(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の汎用曲尺において、前記等勾配垂木表が、標準ランの1単位当たりの隅木または谷木の長さに関連付けられた10進法計算値を含み、前記同じ10進法計算値が、標準長さの1単位当たりの連続する配付け母屋の長さの差の計算を可能にする、汎用曲尺。
請求項1に記載の汎用曲尺において、前記等勾配垂木表が、隅木または谷木の幅の1単位当たりのベベル切断の深さに関連付けられた10進法計算値を含み、前記同じ10進法計算値が、1測定単位に対する隅木または谷木に接合する母屋用の嵌め込み角度の割り付けを可能にする、汎用曲尺。
請求項1に記載の汎用曲尺において、前記等勾配垂木表が、1測定単位に対する標準垂木または敷桁に対する隅木または谷木の嵌め込み角度に関連付けられた10進法計算値を含む、汎用曲尺。
請求項1に記載の汎用曲尺において、前記等勾配垂木表が、1測定単位に対する隅木または谷木の上部に接合する加工仕上用板内に切断を割り付けすることに関連付けられた10進法計算値を含み、前記10進法計算値が、1測定単位に対する母屋の斜め切り角度を割り付けすることを可能にする、汎用曲尺。
請求項1に記載の汎用曲尺において、前記基準となる寸法表が、1測定単位当たりの側部Aと側部Bのランの長さの差に関連付けられた10進法計算値を含む、汎用曲尺。
【発明を実施するための形態】
【0020】
Chappell Universal Square(商標)は、標準的な曲尺に関連付けられた問題を解決し、等勾配型および/または不等勾配型部材の複雑な骨組みシステムの建造中、骨組み部材に直接適用するための新規の表示部およびその新規の配置を有する多機能な曲尺を提供する。通常、曲尺は、たとえばインチまたはミリメートルの単一の基本測定単位を用いて使用するように限定されており、骨組み部材の切断すべき長さ、距離、および角度を計算するのに使用するための限定された表形式の情報を提供している。本発明は、メートルおよび標準/英国測定単位系にしたがって単純構造および複雑構造の両方を建築するのに使用するための汎用性をもたらす工具である。本発明は、複雑な三角法の計算を実行する必要なく、等勾配および複雑な不等勾配の骨組み部材の建造を可能にする位置合わせされた表形式計算値および目盛を提供する。
【0021】
図1は、Chappell Universal Square(商標)である、本発明の1つの実施形態の汎用曲尺100の両面の全体的な平面図を示している。Universal Square(商標)100は、直角(90度)で接合された、2つの平らなアーム、すなわち長尺部200および短尺部300を備える。
図1、2A、2B、4Aおよび4Bの実施形態では、外縁の長尺部目盛210、410は、24測定単位(本実施形態では24インチ)215まで延び、
図1、3A、3B、5A、および5Bに示されるように、外縁の短尺部目盛310、510は、18測定単位(本実施形態では18インチ)315、515まで延びる。本実施形態では、測定単位215、315、415、515はインチであり、目盛210、310、410、510上の連続する測定単位215、315、415、515間の目盛しるし217、317、417、517は、これらの距離を10分の1インチ刻みでしるしを付けている。
【0022】
図2Aから5Bは、本発明の1つの実施形態の長尺部200および短尺部300の両面に設けられた表の破断図を示している。
図2Aおよび2Bに示されるように、1つの実施形態では、Universal Square(商標)100の長尺部200の第1の面である前面は、拡張された等勾配垂木表205を含む。この実施形態では、拡張された垂木表は、骨組み建造中にUniversal Square(商標)を適用するのに使用するための14個の基準となる表形式計算値を提供している:1)ラン1インチ当たりの標準垂木長さ、2)配置間隔1インチ当たりの配付け垂木の長さの差、3)配付け垂木の上部切断、4)標準ランのインチ当たりの隅木および谷木の長さ、5)配置間隔のインチ当たりの配付け母屋の長さの差、6)配付け母屋の上部切断、7)隅木または谷木の幅のインチ当たりの裏板/ベベル角度の切断深さ、8)隅木または谷木に対する母屋の嵌め込み角度、9)母屋ヘッダに対する隅木および谷木側部の割り付け角度、10)隅木または谷木の主材(標準垂木)および水平板に対する嵌め込み角度、11)隅木または谷木の加工仕上用平面上部、12)母屋斜め切り角度、13)隅木および谷木の裏板角度、ならびに14)配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度。
【0023】
図3Aおよび3Bに示されるように、1つの実施形態では、Universal Square(商標)100の短尺部300の前面は、包括的な不等勾配垂木表305を含む。1つの実施形態では、不等勾配垂木表305は、主要勾配マーキング330によって示されるような不等勾配を有する骨組みを建造するための13個の基準となる値を含む:1)ラン1インチ当たりのライズのインチ数における隅木および谷木勾配、2)度数表示による隅木および谷木の勾配、3)ランの側部Aと側部Bの長さの差、4)標準ランのインチ当たりの隅木または谷木の長さ、5)配置間隔のインチ当たりの配付け母屋の長さの差、6)母屋の上部切断、7)配置間隔のインチ当たりの配付け垂木の長さの差、8)配付け垂木の上部切断角度、9)度数表示による裏板角度およびベベル角度、10)配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度、11)母屋側面割り付け角度、12)母屋の隅木または谷木に対する嵌め込み角度、および13)母屋ヘッダに対する隅木および谷木の側部割り付け角度。
【0024】
図4Aおよび4Bに示されるように、1つの実施形態では、Universal Square(商標)100の長尺部200の裏面は、多角形垂木表405を含む。(
図4Aおよび4Bでは、長尺部200の第2の面である裏面は、長尺部200の前面の目盛および表と裏面の目盛および表とをはっきり区別するために400から始まる数の符号で示されている。)
図4の実施形態では、Universal Square(商標)100は、2/12から18/12の標準勾配比を有する6辺および8辺の多角形に関する値の多角形垂木表405を含む。
図4の実施形態では、多角形垂木表405は、以下の表形式計算を示す:1)ラン1インチに対するライズにおける隅木/谷木勾配、2)側部長さ1インチ当たりの標準垂木の長さ、3)配置間隔のインチ当たりの配付け垂木の長さの差、4)側部長さ1インチ当たりの隅木/谷木の長さ、5)配置間隔1インチ当たりの配付け母屋の長さの差、6)度数表示による裏板角度およびベベル角度、7)配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度、8)配付け母屋の斜め切り角度、9)配付け母屋の嵌め込み角度、10)母屋ヘッダに対する隅木および谷木の側部割り付け角度、および11)隅木幅のインチ当たりのベベル角度および裏板角度の切断深さ。
【0025】
図5AおよびBに示されるように、1つの実施形態では、Universal Square(商標)100の短尺部300の裏面は、包括的な不等勾配垂木表505を含む。(
図5Aおよび5Bでは、短尺部300の裏面は、短尺部300の前面の目盛および表と裏面の目盛および表とをはっきり区別するために500から始まる数の符号で示されている。)1つの実施形態では、不等勾配垂木表505は、短尺部の前面のものとは異なる不等勾配比の値530によって示される不等勾配を有する骨組みを建造するための13個の基準となる値を含む:1)ラン1インチ当たりのライズのインチ数における隅木および谷木勾配、2)度数表示による隅木および谷木の勾配、3)ランの側部Aと側部Bの長さの差、4)標準ランのインチ当たりの隅木または谷木の長さ、5)配置間隔のインチ当たりの配付け母屋の長さの差、6)母屋の上部切断、7)配置間隔のインチ当たりの配付け垂木の長さの差、8)配付け垂木の上部切断角度、9)度数表示による裏板角度およびベベル角度、10)配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度、11)母屋側面割り付け角度、12)母屋の隅木または谷木に対する嵌め込み角度、および13)母屋ヘッダに対する隅木および谷木の側部割り付け角度。
【0026】
図2Aおよび2Bの実施形態に戻ると、長尺部200の前面は、長尺部200の2つの端部を表す2つの分離された片として表されている。
図2Aは、長尺部200の自由端部を示し、
図2Bは、曲尺の曲がり部で短尺部300の取り付け端部と交差する長尺部200の取り付け端部を示している。長尺部200の前面は、等勾配型構造、例えば等勾配の屋根などを備える骨組み要素を測定し建造するのに使用するための等勾配垂木表205を含む。長尺部200の前面は、さらに、長尺部200の外縁220に沿って配置され、測定単位215の10分の1刻みで増分された外縁の長尺部目盛210を含む。
図1から
図5Bの実施形態では、測定の単位はインチであり、連続する、測定単位の数字を示す数字目盛215間の目盛しるし217は、1インチの10分の1を示している。欄形式で各測定単位(数字目盛)215の下方に延び、等勾配型垂木表205の見出に対応する表形式計算値235は、ラン1フィート当たりのライズのインチの数字に基づいて計算され、ライズのインチの数字は、計算の欄上の数字目盛215によって示されている。インチを基にした目盛210、212の代わりに、各測定単位(数字目盛)215の下方の表形式計算値235は、測定単位系間の骨が折れる変換を必要とすることなく、メートル法を含むあらゆる測定単位系に変換可能に適用可能である。この概念は、さらに、本明細書で提供された実施形態によって解明される。
【0027】
