(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技を行なうことが可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行なう可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
前記特定遊技状態において遊技媒体が進入しやすい状態に変化可能な可変入賞装置と、
可変表示態様を特定可能な第1データ、または該第1データとは特定可変表示の設定割合が異なる第2データを使用して、識別情報の可変表示態様を決定する可変表示態様決定手段と、
遊技状態を、通常遊技状態であるときに比べて識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果になりやすい特別遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態であるときと前記特別遊技状態でないときとにおいて共通演出を実行する共通演出実行手段と、
演出を行なう複数種類の演出装置と、
前記演出装置の種類の各々に含まれる前記演出装置を複数の単位に分割し、該分割した単位に含まれる前記演出装置を制御する単位演出制御手段と、
複数の前記単位演出制御手段を統括して演出を制御する統括演出制御手段と、
前記統括演出制御手段から前記単位演出制御手段へタイミング信号を伝達するタイミング信号線と、
前記統括演出制御手段と前記単位演出制御手段との間において、双方向にて各データを送受信することが可能なデータ信号線とを備え、
前記特定遊技状態には、前記可変入賞装置が遊技媒体が進入しやすい状態に制御される第1特定遊技状態と、前記可変入賞装置が前記第1特定遊技状態よりも不利な態様にて遊技媒体が進入しやすい状態に制御される第2特定遊技状態と、前記可変入賞装置が前記第1特定遊技状態よりも不利な態様にて遊技媒体が進入しやすい状態に制御される第3特定遊技状態とが含まれ、
前記遊技状態制御手段は、前記通常遊技状態において前記第2特定遊技状態が終了したときに遊技状態を前記特別遊技状態に制御し、前記第3特定遊技状態が終了したときに少なくとも前記特別遊技状態とせず、
前記可変表示態様決定手段は、前記第3特定遊技状態に制御された後に、前記第1データまたは前記第2データを使用し、前記第2特定遊技状態に制御された後に、前記第1データと同一または略同一のデータを前記第2データよりも高い割合により使用し、
前記共通演出実行手段は、前記第3特定遊技状態に制御された後、前記可変表示態様決定手段が前記第1データを使用している状態において第1共通演出を実行し、前記可変表示態様決定手段が前記第2データを使用している状態において該第1共通演出とは演出態様が異なる第2共通演出を実行し、前記第2特定遊技状態に制御された後に、前記第1共通演出を前記第2共通演出よりも高い割合により実行する、遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0019】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0020】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0021】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄の可変表示を行なう可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
【0022】
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0023】
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0024】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0025】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0026】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
【0027】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0028】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0029】
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0030】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0031】
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0032】
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0033】
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。また、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ことが好ましい。
【0034】
また、
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0035】
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0036】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行なわれ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
【0037】
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0038】
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
【0039】
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
【0040】
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0041】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
【0042】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0043】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0044】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0045】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
【0046】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0047】
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0048】
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
【0049】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
【0050】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
【0051】
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0052】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
【0053】
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。
【0054】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0055】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0056】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。なお、出力ポート571は、
図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
【0057】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0058】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
【0059】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0060】
次に、大当り(15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、2ラウンド突然確変大当り)や小当り(小当りA〜C)が終了した後の遊技状態や、大当り遊技や小当り遊技が終了した後に実行される演出等について説明する。
【0061】
図4は、大当り種別および小当り種別と、時短の有無と、大当り遊技や小当り遊技が終了した後の演出モードと、大当り遊技や小当り遊技が終了した後に使用される変動パターン決定テーブルとの関係を示す説明図である。
【0062】
図4に示すように、この実施の形態では、大当りとして、15ラウンド通常大当り(以下、単に、「通常大当り」という場合がある。)と、15ラウンド確変大当り(以下、単に、「確変大当り」という場合がある。)と、2ラウンドの突然確変大当り(以下、単に「突然確変大当り」または「突確大当り」という場合がある。)とがある。
【0063】
15ラウンド通常大当りは、大当り遊技状態において大入賞口を15回、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を低確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が低い遊技状態)に移行させるような大当りである。また、「15ラウンド確変大当り」は、大当り遊技状態において大入賞口を15回(つまり15ラウンド)、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を高確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が高い遊技状態。確変状態ともいう。)に移行させるような大当りである。以下、「15ラウンド通常大当り」と「15ラウンド確変大当り」とを、「15ラウンド大当り」と総称することがある。
【0064】
「2ラウンド突然確変大当り」は、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。
【0065】
この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態では、15ラウンド大当りにもとづく大当り遊技状態である場合に比べて、特別可変入賞球装置20の開放時間が短く、かつ、開放回数が少ないが、1ラウンドの開放時間が短いか(開放回数は同じ)、または、開放回数が少ない(1ラウンドの開放時間は同じ)ようにしてもよい。
【0066】
また、
図4に示すように、この実施の形態では、小当りとして、「小当りA」と、「小当りB」と、「小当りC」とがある。
【0067】
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、例えば確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0068】
図4の「時短」の欄に示すように、15ラウンド確変大当り(
図4において「15R確変」と示されている。)では、大当り遊技の終了後、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで、遊技状態は時短状態である。また、確変状態でもある。時短状態かつ確変状態である状態を、確変時短状態という。また、15ラウンド通常大当り(
図4において「15R通常」と示されている。)では、大当り遊技の終了後からの図柄の変動回数が100回に達するまで時短状態(低確高ベース状態)に制御される。なお、大当り遊技の終了後からの時短状態が継続可能な変動回数(100回)を時短回数という。
【0069】
また、突然確変大当りでは、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変時短状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変時短状態(高確高ベース状態)に制御され、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が低ベース状態(通常状態または確変状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変状態(高確率状態であるが時短状態ではない遊技状態)に制御される。
【0070】
また、小当りA〜Cでは、いずれも、小当りが発生したときの遊技状態が引き継がれる(すなわち、小当りが発生したときの遊技状態が変化しない)。例えば、小当りが発生したときの遊技状態が通常状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は通常状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変時短状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変時短状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば小当り遊技の終了後から残り時短回数の変動が行なわれるまで遊技状態は時短状態である。
【0071】
上述したように、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであるので、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると(突然確変大当り遊技または小当り遊技が行なわれると)、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できない。従って、遊技者は突然確変大当りの発生によって高確率状態(確変状態や確変時短状態)に制御されたか、小当りの発生によって低確率状態(通常状態や時短状態)に制御されたか、について認識することができないので、突然確変大当りの遊技や小当りの遊技が終了した後の遊技状態を、確変状態が潜伏しているかもしれないとの期待を持たせる遊技状態である潜伏状態(潜伏モード)ということがある。
【0072】
また、この実施の形態では、潜伏状態における演出モード(ステージ)として、ステージ1、ステージ2およびステージ3がある。突然確変大当りにもとづく大当り遊技が終了すると、演出モードは、ステージ1、ステージ2またはステージ3になるが、後述するように、最も高い割合でステージ1に移行する。
