特許第5795046号(P5795046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795046
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ソルダージョイントの検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   G01B11/02 H
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-233764(P2013-233764)
(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-95711(P2014-95711A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2013年11月12日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0127238
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジュン‐キ
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−107311(JP,A)
【文献】 特開平09−089525(JP,A)
【文献】 特開2010−091569(JP,A)
【文献】 特開平02−091505(JP,A)
【文献】 特開2009−300429(JP,A)
【文献】 特開平03−183906(JP,A)
【文献】 特開平09−321500(JP,A)
【文献】 特開2002−022412(JP,A)
【文献】 特開平10−141929(JP,A)
【文献】 特開2011−220934(JP,A)
【文献】 特開2011−013220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01N 21/84−21/958
G06T 1/00− 1/40
G06T 3/00− 5/50
G06T 9/00− 9/40
H05K 3/32− 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体部品のリードを印刷回路基板のパッドに結合させるソルダージョイントを検査する方法において、
前記半導体部品のリード端部の外側にのみソルダージョイント予想領域を設定する段階と、
前記ソルダージョイント予想領域の画像を獲得する段階と、
前記ソルダージョイント予想領域の画像を用いて前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの高さを算出する段階と、
前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの平均高さと既設定された前記ソルダージョイントの基準高さとを比較してソルダージョイントの良否を判別する段階と、
を含むことを特徴とする、ソルダージョイント検査方法。
【請求項2】
前記ソルダージョイント予想領域は、
前記リードのキャドデータ上の厚さ領域内で設定されることを特徴とする、
請求項1に記載のソルダージョイント検査方法。
【請求項3】
前記ソルダージョイントの良否の判別は、
前記既設定された前記ソルダージョイントの基準高さに対する前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの平均高さが占める比率を算出する段階と、
前記ソルダージョイントの平均高さが占める比率が既設定された基準比率以上であるかの可否を判別する段階と、
を含むことを特徴とする、請求項1記載のソルダージョイント検査方法。
【請求項4】
前記ソルダージョイントの基準高さは、
前記ソルダージョイント予想領域の高さであることを特徴とする、
請求項1または請求項3に記載のソルダージョイント検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソルダージョイント(solder joint)検査方法に関わり、より詳細には印刷回路基板(PCB:printed circuit board)に実装される半導体部品のリードを前記印刷回路基板に結合させるソルダージョイントの良否を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体部品のリードを印刷回路基板に結合させるソルダージョイントはそれぞれ異なる走査角度を有するRGB(red−green−blue)3段照明を通じてカメラに入射される光の色を活用して良否検査を遂行する。
【0003】
図1は一般的なソルダージョイントの良否検査方法を説明するための図面である。
【0004】
図1を参照すると、一般的なソルダージョイントの良否検査方法はRGB3段照明210、220、230をソルダージョイント240の上部から時計方向に順次に配置して前記ソルダージョイント240に前記RGB3段照明210、220、230を照射した後、前記ソルダージョイント240の上部に配置されたカメラ150によって入射される光の色相を判別することによって前記ソルダージョイント240の良否を検査する。
【0005】
例えば、前記ソルダージョイント240が正常鉛である場合には図1のaに示されたように半導体部品のリード260端で傾斜面を成すように形成される。これにより、最下端の照明230である青光がカメラ250に入射するようになる。
【0006】
一方、前記ソルダージョイント240が無鉛であるか冷鉛(コールドソルダー)である場合にはリード260の端でソルダージョイント240が形成できなく平らな面を有するので最上端の照明210である赤光がカメラ250に入射される。
【0007】
しかし、このようにそれぞれ異なる走査角度を有するRGB3段照明210、220、230を用いた一般的なソルダージョイント良否検査方法の場合には、周辺光の干渉や隣接部品の相互干渉などのような周辺与件によって検査条件が正確に良否が反映できないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明が解決しようとする課題は、周辺光の干渉や隣接部品の相互干渉のような周辺与件に全く影響を受けずソルダージョイントの良否を正確に検査することのできるソルダージョイントの検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な一実施例によるソルダージョイント検査方法は、前記半導体部品のリード端部の外側にソルダージョイント予想領域を設定する段階と、前記ソルダージョイント予想領域の画像を獲得する段階と、前記ソルダージョイント予想領域の画像を用いて前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの高さを算出する段階と、前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの高さと既設定された前記ソルダージョイントの基準高さとを比較してソルダージョイントの良否を判別する段階と、を含。