長尺部200の内縁225は、さらに内縁の長尺部目盛212を含み、この目盛は、内縁の長尺部目盛212上の目盛を骨組み部材の縁に位置合わせしながら、それと同時に、内縁の短尺部目盛312上の目盛を骨組み部材の同じ縁に位置合わせすることを可能にする。換言すれば、長尺部の内縁225上の内縁の長尺部目盛212が、骨組み部材の縁に位置合わせされれば、短尺部300の前面の内縁上の短尺部目盛312もまた、骨組み部材の同じ縁に位置合わせされるはずである。外縁の長尺部目盛210が骨組み部材の縁に位置合わせされれば、外縁の短尺部目盛310もまた、骨組み部材の同じ縁に位置合わせされるはずである。Universal Square(商標)の内縁および外縁の目盛の対は、同じ正確さで適用可能である。
【0028】
図3A、3B、5Aおよび5Bに示されるように、短尺部300の前面および裏面は、長尺部200の前面と同じように表示される。短尺部の前面は、不等勾配垂木表305、外縁320に沿って置かれた外縁の目盛310、内縁325に沿って置かれた内縁の目盛312、および測定単位315の10分の1の刻みで増分された目盛しるし317で増分された測定単位315を含む。加えて、短尺部300の前面は、短尺部300上の測定単位(数字目盛)315の下方に欄形式で提供された表形式計算値335によって不等勾配が適用される主要勾配比を表す主要勾配標識330を含む。短尺部300の裏面は、前面と同じ幅の情報を提供しており、各測定単位(数字目盛)515の下方に提供された表形式計算値535が、前面の主要勾配標識330とは異なる主要勾配標識530に適用されるだけである。
【0029】
図4Aおよび4Bに示されるように、長尺部200の裏面は、長尺部200の前面と同様に表示され、表形式計算値435の2つだけの欄が各測定単位(数字目盛)415の下方に延びている。これらの2つの欄は、多角形構造用の算出された垂木表の値を表している。
図4Aおよび4Bの実施形態では、多角形垂木表405は、6辺および8辺の多角形用の表形式計算値435を提供している。
【0030】
以下の説明は、等勾配型の骨組み部材の建造中、等勾配の垂木表205を適用するための詳細な使用説明を提供する。ここで提供されるのは、建造中、表形式計算値235のすべてを利用するための使用説明を可能にするものである。
【0031】
図2Aで示されたUniversal Square(商標)100の実施形態に戻れば、等勾配垂木表205は、14個の基準となる数字を提供している。等勾配垂木表205の最上列、すなわち1列目は、ラン1インチ当たりの標準垂木の長さを算出するための表形式計算値235を提供している。数字2から24の任意の測定単位215の下方のこの列に挙げられた数字は、ランの基本単位、ここでは12インチに対する測定単位215に対応する屋根勾配配分のための標準ランのインチ当たりの標準垂木の長さの比を提供している。例として、数字18で表された測定単位215の下では、垂木表205内のこの列に対応して等勾配垂木表205の挙げられた10進法計算値は、1.803である。数字18で表された測定単位215は、18/12(ラン12インチ毎にライズ18インチ)の屋根勾配比に対応する。この列の値は、実際には、垂木ラン対垂木の長さの比である。18/12勾配の例では、この比は、1:1.803の定数である。この比は、標準垂木勾配が18/12である限り、考えられるあらゆるスパンまたは垂木ランにあてはまる。この比は、ラン1フィート当たりのライズの与えられたインチ数によって変化する。特定された垂木ランに1.803を掛けると、18/12勾配に対する標準垂木の長さが得られる。
【0032】
単位は、建築計画に対して、たとえばインチ、フィート、センチメートル、メートルまたはマイルで指定されてよく、表形式計算値215を適用することで、特定の測定単位に関係なく正確な結果が生み出される。たとえば、フィートの測定単位を使用することにより、フィート単位の数字が算出される。メートルの測定単位を使用することにより、メートル単位の結果が生み出される。たとえば、9フィートの垂木ランおよび18/12の勾配の場合、フィートへの計算は、18/12勾配の表形式計算値、すなわち1.803を9倍して、16.227フィートの測定値が得られる。フィートの代わりにメートルを使用するだけで、16.227メートルが得られる。
【0033】
表形式計算値235の第1の列をどのように適用するかの別の例として、Universal Square(商標)100は、配置間隔1インチ当たりの配付け垂木の長さの差を算出するための機構を提供している。これは、Universal Square(商標)100が、標準的な2つの間隔値、16インチおよび24インチよりもさらに一層包括的な計算された配付け垂木計算値を提供するので、独自の特徴となる。1の基本係数(1インチ、1フィート、1センチメートル、1メートルなど)を用いることにより、Universal Square(商標)によって、配付け垂木と隅木と標準垂木の全体関係、ならびに交差平面の関係をユーザが理解することができる。一体の基本単位は、任意の測定単位系(たとえば標準系、メートル系)において2/12から18/12の任意の屋根勾配における任意の所与の間隔に対する配付け垂木の長さの差の計算を簡易化する。
【0034】
90度のコーナ角度を有するあらゆる等勾配の隅木および谷木屋根システムでは、二等分された設置面積角度(側壁に対する隅木/谷木の角度)は45度である。したがって、1つの側壁に沿った配置間隔のすべてのインチ数は、隣接する壁に沿った配置間隔の等しいインチ数に対応する。同様に、1つの側のこの配置間隔は、対向側の標準垂木のランに直接対応する。したがって、等勾配型の屋根システム上の配置間隔のインチ当たりの配付け長さの差は、ランのインチ当たりの標準垂木の長さと等しい。
【0035】
たとえば、10/12の標準勾配および中心で測定された30インチの垂木間隔を考える。建築物のコーナ(ゼロ点)から測定すると、第1の配付け垂木はゼロ点から30インチのところに、第2のものはゼロから60インチのところにある。数字10によって表される測定単位215の下の表形式計算値235の欄内の値は、1.302である。第1の配付けの中心に向かう距離、すなわち30インチに、特定された勾配に関して1.302で表された表形式計算値235を掛けると、39.06の測定値が得られる。ゼロ点から60インチのところに置かれた第2の配付け垂木の場合、次いで測定値は、60に1.302の表形式計算値235を掛けることで決定され、78.12インチとなる。ここでも、表形式計算値235は、10進法形式で提供され、したがってあらゆる測定単位に直接適用可能である。
【0036】
図2Aに戻ると、等勾配垂木表205の上部列の記載は、さらに、表形式計算値235が、ラン1インチにおける配付け垂木内の上部切断を行うことに適用されることを示している。配付け垂木は、隅木または谷木と交差する、全長に達しない標準勾配の垂木である。配付け垂木は、敷桁から隅木/谷木まで、隅木/谷木から棟まで延びることができる。交差角度は、隅木/谷木に対する標準垂木の角度に依存する。したがって、配付け垂木(および配付け母屋)の上部切断角度は、標準垂木、隅木/谷木および上部桁によって形成される直角三角形によって形成された屋根狭角(屋根平面内の角度)に対応する。Universal Square(商標)の長尺部200の前面の等勾配垂木表205の1列目に与えられた表形式計算値235は、この角度の1に対する角度比を特定する。
【0037】
たとえば、数字14によって表される測定単位215の下の表形式計算値235の欄内の第1の計算された値は、1.537である。したがって配付け垂木(および配付け母屋)の上部切断角度は、1:1.537に対応する。
図6は、この切断用の割り付けをマークするためにUniversal Square(商標)100を骨組み部材600に適用することを示している。Universal Square(商標)を用いて、配付け垂木の割り付け角度(および配付け母屋用の相補的角度もまた)をマークするには、骨組み部材600の縁と位置合わせされる長尺部上の適切な目盛しるし217を割り出すために対応する表形式計算値235の小数点の場所を1つ右にもっていくように考えることだけが必要とされる。次いで、ユーザは、Universal Square(商標)の短尺部300の前面の数字10によって示される測定単位315と目盛しるし217を位置合わせすることができる。
【0038】
そのようにして14/12の勾配のこの例を続けると、表形式計算値235は1.537である。小数位を1つ右に動かすと、15.37の値が得られる。
図6に示されるように、外縁の長尺部の目盛210は、15.37で表された目盛しるし217のところで骨組み部材600の縁に位置合わせされながら、それと同時に外縁の短尺部目盛310は、数字10で示された測定単位315のところで骨組み部材の縁に位置合わせされる。骨組み部材600を長尺部200の外縁220に沿ってしるしを付けることにより、配付け垂木用の上部切断割り付け線が創出され、骨組み部材600を短尺部300の外縁320に沿ってしるしを付けることにより、配付け母屋用の上部切断割り付け線が生み出される。
【0039】
図2Aに戻ると、等勾配の垂木表205の第2の列は、標準ランのインチ当たりの隅木または谷木の長さのための表形式計算値235を提供している。この比を用いると、知られている標準の屋根勾配に対するあらゆる隅木または谷木の長さが容易に提供される。たとえば、数字15によって表される測定単位215の下方の表形式計算値235は、1.887である。この表形式計算値235は、標準ランのインチ毎に、隅木または谷木の長さが1.887インチであることを特定する。15/12勾配に対する隅木または谷木の全長を求めるには、ラン全長にこの与えられた表形式計算値235を単に掛けることでよい。15フィートのランおよび15/12の勾配の場合、ラン全長は180インチであり、隅木/谷木長さは、このとき180に1.887を掛けたもの、すなわち339.66インチである。したがってUniversal Square(商標)は、建造中、複雑な三角法の計算するための計算機を持ち運ぶ必要のない計算された値を提供する。表形式計算値235を用いる簡単な計算により、素早くかつ正確に所望の測定値が生み出される。
