(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケ演奏端末には、複数の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を用いてコラボレーション歌唱を行うことができるものがある。このようなコラボレーション歌唱機能では、利用者がカラオケ楽曲を歌唱し、その歌唱音声と歌唱動画とを録画して、録画サーバ等に保存する。そして、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、このコラボレーションデータをダウンロードするとともに、このコラボレーションデータと、新たに録音した歌唱音声及び新たに撮影した歌唱動画とを用いて、新たなコラボレーションデータを作成する。
【0003】
従来、このようなコラボレーション歌唱機能に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、表示手段の第1領域に、予め記録された第1映像情報を表示させるとともに、第1領域の左側または右側に位置する第2領域に、カメラから入力される第2映像情報を左右反転して表示させる。また、第1映像情報に同期して記録された第1音声情報と、マイクロホンから入力される第2音声情報を再生させる。さらに、第2映像情報と第2音声情報を記録手段に記録するようになっている。
【0004】
ところで、複数の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を用いてコラボレーションデータを作成する場合には、各利用者の歌唱音声及び歌唱動画を保存しておき、これらの保存データと、新たな利用者の歌唱音声及び歌唱動画を用いて、コラボレーションデータを作成しなければならない。また、現在普及しているカラオケ演奏端末では、サーバに記憶されたカラオケデータ等、各種のデータをダウンロードして、各カラオケ演奏端末で利用する通信カラオケシステムが採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通信カラオケシステムにコラボレーション歌唱機能を持たせようとした場合、各利用者の歌唱音声及び歌唱動画をサーバに記憶するのが一般的である。この際、二人の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を用いてコラボレーションデータを作成する場合には、歌唱音声及び歌唱動画を送受信する通信回線の負荷や録画装置のデータ処理能力が問題となることは殆ど無い。
【0007】
しかし、三人あるいは四人というようにコラボレーション歌唱を行う利用者数が増加した場合に、コラボレーションデータを作成する毎に、すべての利用者の歌唱音声及び歌唱動画をカラオケ演奏端末にダウンロードしたのでは、通信回線のトラフィックが増大して、予期せぬ通信障害が発生するおそれがある。また、録画装置においても、膨大なデータを用いてコラボレーションデータを作成する場合には、データ処理の負担が増大してしまう。さらに、処理能力の高い高性能なCPU等を用いて、コラボレーションデータを作成することも考えられるが、これでは装置の製造コストが上昇してしまうという不都合がある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を用いてコラボレーションデータを作成する場合に、通信回線の負荷や録画装置の負担を軽減することが可能なコラボレーション歌唱の録画システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した目的を達成するため、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のコラボレーション歌唱の録画システムは、コラボレーション歌唱を所望するカラオケ楽曲について、複数の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を録画するための録画システムであって、
コラボレーション歌唱を行った利用者毎に作成され、コラボレーション歌唱を行ったすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声と、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画のみからなるコラボレーションデータが記憶されており、コラボレーションデータ取得手段と、撮影手段と、歌唱音声取得手段と、歌唱動画表示手段と、コラボレーションデータ作成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
コラボレーションデータ取得手段は、
新たにコラボレーション歌唱を行う新規利用者の選択に応じて、コラボレーション歌唱を行った利用者毎に作成された少なくとも1つ以上のコラボレーションデータの中から、コラボレーション歌唱を行ったすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声と、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画のみからなるコラボレーションデータを1つ取得するための手段である。
【0011】
撮影手段は、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際の歌唱動画を撮影するための手段である。歌唱音声取得手段は、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際の歌唱音声を取得するための手段である。
【0012】
歌唱動画表示手段は、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際に、現に撮影している歌唱動画と取得した歌唱動画とを表示装置の表示画面に表示するための手段である。コラボレーションデータ作成手段は、撮影した歌唱動画と、取得したコラボレーション歌唱音声に対して新規利用者の歌唱音声を合成した新たなコラボレーション歌唱音声とを用いて、新たなコラボレーションデータを作成するための手段である。
【0013】
