(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴い、情報が書き込まれたカードによってショッピング等を利用可能とするサービスが行われている。このようなサービスにおいては、予め所定のカードにその用途に応じて決められた情報を書き込んでおき、サービスを利用する場合に、カードに書き込まれた情報を読み取り、読み取った情報を用いてサービスの提供が行われる。
【0003】
このようなカードを製造する場合、例えば、複数のカードがマトリックス状となって構成されるカード基材からカードが1枚ずつ打ち抜かれ、その後、一旦積み重ねられてストックされる。積み重ねられたカードは1枚ずつ取り出されて検査等の工程に送られる。ところが、複数枚積み重ねられたカードにおいては、カード間の摩擦力等によって静電気が生じており、そのため、カードが1枚ずつ取り出される際、その静電気によって複数枚のカードが同時に取り出されてしまい、検査等の次の工程が正常に行われなくなってしまう虞れがある。
【0004】
ここで、積み重ねられた複数枚のカードを最下面のカードから1枚ずつ取り出す構成において、積み重ねられたカードの一部をその側面から挟み込むことにより、最下面のカードにかかる負荷を低減する機構が考えられており、特許文献1に開示されている。そこで、この機構を用いて、積み重ねられた複数枚のカードを互いに密着しないようにその側面から挟み込むことにより、カードが1枚ずつ取り出される際、静電気によって複数枚のカードが同時に取り出されてしまうことを回避することが考えられる。
【0005】
また、供給されてくる単片状のシートを起立状態で集積する装置において、1枚ずつ供給されてくる単片状のシートを螺旋状の回転体の回転によって移動させていくものが特許文献2に開示されている。
【0006】
昨今、上述したようなカードとして、カードに対して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なICが搭載された非接触型ICカードがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。このような非接触型ICカードは、フィルム基材上に、アンテナが形成されるとともにこのアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しが可能なICチップが搭載されたインレットと呼ばれる部品が内蔵されている。そして、このようなインレットにおいても、非接触型ICカードの製造工程において、上述したように複数枚が積層された状態でストックされることが考えられる。
【0007】
そのため、上述したインレットや、フィルムあるいはラベルのような薄型シート状物においても、複数枚が積み重ねられた状態から1枚ずつ取り出される際、その静電気によって複数枚が同時に取り出されてしまうことを回避するために、上記のように互いに密着しないように保持しておくことが好ましい。
【0008】
しかしながら、フィルムやラベルのような薄型シート状物は、カードと比べて容易に変形可能なものであることから、上述したように側面から挟み込むことができず、カードのように互いに密着しないように保持することができないという問題点がある。
【0009】
また、特許文献2に開示されたもののように、1枚ずつ供給されてくる単片状のシートを螺旋状の回転体の回転によって導いていくものを適用したとしても、複数枚の薄型シート状物が保持された状態においては、複数枚の薄型シート状物が互いに密着しないようにはならない。
【0010】
そこで、本出願人は、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容可能に構成され、上面側から薄型シート状物が収容される収容部と、天地方向を螺旋の進行方向とする螺旋部を具備し、螺旋部が収容部の側面から収容部の内側に突出するように配され、螺旋の中心部を軸として回転する支持部材とを有し、螺旋部の下方端部が収容部の下面よりも少なくとも薄型シート状物1枚分高い位置となっているシートストッカを考え出した。このシートストッカにおいては、収容部に収容される薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で螺旋部の回転に伴って順次収容部の下方に導かれていき収容され、収容部に1番目に収容された薄型シート状物が、収容部の下面と螺旋部の下方端部との間にて収容され、他の薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋面に1枚ずつ搭載された状態で収容されるため、収容部に収容された薄型シート状物が、その端部が支持部材の螺旋部の螺旋ピッチの間隔だけ離れて保持されることになり、それにより、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で、互いに密着しないように保持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、薄型シート状物を螺旋面に搭載して螺旋部の回転に伴って順次収容部の下方に導いていき収容部に収容するものにおいては、薄型シート状物の収容部への供給と螺旋部の回転との関係で、例えば、薄型シート状物が収容部に供給されていない状態にて螺旋部が回転している場合や、螺旋部の回転に対して薄型シート状物の収容部への供給速度が遅い場合、収容部に収容された薄型シート状物が螺旋部の螺旋面に連続して搭載された状態とはならず、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じることなる。
【0013】
上記のように収容部に収容された薄型シート状物は、例えば、その後、収容部の下面側から順次取り出されて処理されることが考えられるが、収容部に収容された複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じていると、収容部に収容された複数枚の薄型シート状物を連続して取り出すことができなくなってしまう。