【0073】
また、
図4に示すように、小当り種別と、小当り遊技終了後のステージは対応している。なお、
図4における「移行後の変動パターン決定テーブル」については後述する。
【0074】
図5は、演出モード(ステージ)の移行を示す説明図である。潜伏状態において、演出図柄の変動中に実行する演出を「潜伏演出」という。潜伏演出としてステージ1〜3がある。各々のステージは、演出表示装置9の背景画像の種類・色、演出図柄の種類・形・色、変動音(変動中の効果音)、LED25,28a〜28cの点灯パターンの演出態様を異ならせることによって区分けされる。
【0075】
ステージ1は、確変状態に移行している可能性が高いステージである。すなわち、実際に確変状態であるときに高い割合で生ずるステージである。ステージ2およびステージ3は、ステージ1よりも確変状態に移行している可能性が低いステージである。すなわち、実際に確変状態であるときに低い割合で生ずるステージである。
【0076】
なお、
図5に示されたステージ1〜3の他に、高確ステージと通常ステージとがある。高確ステージは、現在の遊技状態が確変状態であることを報知するステージである。通常ステージは、現在の遊技状態が低確率状態(非確変状態)であることを報知するステージである。
【0077】
図5に示すように、小当りAが発生したときには、演出モードは、ステージ1に移行する。すなわち、ステージ1に変更される。小当りBが発生したときには、演出モードは、ステージ2に移行する。小当りCが発生したときには、演出モードは、ステージ3に移行する。
【0078】
また、突然確変大当りが発生したときには、高い割合で、演出モードがステージ1に移行する。すなわち、高い割合でステージ1に変更される。
【0079】
なお、ステージが変更されないような小当り(突然確変大当りの場合も同様)が発生したときには、演出モードは変更されない。例えば、演出モードがステージ3であるときに、小当りCが発生した場合、演出モードはステージ3に維持される。また、この実施の形態では、演出モードがステージ1、ステージ2またはステージ3であるときに所定回の変動が行なわれると、演出モードは通常ステージに移行する。また、突確大当りになったことにもとづいて演出モードがステージ1、ステージ2またはステージ3であるときに、抽選によって通常ステージに移行することがある。
【0080】
次に、遊技機の動作について説明する。
図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(単に、「S」とも記載する)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
【0081】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0082】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
【0083】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0084】
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。
【0085】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0086】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
【0087】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0088】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
【0089】
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
【0090】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
【0091】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
【0092】
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0093】
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0094】
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
【0095】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
【0096】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0097】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
【0098】
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):小当りの種類(小当りA〜C)を決定する(小当り種別判定用)
(3)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(6)ランダム7(MR7):突然確変大当りにもとづく大当り遊技(突然確変大当り遊技)終了後に使用する変動パターン決定テーブルを決定する(突確後使用テーブル判定用)
S23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(2)の小当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム4,7)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
【0099】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0100】
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0101】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
【0102】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
【0103】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0104】
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
【0105】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
【0106】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0107】
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0108】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態(最終停止図柄が導出表示される前の状態であって、既に停止表示されている演出図柄により大当り図柄の組み合わせが最終停止される可能性が継続している状態)にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0109】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0110】
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
【0111】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行なわれた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0112】
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
【0113】
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。
【0114】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。
【0115】
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0116】
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、
図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、
図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
【0117】
図9(F)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0118】
図10は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
なお、「(はずれ)」は、特別図柄の表示結果が大当り図柄でない場合に使用されることを意味し、「(大当り)」は、特別図柄の表示結果が大当り図柄でない場合に使用されることを意味する。
【0119】
また、「特殊変動」は、例えば、擬似連変動である。擬似連変動は、1回の変動中に1回以上演出図柄が仮停止表示および再変動されるような変動である。
【0120】
図11、
図12および
図13(A)は、変動パターン決定テーブルの一例を示す説明図である。変動パターン決定テーブルは、ROM54に格納されている。
図11に示すように、はずれ時に使用される通常テーブルとして、
図11(A)〜(D)に示す4つの変動パターン決定テーブルがある。4つの変動パターン決定テーブルは、低ベース状態であるのか高ベース状態であるのかと合算保留記憶数とに応じて選択される。
【0121】
図11に示すように、高ベース状態では低ベース状態である場合に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択されやすい。また、合算保留記憶数が多い方が、変動時間が短い変動パターンが選択されやすい(ノーマルリーチの選択率が高いので)。
【0122】
図12(A)は、大当り時(大当りにすることに決定されたとき)に使用される通常テーブルの一例を示す説明図である。
図12(B)は、突確大当り時または小当り時(突確大当りまたは小当りにすることに決定されたとき)に使用される通常テーブルの一例を示す説明図である。なお、突確大当り時または小当り時には、潜伏状態である場合には、
図13(A)に示す第1〜第3テーブルが使用される。すなわち、通常テーブルは使用されない。
【0123】
図13(A)は、潜伏状態である場合に使用される第1〜第3テーブルの一例を示す説明図である。
【0124】
図13(A)に示すように、ステージ1であるときに使用される第1テーブルと、ステージ2であるときに使用される第2テーブルと、ステージ3であるときに使用される第3テーブルとでは、変動パターンの割り振り(選択率)が異なる。特に、スーパーリーチと特殊変動の割り振りが異なる。
【0125】
なお、この実施の形態では、保留記憶数に関わらず、演出モードに応じて、第1テーブル、第2テーブルおよび第3テーブルが使用されるが、すなわち、保留記憶数に関わらず、変動パターンの振り分け方が同じであるが、保留記憶数が多い場合(例えば、3以上)には、変動時間が短縮された変動パターンが選択されるようにしてもよい。
【0126】
図13(B)は、突確後使用テーブル決定用テーブルを示す説明図である。突確後使用テーブル決定用テーブルは、突確大当り遊技終了後において使用する変動パターン決定テーブルを決定するために使用される。
【0127】
なお、この実施の形態では、大当りにすることに決定された場合には、第1テーブル、第2テーブルおよび第3テーブルは使用されないが、大当りにすることに決定された場合にも、第1テーブル、第2テーブルおよび第3テーブル(
図13(A)参照)を使用可能であるようにしてもよい。
【0128】
図14〜
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図14〜
図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図10に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0129】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図14〜
図16に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0130】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0131】
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0132】
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(S321)。また、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
【0133】
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0134】
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0135】
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0136】
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
【0137】
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0138】
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0139】
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0140】
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0141】
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0142】
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
【0143】
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0144】
図18は、S321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(S1212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、S1222に移行する。
【0145】
