジタブルコラーゲン(高研社製)
*36;ファルコレックスブクリョウE(一丸ファルコス社製)
*37;タイソウ抽出液BG−J(丸善製薬社製)
【0050】
処方例5(O/W型クリーム)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
ジオスコレア・コンポジタ抽出物 0.005
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.02
テンニンカ抽出物 0.05
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.5
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0
トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5
ポリオキシエチレンソルビットミツロウ(6E.O.) 1.0
ベヘニルアルコール 3.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 2.0
ワセリン 3.0
サラシミツロウ 1.0
パルミチン酸セチル 0.5
スクワラン 7.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
マルチトール液 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.2
フェノキシエタノール 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.02
グリシン(*38) 0.01
L−プロリン(*39) 0.01
L−アラニン(*40) 0.01
シルク抽出液(*41) 0.3
酵母エキス(*42) 0.1
パルミトイルペンタペプチド(*43) 0.1
アルテアエキス(*44) 0.1
ウーロン茶エキス(*45) 0.1
精製水 残量
*38;グリシン(有機合成薬品工業社製)
*39;L-プロリン(味の素社製)
*40;L-アラニン(味の素社製)
*41;シルクプロテインエキス(一丸ファルコス社製)
*42;TONISKIN(Silab社製)
*43;MATRIXYL(クローダジャパン社製)
*44;アルテア抽出液(香栄興業社製)
*45;ウーロン茶抽出液BG(丸善製薬社製)
【0051】
処方例6(O/W型クリーム)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
火棘抽出物 0.0005
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.02
テンニンカ抽出物 0.05
水素添加大豆リン脂質(*10) 2.0
コレステロール 1.0
ベヘニルアルコール 3.0
イソステアリン酸 2.0
パルミチン酸 0.5
パルミチン酸セチル 0.5
長鎖分岐脂肪酸(12〜31)コレステリル 7.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
ミリスチン酸イソセチル 2.0
トリイソステアリン酸グリセリル 1.0
スクワラン 5.0
濃グリセリン 3.0
ソルビット液 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
カルボキシビニルポリマー(*12) 0.2
キサンタンガム 0.2
水酸化カリウム 0.08
フェノキシエタノール 0.4
エデト酸二ナトリウム 0.02
ジメチルシラノール・ヒアルロン酸縮合液(*46) 0.1
海藻エキス(*47) 0.1
βーカロチン(*48) 0.001
クチナシエキス(*49) 0.1
タイムエキス(*50) 0.1
チンピエキス(*51) 0.1
精製水 残量
*46;DSHC(N)(EXSYMOL社製)
*47;LAMINAINE−BG(Biotech Marine社製)
*48;βーカロチン(ロッシュ社製)
*49;サンシシ抽出液BG(丸善製薬社製)
*50;タチジャコウソウ抽出液BG(丸善製薬社製)
*51;チンピ抽出液BG40(丸善製薬社製)
【0052】
処方例7(W/O型クリーム)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 1.0
サンショウエキス 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.001
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(*52)
10.0
シクロペンタシロキサン 10.0
メチルフェニルポリシロキサン(*53) 5.0
架橋型シリコーン末(*54) 2.0
オリーブ油 5.0
ジプロピレングリコール 7.0
濃グリセリン 5.0
塩化ナトリウム 1.0
塩化マグネシウム 1.0
ジプロピレングリコール 7.0
メチルパラベン 0.1
加水分解コンキオリン液(*55) 0.1
ゴレンシ葉エキス(*56) 0.1
キイチゴエキス(*57) 0.1
トウニンエキス(*58) 0.1
アロエエキス(*59) 0.1
精製水 残量
*52;シリコンBY22−008(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)
*53;シリコンFZ−209(日本ユニカー社製)
*55;トレフィルE507(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)
*59;真珠たん白抽出液K(丸善製薬社製)
*56;スターフルーツ葉抽出液BG30(丸善製薬社製)
*57;ファルコレックス キイチゴB(一丸ファルコス社製)
*58;ファルコレックス トウニン B(一丸ファルコス社製)
*59;ベラゲルリキッド(DRマディスラボラトリーズ社製)
【0053】
処方例8(サンスクリーン)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.05
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.002
テンニンカ抽出物 0.001
メチルフェニルポリシロキサン(*53) 1.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン 1.0
ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル
1.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム 3.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム(2E.O.)
0.3
ブチルパラベン 0.1
ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム 0.3
微粒子酸化チタン(*60) 3.0
微粒子酸化亜鉛(*61) 7.0
メチルパラベン 0.1
水溶性コラーゲン液(*62) 0.1
カンゾウ抽出末(*63) 0.1
精製水 残量
*60;タイペークTTO−55(A)(石原産業社製)
*61;ZnO−350(住友大阪セメント社製)
*62;ネプチゲンN(丸善製薬社製)
*63;リコレックスNA(丸善製薬社製)
【0054】
処方例9(美容液)
(成分) (配合量%)
γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸 0.5
N−アセチルグルコサミン 0.1
キンギンカエキス 0.2
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
テンニンカ抽出物 0.001
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
ニコチン酸アミド 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 0.3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
エタノール 7.0
メチルフェニルポリシロキサン(*53) 3.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール1000 1.0
カルボキシビニルポリマー(*12) 0.1
水酸化カリウム 0.15
乳酸 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム(*64) 0.01
ローヤルゼリーエキス(*65) 0.1
香料 0.01
精製水 残量
*64;ヒアルロン酸FCH−SU(紀文フードケミファ社製)
*65;ローヤルゼリーエキス(アピ社製)
【0055】
尚、処方例の香料は下記の香料処方のものを用いた。
【0056】
【表5】