【実施例1】
【0012】
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、
図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、
図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
【0013】
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(
図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(
図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
【0014】
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
【0015】
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿
部4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
【0016】
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(
図3を参照)が設けられていればよい。
【0017】
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
【0018】
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動(可変)表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(
演出表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(
図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動(可変)表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(
図3参照)等の各デバイスによって制御される。
【0020】
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
【0021】
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0022】
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示と変動表示装置9における飾り図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が開始されること連動して開始され、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が停止されること連動して停止されるように同期しており、これら変動表示装置9における識別情報である飾り図柄の変動(可変)表示も、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(飾り図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
【0023】
また、変動表示装置9は、
図6に示すように、立体視画像(映像)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面側に該画像用液晶パネル9aと所定間隔を有して設けられた視差バリヤ用液晶パネル9bとを有する、パララックスバリヤ方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
【0024】
視差バリヤ用液晶パネル9bは、後述するように、画像用液晶パネル9aに縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリヤ画像を表示する視差バリヤ画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
【0025】
つまり、本実施例の視差バリヤ用液晶パネル9bは、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリヤを含む視差バリヤ表示と、該視差バリヤを表示しない全透過表示とが可能とされている。
【0026】
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
【0027】
視差バリヤ用液晶パネル9bは、画像用液晶パネル9aの遊技者側(前方)に視差バリヤ用液晶パネル9bとの間に所定間隔を有して固定配置されている。
【0028】
これら表示が立体として遊技者に視認される原理について
図33を用いて簡単に説明すると、人間は、右の目で視認した右目画像と左の目で視認した左目画像について、同一の対象物の画像の違い(視差量)に基づいて、物体との距離や形状を認識するので、
図33(a)に示すように、右の目で視認する右目画像と左の目で視認する左目画像とを同じ位置に表示する、すなわち、右目画像と左目画像とが同一とされた非立体画像を表示することにより、当該表示された全ての表示物は、画像用液晶パネル9aの表示面の位置に存在しているように見えるので、非立体視(平面視)の画像表示となる。
【0029】
このように、右目画像と左目画像とが同一とされた非立体画像を表示する場合には、以下において便宜的に視差量0、つまり視差量に基づく立体度0と表現する場合がある。
【0030】
これに対し、
図33(b)に示すように、右目用画像と左目用画像とを、画像用液晶パネル9aの異なる位置であって、対応する目の位置と反対方向に位置するように表示した場合(便宜的に視差量マイナスと表現する)、つまり、右目で右目用画像を視認するとともに左目で左目用画像を視認したときに、ぞれぞれの目の視線が画像用液晶パネル9aの表示面よりも手前位置にて交差するように表示した場合には、これら表示画像を見た遊技者は、該表示画像の表示物が画像用液晶パネル9aの手前側に浮き出しているように見えるようになる。
【0031】
これら表示画像の表示物が画像用液晶パネル9aの手前側に浮き出しているように見えるようになる度合い、つまり立体度は、右目用画像と左目用画像とが画像用液晶パネル9aに表示される位置の違いによる視差量の大きさによって変化する。
【0032】
つまり、
図33(b)に示すように、右目用画像と左目用画像が表示される位置の違いによる視差量が大きい場合には、表示画像が画像用液晶パネル9aの手前側に大きく浮き出しているように見えるようになり、
図33(c)に示すように、右目用画像と左目用画像が表示される位置の違いによる視差量が小さい場合には、表示画像が画像用液晶パネル9aの手前側に小さく浮き出しているように見えるようになる。
【0033】
このように、右目用画像と左目用画像が表示される位置の違いによる視差量を制御することで、表示物の立体度を変化させることができる。
【0034】
尚、
図33には図示していないが、右目用画像と左目用画像とを、画像用液晶パネル9aの異なる位置であって、対応する目の位置と同じ方向に位置するように表示した場合(便宜的に視差量プラスと表現する)には、
図33(b)とは逆に、結像位置が画像用液晶パネル9aの奥側位置となることにより、これら表示画像を見た遊技者は、該表示画像の表示物が画像用液晶パネル9aの奥側に退没(引っ込んで)しているように見えるようになる。
【0035】
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
【0036】
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
【0037】
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
【0038】
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(
図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
【0039】
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21a(
図3参照)も設けられている。
【0040】
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(
図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
【0041】
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
【0042】
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(
図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(
図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
【0043】
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
【0044】
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
【0045】
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
【0046】
特別図柄表示器8並びに変動表示装置9における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
【0047】
停止時の特別図柄表示器8並びに変動表示装置9における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
【0048】
また、特別図柄表示器8並びに変動表示装置9での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りAの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
【0049】
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
【0050】
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
【0051】
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
【0052】
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
【0053】
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
【0054】
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
【0055】
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0056】
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
【0057】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0058】
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
【0059】
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りCおよび確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
【0060】
通常大当りCは、大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
【0061】
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について
図2を参照して説明する。
図2は、パチンコ機を示す背面図である。
【0062】
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
【0063】
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0064】
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
【0065】
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
【0066】
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
【0067】
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(
図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0068】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、
