(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの有機硫黄光沢添加剤が、3−(ベンズチアゾールイル−2−チオ)−プロピルスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸、エチレンジチオジプロピルスルホン酸、ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホブチル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−スルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド、O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステル、チオグリコール酸、チオリン酸−O−エチル−ビス−(ω−スルホプロピル)−エステル、チオリン酸−トリス−(ω−スルホプロピル)−エステル、及びそれらの対応する塩からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】先行技術と比較した、本発明による方法によって得られたブラインドミクロバイアにおける銅のエッチングパターンを示す図。
【
図1B】先行技術と比較した、本発明による方法によって得られたバンプ又はラインにおける銅のエッチングパターンを示す図。
【
図2A】先行技術と比較した、本発明による方法によって得られた銅のエッチングパターン並びに小さな及び大きなバイアに関する寸法を示す図。
【
図2B】先行技術と比較した、本発明による方法によって得られた銅のエッチングパターン並びに小さな及び大きなバイアに関する寸法を示す図。
【0007】
発明の目的
したがって、滑らかな銅表面を残す、かかる回路構造から望まれていない銅を効果的に取り除く方法で、銅又は銅合金のプリント回路板又はウェハ基板上で回路構造をエッチングするための改良された方法を提供することが、本発明の基礎となる目的である。
【0008】
かかるエッチング工程は、典型的に、基板上で銅のメッキ後に実施され、所望された回路を製造する。
【0009】
発明の詳細な説明
銅の電着のための水性酸浴は、プリント回路板及びチップキャリヤーの製造のために使用され、その際微細構造、例えば穴を介したトレンチ、ブラインドミクロバイア及び柱状バンプ(pillar bump)は、銅で満たされる必要がある。限界性能パラメータ、例えばスキースロープ、丸さ及びえくぼ形成は、最小化されるか、又はさらに避けられる必要がある。本発明による方法は、当業者に公知のウェハレベル実装(Wafer Level Packaging)、チップレベル実装(Chip Level Packaging)及びフィリップチップ技術(Flip chip techniques)において使用される基板に適用されうる。
【0010】
さらに、酸性水性銅電解液は、いわゆる集積回路の製造におけるバックエンド内でのウェハ基板上で金属化プロセスのために適用される。かかるプロセスは、再分布層(RDL)の形成のため、及び柱状バンプのための銅電着を含む。RDLは、当業者に公知であり、かつ例えばUS 2005/0104187 A1において記載されている。一般に、RDLは、1つの基板の絶縁層の相互接続部分及び隣接部分を覆って形成されて、不整列の妨害する第二の基板の配線に対する経路又は相互連結を提供する。
【0011】
それによって、フォトレジストマスクは、電解銅で満たされるべき微細構造を定義するために使用される。RDLパターンに関する典型的な寸法は、環状のランドパッド(circular land pad)に関して20〜300μmであり、かつライン及びスペース適用に関して5〜30μmであり、銅の厚さは、通常3〜8μmの範囲である。微細構造(断面均一性)の範囲内、チップ/ダイ領域の範囲内(ダイ均一性=WIDの範囲内)、及びウェハの範囲内(ウェハ均一性=WIWの範囲内)での堆積の厚さの均一性は、限界の範疇である。ダイにおける5〜10%未満の不均一な値及び3〜5%未満の断面の不均一な値は、前記適用に要求される。柱状バンプの適用は、約1〜90μmの銅層の厚さを要求する。柱の直径は、典型的に20〜300μmの範囲である。10%未満のダイにおける不均一な値及びバンプ内の不均一な値は、典型的に仕様である。
【0012】
所望の回路を製造するための最終のエッチング工程は、回路の性能を負に作用しないための過剰な荒れ及び微細構造の不均一なエッチングをもたらしてはいけない。したがって、当業者に公知であり、かつ前記の塩化第二銅又は塩化鉄に基づく標準のエッチング剤は、非常に粗い。かかるエッチング溶液は、例えば、20g/lより遥かに多いFe(III)イオンを含む鉄(III)塩を含む。微細な銅構造へのこれらの適用は、銅表面の過度なエッチング及び過剰な荒れをもたらす。
