(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、更に、前記モデル配置の前記計算した寸法に基づいて前記包装材生産機械が包装材型板を立案するために、前記寸法を包装材機械(packaging machine)に送るステップを備えている、方法。
コンピュータ実行可能命令を格納してある1つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記命令がプロセッサによって実行されると、請求項1記載の方法を計算システムに実行させる、1つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実行するように装備され、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実行する個別調整エンジンと通信する包装材機械であって、更に、前記モデル配置について計算された寸法に対応する包装材型板を生産するように構成されている、包装材機械。
請求項10記載のシステムにおいて、前記包装材個別調整エンジンが、更に、前記モデル配置の前記全体的寸法に基づいて、パッケージ型板を立案するように構成されている、システム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態は、オンデマンド包装材を作成するシステムを対象とする。更に特定すれば、本発明の実施形態例は、多種多様な異なる品目および製品の組み合わせに合わせて個別調整したパッケージを効率的かつ自動的に生産するために使用可能なシステム、機械、およびコンピュータ読み取り可能媒体を対象とする。したがって、本発明の実施形態例は、品目に対する損傷または損失の可能性を低下させ、包装材材料および供給品の消費を低減し、取り扱いコストを低減し、および/または包装時間を短縮するように、個々の(unique)品目の組み合わせに合わせて個別調整した包装材を効率的に生産するために利用することができる。
【0023】
これより
図1を参照すると、オンデマンド包装システム10の一実施形態例が示されており、製品情報ストア14に通信可能に結合されている包装材個別調整エンジン12を含む。図示の実施形態では、製品情報ストア14は、製品寸法属性16および製品販売情報18を含む、種々のタイプの情報を含む。尚、本明細書における開示に関して、製品寸法属性16および製品販売情報18は、別個の情報集合体として例示されているが、これらを1つのファイル、表、または他のデータ集合体に統合してもよいことは認められてしかるべきである。したがって、製品情報ストア14は、適した情報ストアの一例に過ぎず、適したタイプのデータ・ストアであればいずれでも用いてもよい。例えば、製品情報ストア14は、リレーショナル・データベース、階層状データベース、ネットワーク・データベース、メモリ内データベース、オブジェクト指向データベース、データ・ウェアハウス、情報を維持するための他のあらゆる適したストアまたはデータベース、あるいはその組み合わせを含むことができる。実際、実施形態の中には、製品情報ストア14が1つの物理的データベースを備えていればよい場合もあり、一方他の実施形態では、製品情報ストア14を多数の異なる物理的位置に分散されていてもよい場合もある。
【0024】
図示する実施形態では、包装材個別調整エンジン12が更に包装材機械20に結合されている。包装材機械20は、手作業でおよび/または包装材個別調整エンジン12によって供給される入力にしたがって、異なるタイプおよび多様な包装材を生産するために用いることができる、オンデマンド包装材機械の一例である。例えば、本明細書において更に詳しく説明するが、包装材機械20は、包装材個別調整エンジン12から入力を受け取り、1つ以上の製品に合わせて個別調整した包装材の型板を生産することができる。
【0025】
更に
図1に示すように、包装材個別調整エンジン12は、任意に注文処理エンジン22にも結合されている。一実施形態例によれば、オンデマンド包装システム10は、1つ以上の異なる製品を供給する小売業者または製造業者と共に利用される。一実施形態例では、このような小売業者は、注文処理エンジン22において、1つ以上の製品の注文を受けることができる。例えば、小売り店舗における顧客が、ある量の製品を要求するのでもよいし、販売員が購入情報を直接注文処理エンジン22に入力する、または他のアプリケーション24の1つに入力するのでもよく、次いで、このアプリケーション24がこの情報を注文処理エンジン22に(例えば、メッセージ40を用いて)伝達するのでもよい。他の例では、注文処理エンジン22にネットワーク接続されている計算機上においてウェブ・ブラウザまたは他のアプリケーション24を用いることによるとうようにして、顧客が購入情報を直接入力することもできる。
【0026】
注文情報を受ける様式には関係なく、注文処理エンジン22は、特定の顧客によって1つ以上の品目が注文され、これらを保管するおよび/または顧客に配達することの要求を受けることができる。注文処理エンジン22がこの要求を受けると、注文処理エンジン22は製品情報ストア14にもアクセスしてもよい。例えば、注文処理エンジン22は、このような注文製品に関連がある価格、入手可能性、出荷コスト等についての情報を含む要求に応答して、製品販売情報18へのアクセスを要求するメッセージ17を送ることができる。任意に、注文処理エンジン22は、製品情報ストア14からそれ自体が受け取った情報を顧客に伝達することもできる。例えば、注文処理エンジンは、顧客に、注文の概要、購入注文、価格情報、配達追跡情報等を送ることができる。これらのいずれもが、製品販売情報18からの情報を含むことができる。また、製品販売情報18は、注文処理エンジン18によって更新して、新たな購入注文または既存の購入注文を追加、削除、変更、またはそれ以外で編集することもできる。
【0027】
一実施形態によれば、注文処理エンジン22が1つ以上の品目についての注文を受けた後、注文処理エンジン22は包装材個別調整エンジン12と通信して、注文を受けた品目に合った包装材が必要であることを示す。このような通信は、注文処理エンジン22が注文を受けた後であればいずれの時点で行ってもよい。例えば、注文処理エンジン22は、注文の通知を包装材個別調整エンジン12に、注文を受けた時点で、または注文された品目の出荷準備ができたときに送ることができる。
【0028】
注文処理エンジン22によって包装材個別調整エンジン12に提供される情報は、いずれの形態をなしてもよく、一実施形態では、電子メッセージ13の形態をなす。電子メッセージ13は、個別調整包装材エンジン12に、注文を受けた品目の保管および/または出荷に用いられる、箱のような、個別調整パッケージを生産することを要求する(例えば、メッセージ40を通じて要求する)。このような要求13を送るときに、注文処理エンジン22は、注文を受けた製品に関する情報を直接包装材個別調整エンジン12に送ることができ、製品販売情報18に対する参照を送ることができ、包装材個別調整エンジン12が製品販売情報18においてこの注文にアクセスするために使用可能な注文番号を送ることができ、あるいは包装材個別調整エンジン12が、どの製品が注文されたのか特定することを可能にする他のいずれかの方法で情報を提供することもできる。
【0029】
更に、実施形態によれば、注文処理エンジン22が注文についての情報を包装材個別調整エンジン12に提供することを全く必要としなくてもよい場合もある。例えば、出荷システム(図示せず)が注文処理エンジン22と接続することもできる。出荷が望まれる時点において、注文処理エンジン22から包装材個別調整エンジン12への直接通信が不要となるように、出荷システムは個別調整包装材の要求を、包装材個別調整エンジン12に送ることができる。また、注文処理エンジン22、包装材個別調整エンジン12、および出荷システムを別個に示しおよび/または説明したが、1つ以上を1つのシステムまたはエンジンに統合してもよいことも認められてしかるべきである。例えば、注文処理エンジン22は、包装材個別調整エンジン12をその一部として含むこともできる。
【0030】
引き続き
図1を参照すると、包装材個別調整エンジン12が個別調整包装材の要求13、または注文を受けた製品を特定する他の何らかの情報を受け取ると、包装材個別調整エンジン12は、製品寸法属性16にアクセスすること、および/または注文を受けた製品についての追加情報を得ることができる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、クエリ・メッセージ15を製品情報ストア14に送り、注文を受けた製品についての寸法情報を要求することができる。例えば、そして
図2に関して更に詳しく論ずるように、クエリ・メッセージ15に応答して提供される製品寸法属性16は、同じ注文の一部である各品目の寸法についての情報を含むことができる。このような寸法は、高さ、幅、長さ、曲率半径、個別調整パッケージ立案について全体的な寸法を計算できるように、包装材個別調整エンジン12が製品の配置(arrangement)を案出するために用いることができる他の情報を含むことができる。
【0031】