【0040】
さらに、
図2Aおよび
図7に示されるように、ラン定数目盛230が、16.97の測定値を表すように、外縁の長尺部目盛210に沿って16.9と17.0の目盛しるし217との間にマークされている。このラン定数目盛230によって、建築者が隅木および谷木用の切断を割り付けすることができる。ラン定数目盛230を骨組み部材700の縁に位置合わせし、短尺部300上の勾配ライズ値を骨組み部材700の縁に位置合わせすることにより、ユーザは、長尺部200の外縁220に沿って水平方向の水平切断線をマークすることができ、短尺部300の外縁320に沿って縦方向の鉛直切断線をマークすることができる。
図7の例は、10/12の標準勾配用の隅木および谷木を割り付けすることを表している。
【0041】
図2Aに示されたUniversal Square(商標)100の実施形態に戻れば、等勾配垂木表205の3列目に特定された表形式計算値235は、屋根平面における屋根狭角に直接関連する。表形式計算値235はここでは、標準垂木長さのインチ当たりの母屋の長さの差を表す比を提供している。母屋は、敷桁および棟に対して平行にかつ標準垂木に対して垂直に走る骨組み部材である。配付け母屋は、隅木または谷木と交差する骨組み部材である。母屋は標準垂木に対して垂直に走るため、母屋間の配置間隔は、標準垂木の長さに沿った軒から棟の寸法である。対応する屋根勾配の下に提供された表形式計算値235は、標準垂木の長さのインチ当たりの差(減少または増大)に基づく。
【0042】
14/12勾配の例を考える。14によって示される測定単位215に対応する表形式計算値235は、0.6508である。標準垂木長さに沿って1インチ進む度に、配付け母屋長さは0.6508インチ変化する。たとえば、この係数を48インチの母屋配置間隔に適用することにより、31.238インチの長さ変化が生み出される。換言すれば、48インチで配置間隔がとられた各配付け母屋の長さにおける差は、31.238インチになる。Universal Square(商標)は、ここでも、いかなる三角法の微分および計算も必要とすることなく、測定値を容易に、効率的にかつ正確に決定するための事前計算された乗算係数を提供する。
【0043】
配付け母屋の長さの決定に加えて、この表形式計算値235は、母屋の上部切断割り付けの角度の決定を可能にする。この角度は、隅木または谷木内への野地板(垂木の上に張る板)の角度の切断のため、従来の建造ではしばしば野地板角度と称される。この場合、この値は、
図8に示されたようにUniversal Square(商標)を位置合わせすることによって、母屋骨組み部材800に適用される角度比を提供する。この表形式計算値235を使用して母屋の上部切断を割り付けするには、小数点の場所を右に1つ動かすように考えることだけが必要とされる。たとえば、14/12勾配の場合、表形式計算値235の小数位を1つ右に動かすことにより、6.508が生み出される。ユーザは次いで、(短尺部300の前面の10分の一の目盛しるし317によって突き止めることができる)6.508を表す目盛310に沿った場所を骨組み部材800の縁に位置合わせし、それと同時に長尺部200の前面の10によって表される測定単位215を位置合わせすることによって骨組み部材800上に配付け母屋の上部切断角度をマークすることができる。短尺部300の外縁320に沿ってマークすることにより、配付け母屋用の切断線が生み出される。長尺部200の外縁220に沿ってマークすることにより、配付け垂木用の切断線が生み出される。
【0044】
図2に再度戻れば、等勾配垂木表205の4列目は、隅木または谷木の幅の1インチ当たりの裏板角度またはベベル角度の切断深さのための表形式計算値235を提供している。裏板/ベベル角度は、2つの対向する屋根平面が、隅木の頂点、または谷木のトラフ(trough)において、隅木または谷木の長手方向中心を通り抜ける鉛直方向の平面に沿った線のところで交差し、交わる角度である。隅木または谷木の上面に対して垂直に測定された裏板/ベベル角度の切断深さは、平面内の回転角度である。4列目のこの表形式計算値235は、実際の隅木または谷木の側面の切断深さを容易に測定およびマークすることを可能にする。裏板/ベベル角度は、複合屋根システムにおいて、特に木材骨組みで形成された骨組み表面からまたはその中に突出するほぞ孔およびほぞに関する多くの他の含意を有する。
【0045】
等勾配垂木表205の4列目に提供された表形式計算値235は、2/12から18/12のあらゆる標準勾配に対するすべての回転を網羅し、隅木または谷木の上面に対して垂直に測定された角度の深さを提供する。裏板角度またはベベル角度の切断深さに与えられた値は、梁幅1単位(たとえば1インチ)に対する深さの比に基づく。隅木または谷木の角度は、常に、木材の中心から生じ、側面に向かって傾斜しているため、側面深さを決定するには、ユーザが、梁の幅の半分に対してこの表形式計算値235を適用することが必要とされる。
【0046】
適切な計算には、梁の半分の幅を基本係数として用いることが必要とされる。たとえば、標準勾配が9/12である場合、数字9によって表される測定単位215に対応する4列目の表形式計算値235は、0.4685として挙げられている。8インチ幅の梁の場合、計算は、その半分、すなわち4インチに0.4685をかけたものになる。したがってこの例における裏板/ベベル角度の切断深さは、1.874となる。ここでも、4列目の表形式計算値235は、標準系またはメートル系などの任意の測定単位系に適用可能な絶対比を提供している。
【0047】
図2Aおよび2Bに示されたUniversal Square(商標)の実施形態に再度戻れば、等勾配垂木表205の5列目は、2/12から18/12の屋根勾配に対して、1インチに対する母屋の隅木または谷木に対する嵌め込み角度のための表形式計算値235を提供している。母屋(敷桁に対して平行な梁)が隅木または谷木と接合するとき、ベベル角度または裏板角度の回転により僅かな回転が起こる。この角度は、母屋の側面を、その側面に沿って隅木または谷木の上部に対して垂直な90度から増分されながら回転させる。等勾配垂木表205の5列目に提供された表形式計算値235は、骨組み部材の側面の、かつ隅木または谷木の上面に対して垂直に引かれた線から測定された、母屋の嵌め込み角度の1に対する比を表している。Universal Square(商標)100上で使用される、角度寸法に関連するすべての他の値と同様に、これは、測定の1単位に関係する値の比である。
【0048】
図9Aは、この角度を切断するように骨組み部材900をマークするためにこれに Universal Square(商標)100を適用する例を示している。この例は、6/12勾配の建造について説明する。数字6によって示される測定単位215の下の5列目に対応する表形式計算値235は、嵌め込み角度比が0.2828:1であることを明らかにしている。これは角度比であるため、建築者は、前述で使用された同じ方法を用いることによって、すなわち小数点の場所を1つ右に動かすように考え、骨組み部材900の縁を、(短尺部300の前面の10分の1の目盛しるし317によって位置合わせできる)2.828を表す短尺部目盛310に沿った場所および曲尺の対向する長尺部200上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることによって隅木または谷木の側面に沿って角度を割り付けすることができる。Universal Square(商標)100のこの位置合わせにより、ユーザが、短尺部300の外縁320に沿って骨組み部材900をしるし付けすることが可能になる。このしるし付けは、母屋嵌め込み角度の正確な角度を示している。加えて、
図9Bに示されるように、この角度はまた、標準屋根平面に回転された母屋と接合し、標準垂木の上部に直交する隅木または谷木の側面の側部割り付け角度でもある。
【0049】
図2に再度戻れば、等勾配垂木表205の6列目は、1インチに対する隅木または谷木の、基本または標準の垂木または桁に対する嵌め込み角度のための表形式計算値235を提供している。隅木または垂木が基本(標準)垂木または水平桁の側面に接合するとき、隅木または谷木の側部は縦方向の鉛直線に沿って標準垂木と接合する。しかし、隅木または谷木の底面は、水平方向の水平線に対して回転した角度で標準垂木に接合する。多くの従来の状況では、この角度は、しばしば無視され、単に同一平面で切断され、くぎ打ちされ、覆われることになる。木材骨組みにおいて、またはカテドラル型(cathedral)の屋根システムにおいて露出されることになる梁で作業するとき、この角度を知ることは、全埋め込み式の嵌め込みを作り出すために、または、谷木上にほぞを延ばすためと標準垂木もしくは水平桁上にほぞ孔を延ばすために必要である。等勾配垂木表205のこの列の値は、この角度の正確かつ迅速な決定を可能にする表形式計算値235を提供する。
【0050】
上記の例のように、これは角度回転である。Universal Square(商標)100を利用してこの角度切断を割り付けするには、最初に小数点の場所を1つ右に動かすように考えて短尺部目盛310上の位置合わせ場所を決定することが必要とされる。次いでそれを利用するには、短尺部目盛310上の位置合わせ場所およびUniversal Square(商標)100の長尺部200上の数字10によって表される測定単位215にしたがって、Universal Square(商標)100を骨組み部材の縁に位置合わせすることが必要とされる。
図10は、前述の例を表している。11/12の標準勾配を有する屋根ふきシステムの場合、数字11によって表される測定単位215の下に挙げられた表形式計算値235は、0.458である。したがってこの角度は、0.458:1の比を有する。小数点の場所を1つ右に動かすことによって4.58が生み出され、これは10分の1の目盛しるし317によって決定可能な場所である。ユーザは、その場所4.58を、短尺部目盛310に沿って骨組み部材(ここでは標準垂木1000)の縁に位置合わせし、それと同時に長尺部200の前面の数字10によって表される測定単位215を位置合わせする。
