(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0012】
本実施の形態に係るスロットマシン等の遊技機10を、以下、
図1、
図2、
図3を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る遊技機10は、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、4個の回転リール62(正面から向かって左側から第1回転リール63、第2回転リール64、第3回転リール65、第4回転リール66)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。
【0013】
この図柄表示窓部16は、4個すべての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横4行に配置した合計12個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。また、回転リール62は、複数の図柄61を、図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、4個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計4個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
【0014】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。
なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより演出装置70の一種としても使用される。
【0015】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
【0016】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0017】
(精算スイッチ36)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
(ストップスイッチ50)
この精算スイッチ36の左側には、停止操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、4個の回転リール62のそれぞれに対応する4個のストップスイッチ50が設けられている。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の停止操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。以下、
図2を参照しながら各ストップスイッチ50の構成について詳細に説明する。
【0018】
各ストップスイッチ50は、
図2に示すように、略長方形状を呈するスイッチ設置面96に設けられ、このスイッチ設置面96の長手方向に沿って各ストップスイッチ50が1列に配置されている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は、4個の回転リール62が設けられている、いわゆる4thリール機であり、4個の回転リール62のそれぞれに対応して4個のストップスイッチ50が設けられている。これらのストップスイッチ50は、左側から第1ストップスイッチ51、第2ストップスイッチ52、第3ストップスイッチ53、第4ストップスイッチ54と称する。
【0019】
また、第4ストップスイッチ54の前面には、第4ストップスイッチ54の前面の一部を遮蔽可能なスライド式の移動体91が設けられている。この移動体91の構成については後述する。
第1ストップスイッチ51及び第2ストップスイッチ52は、略楕円形状の外観を呈する。一方、第3ストップスイッチ53は、第1ストップスイッチ51及び第2ストップスイッチ52の形状とは異なり、略半円形状の外観を呈する。また、第4ストップスイッチ54は、第1ストップスイッチ51、第2ストップスイッチ52及び第3ストップスイッチ53の形状とは異なり、略方形状の左部54a(
図2(a)参照。)と、この左部54aに連接し、略半円形状を呈する右部54b(
図2(b)参照。)とからなる外観を呈する。
【0020】
また、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とは、遊技者の一本の手指を用いて同時に停止操作可能な程度に近接しているため、左部54aと第3ストップスイッチ53とを同時に停止操作することができる。
なお、本実施の形態では、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とを近接するように形成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1ストップスイッチ51と第2ストップスイッチ52、又は第2ストップスイッチ52と第3ストップスイッチ53等とを近接して形成してもよい。
【0021】
(移動装置90)
図2(a)、(b)に示すように、スイッチ設置面96には、このスイッチ設置面96に設置された第4ストップスイッチ54の前面を移動可能な移動体91が取り付けられている。また、この移動体91の下部には、移動体91を駆動させるための移動機構92が形成されている。
(移動体91)
図2に示すように、スイッチ設置面96には、第4ストップスイッチ54の前面の一部を遮蔽可能なスライド式の移動体91が取り付けられている。
【0022】
移動体91は、スイッチ設置面96に平行であり、かつ、スイッチ設置面96の長手方向に延びた略長方形状に形成されている。
移動体91の上下方向の高さは、スイッチ設置面96の上下方向の高さとほぼ同じ長さに形成されている。また、移動体91は、
図3に示すように断面コ字状を呈し、その空間の奥行きは、第4ストップスイッチ54の前後方向の厚みよりも深くなるように形成されている。
さらに、移動体91は、遊技者の停止操作により押圧しても、第4ストップスイッチ54に接触しない程度の強度を有するように形成されているため、遊技者が移動体91を押圧しても第4ストップスイッチ54と接触することがない。