【0013】
銅構造を形成するための少なくとも1つのメッキ工程において使用される電解メッキ浴を、金属メッキ工程に続くエッチング工程のためにも適用することができることが、本発明の特徴である。
【0014】
メッキ銅構造に適している典型的なメッキ組成物を以下に記載する。かかる組成物は、金属イオン、すなわちCu(III)イオン及びFe(III)イオンの高すぎてはいけない細かいバランスによって特徴付けられる。Fe(III)イオン含有率は、滑らかな表面を提供する良好な表面エッチング結果のために20g/lを超えてはならない。
【0015】
銅の電着のための水性酸浴組成物は、有利には硫酸銅及びアルキルスルホン酸銅を含む群から選択される少なくとも1つの銅イオンの源を含む。また、銅イオンは、金属銅の銅(II)イオンへの酸化によって提供されうる。銅イオン源を形成するためのこの方法は、以下でより詳細に記載される。銅イオン濃度は、5g/l〜150g/l、有利には15g/l〜75g/lの範囲である。
【0016】
少なくとも1つの酸の源は、硫酸、フルオロホウ酸及びメタンスルホン酸を含む群から選択される。酸の濃度は、20g/l〜400g/l、より有利には50g/l〜300g/lの範囲である。
【0017】
前記浴は、さらに、少なくとも1つの有機硫黄光沢添加剤を含む。銅メッキのための有機硫黄光沢添加剤は、当業者に公知である。
【0018】
例えば、少なくとも1つの有機硫黄光沢添加剤は、
【化1】
[式中、R=H、C
1〜C
4アルキルである]
【化2】
[式中、R=H、C
1〜C
4アルキル、n=1〜6、かつM=H、金属イオンである]
【化3】
[式中、n=1〜6、かつM=H、金属イオンである]
【化4】
[式中、n=1〜6、かつR、R’=H、C
1〜C
6アルキルである]
【化5】
[式中、R、R’=H、C
1〜C
6アルキルである]
【化6】
[式中、R、R’=H、C
1〜C
6アルキルである]
【化7】
[式中、R、R’=H、C
1〜C
6アルキルである]
【化8】
[式中、R=H、C
1〜C
6アルキルである]
からなる群から選択される。Rは、有利には、H、CH
3、C
2H
5からなる群から選択される。R’は、有利には、H、CH
3、C
2H
5からなる群から選択される。整数nは、有利には2、3又は4である。
【0019】
好ましい有機硫黄光沢添加剤は、3−(ベンズチアゾールイル−2−チオ)−プロピルスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸、エチレンジチオジプロピルスルホン酸、ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホブチル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−スルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド、O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステル、チオグリコール酸、チオリン酸−O−エチル−ビス−(ω−スルホプロピル)−エステル、チオリン酸−トリス−(ω−スルホプロピル)−エステル、及びそれらの対応する塩からなる群から選択される。
【0020】
水性酸性銅浴組成物中で存在する全ての有機硫黄光沢添加剤の濃度は、約0.01mg/l〜約100mg/l、より有利には約0.05mg/l〜約20mg/lの範囲である。
【0021】
銅の電着のための本発明の水性酸浴組成物は、さらに、通常ポリアルキレングリコール化合物(US 4,975,159)であり、かつポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ステアリン酸ポリグリコールエステル、オレイン酸ポリグリコールエステル、ステアリルアルコールポリグリコールエーテル、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、オクタノールポリアルキレングリコールエーテル、オクタンジオール−ビス−(ポリアルキレングリコールエーテル)、ポリ(エチレングリコール−ラン−プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)を含む群から選択される少なくとも1つのキャリヤーサプッレサー添加剤を含む。前記キャリヤーサプッレサー添加剤の濃度は、0.005g/l〜20g/l、より好ましくは0.01g/l〜5g/lの範囲である。
【0022】
銅の電着のための本発明の水性酸浴は、さらに、20mg/l〜200mg/l、より好ましくは30mg/l〜60mg/lの量で、少なくとも1つのハロゲン化物イオン、好ましくは塩化物イオンの源を含む。