【0051】
この切断のために標準垂木1000をマークするには、最初に、接合部の場所内で隅木または谷木の面を横切る水平線を引くことが必要とされる。次のステップは、Universal Square(商標)100を、水平線が、(10分の1の目盛しるし317間で正確に突き止めることができる)短尺部目盛310上の4.58の場所および長尺部上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせされるようにこの水平線上に置くことを必要とする。ユーザは次いで、曲尺の長尺部200の内側縁225に沿って線をマークし、したがって垂木の底部に対する隅木または谷木の嵌め込みの正確な角度をマークすることができる。この側面は、縦方向の鉛直線に沿って接合する。
【0052】
この値に対する表形式計算値235は、嵌め込み角度のタンジェントである。タンジェントの逆関数を計算することにより、角度値が度数表示される。11/12勾配のこの例では、嵌め込み角度は24.6度である。この角度を標準の屋根勾配角度から引くことにより、標準垂木の底面からの嵌め込み角度、すなわちこの例では17.9度が生み出される。
【0053】
図2に再度戻れば、等勾配垂木表205の7列目は、1インチに対する隅木または谷木の加工仕上用平面上部のための表形式計算値235を提供している。隅木または谷木上に裏板角度を切断する前、隅木または谷木の頂面は、垂木の加工仕上用平面と考えられる。従来の建造では、名目上寸法設定されたツーバイ材料を隅木および谷木用に使用する場合、梁上の裏板角度またはベベル角度を切断することは、実際には必要でないことが多い。しかし、実際にベベルを切断し、実際の屋根平面表面を露出させる前には、割り付けの全ては、この加工仕上用表面上にまたはこれにわたって移されなければならない。この理由のため、この回転した加工仕上用平面を知ることは、正確な割り付けを生み出すには極めて有用である。Universal Square(商標)100は、この回転した加工仕上用平面を決定するための容易な解決策を提供する。
【0054】
Universal Square(商標)100の7列目に与えられた表形式計算値235は、2/12から18/12の範囲の勾配を有するすべての隅木および谷木屋根システム用の、この回転した角度の1に対する比を提供する。Universal Square(商標)上でこの回転した角度を決定するためのプロセスは、前述の例で提供されたものと同一である。たとえば9/12勾配を有する等勾配型複合屋根システムを考える。隅木/谷木の一方の側部から対向する側部まで割り付け線を移すことは、最初に、鉛直線(1本または複数本)を一方の側面に割り付けし、次いで、この線(1本または複数本)を上面および底面を横切って対向する側面に移すことから始まる。数字9によって表される測定単位235の下の欄内の等勾配垂木表205の7列目に与えられた表形式計算値235は、0.8835である。前述の例のように、これは、0.8835:1の比の角度回転を示している。
【0055】
小数位を1ポイント右に動かして、短尺部目盛310上の位置合わせ目盛しるし317間の1つの場所を割り出し、対向側の数字10によって示される測定単位215を用いることにより、ユーザが、Universal Square(商標)100を隅木または谷木と容易に位置合わせし、隅木または谷木の上面にわたって角度をマークすることが可能になる。これは、同時に、短尺部300上の8.835によって表される目盛しるし317に位置合わせし、長尺部200上の数字10によって示される測定単位215を用いることによって行われる。長尺部200に沿って梁の対向側まで線をマークすることにより、ユーザが鉛直線を対向面まで引くことが可能になる。隅木または谷木の底面にわたって同じステップを繰り返すことにより、割り付け線のすべての移行が可能になる。
【0056】
図2Aに再度戻れば、等勾配垂木表205の8列目は、1インチに対する母屋の斜め切り割り付け角度のための表形式計算値235を提供している。母屋の斜め切り角度は、母屋嵌め込み角度のように、隅木勾配および裏板角度に関連する複雑な回転の乗積値である。この角度を数学のみを使用して決定するには、通常、高度な幾何学的および三角法の技術だけでなく、複合屋根システムの高度な作業経験および理解が必要とされ、これらすべては、3次元構造を推測および想定する才能と結び付けられる。Chappell Universal Square(商標)100の長尺部200の前面の等勾配垂木表205上の8列目の表形式計算値235は、2/12から18/12の範囲のあらゆる等勾配型複合屋根システム用の母屋の斜め切り角度の側部の比を提供している。ここでも、これは角度比であり、表形式計算値235をUniversal Square(商標)100の物理的操作に適用するには、前述の例で提供された基本的なプロセスステップを繰り返すことが必要とされる。
【0057】
たとえば6/12の標準屋根勾配を有する複合屋根システムを考える。数字6によって表される測定単位215の下方に延びる表形式計算値235の欄内の列8には、値0.4472が存在する。これは、0.4472:1の比における斜め切り角度の回転角度である。この角度を母屋に適用するには、ここでもまた、小数位を1つ右に動かしこの値を数字10に対して用いることが必要とされる。母屋を割り付けするには、短尺部300の前面の4.472で表された目盛しるし317を長尺部200の数字10によって表される測定単位215と同時に位置合わせした状態で、曲尺を側面に置くことが必要とされる。曲尺の短尺部300に沿って線を引くことにより、正確な母屋の斜め切り角度がマークされる。Universal Square(商標)100上に付与された値は、母屋の斜め切り角度のタンジェントである。タンジェントの逆関数を計算することにより、角度の度数が算出される。
【0058】
再度
図2Aに戻れば、等勾配垂木表205の9列目は、隅木または谷木の裏板またはベベル角度ならびに配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度のための表形式計算値235を提供している。まず、隅木または谷木の裏板/ベベル角度に関しては、この角度を計算する一般的な手法には、高度な数学および視覚化技術の両方を必要とする多回転における計算を実行することが必要とされる。この理由のため、裏板角度は、依然として複合屋根の骨組みの理解し難い側面になっている。木材骨組みにおいて、裏板角度は、理解するべき最も重要な要素の1つになり、ほぞ孔およびほぞを設計、割り付け、および実行することを理解するための重要事項である。
【0059】
Chappell Universal Square(商標)100は、本質的には裏板角度から不可解性を取り除き、2/12から18/12の勾配を有するあらゆる複合屋根システムで使用できる表形式計算値235を提供している。
【0060】
長尺部200の前面の等勾配垂木表205の本実施形態の9番目の底列は、裏板角度を度数表示で提供している。数字18で表された測定単位215の下方に延びる表形式計算値235の欄では、18/12の等勾配型複合屋根システムの裏板角度は、36.04度である。数字10の下では、この値は、26.92度であり、数字12の下では、30度である。この角度は、さまざまな形態の屋根システムの数多くの異なる用途に適用可能であるが、基本的には、隅木または谷木上で裏板角度またはベベル角度を切断するために鋸を設定する位置合わせを可能にする。Universal Square(商標)100はまた、隅木または谷木の長さに沿って線をマークするために使用される、裏板角度の切断深さも提供している。この表形式計算は、等勾配垂木表205の4列目の見出しの隣に提供されている。
【0061】
配付け垂木および母屋の上部切断の鋸角度に関しては、裏板角度はまた、配付け垂木および母屋の上部における上部の鋸切断角度も提供する。これは最も一般的には配付け母屋に適用されるが、この角度は配付け母屋および配付け垂木の両方に適用される。配付け垂木は、等勾配型複合屋根システムの回転角度(二等分された設置面積角度)が常に45度であるため、一般的にはその側面上に鉛直線に沿って割り付けされ切断される。この理由のため、側面で標準勾配鉛直線に沿って45度の角度で設定された鋸を用いて切断することが、最も直接的で容易な手法である。より大きい材木では、4面すべてに切断部線を割り付けし、材木の周りを切断することが必要になり得る。この場合、配付け垂木の上部切断の鋸角度は、裏板角度に設定され、上部の割り付け線は、等勾配垂木表205の1列目に関連する前述の説明によるものになる。
【0062】
次に
図3A、3B、5Aおよび5Bに移ると、Universal Square(商標)の1つの実施形態は、たとえば不等勾配型隅木および谷木の屋根システムを建造するのに使用するための、示された不等勾配型垂木表305、505を含む。標準的な曲尺は、屋根勾配の組み合わせが無数にあるために、そのような建造に対する簡潔かつ論理的な表を提供していない。考えられるすべての主要(基本)屋根勾配においては、等しい数の固有の組の角度回転が、対向する(第2の的な)屋根に対して存在する。主要屋根勾配および第2の屋根勾配のこの組み合わせは、各主要屋根勾配に対して別個の表を必要とする。この目的を達成するために、短尺部300各面、すなわちその前面および短尺部の裏面500は、短尺部300の前面および裏面それぞれに示された主要勾配マーキング330、530によって示される単一の主要屋根勾配専用の不等勾配型屋根表305、505を提供する。
【0063】
たとえば、主要勾配マーキング330が主要屋根勾配12/12を表す場合、第2の勾配は、2/12から24/12までのいずれかまたはそれ以上の範囲が可能である。より一般的には、実際には、この範囲は、4/12の勾配から15/12の勾配まで及ぶ。