【0014】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で保持する場合に薄型シート状物どうしが密着しないように、かつ、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域を生じさせずに保持した状態とすることができるシートストッカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明は、
薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容可能に構成され、上面側から薄型シート状物が収容される第1の収容部と、
天地方向を螺旋の進行方向とする第1の螺旋部を具備し、該第1の螺旋部が、前記第1の収容部の側面から該第1の収容部の内側に突出するように配され、螺旋の中心部となる第1の螺旋軸を中心として回転する第1の支持部材と、
前記第1の収容部の下方に配置され、前記第1の収容部から排出された薄型シート状物が上面側から収容される第2の収容部と、
前記第1の螺旋部の進行方向を螺旋の進行方向とする第2の螺旋部を具備し、該第2の螺旋部が、前記第2の収容部の側面から該第2の収容部の内側に突出するように配され、螺旋の中心部となる第2の螺旋軸を中心として回転する第2の支持部材と、
前記第1の収容部の上面側から収容されることにより前記第1の螺旋部の螺旋面
にその端部が搭載された薄型シート状物を、前記第1の螺旋軸を中心として前記第1の螺旋部を第1の方向に回転させることにより前記第1の収容部の下面側に移動させて前記第1の収容部の下面側から排出させ、また、前記第2の収容部の上面側から収容されることにより前記第2の螺旋部の螺旋面
にその端部が搭載された薄型シート状物を、前記第2の螺旋軸を中心として前記第2の螺旋部を前記第1の方向に回転させることにより前記第2の収容部の下面側に移動させる回転制御手段とを有し、
前記回転制御手段は、前記第1の収容部に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と前記第1の収容部の上面との間に複数枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合に、前記最上面の薄型シート状物と前記第1の収容部の上面との間の空き領域が、1枚の薄型シート状物のみが収容されるものとなるまで、前記第1の螺旋軸を中心として前記第1の螺旋部を前記第1の方向とは反対方向の第2の方向に回転させ、また、前記第2の収容部に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と前記第2の収容部の上面との間に少なくとも1枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合に、所定のタイミングにおいて、前記最上面の薄型シート状物と前記第2の収容部の上面との間の空き領域がなくなるまで、前記第2の螺旋軸を中心として前記第2の螺旋部を前記第2の方向に回転させる
シートストッカにおいて、
前記第2の収容部に収容された薄型シート状物を前記第2の収容部の下面側から取り出し、単片状の部品が連続して搬送されてくる搬送経路に対して、前記単片状の部品が連続せずに抜けた歯抜け部分に排出する排出手段を有し、
前記回転制御手段は、前記排出手段から前記薄型シート状物が排出される領域に前記単片状の部品が所定数連続して搬送されるタイミングにおいて、前記第2の螺旋軸を中心として前記第2の螺旋部を前記第2の方向に回転させることを特徴とする。
【0016】
上記のように構成された本発明においては、第1の収容部の上面側から薄型シート状物が収容されると、第1の収容部の側面からその内側に第1の支持部材の第1の螺旋部が突出しているため、薄型シート状物は、この第1の支持部材の第1の螺旋部の螺旋面にその端部が搭載されることになる。そして、回転制御手段の制御によって第1の螺旋部が第1の螺旋軸を中心として第1の方向に回転することにより薄型シート状物は第1の収容部の下方に移動していく。次に収容される薄型シート状物が第1の収容部の上面側から収容されると、同様に、その端部が第1の支持部材の第1の螺旋部の螺旋面に搭載され、回転制御手段の制御による第1の螺旋部の回転に伴って第1の収容部の下方に移動していく。このようにして、第1の収容部に収容される薄型シート状物は、1枚ずつその端部が第1の支持部材の第1の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で第1の収容部に収容されていく。その後、第1の収容部の下方に移動した薄型シート状物は、第1の収容部から1枚ずつ排出されて第2の収容部にその上面側から収容される。そして、第2の収容部の上面側から薄型シート状物が収容されると、第2の収容部の側面からその内側に第2の支持部材の第2の螺旋部が突出しているため、薄型シート状物は、この第2の支持部材の第2の螺旋部の螺旋面にその端部が搭載されることになる。そして、回転制御手段の制御によって第2の螺旋部が第2の螺旋軸を中心として第1の方向に回転することにより薄型シート状物は第2の収容部の下方に移動していく。次に収容される薄型シート状物が第1の収容部から排出されて第2の収容部の上面側から収容されると、同様に、その端部が第2の支持部材の第2の螺旋部の螺旋面に搭載され、回転制御手段の制御による第2の螺旋部の回転に伴って第2の収容部の下方に移動していく。このようにして、第1の収容部に収容された薄型シート状物は、1枚ずつ第1の収容部から排出され、その端部が第2の支持部材の第2の螺旋部の螺旋面に搭載された状態で第2の収容部に収容されていく。ここで、薄型シート状物の第1の収容部への供給と第1及び第2の螺旋部の回転との関係で、例えば、薄型シート状物が第1の収容部に供給されていない状態にて第1及び第2の螺旋部が回転している場合や、第1及び第2の螺旋部の回転に対して薄型シート状物の第1の収容部への供給速度が遅い場合、第1の収容部や第2の収容部に収容された薄型シート状物が第1の螺旋部や第2の螺旋部の螺旋面に連続して搭載された状態とはならず、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じることなる。