図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
【0069】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
【0070】
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
【0071】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
【0072】
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0073】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
【0074】
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
【0075】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
【0076】
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
【0077】
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
【0078】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
【0079】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
【0080】
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドが含まれる。
【0081】
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
【0082】
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
【0083】
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
【0084】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
【0085】
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
【0086】
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
【0087】
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、後述する立体視画像(3D画像)の動画再生における、各動画のタイムチャート(
図7及び
図8参照)及び3D表示中止期間決定用テーブル(
図9(c)参照)が記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成や視差バリヤ画像の生成、バックライト9cの発光強度の調整等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
【0088】
本実施例では、視差バリヤ用液晶パネル9bは、画像用液晶パネル9aと略同じ左右幅寸法に形成されており、画像用液晶パネル9aの全面領域と重なる配置位置に固定に配置されており、該視差バリヤ用液晶パネル9bの全面を透明化することで、画像用液晶パネル9aの全面領域に2次元(2D)画像を表示することができる。
【0089】
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
【0090】
VDP262は、
図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
【0091】
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0092】
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9a、視差バリヤ用液晶パネル9bに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
【0093】
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
【0094】
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
【0095】
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
【0096】
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
【0097】
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎にCPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、CPU86に対して出力する。
【0098】
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
【0099】
図5は、SDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタがCGROM205から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
【0100】
また、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが格納される非立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが描画される非立体画像描画領域が割り当てられている。これら非立体画像表示領域と非立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて非立体画像描画領域として割り当てられた領域では非立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は非立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された非立体画像の画像データが画像用液晶パネル9aに非立体画像として表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
【0101】
更に、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが格納される立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが描画される立体画像描画領域、が割り当てられている。これら立体画像表示領域と立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて立体画像描画領域として割り当てられた領域では立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された立体画像の画像データが立体画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
【0102】
同様に、VRAM領域には、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像に基づく画像データが格納される視差バリヤ画像表示領域、視差バリヤ用液晶パネル9bに表示される視差バリヤ画像に基づく画像データが描画される視差バリヤ画像描画領域、が割り当てられている。これら視差バリヤ画像表示領域と視差バリヤ画像描画領域とは、前述した非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、及び立体画像表示領域と立体画像描画領域と同様に、あるVブランクにおいて視差バリヤ画像描画領域として割り当てられた領域では視差バリヤ画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は視差バリヤ画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された視差バリヤ画像の画像データが視差バリヤ画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
【0103】
このように、非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、立体画像表示領域と立体画像描画領域、視差バリヤ画像表示領域と視差バリヤ画像描画領域は、それぞれVブランク毎に一方の領域での画像データの描画と、他方の領域での画像データを画像として画像用液晶パネル9aまたは視差バリヤ
用液晶パネル9bへの表示を交互に行うことで、本実施例の描画制御部206は、非立体描画領域、立体画像描画領域及び視差バリヤ画像描画領域への描画処理を並行して行うことが可能となっているとともに、表示制御部213は、非立体画像表示領域の画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること、または、立体画像表示領域の立体画像データを立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること及び視差バリヤ画像表示領域の視差バリヤ画像データを視差バリヤ画像として視差バリヤ用液晶パネル9bに表示させることを並行して行うことが可能となっている。
【0104】
前述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した変動表示装置9の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
【0105】
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
【0106】
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
【0107】
次に、描画制御について説明する。
【0108】
描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
【0109】
このため、演出制御用CPU86は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU86が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
【0110】
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
【0111】
そして、演出制御用CPU86は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU86は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って非立体画像描画領域、立体画像描画領域及び視差バリヤ画像描画領域に画像データの描画を行う。
【0112】
次に、本実施例における立体視画像(3D画像)表示のキャンセルについて、
図7〜
図9を用いて説明する。
【0113】
尚、本実施例のパチンコ機1では、大当りとなる可能性が高いことを報知するスーパーリーチ演出や、これら大当りとなる可能性の高いスーパーリーチとなる可能性を予告する予告演出等の各種演出が実施される。
【0114】
これら予告演出としては、変動表示の開始時においてキャラクタが登場するキャラクタ予告演出等が実施される。
【0115】
これらキャラクタ予告演出とスーパーリーチ演出が実施される場合を例に説明する。
図7に示すように、このスーパーリーチ演出となる変動パターンにおいては、変動表示の開始とともに実施されるキャラクタ予告演出S1と、該キャラクタ予告演出S1の後にスーパーリーチ演出が開始されるまでの変動演出S2と、該スーパーリーチ演出S3と、から主に構成される。
【0116】
このうち、キャラクタ予告演出S1においては、変動表示装置9には、例えば、複数の異なるキャラクタの立体視画像(3D画像)が表示され、表示されるキャラクタの種別により、スーパーリーチ演出に移行する確率が異なるように設定されている。つまり、キャラクタ予告演出S1において表示されるキャラクタの種別によって、スーパーリーチ演出となる可能性が大きいか小さいかが予告されるようになっている。
【0117】
このように、キャラクタ予告演出S1では、1種類のキャラクタのみが表示されるようになっているため、変動表示装置9に表示されるキャラクタ数が、後述するスーパーリーチの場合等に比較して少なくなっている。よって、これら演出における描画処理及び表示処理を行うVDP262にかかる処理負荷が、スーパーリーチ演出の実施期間よりもキャラクタ予告演出S1の方が軽くなっているために、立体表示から非立体表示(平面視表示)に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができることから、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが可能なキャンセル可能演出とされている。