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(S1213)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。
【0146】
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
【0147】
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
【0148】
図19は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。
図19に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、
図19には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図19に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
【0149】
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(
図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、小当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0150】
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。
図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、小当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0151】
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行なう(S1217)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)。
【0152】
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
【0153】
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(S1223)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
【0154】
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(S1224)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。
【0155】
また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
【0156】
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、小当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
【0157】
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)。
【0158】
図21は、S1217,S1228の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、S1216,S1227の処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、小当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンになるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によってスーパーリーチや特殊変動になることを予告する連続予告演出(先読み予告演出)を実行する。
【0159】
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、変動パターン決定テーブルとして大当り変動パターン決定テーブル(
図12(A)参照)を選択する(S221)。そして、S224に移行する。
【0160】
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、S1216,S1227の処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図9(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(始動口スイッチ通過処理におけるS1216で入賞時判定処理を実行する場合)には、
図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(始動口スイッチ通過処理におけるS1227で入賞時判定処理を実行する場合)には、
図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0161】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致する場合には、S225に移行する。
【0162】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、変動パターン決定テーブルとしてはずれ変動パターン決定テーブル(
図11参照)を選択する(S223)。そして、S224に移行する。
【0163】
S224では、CPU56は、S1216,S1227の処理で抽出して保存領域に保存された変動パターン判定用乱数と、S221またはS223の処理で選択した変動パターン決定テーブルとを用いて、変動パターンを判定する。具体的には、変動パターン判定用乱数と一致する判定値に対応する変動パターンであると判定する。
【0164】
また、CPU56は、S224の処理で判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドとして送信する制御を行なう(S225)。
【0165】
なお、CPU56は、S222の処理で小当りになると判定した場合には、入賞時判定結果5指定コマンドを送信する送信する制御を行なう。
【0166】
図22および
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
【0167】
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(
図19参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
【0168】
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動または第2特別図柄の変動が実行される。
【0169】
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動または第2特別図柄の変動が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動を優先して実行するように構成してもよい。その場合、例えば、高ベース状態(時短状態)に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動を優先して実行する。
【0170】
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0171】
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0172】
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0173】
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
【0174】
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。
【0175】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(
図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0176】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)である場合は、大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)を使用し、非確変状態である場合には、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)を使用する。そして、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0177】
現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かによって確認される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了するときにセットされる。
【0178】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しない場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(
図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう(S62)。すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。
【0179】
ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、S76に移行する。
【0180】
ランダムRの値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S63)。そして、CPU56は、小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された小当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「小当りA」、「小当りB」または「小当りC」)を小当りの種別に決定する(S64)。また、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定する(S65)。そして、S76に移行する。
【0181】
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、
図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、
図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
【0182】
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。
【0183】
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」を設定し、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」を設定し、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」を設定する。
【0184】
また、CPU56は、突確後フラグおよび小当り後フラグをリセットする(S75)。なお、突確後フラグと小当り後フラグのそれぞれは、第1〜第3テーブル(
図13(A)参照)を使用するか否か決定するためのフラグである。突確後フラグおよび小当り後フラグがリセットされると、CPU56が、変動パターン決定テーブルとして、通常テーブルを使用する状態になる。
【0185】
そして、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S76)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」(通常大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」(確変大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
【0186】
その後、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S77)。
【0187】
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるか否か確認する(S92)。突然確変大当りでない場合には、変動パターン決定テーブルとして大当り変動パターン決定テーブルを選択する(S93)。そして、S105に移行する。突然確変大当りである場合には、変動パターン決定テーブルとして突確/小当り変動パターン決定テーブルを選択する(S94)。そして、S105に移行する。
【0188】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S95)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン決定テーブルとして突確/小当り変動パターン決定テーブルを選択する(S96)。そして、S105に移行する。
【0189】
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、突確後フラグがセットされているか否か確認する(S97)。突確後フラグがセットされている場合には、S105に移行する。突確後フラグがセットされていない場合には、CPU56は、突確後初回フラグがセットされているか否か確認する(S98)。突確後初回フラグがセットされている場合には、CPU56は、突確後使用テーブル判定用乱数を抽出し、突確後使用テーブル判定用乱数を用いて使用テーブル(第1テーブル、第2テーブルまたは第3テーブル)を決定する(S99)。そして、決定されたテーブルに応じたステージ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S100)。また、CPU56は、突確後初回フラグをリセットし、突確後フラグをセットする(S101)。そして、S105に移行する。
【0190】
なお、S99の処理では、突確後使用テーブル判定用乱数に一致する突確後使用テーブル決定用テーブル(
図13(B)参照)に設定されている判定値に対応するテーブルが、使用テーブルとして決定される。
【0191】
また、S100の処理では、CPU56は、第1テーブルに決定された場合にはステージ1指定コマンドを送信し、第2テーブルに決定された場合にはステージ2指定コマンドを送信し、第3テーブルに決定された場合にはステージ3指定コマンドを送信する。
【0192】
また、この実施の形態では、突然確変大当り遊技が終了した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560が使用テーブルを決定したことにもとづいて、移行後の演出モード(ステージ)を指定するステージ指定コマンドを送信するが、演出制御用マイクロコンピュータ100が、移行後の演出モードを決定するようにしてもよい。