そこで、回転制御手段において、第1の収容部に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と第1の収容部の上面との間に、複数枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合に、最上面の薄型シート状物と第1の収容部の上面との間の空き領域が、1枚の薄型シート状物のみが収容されるものとなるまで、第1の螺旋軸を中心として第1の螺旋部を第1の方向とは反対方向の第2の方向に回転させることにより、第1の収容部に収容された最上面の薄型シート状物と、第1の収容部に次に供給された薄型シート状物との間に、薄型シート状物が存在しない空き領域がなくなる。そして、第1の螺旋部を第1の方向に回転させるとともに、第1の収容部に薄型シート状物を収容していくことにより、第1の収容部においては、薄型シート状物が第1の螺旋部の全ての螺旋面に搭載された状態となる。また、第2の収容部においては、第1の収容部に上述した空き領域が生じた状態で第2の螺旋部が第1の方向に回転することにより、第2の収容部に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と第2の収容部の上面との間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じることなる。そこで、回転制御手段において、第2の収容部に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と第2の収容部の上面との間に、少なくとも1枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合に、所定のタイミングにおいて、最上面の薄型シート状物と第2の収容部の上面との間の空き領域がなくなるまで、第2の螺旋軸を中心として第2の螺旋部を第2の方向に回転させることにより、第1の収容部から排出された薄型シート状物が次に第2の収容部に供給された場合、その薄型シート状物と第2の収容部に収容された最上面の薄型シート状物との間に、薄型シート状物が存在しない空き領域がなくなる。
【0017】
このように、第1及び第2の収容部に収容される薄型シート状物が、その端部が第1または第2の支持部材の第1または第2の螺旋部の螺旋面に1枚ずつ搭載された状態で収容されるので、第1及び第2の収容部に収容された薄型シート状物が、その端部が第1または第2の支持部材の第1または第2の螺旋部の螺旋ピッチの間隔だけ離れて互いに密着しないように保持されることになり、また、第1の収容部と第2の収容部のそれぞれにおいて、収容された最上面の薄型シート状物と、次に供給された薄型シート状物との間に、薄型シート状物が存在しない空き領域がなくなることにより、第1及び第2の収容部において、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じずに保持した状態となる。また、第2の収容部に収容された薄型シート状物を第2の収容部の下面側から排出させる場合、第1の収容部において上記動作が行われる時でも、第2の収容部に収容された薄型シート状物を排出することができる。
【0018】
また、第2の収容部に収容された薄型シート状物を第2の収容部の下面側から取り出し、単片状の部品が連続して搬送されてくる搬送経路に対して、単片状の部品が連続せずに抜けた歯抜け部分に排出する排出手段を有し、回転制御手段において、排出手段から薄型シート状物が排出される領域に単片状の部品が所定数連続して搬送されるタイミングにおいて、第2の螺旋部を第2の方向に回転させる構成とすることにより、第2の収容部に収容された薄型シート状物が第2の収容部の下面側から取り出されないタイミングで、複数枚の薄型シート状物間に生じた空き領域を埋めるための動作が行われることになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上説明したように構成されているので、第1及び第2の収容部に収容される薄型シート状物が、その端部が第1または第2の支持部材の第1または第2の螺旋部の螺旋面に1枚ずつ搭載された状態で収容され、また、第1及び第2の収容部に収容された最上面の薄型シート状物と、第1及び第2の収容部に次に供給された薄型シート状物との間に、薄型シート状物が存在しない空き領域がなくなる動作が行われ、それにより、薄型シート状物を天地方向に積層した状態で保持する場合に薄型シート状物どうしが密着しないように、かつ、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域を生じさせずに保持した状態とすることができる。また、第1の収容部に収容された薄型シート状物の上方から下方への移動と、第2の収容部に収容された薄型シート状物の上方から下方への移動とが互いに独立して行われることにより、複数枚の薄型シート状物間に、薄型シート状物が存在しない空き領域が生じない状態としながらも、第1の収容部の上面側から供給された薄型シート状物の第2の収容部の下面側への移動を高速に行うことができる。また、第2の収容部に収容された薄型シート状物を第2の収容部の下面側から排出させる場合、第1の収容部において上記動作が行われる時でも、第2の収容部に収容された薄型シート状物を排出することができる。
【0020】
また、第2の収容部に収容された薄型シート状物を第2の収容部の下面側から取り出し、単片状の部品が連続して搬送されてくる搬送経路に対して、単片状の部品が連続せずに抜けた歯抜け部分に排出する排出手段を有し、回転制御手段において、排出手段から薄型シート状物が排出される領域に単片状の部品が所定数連続して搬送されるタイミングにおいて、第2の螺旋部を第2の方向に回転させる構成と