【0118】
また、変動演出S2は、予告演出S1の終了後にスーパーリーチ演出S3の開始までに変動表示装置9の表示を変動させる期間である。このため、キャラクタ等を表示する演出等が実施されない期間であるので、該変動演出S2は立体視画像の表示がなされない期間とされている。よって、立体表示自体がなされないので、当然に、立体視画像のキャンセル操作が無効な期間とされている。尚、これら変動演出S2においても、特定のキャラクタ等を表示して立体視画像の表示を実施しても良い。
【0119】
一方、スーパーリーチ演出S3においては、変動表示装置9に表示可能な複数種類のキャラクタのうち、2種類以上の複数のキャラクタが変動表示装置9に表示される演出が実施される。
【0120】
このため、スーパーリーチ演出S3においては、VDP262が、キャラクタ予告演出S1よりも多くのキャラクタの描画処理及び表示処理を行う必要があるため、VDPにかかる負荷が非常に大きくなっているため、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができない畏れがあるために、スーパーリーチ演出S3においては、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能演出とされている。
【0121】
これらキャラクタ予告演出S1及びスーパーリーチ演出S3では、前述した描画制御によって描画された画像データに基づく画像を、演出制御用CPU86が表示制御部213に画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにそれぞれ表示させることで、変動表示装置9において立体視画像を表示するようになっている。
【0122】
本実施例のキャラクタ予告演出S1は、
図7及び
図8に示すように、演出期間T1,T2,T3,T4,T5の5つの期間から構成されている。これら演出期間T1,T2,T3,T4,T5のうち、演出期間T1,T3,T5は、演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体視画像として表示されるキャラクタの動作が小さい小変化演出期間である。
【0123】
また、この演出期間T1,T3,T5は、キャラクタ予告演出S1において、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体視画像での表示を非立体視画像(平面視画像)での表示に切り替えることができるようになっている。以下、この演出の変動表示装置9における立体視画像の表示から非立体視画像の表示への切り替えについて説明する。
【0124】
図7、
図8及び
図10(a)に示すように、演出制御用CPU86は、描画制御部206にVRAM領域にて立体視画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体視画像との描画を並行して開始させる。同時に、演出制御用CPU86は、表示制御部213によってVRAM領域にて描画された右目用画像と左目用画像とを画像用液晶パネル9aに交互に表示させるとともに、視差バリヤ用液晶パネル9bに黒部と透明部とからなる視差バリヤ画像を表示させ、遊技者が立体視画像を視認可能な状態でキャラクタ予告演出S1を開始する。
【0125】
尚、キャラクタ予告演出S1の一連の演出期間T1,T2,T3,T4,T5において、演出期間T1,T3,T5は演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体視画像として表示されるキャラクタの動作が小さい小変化演出期間であるため、前述したように、VDP262において演出期間T2,T4における描画処理にかかる負荷が軽いため、非立体視画像への切り替え処理を実施できるように設定されている。このため、演出期間T1,T3,T5は、遊技者が操作ボタン516を押圧することで容易にキャラクタ予告演出S1の立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替えることが可能なキャンセル可能期間とされている一方、演出期間T2,T4は、逆に、描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、キャラクタ予告演出S1の立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能期間とされている。
【0126】
つまり、本実施例では、立体視画像として表示されるキャラクタの動作が大きい演出期間T2,T4において、遊技者が操作ボタン516を押圧しても、非立体視画像への表示の切り替えが不可能となっているため、これらキャラクタの数や動作の変化が激しい立体視画像から非立体視画像へいきなり表示が切り替わることで、遊技者が混乱してしまうことを回避できるようになっている。
【0127】
尚、本実施例では、キャラクタ予告演出S1において1のキャラクタのみを表示するようにしているので、キャンセル不能期間をキャラクタの動作が大きい期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したスーパーリーチ演出S3をキャンセル不能期間としたように、これらキャラクタ予告演出S1において複数のキャラクタが表示される場合であれば、複数のキャラクタが表示される期間Tnについても、キャンセル不能期間としても良い。
【0128】
これらキャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5において演出制御用CPU86は、立体(3D)画像の表示の支障にならない変動表示装置9の右下位置に「キャンセルOK」を表示することで、立体(3D)画像の表示をキャンセル可能であることを遊技者に報知する。一方、キャンセル不能期間である演出期間T2,T4において演出制御用CPU86は、「キャンセルOK」の表示を実施しないようになっている。尚、「キャンセルOK」の表示を実施しないのではなく、「キャンセルNG」の表示を実施するようにしても良い。
【0129】
そして、
図7に示すように、遊技者が、例えば、キャラクタ予告演出S1のキャンセル可能期間である演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、キャンセル操作として、変動表示装置9にて表示されている立体視画像を非立体視画像の表示に即座に切り替える。
【0130】
具体的には、
図7、
図10(b)及び
図10(c)に示すように、演出制御用CPU86は、操作ボタン516が遊技者によって所定時間押圧されると、描画制御部206にVRAM領域における立体視画像と非立体視画像の描画のうち、立体視画像の描画のみを停止させるとともに、表示制御部213にVRAM領域にて立体視画像と並行して描画されていた非立体視画像を、右目用画像及び左目用画像に替えて画像用液晶パネル9aに表示させる。
【0131】
次いで、演出制御用CPU86は、視差バリヤ用液晶パネル9bにおいて表示している視差バリヤ画像中の黒部の領域全てを透明部に切り替えることで、視差バリヤ用液晶パネル9bを透明状態に移行させる。
【0132】
つまり、2D画像(非立体視画像)を表示するときには、視差バリヤ用液晶パネル9bに視差バリヤ画像を表示しない制御を実施することにより、2D画像(非立体視画像)のみを表示する期間においては、視差バリヤ画像が視差バリヤ用液晶パネル9bに表示されないので、これら視差バリヤ画像によって2D画像(非立体視画像)が見難くなってしまうことを解消できる。
【0133】
尚、演出制御用CPU86は、視差バリヤ用液晶パネル9bを透明状態に移行させる際に、バックライト9cの発光強度を、視差バリヤ用液晶パネル9bの表示状態における演出表示装置9の表示輝度とほぼ同じ輝度となるように低下させた後、所定期間の経過時において最大輝度に移行するように徐々にバックライト9cの発光強度を上げる制御を実施することで、立体視画像の表示がキャンセルされた場合に平面視画像の表示に移行する際に、演出表示装置9の表示輝度が急激に変化して遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できるようになっている。
【0134】
つまり、演出制御用CPU86は、視差バリヤ用液晶パネル9b全体を透過させることで、遊技者が両目で画像用液晶パネル9aに表示された非立体視画像を視認可能とする。以降、変動表示装置9では、所定時間となる後述する3D表示中止期間TS(
図9(a)参照)が経過するまでの間は、変動表示が終了するスーパーリーチ演出S3の期間が終了した後も非立体視画像による表示が継続される。
【0135】
尚、キャラクタ予告演出S1において変動表示装置9に立体視画像が表示されている状態では、キャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5のときに限り立体視画像の描画と非立体視画像の描画とを並行させる。このようにすることにより、VDP262における負荷が演出期間T2,T4よりも少ない演出期間T1,T3,T5において遊技者が操作ボタン516を押圧すると、平行描画している非立体視画像を読み出して即座に変動表示装置9に非立体視画像を表示させることで、立体視画像表示から非立体視画像表示に迅速に表示切り替えができるとともに、VDP262に比較的高い負荷がかかっている演出期間T2,T4においては、非立体視画像の描画を実施しないことにより、これら非立体視画像を描画する処理負荷が、VDP262にさらにかかってしまうことを防ぐことができる。
【0136】
このように、本実施例では、画像用液晶パネル9aに表示されている右目用画像及び左目用画像を、視差バリヤ用液晶パネル9b全体を透過させるよりも先に非立体視画像の表示に切り替えることで、遊技者の右目に左目用画像が視認されてしまうことを防ぐと同時に、遊技者の左目に右目用画像が視認されてしまうことを防ぎ、遊技者が混乱してしまうことも防止されている。
【0137】
尚、
図8に示すように、遊技者がキャラクタ予告演出S1のキャンセル不能演出である演出期間T4にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合には、演出制御用CPU86は、キャラクタ予告演出S1が演出期間T4からキャンセル可能演出である演出期間T5となるまで変動表示装置9での立体視画像の表示を継続させる。
【0138】
そして、演出制御用CPU86は、キャラクタ予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、前記演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合と同様に、描画制御部206にVRAM領域における立体視画像の描画を停止させるとともに非立体視画像の描画を開始させ、表示制御部213にVRAM領域にて描画された非立体視画像を、右目用画像及び左目用画像の代わりに画像用液晶パネル9aに表示させ、表示制御部213に視差バリヤ用液晶パネル9bの黒部の表示を、透明部の表示に切り替えて表示させる。
【0139】
尚、本実施例では、キャンセル不能演出である演出期間T4で遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した際、キャラクタ予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、変動表示装置9での立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替える場合を例示したが、遊技者が演出期間T2で操作ボタン516を所定時間押圧した際には、キャラクタ予告演出S1が演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点で変動表示装置9での立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替える。
【0140】
つまり、本実施例では、キャンセル不能期間とされている演出期間T2、T4においても、キャンセル操作自体は受付けておき、該演出期間T2、T4が経過した時点で非立体表示へ移行するようにしているので、キャンセル可能期間T3、T5に移行した時に、改めてキャンセル操作をする必要がなく、遊技者の操作の面倒を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出期間T2、T4においては、キャンセル操作の受付け自体を無効とするようにしても良い。
【0141】
このように、遊技者のキャンセル操作によって立体視画像の表示から非立体視画像の表示への切り替えが実施された場合において立体視画像の表示が禁止される3D表示中止期間TSは、同一の遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧する度に延長されるようになっている。
【0142】
具体的には、
図9(a)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9において立体視画像の表示が開始されると、この立体視画像の表示が開始された時点から予めキャンセル回数加算期間TKとして設定されている時間の計時を開始する。