一旦包装材個別調整エンジン12が製品の寸法属性にアクセスし、配置を案出したなら、包装材個別調整エンジン12は、包装材型板を立案することもできる。具体的には、包装材個別調整エンジン12は、作り出した配置の高さ、長さ、幅、および/または他の情報を用いて、配置した品目(arrangement of items)を密閉するのに必要な箱または他のパッケージの底面積を特定することができ、次いでこのような底面積に対応する型板を立案することができる。この底面積は、包装材個別調整エンジン12が計算する。このような立案は、しかしながら、包装材機械20によって代わりに行うこともできる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、注文を受けた品目の配置を案出し、次いでこの配置の寸法または所望の包装材の寸法を包装材機械20に供給し(例えば、メッセージ19を送ることによって)、包装材機械20が包装材型板を立案することを可能にするのでもよい。
【0032】
また、包装材機械20が1つ以上のタイプおよび/またはサイズの包装材料26を入手可能である(have access)こともあり得る。例えば、一実施形態によれば、包装材機械20に、1つ以上のサイズの連続段ボールを供給する。特定の注文に必要とされるパッケージの寸法に基づいて、包装材機械20は、次に、連続材料を所望の箱型板に切断するのに十分な連続段ボールを選択的に供給することができ、更にあらゆる必要な切断線(cut)、折り目、孔、切り込み線などを入れることができる。次いで、箱型板を手作業でまたは自動的に組み立てることができ、注文を受けた製品をその中に挿入することができる。
【0033】
顧客からの注文を満たすことを主に参照してオンデマンド包装システム10について論じたが、本明細書における開示に関して、これは単なる例に過ぎず、他の実施形態では、包装材個別調整エンジン12は、全く注文を出さなくても動作することができることは認められてしかるべきである。例えば、包装材個別調整エンジン12は、システム10の所有者または操作者が保管、包装、または出荷することを望む種々の物体についての情報を、いずれの特定の注文にも独立して受け取ることができる。実際、システム10は、どの品目を包装すべきか一旦分かったなら、そのような包装材が要求される理由には関係なく、あらゆるタイプの個別調整包装材を生産するために用いることができる。
【0034】
これより
図2に移ると、製品寸法属性16の格納例が示されている。具体的には、
図2は、異なる品目または製品について種々のタイプの情報を格納することができる表30を示す。
図2の例では、表30は、寸法属性情報を収集した各製品を特定する品目列32を含む。一方、品目列32における情報は、各製品のあるタイプの識別を含むことができる。図示する例では、製品AA〜RRが示されているが、追加の製品も含まれてもよいことを示すために、楕円が縦に並んでいる。
【0035】
加えて、製品を特定するために用いられる情報のタイプは、様々であってよい。このような情報は、例えば、製品名、製品番号、モデル番号、SKU番号、または品目のその他のいずれかの一意の識別子を含むことができる。このような品目毎に、異なるタイプの情報を含ませて、包装材個別調整エンジンが、包装品型板を生産できるように、異なる品目を仮想的に配置するために用いることができる。配置は、例えば、個々の配置として包装しようとする品目のシミュレーション・モデルを作ることによって、仮想的にしてもよく、これらの品目を物理的に収集するときに、シミュレーション・モデルに対応する物理的な様式でこれらを配置できるようにする。
【0036】
情報の中でもとりわけ、表30は、包装材の中に含めようとする品目の底面積についての寸法情報を含むとよい。例えば、見出しDx、Dy、およびDzがある列を用いて、品目の長さ、幅、および高さを示すとよい。この情報を用いて、包装材個別調整エンジンは、次いで、情報の全体的寸法を決定するために、全ての製品を順序付けた仮想的な配置を発案する(create)ことができる。
【0037】
また、単なる長方形の長さ、幅、および高さ以外にも他の寸法情報を用いることもできる。例えば、実施形態の中には、曲線、不規則性、および/または種々の品目のその他の寸法についての情報を格納し、包装材個別調整エンジン12が品目の最適な配置を発案するときに、この情報を考慮に入れるようにすることもできる。他の実施形態では、表30が、包装しようとする品目の三次元モデルを格納するまたは参照することもできる。その結果、包装材個別調整エンジン12は、次に製品モデルにアクセスし、モデル自体を用いて仮想的な組み立て品を提示して、本明細書において論ずるように、品目の配置を最適化することもできる。
【0038】
一実施形態によれば、追加の寸法情報は、品目が重ね合わせ可能か(nestable)否かを含むことができる。例えば、ある品目の長さ、幅、および高さに関する底面積情報は、それ自体では、重ね合わせ可能な品目の同じ底面積の中に他の品目も収まることができるか否かについて伝えることはできない。例えば、管状のコンテナについて考える。基本的な長さ、幅、および高さ情報は、この品目が中空であるという情報も、中空管のサイズも全く含まない。しかしながら、品目が重ね合わせ可能であることを示すことによって、表30は、品目を互いに内側に重ね合わすことができるように、一層効率的に品目を配置するために用いることができる。更に、品目の重ね合わせは、中空の物体や孔がある物体には限定されない。例えば、不規則形状の品目が外面に空洞を有することもあり、その中に、1つ以上の品目を、不規則形状の品目について特定した底面積の範囲内に納めることができる。
【0039】
品目の重ね合わせを容易にするために、利用可能な空洞についての追加情報を含むことができる。図示した実施形態は、例えば、空洞の長さ、幅、および高さの情報(即ち、表30におけるCx、Cy、およびCz)を含む。重ね合わせ可能な空洞のサイズまたは品目の面積を特定することによって、包装材個別調整エンジン12は、更に、品目の配置を最適化することによって、少なくとも包装材料のコスト、および多数の品目の全体的なパッケージに付随する取り扱いコストを低減することができる。
【0040】
実施形態の中には、品目の重量も属性表30に備えるとよい場合がある。重量情報は、例えば、包装材個別調整エンジン12が品目を別々に分けるときに用いることができる情報を提供するために用いることができる。例えば、本明細書において更に詳細に論ずるように、重量情報は、取り扱いまたは出荷コストを最適化するために用いることができる。出荷コストは、パッケージの総重量が増大するに連れて劇的に高額になる可能性があるので、取り扱いまたは出荷コストを最適化するために、包装材個別調整エンジン12は、注文を受けた品目を2つ以上の別個のパッケージに分けた方がよいと判断し、次いで別個のパッケージ毎に寸法を計算することができる。
【0041】
更に他の実施形態では、表30は個々の品目についての方位情報(orientation information)も含むことができる。例えば、特定の方向が上を向くように特定の品目を向けなければならない場合、その方向を表30において指定することができる。具体的には、表30は特定の向きを有する2つの品目を示す。例えば、製品HHは特定のやり方で「z」方向に向ける必要があることが示されており、製品NNについての情報は、特定のやり方で「x」方向に向けなければならないことを示す。更に、追加情報は、向きが要求されているまたは必須であることを示すのでもよく、あるいは方位情報表30は、特定の意味を有する(例えば、製品HHのz方向を縦に向けなければならず、および/または製品NNのx方向を縦に向けなければならない)というように理解してもよい。
【0042】
尚、
図2は製品寸法属性情報の適した格納の一例に過ぎないこと、そして表30は種々の他のタイプの情報も含んでもよいことは認められてしかるべきである。実際、
図2に示すように、横に並んだ楕円は、表30には多数の他の属性も格納できることを示す。このような属性は、関連のある品目の寸法情報または他の属性に関するのでもよい。例えば、追加情報が、製品における曲線または不規則性についての情報、その製品に多数の空洞がありその中に他の製品を重ね合わせることができるか否かについての情報、空洞は開口か、真ん中が中空 (hollow center)か、または不規則か等についての情報、更には価格、在庫状態、または注文情報というようなその他の情報を含むこともできる。追加情報は、例えば、製品が可撓性であるか否かを示すこともできる。可撓性の製品は、異なる外形にすることが可能な場合がある。例えば、シャツは可撓性であると考えられ、種々の異なるサイズにして、パッケージ内部の種々の位置に納めることができる。更に、品目が可撓性がある、脆い、または他の特性を有する場合、この表は、このような品目が、それよりも重い品目の支え(base)として用いてはならないことを示す情報を含むとよい。
【0043】
これより
図3を参照すると、購入注文例40が示されており、販売業者XYZ社の顧客ABC、LLCが、
図2の表30において特定されている種々の製品を発注した。
図3において、26の品目が注文されていること、そしてこれら26の品目が12種類の異なる品目を含むことが分かる。
図3の購入注文40は、ある種の品目を一緒に包装するいずれかの購入注文またはその他の要求の例に過ぎないが、
図3における特定の例は、
図6A〜
図6Cに関して更に詳細に用いて、購入注文40における品目を本発明の実施形態にしたがって配置することができるやり方を示す。