することにより、第2の収容部に収容された薄型シート状物が第2の収容部の下面側から取り出されないタイミングで、複数枚の薄型シート状物間に生じた空き領域を埋めるための動作が行われることになり、それにより、第2の収容部に収容された薄型シート状物が第2の収容部の下面側から取り出されるタイミングにおいて、第2の収容部の下面側に薄型シート状物が存在しない状態となってしまうことを回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明のシートストッカの実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図、(c)は(a)に示した矢印B方向から見た図である。また、
図2は、
図1に示した収容部10a,10b及び収容補助機構20a,20bの詳細な構成を示す図であり、(a)は側面方向から見た図、(b)は上面側から見た図である。
【0024】
本形態は
図1に示すように、支持板40に、フィルム、あるいは紙や可撓性を有するフィルム基材を用いたラベル等の薄型シート状物を収容する収容部10a,10bと、供給された薄型シート状物を収容部10a,10bの上面側から下面側に移動させていく収容補助機構20a,20bとが取り付けられて構成されている。この収容補助機構20a,20bには、収容補助機構20a,20bの動作を互いに独立して制御する回転制御手段となる制御ユニット60が接続されており、この制御ユニット60には、単片状の部品が連続して搬送されてくる搬送経路50上にて単片状の部品を検出するセンサ70が接続されている。また、収容部10bの下方には、収容部10bに収容された薄型シート状物を取り出して搬送経路50上に排出する排出機構30が設けられている。
【0025】
収容部10aは、本発明の第1の収容部となるものであって、上面端部にて支持板40に取り付けられている。そして、上面及び下面が全面開口し、
図2に示すように、4つの側面13に囲まれて構成されており、供給された薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容する。
【0026】
収容部10bは、本発明の第2の収容部となるものであって、収容部10aの下方に配置されており、上面端部にて収容部10bの下面端部に固定された積層部11と、積層部11の下方に配置された受け部12とから構成されている。積層部11は、上面及び下面の全面が開口し、収容部10aと同様に、4つの側面13に囲まれて構成されており、収容部10aから排出された薄型シート状物を天地方向に積層した状態で収容する。受け部12は、積層部11によって積層部11の下方に固定され、上面が全面開口し、
図2に示すように、4つの側面13に囲まれて構成されている。そして、受け部12の下面は、4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13に繋がった底部14が設けられており、この底部14以外の領域が開口している。このように構成された受け部12は、上面の開口部分から、積層部11に収容された薄型シート状物を最下面の薄型シート状物から1枚ずつ受け付け、下面の底部14以外の領域から薄型シート状物が取り出されることになる。
【0027】
収容補助機構20aは、本発明の第1の支持部材となるものであって、収容部10aを挟んで対向するように2つ設けられており、この2つの収容補助機構20aはそれぞれ、第1の螺旋軸22aとこの螺旋軸22aが中心部となるように取り付けられた第1の螺旋部となる螺旋板21aとから構成され、螺旋板21aの螺旋の進行方向が天地方向となり、収容部10aの4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13から収容部10aの内側に螺旋板21aの一部が突出するように配されて支持板40に取り付けられている。
【0028】
収容補助機構20bは、本発明の第2の支持部材となるものであって、積層部11を挟んで対向するように2つ設けられており、この2つの収容補助機構20bはそれぞれ、第2の螺旋軸22bとこの螺旋軸22bが中心部となるように取り付けられた第2の螺旋部となる螺旋板21bとから構成され、螺旋板21bの螺旋の進行方向が螺旋板21aの進行方向となり、積層部11の4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13から積層部11の内側に螺旋板21bの一部が突出するように配されて支持板40に取り付けられている。すなわち、収容補助機構20aの螺旋軸22aと収容補助機構20bの螺旋軸22bとは、同軸上に設けられている。
【0029】
排出機構30は、受け部12にて受け付けられた薄型シート状物を取り出して搬送経路50上に排出するものであって、受け部12にて受け付けられた薄型シート状物を吸着する4つの吸引部31と、4つの吸引部31をそれぞれ保持して伸縮自在に構成され、吸引部31に吸着された薄型シート状物を排出機構30の下方に搬送するための4つのアーム32とが回転可能に設けられている。
【0030】
センサ70は、搬送経路50上にて単片状の部品を検出するものであって、排出機構30から薄型シート状物が排出される領域に対して単片状の部品の所定数だけ搬送方向上流側に設けられている。
【0031】
制御ユニット60は、収容部10aの上面側から収容された薄型シート状物を、螺旋板21aを第1の方向に回転させることにより収容部10aの下面側に移動させて収容部10aの下面側から排出させ、また、収容部10aから排出されて収容部10bの積層部11の上面側から収容された薄型シート状物を、螺旋板21bを第1の方向に回転させることにより積層部11の下面側に移動させる制御を行う。また、収容部10aに収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と収容部10aの上面との間に複数枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合、すなわち、収容部10aの螺旋板21aによって分離される収容領域のうち少なくとも上から1段目と2段目の収容領域に薄型シート状物が収容されていない場合に、最上面の薄型シート状物と収容部10aの上面との間の空き領域が、1枚の薄型シート状物のみが収容されるもの、すなわち、最上面の薄型シート状物が収容部10aの上から2段目の収容領域に収容された状態となるまで、螺旋板21aを第1の方向とは反対方向の第2の方向に回転させる。さらに、積層部11に収容された薄型シート状物のうち最上面の薄型シート状物と積層部11の上面との間に少なくとも1枚の薄型シート状物が収容される空き領域が生じた場合に、センサ70にて単片状の部品が上記所定数連続して検出されたタイミングにおいて、最上面の薄型シート状物と積層部11の上面との間の空き領域がなくなるまで、螺旋板21bを第2の方向に回転させる。このように、螺旋板21aと螺旋板21bとは、制御ユニット60によってその回転が互いに独立して制御される。