【0023】
ここで、移動体91の下端部には、移動体91と一体化されたラックギア93が形成されている。
これにより、移動体91は、
図2(b)に示す、各ストップスイッチ50を独立して停止操作可能な位置(以下、「独立操作可能位置」とする。)から、
図2(a)に示す、隣接する第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とが同時に停止操作可能な位置(以下、「同時操作可能位置」とする。)までの間を移動可能とすることができる。
(移動機構92)
移動機構92は、移動体91を移動させるためものである。
【0024】
移動機構92は、移動体91と係合するラックギア93と、ラックギア93に噛合するピニオンギア94と、ピニオンギア94を回転駆動させるモータ95とから構成されている。
移動機構92は、モータ95を回転させることにより、ピニオンギア94を時計回り又は反時計回りに回転させ、これに噛合するラックギア93を介して、移動体91の移動を行う。なお、移動体91の移動量は、モータ95に入力する駆動用パルス信号の数により決定される。また、移動体91の停止方法として、例えば、移動体91の両端に物体との接触を感知するリミットスイッチを設け、このリミットスイッチに接触したときに停止するように形成してもよい。
【0025】
本実施の形態に係る遊技機10は、後述する通常遊技中においては、移動体91は同時操作可能位置に存在しており、通常遊技から後述するAT遊技に移行した場合には、移動体91は同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動するように形成されている。
なお、本実施の形態では、移動機構92をモータ95の直接駆動によって移動体91を移動させるように形成したが、この構成に限定されるものではない。
例えば、
図9に示すように、ベルト97を用いたベルト駆動の移動機構92として、移動体91が各ストップスイッチ50の前面を移動可能に形成してもよい。また、当該構成は
図9に示すように、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54と同形状のストップスイッチ50を2組設けた構成に好適なものとされる。
【0026】
当該構成によれば、最小2回の停止操作で4個の回転リール62の図柄61の変動表示を停止できる上、状態によっては各ストップスイッチ50を独立して停止操作可能となるためである。
(スタートスイッチ40)
図1に示すように、第1ストップスイッチ51の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0027】
(マックスベットスイッチ34)
このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、本実施の形態では、後述するように有効ライン86は1本であるため、マックスベットスイッチ32の他に、クレジットしたメダルを1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けていないが、有効ライン86を1本以外の2本以上の複数本設定されている場合は、投入枚数を遊技者が選択可能にするために、シングルベットスイッチを設けるようにしても良い。
【0028】
(貯留払出手段24等)
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができると共に、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図4参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。
【0029】
なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の図柄61の変動表示を開始させて遊技が開始されるとともに、後述する遊技制御部110の抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。
【0030】
そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の停止操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の図柄61の変動表示を役抽選の結果に適合するように停止させる。
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、「有効ライン86」とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0031】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段150の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、各回転リール62の中段を直線的に結んだ1本のみからなるものである。また、有効ライン86は1本に限定されず、2本以上であっても良い。
(制御装置100)
図4に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技の進行を制御する遊技制御部110と、この遊技制御部110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行う演出制御部500とを備えている。
【0032】
なお、遊技制御部110と演出制御部500との間は、遊技制御部110への不正操作を防止するために、遊技制御部110から演出制御部500への一方向の通信により行われ、演出制御部500から遊技制御部110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。遊技制御部110は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。
演出制御部500は、遊技制御部110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。演出制御部500の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78と共に移動機構92の各パーツが接続されている。