【0193】
また、小当り後フラグがセットされている場合には、CPU56は、RAM55に保存されている小当りの種類(小当り種別)に応じて第1〜第3テーブル(
図13(A)参照)のいずれかを選択する(S102,S103)。そして、S105に移行する。S103の処理において、CPU56は、保存されている小当り種別が小当りAである場合(小当り後フラグがセットされたときの小当り種別が小当りAである場合に相当)には第1テーブルを選択し、保存されている小当種別が小当りBである場合(小当り後フラグがセットされたときの小当り種別が小当りBである場合に相当)には第2テーブルを選択し、保存されている小当りの種類が小当りCである場合(小当り後フラグがセットされたときの小当り種別が小当りCである場合に相当)には第3テーブルを選択する。
【0194】
突確後フラグも小当り後フラグもセットされていない場合には、CPU56は、遊技状態(高ベース状態/低ベース状態)と合算保留記憶数とに応じて、いずれかのはずれ変動パターン決定テーブル(
図11参照)を選択する(S104)。そして、S105に移行する。なお、S104の処理において、遊技状態は、時短フラグのセット/リセットによって確認される。
【0195】
S105では、CPU56は、S93,S94,S96,S99,S103,S104の処理で選択された変動パターン決定テーブルと変動パターン判定用乱数の値とに応じて変動パターンを決定する。具体的には、使用する変動パターンを、変動パターン決定テーブルにおいて変動パターン判定用乱数の値に一致する判定値に対応する変動パターンに決定する。
【0196】
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
【0197】
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。例えば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
【0198】
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(
図14参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜4指定コマンドを送信する制御を行なう(S111)。なお、CPU56は、大当りの種別を、特別図柄通常処理のS74の処理で大当り種別バッファに設定したデータにもとづいて確認する。
【0199】
大当りフラグがセットされていないときには、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S112)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当りの種別(小当りA〜C)を確認し、小当りの種別に応じた表示結果5〜7指定コマンドを送信する制御を行なう(S113)。なお、CPU56は、小当りの種別を、小当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S114)。
【0200】
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S115)。
【0201】
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
【0202】
図27および
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S141に移行する(S133)。
【0203】
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。
【0204】
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
【0205】
S141では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変フラグがセットされている場合には、S146に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S142)。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S143)。
【0206】
時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、CPU56は、時短フラグをリセットする(S145)。
【0207】
また、CPU56は、変動回数カウンタの値が0でない場合には、変動回数カウンタの値を−1する(S146)。そして、変動回数カウンタの値が0になった場合には(S147)、突確後フラグおよび小当り後フラグをリセットする(S148)。S146〜S148の処理によって、確変大当りまたは小当りの発生にもとづいて演出モードがステージ1、ステージ2またはステージ3(変動パターン決定テーブルとして第1テーブル、第2テーブルまたは第3テーブルが使用され状態)になった後、所定回の変動が実行されたときに通常テーブルが使用される状態に移行する(
図24におけるS97,S98,S102,S104参照)。
【0208】
また、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S151)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S153)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、2回)をセットする(S154)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S155)。
【0209】
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S156)。
【0210】
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S162)。通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
【0211】
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
【0212】
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りと突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに100回をセットする(S168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S169)。そして、S179に移行する。
【0213】
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、大当り種別が15ラウンド確変大当りであるか否かを確認する(S170)。確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させるとともに(S171)、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S172)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドと時短状態指定コマンドとを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S173)。そして、S179に移行する。
【0214】
確変大当りでなければ(突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S174)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S175)。
【0215】
また、CPU56は、大当り遊技が開始される前の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であった場合には、時短フラグをセットするとともに、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S176)。また、CPU56は、突確後初回フラグをセットする(S177)。また、CPU56は、変動回数カウンタ(値が0になると変動パターン決定テーブルとして通常テーブルが使用される状態になる。)に20を設定する(S178)。そして、S179に移行する。S176の処理で、大当り遊技が開始される前の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であった否か判定するために、例えば、CPU56は、
図27におけるS134の処理を実行するときに、時短フラグがセットされていた場合にはその旨を示すフラグをセットし、S176の処理で、当該フラグがセットされているか否か確認すればよい。
【0216】
なお、この実施の形態では、S167,S172,S176でセットされた時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられるが、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行なう。
【0217】
また、突確後初回フラグがセットされている場合(突然確変大当り遊技が終了した後に相当:具体的には、突然確変大当り遊技が終了した後の最初の変動時)には、CPU56は、変動パターン決定テーブルとして第1テーブル、第2テーブルまたは第3テーブル(
図4参照)を使用する(
図24におけるS98,S99参照)が、高い割合で第1テーブルを選択する(
図13(B)参照)。
【0218】
S179では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する。
【0219】
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、S184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(S181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行なわれている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S183)、処理を終了する。
【0220】
S184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S185)。経過していなければ処理を終了する。
【0221】
小当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、小当り後フラグをセットする(S190)。また、小当り種別をRAM55に保存する(S191)。また、CPU56は、変動回数カウンタに小当り種別に応じた値(一例として、小当りAの場合20、小当りBの場合15、小当りCの場合10)を設定する(S192)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S193)。
【0222】
なお、小当り後フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン決定テーブルとして、RAM55に保存されている小当り種別に応じて第1〜第3テーブルのいずれかを(
図4参照)を使用する(
図24におけるS102,S103参照)。
【0223】
次に、潜伏モードの演出例を説明する。
図31は、演出モード(ステージ)の表示態様を示す説明図である。
【0224】
図31に示す例では、潜伏モード(潜伏状態)中のステージ3では、演出表示装置9の背景画像が山の背景になる。ステージ2では、演出表示装置9の背景画像が森の背景になる。ステージ1では、演出表示装置9の背景画像が街の背景になる。高確ステージでは、演出表示装置9の背景画像が海の背景になる。通常ステージでは、演出表示装置9の背景画像が浜(浜辺)の背景になる。
【0225】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0226】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0227】
また、演出制御用CPU101は、最終停止図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
【0228】
図33は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
【0229】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図14〜
図16参照)であるのか解析する。
【0230】
図34〜
図37は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0231】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
【0232】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
【0233】
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618A)。
【0234】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
【0235】
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
【0236】
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
【0237】
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
【0238】
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
【0239】
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
【0240】
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
【0241】
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(S658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S662)。
【0242】
受信した演出制御コマンドがステージ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出モードを、ステージ指定コマンドで指定されたステージ(ステージ1、ステージ2またはステージ3)に変更する(S664)。受信したステージ指定コマンドがステージ1指定コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、突確後ステージ1フラグをセットする(S665)。
【0243】