【0032】
以下に、上記のように構成されたシートストッカ1の動作について説明する。
【0033】
まず、このシートストッカ1に収容される薄型シート状物について説明する。
【0034】
図3は、
図1及び
図2に示したシートストッカ1に収容される薄型シート状物の一例を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットシート2が連続状となった状態を示す図である。
【0035】
図1及び
図2に示したシートストッカ1に収容される薄型シート状物としては、例えば、
図3に示すようなインレットシート2が考えられる。
【0036】
このインレットシート2は
図3(a),(b)に示すように、フィルム基材3上に、2つの導電体部5a,5bが対向して形成されているとともに、この導電体部5a,5bに接続されるようにICチップ4が搭載されて構成されている。そして、カード基材に内蔵されたり、紙やラベル基材に貼着されたりして使用され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)に近接させることにより、2つの導電体部5a,5bからなるアンテナ5が情報書込/読出装置からの電波に共振して電力が生じ、この電力がICチップ4に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ4に情報が書き込まれたり、ICチップ4に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
【0037】
このようなインレットシート2は、
図3(c)に示すように、連続状となって製造され、その後、検査が行われて単片状に断裁される。そして、検査の結果、良品と判定されたもののみが、シートストッカ1に収容されることになる。
【0038】
次に、
図3に示したインレットシート2が
図1及び
図2に示したシートストッカ1に収容される際のシートストッカ1の動作を説明する。
【0039】
図4は、
図3に示したインレットシート2が
図1及び
図2に示したシートストッカ1に収容される際のシートストッカ1の動作を説明するための図である。なお、
図4においては、動作をわかりやすくするために、螺旋板21の螺旋ピッチを、収容部10に収容されるインレットシート2の厚さよりもかなり広く図示しているが、実際には、螺旋板21の螺旋ピッチはインレットシート2の厚さよりも若干広いものとなっている。
【0040】
図3(c)に示したような連続状から単片状に断裁され、検査にて良品と判断されたインレットシート2が、収容部10aの上面側に供給されてくると、
図4(a)に示すように、供給されてきたインレットシート2が、その端部が螺旋面となる螺旋板21aの上端部に搭載され、それにより、収容部10aの螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域に収容されることになる。
【0041】
インレットシート2が、螺旋板21aの上端部に搭載されると、制御ユニット40の制御によって螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として螺旋が上方に進むように第1の方向に回転する。すると、
図4(b)に示すように、インレットシート2が収容部10aの下方に移動していく。なお、制御ユニット40の制御による螺旋板21aの回転は、例えば、螺旋軸22aに一体化したモータを制御ユニット40の制御によって回転させたり、螺旋軸22aにベルトを掛け回し、このベルトを制御ユニット40の制御によって回転させたりすることが考えられる。
【0042】
その後、次に収容部10aに収容されるインレットシート2が、収容部10aの上面側に供給されてくると、
図4(c)に示すように、供給されてきたインレットシート2が、上記同様に、その端部が螺旋板21aの上端部に搭載され、それにより、収容部10aの螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域に収容される。そして、インレットシート2が、螺旋板21aの1段目に搭載されると、上記同様に、螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として螺旋が上方に進むように回転し、インレットシート2が積層部11の下方に移動していく。
【0043】
このようにして、収容部10aに収容されるインレットシート2は、
図4(d)に示すように、1枚ずつその端部が螺旋板21aに搭載された状態で収容部10aの上方から下方に移動していき、積層された状態で収容されていく。
【0044】
そして、収容部10aに1番目に収容されたインレットシート2が収容部10aの下面に移動した後、螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として第1の方向にさらに回転すると、
図4(e)に示すように、最下面に積層された状態となっているインレットシート2が収容部10aから排出され、その端部が、収容補助部材20bの螺旋板21bの上端部に搭載され、それにより、積層部11の螺旋板21bによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域に収容される。
【0045】