【0033】
なお、特に図示していないが、遊技制御部110を有するメイン基板と、演出制御部500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、遊技制御部110は、メイン基板ケースの内部に収納され、演出制御部500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
遊技制御部110及び演出制御部500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0034】
ここで、本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。また、通常遊技とは異なる特殊遊技として、ストップスイッチ50の特定の操作態様(以下、「押し順」とする。)や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃えて停止させるためのアシストをするアシストタイム(以下、「AT遊技」とする。)が設けられている。
(遊技制御部110)
図4に示すように、遊技制御部110は、遊技制御手段120、役抽選手段130、リール制御手段140、停止図柄判定手段150、払出制御手段160、AT抽選手段170、AT制御手段180、送信手段190の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0035】
以上の構成をもって、遊技制御部110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止した図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
すなわち、遊技制御部110は、遊技を制御するためのものである。
(遊技制御手段120)
遊技制御手段120は、遊技を制御するためのものであって、遊技制御部110における遊技を実行するためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0036】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。
そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段130により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。
【0037】
また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、4個すべての回転リール62の回転が開始する。
本実施の形態では、役として、少なくとも、小役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0038】
その後に、4個のストップスイッチ50のうち1個を停止操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、4個すべてのストップスイッチ50の停止操作を終えると、4個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。
本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0039】
(役抽選手段130)
役抽選手段130は、役抽選により出現確率の異なる複数種類の役抽選結果、すなわち「ハズレ」を含めて「小役」の当否を決定するものである。
すなわち、役抽選手段130は、遊技制御部110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段130は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを備えており、遊技制御部110の「ROM」上に記憶されている。
【0040】
役抽選手段130は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段130による処理は、後述するステップS11(
図6参照)において行われる。
(リール制御手段140)
リール制御手段140は、遊技制御部110が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段140は、役抽選手段130の抽選結果と、各ストップスイッチ50が停止操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。
【0041】
なお、リール制御手段140は、必要に応じて各ストップスイッチ50の押し順が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。このリール制御手段140による処理は、後述するステップS12(
図6参照)において行われる。
(停止図柄判定手段150)
停止図柄判定手段150は、遊技制御部110が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段150による処理は、後述するステップS13(
図6参照)において行われる。
【0042】
(払出制御手段160)
払出制御手段160は、停止図柄判定手段150の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段160は、停止図柄判定手段150の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。なお、払出制御手段160による処理は、後述するステップS14(
図6参照)において行われる。
(AT抽選手段170)
AT抽選手段170は、AT遊技へ移行の当否につき抽選を行うものである。
【0043】
具体的には、AT抽選手段170は、AT遊技への移行契機となる抽選(以下、「AT抽選」とする。)を行い、当該抽選に当選することでAT遊技への移行を決定する。