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(S671)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域に格納する(S672)。
【0244】
図38は、入賞時判定結果記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図38に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(保存領域1〜8)が確保されている。
【0245】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S673)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を更新する(S674)具体的には、保留表示の数を1つ増やす。
【0246】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S675)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S676)。具体的には、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトする。
【0247】
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S679)。そして、S611に移行する。
【0248】
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図39に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、先読み予告演出決定用乱数SR2、および突確後演出決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0249】
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
【0250】
先読み予告演出決定用乱数SR2は、先読み予告(連続予告)を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
【0251】
突確後演出決定用乱数SR3は、突然確変大当りの発生にもとづいてステージ1に移行した後、小当りが発生したときに演出モードを移行させるか否かを決定するために用いられる乱数である。
【0252】
図40は、
図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み予告演出決定処理を実行した後(S800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0253】
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
【0254】
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
【0255】
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
【0256】
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0257】
大当り/小当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0258】
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
【0259】
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
【0260】
大当り/小当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
【0261】
図41は、先読み予告演出決定処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを確認する(S6000)。なお、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り/小当り表示処理〜大当り/小当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)になっているか否かを確認することによって判定できる。大当り遊技中または小当り遊技中であれば、処理を終了する。
【0262】
大当り遊技中または小当り遊技中でなければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドを新たに受信したか否かを確認する(S6001)。具体的には、
図38に示す入賞時判定結果記憶バッファに入賞時判定結果指定コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって確認される。新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。
【0263】
新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU101は、既に予告演出(先読み予告演出:連続予告演出)の実行中であることを示す予告実行中フラグがセットされているか否か確認する(S6002)。なお、予告実行中フラグは、S6008の処理でセットされる。
【0264】
予告実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドを全て抽出し、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果が全てスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)および特殊変動以外であるか否か確認する(S6004)。スーパーリーチまたは特殊変動を示す入賞時判定結果指定コマンドが1つでも含まれていれば、処理を終了する。
【0265】
スーパーリーチおよび特殊変動を示す入賞時判定結果指定コマンドが含まれていない場合には、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドの中に、小当りを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果5指定コマンド)が格納されているか否か確認する(S6005)。小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合には、処理を終了する。
【0266】
小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されていない場合には、演出制御用CPU101は、先読み予告演出決定用乱数を抽出し、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている最新の入賞時判定結果指定コマンドが示す入賞時判定結果と先読み予告演出決定用乱数とを用いて、予告演出(先読み予告演出すなわち連続予告演出)を実行するか否かを決定する(S6006)。
【0267】
図42は、S6006の処理で使用される先読み予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。先読み予告演出決定テーブルには、予告しない、予告するのそれぞれに対応する判定値が、入賞時判定結果に応じて設定されている。
【0268】
演出制御用CPU101は、予告すると決定した場合には(S6007)、予告実行中フラグをセットし(S6008)、現在の合算保留記憶数を変動数カウンタにセットする(S6009)。変動数カウンタは、連続予告演出の判定対象となった変動(可変表示)が開始されるまでに実行される変動の回数をカウントするためのカウンタであって、連続予告演出の実行回数(予告演出を実行する変動回数)をカウントするためのカウンタである。
【0269】
なお、この実施の形態では、先読み予告演出(連続予告演出)の態様は1種類であるが、2種類以上のうちから態様を選択するようにしてもよい。
【0270】
また、入賞時判定結果記憶バッファに小当りを示す入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果5指定コマンド)が格納されている場合には、先読み予告演出を実行しない。この実施の形態では、小当り種別に応じて変動パターン決定テーブルが切り替えられ、小当りが生ずると、変動パターンの選択割合が変わって、例えば、連続予告演出の対象がスーパーリーチ演出を伴う変動(スーパーリーチ変動)であった場合に実際にはスーパーリーチ変動が実行されないという事態が生ずるおそれがある。
【0271】
しかし、この実施の形態では、小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合に先読み予告演出を開始しないので、そのようなおそれはない。
【0272】
なお、この実施の形態では、小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合に先読み予告演出を開始しないが、小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されている場合でも、変動パターン決定テーブルが切り替えられないような小当り種別の小当りである場合には、先読み予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、小当りCが発生して遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1テーブル(
図4および
図13(A)参照)を使用しているときに、再度小当りCとすることに決定されたときには、使用する変動パターン決定テーブルは変更されないので、先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
【0273】
以上のように、この実施の形態では、小当り遊技状態に制御することに対応する数値データが遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファ(
図20)に記憶されているときには(演出制御手段の制御としては、入賞時判定結果記憶バッファに小当りを示す入賞時判定結果指定コマンドが格納されているときということであるが、そのような状況は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファに、小当り遊技状態に制御することに対応する数値データが記憶されているときに起こる。)、先読み予告演出の実行が制限(全く実行しない、または上記のような所定の条件では実行する。)されることになるので、予告演出を実行したにもかかわらず予告演出と整合しない変動態様(可変表示態様)の変動(可変表示)が実行されることが防止される。
【0274】
図43は、
図40に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
【0275】
図44は、
図40に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S820A)。予告実行中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、変動数カウンタの値にもとづく連続予告演出(先読み予告演出)を実行する(S820B)。
【0276】
変動数カウンタの値にもとづく連続予告演出は、予告対象の可変表示までの可変表示残り回数を文字列によって報知するいわゆるカウントダウン予告である。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、連続予告演出としてカウントダウン予告を実行するが、複数回の可変表示に亘って一連のストーリーを形成する演出等の、カウントダウン予告以外の態様の演出を連続予告演出として実行してもよい。一連のストーリーを形成する演出は、各々の回の可変表示中に実行される演出の内容とそれに続く可変表示中に実行される演出の内容とが連関している(内容に関連性がある)一連の演出である。
【0277】
また、複数種類の連続予告演出を用意し、演出制御用CPU101が、使用する連続予告演出を、例えば乱数を用いた抽選によって複数種類のうちから選択するようにしてもよい。
【0278】
次いで、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(S821)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域から、受信した表示結果指定コマンドを読み出す(S822)。
【0279】
次に、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S823)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
【0280】
図45は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図45に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド〜表示結果7指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
【0281】
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0282】
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
【0283】
大当り図柄を決定する際に、具体的には、演出制御用CPU101は、S823の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
【0284】
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
【0285】
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
【0286】
なお、変動パターンが特殊変動(例えば、擬似連)である場合には、演出制御用CPU101は、例えば所定の乱数を用いて仮停止図柄を決定する。
【0287】
演出制御用CPU101は、変動パターン、および連続予告演出を実行する場合にはその態様に応じたプロセステーブルを選択する(S831)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S832)。
【0288】
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
【0289】
図46に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
【0290】
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0291】
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、特殊変動(例えば、擬似連)における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