インレットシート2が、螺旋板21bの上端部に搭載されると、制御ユニット40の制御によって螺旋板21bが螺旋軸22bを中心として螺旋が上方に進むように第1の方向に回転することにより、インレットシート2が積層部11の下方に移動していく。
【0046】
このようにして、収容部10bに収容されるインレットシート2は、1枚ずつその端部が螺旋板21bに搭載された状態で積層部11の上方から下方に移動していき、積層された状態で収容されていく。
【0047】
そして、積層部11に1番目に収容されたインレットシート2が積層部11の下面に移動した後、螺旋板21bが螺旋軸22bを中心として第1の方向にさらに回転すると、
図4(f)に示すように、最下面に積層された状態となっているインレットシート2が積層部11bから下方に落下して受け部12にて受け付けられる。この際、積層部11に収容されたインレットシート2は、互いに密着しないように保持されているため、積層部11にて最下面となって収容されたインレットシート2から受け部12に1枚ずつ落下する際、静電気によって複数枚のインレットシート2が同時に落下してしまうことが回避される。
【0048】
上記のようにインレットシート2が収容部10a,10bに1枚ずつ収容されていくことにより、インレットシート2は積層されたような状態で収容部10a及び積層部11に収容されることになるが、積層されたような状態となったインレットシート2の端部がそれぞれ螺旋板21a,21bに搭載された状態となっているため、収容部10a,10bに収容されたインレットシート2を互いに密着しないように保持することができる。
【0049】
このようにしてインレットシート2が積層された状態で収容部10a,10bに収容された後、排出機構30によって、受け部12にて受け付けられたインレットシート2から順次取り出されて搬送経路50上に排出されていく。
【0050】
図5は、
図1に示した収容部10a,10bに収容されたインレットシート2が排出機構30によって取り出されて搬送経路50上に排出されていく動作を説明するための図である。なお、以下では、1枚のインレットシート2が排出される動作を説明するが、実際には、4つの吸引部31のそれぞれにてインレットシート2が吸着されて順次排出されていくことが考えられる。
【0051】
積層部11から受け部12にて受け付けられたインレットシート2が受け部12から取り出される場合、まず、
図5(a)に示すように、受け部12の下面に対向している吸引部31を支持するアーム32が受け部12に向かう方向に伸びる。
【0052】
そして、
図5(b)に示すように、受け部12にて受け付けられたインレットシート2が吸引部31に吸着された状態でアーム32が縮むことにより、受け部12にて受け付けられたインレットシート2が受け部12から取り出される。この際、受け部12の下面においては、受け部12の4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13に繋がった底部14が設けられているため、吸引部31に吸着されたインレットシート2は、受け部12の下面の底部14以外の開口部分から撓みながら取り出されていくことになる。そのため、底部14の側面13からの長さは、インレットシート2の硬さに応じて、インレットシート2が撓みながらも受け部12の下面の開口部分から取り出し可能となる程度とする必要がある。
【0053】
インレットシート2が吸引部31に吸着されて受け部12から取り出されると、
図5(c)に示すように、排出機構30が支持軸33を中心として回転し、吸引部31に吸着されたインレットシート2が排出機構30の下方に搬送されていく。
【0054】
そして、排出機構30の回転によって、吸引部31に吸着されたインレットシート2が排出機構30の下方に搬送されると、
図5(d)に示すように、インレットシート2を吸着している吸引部31を支持するアーム32が伸びるとともに、吸引部31による吸着力が解除され、それにより、インレットシート2が排出機構30の下方の搬送経路50上にて搬送されてきたラベル基材6上に排出、搭載される。
【0055】
このようにして、収容部10a,10bに収容されたインレットシート2が、積層部11にて最下面となって収容されたインレットシート2から1枚ずつ順次取り出され、搬送経路50上に排出されていくことになる。
【0056】
次に、上述したようにしてインレットシート2が収容された収容部10a,10bに、インレットシート2が収容されていない空き領域が生じている場合の処理について説明する。
【0057】
図6は、
図1及び
図2に示したシートストッカ1において収容部10a,10bに空き領域が生じている場合の処理を説明するためのフローチャートであり、(a)は収容部10aに空き領域が生じている場合のフローチャート、(b)は積層部11に空き領域が生じている場合のフローチャートである。また、
図7は、
図1及び
図2に示したシートストッカ1において収容部10a及び積層部11に空き領域が生じている場合の動作を示す図である。
【0058】
図1及び
図2に示したシートストッカ1においては、上述したようにして収容部10a,10bにインレットシート2が
図4(f)に示したような積層状態とされ、その状態から排出機構30におけるインレットシート2の搬送経路50への排出が開始する。
【0059】
そして、積層部11に積層されたインレットシート2が、最下面のインレットシート2から受け部12に落下し、排出機構30によって受け部12から取り出されていくとともに、螺旋板21a,21bが螺旋軸22a,22bを中心に第1の方向に回転し、収容部10a及び積層部11にそれぞれ積層されたインレットシート2が下方に移動していくと、例えば、インレットシート2が収容部10aに供給されていない状態にて螺旋板21a,21bが回転している場合や、螺旋板21a,21bの回転に対してインレットシート2の収容部10aへの供給速度が遅い場合、
図7(a)に示すように、収容部10aにおいて、最上面に積層されたインレットシート2と収容部10aの上面との間に、複数枚のインレットシート2が収容可能であってインレットシート2が収容されていない空き領域7が生じる。
【0060】