また、上述した構成に加えて、さらに、歌唱動画関連付け手段と、コラボレーション公開データ作成手段とを備えることが可能である。歌唱動画関連付け手段は、コラボレーションデータのコラボレーション歌唱音声に含まれるすべての利用者の歌唱動画を関連付けるための手段である。コラボレーション公開データ作成手段は、関連付けられたすべての利用者の歌唱動画と、コラボレーション歌唱音声とからなるコラボレーション公開データを作成するための手段である。なお、コラボレーション歌唱音声とは、関連付けられたすべての利用者の歌唱音声のことである。
【0014】
このような構成からなるコラボレーション歌唱の録画システムでは、例えば、サーバの記憶装置にコラボレーションデータを記憶しておく。なお、コラボレーションデータとは、既にコラボレーション歌唱を行ったすべての利用者(既に歌唱を行った利用者が一人のみの場合を含む)の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声(既に歌唱を行った利用者が一人のみの場合には当該利用者の歌唱音声)と、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画と(既に歌唱を行った利用者が一人のみの場合には当該利用者の歌唱動画)を含むデータのことである。
【0015】
そして、利用者がコラボレーション歌唱を所望する場合に、コラボレーションデータ取得手段の機能により、サーバの記憶装置に記憶されたコラボレーションデータの中から、新規利用者の選択に応じて任意のコラボレーションデータを取得する。
【0016】
また、撮影手段の機能により、新規利用者の歌唱動画を撮影すると共に、歌唱音声取得手段の機能により、新規利用者の歌唱音声を取得する。この際、歌唱動画表示手段の機能により、現に撮影している新規利用者の歌唱動画と取得した歌唱動画(コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画)とを表示装置の表示画面に表示する。
【0017】
そして、コラボレーションデータ作成手段の機能により、新規利用者の歌唱動画と、既に歌唱を行ったすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声に対して新規利用者の歌唱音声を合成した新たなコラボレーション歌唱音声とを用いて、新たなコラボレーションデータを作成する。なお、コラボレーションデータは、コラボレーション歌唱を行った利用者毎に作成される。
【0018】
また、歌唱動画関連付け手段の機能により、コラボレーションデータのコラボレーション歌唱音声に含まれるすべての利用者の歌唱動画を関連付け、コラボレーション公開データ作成手段の機能により、関連付けられたすべての利用者の歌唱動画と、コラボレーション歌唱音声とからなるコラボレーション公開データを作成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のコラボレーション歌唱の録画システムによれば、新たなコラボレーションデータを作成する際に、表示装置において、コラボレーション歌唱を行ったすべての利用者の歌唱動画を表示するのではなく、最後に歌唱を行った利用者一人の歌唱動画と、現に撮影を行っている新規利用者の歌唱動画のみを表示する。また、コラボレーションデータに含まれるすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声と、新規利用者の歌唱音声とを合成して、新たなコラボレーション歌唱音声を生成し、この新たなコラボレーション歌唱音声と、新規利用者の歌唱画像とを用いて、新たなコラボレーションデータを作成する。
【0020】
したがって、コラボレーションデータを作成する毎に、すべての歌唱者の歌唱画像をダウンロードする必要がないので、通信回線のトラフィックが増加することがなく、通信障害の発生等を未然に防止することができる。また、録画装置においても、膨大なデータを用いてコラボレーションデータの作成を行う必要がないので、データ処理の負担が軽減する。また、録画装置に対して大きなデータ処理能力を要求しないので、装置の製造コストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のコラボレーション歌唱の録画システムの実施形態について説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱の録画システムを示すもので、
図1はコラボレーション歌唱の録画システムを説明する機能説明図、
図2はコラボレーション歌唱の録画システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図、
図3はコラボレーション歌唱を行う際のデータダウンロード及びコラボレーションデータ作成の手順を説明する説明図である。
【0023】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱の録画システム10は、コラボレーション歌唱を所望するカラオケ楽曲について、複数の利用者の歌唱音声及び歌唱動画を録画するためのシステムであって、
図1に示すように、コラボレーションデータ取得手段38と、撮影手段(ビデオカメラ26)と、歌唱音声取得手段(マイクロホン24)と、歌唱動画表示手段39と、コラボレーションデータ作成手段40とを備えており、さらに、歌唱動画関連付け手段55と、コラボレーション公開データ作成手段56とを備えることが可能である。
【0024】
本実施形態では、
図2に示すように、カラオケ演奏端末20が通信回線を介してサーバ50に接続されており、サーバ50は、基本的なサーバ機能として、中央制御手段51、ROM52、RAM53、カラオケ演奏端末20と通信を行うための通信制御手段54、記憶装置57を備えると共に、本発明のコラボレーション歌唱の録画システム10を構成する歌唱動画関連付け手段55、コラボレーション公開データ作成手段56を備えている。なお、サーバ50には、複数のカラオケ演奏端末20が接続されている。また、各カラオケ演奏端末20は、歌唱動画の撮影を行うための撮影手段として機能するビデオカメラ26、歌唱音声の録音を行うための歌唱音声取得手段として機能するマイクロホン24、コラボレーションデータ取得手段38、歌唱動画表示手段39、コラボレーションデータ作成手段40を備えている。
【0025】
<歌唱動画関連付け手段>