図3Aおよび3Bの実施形態では、短尺部300の前面の不等勾配型屋根表305は、第2の勾配が、上面の外縁の短尺部目盛310に沿って4/12から15/12の範囲内にある状態での12/12の主要勾配マーキング330に基づいた計算を反映する。これらの第2の勾配は、1フィート、すなわち12インチに対するライズ値をインチで示す数によって表される各測定単位315によって示される。表形式計算値335の欄は、ランの12インチに対する第2の勾配のライズを表すこれらの測定単位315の各々の下方に延びる。
図5Aおよび5Bの実施形態では、短尺部300の裏面の不等勾配型垂木表505は、主要屋根勾配マーキング530によって示される9/12の主要屋根勾配および裏面の外縁短尺部目盛510に沿って4/12から15/12の範囲にある第2の屋根勾配のための計算を提供する。これらの第2の勾配は、1フィート、または12インチに対するライズ値をインチで示す数字によって表される各測定単位515によって示される。表形式計算535の欄は、ランの12インチに対する第2の勾配ライズを表すこれらの測定単位515の各々の下方に延びる。不等勾配垂木表305、505の示された実施形態は、9/12および12/12の主要屋根勾配を特定しているが、ユーザは、目盛310、510の使い方を反対にし、第2の勾配測定単位315、515を、上述の例のすべてにおける主要屋根勾配の指標として使用し、それでも尚同じ正確な値を達成することができる。Universal Square(商標)を使用することによって、屋根勾配の最も標準的な組合せ46個の特有の任意選択肢を広範囲にすることができる。
【0064】
加えて、4/12から15/12までの全ての不等勾配型屋根の組合せのための表を提供するために、Chappell Universal Square(商標)100は、一方側または両側に印刷された追加の不等勾配表305、505を有する取り付け可能な定規(図示せず)を任意選択で受け入れるようにできる。1つの実施形態では、完全なセットは、5つの両面の定規からなり、各定規は、Universal Square(商標)100の短尺部300上の目盛310、312とあらゆる点で合致する目盛310、312を含む。1つの実施形態では、定規は、そこから延びる、短尺部300を貫通して穿孔され正確に置かれた受け取り孔内に着座するピンを備える。別の実施形態では、定規および短尺部300には、定規をUniversal Square(商標)100に固定するために(たとえばねじ、ピン、またはリベットなどの)機械式締結具が通り抜ける完璧に位置合わせされた孔が設けられる。短尺部300に取り付けることに加えて、各定規は、単独の極めて正確な定規として機能する。
【0065】
次に
図3A、3B、5A、および5Bに示されたUniversal Square(商標)100の実施形態に戻ると、表形式計算値335、535の2つの欄は、4から15の範囲である数字によって表される測定単位315、515の下方に延びている。表形式計算値335、535のこれらの2つの欄は、欄上方において左から右に「A」および「B」とマークされる。「A」とマークされた表形式計算値335、535の欄は、主要勾配マーキング330、530に関連する関係値を与える。たとえば、
図3Aは、12/12の主要勾配マーキング330を示している。12/12勾配は、この不等勾配垂木表305における定数である。変数は、第2の屋根の勾配である。「B」とマークされた欄内の表形式計算値335は、欄AおよびBの上方の数字によって表される測定単位315にしたがって、第2の屋根勾配の関係値を提供する。たとえば、数字9で表される測定単位315の下の欄Bの表形式計算値335は、12/12の主要勾配A、および9/12の第2の勾配を有する不等勾配型屋根システムに対するものである。この欄内の表形式計算値335は、12/12対9/12の勾配組み合わせにのみ適用される。同様に、数字14によって表される測定単位335の下の値は、12/12の主要勾配および14/12の第2の勾配の勾配組合せのみに適用される。Universal Square(商標)100は、ユーザが、表形式計算値335に関連するA対Bの配向を維持する限り、14/12を主要勾配として、12/12を第2の勾配として相等しい正確性で適用することを可能にする。換言すれば、欄Aの下の表形式計算値335は、Universal Square(商標)100のすべての適用中、12/12の勾配に関連付けられ続ける。
【0066】
次に、
図3Bおよび5Bに示されたUniversalSqauare(商標)100の実施形態に移ると、列読みおよび縦読みの値係数および比率/寸法規則のすべては、前面の不等勾配垂木表305および裏面の不等勾配垂木表505上で同一である。以下の説明は、建造中、不等勾配垂木表305、505を適用するための詳細な説明を提供する。ここで提供されるものは、建造中、表形式計算値335、535のすべてを利用するための説明を可能にするものである。
【0067】
不等勾配垂木表305、505内の1列目は、ラン1インチに対するライズのインチ数における隅木または谷木勾配に関連する欄Aの下および隅木または谷木の勾配角度に関連する欄Bの下に表形式計算値335、535を提供する。複合システムでは、隅木または谷木勾配の表形式計算値335は、主要および第2の屋根勾配の両方によって共有される。たとえば12/12の主要屋根勾配および10/12の第2の屋根勾配の構造を有する構造を考える。数字10で表される測定単位315の下の欄Aの1列目の表形式計算値335は、0.64である。これは、隅木または谷木ランの1インチ(または任意の単位の1)ごとに、鉛直方向のライズは0.64インチであることを特定する。小数点を1つ右に動かすことにより、6.4インチが生み出される(または1つの任意の測定単位)。骨組み部材の縁を外縁の短尺部目盛310上の6.4に位置合わせし、骨組み部材の同じ縁を長尺部目盛210上の数字10によって表される測定単位315に位置合わせすることにより、ユーザが、垂木上に隅木または谷木の水平または鉛直の切断を割り付けすることが可能になる。これは、勾配が主要屋根勾配として作用するかどうかに関係なく、10/12および12/12の勾配の組合せを有するあらゆる不等勾配の屋根に当てはまる。
【0068】
ここでも、ユーザが、Universal Square(商標)100と骨組み部材の縁の位置合わせ中、Universal Square(商標)100を操作して拡張的な表形式計算値335を直接適用し得ることが容易であることは注目すべきことである。これは、部分的には、長尺部目盛210、310および短尺部目盛310、312が、測定単位315の10分の1を表す目盛しるし217によって分割されるからであり、表形式計算値315の小数点を10分の1右に動かすことにより、ユーザが、1目盛210、310上の乗積値を、他の目盛310、210上の数字10によって表される測定単位215、315に位置合わせすることが可能になる。計算機または三角法の計算は必要とされない。枠組みの建造中、計画に従い、木材にしるしを付ける大工にとって、Universal Square(商標)100を骨組み部材にそのように直接適用することで、建造プロセスが簡易化されて正確性および効率性が改善される。さらに、表形式計算値335は、汎用の10進法形式で提供され、あらゆる測定単位に直接適用される。計算は、インチの分数とメートルおよびミリメートルなどの他の測定単位の間における変換を必要としない。
【0069】
また、Universal Square(商標)の短尺部300の示された実施形態に提供された、拡張された目盛310、510にも注目すべきである。測定単位315、515の範囲がより広くなることにより、ユーザは、表形式計算を掛け、長尺部200および短尺部300に沿った異なる場所において同じ比のみを表す目盛210、310のパラメータ内で測定単位215、315を割り出すことが可能になる。これは、たとえば幅広の木材で作業するときに有用である。上記で与えられた例では、表形式計算値315の小数点を1つ右に動かし、その値に2を掛けると、12.8が得られる。それにしたがって、10を2で掛けると20が算出される。12.8:20の比は、6.4:10と等しいが、ここではユーザは、短尺部目盛310上の数字12.8によって表される目盛しるし317および長尺部目盛210上の数字20によって表される測定単位215を位置合わせすることができる。
【0070】
不等勾配垂木表305の1列目はまた、隅木または谷木の勾配を度数表示で提供する。
図3Aおよび3Bの実施形態では、この値は、12/12の主要屋根勾配および12インチの基本ランに対する、インチの数字で表される測定単位315の任意の1つに関係する第2の屋根勾配を有する任意の勾配に適用される。たとえば、数字7で表された測定単位の下に挙げられた角度は、26.742度である。これは、7/12および12/12の組み合わされた標準屋根勾配を有する不等複合屋根システム用の隅木または谷木の角度である。これらの角度は、建物の設置面積寸法、幅、深さ、または垂木ランもしくはスパンに関係なく、これらの組み合わされた屋根勾配を有する隅木および谷木に適用可能である。
【0071】
次に不等勾配垂木表305、505の2列目に移ると、ランの1インチに対するライズのインチ数における、および隅木または谷木の勾配の角度における隅木または谷木の勾配のための表形式計算値315、515が、提供されている。
図11は、隅木または谷木の屋根システムにおけるさまざまな角度および交差平面の関係性を視覚化することを助ける線
図1100を提供している。点線は、隅木屋根システムに関連する隅木/谷木の中心線の関係性を示している。実線は、谷木屋根システムに関する同じ関係性を示している。図示された線は、標準ランの側部A1105、標準ランの側部B1110、標準垂木の側部A1115、標準垂木側部B1120、隅木または谷木の長さ1125、標準ライズ1130、および隅木または谷木ラン1135である。
【0072】