そこで、制御ユニット60において、上記のようにしてインレットシート2が収容部10a,10bに収容された後に、収容部10aの螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から2段目の収容領域にインレットシート2が収容されているかどうかが検出される(ステップ1)。これは、収容部10aの螺旋板21aによって分離される上から2段目の収容領域にセンサ(不図示)を設けておくことによって行うことが考えられる。
【0061】
収容部10aの螺旋板21aによって分離される上から2段目の収容領域にインレットシート2が収容されていない場合、制御ユニット60の制御によって、螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として螺旋が下方に進むように第2の方向に回転する(ステップ2)。
【0062】
すると、
図7(b)に示すように、収容部10aに収容されたインレットシート2が収容部10aの上方に移動していく。この際、制御ユニット60の制御によって、螺旋板21bの回転は停止している。
【0063】
そして、最上面のインレットシート2が螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から2段目の収容領域に戻り、最上面のインレットシート2と収容部10aの上面との間の空き領域が、螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域にて1枚のインレットシート2のみが収容されるものとなった場合(ステップ3)、制御ユニット60の制御によって螺旋板21aの回転が停止する(ステップ4)。なお、最上面のインレットシート2が螺旋板21aによって分離される収容領域のうち上から2段目の収容領域に戻ったかどうかの検出についても、ステップ1における検出に用いたセンサによって行うことができる。
【0064】
その後、螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として螺旋が上方に進むように回転するとともに、収容部10aにインレットシート2が供給されることにより、収容部10aにおいては、インレットシート2が螺旋板21aの全ての螺旋面に搭載された状態となる。また、収容部10aからインレットシート2が排出されていない状態において、螺旋板21bが螺旋軸22bを中心として螺旋が上方に進むように回転して、積層部11の最下面のインレットシート2が受け部12に排出されていくことにより、
図7(c)に示すように、積層部11において、積層部11に収容されたインレットシート2のうち最上面のインレットシート2と積層部11の上面との間に、インレットシート2が存在しない空き領域が生じる。
【0065】
そこで、制御ユニット60において、積層部11の螺旋板21bによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域にインレットシート2が収容されているかどうかが検出される(ステップ11)。これは、積層部11の螺旋板21bによって分離される上から1段目の収容領域にセンサ(不図示)を設けておくことによって行うことが考えられる。
【0066】
積層部11の螺旋板21bによって分離される上から1段目の収容領域にインレットシート2が収容されていない場合、次に、制御ユニット60において、搬送経路50にてインレットシート2が5枚連続して搬送されてきたかどうかがセンサ70を用いて検出される(ステップ12)。
【0067】
図8は、
図1に示した搬送経路50上を、
図5に示したラベル基材6が連続状となった連続ラベル9が搬送されてくる様子を示す図である。
【0068】
図8に示すように、本形態においては、
図5に示したラベル基材6が連続状となった連続ラベル9が搬送経路50上を搬送されてくる。この連続ラベル9には、複数のラベル基材6がスリットによって搬送方向に並んで区画形成されており、ラベル基材6上にはインレットシート2が搭載されている。インレットシート2は、検査によって良品とされたもののみがラベル基材6上に搭載されており、検査によって不良品とされたものはラベル機材6上に搭載されず、それにより、ラベル基材6の中には、インレットシート2が搭載されずに歯抜け部分8を有するものがある。
【0069】
そして、排出機構30から排出されたインレットシート2がこの歯抜け部分8に搭載されることにより、連続ラベル9上に歯抜け部分8がなくなる。すなわち、本形態における排出機構30は、上述したように、連続ラベル9上に生じた歯抜け部分8にインレットシート2を搭載するリペアを行うものである。
【0070】
また、センサ70は、搬送経路50上にてインレットシート2を検出するものであって、排出機構30からインレットシート2が排出される領域に対してインレットシート2の5枚分だけ搬送方向上流側に設けられている。そのため、センサ70にて5枚連続してインレットシート2が検出された場合は、排出機構30からインレットシート2が排出される領域にそのタイミングからインレットシート2が5枚連続して搬送されることとなり、その間は、排出機構30からインレットシート2が排出されないこととなる。
【0071】
センサ70において搬送経路50にてインレットシート2が5枚連続して検出された場合は、制御ユニット60の制御によって、螺旋板21bが螺旋軸22bを中心として螺旋が下方に進むように第2の方向に回転する(ステップ13)。
【0072】
すると、
図7(d)に示すように、積層部11に収容されたインレットシート2が積層部11の上方に移動していく。
【0073】
そして、最上面のインレットシート2が螺旋板21bによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域に戻り、最上面のインレットシート2と積層部11の上面との間の空き領域がなくなった場合(ステップ14)、制御ユニット60の制御によって螺旋板21bの回転が停止する(ステップ15)。なお、最上面のインレットシート2が螺旋板21bによって分離される収容領域のうち上から1段目の収容領域に戻ったかどうかの検出についても、ステップ11における検出に用いたセンサによって行うことができる。