歌唱動画関連付け手段55は、コラボレーションデータ57aのコラボレーション歌唱音声に含まれるすべての利用者の歌唱動画を関連付けるためのプログラムからなる。すなわち、コラボレーションデータ57aは、コラボレーション歌唱を行った利用者毎に作成されるデータであり、例えば、既にコラボレーション歌唱を行った利用者及び新規にコラボレーション歌唱を行った利用者の歌唱音声が合成されたコラボレーション歌唱音声と、当該コラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声と、新規にコラボレーション歌唱を行った利用者の歌唱動画とが含まれている。なお、コラボレーション歌唱に使用するための最初のコラボレーションデータ57aは、コラボレーション歌唱を所望する利用者一人により作成されたデータであり、この場合のコラボレーションデータ57aは、当該最初の利用者の歌唱音声と、当該歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声と、当該最初の利用者の歌唱動画とを含んでいる。
【0026】
そして、歌唱動画関連付け手段55の機能により、コラボレーションデータ57aのコラボレーション歌唱音声に含まれるすべての利用者の歌唱動画を関連付けることにより、コラボレーション公開データ作成手段56の機能を用いてコラボレーション公開データ57bを作成することができる。
【0027】
<コラボレーション公開データ作成手段>
コラボレーション公開データ作成手段56は、歌唱動画関連付け手段55の機能により関連付けられたすべての利用者の歌唱動画と、コラボレーション歌唱音声とからなるコラボレーション公開データを作成するためのプログラムからなる。このコラボレーション公開データは、サーバ50の記憶装置57に記憶され、インターネット回線等を介して公開される。
【0028】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱の録画システム10を適用するカラオケ演奏端末20は、
図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、マイクロホン24、表示装置25、ビデオカメラ26、ミキシングアンプ27を備えている。
【0029】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、カラオケ本体21のローカル送受信手段36との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、カラオケ演奏端末20との間でデータの送受信を行うリモコンデータ送受信手段22cとして機能する電子回路及びプログラム、ユーザインタフェース機能を備えた入出力表示部22dを備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部22dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0030】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏端末20で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段22aにより楽曲検索を行うと、例えば、カラオケリモコン装置22の入出力表示部22dに、検索結果が一覧表示される。
【0031】
<リモコンデータ送受信手段>
リモコンデータ送受信手段22cは、カラオケリモコン装置22とカラオケ本体21との間で種々のデータを送受信するための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、リモコンデータ送受信手段22cとカラオケ本体21のローカル送受信手段36との間で、赤外線通信によりデータの送受信が行われる。
【0032】
<入出力表示部>
入出力表示部22dは、例えば、タッチセンサを備えた液晶表示装置25からなり、表示画面に種々のアイコン表示等が行われ、アイコン表示等をタッチペンによりタッチすることにより、楽曲の検索、選曲予約、音程キーの変更等、種々の操作を行うことができる。
【0033】
<マイクロホン>
マイクロホン24は、歌唱音声の入力を行うための装置であり、本実施形態では、歌唱音声取得手段として機能する。マイクロホン24から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ27により、音楽再生制御手段41から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ23へ出力される。また、マイクロホン24からの音声入力信号は、A/Dコンバータ42によりデジタル変換され、歌唱音声データ34cとしてRAM34に記憶される。この歌唱音声データ34cは、コラボレーション歌唱音声等を作成する際に使用される。
【0034】
<表示装置>
表示装置25は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。本実施形態では、コラボレーション歌唱を行う際に、最後に歌唱した利用者の歌唱画像と、現に撮影されている新規利用者の歌唱画像が表示される。
【0035】
<ビデオカメラ>
ビデオカメラ26は、利用者の歌唱動画を撮影するための撮影手段として機能する機器である。このビデオカメラ26は、パン・チルト機構、ズーミング機構、合焦機能等を備えていることが好ましい。
【0036】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、
図2に示すように、ネットワーク送受信手段31、中央制御手段32、ROM33、RAM34、HDD35、ローカル送受信手段36、予約管理手段37、コラボレーションデータ取得手段38、歌唱動画表示手段39、コラボレーションデータ作成手段40、音楽再生制御手段41、A/Dコンバータ42、映像再生制御手段43、映像取得手段44を備えている。
【0037】
<中央制御手段>
中央制御手段32は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM33等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0038】
<ROM/RAM>