ここで、遊技制御部110は、AT抽選に当選すると、後述する送信手段190によりAT抽選の当選に係る移行情報を演出制御部500に送信する。そして、演出制御部500は、後述する受信手段520により当該移行情報を受信して、遊技状態をAT遊技に移行する。
(AT制御手段180)
AT制御手段180は、AT抽選手段170によるAT抽選の当否の判定を行い、当選判定を契機にAT遊技の区間を管理するものであり、本実施の形態では、AT遊技の区間をゲーム数で管理している。このAT制御手段180は、
図5に示すように、ゲーム数抽選手段181及びゲーム数カウント手段182を有する。
【0044】
なお、本実施の形態では、AT遊技の区間をゲーム数で管理しているが、これに限定されず、所定枚数のメダルが払い出された場合や、所定の純増枚数に達することなどによりAT遊技の区間管理を行ってもよい。
(ゲーム数抽選手段181)
ゲーム数抽選手段181は、AT抽選手段170によるAT抽選の当選を契機に、AT遊技の初期ゲーム数抽選(以下、「ゲーム数抽選」とする。)を行うものである。
具体的には、ゲーム数抽選手段181は、AT抽選手段170が行うAT抽選に当選していると判定した場合に、ゲーム数抽選を行ってAT遊技の初期ゲーム数を決定する。なお、このゲーム数抽選は、上記に述べたものには限定されず、例えば、AT遊技への移行時に行ってもよい。
【0045】
(ゲーム数カウント手段182)
ゲーム数カウント手段182は、AT遊技の終了を管理、換言すると、AT遊技のゲーム数のカウントを行うものである。
具体的には、ゲーム数カウント手段182は、AT遊技のゲーム数をカウントするためのゲーム数カウンタを有しており、ゲーム数抽選手段181が行うゲーム数抽選により決定された初期ゲーム数をゲーム数カウンタに記憶して、当該AT遊技における初期ゲーム数のカウント値とする。AT遊技移行後は、遊技が行われる毎に、ゲーム数カウント手段182のカウント値が1ずつ減算される。
【0046】
そして、カウント値が0になると、AT制御手段180はAT遊技の終了を決定する。
なお、本実施の形態では、所定の数値から減算していき、その数値が0となることで遊技区間を管理する、いわゆるダウンカウントを採用したが、この方法に限られず、所定の数値に到達することで遊技区間を管理する、いわゆるアップカウントを採用してもよい。
(送信手段190)
送信手段190は、演出制御部500へ遊技に関する種々の情報を送信するものである。
具体的には、送信手段190は、演出制御部500に対して、少なくとも当選役に対応した停止操作に関する情報(以下、「停止操作関連情報」とする。)、AT抽選手段170の抽選結果に関する情報(以下、「移行情報」とする。)、AT遊技におけるカウント値が0となったため、AT遊技を終了する旨の情報(以下、「AT終了情報」という。)を送信する。
【0047】
(演出制御部500)
図4に示すように、演出制御部500は、演出制御手段510、報知制御手段515、受信手段520、移動決定手段530、移動制御手段540を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、演出制御部500は、遊技制御部110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
(演出制御手段510)
演出制御手段510は、表示装置84、演出用ランプ78及びスピーカー72の動作を制御して、遊技を盛り上げるための演出動作を実行するものである。
【0048】
(報知制御手段515)
報知制御手段515は、表示装置84の動作を制御して、役抽選で当選した役を報知する報知演出を実行するものである。
具体的には、報知制御手段515は、AT遊技中に、役抽選で停止操作順序の報知を行う対象役に当選すると、4個のストップスイッチ50の24通りある操作順序のうち、当選した役に対応した図柄61の組み合わせが停止表示される正解の押し順を、表示装置84の画面に表示する報知演出や、当選した役に対応した図柄61を、表示装置84の画面に表示する報知演出における各装置の動作を制御するものである。
【0049】
(受信手段520)
受信手段520は、送信手段190からの信号を受信するものである。
具体的には、受信手段520は、送信手段190から、少なくとも停止操作関連情報、移行情報及びAT終了情報の受信を行う。そして、受信した情報に基づいて演出制御手段510により遊技の進行に伴う演出が行われる。
(移動決定手段530)
移動決定手段530は、遊技状態に応じて、移動体91の移動を決定するものである。
【0050】
具体的には、移動決定手段530は、AT抽選手段170が行うAT抽選に当選した旨の移行情報を受信手段520が受信したことに基づき、移動体91の同時操作可能位置からの移動を許可する。また、移動決定手段530は、送信手段190からAT遊技におけるカウント値が0となった旨のAT終了情報を受信手段520が受信したことに基づき、移動体91の独立操作可能位置からの移動を許可する。
また、移動決定手段530による移動体91の移動の決定は、上記の方法には限定されない。例えば、筐体12に演出用スイッチを設け、遊技状態の変化に合わせて、遊技者がこの演出用スイッチを操作(例えば、連打や所定のタイミング操作など)したときに移動体91の移動を決定してもよい。
【0051】
(移動制御手段540)
移動制御手段540は、AT抽選手段170が行う抽選の結果に基づき、移動体91の同時操作可能位置と独立操作可能位置との間の移動を制御するものである。
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は、通常遊技中においては、移動体91は同時操作可能位置に存在しており、通常遊技からAT遊技に移行した場合には、移動体91は同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動するように形成されている。
具体的には、移動制御手段540は、通常遊技中にAT抽選手段170が行うAT抽選に当選した旨の移行情報を受信手段520が受信したことに基づき、移動決定手段530により移動体91の移動が許可されると、移動機構92を作動して、移動体91を同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動させる。