【0292】
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S834)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S835)。
【0293】
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S840A)、変動時間タイマの値を1減算する(S840B)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S841)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S843)。
【0294】
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S852)、S853に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
【0295】
図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、変動数カウンタの値が0であるか否かを確認し(S860)、0でなければ変動回数カウンタの値を1減算する(−1する)(S861)。変動数カウンタの値が0になったら、予告実行中フラグをリセットする(S863,S864)。
【0296】
また、演出制御用CPU101は、そのときの演出モードがステージ1、ステージ2またはステージ3である場合には(S866)、モード変更カウンタ(値が0になると通常ステージに変更される。)の値を−1する(S867)。そして、モード変更カウンタの値が0になった場合には、演出モードを通常ステージに変更する(S868,S869)。
【0297】
そして、演出制御用CPU101は、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行ない(S871)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には確定コマンド受信フラグをリセットする(S872)。次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(S873)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
【0298】
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(S805)に応じた値に更新する(S874)。
【0299】
大当りにも小当りにもしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S875)。
【0300】
図49〜
図51は、演出制御プロセス処理における大当り/小当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り/小当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間(または、小大当り終了表示時間)に相当する値を設定して(S883)、演出表示装置9に、大当り遊技の終了を報知する画面である大当り終了画面(または、小当り/突確終了画面(小当り遊技、突確大当り遊技の終了を報知する画面))を表示する制御を行なう(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面(または、小当り/突確終了画面)を表示させるための指示を与える。
【0301】
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していない場合には、処理を終了する。
【0302】
大当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、15R確変大当りであった場合には、演出モードを高確ステージに移行させる(S887,S888)。具体的には、演出表示装置9の表示画面を高確ステージの画面(
図31参照)に変更する。そして、S892に移行する。また、演出制御用CPU101は、15R通常大当りであった場合には、演出モードを通常ステージに移行させる(S890,S891)。具体的には、演出表示装置9の表示画面を通常ステージの画面(
図31参照)に変更する。そして、S892に移行する。
【0303】
S892では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する。
【0304】
15R確変大当りおよび15R通常大当りでなかった場合には、演出制御用CPU101は、そのときの演出モード(ステージ)が高確ステージであるか否か確認する(S900)。高確ステージである場合には、S892に移行する。高確ステージでない場合には、演出制御用CPU101は、S901以降の処理を行なう。なお、演出制御用CPU101は、例えば、S888,S906,S915,S926の処理(
図49〜
図51参照)で高確ステージである旨を示すフラグをセットし、高確ステージであるか否かを、当該フラグがセットされているか否かによって判定できる。
【0305】
小当りCであった場合には(S901)、演出制御用CPU101は、ステージ1指定コマンドを受信したことにもとづく突確後ステージ1フラグ(
図36参照)がセットされていないときには(S902)、モード変更カウンタに10を設定し(S907)、演出モードをステージ3に移行させる(S908)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ3の画面(
図31参照)に変更する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り遊技が終了した後、演出モードをステージ1にすることに決定したときにステージ1指定コマンドを送信する(
図14および
図24におけるS100参照)。
【0306】
突確後ステージ1フラグがセットされているときには、突確後ステージ1フラグをリセットし(S903)、突確後演出モード決定用乱数を抽出し、突確後演出モード決定用乱数を用いて演出モード(ステージ)を決定する(S904)。具体的には、演出モードを、
図52に示す突確後演出モード決定テーブル(この場合には、
図52(A)に示すテーブル)において、突確後演出モード決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出モードにする。
【0307】
すなわち、突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行する」に対応する判定値である場合には(S905)、演出制御用CPU101は、演出モードを高確ステージに移行させる(S906)。具体的には、演出表示装置9の表示画面を高確ステージの画面(
図31参照)に変更する。突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行しない」に対応する判定値である場合には、演出制御用CPU101は、演出モードをステージ3(
図5参照)に移行させる(S908)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ3の画面(
図31参照)に変更する。そして、S892に移行する。
【0308】
小当りBであった場合には(S911)、演出制御用CPU101は、突確後ステージ1フラグがセットされていないときには(S912)、モード変更カウンタに15を設定し(S917)、演出モードをステージ2に移行させる(S918)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ2の画面(
図31参照)に変更する。
【0309】
突確後ステージ1フラグがセットされているときには、突確後ステージ1フラグをリセットし(S913)、突確後演出モード決定用乱数を抽出し、突確後演出モード決定用乱数を用いて演出モード(ステージ)を決定する(S914)。具体的には、演出モードを、
図52に示す突確後演出モード決定テーブル(この場合には、
図52(B)に示すテーブル)において、突確後演出モード決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出モードにする。
【0310】
すなわち、突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行する」に対応する判定値である場合には(S915)、演出制御用CPU101は、演出モードを高確ステージに移行させる(S916)。具体的には、演出表示装置9の表示画面を高確ステージの画面(
図31参照)に変更する。突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行しない」に対応する判定値である場合には、演出制御用CPU101は、演出モードをステージ2(
図5参照)に移行させる(S918)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ3の画面(
図31参照)に変更する。そして、S892に移行する。
【0311】
小当りAであった場合には(S921)、演出制御用CPU101は、突確後ステージ1フラグがセットされていないときには(S922)、モード変更カウンタに20を設定し(S927)、演出モードをステージ1に移行させる(S928)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ1の画面(
図31参照)に変更する。
【0312】
突確後ステージ1フラグがセットされているときには、突確後ステージ1フラグをリセットし(S923)、突確後演出モード決定用乱数を抽出し、突確後演出モード決定用乱数を用いて演出モード(ステージ)を決定する(S924)。具体的には、演出モードを、
図52に示す突確後演出モード決定テーブル(この場合には、
図52(C)に示すテーブル)において、突確後演出モード決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出モードにする。なお、演出制御用CPU101は、S923の処理を実行せず、S926の処理で突確後ステージ1フラグをリセットするようにしてもよい。すなわち、ステージ1にする場合には(S928参照)、突確後ステージ1フラグをリセットしないようにしてもよい。
【0313】
すなわち、突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行する」に対応する判定値である場合には(S925)、演出制御用CPU101は、演出モードを高確ステージに移行させる(S926)。具体的には、演出表示装置9の表示画面を高確ステージの画面(
図31参照)に変更する。突確後演出モード決定用乱数の値が「高確ステージに移行しない」に対応する判定値である場合には、演出制御用CPU101は、演出モードをステージ1(
図5参照)に移行させる(S928)。具体的には、演出表示装置9の表示画面をステージ3の画面(
図31参照)に変更する。そして、S892に移行する。
【0314】
小当りA,B,Cでなかった場合(突確大当りであった場合)には、モード変更カウンタに20を設定し(S931)S892に移行する。
【0315】
図50および
図51に示されたような制御によって、突然確変大当りが発生した後、小当りが発生した場合には、小当り遊技終了後に高確ステージに移行することがあるが、小当り種別に応じて高確ステージに移行する割合を変えることができる。
【0316】
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御手段(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、小当り遊技状態に制御された後に、第1テーブル、第2テーブルまたは第3テーブルを使用し、突確大当り遊技状態に制御された後に、第1テーブルを高い割合で使用し、演出制御手段(具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100)は、突確大当り遊技状態に制御された後、第1テーブルが使用されている状態において第1共通演出(例えば、ステージ1の演出)を実行し、第2テーブルまたは第3テーブルが使用されている状態において第2共通演出(例えば、ステージ2またはステージ3の演出)を実行し、突確大当り遊技状態に制御された後に、第1共通演出を第2共通演出よりも高い割合で実行するので、共通演出実行中における遊技者の期待感を低減させないようにすることができる。
【0317】
上記の実施の形態では、遊技制御手段と演出制御手段の双方が、ステージ1、ステージ2またはステージ3に移行した後の可変表示回数(変動回数)をカウントしたが、遊技制御手段のみが可変表示回数をカウントし、カウント値が所定回数になったら、遊技制御手段は、演出制御手段に対して、通常ステージに移行することを特定可能な演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
【0318】
なお、上記の実施の形態では、遊技制御手段は、突確大当り遊技状態に制御された後に第1テーブルを高い割合で使用するが、第1テーブルの構成とは異なるが、ほぼ同様の構成と見なせる類似テーブルを高い割合で使用するようにしてもよい。類似テーブルは、例えば、特定の変動パターン(スーパーリーチや特殊変動)の選択割合やリーチ発生率が異なるが、遊技者にとって、第1テーブルから変動パターンが選択されても類似テーブルから変動パターンが選択されても、変動パターンの選択割合が同じであると把握する程度に、第1テーブルとは異なるテーブルである。
【0319】
また、上記の実施の形態では、小当りが発生すると、共通演出(いずれかの演出モード(ステージ)の演出)が実行されるが、変形例1として、演出制御用CPU101は、ステージが変更されるときに、ステージが変更されることを報知するための演出を実行した後、変更後(移行後)のステージの演出を開始するようにしてもよい。
【0320】
そのように構成する場合には、
図50および
図51に示すS908,S918,S928の処理を実行するときに、変更前のステージと変更後のステージとが同じであるか否か判定し、同じでない場合に、ステージが変更されることを報知するための演出を実行する。同じである場合に、ステージが変更されることを報知するための演出を実行しない。
【0321】
そのような制御が行なわれることによって、遊技履歴(具体的には、その時点より前の演出モード)に応じて、ステージが変更されることを報知するための演出の実行割合が変わることになる。つまり、変更前のステージと変更後のステージとが同じでない場合には100%の割合で演出が実行され、変更前のステージと変更後のステージとが同じである場合には実行割合は0%である。なお、演出制御用CPU101は、変更前のステージと変更後のステージとが同じでない場合に、100%ではないが高い割合で演出を実行するようにしてもよい。
【0322】