図3A、3B、5Aおよび5Bに示されたUniversal Square(商標)100の実施形態における不等勾配垂木表305、505の2列目の項目に戻ると、2列目の表形式計算値335、535は、標準ランA1105および標準ランB1110の差を提供している。通常、複合屋根設計は、標準ランの1つだけを提供し、第2のランはユーザに算出させている。不等勾配垂木表305、505の2列目の表形式計算値335、525は、1つの知られている値に基づいて側部Aまたは側部Bから対向する標準ランをユーザが決定することができる係数を提供する。この表形式計算値335、535は、標準ラン側部A1105の測定値対標準ラン側部B1110の測定値の比に等しい。欄Aの下の表形式計算値335、535は、標準ラン側部A1105対標準ラン側部B1110の比を提供する。標準ラン側部Aが知られている場合、与えられているランに示された表形式計算を掛けることによって、標準ラン側部Bのランが算出される。同様に、欄Bの下の表形式計算値335、535は、標準ラン側部B1110対標準ラン側部A1105の比を提供する。標準ラン側部B1110が知られている場合、与えられているランに示された表形式計算を掛けることによって、標準ラン側部A1105のランが算出される。たとえば、10/12の第2の勾配および16フィートの標準ランを有する主要勾配Aを有する屋根システムの場合、側部Bランを計算するのに適用可能な表形式計算値335の値は、1.2である。知られているラン、16フィートにこの係数を掛けることにより、19.2フィートのランが算出される。ここでも、表形式計算値335は10進法形式で提供され、したがって、面倒な変換を必要とすることなくあらゆる測定単位系の下であらゆる測定単位315に適用される。
【0073】
次に不等勾配垂木表305、505の3列目に移ると、表形式計算値335、535の3列目は、両側A1105およびB1110における標準垂木ランのインチ(または1の任意の測定単位315、515)当たりの隅木または谷木の長さを提供している。たとえば、
図3Aおよび3Bの実施形態では、6/12の第2の勾配の場合、標準ランAと谷木の長さに対する比は、1:2.449となる。標準ラン側部B1110の場合、その比は1:1.226である。ここでも、これらの表形式計算値335、535は、知られているランに基づいて知られていないランを決定するための乗算係数として作用する値である。10進法形式のすべての表形式計算値335、535と同様に、これらの乗算係数は、複雑な変換、たとえばインチの分数値からミリメートルの変換を有することなく、あらゆる測定値単位系内のあらゆる測定単位に適用される。
【0074】
不等勾配垂木表305、505の4列目は、2つの値、すなわち標準垂木の長さのインチ当たりの配付け母屋の長さの差および1インチに対する母屋の上部割り付けのための表形式計算値335、535を提供している。
【0075】
4列目の値は、標準垂木長さのインチ当たりの配付け母屋の長さの比を与える。母屋は標準垂木に対して垂直に走り、母屋の配置間隔は、標準垂木に沿って敷桁または棟から測定される。以下は、配置間隔に基づいて母屋長さ間の差を決定するために、どのようにして不等勾配垂木表305、505の4列目のこれらの表形式計算値335、535を使用するかの例である。
図3Aの実施形態では、数字7によって表される測定単位315の下の表形式計算値335は、1.212の側部A係数である。この側部A係数は、したがって、7/12の第2の勾配で対応する。欄Bの下の表形式計算335によって提供された対応する側部Bの係数は、0.504である。これらの値は、標準ラン側部A1105に対する母屋の長さの差が、標準垂木に沿って配置間隔1インチ毎に1.212インチであり、標準ラン側部B1110に対する母屋の配置間隔1インチごとに0.504であることを示している。たとえば、両側AおよびBの中心における母屋配置間隔の測定が30インチの場合、各母屋間の長さの差は、それぞれ36.36インチおよび15.12インチである。これらの乗積値は、30インチの特定された配置間隔における各母屋の長さの差を表している。
【0076】
4列目の表形式計算335、535はまた、母屋の上部切断を決定することにも適用される。これは、与えられた値の1に対する角度比である。この角度は、位置合わせ値を算出するために、与えられた表形式計算値335、535の小数点の場所を1つ右に動かすことによって容易に決定される。母屋の縁を、Universal Square(商標)100の短尺部目盛310に沿って配置された位置合わせ値およびUniversal Square(商標)100の長尺部目盛310上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることにより、ユーザが、Universal Square(商標)100の短尺部300に沿って母屋の上部をマーキングし、上部切断角度用の正確な線を生み出すことが可能になる。
【0077】
たとえば、主要勾配が12/12であり、第2の屋根勾配、すなわち側部Bが、9/12の与えられた勾配を有する場合、数字9で表される測定単位315の下の4列目内の表形式計算値335は、母屋の上部切断をマークすべき角度比をユーザが決定することができる係数を提供している。数字9で示される測定単位315の下では、欄Aは、0.9428の表形式計算値335を提供しており、欄Bは、0.6の表形式計算値335を提供している。側部Aに関しては、小数点を右に動かすことで、9.428が生み出される。母屋の縁を、短尺部300の目盛310上の9.428を表す目盛しるし317および長尺部200の目盛210上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることにより、ユーザが、短尺部300に沿って母屋をマークし、側部Aに対して母屋の上部に切断マークを正確に割り付けすることが可能になる。側部Bに関しては、表形式計算値335の小数点の場所を右に1つ動かすことで、6の値が算出される。母屋の縁を、短尺部300の目盛310上の数字6を表す目盛しるし317および長尺部200の目盛210上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることにより、ユーザが短尺部300に沿って母屋をマークし、側部Bに対して母屋の上部に切断マークを正確に割り付けすることが可能になる。
【0078】
次に不等勾配垂木表305、505の5列目に移ると、表形式計算値335、535は、配置間隔のインチ当たりの配付け垂木の長さの差を決定するため、および1インチに対する配付け垂木の上部割り付けを決定するための10進法係数を提供している。換言すれば、不等勾配垂木表305、505の5列目の表形式計算値335、535は、敷桁または棟木に沿った配置間隔の1インチ当たりの配付け垂木の長さの差の比を提供している。垂木は敷桁に対して垂直に走り、配置間隔は敷桁または棟に沿って測定される。以下は、任意の配置間隔距離に対する配付け垂木の長さの差を決定するためにどのようにしてこれらの表形式計算値335、535を適用するかの例である。
【0079】
図3Aに示されたUniversal Square(商標)100の実施形態に関しては、12/12の主要勾配および7/12の第2の勾配の場合、5列目の表形式計算値335は、側部Aについては0.825であり、側部Bについては1.985である。換言すれば、側部Aの配付け垂木の長さの差は、敷桁に沿って間隔1インチ毎に0.825であり、側部Bを参照して敷桁に沿って間隔1インチ毎に1.985である。両方の屋根勾配、すなわち側部AおよびBの中心における垂木間隔が30インチの場合、各配付け垂木間の長さの差は、間隔30インチにそれぞれの表形式計算1.985および0.825を掛けることによって決定される。これにより、30インチ離して離間された配付け垂木に関して、24.75インチの側部Aの長さ差および59.55インチの側部Bの長さ差が生み出される。
【0080】
Chappell Universal Square(商標)におけるすべての長さおよび角度比の係数に関しては、ユーザは、あらゆる測定単位を適用して、同じ正確な結果を達成することができる。たとえば、上記のこの例で30インチを30センチメートルに置き換えることにより、測定単位変換を必要とすることなく、センチメートルで表示された同等に正確な測定値が得られる。
【0081】
5列目に提供された表形式計算値335、535はまた、配付け垂木の上部切断を決定することにも適用される。これは、与えられた表形式計算値335、535の1に対する角度比である。与えられた表形式計算353、535の値の小数点の場所を1つ右に動かすことによって、角度値が決定される。配付け垂木の縁を、短尺部目盛310に沿ってこの値に対応する目盛しるし317およびUniversal Square(商標)100の長尺部目盛210上の数字10に対応する測定単位215に位置合わせすることにより、ユーザが、配付け垂木の表面を短尺部300に沿ってマークし、それによって配付け垂木の上部にわたって上部切断角度をマークすることが可能になる。
【0082】
Universal Square(商標)100は、不等勾配垂木表305、505の6列目において、両方の交差する屋根勾配の裏板/ベベル角度を容易に決定する。数字4から15の測定単位315、515の下の下ったところにある表形式計算値335、535の欄(第2の勾配のインチ当たりの相対的なライズ)は、側部Aおよび側部Bの両方の裏板角度を提供する。これらの角度は、隅木または谷木に直接適用することができる。
図3Aおよび3Bの実施形態に関しては、数字10によって示される測定単位315の下で、12/12の主要勾配および10/12の第2の勾配の組合せを有する屋根システムの裏板角度は、側部Aは32.903度であり、側部Bは24.19度である。これらの角度は、隅木または谷木に沿って角度を切断する/切り裂くために鋸を設定すべき角度である。
【0083】