【0052】
また、移動制御手段540は、AT遊技中にゲーム数カウント手段182のAT遊技におけるカウント値が0となった旨のAT終了情報を受信手段520が受信したことに基づき、移動決定手段530により移動体91の移動が許可されると、移動機構92を作動して、移動体91を独立操作可能位置から同時操作可能位置へ移動させる。
これにより、移動体91が同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動した場合には、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54との近接部分付近が遮蔽されるため、各ストップスイッチ50が独立して停止操作可能となる。
【0053】
一方、移動体91が独立操作可能位置から同時操作可能位置へ移動した場合には、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54との近接部分が露出されるため、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とを一回の停止操作で同時に停止操作可能となる。
本実施の形態では、移動制御手段540の指示に基づいて移動体91が所定の位置に移動した後、スタートスイッチ40の操作を契機にリールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。そして、回転リール62が所定の回転速度に達した後、各ストップスイッチ50の停止操作を有効化する。
【0054】
なお、遊技状態が通常遊技からAT遊技に移行する際の移動体91の移動タイミングは、通常遊技の終了後、AT遊技の開始前に行うことが望ましい。即ち、移動体91の移動が終了するまでは、AT遊技の開始を待機させる。また、このAT遊技開始までの待機期間を利用して、AT遊技の準備状態であることを示す準備演出として、リールを用いた演出などを実行してもよい。
なお、上記の移動体91の移動タイミングは、遊技状態がAT遊技から通常遊技に移行する際も同様である。
【0055】
これらのタイミングで移動体91の移動を行うことで、遊技者が各ストップスイッチ50の停止操作を試みた際に、移動体91と遊技者の手指とが接触してしまう蓋然性を防止できるからである。
なお、本実施の形態では、移動決定手段530及び移動制御手段540を演出制御部500に設けたが、これに限定されず遊技制御部110に設けてもよい。
(
図6を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図6に示すフローチャートに基づいて、遊技制御部110が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0056】
ステップS10において、遊技制御部110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、遊技制御部110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、遊技制御部110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0057】
ステップS11において、役抽選手段130により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果が遊技制御部110から演出制御部500へ送信される。そして、当該処理が終了すると、次のステップS12に進む。
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、遊技制御部110により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の停止操作があった場合に、リール制御手段140により、各回転リール62の回転が停止させられる。
【0058】
このときのストップスイッチ50(第1ストップスイッチ51、第2ストップスイッチ52、第3ストップスイッチ53、第4ストップスイッチ54)の当選役に対応する押し順は、遊技制御部110に形成された所定の記憶領域に記憶される。
また、全ての停止操作終了後、遊技制御部110から演出制御部500へ各回転リール62の全回胴停止情報が送信される。そして、各回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段150により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、遊技制御部110から演出制御部500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0059】
ステップS14において、払出制御手段160により、停止図柄判定手段150の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定の結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理を終了する。
(AT遊技の開始から終了までの一連の流れについての説明)
(概略)
以下、遊技状態を通常遊技からAT遊技へと移行し、AT遊技の開始から終了までの一連の流れ及び遊技状態の変化に伴う移動体91の動きについて説明する。
【0060】
具体的には、
(1) AT遊技への移行及び開始。
(2) AT遊技の終了。
に分けて説明していく。
(1) AT遊技への移行及び開始
AT遊技は、AT抽選手段170が行うAT抽選に当選し、演出制御部500が当選に係る移行情報を受信して、移行処理を行うことで開始される。以下、各段階について説明する。
【0061】
遊技制御部110では、AT抽選手段170によりAT抽選を行い、AT制御手段180がAT抽選の結果が当選か非当選かを判定する。
そして、AT抽選手段170によるAT抽選に当選した場合は、ゲーム数抽選手段181により、ゲーム数抽選を行って、AT遊技の初期ゲーム数を決定する。その後、当該ゲーム数抽選により決定されたAT遊技の初期ゲーム数をゲーム数カウント手段182により、ゲーム数カウンタに記憶する。