【0044】
これより
図4に移り、個別調整包装材を生産する方法例50を示す。図示のように、方法50は、オンデマンド、個別調整包装システムの異なるコンポーネントによって実行する種々の動作(act)およびステップ(一部は任意)を含むことができる。方法50の動作およびステップについて、
図1の包装材個別調整エンジン12および包装材機械20に関して説明するが、このような動作およびステップは、代わりにまたは加えて、他のコンポーネントまたはシステムによって実行するのでもよい。
【0045】
図示のように、方法50は、包装材個別調整エンジンが要求を受ける動作(動作52)を含む。例えば、包装材個別調整エンジン12は、要求13を注文処理エンジン22から受けることができる。受けられた要求は、例えば、包装材個別調整エンジン12が1つ以上の品目(例えば、注文処理エンジン22によって他のアプリケーション24を通じて行われた購入注文40)の注文、出荷、または他の集合体に合わせて個別調整した包装材を準備することの要求であってもよい。この要求は、このように注文された品目を特定することができ、または情報を提供することができ、包装材個別調整エンジン12は次いでこの情報を用いて、個別調整包装材が望まれる品目を特定することができる。
【0046】
また、方法50は、包装材個別調整エンジンが品目を特定する動作(動作54)も含む。例えば、結果的に、そして注文処理エンジン22からの要求13の受領に応答して、包装材個別調整エンジン12は、個別調整包装材が要求されている1つ以上の品目を、購入注文40から特定することができる。
【0047】
方法50は、包装材を最適化するステップ(ステップ56)を含む。ステップ56は、包装材を最適化した結果を実施するための対応する動作であればいずれでも含むことができる。ステップ56は、種々の異なる製品に対して包装材を最適化するステップを含むことができる(例えば、購入注文40において注文された多数の製品)。更に、ステップ56は、標準的な包装材または箱が入手可能でないときに包装材を最適化するために用いることができ、あるいは、以下で説明するように、特定した品目に対して、特定の標準的な包装材または箱を選択することによって、包装材を最適化することもできる。
【0048】
一実施形態では、ステップ56は、要求からの1つ以上の品目の集合体が、共通パッケージの全部かまたは一部か判断する動作(動作58)を含む。例えば、品目を特定した後、包装材個別調整エンジン12は、製品情報14にアクセスし、共通注文を特定することができる。加えて、または代わりに、共通注文についての情報を包装材個別調整エンジン12、注文処理エンジン14、または他の適した場所に格納することもできる。
【0049】
注文を共通注文と見なせるのは、注文が1つの品目についてであり、販売業者がその1つの品目のみを頻繁に販売する場合である。あるいは、多数の異なる品目、大量の同一品目、またはその組み合わせの注文も、販売業者によって共通に処理することができ、したがって共通注文と見なすことができる。注文における特定の1組の品目の頻度、または注文が共通注文であると見なされる前に処理されなければならない注文の数は、設定可能であり、特定の販売業者、業界、製品等に左右される可能性が高い。
【0050】
動作58において、注文が共通注文であると判断され、それに対して標準的な箱が既に立案および/または提供されている場合、この共通注文に合った標準的なパッケージの寸法を得ることができる(動作60)。例えば、包装材個別調整エンジン12は内部ストアにアクセスすることができ、あるいは情報ストア14または他の何らかの適した場所にアクセスすることができ、共通注文に専用に用いられるパッケージの寸法を得ることができる。
【0051】
動作58における判断の結果、動作54において特定した品目が、標準的な箱が設けられている共通注文の一部ではないという判断になった場合、方法50は、次に進んで同じ品目の集合体について以前に要求が行われたことがあるか否か判断することができる(動作62)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、同じ1組の品目を含む以前の注文を検索することができる。一例では、包装材個別調整エンジン12はクエリ15を製品情報ストア15に送り、製品情報ストア15は、動作54において特定した品目を要求している同じ人またはエンティティの以前の注文を探す。以前の注文または包装要求を求める他の検索も、付加的にまたは代替的に行うことができる。例えば、クエリ15は、製品情報ストア14が、品目を要求するエンティティには関係なく、同じ品目、またはサイズが同じ品目の注文であればいずれも特定することを要求することができる。同じ以前の注文を突き止めた場合、このような同じ以前の注文に合わせて個別調整した包装材の寸法の参照を行うことができる(動作64)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、クエリ15を通じて、以前の同じ注文を特定する情報ストア14の情報を引き出すことができる。クエリ15に対する応答を戻すとき、情報ストア14は包装材個別調整エンジン12に、以前の注文に用いられた包装材の寸法も供給することができる。加えて、または代わりに、この応答は包装材個別調整エンジン12に、特定された寸法の包装材内部におけるこのような品目のモデル配置も特定することができる。
【0052】
また、同じ品目に対して以前にも要求が行われたことがあるか否かの判断(動作62)も含むことができ、実施形態の中には、要求が、個別調整した包装材が作成された2つ以上の以前の注文の総計(aggregate)と同じか否か判断する。例えば、包装材個別調整エンジン12は、クエリ15を情報ストア14(または代わりに注文処理エンジン22)に送り、要求された品目を特定することができる。例えば、
図3における購入注文40の26品目の内12品目が以前に1回の注文で発注されたことがあり、残りの14品目は別個の第2の注文において発注された場合、情報ストア14または注文処理エンジン22は、応答を包装材個別調整エンジン12に返送して、このような以前の注文の双方を特定し、更に任意に、以前に個別調整した2つのパッケージ、および/または個別調整した包装材と共に用いるためのこのような品目のモデル配置も提供する。
【0053】
動作54において特定した品目が以前の注文のいずれとも同じでない場合、または任意に以前の注文の総計とも同じでない場合、新たな個別調整パッケージが望まれると仮定することができる。新たな個別調整包装材を作成する決定は、動作62において否定的な応答が判断に対して受けられたときのデフォルト・パラメータとするとよい。しかしながら、他の場合では、システム10の管理者またはユーザが具体的に個別調整包装材を要求するのであってもよい。いずれの場合でも、新たな個別調整包装材が望まれるまたは必要とされる場合、包装しようとする品目の寸法属性にアクセスすることができる(動作66)。例えば、包装材個別調整エンジン12は製品情報ストア14にクエリ15を送って、購入注文40上にある品目の寸法属性を求めることができる。このような品目についての情報は、製品寸法属性16に格納することができ、次いで製品情報ストア14から包装材個別調整エンジン12に戻すことができる。アクセスする具体的な寸法属性は、様々であることもあり、例えば、個々の包装しようとする品目各々のサイズ、形状、重量、向き等についての情報を含むことができる。
【0054】
一旦各品目の寸法についての情報が動作66において得られたなら、個別調整包装材内に包装するために、包装しようとする品目を配置することができる(動作68)。動作68は、例えば、包装材個別調整エンジン12が、動作66において引き出した寸法属性に基づいて、包装しようとする品目を仮想的に配置するシミュレーションを実行することを含むことができる。このような配置は、純粋に仮想的であってもよく、実際の品目を配置する必要はないが、他の実施形態では、包装材個別調整エンジン12が包装しようとする品目またはそのモデルにアクセスし、ロボットまたは手作業(manual capabilities)を用いて、包装しようとする品目を実際に配置するのでもよい。一例によれば、包装材個別調整エンジン12は、クエリ15に応答した製品情報ストア14から、包装しようとする品目の各々の三次元モデルを受け取ることができ、次いで品目の仮想的配置を行うときに、このような三次元モデルを用いることができる。
図5A〜
図5Cに関して、個別調整包装材に合わせて品目を配置する(動作68)いくつかの方法例について更に詳しく説明する。
【0055】
動作68において適した品目の配置を発案した後、方法50は次に進んで個別調整包装材の寸法を決定することができる(動作70)。一例によれば、包装材個別調整エンジン12は動作66において得られた寸法属性、および動作68において求めたモデル配置を用いて、モデル配置の全体的な寸法を計算し、したがって包装しようとする品目を収容するために必要とされる個別調整包装材に必要な寸法も決定する。任意に、望まれる個別調整包装材は、概略的に矩形の外形を有することができ、これにしたがって、動作68における品目の配置は、任意に、このような矩形外形に合わせて最適化することができる。したがって、個別調整包装材の寸法を決定する(動作70)には、包装材個別調整エンジン12が、包装しようとする品目を配置して収容するのに適した個別調整パッケージの内部の長さ、幅、および高さを計算(calculating)、測定、算出(computing)、またはそれ以外で特定することを含むことができる。