【0143】
このキャンセル回数加算期間TK中において遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、RAM85に記憶されている図示しないキャンセルカウンタにキャンセル回数として1を加算する。
【0144】
そして、演出制御用CPU86は、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル可能演出である演出期間T1,T3,T5であれば、その時点を切り替えポイントとし、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル不能演出である演出期間T2,T4であれば、演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点または演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点を切り替えポイントとして、前述したように変動表示装置9における立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替えて3D表示中止期間TSを開始する。
【0145】
このとき、演出制御用CPU86は、
図9(c)に示すように、ROM84に記憶されている3D表示中止期間決定テーブル及びRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタを参照し、該キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSの時間を決定する。この3D表示中止期間決定テーブルに記憶されている3D表示中止期間TSの時間は、キャンセル回数の増加に応じて順次長時間となっていくように、各キャンセル回数に対応付けられて記憶されている。このため、3D表示中止期間TSは、前記キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数が多いほど長時間継続されるようになっている。
【0146】
このようにすることにより、同一の遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間である3D表示中止期間TSが長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
【0147】
演出制御用CPU86は、3D表示中止期間TSが終了すると、変動表示装置9における立体視画像の表示を可能とする制御を行う。そして、該可能とした後において実施される変動表示において、立体視画像を表示する演出がなされる場合には、該立体視画像を実行する制御を行う。尚、3D表示中止期間TSが終了する時点で変動表示装置9にて立体視画像の表示を伴う演出が実行されている場合、演出制御用CPU86は、該演出の実行が終了するまで3D表示中止期間TSの終了を延長する。このため、本実施例では、変動表示装置9にて非立体視画像で表示されている演出が、3D表示中止期間TSが終了することで突如立体視画像での表示に切り替わることがないので、遊技者の混乱を防ぐことができる。
【0148】
一方、
図9(b)に示すように、キャンセル回数加算期間TKにて遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧しなかった場合には、演出制御用CPU86は、キャンセル回数加算期間TKの終了時点でRAM85に記憶されているキャンセルカウンタのキャンセル回数をリセットする。
【0149】
つまり、一度、キャンセル操作を実施した遊技者が、再度、立体視画像が表示された際にキャンセル操作を行わなかった場合、つまり、立体視画像の表示を容認した場合には、キャンセル回数がリセットされるので、キャンセル回数が不必要に加算されて3D表示中止期間TSが不必要に長くなってしまうことを回避できる。
【0150】
尚、本実施例では、これらキャンセル回数は、立体表示の開始に伴って計時が開始されるキャンセル回数加算期間TKが、遊技者によるキャンセル操作がないまま経過した時点においてリセットされるので、1の遊技者がキャンセル操作を複数回実施することでキャンセル回数が加算されるとともに、該キャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSが設定されて立体表示が禁止された後、再度、立体表示が可能とされたとしても、該遊技者が遊技を終了するまでの期間において、必ずしも立体表示を伴う演出が実行されるとは限らないため、これら立体表示を伴う演出が実行されずに遊技者が遊技を終了した場合には、他の遊技者が遊技を開始することで、立体表示を伴う演出が実行された場合に、該他の遊技者が初めてキャンセル操作を実施したにもかかわらず、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数への加算が実施されて、非常に長い3D表示中止期間TSが設定されてしまい、立体表示が実施されなくなってしまうという不都合が発生してしまう、つまり、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数が他の遊技者のキャンセル回数として持ち越されてしまうという問題が生じる可能性があるので、これらの不都合を解消するために、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、キャンセル回数をリセットすることで、これらキャンセル回数が異なる遊技者に持ち越されてしまうことを防止できるようになっている。
【0151】
また、本実施例では、これら客待ちデモ指定コマンドを受信したときにおいて、3D表示中止期間TSの期間中である場合には、演出制御用CPU86は、該3D表示中止期間TSを終了して、立体表示を可能とする制御を実施する。
【0152】
つまり、本実施例では、上述したように、遊技者のキャンセル操作の面倒を低減できるようにするために、3D表示中止期間TSがキャンセル回数の増加に応じて漸増するようにしているので、これら設定された長い3D表示中止期間TS中に遊技者が交替した場合にあっては、次に遊技を開始した他の遊技者の遊技において、これら長い3D表示中止期間TSが経過するまでは立体表示が全くなされないことになってしまい、その結果、遊技機の興趣が著しく低下してしまうことになってしまう不都合が生じるが、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、3D表示中止期間TSを終了することにより、交替した遊技者の遊技においては、遊技の開始から立体表示が可能とされるようになるので、上記したように遊技機の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
【0153】
尚、本実施例では、操作ボタン516を遊技者が所定時間押圧することによって画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにて表示される立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替えたが、画像用液晶パネル9a及び視差バリヤ用液晶パネル9bにて表示される立体視画像の表示を非立体視画像の表示に切り替えるための専用のスイッチを別途設けるようにしてもよい。
【0154】
更に、本実施例では、キャラクタ予告演出S1において、演出制御用CPU86は、演出期間T1,T3,T5において描画制御部206にVRAM領域にて立体視画像を構成する右目用画像及び左目用画像と、非立体視画像との描画を並行して実行させ、演出期間T2,T4において描画制御部206にVRAM領域にて立体視画像を構成する右目用画像及び左目用画像のみを描画させたが、描画制御部206が十分な処理能力を有しているのであれば、演出制御用CPU86は、キャラクタ予告演出S1において、常時描画制御部206にVRAM領域にて立体視画像と非立体視画像との描画を並行して実行させるようにしてもよい。
【0155】
次に、本実施例のパチンコ機1における変動パターンについて、
図11を用いて説明する。
図11は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図11に示すように、この実施例では、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1とノーマルPB2−3(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−2とノーマルPB2−4(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、
図11に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
【0156】
また、
図11に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−5とノーマルPB2−7(ノーマルリーチA)、ノーマルPB2−6とノーマルPB2−8(ノーマルリーチB)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−5、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、
図11において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチA(非立体視画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチB(立体視画像)のリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、
図11に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
【0157】
なお、この実施例では、
図11に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、スーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
【0158】
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
【0159】
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0160】
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
【0161】
なお、この実施例では、確変大当りAまたは通常大当りCである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「ハズレ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、各種ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、各種ノーマルリーチおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、とに種別分けされている。
【0162】
図13(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図13(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図13(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図13(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0163】
図13(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、
図13(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、
図13(c)に記載されている各数値が設定されている。また、
図13(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0164】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図13(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図13(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、
図13(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、
図13(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0165】
なお、この実施例では、
図13(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0166】
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
【0167】
