(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1導電部及び前記第2導電部を組み合わせることで、平面視で、透視を必要とする部分に投影メッシュパターンが形成される請求項1又は請求項2のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンの少なくとも一方が、網目構造を有する形状に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンの両方ともが、網目構造を有する形状に形成されていない請求項1〜4のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンのうち前記対向する線分において線幅を狭く形成された方が、他方より短い請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記導電性細線が、金、銅、銀、ニッケル、アルミ、モリブデンの群より選ばれた金属又は合金からなる金属細線である請求項1〜7のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記導電性細線が、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンの群より選ばれた1又は2以上の物質を含む非金属細線である請求項1〜7のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
前記第1導電部が、さらに、前記第1電極パターンと同じ材料の導電性細線からなって、隣り合う前記第1電極パターン同士の隙間に配置され、前記第1電極パターンと電気的に絶縁された複数の第1ダミーパターンを有し、
前記第2導電部が、さらに、前記第2電極パターンと同じ材料の導電性細線からなって、隣り合う前記第2電極パターン同士の隙間に配置され、前記第2電極パターンと電気的に絶縁された複数の第2ダミーパターンを有し、
前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンのうち前記した線幅を狭く形成した一方が、前記第1ダミーパターン又は第2ダミーパターンに対向する線分においても線幅を狭く形成した請求項1〜10のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、金属細線を電極に用いる場合、金属細線が不透明な材料で作製されることから透明性や視認性が問題となる。
【0007】
例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルは、前述のように複数の第1電極が水平方向に配列され、絶縁層を介して、複数の第2電極が垂直方向に配列されて構成されている。このような構成のタッチパネル用電極シートを製造するには、単一フィルム又は2層以上の貼合された積層フィルムを基体とし、基体の両面に遮光性を有する金属薄膜を形成し、次に感光性レジストを両面に形成し、第1電極群用と第2電極群用とで画像の異なるフォトマスクを用いて両面を同時に露光、現像、エッチング、レジスト剥離することが考えられる。この方法では、感光性レジストを露光する際に基材の両面に配置するフォトマスクどうしを正確に位置合わせしなければならないが、位置ズレを完全に排除することは難しい。
【0008】
タッチ者に視認されない線幅の金属細線により電極を構成するように設計しても、第1電極の細線と第2電極の細線とが基体を挟んで対向する部分において位置ズレを起すと、平面視したパターンの線幅が部分的に太くなり(以下、線太りという)、細線がタッチ者に視認されてしまうという問題が生じる。また、線太りした分、透明な領域が減り、表示装置からの光の透過率が低くなるという問題も生じる。
【0009】
したがって、本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、金属細線などの不透明な導電性細線のパターンで電極を構成した場合においても、導電性細線が視認され難く、高い透明性を確保することができる静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0011】
本発明の第1態様によれば、透明な基体と、前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、前記基体の他方の主面に形成された第2導電部と、を有し、前記第1導電部は、それぞれ不透明な導電性細線及び当該導電性細線によって仕切られた空白部からなって第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された複数の第1電極パターンを有し、前記第2導電部は、それぞれ不透明な導電性細線及び当該導電性細線によって仕切られた空白部からなって前記第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された複数の第2電極パターンを有し、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンが、前記導電性細線に前記基体を挟んで対向する線分を有し、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンのうち一方の前記導電性細線が、前記対向する線分においてのみ他方の前記導電性細線より線幅を狭く形成されることにより、一定幅でないことを特徴とする静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0012】