また、遊技制御部110は、送信手段190により当該移行情報を演出制御部500に送信する。
【0062】
このとき、演出制御部500では、受信手段520により当該移行情報を受信すると、移動決定手段530により移動体91の同時操作可能位置から独立操作可能位置への移動が許可される。
そして、移動制御手段540は、移動決定手段530による移動体91の移動の許可決定に基づいて、移動機構92を作動して移動体91を同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動させる。その後、AT遊技が開始され、報知制御手段515により当該遊技状態に応じた演出が実行される。
【0063】
以上により、遊技状態がAT遊技へ移行して、移動体91が同時操作可能位置から独立操作可能位置へ移動した結果、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54との近接部分付近が遮蔽されるため、各ストップスイッチ50が独立して停止操作可能となる。
(2) AT遊技の終了
AT遊技は、ゲーム数カウント手段182のカウント値が0になると終了する。
AT遊技は、上記ゲーム数抽選手段181が行うゲーム数抽選により決定されたAT遊技の初期ゲーム数で開始され、遊技が行われる毎に、ゲーム数カウント手段182のカウント値が1ずつ減算される。
【0064】
そして、遊技が行われる毎にカウント値が1ずつ減算されていった結果、カウント値が0になると、AT制御手段180は、AT遊技の終了を決定する。
このとき、遊技制御部110は、演出制御部500に対し送信手段190により、ゲーム数カウント手段182のカウント値が0となった旨のAT終了情報を送信する。
そして、演出制御部500では、受信手段520により当該AT遊技のAT終了情報を受信すると、移動決定手段530により移動体91の独立操作可能位置から同時操作可能位置への移動が許可される。
【0065】
その後、演出制御部500は、移動決定手段530による移動体91の移動の許可決定に基づいて、移動制御手段540により移動機構92が作動され、移動体91を独立操作可能位置から同時操作可能位置へ移動させて、AT遊技を終了する。
以上により、遊技状態が通常遊技へ移行して、移動体91が独立操作可能位置から同時操作可能位置へ移動した結果、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54との近接部分が露出されるため、第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とを一回の停止操作で同時に停止操作可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態では、4thリール機について説明したが、3rdリール機においても、同様に、移動体91を設け、通常遊技中は同時操作可能位置とし、AT遊技中は独立操作可能位置とすることも可能である。
(変形例)
以下、
図7、
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る変形例を説明する。また、変形例において、上記実施の形態と同一の構成要素には、実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、実施の形態と重複する部分は説明を省略し、変形例における特徴点を中心に説明する。
【0067】
(ストップスイッチ50)
図7に示すように、変形例におけるストップスイッチ50は、回転リール62の下側に位置する4個のストップスイッチ50からなる独立操作用ストップスイッチ群55(正面から向かって左側から第1ストップスイッチ51、第2ストップスイッチ52、第3ストップスイッチ53、第4ストップスイッチ54)と、第1ストップスイッチ51の左側に略扇形状の4個のストップスイッチ50が集合した同時操作用ストップスイッチ群56とを備えている。
この同時操作用ストップスイッチ群56は、遊技状態が通常遊技の場合に用いられ、独立操作用ストップスイッチ群55は、遊技状態が通常遊技とは異なる特殊遊技であるAT遊技である場合に用いられる。
【0068】
以下、同時操作用ストップスイッチ群56について説明する。なお、独立操作用ストップスイッチ群55の各ストップスイッチ50の形状は、略楕円形状を呈している。すなわち、上記実施の形態における第1ストップスイッチ51及び第2ストップスイッチ52と同形状のストップスイッチ50を4個使用したものであり、その他の構成については差異がないため、説明は割愛する。
略扇形状の4個のストップスイッチ50の集合からなる同時操作用ストップスイッチ群56は、独立操作用ストップスイッチ群55の各ストップスイッチ50と同形状であり、また、その大きさも各ストップスイッチ50と同程度となっている。
【0069】
ここで、同時操作用ストップスイッチ群56は、その左上に位置するAスイッチ56a、Aスイッチ56aの下側に位置するBスイッチ56b、Aスイッチ56aの右側に位置するCスイッチ56c及びCスイッチ56cの下側に位置するDスイッチ56dから構成されている。
なお、同時操作用ストップスイッチ群56の各ストップスイッチ50の形状は
図7の形状に限定されない。
また、上記独立操作用ストップスイッチ群55及び同時操作用ストップスイッチ群56は、遊技機10内部の図示しないストップスイッチセンサーに接続されており、当該停止操作されたストップスイッチ50の情報が対応するストップスイッチセンサーを通じて遊技制御部110に入力されるようになっている。
【0070】
このとき、第1ストップスイッチ51及びAスイッチ56a、第2ストップスイッチ52及びBスイッチ56b、第3ストップスイッチ53及びCスイッチ56c、第4ストップスイッチ54及びDスイッチ56dは同一のストップスイッチセンサーに接続されている。
ここで、変形例における遊技機10は、通常遊技中においては、独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作の入力を無効化し、同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作の入力を有効化しており、AT遊技中においては、同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作の入力を無効化し、独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作の入力が有効化されるように形成されている。