図13(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動口15aに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動口15bに入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
【0168】
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して15個の判定値が割り当てられ(40分の15の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも高いが、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動口15aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動口15bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
【0169】
また、この実施例では、
図13(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
【0170】
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りが発生するまで確変状態並びに時短状態が継続する。
【0171】
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、次の大当りの発生まで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、次の大当りが発生するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
【0172】
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
【0173】
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
【0174】
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
【0175】
図14(a)は、確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0176】
確変大当りA/通常大当りC用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
【0177】
これら判定値の数としては、
図14(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
【0178】
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
【0179】
また、
図14(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、
図14(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
【0180】
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0181】
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
【0182】
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
【0183】
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0184】
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0185】
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがハズレとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
【0186】
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、立体視画像によるノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、非立体視画像によるノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
【0187】
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
【0188】
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
【0189】
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
【0190】
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
【0191】
図15(a),(b)は、ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、可変表示結果をハズレ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0192】
各ハズレ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0193】
なお、
図15(a)〜(b)に示すように、この実施例では、ハズレである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0194】
また、
図15(a)示す通常用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のハズレ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
【0195】
図16(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
【0196】
なお、
図16(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、各種のノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、
図16(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、
図16(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
【0197】
図17は、ROM54に記憶されているハズレ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「ハズレ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0198】
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0199】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0200】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0201】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0202】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0203】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0204】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
【0205】
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0206】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0207】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0208】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
【0209】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0210】
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0211】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0212】
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
【0213】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図18に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0214】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0215】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0216】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0217】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0218】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0219】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0220】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0221】
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0222】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
【0223】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0224】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0225】
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0226】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
【0227】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様という。
【0228】
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
【0229】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0230】
図19および
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始
動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0231】
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
【0232】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0233】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0234】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0235】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0236】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
【0237】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0238】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0239】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0240】
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0241】
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
【0242】
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0243】