本発明の第2態様によれば、前記対向する線分における狭幅化の割合が、30〜90%である第1態様記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0013】
本発明の第3態様によれば、前記第1導電部及び前記第2導電部を組み合わせることで、平面視で、透視を必要とする部分に投影メッシュパターンが形成される第1態様又は第2態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0014】
本発明の第4態様によれば、前記投影メッシュパターンの線幅が15μm以下、開口率が85%以上である第3態様の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0015】
本発明の第5態様によれば、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンの少なくとも一方が、網目構造を有する形状に形成されている第1〜4態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンの両方ともが、網目構造を有する形状に形成されていない第1〜4態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0017】
本発明の第7態様によれば、前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンのうち前記対向する線分において線幅を狭く形成された方が、他方より短い第1〜6態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0018】
本発明の第8態様によれば、前記導電性細線が、金、銅、銀、ニッケル、アルミ、モリブデンの群より選ばれた金属又は合金からなる金属細線である第1〜7態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0019】
本発明の第9態様によれば、前記導電性細線が、タッチ面側の表面を低反射処理されている第8態様記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0020】
本発明の第10態様によれば、前記導電性細線が、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンの群より選ばれた1又は2以上の物質を含む非金属細線である第1〜7態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【0021】
本発明の第11態様によれば、前記第1導電部が、さらに、前記第1電極パターンと同じ材料の導電性細線からなって、隣り合う前記第1電極パターン同士の隙間に配置され、前記第1電極パターンと電気的に絶縁された複数の第1ダミーパターンを有し、
前記第2導電部が、さらに、前記第2電極パターンと同じ材料の導電性細線からなって、隣り合う前記第2電極パターン同士の隙間に配置され、前記第2電極パターンと電気的に絶縁された複数の第2ダミーパターンを有し、
前記第1電極パターン及び前記第2電極パターンのうち前記した線幅を狭く形成した一方が、前記第1ダミーパターン又は第2ダミーパターンに対向する線分においても線幅を狭く形成した第1〜10態様のいずれかに記載の静電容量方式タッチパネル用電極シートを提供する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る静電容量方式タッチパネル用電極シートによれば、金属細線などの不透明な導電性細線のパターンで電極を構成した場合においても、導電性細線が視認され難く、高い透明性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る静電容量方式タッチパネル用電極シートについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
[第1実施形態]
(電極シートの構成)
第1実施形態に係る静電容量方式タッチパネル用電極シートは、
図1に示すように、透明な基体12と、該基体12の一方の主面に形成された第1導電部14aと、基体12の他方の主面に形成された第2導電部14bと、を有している。
図2は、
図1の電極シート中の1つの第1電極パターン25aを長さ方向に切断した断面図である。
【0026】
基体12は、樹脂、ガラス、シリコン等の絶縁性を有し、且つ、透光性が高い材料からなる。樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)等のポリオレフィン類、その他にビニル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂(PMMA)、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。また、これらの樹脂からなるフィルムの両面に樹脂コートがされていてもよい。
【0027】
基体12の厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。また、基体12は、単一層又は2層以上の貼合された積層体であってもよい。さらに、基体12は、1/4λ位相差フィルムを構成中に有していてもよい。また、基体12には、上述のポリ乳酸フィルムを一軸延伸してなる、焦電性の生じない圧電フィルムを用いることもできる。
【0028】