また、上記の実施の形態では、突確大当りの種類は1種類であったが、他種類の突確大当りがあってもよい。複数種類の突確大当り(例えば、突確大当りA、突確大当りB、突確大当りC)がある場合、例えば、ステージ1に移行するとともに第1テーブルが使用されることになる突確大当りAが高い割合で選択され、ステージ2に移行するとともに第2テーブルが使用されることになる突確大当りBが中程度の割合で選択され、ステージ3に移行するとともに第3テーブルが使用されることになる突確大当りAが低い割合で選択されるように構成される。そして、ステージ3に移行するとともに第3テーブルが使用されることになる小当りAが高い割合で選択され、ステージ2に移行するとともに第2テーブルが使用されることになる小当りBが中程度の割合で選択され、ステージ1に移行するとともに第1テーブルが使用されることになる小当りCが低い割合で選択さるように構成される。
【0323】
そのように構成されている場合でも、遊技者がステージにもとづいて遊技状態(確変状態であるか否か)を予測することは難しいが、ステージにもとづいて遊技状態を予想するという遊技の興趣を遊技者に提供することができる。
【0324】
また、上記の実施の形態では、突然確変大当り遊技が終了した後所定回の可変表示(変動)が実行されると潜伏状態(潜伏モード)を終了するようにしたが(
図51におけるS931、および
図48におけるS868,S869参照)、突然確変大当りになった後、次に大当りが発生するまで潜伏状態を継続するようにしてもよい。その場合、一例として、突然確変大当りの後、所定回(例えば、20回)の可変表示が実行されると高確ステージに移行するようにしてもよい。
【0325】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り遊技が終了した後、小当りが発生したときに、使用する変動パターン決定テーブルを小当りの種類に応じた変動パターン決定テーブル(第1テーブル、第2テーブルまたは第3テーブル)に切り替えず、突然確変大当り後に使用する変動パターン決定テーブルを継続して使用するようにしてもよい。
【0326】
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0327】
また、上記の各実施の形態では、LEDやランプを駆動する信号を、演出制御基板80から、ランプドライバ基板35のLEDドライバ352に入力する構成であるが、複数のLEDを複数のグループに分け、各グループに含まれるLEDを制御するランプ制御装置350と、複数のランプ制御装置350を統括して制御する演出制御基板80との間で双方向通信を行なう構成であってもよい。
【0328】
具体的に、演出制御基板80およびランプドライバ基板35の構成について図を用いて説明する。
図53は、演出制御基板およびランプドライバ基板の別の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図53に示す構成要素において、
図3に示した構成要素と同じものについては同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0329】
演出制御基板80は、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンド(演出制御データ)を受信する。また、演出制御基板80は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP109に演出表示装置9の表示制御を行なわせ、出力ポート104を介して音声出力基板70に制御信号を出力し、スピーカ27から音声を出力する。
【0330】
さらに、演出制御基板80は、NORゲート回路105A、電源投入検出回路105BおよびマスタIC105Cを備えている。演出制御用CPU101は、所定の条件が成立した場合に、バスを介してリセット信号を出力ポート105に出力する。そして、出力ポート105は、入力されたリセット信号をNORゲート回路105bに出力し、さらに、NORゲート回路105bから、マスタIC105cに当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、たとえば、すべてのランプ制御装置350において、エラーフラグが「ON」になった場合などである。
【0331】
なお、電源投入検出回路105BからNORゲート回路105Aに入力されるリセット信号と、演出制御用CPU101から出力ポート105を介してNORゲート回路105Aに入力されるリセット信号は、いずれの場合にもローレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路105B及び演出制御用CPU101の少なくとも一方からNORゲート回路105Aにリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路105Aを介してリセット信号がマスタIC105Cに入力される。
【0332】
マスタIC105Cは、制御対象となる演出装置(たとえば、装飾LED25や右枠LED28cなど)を制御するためにランプドライバ基板35との間で双方向通信を行なう。マスタIC105Cとランプドライバ基板35との間で行なう双方向通信には、たとえばI
2Cバス方式による通信がある。マスタIC105Cとランプドライバ基板35とは、データを送受信するための信号線SDA、およびクロック信号(タイミング信号)を伝達する信号線SCLで接続されている。なお、演出制御用CPU101には、マスタIC105Cからマスタ割込としての割込信号(INT)が入力される。
【0333】
ランプドライバ基板35は、演出装置を制御するための制御手段であり、演出装置の種類(たとえば、装飾LED25や枠LED28など)の各々に含まれる演出装置を複数のグループ(単位)に分割して制御できるように複数のランプ制御装置350を含んでいる。ランプ制御装置350は、接続形態によって、分岐型、連結型および終端型の三種類に分類される。分岐型、連結型および終端型いずれのランプ制御装置350にも演出装置を接続可能であり、接続された演出装置を制御することが可能である。
【0334】
分岐型のランプ制御装置350は、下流側に複数のランプ制御装置350が直接接続され、これらの複数のランプ制御装置350に対して、受信した演出制御データを送信する。連結型のランプ制御装置350は、下流側に一つのランプ制御装置350が接続され、接続されたランプ制御装置350に対して、受信した演出制御データを送信する。終端型のランプ制御装置350は、下流側にランプ制御装置350が接続されず、演出装置の制御のみを行なう。なお、上流側とは、演出制御基板80から途中のランプ制御装置350を経て末端のランプ制御装置350へ信号を送信する構成において、この信号を送信する側のことをいう。反対に、下流側とは、この信号を受信する側のことをいう。
【0335】
図53に示すランプドライバ基板35では、分岐型のランプ制御装置350Aで種類の異なる装飾LED25と枠LED28とのグループに分け、さらに分岐型のランプ制御装置350Cで同じ種類の枠LED28を、設ける位置により右枠LED28c、天枠LED28aおよび左枠LED28bの3つのグループに分けている。複数の装飾LED25は、ランプ制御装置350Aに接続した終端型のランプ制御装置350Bにそれぞれ接続されている。また、複数の右枠LED28cは、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Fにそれぞれ接続されている。複数の天枠LED28aは、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Dにそれぞれ接続されている。複数の左枠LED28bは、連結型のランプ制御装置350Eを介して、ランプ制御装置350Cに接続した終端型のランプ制御装置350Gにそれぞれ接続されている。なお、
図53に示すランプドライバ基板35では、すべてのランプ制御装置350が1つの基板に含まれるように記載してあるが、1つのランプ制御装置350を含む基板を複数設けても、ある単位のランプ制御装置350に分け、それぞれの単位ごとに基板を設けてもよい。
【0336】
ランプ制御装置350には、それぞれ個別アドレスが付与されており、具体的にランプ制御装置350Aの個別アドレスadは「0001」、ランプ制御装置350Bの個別アドレスadは「0010」、ランプ制御装置350Cの個別アドレスadは「0011」、ランプ制御装置350Dの個別アドレスadは「0100」、ランプ制御装置350Eの個別アドレスadは「0101」、ランプ制御装置350Fの個別アドレスadは「0110」、ランプ制御装置350Gの個別アドレスadは「0111」である。
【0337】
演出制御基板80は、主基板31から受信した演出制御データに基づいて、演出装置(たとえば、装飾LED25や右枠LED28cなど)の出力態様を決定する。そして、演出制御基板80は、決定された出力態様となるように、制御対象となるランプ制御装置350の個別アドレスを含む演出制御データをランプドライバ基板35に出力する。このとき、演出制御データは、信号線SDAを介してすべての制御対象のランプ制御装置350に出力される。
【0338】
なお、本実施例では、ランプ制御装置350によって制御される演出装置が、主としてLED等の発光装置であるため、LEDの発光態様が演出装置の出力態様に相当する。この場合、演出制御データによって、LEDの点灯/点滅/消灯が指示され、さらに、LEDの点滅周期や点灯輝度も指示される。
【0339】
各ランプ制御装置350には、前述のようにあらかじめ一意な個別アドレスが設定されており、演出制御データが入力されると、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致するか否かを判定する。そして、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致すると判定された場合には、ランプ制御装置350は、演出制御データを取り込んで、対応する演出装置の出力態様を制御するとともに、8ビット目のデータが入力された直後に返答信号をマスタIC105Cに出力する。
【0340】
なお、各ランプ制御装置350には、個別アドレス以外にも、ランプ制御装置350を初期化するためのリセット用の共通アドレスが設定されている。そのため、各ランプ制御装置350は、入力されたデータに含まれるアドレスと、リセット用の共通アドレスとが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合には、ランプ制御装置350は、返答信号をマスタIC105Cに出力するとともに、入力データを初期化指示データとして取り込み、自身を初期化することができる。
【0341】
また、各ランプ制御装置350には、自または他のランプ制御装置350が信号線SDAを占有していることを検出するための占有検出手段を含んでいる。占有検出手段は、信号線SDAの信号レベルを取り込んで、連続してローレベルとなっている時間を計測することで信号線SDAが自または他のランプ制御装置350により占有されているか否かを検出することができる。さらに、占有検出手段は、信号線SDAが占有されてから所定の時間が経過すると、ランプ制御装置350に含まれるリセット信号発生回路を作動させて、当該ランプ制御装置350を初期化することもできる。
【0342】
なお、信号線SDAは、他のランプ制御装置350にも接続されているので、占有検出手段は、信号線SDAが接続されたすべてのランプ制御装置350において、信号線SDAの占有状態を検出することができる。そして、これらのランプ制御装置350の内部に含まれたリセット信号発生回路を作動させることにより、信号線SDAが接続されているすべてのランプ制御装置350を初期化することができる。
【0343】
各ランプ制御装置350は、互いに異なる個別アドレスが割り当てられているので、複数の演出装置は、各ランプ制御装置350に接続された単位で、グループに分割された形態となっている。すなわち、各ランプ制御装置350は、演出装置をグループ単位で制御可能な単位演出制御手段として構成されている。したがって、各ランプ制御装置350を統括する演出制御基板80は、単位演出制御手段を統括して制御する統括演出制御手段として機能している。
【0344】
なお、グループ統括制御手段である演出制御基板80は、演出制御データの出力処理をVDP109から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込(約33.3ms周期))に同期して実行する。そのため、演出制御基板80は、最後のランプ制御装置350へのデータの出力が終了してから次のVDP割込が発生するまでの休止期間に、CPU551はランプ制御装置350への出力データの編集処理、すなわち、下り方向データの編集を行なってもよい。演出制御基板80は、ランプ制御装置350にデータを送信していない時間にもデータを処理するため、マスタIC105Cの処理能力を活用することが可能となり、マスタIC105Cの負荷を平準化することができる。
【0345】
また、演出制御基板80は、各ランプ制御装置350に対してデータを送信するよりも先に、ランプ制御装置350に含まれる占有検出手段の使用可否(有効または無効)や、共通アドレスの使用可否(有効または無効)についての設定を行なってもよい。
【0346】
また、演出制御基板80は、各ランプ制御装置350に含まれる占有検出手段の使用する場合、占有検出手段の監視期間を、信号線SCLに出力されるパルス幅(第1の時間値)よりも長く、かつ、VDP割込みの発生間隔(第2の時間値)よりも短い期間に設定してもよい。
【0347】
信号線SCLに出力されるパルス幅よりも占有検出手段の監視期間を長い期間に設定すれば、データが正常に処理されているにもかかわらず、ランプ制御装置350がリセットされてしまうことを防止することが可能である。また、占有検出手段の監視期間をVDP割込みの発生間隔よりも短い期間に設定すれば、画像更新周期、すなわち、次のデータ送信のタイミングに間に合うように、早期に異常から復帰させることが可能となる。
【0348】
以上のように、前述の実施例によれば、信号線SCL(タイミング信号線)および信号線SDA(データ信号線)を用いて、演出制御基板80(統括演出制御手段)と各ランプ制御装置350(単位演出制御手段)との間で、双方向通信を行なうので、配線を削減しながら、複数種類の演出装置を制御することができる。
【0349】
なお、演出制御基板80が制御する演出装置として、装飾LED25や右枠LED28cなどのLED/ランプの例を示したが、これに限定されるものではなく可動部材のモータやソレノイドなどであってもよい。
【0350】
なお、
図53に示した実施例の変形例として、以下のような構成が考えられる。
(1) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、下り方向データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に下り方向データの送信を行なう第1送信手段と、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なう際に、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有判定手段と、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に、前記第1送信手段による下り方向データの送信を規制する規制手段とを備え、