【0023】
前記の銅メッキ浴は、銅構造を形成するための第一のメッキ工程において使用されうる。
【0024】
エッチングに適している典型的なメッキ組成物は、さらに、Fe(II)/Fe(III)レドックス系も含む。鉄(III)イオンの濃度は、一般に0.1〜20g/l、有利には1〜15g/l、及びさらにより好ましくは3〜10g/lである。鉄(II)の濃度は、前記系のレドックス電位の結果である。一般に、鉄(III)塩は、レドックス系を生じるための溶液に適用される。適した鉄(III)塩は、硫酸鉄(III)を含む。代わりに、鉄(II)塩を、鉄源、例えばレドックス対も形成する硫酸鉄(II)として適用してよい。
【0025】
銅構造を形成するために、本発明によるメッキ方法を使用して、次の2つのメッキ方法を適用することができる。
【0026】
方法1:
1. 前記組成物の、しかしFe(II)/Fe(III)レドックス系を有さない電気メッキ浴を使用して、基板上に銅構造をメッキする工程、及びその後、
2. さらに、前記組成物の、しかしFe(II)/Fe(III)レドックス系を有する電気メッキ浴を使用して、前記基板上に銅構造をメッキする工程、及びその後、
3. 電流を適用しないで、工程2.による浴中でメッキされた銅をエッチングする工程。
【0027】
方法1によって記載されたようなメッキ順序は、基板構造、例えばライン及びバイアが、基板の上面上で銅層のメッキに加えて銅メッキによって満たされる必要がある場合に、有利であってよい。
【0028】
方法1の工程2及び3は、同一又は別々の浴中で、有利には同一の浴中で実施されうる。
【0029】
方法2:
1.Fe(II)/Fe(III)レドックス系を有する前記組成物の電気メッキ浴を使用して、基板上に銅構造をメッキする工程、及びその後、
2. 電流を適用しないで、工程1.による浴中でメッキされた銅をエッチングする工程。
【0030】
方法2の工程1及び2は、同一又は別々の浴中で、有利には同一の浴中で実施されうる。
【0031】
さらに、第三の、しかしそれほど好ましくない方法は、次の工程を含む:
方法3:
1. 前記組成物の、しかしFe(II)/Fe(III)レドックス系を有さない電気メッキ浴を使用して、基板上に銅構造をメッキする工程、及びその後、
2. 工程1.しかし電流を適用しないFe(II)/Fe(III)レドックス系に従った浴による組成物を有する別々の浴中でメッキした銅をエッチングする工程。
【0032】
銅の電気メッキ中に、水性酸メッキ浴は、銅電着中に、15℃〜50℃、より好ましくは25℃〜40℃の好ましい温度範囲、及び0.05A/dm
2〜12A/dm
2、好ましくは0.1A/dm
2〜7A/dm
2の陰極電流密度範囲で操作される。
【0033】
本発明のエッチングの方法は、特に、WO 2005/076681 A1において記載されているような方法で適用されうる。
【0034】
かかる方法は、次の工程を含む:
a)プリント回路板を提供する工程;
b)回路板を誘電体でそれらの少なくとも1つの側面上で被覆する工程;
c)レーザーアブレーションを使用してそれらにトレンチ及びバイアを製造するための誘電体を構築する工程;
d)誘電体の全面上にプライマー層を堆積する工程、又は製造されたトレンチ及びバイアにのみプライマー層を堆積する工程;
e)前記プライマー層上に銅又は銅合金を堆積する工程(その際トレンチ及びバイアは、それらに導体構造を形成するために銅又は銅合金で完全に満たされる);
f)トレンチ及びバイアを除いて、銅又は銅合金層及びプライマー層を取り除いて、プライマー層が方法工程d)において全面上に堆積される場合に誘電体を曝す工程。
【0035】
工程f)による銅又は銅合金の除去は、銅の表面が、良好な電気的性質を得るために滑らかなままでなければならないために、敏感である。かかる滑らかな表面は、本発明による方法を実施することによって得ることができる。
【0036】
陽極、有利には不溶性の寸法安定性陽極は、電気メッキのために使用される。寸法安定性の不溶性陽極を使用することによって、一定の間隔を、陽極と基板、例えばウェハ間で設定することができる。陽極は、それらの幾何学的形状に関して容易に基板に適応でき、かつ可溶性陽極に反して、それらは、実質的に、それらの幾何学的な外形寸法を変化しない。結果として、基板の表面上で層の厚さの分布に影響しない陽極と基板との間の間隔は、一定のままである。
【0037】
不溶性陽極を製造するために、電解液に耐性のある(不活性)材料、例えばステンレス鋼又は鉛が使用される。有利には貴金属又は貴金属の酸化物で被覆された、