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。
図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。
【0244】
その後、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、ステップS701の乱数更新処理を実施して再度ステップS702に戻る。
【0245】
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。その後、ステップS701に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0246】
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
【0247】
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。
図22に示すように、この実施例では、交互表示演出を実施するか否かを
図24に示す交互表示演出決定テーブルに基づいて決定するために使用する交互表示演出決定用乱数SR1、キャラクタ予告演出の予告演出を決定するために使用す
る予告演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0248】
交互表示演出決定用乱数SR1は、交互表示演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
【0249】
予告演出決定用乱数SR2は、キャラクタ予告演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
【0250】
尚、これらSR1〜SR2の乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、
図21に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(
図22に示された範囲における最大値)を越えると下限値(
図22に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
【0251】
演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、
図23に示す図柄変動制御パターンテーブル180を初めとする、キャラクタ予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、交互表示演出の演出制御パターンを含む交互表示演出制御パターンテーブル(図示略)、擬似連やノーマルリーチやスーパーリーチ等の各種の変動パターンにおける演出制御パターンや、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。
図23に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、
操作ボタン516や操作レバー600の操作受付け開始タイミングや操作受付け終了タイミング等の操作制御実行データ、といった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
【0252】
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
【0253】
尚、図柄変動制御パターン、予告演出制御パターン、各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
【0254】
これら演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
【0255】
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU86における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU86において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0256】
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
【0257】
演出制御用CPU86は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0258】
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ等が設けられている。
【0259】
また、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、
図24に示す、交互表示演出を実施するか否かの決定において使用される交互表示演出決定テーブル等の各種テーブルが記憶されている。
【0260】
本実施例の交互表示演出決定テーブルには、
図24に示すように、変動パターンの種別として、3D(立体視)のリーチ演出画像が表示される3Dリーチの演出パターン(具体的には、ノーマルリーチB、スーパーリーチBの変動パターンが該当する)と、2D(平面視)のリーチ演出画像が表示されるノーマルリーチAハズレ、2D(平面視)のリーチ演出画像が表示されるスーパーリーチAハズレ、2D(平面視)のリーチ演出画像が表示されるノーマルリーチA当り、2D(平面視)のリーチ演出画像が表示されるスーパーリーチA当り、の変動パターンそれぞれについて、「交互表示演出あり」並びに「交互表示演出なし」とに、
図24に示す判定値数となるように、SR1の判定値が割り当てられている。
【0261】
具体的には、「3Dリーチ」の変動パターンについては、「交互表示演出あり」に100個の判定値、「交互表示演出なし」に0個の判定値がそれぞれ割り当てられており、「3Dリーチ」が発生する場合には、「交互表示演出あり」が必ず決定される。
【0262】
「ノーマルリーチAハズレ」の変動パターンについては、「交互表示演出あり」に20個の判定値、「交互表示演出なし」に80個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「スーパーリーチAハズレ」の変動パターンについては、「交互表示演出あり」に30個の判定値、「交互表示演出なし」に70個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
【0263】
また、「ノーマルリーチA当り」の変動パターンについては、「交互表示演出あり」に40個の判定値、「交互表示演出なし」に60個の判定値がそれぞれ割り当てられ、「スーパーリーチA当り」の変動パターンについては、「交互表示演出あり」に50個の判定値、「交互表示演出なし」に50個の判定値がそれぞれ割り当てられている。
【0264】
つまり、「3Dリーチ」の変動パターンが発生する場合には、必ず「交互表示演出あり」が決定され、立体視画像によるリーチ(3Dリーチ)が発生せずに、平面視(2D)画像によるノーマルリーチまたはスーパーリーチが発生する場合においても、「交互表示演出あり」が決定されて、交互表示演出が実施される場合があり得る。
【0265】
尚、これら交互表示演出が実施される割合としては、3Dリーチとなる場合には、最終的に大当りとなるか否かに関係しないものの、2Dリーチとなる場合には、最終的に大当りとなるか否かに関係し、最終的に大当りとなる場合の方が最終的に大当りとならない場合に比較して高い割合にて「交互表示演出あり」が決定されて、交互表示演出が実施される、つまり、交互表示演出が実施された後に2Dリーチが発生した場合には、大当りとなる確率が非常に高くなるので、これら交互表示演出が実施された後に3Dリーチとならずに2Dリーチとなっても、遊技者の期待感を毀損せずに維持できるようになっている。
【0266】
図25は、
図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0267】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0268】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0269】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0270】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0271】
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0272】
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
【0273】
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0274】
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
【0275】
図26は、
図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU86は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU86は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
【0276】
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、ハズレ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とハズレの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
【0277】
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU86は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
【0278】
そして、ステップS823Aに進み、交互表示演出を実施するか否かとともに、実施を決定した交互表示演出に関する設定を行う、
図27に示す交互表示演出設定処理を実施する。
【0279】
また、ステップS823Bに進み、キャラクタ予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定したキャラクタ予告演出に関する設定を行う予告演出設定処理を実施する。
【0280】
そして、ステップS824に進んで、キャラクタ予告演出の実施が決定されているか否か、具体的には、予告演出設定処理においてセットされる予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。
【0281】
予告実行決定フラグがセットされている場合には、ステップS824+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、ステップS825に進む。
【0282】
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS824+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
【0283】
そして演出制御用CPU86は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、
操作ボタン516や操作レバー600)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0284】
尚、この実施例では、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU86は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0285】
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
【0286】
図27は、演出図柄変動開始処理における交互表示演出設定処理(ステップS823A)の処理内容を示すフローチャートである。
【0287】
本実施例の交互表示演出設定処理においては、まず、交互表示演出決定用乱数SR1を抽出する(ステップS831)。
【0288】
次いで、該抽出した交互表示演出決定用乱数SR1と
図24に示す交互表示演出決定テーブルと当該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別に基づいて、交互表示演出の実施、非実施を決定する。
【0289】
具体的には、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別を特定して、交互表示演出決定テーブルにおけるどの変動パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、変動パターンコマンドから特定される変動パターンの種別が、3Dリーチに対応するノーマルリーチBまたはスーパーリーチB(ハズレ、当りの双方)である場合には「3Dリーチ」に対応する判定値を使用する判定値として決定し、ノーマルリーチAハズレである場合には「ノーマルリーチAハズレ」に対応する判定値を使用する判定値として決定し、スーパーリーチAハズレである場合には「スーパーリーチAハズレ」に対応する判定値を使用する判定値として決定し、ノーマルリーチA当りである場合には「ノーマルリーチA当り」に対応する判定値を使用する判定値として決定し、スーパーリーチA当りである場合には「スーパーリーチA当り」に対応する判定値を使用する判定値として決定する。