第1導電部14a及び第2導電部14bは、透視を必要とする部分(第1センサ部24a及び第2センサ部24b)と透視を必要としない部分(第1端子配線部34a及び第2端子配線部34b)とを有する。そして、電極シート1の外形は平面視で矩形状を有すると共に、第1センサ部24a及び第2センサ部24bの外形も矩形状を有する。
【0029】
第1導電部14aの第1センサ部24aは、それぞれ不透明な導電性細線16及び当該導電性細線によって仕切られた空白部17からなって第1方向(
図1中のX方向)に延在し、且つ、第1方向と直交する第2方向(
図1中のY方向)に配列された複数の第1電極パターン25aを有する。
【0030】
第2導電部14bの第2センサ部24bは、それぞれ不透明な導電性細線16及び当該導電性細線によって仕切られた空白部17からなって第2方向(
図1中のY方向)に延在し、且つ、第1方向(
図1中のX方向)に配列された複数の第2電極パターン25bを有する。基体12は前記したように絶縁性材料からなるため、第2導電部14bは、第1導電部14aと電気的に絶縁された状態下にある(
図2参照)。
【0031】
第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを形成する導電性細線16としては、例えば、金、銅、銀、ニッケル、アルミ、モリブデンの群より選ばれた金属又は合金からなる金属細線を用いることができる。
【0032】
本実施形態において、不透明な導電性細線16及び当該導電性細線によって仕切られた空白部17からなるパターンは、具体的には網目構造を有するパターンである。すなわち、各網目構造の輪郭が導電性細線16で構成され、開口部が導電性細線16で囲まれた空白部17で構成される(
図1参照)。そして、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bは、このようなパターンで形成されることによって、透明性と低抵抗が得られる。第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bのシート抵抗は、50オーム/sq.以下であることが好ましく、30オーム/sq.以下であることがさらに好ましく、10オーム/sq.以下であることが最も好ましい。
【0033】
ところで、静電容量方式タッチパネル用電極シートの第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bに適用される網目構造は、
図1に示すような四角形や、その他の多角形で開口部を構成するのが好ましい。多角形でないもの、例えば円形や楕円形の開口を設けたものでは、開口部を最大限密に並べて配置しても開口部同士の間に輪郭の太い部分ができてしまうことから、その輪郭の太い部分が目立つとともに光線透過率を低下させる要因となるからである。また、三角形、四角形、六角形等の図形のうち、一種類あるいはそれらの複数種類の組み合わせで構成することができる。
【0034】
図3〜
図5は本発明に適用可能な網目構造の例について、その一部を拡大して示したものである。なお、これらの図は開口形状を説明することが目的であり、線幅については実施形態とは関係なく等幅で描いている。
【0035】
図3に示す網目パターンは、四角形を核としてX方向およびY方向に連続させたものであり、先に示した
図1の第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bに相当する。ただし、
図1に示す第1電極パターン25aと第2電極パターン25bとは、共に四角形を核とするが、当該核の寸法が異なる。更に詳しく説明すると、第1電極パターン25aの核をY方向に複数個並べたサイズが、第2電極パターン25bの核一つに相当する。
【0036】
図4に示す網目パターンは、六角形を核としX方向およびYa方向、b方向に連続させたものである。
【0037】
図5に示す網目パターンは、梯子形を核としX方向およびY方向に連続させたものである。
【0038】
四角形のなかでも特に正方形が核となって連続するものは、他の多角形状に比べて網目パターンが筋状に認識され難いので好ましい。
【0039】
つまり、或る形状が核となって規則的に連続するパターンを見たとき、その核の連続する方向に沿って輪郭(導電性細線16)が連続する筋状に見える傾向がある。例えば六角形が核となったものの場合では、その連続方向に沿った導電性細線16の線形がジグザグとなる為に、このジグザグの振幅の分だけ太く見えてしまい、結果として導電性細線16の線幅が膨張した状態に見えてしまう。この点において上記正方形が核となって連続するものの場合は、連続方向に沿った導電性細線16の線形が真っ直ぐとなるから、本来の幅よりも太く見える懸念がないので、その存在が認識され難く、網目パターンが目立たない。
【0040】
また長方形が核となって連続するものの場合では、この長方形の長辺方向と短辺方向のピッチが違うので、全体を見たときに、長辺方向に比べてピッチの短い短辺方向が濃く現れ、これが筋状となってちらついて見える傾向にあるが、上記正方形が核となって連続するものでは、この様な筋状は現れず、目立たない。尚上記正方形には、完全に角張った正方形に限らず、面取りされた正方形も含まれる。
【0041】
なお、本明細書中における「多角形」には、幾何学的に完全な多角形のみならず、前記完全な多角形に対し軽微な変更を加えた「実質的な多角形」も含まれるものとする。軽微な変更の例示として、網目と比べて微小な点要素・線要素の付加や、網目を構成する各辺(導電性細線16)の部分的欠損等が挙げられる。例えば、
図1に示す例では、第1電極パターン25a同士の隙間20に臨む線状突起40が存在することにより、当該隙間20と第1電極パターン25aとの境界を曖昧にさせ、目立たせないようにしている。