【0056】
一旦個別調整パッケージの寸法が特定されたなら、新たな個別調整パッケージのオンデマンド作成によるのであれ、以前に用いられた包装材型板または標準サイズの包装材型板の参照からであれ、決定した寸法を、個別調整包装材の生産のために包装材機械に送ることができ(動作72)、そして決定した寸法を包装材機械が受け取ることができる(動作74)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、品目のモデル配置の最大高さ、長さ、および幅を計算し、このような寸法を包装材生産機械20に送ることができる。一例ではモデル配置の寸法を送ることができるが、他の例では、動作72において送られる寸法は、個別調整包装材の寸法に対応していてもよい。
【0057】
モデル配置の寸法を受け取ると、包装材型板を立案することができる(動作76)。例えば、包装材生産機械20は、メッセージ19を包装材個別調整エンジン12から受け取ることができ、メッセージ19が品目の個別調整および/または最適化モデル配置の寸法を提供するとよい。このようなメッセージ19を受け取った後、包装材生産機械20は、次いで、所望の寸法を得るのに適した箱型板を自動的に立案することができる。このような箱型板は、概略的に、メッセージ19の中で受け取られた寸法に対応するが、任意に、注文しようとする品目のサイズのばらつきを考慮するため、充填材を挿入できるようにするため、個別調整包装材の内部および外部寸法の差を考慮するため、またはその他の理由のために、個別調整包装材のサイズを広げることもできる。
【0058】
したがって、一実施形態では、包装材生産機械20は、動作74において包装材寸法を受け取り、次いでそれ自体で動作76において包装材型板を立案することができる。動作76における包装材型板の立案は、包装材機械20、包装材個別調整エンジン12、または何らかの他のエンティティのいずれによって行われるのであっても、以前に用いられた型板を参照すること、または型板のために新たな計算を行うことを含むことができる。新たな型板については、必要とされる段ボールまたは他の材料の量が、切断、折り目、切り込み線、孔、および他の造作(feature)の所望の位置と共に自動的に決定されるように、包装材機械20によって自動的にこの新たな型板を立案することができる。これらの造作は、型板からパッケージを組み立てて、動作54において特定した品目を受け入れて保持するのに適したパッケージを完成することを容易にすることができる。型板に基づいて、包装材型板を切断して、特定した品目に特定的な個別調整パッケージを供給することができる。例えば、包装材機械20は、包装材料26を供給し、動作76において決定したサイズおよび形状の型板を切断することができる。
【0059】
以上、包装材型板を立案する(動作76)包装材機械20に関して方法50について説明したが、本明細書における開示を考慮すれば、このような動作は代わりに他のアーキテクチャ・コンポーネントによって実行してもよいことは当業者には認められよう。例えば、包装材個別調整エンジン12が任意にモデル配置の寸法を計算し、このような配置を収容するために用いられる包装材型板も立案するのであってもよい。そして、動作72において包装材寸法を包装材機械20に供給する代わりに、包装材個別調整エンジン12が代わりに型板図案(template design)を包装材機械20に供給するのであってもよい。
【0060】
包装材型板の立案は、包装材機械20、包装材個別調整エンジン12、または他の何らかのエンティティのいずれによって行われるのであれ、以前に用いられた型板を参照すること、または型板のために新たな計算を行うことを含むことができる。新たな型板については、必要とされる段ボールまたは他の材料の量が、切断線、折り目、切り込み線、孔、および他の造作の所望の位置と共に自動的に決定されるように、包装材機械20によって自動的にこの新たな型板を立案することができる。これらの造作は、テンプレートからのパッケージを組み立て、仮想/シミュレーションによるモデル配置に配置される品目を受け入れて保持するのに適したパッケージの完成を容易にすることができる。
【0061】
型板を自動的に立案するのに適したやり方であればいずれでも用いることができる。一実施形態によれば、包装材機械20は、連続段ボールの形態となっている包装材料を入手することができる。このような連続段ボールは、1つのサイズ、または多数のサイズで入手可能であるとよい。このような図案が発案されていくに連れて(例えば、包装材機械20または包装材個別調整エンジン12によって)、入手可能な連続紙材料の幅が示されると、入手可能な材料に基づいて、図案自体を自動的に最適化して、段ボールの使用を最少限に留めることができる。このように、本システムは、段ボールまたはその他の用いられる包装材料の量を低減するように箱を作る、最も最適な(most optimal)方法を決定することができる。
【0062】
他の要件または要因も考慮することができる。例えば、パッケージには最小サイズの制約がある場合もある。これは、パッケージのパネルに出荷標札を貼り付ける必要性による制約を含む、多数の理由のいずれかによることが考えられる。加えて、自動テープ密封機および糊付けデバイスにはサイズの制約がある場合もあり、パッケージ・サイズおよび図案を最適化する際には考慮する。例えば、テープ密封機は、あるアスペクト比のパッケージとでなければ、紙詰まりを起こさずに動作することができない場合もある。
【0063】
尚、本明細書における開示を考慮すれば、本明細書において提供する方法50は、特定の品目の注文または要求を受けることができ、これらの注文に特定的な箱型板または他の包装材型板を自動的に立案および生産することができ、人間の介入を必要としない自動方法を提供することは認められよう。実際、方法50は、個別調整包装材を生産する自動メカニズムを提供できるだけでなく、個別調整包装材の中に品目を位置付ける最適なやり方またはほぼ最適なやり方を自動的に決定することもできる。その後、個別調整包装材を組み立て、次いで自動的にまたは手作業で、特定された包装しようとする品目を積荷することができる。手作業で個別調整包装材に積み込む場合、個別調整エンジン12または包装材機械20は、任意に、包装ラインにおいて個別調整包装材に品目を積荷する人を補助するための命令、図面、線図、またはその他の指標を、モデル配置に基づいて立案するのと同じように生成することができる。
【0064】
更に他の実施形態では、しかしながら、包装材型板を立案し切断する前に、何らかの人間の介入または他の手作業の介入が望まれる場合もある。例えば、一実施形態では、包装しようとする品目に利用可能な異なるモデル配置があり、各可能性には異なる利点があるという場合がある。したがって、実施形態の中には、システム10の操作者が、個別調整包装材にどの選択肢を選択するかについて何らかの入力を与えるとよい場合がある。例えば、包装材個別調整エンジン12が多数の可能な配置を特定することができ、図によって、音によって、またはそれ以外で、操作者が異なる配置についての情報を見るために用いることができる情報、または配置毎の包装材立案を提供することができる。
【0065】
例えば、包装材個別調整エンジン12は、個別調整パッケージの容積を最小にする包装材型板を提供する1つのモデル配置を特定することができ、一方他のモデル配置は郵送/出荷コストを最小にし、更に他の配置は、型板を生産するときに用いられる段ボールまたは他の包装材料26の量を最小にすることができる。どのモデルが望まれるかについての判断を自動的に行うことができるが、代案では、各々の利点および欠点を含むこともできる、各配置についての詳細をユーザに提供することもできる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、多数の可能な選択肢から所望の図案を選択するように、操作者を促すことができる。
【0066】
あるいは、特定の品目の選択に対して所望の図案をユーザに催促するのではなく、所定の設定または好みに基づいて、選択を自動的に行うこともできる。例えば、管理者または操作者が型板の最小面積、最小容積、最小出荷コスト、最小幅寸法、ある種の重量条件、または最も高い優先順位を与えるべき他の属性を指定することができ、次いで所定の設定に基づいて図案を自動的に選択することができる。例えば、包装材機械20または包装材個別調整エンジン12が、このような所定の設定または好みに基づいて、図案を自動的に選択するのでもよい。
【0067】
これより
図5A〜
図5Cに移り、個別調整包装材に合わせて品目を配置する方法の種々の実施形態例について説明する。尚、方法68a〜68cは、種々のパラメータにしたがって包装材を個別調整および最適化するのに適した方法の例を示すに過ぎず、他のパラメータおよび最適化方策も考えられ、本発明の範囲に該当することは認められよう。したがって、方法68a〜68cのいずれのエレメントも、明示的に主張されていなければ、必要とされているまたは必須であるとは推測してはならない。
【0068】
図5Aは、例えば、