前記単位演出制御手段は、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なった前記データ信号線を介して、上り方向データを前記統括演出制御手段へ出力する第2送信手段と、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有状態判定手段とを備えるとともに、
前記第1送信手段は、前記タイミング信号線を介して第1の時間値となるパルス幅のパルスを送信しながら、第2の時間値となる所定の間隔で前記単位演出制御手段に所定バイト数の下り方向データを送信し、
前記占有状態判定手段は、前記データ信号線のレベルを所定のレベルで維持している状態が所定の監視時間継続した場合に前記占有状態であると判定し、かつ、該監視時間を前記第1の時間値よりも長く前記第2の時間値よりも短く設定した。
【0351】
(2) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記第2の時間値は、前記画像出力装置に出力される画像の更新間隔である。
【0352】
(3) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に前記所定バイト数の下り方向データを送信した後、当該下り方向データの送信開始から前記第2の時間値が経過するまでの間、前記各単位演出制御手段に次のタイミングで送信する下り方向データを編集する。
【0353】
(4) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に当該単位演出制御手段自身を初期化する初期化手段と、前記初期化手段を有効化するか否かを設定する有効化設定手段とを備えるとともに、複数の単位演出制御手段の間で共通となる共通アドレスと、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスとが予め割り当てられ、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記共通アドレスを指定して、前記各単位演出制御手段の初期化手段を有効化させる初期化手段有効化指令を当該各単位演出制御手段に送信し、
前記各単位演出制御手段は、前記統括演出制御手段から送信された前記初期化手段有効化指令が前記共通アドレスに送信されると、前記有効化設定手段によって前記初期化手段を有効化し、
前記統括演出制御手段は、その後、前記各単位演出制御手段の個別アドレスを指定して前記下り方向データを送信する。
【0354】
(5) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記第1送信手段が送信したデータを取り込む取込手段と、前記取込手段がデータを取り込んだ際に、該データ送信を行なった前記データ信号線を介して、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)に返答信号を出力する返答信号出力手段とを備え、
前記第1送信手段は、前記返答信号出力手段が前記返答信号を出力したか否かにかかわらず、前記単位演出制御手段に前記下り方向データを順次送信する。
【0355】
(6) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、下り方向データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に下り方向データの送信を行なう第1送信手段と、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なう際に、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定する占有判定手段と、前記データ信号線が占有状態であると判定された場合に、前記第1送信手段による下り方向データの送信を規制する規制手段とを備え、
前記単位演出制御手段は、前記第1送信手段が下り方向データの送信を行なった前記データ信号線を介して、上り方向データを前記統括演出制御手段(演出制御基板80)へ出力する第2送信手段と、当該単位演出制御手段自身を初期化する初期化手段とを備えるとともに、
前記規制手段は、前記単位演出制御手段に対して下り方向データを送信する際に前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定し、占有状態と判定された場合に前記下り方向データの送信を規制し、
前記初期化手段は、前記データ信号線が占有状態であるか否かを判定し、占有状態と判定された場合に当該単位演出制御手段自身を初期化し、
前記単位演出制御手段には、前記初期化手段を有効化するか否かを設定する有効化設定手段が備えられるとともに、複数の単位演出制御手段の間で共通となる共通アドレスと、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスとが予め割り当てられ、前記統括演出制御手段から、初期化手段有効化指令が前記共通アドレス宛に送信されると、前記有効化設定手段によって前記初期化手段を有効化させるための設定が行なわれる。
【0356】
(7) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記共通アドレスを無効化する共通アドレス無効化設定手段を備え、前記共通アドレス宛に送信された初期化手段有効化指令を受信し、前記初期化手段を有効化した後、前記共通アドレス無効化設定手段によって、前記共通アドレスを無効化し、その後、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記単位演出制御手段の各々に前記共通アドレスを無効化する指令を周期的に送信する。
【0357】
(8) 前記第1送信手段は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に割り当てられた個別アドレスを指定して、前記初期化手段有効化指令を周期的に送信する。
【0358】
(9) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)を初期化した後、前記共通アドレスを指定することによって、前記初期化手段有効化指令を前記各単位演出制御手段に送信し、その後、前記各単位演出制御手段の個別アドレスを指定して前記下り方向データを送信する。
【0359】
(10) 前記下り方向データは、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)から前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に周期的に送信され、前記演出装置の演出態様を決定する演出制御データと、前記初期化手段有効化指令及び前記共通アドレスを無効化する指令を含む設定データと、を含み、前記設定データは、前記下り方向データが送信される周期内で、前記演出制御データよりも先行して送信される。
【0360】
(11) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線の信号レベルを、送信データに対応する信号レベルに設定しながら前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることで、順次前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)にデータの送信を行なう送信手段と、前記送信手段によるデータ送信が可能な送信タイミングを定期的に発生させる送信タイミング発生手段と、前記送信手段により定期的にデータ送信を行なわせる通常送信制御手段と、前記通常送信制御手段によるデータ送信に異常が発生した場合に、前記送信手段により再度データ送信を行なわせる再送信制御手段とを備えるとともに、
前記通常送信制御手段は、前記送信タイミングの一部である定時タイミングに合わせて、前記送信手段により定期的にデータを送信させ、
前記再送信制御手段は、前記送信タイミングであって、かつ、前記定時タイミング以外の送信タイミングに合わせて、前記送信手段により再度データ送信を行なわせる。
【0361】
(12) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記送信タイミングの発生にかかわらず、前記各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に送信するデータの編集を継続し、前記定時タイミングになると、前記通常送信制御手段が前記送信手段によって前記編集されたデータを送信する。
【0362】
(13) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記定時タイミングにおけるデータの送信に失敗すると、次の定時タイミングが発生する前に、前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)を初期化し、前記再送信制御手段によって、前記送信に失敗したデータを再送信する。
【0363】
(14) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記送信タイミングは、前記画像出力装置に出力される画像を更新する画像更新タイミングと一致する。
【0364】
(15) 遊技の演出を行なう画像出力装置(演出表示装置9)を備え、前記定時タイミングは、前記画像出力装置に出力される画像を更新する画像更新タイミングと一致し、前記画像更新タイミングの発生周期と、前記送信タイミングの周期とのいずれか一方の周期が、他方の周期の倍数とならない。
【0365】
(16) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記データ信号線を介して前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に、所定の電圧レベルを出力する電圧出力手段を備え、
前記電圧出力手段は、前記データ信号線に出力する電圧レベルを前記単位演出制御手段に送信するデータに対応させて変化させることにより、前記単位演出制御手段に当該データを順次送信する。
【0366】
(17) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)は、前記統括演出制御手段(演出制御基板80)によって送信された自宛のデータを受信すると、該統括演出制御手段によってデータが送信された前記データ信号線を介して、前記統括演出制御手段に返答信号を出力する双方向単位演出制御手段、又は、前記返答信号を出力しない単方向単位演出制御手段で構成され、前記統括演出制御手段と前記双方向単位演出制御手段との間、及び、前記統括演出制御手段と前記単方向単位演出制御手段との間を前記データ信号線により接続し、前記統括演出制御手段と前記双方向単位演出制御手段との間を接続するデータ信号線に、前記双方向単位演出制御手段が前記返答信号を出力した場合に前記データ信号線に流れる電流を規制する電流規制手段(たとえば、マスタIC105Cとランプ制御装置350との間の信号線SDA上に設けた抵抗Rなど)を備えた。
【0367】
(18) 前記単位演出制御手段(ランプ制御装置350)には、各単位演出制御手段同士で相違する個別アドレスが予め割り当てられ、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記個別アドレスに基づいて、当該単位演出制御手段が、前記単方向単位演出制御手段又は前記双方向単位演出制御手段のいずれかに該当するかを特定可能に構成され、前記双方向単位演出制御手段にデータを送信する場合には、所定単位のデータを送信するたびに前記データ信号線の解放要求を行ない、前記単方向単位演出制御手段にデータを送信する場合には、前記データ信号線の解放要求を行なわない。
【0368】
(19) 前記双方向単位演出制御手段は、前記タイミング信号線の信号レベルが変化する回数を計数し、前記返答信号を出力する返答タイミングを決定するために、前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達したか否かを判定する返答タイミング決定手段を備え、前記返答タイミング決定手段によって前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が前記所定回数に達したと判定された場合に、前記データ信号線を占有して信号レベルを変化させることによって前記返答信号を出力するとともに、前記返答信号を出力した後に前記タイミング信号線の信号レベルが変化したことに基づいて前記データ信号線を解放して前記返答信号の出力を停止する機能を有し、
前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、所定単位のデータを送信したことに基づいて、前記タイミング信号線の信号レベルを変化させて、前記双方向単位演出制御手段に前記データ信号線の解放要求をする解放要求出力手段を備えた。
【0369】
(20) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、各単位演出制御手段(ランプ制御装置350)に対して前記データ信号線の解放要求を行なうか否かを設定可能に構成され、
前記単方向単位演出制御手段は、前記統括演出制御手段からの指令によって、前記統括演出制御手段によって前記データ信号線の解放要求が行なわれるか否かを特定可能に構成され、前記データ信号線の解放要求が行なわれない場合にあっては、前記データ信号線の解放要求が行なわれるタイミングに前記タイミング信号線の信号レベルが変化したことに基づいて前記データ信号線の電圧レベルを受信データとして取得し、前記データ信号線の解放要求が行なわれる場合にあっては、前記データ信号線の解放要求が行なわれるタイミングに前記タイミング信号線の信号レベルが変化しても前記データ信号線の電圧レベルを受信データとして取得することなく破棄するようにした。
【0370】
(21) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、前記送信手段によるデータ送信を開始する場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを第1のレベルに維持させた状態で、前記データ信号線の信号レベルを第2のレベルに変化させる送信開始指令処理を実行可能に構成され、前記送信開始指令処理の実行に先立って、前記電圧出力手段によって前記データ信号線の電圧レベルを変更することによって、当該データ信号線の信号レベルを前記第1のレベルとは異なるレベルに変更し、さらに、前記タイミング線の信号レベルを前記第2のレベルとは異なるレベルに変更する事前出力変更手段を備えた。
【0371】
(22) 前記統括演出制御手段(演出制御基板80)は、データ送信の途中又はデータ送信の最後のタイミングにて、前記タイミング信号線の信号レベルを第3のレベルに維持させた状態で、前記データ信号線の信号レベルを前記第2のレベルとは異なる第4のレベルに変化させる更新指令処理を実行可能に構成され、
前記事前出力変更手段は、前記更新指令処理の実行に先立って、前記電圧出力手段によって前記データ信号線の電圧レベルを変更することによって、当該データ信号線の信号レベルを前記第4のレベルとは異なるレベルに変更し、さらに、前記タイミング線の信号レベルを前記第3のレベルとは異なるレベルに変更する。