【0042】
このような第1導電部及び第2導電部を組み合わせることで、平面視で、透視を必要とする部分に第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを投影したメッシュパターン(以下、投影メッシュパターンという)が形成される。
本実施形態の場合、
図1に示すように、第1電極パターン25aの核をY方向に複数個並べたサイズが、第2電極パターン25bの核一つに相当する。したがって、両パターンを位置合わせすることによって、投影メッシュパターンは、第1電極パターン25aの核をX方向およびY方向に連続させて透視を必要とする部分全体におおよそ均一となるようなパターンで形成される。
【0043】
投影メッシュパターンの線幅は、下限は1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は15μm、10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルの検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると視認性が悪くなったりする。
【0044】
投影メッシュパターンの開口率は、可視光透過率の点から85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、透光性部分が全体に占める割合である。
【0045】
(位置ズレによる線太り対策)
ところで、本実施形態に係る静電容量方式タッチパネル用電極シートは、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bが導電性細線16に基体12を挟んで対向する線分16aを有し、第1電極パターン25aの導電性細線が、この対向する線分16aにおいてのみ第2電極パターン25bの前記導電性細線より線幅を狭く形成されることにより、一定幅でない(
図6参照)。
図6において、基体12を挟んで対向する線分16aとなるのは、第2電極パターン25bの網目構造の核となる四角形の輪郭である。これよりも網目の細かい第1電極パターン25aの導電性細線は、網目構造の核となる四角形の輪郭のうち一部のみが上記対向する線分16aとなる。
【0046】
また、
図1に示す第1電極パターン25a同士の隙間20、第2電極パターン25b同士の隙間21においても、導電性細線は基体12を挟んで対向しない。なお、
図1に示す電極シートの分解図では、肉眼で導電性細線の線幅の差を判別できるように描くことが難しいため、等幅で描いている。
【0047】
ここで、例えば、従来技術のように第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅が同じである場合は、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの重ね合わせの位置精度のズレにより、投影メッシュパターンが線太りする(
図7参照)。これにより、導電性細線がタッチ者に視認されてしまうという問題が生じる。また、線太りした分、透明な領域が減り、表示装置からの光の透過率が低くなるという問題も生じる。なお、
図7中の符号は、
図6中の符号に対応させてある。
【0048】
これに対して、本実施形態では、上述したように、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの導電性細線が基体12を挟んで対向する部分において、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を設けておくことにより、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの重ね合わせの位置精度のズレが生じたとしても、ズレの一部(
図6参照)又は全部が線幅差の中に吸収される。したがって、投影メッシュパターンが線太りするのを抑制し、視認性及び透明性が向上する。一方、導電性細線が基体12を挟んで対向しない部分は、平面視でもその線幅のまま視認される部分であるので、この部分は第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を細く設定しない。
【0049】
上記した対向する線分16aにおける狭幅化の割合は、30〜90%、より好ましくは40〜80%、さらに好ましくは50〜70%である。狭幅化の割合が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルの検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると位置ズレ時の線太り抑制が難しくなったりする。
【0050】
(電極シートの導電パターンの形成方法)
以下、本実施形態に係る第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの形成方法について説明する。
【0051】
第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの形成方法としては、不透明な導電性膜の表面に感光層を形成し、感光層を露光・現像することによって導電性膜の表面を部分的に被覆させた後、導電性膜の露出部分をエッチング除去して基体12の両面にそれぞれ第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを形成する第1形成方法と、基体12の両面にそれぞれ第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを印刷によって形成する第2形成方法とがある。