図4における方法50の動作68に合わせて品目を配置するために用いることができる、容積最適化配置方法68aを示す。方法68aでは、包装しようとする品目を特定の配置にして密閉するための個別調整包装材の容積に格別な注意を払う。具体的には、方法68aが開始すると(動作80)、全ての品目の累積体積を計算する(動作82)。
図1におけるアーキテクチャを参照すると、動作82における品目の体積計算は、包装材個別調整エンジン12によって行うことができ、包装しようとする全ての品目の体積を個別に計算し、次いでこのような体積を全て加算する動作を含むことができる。含まれる品目の中に、他の品目と一緒に重ね合わせることができるものがある場合、動作82は、任意に、組み合わせた体積計算から、重ね合わせることができる品目の空洞の容積を除外することを含む。
【0069】
動作82における全ての品目の総合累積体積の計算の前、後、またはそれと同時に、品目に可能なモデル配置を案出することができる(動作84)。このような配置は、一例では包装材個別調整エンジン12によって案出することができ、包装材個別調整エンジン12が物理的に品目を配置する必要はないので仮想的でよいが、他の実施形態では、包装材個別調整エンジン12が物理的に、包装しようとする品目を配置してもよい。配置を仮想的に行うかまたは物理的に行うかには関係なく、特定の配置で密閉することができるパッケージの長さ、幅、および高さを特定することができ、包装材の容積も計算することが可能になる(動作86)。その後、動作86において決定した包装材の容積を、動作82において決定した品目の総合体積と比較することができる。例えば、包装材の容積が、総合体積よりも閾値量だけ超過するか否か判断することができる(動作88)。
【0070】
一実施形態では、動作88の判断は、包装材個別調整エンジン12によって行われる。このような判断は、適した閾値(例えば、5%)であればいずれに基づくこともできる。その後、個別調整包装材の容積と個々の品目の累積体積との比較に基づいて、包装しようとする品目を配置し直すことができ(動作90)、または方法を終了する(動作92)ことができる。
【0071】
例えば、閾値を5%に設定した実施形態では、包装材個別調整エンジン12は、包装材の容積が、総合品目体積よりも5%より多く超過するか否か判断するのでよい。包装材の容積がこのような閾値だけ超過する場合、包装材個別調整エンジン12は、より良い結果または一層最適化した結果のために新たなモデル配置が望まれるか否かについても判断することができ、動作90において新たなモデル配置を有するために、同じ品目を配置し直すこともできる。包装材の容積が5%の閾値未満である場合、包装材個別調整エンジン12は、モデル配置が相応に最適である(suitably optimal)と判断し、方法68aは終了する(92)ことができる。その後、このモデル配置に適した包装材型板を立案すること、および/または生産することができる。このように、方法68aは、一実施形態では、包装しようとする品目を配置する繰り返し手法を提供する。具体的には、方法68aは多数の配置を計算し、所望のパラメータ(例えば、品目の体積と、モデル配置の体積の比較)と比較することを可能にし、適した容積が得られたときに、本方法は終了することができる。
【0072】
以上の例で示した5%の閾値は、一例に過ぎず、特定の閾値を用いるのであれば、管理者または操作者によってユーザ設定可能にするとよく、パッケージの容積に基づいて閾値が様々に変化することもでき、あるいは多数の他の規準に基づいて様々に変化することもできる。例えば、閾値は5%未満であっても(例えば、約2%および5%の間)、5%よりも大きくても(例えば、約5%および約20%の間)よい。他の実施形態では、閾値は、全ての品目の総合体積が大きい程閾値も大きくなるように、閾値が体積と共に直接変化する。
【0073】
方法68aは体積計算に基づいて、包装しようとする品目を配置し、更に配置し直し、閾値未満の適した容積が求められれば直ちに終了するが、これは一例に過ぎない。実施形態の中には、例えば、特定の閾値レベルよりも低い包装材容積となる配置を発案することが不可能な場合または実用的でない場合もあり得る。このような場合、方法68aは、任意に、カウンタを用いるステップを含み、新たな品目の配置を動作90において発案する毎に、カウンタを進ませることができる(動作94)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、内部カウンタを含むことができ、包装しようとする品目の配置および/または配置し直し毎に、このカウンタが進む。
【0074】
任意に、方法68は、動作88において各体積比較を行った後に、発案した配置の数も評価する。例えば、閾値を超過するように包装材の容積を決定した後、カウンタを評価して、このカウンタが最大カウンタ値に達したか否か判断することができる(動作96)。最大カウンタ値に未だ達していない場合、方法68aは次に進んで、動作90において品目を再度配置し直すことができる。しかしながら、動作96の判断において、最大カウンタ値に達したと判断した場合、方法68aは、代わりに、続いて動作84および90における品目の各配置から必要な包装材容積の検討を行うことができ、最も小さい体積を有する配置を選択する(動作98)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、少なくとも一時的に、発案した各モデル配置についての情報を格納することができ、動作98において、モデル配置毎の体積情報を比較して、どのモデル配置が最も小さい体積を有するか判断することができる。次いで、体積が最も小さくなる配置を選択し、その寸法を用いて、適した包装材型板を立案し切断することができる。
【0075】
更に、本明細書における開示を考慮すれば、包装材の容積を、全ての品目の総合体積と比較することも必要ではなく、方法68aは一例に過ぎないことも認められてしかるべきである。代わりに、包装しようとする品目の多数の配置を発案することもでき、体積が最も小さくなる配置を選択するとよい(体積を、包装しようとする品目の集計体積と比較する必要なく)。発案し比較した配置および再配置の回数を所定数に設定することができ(例えば、カウンタを進ませることによって)、時間に基づいて制限してもよく(例えば、1分の間に発案できるだけの配置)、または他のやり方で制限または設定することもできる。
【0076】
これより
図5Bに移り、個別調整パッケージに合わせて品目を配置する方法の他の実施形態例について説明する(方法68b)。具体的には、
図5Bは、出荷、郵送、および/または取り扱い費用(charge)に関する個別調整パッケージのコストを具体的に特定し、このようなコストを最小に抑える配置を発案する方法例68bを示す。
【0077】
具体的には、方法68bが開始すると(動作100)、全ての包装しようとする品目の重量を計算する(動作102)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、製品情報ストア14における製品寸法属性16にアクセスするためにクエリ15を送り、このような品目の未包装重量についての情報を含む要求を受けることができる。品目の出荷に伴うコストにアクセスすることもできる(例えば、包装材個別調整エンジン12が製品情報ストア14における出荷条件およびコストのストアにアクセスすることによって、あるいは他のアプリケーション24において、または他のアプリケーション24を通じて)。包装しようとする品目に伴う出荷、取り扱い、および/または郵送コストは、少なくとも部分的に、包装しようとする品目の総合重量によって左右されると考えられる。重量が出荷コストに対して最適化することができるか否か判断するために、2つ以上のパッケージ間で総重量を分割することもできる(動作106)。例えば、動作106において、製品販売情報18における製品重量情報、および/または情報ストア14の製品寸法属性16を用い、特定の品目を別々に分けて所望の重量を求めることによって、総重量を分割することができる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、クエリ15を通じて、包装しようとする品目の重量についての情報を得て、2つ以上のパッケージ間で等しく重量を分割することができる。あるいは、包装材個別調整エンジン12は、他の割合で重量を指定してもよい(例えば、最大の重量対コスト比に基づいて、重量を選択する)。
【0078】
個々のパッケージが異なる重量になり得る品目を各々個々に組み合わせ、この組み合わせに基づいて、1つのパッケージに対する出荷コストを、少ない重量のパッケージを多数出荷するときの総合コストと比較することができる(動作108)。1つのパッケージの方が多数のパッケージよりも安い場合、方法68bは次に進んで、品目を1つのパッケージに詰める(動作110)。しかしながら、品目を多数のパッケージに詰めると出荷コストが下がると動作108において判断された場合、品目を多数のパッケージに詰めることができる(動作112)。品目を1つのパッケージに詰めた(動作110)後、または多数のパッケージに詰めた(動作108)後、方法68bは終了することができる(動作114)。1つ以上の別々のパッケージの特定のモデル配置を発案し方法68bが終了した後、このようなモデル配置に関する情報を用いて、このような配置で密閉するための1つ以上の包装材型板を生産することができる。
【0079】
図5Aの方法68aと同様、