ROM33は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM34は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM34を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM34を構成してもよい。本実施形態では、RAM34に予約待ち行列34a、歌唱動画データ34b、歌唱音声データ34cが記憶されるようになっている。予約待ち行列34aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0039】
歌唱動画データ34bは、ビデオカメラ26により撮影され、映像取得手段44により取得したデータであり、歌唱音声データ34cは、マイクロホン24から入力され、A/Dコンバータ42によりA/D変換されたデータである。
【0040】
<HDD>
HDD35は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース35a、映像データベース35bが格納されている。なお、HDD35に替えて、あるいはHDD35と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0041】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース35aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは、演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース35bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0042】
<送受信手段>
ネットワーク送受信手段31は、サーバ50とカラオケ演奏端末20(カラオケ本体21)との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。また、ローカル送受信手段36は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。また、本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0043】
<予約管理手段>
予約管理手段37は、利用者により、楽曲検索手段22aの機能を用いて検索され、利用者の選択指示に基づいて選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列34aを生成し、この予約待ち行列34aをRAM34に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0044】
<コラボレーションデータ取得手段>
コラボレーションデータ取得手段38は、
新たにコラボレーション歌唱を行う新規利用者の選択に応じて、コラボレーション歌唱を行った利用者毎に作成された少なくとも1つ以上のコラボレーションデータ57aの中から、コラボレーション歌唱を行ったすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声と、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画のみからなるコラボレーションデータ57aを1つ取得するためのプログラムからなる。上述したように、コラボレーションデータ57aは、サーバの記憶装置57に記憶されており、通信回線を介してカラオケ演奏端末20にダウンロードされる。
【0045】
<歌唱動画表示手段>
歌唱動画表示手段39は、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際に、ビデオカメラ26で現に撮影している新規利用者の歌唱動画と、コラボレーションデータ取得手段38の機能により取得した歌唱動画とを表示装置25の表示画面に表示するためのプログラムからなる。すなわち、表示装置25の表示画面には、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画と、現に撮影している新規利用者の歌唱画像とが表示される(
図3参照)。なお、表示装置25の表示画面には、歌唱画像の他に、コラボレーション歌唱を行うカラオケ楽曲の背景映像や歌詞テロップ等が表示される。
【0046】
<コラボレーションデータ作成手段>
コラボレーションデータ作成手段40は、新規利用者がコラボレーション歌唱を行っている姿態を撮影した歌唱動画と、コラボレーションデータ取得手段38の機能により取得したコラボレーション歌唱音声に対して、マイクロホン24から入力された新規利用者の歌唱音声を合成した新たなコラボレーション歌唱音声とを用いて、新たなコラボレーションデータ57aを作成するためのプログラムからなる。作成されたコラボレーションデータ57aは、通信回線を介してサーバ50に送信され、記憶装置57に記憶される。上述したように、コラボレーションデータ57aは、利用者毎に作成される。
【0047】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段41は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース35aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ27に出力するための電子回路である。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ27に出力する。上述したように、ミキシングアンプ27は、マイクロホン24から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段41から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0048】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段43は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース35bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置25に出力するためのプログラムからなる。
【0049】
<映像取得手段>