【0052】
1)第1形成方法
ここで、第1形成方法について説明する。まず、長尺の積層原反110を作製する。積層原反110は、透明な基体12と、該基体12の一主面に順次積層して形成された不透明な第1導電性膜115a及び第1感光層113aと、基体12の他主面に順次積層して形成された不透明な第2導電性膜115b及び第2感光層113bとを有する。
【0053】
前述の金属又は合金からなる第1導電性膜115a及び第2導電性膜115bを形成するには、無電解めっき、スパッタリング、金属箔のラミネートなどの金属薄膜形成方法を用いることができる。さらに、これらので形成方法と電解メッキを組み合わせてもよい。
【0054】
次に、積層原反110を露光する。この露光処理では、
図8に示すように、第1感光層113aに対し、基体12に向かって光を照射して第1感光層113aを第1露光パターンに沿って露光する第1露光処理と、第2感光層113bに対し、基体12に向かって光を照射して第2感光層113bを第2露光パターンに沿って露光する第2露光処理とが行われる(両面同時露光)。
図8の例では、長尺の積層原反110を一方向に搬送しながら、第1感光層113aに第1光111a(平行光)を第1フォトマスク117aを介して照射すると共に、第2感光層113bに第2光111b(平行光)を第2フォトマスク117bを介して照射する。第1光111aは、第1光源118aから出射された光を途中の第1コリメータレンズ120aにて平行光に変換されることにより得られ、第2光111bは、第2光源118bから出射された光を途中の第2コリメータレンズ120bにて平行光に変換されることにより得られる。
図8の例では、2つの光源(第1光源118a及び第2光源118b)を使用した場合を示しているが、1つの光源から出射した光を光学系を介して分割して、第1光111a及び第2光111bとして第1感光層113a及び第2感光層113bに照射してもよい。
【0055】
第1露光処理は、
図8に示すように、第1感光層113a上に第1フォトマスク117aを例えば密着配置し、該第1フォトマスク117aに対向して配置された第1光源118aから第1フォトマスク117aに向かって第1光111aを照射することで、第1感光層113aを露光する。第1フォトマスク117aは、透明なソーダガラスで形成されたガラス基板と、該ガラス基板上に形成されたマスクパターン(第1露光パターン)とで構成されている。従って、この第1露光処理によって、第1感光層113aのうち、第1フォトマスク117aに形成された第1露光パターンに沿った部分が露光される。
【0056】
同様に、第2露光処理は、第2感光層113b上に第2フォトマスク117bを例えば密着配置し、該第2フォトマスク117bに対向して配置された第2光源118bから第2フォトマスク117bに向かって第2光111bを照射することで、第2感光層113bを露光する。第2フォトマスク117bは、第1フォトマスク117aと同様に、透明なソーダガラスで形成されたガラス基板と、該ガラス基板上に形成されたマスクパターン(第2露光パターン)とで構成されている。従って、この第2露光処理によって、第2感光層113bのうち、第2フォトマスク117bに形成された第2露光パターンに沿った部分が露光される。
【0057】
第1露光処理及び第2露光処理は、第1光源118aからの第1光111aの出射タイミングと、第2光源118bからの第2光111bの出射タイミングを同時にしてもよいし、異ならせてもよい。同時であれば、1度の露光処理で、第1感光層113a及び第2感光層113bを同時に露光することができ、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0058】
そして、第1感光層113aに照射された第1光源118aからの第1光111aが、不透明な第1導電性膜115a及び第2導電性膜115bによって遮ぎられて第2感光層113bに実質的に到達せず、第2感光層113bに照射された第2光源118bからの第2光111bが、不透明な第2導電性膜115b及び第1導電性膜115aによって遮ぎられて第1感光層113a112aに実質的に到達しない。それゆえに、露光処理によって、透明な基体12の両面(表裏)に異なったエッチングパターンを任意に、且つ、表裏に対して位置精度よく形成することができる。ここで、「実質的に到達しない」とは、光が到達しない場合や、光は到達しているが、現像で結像しない光量である場合を示す。従って、「光が到達する」とは、現像で結像する程度の光量の光が到達することを示す。
【0059】
次いで、露光後の積層原反110を現像処理することで、第1エッチングパターン及び第2エッチングパターンが形成される(図示せず)。第1エッチングパターンは、透明な基体12の第1導電性膜115aを有する面に第1露光パターンに沿って形成され、、第2エッチングパターンは、透明な基体12の第2導電性膜115bを有する面に第2露光パターンに沿って形成される。このとき、第1エッチングパターン及び第2エッチングパターンの非形成部分は、第1導電性膜115a及び第2導電性膜115bが露出している。
【0060】
その後、積層原反110をエッチングすることで、
図2に示すように、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bが形成される。第1電極パターン25aは、第1導電性膜115aの露出部分がエッチング除去されることにより透明な基体12の一主面12aに形成され、、第2電極パターン25bは、第2導電性膜115bの露出部分がエッチング除去されることにより透明な基体12の他主面12bに形成される。また、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bに、さらに物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bに導電性金属を担持させるようにしてもよい。