【0071】
なお、変形例における遊技機10では、上記のように、通常遊技中においては、同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作の入力のみが有効化され、AT遊技中においては、独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作の入力のみが有効化されるように形成されているが、この構成に限定されず、通常遊技中及びAT遊技中においても、同時操作用ストップスイッチ群56と独立操作用ストップスイッチ群55との双方の停止操作の入力を有効化してもよい。
(制御装置100)
図8に示すように、変形例における遊技制御部110は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。
【0072】
また、変形例における演出制御部500は、遊技制御部110から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。演出制御部500の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
(遊技制御部110)
図8に示すように、変形例における遊技制御部110は、上記実施の形態の構成に加え、ストップスイッチ制御手段200を備える。
(ストップスイッチ制御手段200)
ストップスイッチ制御手段200は、遊技者の停止操作により独立操作用ストップスイッチ群55又は同時操作用ストップスイッチ群56が発する信号を遊技状態に応じて、遮断等の制御を行うものである。
【0073】
具体的には、ストップスイッチ制御手段200は、遊技状態が通常遊技である場合には、独立操作用ストップスイッチ群55から発する信号を遮断し、同時操作用ストップスイッチ群56から発する信号のみが入力されるように制御を行う。一方、AT抽選手段170による抽選に当選し、AT遊技へ移行した場合には、同時操作用ストップスイッチ群56から発する信号を遮断し、独立操作用ストップスイッチ群55から発する信号のみが入力されるように制御を行う。
したがって、滞在時間の長くなりがちな通常遊技においては一回の停止操作で同時操作用ストップスイッチ群56を構成する各ストップスイッチ50が同時に停止操作可能となり、遊技者にとって有利となり得るAT遊技においては独立操作用ストップスイッチ群55が備える各ストップスイッチ50を独立して停止操作可能となっている。
【0074】
なお、ストップスイッチ制御手段200は、遊技状態に応じて、独立操作用ストップスイッチ群55又は同時操作用ストップスイッチ群56から発する信号を遮断するように構成したが、この構成に限定されるものではない。
例えば、遊技制御部110は、通常遊技中及びAT遊技中の何れの遊技状態においても独立操作用ストップスイッチ群55及び同時操作用ストップスイッチ群56双方の入力信号を受け付けるが、通常遊技中は独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作のみ無効化し、AT遊技中は同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作のみ無効化することも可能である。
【0075】
(演出制御部500)
図8に示すように、変形例における演出制御部500は、演出制御手段510、報知制御手段515、受信手段520を有する。各手段の説明については上記実施の形態と同様のため割愛する。
(AT遊技の開始から終了までの一連の流れについての説明)
(概略)
以下、遊技状態をAT遊技へと移行し、AT遊技の開始から終了までの一連の流れ及び遊技状態の変化に伴うストップスイッチ50の停止操作の有効性について説明する。
【0076】
具体的には、
(1) AT遊技への移行及び開始。
(2) AT遊技の終了。
に分けて説明していく。
(1) AT遊技への移行及び開始
AT遊技は、AT抽選手段170が行うAT抽選に当選し、演出制御部500が当選に係る移行情報を受信して、移行処理を行うことで開始される。以下、各段階について説明する。
【0077】
遊技制御部110では、AT抽選手段170によりAT抽選を行い、AT制御手段180がAT抽選の結果が当選か非当選かを判定する。
そして、AT抽選手段170によるAT抽選に当選した場合は、ゲーム数抽選手段181により、ゲーム数抽選を行って、AT遊技の初期ゲーム数を決定する。その後、当該ゲーム数抽選により決定されたAT遊技の初期ゲーム数をゲーム数カウント手段182により、ゲーム数カウンタに記憶する。
また、遊技制御部110は、AT抽選手段170によるAT抽選に当選すると、ストップスイッチ制御手段200により独立操作用ストップスイッチ群55が発する信号の遮断を中止して停止操作を有効化し、同時操作用ストップスイッチ群56が発する信号を遮断して停止操作を無効化する。その結果、AT遊技中においては、独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作のみが有効となる。
【0078】
その後、遊技制御部110は、送信手段190により当該移行情報を演出制御部500に送信する。そして、演出制御部500では受信手段520による当該移行情報の受信を契機に、報知制御手段515によりAT遊技における演出が実行される。
以上により、遊技状態がAT遊技へ移行して、独立操作用ストップスイッチ群55の停止操作が有効化された結果、第1ストップスイッチ51〜第4ストップスイッチ54を独立して停止操作可能となる。
(2) AT遊技の終了
AT遊技は、ゲーム数カウント手段182のカウント値が0になると終了する。
【0079】
AT遊技は、上記ゲーム数抽選手段181が行うゲーム数抽選により決定されたAT遊技の初期ゲーム数で開始され、遊技が行われる毎に、ゲーム数カウント手段182のカウント値が1ずつ減算される。