【0290】
そして、これら使用対象に決定した該変動表示(可変表示)における変動パターンについての判定値において、ステップS831にて抽出したSR1の判定値が「交互表示演出あり」の項目に格納されている判定値に該当する場合には交互表示演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「交互表示演出なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には交互表示演出を実施しないことを決定する(ステップS832)。
【0291】
そして、ステップS833に進み、ステップS832において交互表示演出を実施することを決定したか否かを判定し、交互表示演出を実施することを決定した場合にはステップS834に進んで交互表示演出実行決定フラグをセットするとともに、交互表示演出開始待ちタイマに交互表示演出開始時までの期間をセットした後、当該処理を終了する。一方、交互表示演出を実施しないことを決定した場合にはステップS834、S835を経由することなく当該処理を終了する。
【0292】
つまり、交互表示演出設定処理においては、交互表示演出の実施・非実施と、実施すると決定した場合において交互表示演出実行決定フラグがセットされる。
【0293】
また、ステップS823Bの予告演出設定処理について、簡潔に説明すると、予告演出設定処理においては、まず
、予告演出決定用乱数SR2を抽出する。
【0294】
次いで、該抽出し
た予告演出決定用乱数SR2と、図示しない予告演出決定テーブルと当該変動表示(可変表示)における変動パターンの種別に基づいて実施する予告演出の実施・非実施と、実施する場合の予告演出の種別(キャラクタ予告、ステップアップ予告等)とを決定する。
【0295】
そして、予告演出を実施することを決定したか否かを判定し、予告演出を実施することを決定した場合には予告実行決定フラグをセットした後、当該処理を終了する一方、予告演出を実施しないことを決定した場合には予告実行決定フラグをセットすることなく当該処理を終了する。
【0296】
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU86は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU86は、予告演出を行うことに決定されているか、またはこれら予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、予告演出処理を実行する(ステップS841+)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。また、予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグのセットの有無により判定される。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS841+の予告演出処理を実施することなく、ステップS842に進む。
【0297】
ステップS842において演出制御用CPU86は、交互表示演出を行うことに決定されている場合、またはこれら交互表示の実行中である場合には(ステップS842でYes)、交互表示演出処理を実行する(ステップS842+)。交互表示演出を行うことに決定されているか否かは、交互表示演出実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。また、交互表示演出の実行中であるか否かは、交互表示演出を開始するときにセットされる交互表示演出実行中フラグのセットの有無により判定される。交互表示演出実行決定フラグも交互表示演出実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842+の交互表示演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
【0298】
ステップS843において演出制御用CPU86は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
【0299】
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU86は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、
変動表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を
変動表示装置9に出力する。そのようにして、
変動表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
【0300】
また、演出制御用CPU86は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
【0301】
ここで、本実施例のステップS841+において実施される予告演出処理について簡潔に説明すると、予告演出処理において演出制御用CPU86は、セットされているフラグが予告実行中フラグであるか否かにより、予告演出が開始されているか否かを判定する。
【0302】
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときにセットされる(ステップS824+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットした後、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。
【0303】
また、前述した予告演出設定処理にて決定された予告演出に対応する予告演出パターンを特定し、特定した予告演出パターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする。
【0304】
次いで、演出制御用CPU86は、実行する予告演出パターンに対応する予告プロセステーブル(予告演出制御パターン)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択してセットした後、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる。
【0305】
そして演出制御用CPU86は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、
操作ボタン516、操作レバー600)の制御を開始する。
【0306】
これら予告プロセスデータに基づいて予告演出が開始された後において演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマの値を−1し、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。
【0307】
そして、予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い、予告実行中フラグをリセットする。
【0308】
一方、予告期間タイマがタイムアウトしていない場合に演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する。尚、予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は処理を終了する。
【0309】
このように、予告演出の終了に応じて該予告演出に伴う予告演出画像の表示が終了されるが、当該予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示終了(消去)は、セットされる予告演出制御パターン(予告プロセスデータ)に記述された表示制御の制御データが実行されることで実施される。つまり、予告期間タイマがタイマアップするまでにおいて上述の処理が実施されることにより、予告演出の実行中において表示される各種の予告演出画像の表示並びに表示終了(消去)の制御が実施される。
【0310】
ここで、
図29、
図30に基づいて、ステップS842+において実施される交互表示演出処理の処理内容について説明すると、交互表示演出処理において、演出制御用CPU86は、交互表示演出実行中フラグがセットされているか否かにより、交互表示演出が既に開始されているか否かを判定する。
【0311】
交互表示演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS530(
図30)に移行し、交互表示演出が開始されていない場合には、(ステップS501でNo)、ステップS502に進む。
【0312】
ステップS502においては、交互表示演出開始待ちタイマの値を−1する。なお、交互表示演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、交互表示演出を行うことに決定されたときにセットされる(ステップS835参照)。交互表示演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。交互表示演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、交互表示演出実行決定フラグをリセットするとともに(ステップS504)、交互表示演出の実行中であることを示す交互表示演出実行中フラグをセットする(ステップS511)。
【0313】
また、交互表示演出パターンを特定し(ステップS512)、特定した予告演出パターンが該当する予告演出期間に相当する値を交互表示演出期間タイマにセットする(ステップS513)。
【0314】
次いで、演出制御用CPU86は、実行する交互表示演出パターンに対応する交互表示演出プロセステーブル(交互表示演出制御パターン)を、交互表示演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択してセットした後(ステップS515)、選択した交互表示演出制御パターン(交互表示演出プロセステーブル)のプロセスデータ1における交互表示演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
【0315】
そして演出制御用CPU86は、交互表示演出制御パターン(交互表示演出プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、
操作ボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(ステップS518)。
【0316】
これら交互表示演出プロセスデータに基づいて交互表示演出が開始された後においては、ステップS501にてYesと判定されることによりステップS530、ステップS531に進む。このステップS530において演出制御用CPU86は、交互表示演出プロセスタイマの値を−1し、ステップS531において交互表示演出期間の終了を計時するための演出期間タイマの値を−1する。
【0317】
そして、演出期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS532でYes)、演出表示装置9に表示されている交互表示演出を終了するとともに(ステップS533)、交互表示演出実行中フラグをリセットした後(ステップS534)、当該処理を終了する。
【0318】
一方、演出期間タイマがタイムアウトしていない場合に演出制御用CPU86は、交互表示演出プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。交互表示演出プロセスタイマがタイムアウトしていたら、交互表示演出プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、交互表示演出プロセステーブルにおける次に設定されている交互表示演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている交互表示演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
【0319】
交互表示演出プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく当該処理を終了する。
【0320】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)が実施する演出図柄の可変表示に伴う交互表示演出の一例を、
図31、
図32にもとづいて説明する。
【0321】
まず、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示の開始に同期して、非立体視画像の飾り図柄(演出図柄)の変動表示を開始させる(
図31(B)参照)。