【0010】
ここで、前記ソルダージョイント予想領域は、前記リードのキャドデータ上の厚さ領域内で設定されることが望ましい。
【0011】
一例として、前記ソルダージョイント予想領域は長方形の形態に設定されてもよい。
【0012】
一例として、前記ソルダージョイントの良否の判別は、前記既設定された前記ソルダージョイントの基準高さに対する前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの高さが占める比率を算出する段階と、前記ソルダージョイントの高さが占める比率が既設定された基準比率以上であるかの可否を判別する段階と、を含む。
【0013】
一例として、前記ソルダージョイント予想領域内のソルダージョイントの高さは、前記ソルダージョイント予想領域内の前記ソルダージョイントの平均高さであることが望ましい。
【0014】
一方、前記ソルダージョイントの基準高さは、前記ソルダージョイント予想領域の高さであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法は半導体部品リードのキャドデータ上の厚さ領域内で設定されたソルダージョイント予想領域の平均高さと、既設定された前記ソルダージョイント予想領域内での前記ソルダージョイントの基準高さを比較して前記ソルダージョイント良否を検査することで、周辺環境によるイメージノイズに全く影響を受けずにより正確なソルダージョイントの良否を検査することができるので、製品検査の信頼性を向上させて製品に対する顧客満足度を一層向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一般的なソルダージョイントの良否検査方法を説明するための図面である。
図2】本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法を説明するための概略図である。
図3】本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法を説明するためのブロック図である。
図4】ソルダージョイントの良否を判別する段階を説明するためのブロック図である。
図5】ソルダージョイント予想領域をリードのキャドデータ上の厚さ領域内で設定する理由を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0018】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、類似に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0019】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。
【0020】
特別に定義しない限り、技術的、科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0021】
一般的に使用される辞書に定義されている用語と同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的またも過度に形式的な意味に解釈されない。
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施例をより詳細に説明する。
【0023】
図2は本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法を説明するための概略図であり、図3は本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法を説明するためのブロック図であり、図4はソルダージョイントの良否を判別する段階を説明するためのブロック図であり、図5はソルダージョイント予想領域をリードのキャドデータ上の厚さ領域内で設定する理由を説明するための図面である。
【0024】
図2乃至図5を参照すると、本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法は、リード110端部のソルダージョイント120の平均高さHjointを測定した後、前記測定されたソルダージョイント120の平均高さHjointと既設定された前記ソルダージョイント120の高さHSTANDARDを比較して前記ソルダージョイント120の良否を検査する方法として周辺光の干渉や隣接部品の相互干渉のような周辺与件に全く影響を受けずに前記ソルダージョイント120の良否を正確に検査することができる。
【0025】
上述したように本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法を用いて印刷回路基板130に実装された半導体部品のリード100を前記印刷回路基板130のパッド131に結合させるためのソルダージョイント120の良否を検査するためには、まず、制御部(図示せず)に前記ソルダージョイント120予想領域140を設定する。即ち、前記半導体部品のリード110の端部の外側に前記ソルダージョイント120の予想領域(140)を設定する(S110)。
【0026】
この際、前記制御部には設定されたソルダージョイント120の予想領域140における前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARDも設定される。ここで、前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARDは前記ソルダージョイント120の予想領域140の大きさによって変更されてもよい。例えば、前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD は前記ソルダージョイント120の予想領域140の高さと同一に設定されることが望ましい。
【0027】
一方、前記ソルダージョイント120の予想領域140は前記リード100のキャドデータ上の厚さ領域HCAD内で設定されることを望ましい。即ち、図5に示されたように冷鉛(コールドソルダー)ケースの場合には印刷回路基板130のパッド131と半導体部品のリード110が互いに分離される場合が発生される。従って、より正確なソルダージョイント120の良否検査をするためには前記パッド130の高さHusは除いた前記リード110のキャドデータ上の厚さ領域HCAD内で前記ソルダージョイント120予想領域140を設定することが望ましい。例えば、前記ソルダージョイント120の予想領域140は前記半導体部品のリード110のキャドデータ上の厚さ領域HCAD内で長方形形態に設定されることが望ましい。
【0028】