そして、遊技が行われる毎にカウント値が1ずつ減算されていった結果、カウント値が0になると、AT制御手段180は、AT遊技の終了を決定する。
また、遊技制御部110は、AT遊技におけるカウント値が0になると、ストップスイッチ制御手段200により同時操作用ストップスイッチ群56が発する信号の遮断を中止して停止操作を有効化し、独立操作用ストップスイッチ群55が発する信号を遮断して停止操作を無効化する。その結果、通常遊技中においては、同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作のみが有効となる。
【0080】
その後、遊技制御部110は演出制御部500に対し、送信手段190によりゲーム数カウント手段182のカウント値が0となった旨のAT終了情報を送信する。
演出制御部500では、受信手段520による当該AT終了情報の受信を契機に、報知制御手段515によるAT遊技における演出が停止される。
そして、遊技制御部110は、AT遊技を終了して、次ゲームより通常遊技を開始する。
以上により、遊技状態が通常遊技へ移行して、同時操作用ストップスイッチ群56の停止操作が有効化された結果、Aスイッチ56a〜Dスイッチ56dを一回の停止操作で同時に停止操作可能となる。
【0081】
なお、本変形例では、4thリール機について説明したが、3rdリール機においても、同様に、3個のストップスイッチ50を集合させた同時操作用ストップスイッチ群56を設けることも可能である。
(総括)
以下、本実施の形態における4thリール機の作用効果を説明する。
(本実施の形態における遊技機10の作用効果)
本実施の形態における遊技機10は、4個のストップスイッチ50及び4個の回転リール62を有する4thリール機であって、4個のストップスイッチ50の内、隣接する第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とを一回の操作で同時に停止操作可能となるように形成されている。
【0082】
また、本実施の形態における遊技機10は、通常遊技においては一回の停止操作で第3ストップスイッチ53と第4ストップスイッチ54とを同時に停止操作可能とし、AT遊技においては各々のストップスイッチ50を独立して停止操作可能となるように形成されている。
そのため、上記構成によれば、滞在時間の長くなりがちな通常遊技のストップスイッチ50の停止操作を簡略化できるため、遊技者が感じる煩雑さを解消することができる。一方、遊技者にとって有利となり得るAT遊技においては、各々のストップスイッチ50を独立して停止操作できるため、遊技者の興奮状態をより長く継続させることで遊技者の興味を維持でき、期待感あふれる遊技とすることができる。
【0083】
また、本実施の形態における遊技機10は、4thリール機を採用したことで以下のメリットを有する。
本実施の形態における遊技機10は、押し順によって様々な演出や出目などが発生するように設定した場合には、押し順のパターン数の増加により3rdリール機と比して多くの演出パターンを設けることが可能となる。
そのため、遊技者は自己のストップスイッチ50の停止操作の順番選択により遊技の方向性を決定できるうえ、自らの手で様々な押し順のパターンによる演出を発生させたいとする好奇心をも刺激できるため、遊技者の興味を維持でき、期待感あふれる遊技とすることができる。
【0084】
また、本実施の形態における遊技機10の第4回転リール66に所定の条件下で演出用の役割をも設け、第4回転リール66に所定の図柄61が停止表示した際には、当該図柄61の停止表示を遊技者へのチャンス告知とした場合には以下のメリットを有する。
具体的には、第4回転リール66が演出用の役割をも果たすことで、遊技者が最初に第4ストップスイッチ54を停止操作して、第4回転リール66を停止させた場合は、フラグの判別を確実に行った上で、他のストップスイッチ50の停止操作を行うことができるというメリットを有する。
【0085】
なお、上記の第4回転リール66によるチャンス告知の開始を、例えば、AT遊技が終了して移動体91が独立操作可能位置から同時操作可能位置へ移動した後、通常遊技中に所定のレア役の当選を契機に開始してもよい。この構成によれば、AT遊技が終了して通常遊技に移行した場合であっても、次のAT遊技へ移行するまで遊技区間の遊技者の興味を維持でき、期待や関心を継続することができる。
なお、移動体91の移動は、通常遊技からAT遊技へ移行する際に行われるものには限られない。例えば、AT遊技への移行を期待させる演出を行うチャンスゾーンや、AT遊技におけるゲーム数の上乗せ抽選の当選確率が高確率となる上乗せ特化ゾーンへの移行決定を契機に行ってもよい。
【0086】
なお、移動体91の第3ストップスイッチ53側に傾斜を設けてもよい。この構成によれば、移動体91が同時操作可能位置にあり、第3ストップスイッチ53、第4ストップスイッチ54を同時操作する際に、移動体91の第3ストップスイッチ53側の端部が、同時操作の邪魔になることがない。
なお、移動体91及び移動機構92を、ストップスイッチ50、モータ95の配線を引き出し可能に、前扉14の後側から覆ってもよい。この構成によれば、不正具等の異物の遊技機10内への侵入を防止することができる。
【0087】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、本実施の形態および変形例では、4thリール機について説明したが、3rdリール機についても適用可能である。
【課題】遊技者がストップスイッチの操作に煩わしさを感じないようにすべく、通常遊技においては、一回の操作で二以上のストップスイッチを同時に操作可能とし、一方で特殊遊技においては、遊技者の興奮状態をより長く継続させるべく、各々のストップスイッチを独立して操作可能とする遊技機を提供する。
【解決手段】複数の図柄を変動表示可能な複数の回転リールと、前記複数の回転リールの各々に対応して設けられ、前記複数の回転リールの図柄の変動表示の開始後、遊技者の操作により前記回転リールの図柄の変動表示を停止させるための複数のストップスイッチとを備えた遊技機において、前記複数のストップスイッチの内、隣接する二以上のストップスイッチが一回の操作で同時に操作可能となるように配置されていることを特徴とする。