【0061】
なお、この第1形成方法では、第1露光処理における第1フォトマスク117aの配置と、第2露光処理における第2フォトマスク117bの配置との位置ズレが起きないことが望ましいが、ズレを完全に無くすことは難しい。すなわち、基体12の一主面12aに形成される第1電極パターン25aの配置と、基体12の他主面12bに形成される第2電極パターン25bの配置との位置ズレは、微差ながらも避けることは難しい。したがって、上述したように、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの導電性細線が基体12を挟んで対向する部分において、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を設けておくことが必要となる。
【0062】
2)第2形成方法
一方、第2形成方法は、基体12の一主面12aに不透明な導電性材料を含むインキ132を印刷して第1電極パターン25aを形成し、基体12の他主面12bに同じく不透明な導電性材料を含むインキ132を印刷して第2電極パターン25bを形成する(
図2参照)。この場合、基体12の一主面12aに対してインキ(第1電極パターン25a用のインキ)を印刷するタイミングと、基体12の他主面12bに対してインキ(第2電極パターン25b用のインキ)を印刷するタイミングとを同時にしてもよいし、異ならせてもよい。同時であれば、1度の印刷処理で、基体12の両面(表裏)に第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bをそれぞれ形成することができ、印刷処理時間の短縮化を図ることができる。
【0063】
なお、この第2形成方法の場合も、基体12の一主面12aに印刷形成される第1電極パターン25aの配置と、基体12の他主面12bに印刷形成される第2電極パターン25bの配置との位置ズレは、微差ながらも避けることは難しい。したがって、第2形成方法の場合も、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの導電性細線が基体12を挟んで対向する部分において、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を設けておくことが必要となる。
【0064】
(その他の構成)
前記したように、第1導電部14a及び第2導電部14bは、透視を必要とする部分(第1センサ部24a及び第2センサ部24b)と透視を必要としない部分(第1端子配線部34a及び第2端子配線部34b)とを有している。
【0065】
第1端子配線部34aのうち電極シート1の一辺側の周縁部には、その長さ方向中央部分に、複数の第1端子(図示せず)が配列形成されている。そして、第1端子配線パターン35aが、各第1電極パターン25aのいずれか一端から導出され、前記第1端子64aに向かって引き回されて、それぞれ対応する第1端子64aに電気的に接続されている。また、第2端子配線部34bのうち電極シート1の一辺側の周縁部にも、その長さ方向中央部分に、複数の第2端子(図示せず)が配列形成されている。そして、第2端子配線パターン35bが、各第2電極パターン25bのいずれか一端から導出され、前記第2端子に向かって引き回されて、、それぞれ対応する第2端子に電気的に接続されている。
【0066】
第1端子配線パターン35a及び第2端子配線パターン35bは、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bと同じ材料、同じパターン形成方法を用い、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bと同時に形成することができる。第1端子配線パターン35a及び第2端子配線パターン35bは、例えば、25μm以上500μm以下の幅、10mm以上の長さで構成し、抵抗が10mm当たり300オーム以下、好ましくは100オーム以下である。もちろん、第1端子配線パターン35a及び第2端子配線パターン35bを第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bとは別の材料、別のパターン形成方法を用いて形成してもよい。
【0067】
そして、この電極シート140をタッチパネルとして構成する場合は、上記した電極シート1の他、電極シート1のいずれか一方の主面側に積層されたカバー部材と、ケーブルを介して電極シート1に電気的に接続されたフレキシブル基体と、フレキシブル基体上に配置されたIC回路とを備える。
【0068】
指先をカバー部材上に接触させることで、指先に対向する第1電極パターン25aと第2電極パターン25bからの信号がIC回路に伝達される。IC回路では、供給された信号に基づいて指先の位置を演算する。従って、同時に2つの指先を接触させても、各指先の位置を検出することが可能となる。このタッチパネルが適用される表示装置は、液晶パネル、プラズマパネル、有機ELパネル、無機ELパネル等である。なお、相互容量方式のタッチパネルにおいては、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bとノ重なる部分が多い方が、検出感度が高くなる。
【0069】