裏板角度およびベベル角度は、常に、木材の縦方向の中心線から生じ、側面に向かって外方向に傾斜する。木材の縦方向の平面中心線に沿ったある点から生じる異なる傾斜角度の2本の線は、異なる高さで側面と交差する。等勾配型屋根システムでは、両方の角度は等しいために、同じ高さで交差することになる。不等勾配型システムでは、角度が異なるため、ベベルは、異なる高さで木材の側面と交差することになる。
【0084】
あらゆる隅木または谷木用の裏板角度の全切断深さは、より大きい角度の深さに等しい。より浅い角度は、中心線上のこの点から生じて、木材の角より低い点で梁の外面と交差する。この点から、ユーザは、梁の上部に対して平行にかつ垂木の長さに沿って線を引くことになる。これは、垂木の側面に沿った実際の切断線であり、指定された裏板角度に設定された鋸を設置することにより、ユーザがこの切断を行うことが可能になる。
【0085】
裏板角度またはベベル角度の深さは、タンジェント関数である。三角法を用いて深さを計算するには、木材の幅の半分に、より急勾配の裏板角度のタンジェント値を掛けることが必要とされる。これにより、インチで供給された幅に対するインチの深さが生み出された。たとえば、
図3Aおよび3Bの実施形態に示されるように、12/12の主要勾配および10/12の第2の屋根勾配の場合、側部Aに対する角度は、32.903度で急勾配である。32.903度のタンジェントは、0.647である。6インチの幅を有する隅木または谷木の場合、裏板角度の切断深さは、その幅の半分にタンジェント値を掛けたものである。ここでは、この計算は、1.941に等しいものである。
【0086】
同じプロセスが、浅い方の勾配を見出すことにも適用される。大きい方の角度の結果から浅い方の角度の結果を引くことにより、角度が外面と交差する上縁からの距離が算出される。これは、隅木または谷木の側面の切断線である。同じ例を用いると、側部Bの裏板角度は24.19度であり、この角度のタンジェントは0.4492である。材木の幅の半分にタンジェント値を掛けることにより、1.347の係数が生じる。1.941の側部A係数から1.347の側部B係数を引くことにより、0.594が生じる。したがって側部Bの切断線は、隅木または谷木の上部から0.594インチ下方に位置している。
【0087】
6列目の表形式計算値335、535は、建築者が、前述で説明された割り付け線に沿って、個々の屋根システムに適切な屋根勾配の下に挙げられた角度にしたがって特定された適切な裏板角度に設定された鋸を用いて、配付け母屋または垂木上に上部切断を行うことを可能にする。
【0088】
次に不等勾配垂木表305、505の7列目に移ると、表形式計算値335、535は、回転を補正する角度比を表し、したがって、隅木または谷木に対する配付け母屋の側面割り付け角度を提供している。側部AおよびBに対して挙げられた表形式計算値は、1に対する比である。表形式計算値334、535の小数値を使用する前述の例のように、Universal Square(商標)100上のこれらの比を使用して配付け母屋の側面を割り付けするには、表形式計算値335、535の小数点の場所を右に1つ動かすように考え、その値に対する短尺部目盛310上の目盛しるし317、517を配付け母屋の縁に位置合わせしながら、それと同時に長尺部目盛310上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることが必要とされる。
【0089】
以下は、12/12の主要屋根勾配を有する
図3Aおよび3Bの実施形態を参照する例である。14/12の勾配を有する第2の垂木の場合、側部AおよびBの値は、0.6061および0.8858である。Universal Square(商標)100を、側部Aの母屋の側面を割り付けするように設定するには、小数点を右に1つ動かすように考え、短尺部目盛310上の6.061によって表される目盛しるし317および長尺部目盛210上の数字10によって示される測定単位215を位置合わせすることが必要とされる。短尺部300の縁に沿って母屋に線をマークすることにより、母屋の斜め切り用の正確な割り付け線が生み出される。母屋を側部Bに対して割り付けするには、8.858を10に対して用いて同じプロセスを繰り返し、短尺部300の縁に沿ってマークして正確な側部割り付け切断線を作り出すことが必要とされる。
【0090】
Universal Square(商標)100の本実施形態では、不等勾配型表305、505の8列目は、嵌め込み角度値を表す表形式計算値335、535を提供している。斜め切り角度と同様に、これらの表形式計算値は、隅木または谷木の側面上に母屋の嵌め込む角度を生み出す角度比である。この角度は、隅木または谷木の上面に対して垂直に引かれた線から外れる。たとえば、
図3Aおよび3Bの実施形態では、数字14で表される測定単位の下に挙げられた表形式計算値335、535の欄において、対応する表形式計算値335は、側部Aは0.2789であり、側部Bは0.4377である。小数点の場所を右に1つ動かして短尺部300上の位置合わせのための目盛しるし317を割り出し、長尺部目盛210上の数字10によって表される測定単位215に位置合わせすることにより、2.789:10の側部Aの比および4.377:10の側部Bの比が提供される。Universal Square(商標)100を、これら2つの点を垂木の上縁に沿ってそれぞれの目盛210、310上に位置合わせするように垂木上に置くことにより、ユーザは、短尺部300の縁に沿って垂木上に割り付け線をマークすることができる。これにより、母屋の嵌め込み角度に対応する正確な割り付け線が生み出される。
【0091】
次に
図4Aおよび4Bに示されたUniversal Square(商標)100の実施形態に移ると、以下の説明は、建造中、多角形垂木表405を適用するための代表的な指示を提供する。10進法計算値および角度の表形式計算値435の適用は、等勾配垂木表205および不等勾配垂木表305、505に関して論じられた10進法計算値および角度計算の適用に類似するものであるため、以下の説明および例は、多角形垂木表405内に提供された多種多様な情報のうちの1つの説明にすぎない。最初に例示されたように、多角形垂木表405の示された実施形態は、2/12から18/12:1の標準勾配比を有する6辺および8辺の多角形の次の値を提供する:1)ラン1インチに対するライズの隅木/谷木勾配、2)側部長さ1インチ当たりの標準垂木の長さ、3)配置間隔のインチ当たりの配付け垂木の長さの差、4)側部長さの1インチ当たりの隅木/谷木の長さ、5)配置間隔1インチ当たりの配付け母屋の長さの差、6)度数表示による裏板角度およびベベル角度、7)配付け垂木および母屋の上部切断部の鋸角度、8)配付け母屋の斜め切り角度、9)配付け母屋の嵌め込み角度、10)母屋ヘッダに対する隅木および谷木の側部割り付け角度、および11)隅木幅のインチ当たりのベベル角度および裏板角度の切断深さ。
【0092】
図4の実施形態では、Universal Square(商標)100は、曲尺の歴史の中で最初に、最も標準的な多角形の2つ、すなわち六角形および八角形用の完璧な多角形垂木表405を含む。従来の曲尺は、多角形の留め継ぎ角度または側壁角度を決定する値だけを含んでいたが、Universal Square(商標)100は、2/12から18/12の範囲の屋根勾配を有する6辺および8辺の多角形構造の完璧な多角形垂木表405を提供する。多角形垂木表405の表は、すべての部材長さの比を含み、配付け用のベベル切断、嵌め込み角度、斜め切りおよび上部切断を含むすべての角度に容易に適用される値を提供する。これらの表形式計算435は、容易に使用される表として、および1単位測定値に対する比に基づく形式として提供される。
【0093】
多角形垂木表405は、Universal Square(商標)100の長尺部200の裏面にある。表405は、2から18の範囲の数字によって示される測定単位415の下方の下ったところの2つの欄内に表形式計算435を提供している。各測定単位415の下方に挙げられた表形式計算435の2つの欄は、六角形および八角形に対応する表形式計算435をそれぞれ表す数字6および8で見出しが付けられる。
【0094】
6辺の多角形、すなわち六角形に関しては、数字6によってマークされた表形式計算値435の左手欄は、6辺の多角形に関係する屋根システムにおけるすべての情報を提供している。表形式計算値435の欄上方の目盛410上の測定単位415は、ラン1フィート当たりのライズのインチ数における与えられた標準屋根勾配を示している。これは、表形式計算値435の欄内の特有の勾配に対する実際の角度および寸法の基準を決定付ける。
【0095】
8辺の多角形、すなわち八角形に関しては、数字8によってマークされた右の欄は、8辺の多角形に関係する屋根システムにおけるすべての情報を提供している。欄上方の目盛410上の測定単位415は、ラン1フィート当たりのライズのインチ数における与えられた標準屋根勾配を示している。これは、表形式計算値435の欄内の特有の勾配に対する実際の角度および寸法の基準を決定付ける。
【0096】
多角形垂木表405内の表形式計算値435によって提供された寸法係数の1つの例は、多角形垂木表405の3列目に見出された側部長さのインチ当たりの標準垂木の長さである。多角形を建築するのに適用される標準寸法特性は、1)側部の長さおよび2)標準屋根勾配である。任意の与えられた多角形の平面角度比および形状は、そのサイズに関わらず同じである(すなわち設置面積の三角形はすべて相似の三角形になる)ため、側壁長さは、屋根システムのすべての他の態様を決定するために標準屋根勾配と併用して使用可能である。
【0097】
多角形では、標準垂木ランは側壁に対して垂直であり、このとき標準垂木の最大ランは、各側部の中心点から垂直に延びている。標準垂木の中心点はすべて、2で割られた側部長さによって決定された多角形の中心点で交差する。標準垂木長さの迅速な計算を可能にするために、Universal Square(商標)100は、垂木長さの側部長さの1単位に対する比に基づく表形式計算435を提供する。多角形の幾何学的関係により、いずれの標準垂木の最大長さも、側部の正確な中心点から延びる。したがって、多角形垂木表405の3列目に特定された表形式計算値435を用いて作業するとき、最大長さは、2で割られた側部長さと常に同じ長さになる。