卑な材料としてチタン又はタンタルを含む陽極が、有利には使用される。プラチナ、イリジウム又はルテニウム、並びにそれらの金属の酸化物又は混合酸化物が、例えば被覆として使用される。プラチナ、イリジウム及びルテニウムに加えて、ロジウム、パラジウム、オスミウム、銀及び金、又はそれぞれそれらの酸化物及び混合酸化物が、本質的に被覆のために使用されてもよい。全ての陽極は、金属陽極を拡張させうる。
【0038】
堆積溶液(deposition solution)からの堆積中に消費される銅イオンを、溶解によって陽極に直接供給することができないために、該イオンは、2つの異なる方法で補充されてよい。銅の添加は、前記のような銅(II)塩であってよい。代わりに、銅(II)イオンは、化学的に溶解した対応する銅部分又は銅を含有する成形体によって補充されてよい。銅イオンは、堆積溶液中で含まれるFe(III)銅の酸化効果によるレドックス反応で、銅部分又は成形体から形成される。
【0039】
堆積によって消費される銅イオンを補充するために、銅の金属部分を含む銅イオン発生機が使用される。銅イオンの消費によって薄められた堆積溶液を再利用するために、該溶液を、陽極を越して導かれ、それによって、Fe(III)化合物が、酸化によってFe(II)化合物から形成される。前記溶液を、続いて、銅イオン発生機を介して導入し、そしてそれによって銅部分と接触させる。Fe(III)化合物は、それによって、銅部分と反応して、銅イオンを形成する、すなわち銅部分が溶解する。Fe(III)化合物は、同時に、Fe(II)化合物に転換される。銅イオンの形成のために、堆積溶液中に含まれる銅イオンの合計濃度は、一定に保たれる。堆積溶液は、銅イオン発生機から抜け、基板及び陽極と接触される電解液チャンバー中に再び戻る。前記方法は、当業者に公知であり、かつ例えばUS 6,793,795に記載されている。
【0040】
代わりに、化学的に銅イオンを形成する代わりに、銅イオンは、可溶性銅(II)塩、例えば酸化銅をメッキ浴に添加することによって提供されうる。
【0041】
メッキプロセスを完了した後に、電流供給を止め、そして本発明による銅のエッチング方法を開始することができる。
【0042】
エッチングを、一時間基板に溶液を適用することによって実施する。エッチングの時間は、一般に、10〜60分間の範囲であり、かつ適用及び所望されたエッチング速度に依存する。エッチングは、通常15℃〜60℃、有利には20℃〜30℃の範囲であるメッキ温度と同様の温度で実施される。
【0043】
基板表面上での銅のエッチングは、
図1A及び1Bにおいて示されている範囲までであってよく、その際電着された銅の薄層は、基板表面上に残っている。また、基板表面上での銅のエッチングは、
図2A及び2Bにおいて示されるように完全であってよく、その際エッチングが実施された後に、電着された銅は、基板の表面上ではなく、線構造でのみ残る。
【0044】
有利には、エッチングは、メッキプロセスが電流を切ることによって実施されるように、同様の浴中で実施される。代わりに、特にエッチング工程のための第二の浴が提供されてよい。この浴中で含まれる組成物は、前記のようなメッキ浴の組成物に対応する。陽極の存在は、後半の場合において要求されない。
【0045】
追加のエッチング浴又は他の平坦化方法、例えば化学機械研磨は、プリペアリング基板が銅バンプ又は再分布層を有する場合に要求されないことが、本発明の利点である。さらに、本発明によるエッチング結果のための溶液の適用は、当業者に公知のエッチング方法によって得ることができない滑らかなエッチングした表面である。
【0046】
このプロセスは、閉ざされた再利用システムを確立することができ、その際エッチング溶液は、本発明の一実施態様において一定時間のエッチング液として機能化後に電解液として再利用されうる。本発明の他の実施態様において、前記溶液は、しばらくの間銅メッキのための浴中で電解液として使用された後に、銅のためのエッチング液として使用されうる。一実施態様において、金属銅、Cu(II)イオン及びFe(II)/Fe(III)レドックス系の補充の必要がないことが、本発明の他の利点である。Cu(II)イオンは、Cu(II)イオン及びFe(II)イオンを再度提供する、エッチングされるべきメッキされた銅構造とエッチングプロセスにおけるFe(III)イオンとの間の酸化還元反応によって供給されうる。
【0047】
逆反応は、電解溶液中で生じる。同様の有機添加剤を、電解液中、及びエッチング溶液中の双方で使用することができることが鍵となる。
【0048】
本発明を、次の制限されない実施例において、より詳述に記載する。
【0049】
実施例
全ての実験を、不活性白金化チタン陽極を使用して、ディッピングタイプの電気メッキ浴中で実施した。
【0050】
RDL試験マスクでパターン化した200mmのウェハの四分の一部分を、基板材料として使用し、処理した。
【0051】