【0322】
尚、該開始された変動表示において
図31に示すように、例えば、スーパーリーチが発生する場合には、その前の変動表示の停止図柄として、
図31(A)に示すように、「556」等のチャンス目を停止図柄として所定割合にて決定して導出表示することで、次の変動表示でスーパーリーチが発生する可能性があることを示唆する場合がある。
【0323】
非立体視画像の飾り図柄(演出図柄)による変動により、両端の飾り図柄(演出図柄)として同一の飾り図柄、例えば「7」が停止することでリーチ状態が発生すると
図31(C)、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、交互表示演出が設定されている場合には、
図32に示す制御内容を実施して交互表示演出を実施する。
【0324】
尚、これら交互表示演出が設定されている場合とは、交互表示演出実行中フラグがセットされている場合であり、これら交互表示演出の開始時点は、当該変動表示の開始時にセットされる交互表示演出開始待ちタイマがタイマアップしたことにより開始される。つまり、これら交互表示演出開始待ちタイマには、変動表示の開始時点からリーチ状態が成立するまでの期間がセットされており、該期間が経過して交互表示演出開始待ちタイマがタイマアップした時点である、飾り図柄(演出図柄)によるリーチ状態が発生したタイミングで交互表示演出が開始される。
【0325】
交互表示演出においては、
図31(D)に示すように、特定のキャラクタ(
図31ではスペースシャトル)を含み、立体度が最も小さい最小立体度の画像と、該最小立体度表示の立体度よりも大きな立体度A、立体度B、立体度Cの画像とを、交互に複数回表示する演出を実施する。つまり、立体度が最も小さい最小立体度の立体画像は、視差による立体度が最小であるために、ほぼ非立体画像と同じく遊技者に視認されるために、遊技者にとっては、あたかも、平面視画像と立体画像とが交互に表示されるように見えることになる。
【0326】
尚、本実施例では、特定キャラクタだけでなく、飾り図柄についても最小立体度による表示と、立体度A、立体度B、立体度Cによる表示とを実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定キャラクタだけについて、最小立体度による表示と、立体度A、立体度B、立体度Cによる表示とを交互に実施するようにしても良い。
【0327】
そして、交互表示演出の終了時における表示状態が最小立体度による表示である場合(
図31(E1))には、非立体視画像の表示による2Dリーチ(ノーマルリーチAまたはスーパーリーチA)に移行する(
図31(F1))。
【0328】
一方、交互表示演出の終了時において表示状態が立体度Cによる表示である場合(
図31(E2))には、立体視画像の表示による3Dリーチ(ノーマルリーチBまたはスーパーリーチB)に移行する(
図31(F2))。
【0329】
これら本実施例の交互表示演出において演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)が実施する制御内容を
図32に示す。
【0330】
具体的に、本実施例の交互表示演出においては、
図32に示すように、交互表示演出の開始から終了までに最小立体度による表示(以下、擬似2D表示と称す)と3D表示とを3回繰返し実施した後、上述したように、2Dリーチが発生する場合には、交互表示演出終了時の表示状態を擬似2D表示とする一方、3Dリーチが発生する場合には、交互表示演出終了時の表示状態を立体度Cの3D表示とする。
【0331】
この交互表示演出の期間のうち、擬似2D表示を実施する期間についても、3D表示を実施する期間についても、演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)は、
図32に示すように、画像用液晶パネル9aに立体画像を表示する制御と、視差バリヤ用液晶パネル9bに視差バリヤ画像を表示する制御とを実施する。
【0332】
尚、本実施例では、交互表示演出の期間はキャンセル不能期間に設定されているので、2D画像を並行して描画する必要がないことから、該交互表示演出の期間においては、VRAM領域の非立体画像表示領域を最小立体度の擬似2D画像を描画する領域として一時的に使用することで、異なる立体度の画像の交互表示を迅速に実施できるようにしている。
【0333】
つまり、演出制御用CPU86は、VDP262に指示して、最小立体度の擬似2D画像をVRAM領域の非立体画像表示領域に描画させて擬似2D画像の表示期間において表示させ、立体度A、立体度B、立体度Cの3D画像をVRAM領域の立体画像表示領域に描画させて3D画像の表示期間において表示させる。
【0334】
このように、交互表示演出において、2D画像ではなく擬似2D画像を使用することにより、視差バリヤ用液晶パネル9bにおいて視差バリヤ画像の表示・非表示の制御を実施するとともに、これら視差バリヤ画像の表示・非表示に伴って変動表示装置9における表示画面の輝度が変化してしまうことを、例えば、バックライト9cの発光輝度を低下させたり、若しくは、画像用液晶パネル9aに表示する2D画像のRGBデータのγ値を補正して明るさを調整する等の制御を実施する必要がなく、これら交互表示演出における制御負荷を著しく低減することができる。
【0335】
尚、擬似2D画像と交互に表示される3D画像の立体度が、
図32に示すように、1回目においては立体度A、2回目においては、立体度Aよりも立体度の大きい立体度B、3回目においては、立体度Bよりも立体度の大きい立体度Cとなるように、演出制御用CPU86にて制御されることで、交互表示演出における3D表示について、立体度が段階的に大きくなる。
【0336】
つまり、交互表示演出において、初めから立体度の大きな立体度Cにて3D画像を表示すると、いきなり立体度の大きな3D画像が表示されることで、遊技者に与える違和感が大きくなってしまうのに対し、本実施例のように、3D画像の立体度を段階的に徐々に大きくすることにより、遊技者に与える違和感を低減できる。
【0337】
以上、本実施例によれば、本発明における立体視画像演出となる3Dリーチ(ノーマルリーチBまたはスーパーリーチB)を実施するときに、擬似2D表示と3D表示とを複数回、交互に表示する交互表示演出を実施するとともに、本発明における平面視画像演出となる2Dリーチ(ノーマルリーチAまたはスーパーリーチA)を実施するときにも、擬似2D表示と3D表示とを複数回、交互に表示する交互表示演出を実施することで、2Dリーチが実行されるとき(3Dリーチが実行されないとき)においても、3Dリーチが実行されるときと同じく交互表示演出が実施されることにより、例え、交互表示演出において立体視画像が表示されたとしても、遊技者にとって有利な大当り状態に制御されることが期待できる3Dリーチに必ずしも移行するとは限らないので、3Dリーチに移行するか否かについての面白みを得ることができるため、遊技機の興趣を向上できる。
【0338】
また、本実施例によれば、3D画像の表示を中止させたいときには、操作ボタン516を操作することで、3D画像の表示が中止されるので、遊技者は、遊技中において3D画像の表示を中止して2D画像の表示に切り替えて遊技を行うことができる。
【0339】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0340】
例えば、前記実施例では、パチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンや、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
【0341】
また、前記実施例では、
図3に示すように、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41が直接、主基板31に接続された形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41の一部または全てを、中継基板を介して主基板31に接続するようにしても良い。
【0342】
また、前記実施例では、交互表示演出の交互表示演出制御パターンを個別に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら交互表示演出制御パターンを含む図柄変動制御パターン(プロセステーブル)と交互表示演出制御パターンを含まない図柄変動制御パターン(プロセステーブル)とを設け、交互表示演出を実行する場合には、交互表示演出制御パターンを含む図柄変動制御パターン(プロセステーブル)をセットするようにしても良い。
【0343】
また、前記実施例では、交互表示演出において、立体度の小さな3D画像から段階的に立体度の大きな3D画像を表示することで、遊技者が2D画像表示から3D画像表示に良好に適応できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該手法以外の手法、例えば、立体度が同一の3D画像の大きさを、段階的に徐々に大きくしたり、立体度が同一の3D画像の表示位置を、左上隅→右上隅→左下隅→右下隅のように、表示位置を徐々に変化させるようにしても良い。
【0344】
また、前記実施例では、3DリーチとなるノーマルリーチBやスーパーリーチBが、遊技者にとって有利な大当り状態に制御される期待度や、遊技者にとってより多くの価値であるパチンコ球を獲得できる確変大当りAとなる期待度が高い演出である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらノーマルリーチBやスーパーリーチBの発生頻度が、その時点が低ベース高確率状態(潜伏状態)にある場合と、低ベース低確率状態(通常状態)にある場合とで、異なる決定比率とされた決定テーブルを使用することで、低ベース高確率状態(潜伏状態)にあるときには低ベース低確率状態(通常状態)である場合に比較して、3Dリーチ(ノーマルリーチBやスーパーリーチB)が多く発生するようにすることで、3Dリーチが発生する場合には、低ベース高確率状態(潜伏状態)に制御されている可能性が高いパチンコ機1としても良い。
【0345】
また、前記実施例では、交互表示演出において、擬似2D表示の期間と3D表示の期間とをほぼ同じとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、2Dリーチ(ノーマルリーチAやスーパーリーチA)に移行する場合には、擬似2D表示をする2D表示期間を、3D表示をする3D表示期間よりも長くし、3Dリーチ(ノーマルリーチBやスーパーリーチA)に移行する場合には、3D表示期間を2D表示期間よりも長くする、つまり、交互表示演出において、2D表示期間と3D表示期間との比率を3Dリーチとなるかならないかで異ならせて、これら2D表示期間と3D表示期間の比率により、3Dリーチとなる期待度が異なるようにしても良い。
【0346】
また、前記実施例では、交互表示演出の演出期間や交互表示回数を一定とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3Dリーチとなる場合には、長い交互表示演出の演出期間や多い交互表示回数が決定されるように設定したテーブルを用いることで、交互表示演出の演出期間が長い場合や、交互表示回数が多い場合には3Dリーチとなる易く、逆に、交互表示演出の演出期間が短い場合や、交互表示回数が少ない場合には2Dリーチとなる易いようにしても良い。
【0347】
また、前記実施例では、交互表示演出において表示される3D画像の立体度は何ら変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3Dリーチとなる場合には立体度の大きい3D画像が決定され易く、2Dリーチとなる場合には立体度の小さい3D画像が決定され易くなるように設定された立体度決定テーブルを用いることで、交互表示演出において最終的に到達する3D画像の立体度が大きいと3Dリーチとなり易く、交互表示演出において最終的に到達する3D画像の立体度が小さいと2Dリーチとなり易くなるようにしても良い。
【0348】
また、前記実施例では、交互表示演出において3D画像の立体度は順次大きくなる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら立体度が大きくなった3D画像の立体度を低下させたり、このような3D画像の立体度の大小の変化を繰り返すようにしても良い。
【0349】
尚、前記実施例の交互表示演出における擬似2D表示の最小立体度とは、視差バリヤ用液晶パネル9bに視差バリヤ画像は表示するが視差を無くすことで立体度が0(2D表示)であるものであっても良いし、わずかな視差により、ほぼ2D画像として見える立体度しか有しないものであれば良い。
【0350】
また、前記実施例では、視差バリヤ用液晶パネル9bを有することで視差バリヤの表示・非表示が可能なパチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差バリヤ用液晶パネル9bではなく、断面視がかまぼこ状のレンティキュラレンズを有するものであっても良く、この場合、交互表示演出として、視差が無いことで立体度が0の画像、または少ない視差により、ほぼ2D画像として見える立体度しか有しない画像と、立体度の大きい3D画像とを交互に表示すれば良い。