図5Bにおける方法68bも繰り返し実行することができる。例えば、動作106において、包装しようとする品目の総重量を、種々の異なる割合で分割することもでき、このような組み合わせの各々に伴う出荷コストを計算することができる。その後、動作108において、どの組み合わせで最も低い出荷コストが得られるかについて判断することができ、次いで、所望の重量が得られるように品目を別々に分けることによって、配置または再配置を行うことができる。
【0080】
更に、出荷、取り扱い、および郵送コストは、重量以外の他の要因にも影響されることがあることは容易に認められよう。例えば、個別調整パッケージの寸法も、出荷、取り扱い、郵送、およびその他のコストに影響を及ぼす可能性がある。したがって、方法68bは、本明細書における開示を考慮することによって、当業者によって、追加の考慮すべき事項を含むように容易に適応させることができる。例えば、品目を異なる重量に分けるだけでなく、1つのパッケージおよび多数のパッケージに伴う出荷コストを決定する配置を動作108の前に実行する、繰り返しプロセスを実施してもよい。このように、方法68bは、重量、物理的寸法、および/またはその他の要因に基づいて、郵送料を低減するように最適化することができる。
【0081】
これより
図5Cに移り、個別調整包装材に合わせて品目を配置する他の実施形態例について説明する。具体的には、
図5Cにおける方法68cは、最も大きい最小寸法に基づいて特定的に品目を配置するが、他の考慮すべき事項を評価することもできる。
【0082】
方法68cが開始すると(動作120)、1つ以上の包装しようとする品目の寸法属性にアクセスすることができる(動作122)。例えば、包装材個別調整エンジン12が、製品情報ストア14に問い合わせて(15)、製品寸法属性16を記述する1つ以上のファイルから寸法情報を得るのでもよい。寸法属性にアクセスするやり方には関係なく、最も大きい最小寸法を判定するとよい(動作124)。例えば、
図2における表30を参照して、包装材個別調整エンジン12は、最小寸法が最も大きいものとして、品目GGを特定する情報を、製品情報ストア14から受け取ることができる。例えば、包装材個別調整エンジン12が表30を繰り返し調べて、品目GGの最小寸法が20であり、表30に列挙されている他の品目は少なくとも1つのそれよりも小さい寸法を有すると判定することができる。他の例では、
図3の購入発注30における品目を特定してもよく、包装材個別調整エンジン12がこのような品目毎に製品寸法属性12を得るのでもよい。この例では、品目GGが注文されていない場合もあり、包装材個別調整エンジン12は、KKが10という最小寸法を有することを判定することができる。この寸法は、購入注文40を用いて注文された他のいずれの品目の最小寸法よりも大きい。
【0083】
最も大きい最小寸法は、1つのパッケージに包装しようとする品目の全てを密閉する個別調整パッケージに可能な、最も小さい寸法を表すことができる。一実施形態では、配置方法68cは、次に、動作124において決定した最も大きな最小寸法を用いて、包装しようとする品目を配置するときに、この最も大きな最小寸法を基準寸法として用いる(動作126)。例えば、包装材個別調整エンジン12は、最も大きな最小寸法を個別調整包装材の全体的な幅として設定し、シミュレーションによるモデル配置の幅が最も大きな最小寸法を超過しないように幅寸法を固定することによって、包装しようとする品目の配置をシミュレーションすることができる。その後、その寸法(例えば、幅)を増大させない限り、最も大きな最小寸法を有する物体の上、回り、または内部に品目を置くことができる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、最小寸法が最も大きい品目を置き、次いで他の品目をこのような品目に対して位置付けることができる。全ての物体をこのように配置し終えたなら、方法68cは終了することができる(動作128)。
【0084】
尚、本明細書における開示を考慮すれば、方法68cは多数の方法のいずれでも適応させることおよび変更することもできることは、容易に明白になるはずである。例えば、方法68cは、繰り返しプロセスであることもでき、多数の配置を行い、最終的に他の何らかの規準(例えば、取り扱いコスト、体積、面積、重量等)に基づいてこれらの配置から1つを選択する。加えて、最も大きな最小寸法自体が、基準寸法に対する開始点を規定することもできる。一例として、個別調整包装材の中に品目を容易にそして効率的に置くことを可能にする程十分に最も大きな最小寸法を増大するように、種々の許容度を適用することができる。加えて、または代わりに、他の何らかのアルゴリズムまたは計算を実行して、最も大きな最小寸法を有すると特定された品目(1つまたは複数)に対して品目を選択し配置するようにしてもよい。更に、多数の最も大きな最小寸法を計算してもよい。例えば、包装しようとする品目を多数のパッケージに分ける場合、多数のパッケージの各々に、最も大きな最小寸法を関連付けてもよい。
【0085】
このように、包装しようとする品目を配置し、任意に配置し直す具体的なやり方(例えば、方法50および68a〜68cにおける)は、様々であり、多数の方法のいずれでも実行することができる。一実施形態では、例えば、ランダムにまたは擬似ランダムに品目を選択してもよい。その後、他の品目を選択して、最後に、選択した品目の上、回り、または内部に置くことができ、このプロセスを品目毎に続けることができる。また、品目を1つずつ選択する場合も、ランダムまたは擬似ランダムであってもよいが、他の実施形態では、品目が集合的にほぼ直方体の形状となる配置を形成できるように、品目をその寸法に少なくとも部分的に基づいて選択する。また、品目の選択自体が繰り返しプロセスであってもよく、全ての品目の配置または再配置が完了する前に、1つの品目を多数回動かしてもよい。
【0086】
場合によっては、品目が全体的に横に並んでまたは縦に並んで配置されるように、多数の品目の特定の寸法(例えば、幅と幅、長さと長さ)をほぼ二次元的に一致させることによって、品目の実際の配置を行うこともできる。しかしながら、本明細書において記載する方法は、そのように限定されるのではない。例えば、包装材個別調整エンジン12は、製品情報ストア14から三次元属性情報を受け取るのでもよく、次いで仮想的または物理的に、包装しようとする品目を三次元で操作することができる。例えば、包装材個別調整エンジン12は、品目を互いに対して回転させ、垂直または水平に品目を互いに離間させ、品目を互いに隣り合わせて、内部に、または積み重ねて配し、あるいはそれ以外で三次元配置が得られるように配置することができる。加えて、形態がほぼ直方体である個別調整包装材を作成することができるので、品目の配置では、例えば、角および/または縁端の近くに品目を配置し、このような角および/または縁端を強固にして損傷から保護することも考慮に入れることによって、個別調整包装材の保全性を維持するように作用するとよい。
【0087】
以上、本明細書では種々の配置方策について説明したが、例示した方法(例えば、方法50および68a〜68c)を一緒に組み合わせること、および/または更に他の配置方法と置き換えることもできる。例えば、一実施形態では、品目を配置する方法が、繰り返しプロセスを用いて、異なる配置を発案してもよく、次いで段ボールまたは他の必要な包装材料の最小量に基づいて、全ての計算した配置を評価することができる。このような考慮すべき事項は、特に、包装材機械には資本投資を提供しないが、代わりに、用いられる段ボールの正方形底面積(square footage)に基づいて、このような機械の使用に対して支払いを行う、ある種のエンティティには格別な関心事であろう。更に他の実施形態では、面積、体積、郵送/出荷、およびその他の考慮すべき事項を纏めて考慮し(例えば、異なる重み値を用いて)、個別調整包装材を生産する際に用いるべき配置を自動的に決定する。
【0088】
これより
図6A〜
図6Cに移ると、本発明にしたがって発案することができる配置の種々の実施形態例が示されている。具体的には、
図6A〜
図6Cは、
図3の購入注文に対応し、
図2の表30における寸法を有する品目の種々の配置例を例示する。
【0089】
図6Aは、例えば、品目のモデル配置130と、購入注文40において特定されるこのような品目の量とを示す。合計26個の品目がモデル配置130に含まれており、この特定の配置が、概略的に直方体の外形を有することが分かる。一実施形態では、図示した配置130は、方法68aにしたがって品目を配置することによって発案される。方法68aは、包装しようとする品目の総体積、他の考慮する配置の体積、または双方と比較したときの配置130の体積に基づいて、配置130を最適化する。
【0090】
図6Aに示すように、配置130は概略的に直方体状であり、長さ(x)、幅(y)、および高さ(z)寸法を有する。
図2の表30における寸法属性に基づいて、配置130は、以下の表1において特定する寸法を大まかに有することができる。
【0091】
図6Bは、
図3の購入注文40を用いて注文された26品目の他の配置例を示す。この配置では、包装しようとする品目は2つのモデル配置140a、140bに分けられている。一例によれば、モデル配置140a、140bは、方法68bを実行する包装材個別調整エンジン12を用いることによって選択されている。例えば、包装材個別調整エンジン12は、モデル配置140a、140bの各々にどの品目を含ませるか選択し、更に品目の集合体の出荷および取り扱いに伴うコストを低減したいという拘束に基づいて、その仮想配置を実行することができる。