【0074】
ここで、積層部11に収容されたインレットシート2を上記のように上方に移動させた場合、
図7(d)に示したように、積層部11の下面にはインレットシート2が存在しない状態となってしまう。そのため、そのタイミングでは、排出機構30においてインレットシート2を連続ラベル9上に排出、搭載することはできない。そこで、制御ユニット60において、排出機構30からインレットシート2が排出される領域にインレットシート2が5枚連続して搬送されて排出機構30からインレットシート2が排出されない状態において、インレットシート2を積層部11の上方に移動させることにより、積層部11に収容されたインレットシート2が受け部12から取り出されるタイミングにおいて、受け部12にインレットシート2が存在しない状態となってしまうことを回避することができる。
【0075】
その後、積層部11に収容された最上面のインレットシート2と積層部11の上面との間の空き領域がなくなっているため、上記同様にして、収容部10aにインレットシート2が供給されるとともに、螺旋板21a,21bが螺旋軸22a,22bを中心として螺旋が上方に進むように回転すると、
図7(e)に示すように、収容部10a及び積層部11において螺旋板21a,21bによって分離される収容領域に、インレットシート2が収容されていない空き領域が生じていない状態となる。
【0076】
そして、制御ユニット60の制御によって、
図7(f)に示すように、螺旋板21a、21bが螺旋軸22a,22bを中心として螺旋が上方に進むように回転することで、収容部10a及び積層部11に収容されたインレットシート2が下方に移動していき、積層部11の最下面に収容されたインレットシート2が受け部12に排出されていく。
【0077】
このように、収容部10aに収容されたインレットシート2のうち最上面のインレットシート2と収容部10aの上面との間に複数枚のインレットシート2が収容される空き領域が生じた場合に、最上面のインレットシート2と収容部10aの上面との間の空き領域が、1枚のインレットシート2のみが収容されるものとなるまで、螺旋板21aが螺旋軸22aを中心として螺旋が下方に進むように回転して収容部10aに収容されたインレットシート2が上方に移動するため、収容部10aに収容された最上面のインレットシート2と、収容部10aに次に供給されたインレットシート2との間に空き領域がなくなり、収容部10aにおいて、複数枚のインレットシート2間に、インレットシート2が収容されていない空き領域を生じさせずに保持した状態とすることができる。また、収容部10bにおいては、積層部11に収容されたインレットシート2のうち最上面のインレットシート2と積層部11の上面との間にインレットシート2が収容される空き領域が生じた場合に、最上面のインレットシート2と積層部11の上面との間の空き領域がなくなるまで、螺旋板21bが螺旋軸22bを中心として螺旋が上方に進むように回転して積層部11に収容されたインレットシート2が上方に移動するため、積層部11に収容された最上面のインレットシート2と、収容部10aから次に排出されるインレットシート2との間に空き領域がなくなり、収容部10bにおいて、複数枚のインレットシート2間に、インレットシート2が収容されていない空き領域を生じさせずに保持した状態とすることができる。また、収容補助機構20a,20bの動作が、制御ユニット60によって互いに独立して制御されることにより、収容部10aに収容されたインレットシート2の上方から下方への移動と、収容部10bに収容されたインレットシート2の上方から下方への移動とが互いに独立して行われることになり、それにより、複数枚のインレットシート2間に、インレットシート2が存在しない空き領域が生じない状態としながらも、収容部10aの上面側から供給されたインレットシート2の収容部10bの下面側への移動を高速に行うことができる。
【0078】
また、収容部10aにて、収容された最上面のインレットシート2と、次に供給されたインレットシート2との間にインレットシート2が存在しない空き領域がなくならないようにする動作を行っている時でも、収容部10bに収容されたインレットシート2を排出することができ、処理速度の低下を回避することができる。
【0079】
なお、本形態においては、螺旋軸22a,22bに取り付けられた支持部材として螺旋板21a,21bを用いたものを例に挙げて説明したが、支持部材としては、螺旋の進行方向が天地方向となり、収容部10aや積層部11の4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13から収容部10aや積層部11の内側にその一部が突出するように配されたものであれば、ばねのような曲線棒状のものであってもよい。その場合においても、収容部10aや積層部11に供給されたインレットシート2は、この曲線棒状を含む螺旋面に搭載され、曲線棒状のものがその螺旋の中心部を軸として回転することによって収容部10aや積層部11の下方に移動していくことになる。
【0080】
また、本形態においては、収容部10aや積層部11の4つの側面13のうち互いに対向する2つの側面13から収容部10aや積層部11の内側に螺旋板21a,21bの一部が突出するように2つの収容補助機構20a,20bが配置されて支持板40に取り付けられているものを例に挙げて説明したが、螺旋板21a,21bの一部が収容部10aや積層部11の4つの側面13のうち1つの側面13から突出するように1つの収容補助機構20a,20bが配されて支持板40に取り付けられていた構成としてもよい。
【0081】
また、本形態は、インレットシート2が搭載されたラベル基材6が連続した連続ラベル9上にてインレットシート2が搭載されていない歯抜け部分8が生じており、この歯抜け部分8にインレットシート2を搭載するリペアを行うものを例に挙げて説明したが、搬送経路50を連続して搬送されてくる単片状の部品が連続せずに抜けた歯抜け部分に薄型シート状物を排出するものであれば、適用することができる。