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は第1実施形態に限定されない。例えば、以下に説明する各実施形態が可能である。なお、第1実施形態と共通する構成については説明を省略する。
【0070】
[第2実施形態]
第1実施形態では第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの両方を網目構造としたが、本発明の第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bは、不透明な導電性細線16及び当該導電性細線によって仕切られた空白部17からなるものであれば網目構造に限らない。例えば、第2電極パターン25bを網目構造ではなく、
図9に示すようなX方向に歯が並ぶ櫛歯状としてもよい(第2実施形態)。
図10は、
図9の電極シート中の1つの第1電極パターン25aを長さ方向に切断した断面図である。
【0071】
図9において、基体12を挟んで対向する線分16aとなるのは、第2電極パターン25bの櫛歯である。第1電極パターン25aの導電性細線は、網目構造の核となる四角形の輪郭のうち一部のみが上記対向する線分16aとなる。
【0072】
また、
図9に示す第1電極パターン25a同士の隙間20、第2電極パターン25b同士の隙間21においても、導電性細線は基体12を挟んで対向しない。なお、
図9に示す電極シートの分解図でも、肉眼で導電性細線の線幅の差を判別できるように描くことが難しいため、等幅で描いている。
【0073】
本実施形態でも、第1導電部及び第2導電部を組み合わせることで、平面視で、透視を必要とする部分に投影メッシュパターンが形成される。本実施形態の場合、
図9に示すように、第1電極パターン25aの核をY方向に複数個並べたものが、第2電極パターン25bの櫛歯一つに丁度収まる。したがって、両パターンを位置合わせすることによって、投影メッシュパターンは、第1電極パターン25aの核をX方向およびY方向に連続させて透視を必要とする部分全体におおよそ均一となるようなパターンで形成される。
【0074】
上述したように、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの導電性細線16が基体12を挟んで対向する部分16aにおいて、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を設けておくことにより、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの重ね合わせの位置精度のズレが生じたとしても、ズレの一部(
図11参照)又は全部が線幅差の中に吸収される。したがって、投影メッシュパターンが線太りするのを抑制し、視認性が向上する。一方、導電性細線が基体12を挟んで対向しない部分は、平面視でもその線幅のまま視認される部分であるので、この部分は第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を細く設定しない。なお、
図12は、線太り対策を施さない場合の例を示す図である。
【0075】
その他の点については、第1実施形態と同じである。
【0076】
[第3実施形態]
第1実施形態では第1導電部14a及び第2導電部14bは、隣り合う第1電極パターン25a同士の隙間20、及び、隣り合う第2電極パターン25b同士の隙間21には何も設けられていないが、本発明はこれに限らない。例えば、
図13に示すように、第1導電部14aが、第1電極パターン25aと同じ材料の導電性細線18からなって、隣り合う第1電極パターン25a同士の隙間20に配置され、第1電極パターン25aと電気的に絶縁された複数の第1ダミーパターン55aを有し、第2導電部14bが、第2電極パターン25bと同じ材料の導電性細線18からなって、隣り合う第2電極パターン25b同士の隙間21に配置され、第2電極パターン25bと電気的に絶縁された複数の第2ダミーパターン55bを有していてもよい(第3実施形態)。
図14は、
図13の電極シート中の1つの第1電極パターン25aを長さ方向に切断した断面図である。
【0077】
第1ダミーパターン55a及び第2ダミーパターン55bは、第1電極パターン25a同士の隙間20、及び、第2電極パターン25b同士の隙間21が目立たないように、補完するものである。すなわち、第1電極パターン25aや第2電極パターン25bにおける導電性細線16によって仕切られた空白部17(第1実施形態においては開口部)が隙間20、21にも連続して存在するかのように見せるのである。
また、第1ダミーパターン55aは、第1電極パターン25aをパターン形成する際に第1電極パターン25aと同時にパターン形成される。同様に、第2ダミーパターン55bは、第2電極パターン25bをパターン形成する際に第2電極パターン25bと同時にパターン形成される。
【0078】
第1実施形態では、第1電極パターン25aの導電性細線16が、第2電極パターン25bと基体12を挟んで対向する線分16aにおいてのみ第2電極パターン25bの導電性細線16より線幅を狭く形成されている。これに対して、本実施形態では、第1電極パターン25aの導電性細線16が第2ダミーパターンの導電性細線18とも対向する(図中、ダミーパターンの対向部分は18a)ので、この部分においても第1電極パターン25aの導電性細線16の線幅を狭く形成することが好ましい。
【0079】
こうすることにより、第1電極パターン25a側の第1ダミーパターン55aを含むパターンと、第2電極パターン25b側の第2ダミーパターン55aを含むパターンとの重ね合わせの位置精度のズレが生じたとしても、ズレの一部(