【0092】
図6Cは、
図3の購入注文40を用いて注文された品目の他の配置例150を示す。配置150を配置130、140a、および140bと比較することによって認められるように、配置150は同じ品目の集合体を含むが、発案または考慮されるかもしれない他の配置の寸法とは、全く異なる寸法を有することがあり得る。例えば、1つ以上の配置方法を用いて、包装材個別調整エンジン12は配置130、140a、140b、および150の各々を案出することができ、各々、個々の包装しようとする品目の寸法属性は一定であるにも拘わらず、かなり異なる全体的な寸法属性を有することがあり得る。一実施形態によれば、モデル配置150は、方法68aまたは方法68bを用いることによって案出することができるが、他の実施形態では、配置150は、
図5Cの方法68cにしたがって最も大きい最小寸法を考慮することによって案出する。
【0093】
図7A〜
図7Cは、購入注文40において特定した特定の1組の品目に合わせて個別調整した型板として、包装材機械20によって生産した種々の包装材型板160、170a、170b、および170cを示す。
図7Aは、例えば、包装材生産機械20によって生産したときの包装材型板160、およびその組み立てられた外形を示す。生産に際して、型板160は、段ボールまたは他の包装材料によって生産することができ、包装材機械20によるパッケージ160の折り曲げおよび組み立てを容易に行えるように、折り目や切り込みが入れられている。型板160を折り曲げて組み立てられた外形にする1つのやり方を例示するために、
図7Aは、型板上に各パネルA〜Lを示し、更に折り曲げて組み立てられた外形において見ることができる、このようなパネルの対応する位置を示す。
【0094】
型板160は、包装材機械20によって生産することができ、特定の配置にした品目(例えば、購入注文40において注文された品目)に合わせてこの型板を個別調整して、これらの品目とほぼ同じ寸法を有するサイズに作ることができる。包装材型板160は、例えば、
図6Aに示した配置130の同じ寸法にほぼ対応する長さ(x)、幅(y)、および高さ(z)を含む。同様に、型板170aおよび170bも、それぞれ、
図6Bに示した配置140a、140bの同じ寸法にほぼ対応する長さ(x)、幅(y)、および高さ(z)寸法を有する。
図7Cは、
図6Cに示した品目の特定の配置180にほぼ対応する個別調整包装材型板180を示す。
【0095】
表1は、品目の個々の配置を選択するときに行うことができる種々の比較および考慮すべき事項を一層明らかに例示するために、配置130、140a、140b、および150の寸法面に関する種々の詳細例、ならびに包装材型板160、170a、170b、および180のいくつかの対応する特性を示す。
【0097】
本明細書における開示を考慮した表1の検討から認められるように、特定された各配置は、種々の利点を含むことができ、そのために他の配置よりも望ましいものになることができる。更に、3つの基本的な配置を示すが、これは、不必要に本発明を曖昧にするのを避けるために過ぎず、多くの異なる配置も発案し比較することができる。
【0098】
図1において特定した品目配置の属性に関して、特に、考慮すべき拘束が、パッケージの容積を極力抑えたいということである場合、配置130を配置140a、140b、および150の代わりに選択するとよい(例えば、包装材個別調整エンジン12によって)ことが容易に分かる。具体的には、配置130の体積は、配置150における品目の配置と同じ品目の体積よりも小さく、同じ品目を収容するために必要な配置140a、140bの総合体積よりも遙かに小さい。
【0099】
例えば、個別調整パッケージ内部の空き空間量を極力抑えることが望ましい場合、総体積を考慮するとよい。パッケージ内における空き空間を減らすことにより、収容した品目のずれまたはそれらの間の遊びの量を低減することができ、他の代替案よりもぴったりと纏める(precise fit)ことができる。これは、品目のずれが品目自体またはパッケージに対する損傷を招くこともあり、他の品目の損傷にもつながる可能性があるので、重大であると考えられる。更に、空き空間量を減らすことによって、充填材の必要性も低減または解消することができる。
【0100】
しかしながら、包装材の容積を極力抑えることが、常に最小コストになる訳ではなく、他の理由のために常に望ましい訳でもない。例えば、表1に示すように、配置130の総重量は約19ポンドとなる可能性がある。出荷、取り扱い、および/または郵送料金に基づいて、19ポンドのパッケージを送るコストは、同じ品目を含むがこれよりも軽い2つのパッケージを送るコストを超過する可能性がある。したがって、郵送料に基づいて、販売業者または製造業者は、半分の重量の2つのパッケージ間で品目を分配する配置140a、140bのような配置の方を選好することもある。したがって、一例では、包装材個別調整エンジン12は、配置130、140a、140b、および150の各々を評価し、取り扱いコストを低減したいという望みに基づいて、配置140a、140bを選択することができる。このような選択は、自動的であってもよいし、あるいはユーザに対する催促またはユーザからの選択に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0101】
状況によっては、配置130、140a、および/または140bのいずれよりも、配置150に合わせて包装材を個別調整することによって、コストを低減することもできる。例えば、多くの販売業者または製造業者は、包装材機械を用いて個別調整包装材を生産することができるが、このような機械を購入するために必要な資本の出費を回避する方が好ましい場合もある。このような場合、包装機器を専門とする会社が代わりに機器を販売業者または製造業者に提供することもでき、この機器の使用料金は、パッケージ型板を生産するために用いられる段ボールまたは他の包装材料の量に基づくこともできる。このような場合、販売業者、製造業者、あるいは品目を包装する他の人またはエンティティは、包装材料自体を生産するために用いられる材料の量を削減することによって、劇的なコスト節約を体験することができる。
【0102】
用いられる包装材料の量が主要な関心事である場合、このような人またはエンティティは、唯一の関連のある拘束として、包装材自体の表面積にある重み値を関連付けることができ、恐らくは同様に考慮する他の拘束よりも高い重み値を関連付けることができる。このような場合、配置150を選好するとよい。何故なら、配置130の包装材に用いられる材料の量よりも約6パーセントの節約となり、包装配置140a、140bに用いられる材料の量よりも37パーセントの節約となるからである。
【0103】
このように、このような品目の配置のいずれかの選択、および対応する個別調整包装材は、前述の特定した規準または他の何らかの所望の規準に基づけばよく、個別調整包装材と共に用いるための特定の配置を選択する際に、コストを常に考慮する必要はない。更に、実施形態の中には、特定の配置の選択が自動的に行われ、1組の品目を受け取る時点から、品目の配置を特定および/または選択する時点まで、どの配置を用いるか、またはどの包装材型板を生産するか決定するために、人間の介入または手作業の介入が必要とならないようにする。他の実施形態では、しかしながら、配置の選択を手作業で入力してもよい(例えば、個別調整包装システムの操作者によって)。例えば、配置および個別調整包装材の種々の構成および/または特性を操作者に表示するかまたは他の方法で提示して、どの配置が好ましいか操作者が選択することを可能にするとよい。
【0104】
以上の論述は、特定の注文またはその他の品目の集合体に合わせた箱の個別調整に関するが、記載した方法は他の使用にも容易に適応できることは認められてしかるべきである。例えば、一実施形態によれば、包装材個別調整エンジンを包装材生産機械に接続しなくてもよい。代わりに、販売業者、製造業者、あるいは1つ以上の品目の集合体を包装することを望む他の人またはエンティティが、このような情報を提供するのであってもよい。物体についての情報が包装材個別調整エンジンにおいて受け取られると、包装材個別調整エンジンは情報ストアにアクセスし、品目を配置し、および/または配置の寸法を得ることができる。その後、包装材型板を作成するまたは寸法を包装材生産機械に送る代わりに、包装材個別調整エンジンが代わりに、既に入手可能になっている、異なるサイズで作られている箱についての情報にアクセスすることができる。
【0105】
本明細書における開示を考慮すれば認められようが、多くのサイズの標準的な箱が入手可能であるとよい。品目を選択し手作業で並べる場合、これらの品目を手作業で並べる人が選択した箱が、小さすぎるかもしれず、特定の箱に品目を収めようとして無駄な労力を費やすことになる。また、適したサイズに作られた箱を人が選択することもあるが、全ての品目をその箱に収める方法を見いだそうとして貴重な時間を費やすかもしれない。小さすぎる箱、または適したサイズに作られた箱でさえも選択することによって浪費されるかもしれない時間のために、人は、代わりに、意図してまたは意図しなくても、品目に必要とされるよりも大きな箱を選択することもあり、場合によっては、遙かに大きな箱を選択することもあり得る。大きな箱を使用すると、その箱に品目を詰め込むのに要する時間を短縮することができるが、郵送コスト、箱自体の材料コスト、充填材のコストが上昇し、収容されている品目の損傷または損失の危険性も高まる虞れがある。