【0098】
多角形垂木表405の3列目に提供された表形式計算値435は、側部長さ1インチ当たりの標準垂木の長さの寸法比を提供する。例として、15/12の所与の標準勾配を有する6辺の多角形の場合、数字15によって表される測定単位415の下の左欄内の表形式計算値435は、2.773である。側部長さ1インチごとに、15/12の標準屋根勾配を有する6辺の多角形用の標準垂木長さは、2.773インチとなり、すなわち1:2.773の比となる。この比は、側部長さに関わらず、相似のあらゆる六角形に適用される。加えて、この比は、メートル系を含むあらゆる単位系の測定に適用される。
【0099】
別の例として、12フィート(144インチ)の側部長さおよび10/12の標準勾配を有する六角形を考え、この場合、標準垂木は、側壁の中心から測定したとき中心上で20インチおきに離間されている。側壁の中心点における中央標準垂木の長さおよび各配付け垂木の長さの差は、10/12勾配の六角形の標準長さ、すなわち2.255に基づいて算出可能である。中央の標準垂木の相対的な壁長さは、144インチの側部長さを2で割ったものである。したがってこの長さは、72インチである。中央の標準垂木の長さは、72に2.255の表形式計算値435が掛けられ、162.36インチの乗積値が生じる。中心における20インチの間隔での配付け垂木の長さの差は、20に2.255の表形式計算値435が掛けられ、45.1インチの乗積値になる。
【0100】
先行の例は、集合的に、本明細書で説明されたようなマーキング、テキスト、および表示部を有する本発明の1つの実施形態に対する用途の範囲を説明している。Universal Square(商標)100の他の実施形態は、表形式計算値または拡張された表形式計算値を有する拡張された目盛のサブセットを提供することができる。ここでも、1または10の単位に対する比に基づく、Universal Square(商標)100の汎用性に注目すべきである。Chappell Universal Square(商標)100の角度値および寸法値のすべては、1(または10)の単位に対する比に基づいており、したがって測定の標準単位/英国単位またはメートル単位のいずれにも適用可能である。表形式計算値235、335、435、535をセンチメートル測定値に適用することにより、同じものをインチ測定に適用したときと同じ正確な結果が生み出される。表形式計算の範囲および幅ならびにUniversal Square(商標)100上の10分の1刻みでマークされた細かく刻まれた目盛しるしにより、複合骨組みシステムの建造中、現在まで可能でなかった効率性および正確性がもたらされる。
【0101】
測定単位系間において使用中考慮を必要とする唯一の相違は、元来の屋根勾配に対する表示である。米国では、屋根勾配(傾き角度)を示すのに使用される標準的なシステムは、ライズ(インチ)とラン(1フィートまたは12インチの定数に基づく)の関係性に基づく。したがって、屋根勾配は、12の分母を有する分数、たとえばランの1フィート(12インチ)毎のライズの9インチ、10インチまたは12インチをそれぞれ表す9/12、10/12、12/12として表示される。1フィートのランは一定のままであり、変数値はライズ、すなわち勾配比の分子である。屋根の傾きの角度は、このとき、比の形式で提供された与えられたライズおよびランに基づいて三角法によって決定可能である。
【0102】
メートル系を用いる国々で屋根勾配を特定する最も一般的な方法は、傾きの角度を、通常は25度、30度、35度などの自然数で提供される度数表示で直接的に与えることを含む。この角度を骨組み部材に適用して傾きの角度を割り付けするには、角度ゲージまたは分度器が必要とされる。あるいは、建築者は、角度をライズ対ラン比に変換し曲尺を使用することもできる。例として、30度の角度は、6.92対12の勾配になる。Universal Square(商標)100は、小型であり、角度を迅速かつ正確に割り付けするために現場で使用することが容易である。屋根勾配の角度をライズ対ラン比に適合させることにより、建築者は、Chappell Universal Square(商標)100を使用することができる。したがって、表形式計算値235、335、435、535を用いて決定されるすべての連続する寸法値および算出値は、絶対的な正確さでメートル単位系に適用される。
【0103】
図12は、ライズ対ランの勾配比1210および度数表示による角度勾配1215で表示された標準屋根勾配1205の変換表1200を提供しており、この場合、角度値は、メートルベースの単位系における屋根勾配に最も一般的に使用される最も近い角度の等価値である。Chappell Universal Square(商標)100上の表形式計算値235、335、435、535のすべては、ライズ対ラン勾配比1210に基づく。Universal Square(商標)100をメートル単位系を使用する建造物に適用するには、度数表示で与えられた角度勾配1215と最も厳密に合致するライズ対ラン勾配比1210を割り出すことが必要とされる。たとえば、
図12によれば、30度の屋根勾配1217は、Chappell Universal Square(商標)100上の7/12のライズ対ラン勾配比1212と最も厳密に合致する。ユーザは次いで、7/12の勾配に関連付けられたUniversal Square(商標)100上のすべての寸法のおよび角度の表形式計算値235、335、435、535を、たとえばミリメートル、センチメートル、またはメートルの単位に絶対的な正確さで適用することができる。
【0104】
換言すれば、勾配比の分母は、インチの代わりにセンチメートルの単位を表すことができ、それにも関わらず表形式計算値235、335、435、535は、正確な結果を生み出す。たとえば、ライズの単位は、12インチの代わりに12センチメートルの一定ランに適用されてよい。そのため、ラン12センチメートルに対するライズ9センチメートルの勾配は、ラン12インチに対するライズ9インチと同じ、度数表示による角度勾配1215およびライズ対ラン比の勾配1210を生み出す。勾配比は、汎用であり、適用する単位のみが異なる。変換表1200で示された他の例では、25度の与えられた勾配は6/12の勾配比になり、40度の勾配は、10/12の勾配比になる。50度の勾配は、14/12の勾配比になる。角度の代わりにこれらの勾配比を用いることで、等価の屋根角度を生み出し、このメートル単位とインチ単位の角度間の相違は、形態および比率に関して、さらには最も鋭い目であっても感知できないものである。
【0105】
Universal Square(商標)100は、好ましくは、鋼、または変化する気象状態下で膨張および湾曲に耐えることができ、屈曲、湾曲、捩じれなどを有することなく長時間の摩耗および割れに耐えることができる類似の硬性の材料から製造される。一部の実施形態では、Universal Square(商標)100は、規定された真っすぐの縁になるように型成形することができる軽量の複合材料から作製されてよい。他の実施形態では、Universal Square(商標)は、他の軽量かつ弾性の金属またはプラスチック、たとえばそれだけに限定されないが、アルミニウム、PVC、ステンレス鋼、マグネシウム合金、またはポリカーボン繊維から製造されてよい。すべての実施形態では、Universal Square(商標)100は、真の真っすぐの縁を提供することができ、工具を膨張または収縮させ得る環境状態に耐えることができ、それによってその上にマークされた表示部および目盛の信頼性を改めることができる軽量の材料から製造される。
【0106】
Chappell Universal Square(商標)100に関係する本明細書で説明され示された情報は、木工業界および建築業の個人などのユーザが、木または鋼の骨組みされた構造の現場建造中に適用することができる第一級レベルの測定データを反映する。これらの第一級の測定データは、正式な数学訓練を必要とせず、初歩的な数学計算を行うための簡単な計算機または鉛筆でしるしを付ける技術のみを必要とする。Chappell Universal Square(商標)100は、固有に配置され固有に提示された表形式の測定データと組み合わせて工具を使用する間、複雑な三角法の計算または単位系の変換計算を必要としない。ユーザは、広範な数の結果計算を、Universal Square(商標)100上に提示された目盛および位置合わせされたデータ表から導出することができる。たとえば、数学および三角法により深い理解を有する建築家、設計師、および大工は、本明細書で説明された本発明の実施形態の目盛および表上に挙げられたこれらの値を超える建築角度を決定する際に、Universal Square(商標)を適用してもよい。これらの建築角度の多くは、曲尺および表示部を直接適用して使用することには以前は利用可能でなかった、はっきりと明確な公式によって決定可能である。Universal Square(商標)上に供給された内容および内容の割り付けによって、今では、現場でのそのような直接的な適用および計算をすることができる。
【0107】
前述の例は、単に説明の目的のためであり、本発明を限定するものと解釈されるものではないことが留意される。本発明は例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本明細書で使用された文言は、限定の文言ではなく、説明および例示の文言であることが理解される。本発明のその態様においてその範囲および趣旨から逸脱することなく、付属の特許請求の範囲内で、ここで説明され補正されたように変更が加えられてよい。本発明は、特定の手段、材料および実施形態を参照して本明細書において説明されてきたが、本発明は、本明細書で開示された個々のものに限定されることは意図されず、そうではなく、付属の特許請求の範囲内にあるすべての機能的等価構造、方法、および用途にまで拡大する。