プロセスパラメータを、以下のように設定した:電解銅堆積のためのディッピング時間:90分、ウェハ回転=なし、電流密度=3A/dm
2。銅メッキ層厚さ(表面層の厚さ)は2.6〜2.9μmであった。銅の厚さは、銅メッキのパターン充填後に、表面平面度の平坦化(表面上にくぼみがない)を満たした。
【0052】
本発明による実施例1
銅イオン50g/l、硫酸100g/l、塩化物イオン50mg/l、有機硫黄化合物ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィド2mg/l、及びポリエチレングリコール(M=1500〜2000)300mg/lを含有する
基礎液を銅メッキのために使用した。メッキ順序及びパラメータを表1において示す。前記
基礎液に加えて、メッキ工程2.による溶液は、鉄イオン6.0g/l(Fe
2(SO
4)
3*9H
2Oとして添加)を含む。
【0053】
メッキされた銅堆積構造は、ライン(幅 Φ 3μmより大きい)、バンプ(幅 Φ 3μmより大きい)、小さなバイア(直径 Φ 15μm未満)及び大きいバイア(直径 Φ 15μmより大きい)を含む。
【0054】
前記基板を、最初に、表1、メッキ1において記載されている
基礎液を含むメッキ浴中で銅で電気メッキする。メッキ浴は、鉄イオン(w/o 鉄)を含まない。その後、基板を、さらに鉄を含む第二のメッキ浴(表1、メッキ2)に移動する。基板及び基板上で得られた銅堆積構造(ライン、小さいバイア及び大きいバイア)を、図式的な断面画像として
図2A及び2Bにおいて示す。
【0055】
メッキの完了後に、電流を止め、そして銅をメッキした基板は、表1において示されるように30分間同一の浴中に残す("鉄でのエッチング")。
【0056】
図2A及び2Bは、エッチングした構造の断面図(図式的)を示す:ライン、小さいバイア及び大きいバイア並びにその寸法。エッチングした試料の銅層は、非常に滑らかであった。また、角での所望されない過剰なエッチング(いわゆるドーミング)を観測しなかった。
【0057】
図1A及び1Bは、エッチングした表面の均一性の測定値として、Δt=t
s/t×100に関する値を示す。Δtは、特徴(例えば、ブラインドバイア、バンプ及びライン)における、及び基板上で堆積した全体の銅の厚さtと、
図1A及び1Bにおいて示される基板の表面上でのエッチングした銅層のメッキした最大の厚さと最小の厚さとの差である厚さt
sとの割合である。Δt値が小さくなればなるほど、表面はより均一になる。
【0058】
図1A及び1Bから見えるように、本発明による方法及びメッキ浴でエッチングされた表面に関して、Δtは、それぞれ、Δtが5%及び8%である比較例による方法で得られた結果より遥かに優れている1%及び1.5%未満である(
図1A及び1Bm並びに個々の値に関して表2及び3を参照)。Δtに関する値は、数回の測定から得られた平均値である。Δt値を、メッキ後の表面の底部(t
s)から、以下の実施例及び深さの設定値のパーセンテージによって算出されたドーミングの頂部(t)までの最も高い測定値から得られる。
【0059】
本発明による実施例に対応するΔt値を、表2及び3の左の列において示す("有機添加剤を有する浴によるエッチング")。比較例を、表2及び3の右側の列において示す("有機添加剤を有さない浴によるエッチング")。
【0060】
実施例2 − 比較
メッキ工程を、表1A及び1Bにおいて示される構造を有する基板をもたらす実施例1による基板及び方法で実施した。そして、かかるメッキした基板を、メッキ浴溶液から取り出した。エッチングを、銅イオン35g/l、硫酸170g/l、塩化物イオン50mg/l、鉄イオン6.0g/l(Fe
2(SO
4)
3*9H
2Oとして添加)、ポリエチレングリコール(PEG3000)300mg/lを含むが、有機硫黄化合物ビス−(ナトリウムスルホプロピル)−ジスルフィド(SPS)2mg/lを含まない溶液中で実施した。エッチング時間は30分であり、電流は適用しなかった。
【0061】
エッチングした試料上での銅層は、実施例1において得られたものよりも非常に粗かった。角での所望されない過度なエッチング(いわゆるドーミング)を、
図1A及び1Bにおいて示されるように観察した。
【0062】
図1A及び1Bから分かるように、正確なブラインドミクロバイア、有機添加剤を有さない方法及びメッキ浴中でエッチングした表面に関して、平均の粗さΔtは、それぞれ、5%及び8%より小さいだけである。これは、本発明による方法で得られた表面よりも、遥かに少ない均一な表面を示す。かかる粗い表面は、本発明に挙げられている電子工学適用における仕様にほとんどで適していない。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】