【0106】
したがって、本発明の一実施形態は、特定の品目に合わせて特別に個別調整されたパッケージを切断することに関するが、他の実施形態は、既に入手可能な種々の箱の内どれが、品目の集合体に最も適しているか特定することに関する。箱は、包装材個別調整エンジンによって特定することができ、品目のモデル配置の型板も、箱または他のパッケージの効率的な詰め込み(packing)を可能にするように供給することができる。
【0107】
本明細書における論述は、実行することができる多数の方法および方法ステップ、ならびに動作について述べている。尚、これらの方法ステップや動作はある種の順序で論じられ、特定の順序で出てくるフロー・チャートに示されることもあるが、特に記載がない限りまたは要求されない限り、特定の順序が必ずしも要求されるのではない。何故なら、1つの動作は、その動作が実行される前に考えられる他の動作に依存するからである。
【0108】
本発明の実施形態は、特殊目的コンピュータまたは汎用コンピュータを備えればよく、あるいは利用するのでもよい。このコンピュータは、例えば、1つ以上のプロセッサおよびシステム・メモリというような、コンピュータ・ハードウェアを含む。これについては、以下で更に詳しく論ずる。また、本発明の範囲に該当する実施形態は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を支持または格納する物理的およびその他のコンピュータ読み取り可能媒体も含む。このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、汎用コンピュータ・システムまたは特殊目的コンピュータ・システムによってアクセスすることができる入手可能な媒体であればいずれでも可能である。コンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令を搬送するコンピュータ読み取り可能媒体は、伝送媒体である。つまり、一例としてそして限定ではなく、本発明の実施形態は少なくとも2つの別個の種類のコンピュータ読み取り可能媒体を備えることができ、少なくともコンピュータ記憶媒体および伝送媒体を含む。
【0109】
コンピュータ記憶媒体の例には、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク・ストレージ、磁気ディスク・ストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピュータ実行可能命令の形態で所望のプログラム・コード手段またはデータ構造を格納するために用いることができ、更に汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータによってアクセスすることができるその他のあらゆる媒体が含まれる。
【0110】
「ネットワーク」は、コンピュータ・システムおよび/またはモジュール、エンジン、および/または他の電子デバイス間における電子データの伝送を可能にする1つ以上のデータ・リンクとして定義する。情報をネットワークまたは他の通信接続(ハードワイヤ接続、ワイヤレス、あるいはハードワイヤ接続またはワイヤレスの組み合わせ)を通じてコンピュータに転送するとき、このコンピュータは接続を当然伝送媒体として見なす。伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令の形態とした所望のプログラム・コード手段またはデータ構造を搬送するために用いることができ、更に汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータによってアクセスすることができるネットワークおよび/またはデータ・リンクを含むことができる。以上の組み合わせも、コンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれてしかるべきである。
【0111】
更に、種々のコンピュータ・システムのコンポーネントに到達すると、コンピュータ実行可能命令の形態としたプログラム・コード手段またはデータ構造を、自動的に伝送媒体からコンピュータ記憶媒体に転送する(またはその逆)ことができる。例えば、ネットワークまたはデータ・リンクを通じて受信したコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワーク・インターフェース・モジュール(例えば、「NIC」)の中にあるRAMにバッファすることができ、その後最終的にコンピュータ・システムのRAMに転送すること、および/またはコンピュータ・システムにおいて揮発性でない(less volatile)コンピュータ記憶媒体に転送することができる。つまり、コンピュータ記憶媒体(デバイス)は、同様に伝送媒体を利用する(または主に利用するのであっても)コンピュータ・システムのコンポーネントに含むことができることは言うまでもない。
【0112】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、命令およびデータを含む。コンピュータ実行可能命令をプロセッサにおいて実行すると、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または特殊目的処理デバイスに、ある種の機能または機能の集合体を実行させる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリー、アセンブリ言語のような中間フォーマット命令、またはソース・コードであってもよい。本主題について、構造的特徴および/または方法論的動作に特定的な言葉で説明したが、添付した特許請求の範囲に定義した本主題は、必ずしも先に記載した特徴や動作には限定されないことは言うまでもない。逆に、記載した特徴および動作は、特許請求の範囲を実現する(implement)形態例として開示するまでである。
【0113】
尚、本発明は、多くのタイプのコンピュータ・システム構成を有するネットワーク計算環境において実施する(practice)ことができることは、当業者には認められよう。多くのタイプのコンピュータ・システム構成には、パーソナル・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、メッセージ・プロセッサ、ハンドヘルド・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサに基づくまたはプログラマブルな消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、移動体電話機、PDA、ページャ、ルータ、スイッチ等が含まれる。また、本発明は、分散型システム環境においても実施することができる。分散型システム環境では、ネットワークを通じてリンクされている(ハードワイヤ接続したデータ・リンク、ワイヤレス・データ・リンク、またはハードワイヤ接続およびワイヤレス・データ/リンクのいずれかによって)ローカルおよびリモート・コンピュータ・システムの双方が、タスクを実行する。分散型システム環境では、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモート双方のメモリ記憶デバイスに配置することができる。
【0114】
また、本発明は、包装材機械内に統合されているあるいは、ネットワーク接続、ワイヤレス接続、またはハードワイヤ接続のいずれかには係わらず、これに結合されている特殊目的計算にまたは他の計算機において実施することもできる。包装材機械の例には、包装材型板を形成するために包装材料に切り込みや折り目を入れる機械を含むことができる。また、本発明の実施形態と共に用いるのに適した包装材機械の例は、直接または間接的に、包装材機械が寸法入力を受け入れて、この入力に基づいて個別調整包装材型板を立案することを可能にする、プログラム・コードを実行することもできる。このような入力は、手作業で供給することもでき、本明細書において記載したように、包装材個別調整エンジンによって供給することもできる。例えば、包装材個別調整エンジンは自動的に必要な寸法を決定する。実施形態の中には、包装材個別調整エンジンも個別調整包装材型板を切断する包装材機械の中に組み込んでもよい場合もあり、一方他の実施形態では、包装材機械とは別々であり、これと通信するように結合される。
【0115】
以上、本発明について、明確さおよび理解の目的で、例示および一例として多少詳細に説明したが、本明細書における開示を考慮すれば、ある種の変更や修正は当業者には明白であろう。記載した実施形態は、あらゆる観点において、例示であり限定ではないと考えることとする。例えば、本明細書において締結構造(anchoring structure)として作用すると記載したフレーム構造は、種々の形態を成すこともでき、連結式リンク、膨張可能な風船、多層コイル等を含むことができる。つまり、特許請求の範囲の均等の意味および範囲に該当する全ての変更は、それらの範囲に含まれるものとする。