映像取得手段44は、ビデオカメラ26で撮影した利用者の歌唱動画データ34bを取得するための電子回路及びプログラムからなる。映像取得手段44で取得した利用者の歌唱動画データ34bは、RAM34に一時的に記憶されると共にサーバ50に送信され、コラボレーションデータ57aやコラボレーション公開データ57bを作成する際に使用される。
【0050】
<コラボレーション歌唱録画の手順>
図1及び
図3を参照して、コラボレーション歌唱録画の手順を説明する。
図1に示すように、本実施形態のコラボレーション歌唱の録画システム10を用いてコラボレーション歌唱の録画を行うには、利用者が既存のコラボレーションデータ57aの中からコラボレーション歌唱を所望するコラボレーションデータ57aを選択すると、コラボレーションデータ取得手段38の機能により、当該コラボレーションデータ57aに含まれるコラボレーション歌唱を行ったすべての利用者の歌唱音声からなるコラボレーション歌唱音声と、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画とを取得(ダウンロード)する。
【0051】
また、撮影手段(ビデオカメラ26)により、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際の歌唱動画を撮影すると共に、歌唱音声取得手段(マイクロホン24)により、新規利用者がコラボレーション歌唱を行う際の歌唱音声を取得する。
【0052】
そして、歌唱動画表示手段39の機能により、表示装置25の表示画面に、コラボレーション歌唱を最後に行った利用者の歌唱動画と、現に撮影している新規利用者の歌唱画像とを表示する。
【0053】
続いて、コラボレーションデータ作成手段40の機能により、取得(ダウンロード)したコラボレーション歌唱音声及び新たに録音した新規利用者の歌唱音声を合成した新たなコラボレーション歌唱音声と、新たに撮影した新規利用者の歌唱動画とを用いて、新たなコラボレーションデータ57aを作成する。
【0054】
具体的には、
図3に示すように、利用者Aのみのコラボレーションデータ57aが存在し、利用者Bがコラボレーション歌唱を行う場合には、ダウンロードしたコラボレーションデータ57aに含まれる利用者Aの歌唱動画と、ビデオカメラ26により撮影している利用者Bの歌唱動画を表示装置25の表示画面に表示する。また、マイクロホン24から入力された利用者Bの歌唱音声を録音し、コラボレーションデータ57aに含まれる利用者Aの歌唱音声と、録音した利用者Bの歌唱音声とを合成して、利用者A及び利用者Bのコラボレーション歌唱音声を作成し、さらに、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声を作成する。そして、利用者A及び利用者Bのコラボレーション歌唱音声と、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声と、利用者Bの歌唱動画とからなる新たなコラボレーションデータ57aを作成する。
【0055】
続いて、利用者A及び利用者Bのコラボレーションデータ57aが存在し、利用者Cがコラボレーション歌唱を行う場合には、ダウンロードしたコラボレーションデータ57aに含まれる利用者Bの歌唱動画と、ビデオカメラ26により撮影している利用者Cの歌唱動画を表示装置25の表示画面に表示する。また、マイクロホン24から入力された利用者Cの歌唱音声を録音し、コラボレーションデータ57aに含まれる利用者A及び利用者Bのコラボレーション歌唱音声と、録音した利用者Cの歌唱音声とを合成して、利用者A、利用者B及び利用者Cのコラボレーション歌唱音声を作成し、さらに、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声を作成する。そして、利用者A、利用者B及び利用者Cのコラボレーション歌唱音声と、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声と、利用者Cの歌唱動画とからなる新たなコラボレーションデータ57aを作成する。
【0056】
続いて、利用者A、利用者B及び利用者Cのコラボレーションデータ57aが存在し、利用者Dがコラボレーション歌唱を行う場合には、コラボレーションデータ57aからダウンロードした利用者Cの歌唱動画と、ビデオカメラ26により撮影している利用者Dの歌唱動画を表示装置25の表示画面に表示する。また、マイクロホン24から入力された利用者Dの歌唱音声を録音し、コラボレーションデータ57aに含まれる利用者A、利用者B及び利用者Cのコラボレーション歌唱音声と、録音した利用者Dの歌唱音声とを合成して、利用者A、利用者B、利用者C及び利用者Dのコラボレーション歌唱音声を作成し、さらに、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声を作成する。そして、利用者A、利用者B、利用者C及び利用者Dのコラボレーション歌唱音声と、このコラボレーション歌唱音声にカラオケ演奏音を合成したカラオケ歌唱音声と、利用者Dの歌唱動画とからなる新たなコラボレーションデータ57aを作成する。
【0057】
また、
図1に示すように、歌唱動画関連付け手段55の機能により、コラボレーションデータ57aのコラボレーション歌唱音声に含まれるすべての利用者の歌唱動画を関連付ける。そして、コラボレーション公開データ作成手段56の機能により、関連付けられたすべての利用者の歌唱動画と、コラボレーション歌唱音声とからなるコラボレーション公開データ57bを作成する。作成されたコラボレーション公開データ57bは、サーバ50の記憶装置57に記憶され、インターネット回線等を介して公開される。
【0058】
なお、
図3に示す例では、4名を上限として、コラボレーションデータ57a及びコラボレーション公開データ57bを生成するようになっているが、コラボレーション歌唱に参加可能な利用者の人数は適宜変更して実施することができ、3名であってもよく、5名以上であってもよい。
【0059】
<他の実施形態>
本発明のコラボレーション歌唱の録画システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ演奏端末20とサーバ50をネットワーク接続するのではなく、カラオケ演奏端末20を単体で動作させてもよい。この場合には、コラボレーション歌唱の録画システム10を構成する各手段は、各カラオケ演奏端末20の機能手段として構成される。