図15参照)又は全部が線幅差の中に吸収される。したがって、投影メッシュパターンが線太りするのを抑制し、視認性及び透明性が向上する。なお、
図16は、線太り対策を施さない場合の例を示す図である。
【0080】
その他の点については、第1実施形態と同じである。
【0081】
[第4実施形態]
第1〜3実施形態では、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを形成する導電性細線16は金属細線であったが、本発明の第1導電部及び第2導電部はこれに限らない。例えば、導電性細線が、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンの群より選ばれた1又は2以上の物質を含む非金属細線であってもよい(弟4実施形態)。
【0082】
本実施形態における第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの形成方法は、第1〜3実施形態のように不透明な導電性膜の表面に別途感光層を形成して露光・現像・エッチングするものではない。具体的には、上述のカーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンの群より選ばれた1又は2以上の物質を分散させた不透明な第1導電性感光層123a、第1導電性感光層123bを基体12の両面に有する積層原反120を用い、これを露光・現像・ベークすることによって基体12の両面にそれぞれ第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを形成する点で異なる。
【0083】
しかし、第1〜3実施形態と同様に露光工程(
図17参照)が存在し、第1露光処理における第1フォトマスク117aの配置と、第2露光処理における第2フォトマスク117bの配置との位置ズレを完全に無くすことが難しい点は変わらない。したがって、本実施形態においても、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの導電性細線が基体12を挟んで対向する部分において、第1電極パターン25aと第2電極パターン25bの細線幅の差を設けておくことにより、位置ズレに起因する線太りを解消するものである。
【0084】
その他の点については、第1実施形態と同じである。
【0086】
さらに、第1電極パターン25aの配列方向及び第2電極パターン25bは、表示装置の画素との干渉によってモアレ模様が出ないように設計するのが好ましい。例えば、モアレの発生を抑制するために、第1電極パターン25aの配列方向及び第2電極パターン25bの配列方向を、表示装置の画素配列方向に対して傾きを有するようにしてもよい。第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを傾けることによって、検出される位置情報にズレが生じるが、設定された傾斜角度に応じて位置情報を補正する位置補正回路をIC回路に組み込めばよい。
【0087】
また、他ののモアレ対策としては、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bにおいて、隣り合う導電性細線間のピッチを一定にしないように設計してもよい。あるいは、導電性細線を、曲線状に設計してもよい。
【0088】
さらに、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bを、第1実施形態では金属細線のみ、第4実施形態では非金属細線のみで構成したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1電極パターン25a及び第2電極パターン25bの一方を金属細線、他方を非金属細線とすることもできる。
【0089】
また、導電性細線16、17が金属細線の場合、タッチ面側の表面を低反射処理しておくと、金属の反射色が抑制され電極パターンの存在が目立たなくなる。更にタッチ面側と反対の面も低反射処理をしておくと、反対面からの反射色が表示画面に映り込んだりせず、視認性が向上するので特に好ましい。
【0090】
上記低反射処理の具体例としては、化成処理やめっき処理等の表面処理が挙げられる。化成処理は、酸化処理、硫化処理することによって金属表面に低反射層を形成するものであり、例えば金属細線の素材に銅を使用し、その表面に酸化処理によって酸化皮膜を形成すれば、金属細線の断面寸法を減じることなくその金属細線の表面を光反射防止性を備えた黒色に処理することができる。
【0091】
また、めっき処理として金属細線に対して例えば黒色クロムめっきを施せば、金属細線の表面を、光反射防止性を備えた黒色に処理することができる。また、高電流密度の銅めっきを施せば、茶褐色に処理することができる。
【0092】
また、上記低反射処理として電着塗料処理を用いることができる。
【0093】
ところで、第1〜4実施形態のように、第1電極パターン25aの導電性細線が第2電極パターン25bの導電性細線より線幅を狭く形成されると、線幅が狭くなった分だけ抵抗が高くなる。したがって、電極シート1の外形が長方形である場合、この短辺と線幅を狭く設計した第1電極パターン25aの延在方向を揃える方が、第2電極パターン25bとの抵抗差が少なくなるので好ましい。
【0094】
なお、第1〜4実施形態の電極シートにおいては、第1電極パターン25aが形成される基体12の一主面12aと第2電極パターン25bの形成される他主面12bは、いずれをタッチ面側としてタッチパネルに組み込むかは特定していない。したがって、本明細書中において「第1」と「第2」とを入れ替えてもよい。