前記のようにソルダージョイント120の予想領域140を設定した後には、カメラ(図示せず)を通じて前記ソルダージョイント120の予想領域140を含んだ前記半導体部品のリード110の端部の画像を獲得するようになる(S120)。
【0029】
前記カメラを通じて獲得された画像は前記制御部に伝送されノイズを除去するなどの画像処理過程を経るようになる。
【0030】
前記制御部によって画像処理過程を経た後には、前記制御部によって画像処理過程を終えた前記ソルダージョイント120の予想領域140内の前記ソルダージョイント120の高さを算出するようになる(S130)。
【0031】
ここで、前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の高さで、前記ソルダージョイント120の予想領域140内の一定ポイントにおいての前記ソルダージョイント120の高さを算出することもできるが、より正確なソルダージョイント120の良否検査をためには前記ソルダージョイント120予想領域140内の前記ソルダージョイント120の平均高さHjointを算出することが望ましい。
【0032】
図2に示されたように印刷回路基板130から前記ソルダージョイント120予想領域140の上部端部までの高さをHとし、印刷回路基板130のパッド131の高さをHusとすると、前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint は数式1のように算出される。
【0033】
【数1】
【0034】
ここで、ROI(region of interest)はカメラによって獲得された画像のうち前記ソルダージョイント120予想領域140を意味する。
【0035】
従って、ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイントの平均高さHjoint は数式1のようにそれぞれのx、y地点で印刷回路基板130から前記ソルダージョイント120の予想領域140の上部の端部までの高さH値から印刷回路基板130のパッド131の高さHusの値を引いた値の和を前記ソルダージョイント120の予想領域140の全体ピクセル値で割ることによって算出される。
【0036】
上述したように前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint を算出した後には、前記制御部によって前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint はと既設定された前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD 、即ち、ソルダージョイント120予想領域140の高さを比較する(S140)。
【0037】
前記制御部によって前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint と既設定された前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARDとを比較した結果、前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint が既設定された前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD 未満であると判断される場合前記制御部は不良判定(S151)をし、前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint が既設定された前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD 以上であると判別される場合前記制御部は良品判定S152をするようになって前記ソルダージョイント120の良否を判別する。
【0038】
図4を参照して前記ソルダージョイントの良否を判別する段階(S140)に対してより詳細に説明する。
【0039】
前記ソルダージョイント120の良否を判別する過程は、まず、制御部(図示せず)によって前記既設定されたソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD に対する前記ソルダージョイン120予想領域140内のソルダージョイントの平均高さHjoint が占める比率を算出する(S141)。
【0040】
ここで、前記既設定されたソルダージョイント120の基準高さ HSTANDARDとすると、前記既設定されたソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD に対する前記ソルダージョイント120の予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint が占める比率(Score)は数式2のように算出される。
【0041】
【数2】
【0042】
前記のように既設定されたソルダージョイント120の基準高さHSTANDARD に対する前記ソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint が占める比率を算出した後には、制御部によって既設定されたソルダージョイント120が基準高さHSTANDARD に対するソルダージョイント120予想領域140内のソルダージョイント120の平均高さHjoint が占める比率と前記制御部に既設定された基準比率を比較する(S142)。
【0043】
前記ソルダージョイント120の平均高さHjoint が占める比率が既設定された基準比率未満であると判別されると前記制御部はソルダージョイント120の不良判定(S151)をし、前記ソルダージョイント120の平均高さHjoint が占める比率が既設定された基準比率以上に判別されると前記制御部はソルダージョイント120の良品判定(S152)をする。
【0044】
上述したように、本発明の一実施例によるソルダージョイント検査方法は半導体部品リード110のキャドデータ上の厚さ領域HCAD内で設定されたソルダージョイント120の予想領域140の平均高さHjoint と既設定された前記ソルダージョイント120予想領域140内での前記ソルダージョイント120の基準高さHSTANDARDを比較して前記ソルダージョイント120の良否を検査する。
【0045】
従って、本発明によるソルダージョイント検査方法は従来のソルダージョイント検査方法とは異なり周辺光の干渉や隣接部品の相互干渉による周辺環境によるイメージノイズに全く影響を受けなくてより正確なソルダージョイント120の良否を検査できるようにすることで製品検査の信頼性を一層向上させるという長所がある。
【0046】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0047】
110:リード
120:ソルダージョイント
130:印刷回路基板
140:予想領域
図1
図2
図3
図4
図5