特許第5795338号(P5795338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5795338組織を切断及び凝固するための、二重目的外科用器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795338
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】組織を切断及び凝固するための、二重目的外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   A61B17/36 330
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-552956(P2012-552956)
(86)(22)【出願日】2011年2月9日
(65)【公表番号】特表2013-519440(P2013-519440A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2011024205
(87)【国際公開番号】WO2011100335
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】12/703,879
(32)【優先日】2010年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン・ガレン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ティム・リチャード・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】コンロン・ショーン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ジングマン・アーロン・オー
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0243162(US,A1)
【文献】 特開2001−029353(JP,A)
【文献】 特表2008−521503(JP,A)
【文献】 特開平08−299351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
モータと、
前記ハウジングに対する選択的な回転移動のために、前記モータに連結され、かつ支持される、切断ブレードと、
前記ハウジングによって支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器から突出し、前記切断ブレードのルーメンを通じて同軸状に延びて、その遠位端から突出する超音波ブレードと、を含む、超音波外科用器具。
【請求項2】
前記ハウジングに連結され、内部に前記切断ブレードを回転可能に支持する、外部シースを更に含み、前記外部シースは、前記切断ブレードの遠位組織切断部分を露出するように、内部に開口部を有する閉じた遠位端を有し、前記超音波ブレードの前記遠位端が、前記外部シースの前記閉じた遠位端の別の開口部を通じて突出する、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項3】
前記外部シースの前記別の開口部を通じて突出する前記超音波ブレードの前記遠位端の少なくとも一部が丸い、請求項2に記載の超音波外科用器具。
【請求項4】
前記超音波ブレードが前記モータ内の中空の経路を通じて延びる、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの超音波変換器が前記ハウジング内で可動に支持される、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項6】
前記ハウジングに対する前記少なくとも1つの超音波変換器の回転運動を可能にするために、前記ハウジング前記少なくとも1つの超音波変換器との間に設けられたベアリング部を更に含む、請求項5に記載の超音波外科用器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの超音波変換器が、前記モータに連結された変換器ハウジング内に収容される、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項8】
前記超音波変換器ハウジングは、前記モータに磁気的に連結される、請求項7に記載の超音波外科用器具。
【請求項9】
前記切断ブレードは、上部に形成された複数の切断縁部を有する、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項10】
超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内で支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器に連結される実質的に中空の超音波ブレードと、
前記実質的に中空の超音波ブレードを通じて延び、前記実質的に中空の超音波ブレードの遠位端から外側に突出する組織切断遠位端を有する、切断ブレードと、
前記実質的に中空の超音波ブレード内で前記切断ブレードを回転させるために、前記切断ブレードに連結されたモータと、を含み、
前記切断ブレードは、吸引源と連通する吸引ルーメンを内部に有する、超音波外科用器具。
【請求項11】
前記ハウジング内に吸引チャンバーを更に含み、前記吸引チャンバーは前記吸引源及び前記切断ブレード内の前記吸引ルーメンと連通する、請求項10に記載の超音波器具。
【請求項12】
前記ハウジングに連結された外部シースを更に含み、前記超音波ブレードがその内部を通じて延び、前記超音波ブレードの前記遠位端の少なくとも一部が前記外部シースから遠位方向に延びる、請求項10に記載の超音波外科用器具。
【請求項13】
前記外部シースが、音響分離材料によって前記超音波ブレードに接続される、請求項12に記載の超音波外科用器具。
【請求項14】
超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されたモータと、
前記ハウジングに対する選択的な回転移動のために、前記モータに連結され、かつ支持される、切断ブレードと、
前記ハウジングによって支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器から突出する超音波ブレードであって、前記切断ブレードと離間して配置されており、前記切断ブレードと異なる軸を有し、前記切断ブレードと実質的に平行に延びる、超音波ブレードと、を含む、超音波外科用器具。
【請求項15】
前記切断ブレードが、吸引源と連通する、内部を通じて延びる吸引ルーメンを有する、請求項14に記載の超音波外科用器具。
【請求項16】
前記切断ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた外部シースアセンブリ内の切断ブレードルーメン内に回転可能に支持され、前記超音波ブレードは前記外部シース内の超音波ブレードルーメンを通じて延びる、請求項14に記載の超音波外科用器具。
【請求項17】
前記切断ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた切断ブレード外部シース内の切断ブレードルーメン内に回転可能に支持され、前記超音波ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた超音波外部シース内の超音波ブレードルーメンを通じて延びる、請求項14に記載の超音波外科用器具。
【請求項18】
前記切断ブレード外部シースが、第1材料から作製され、前記超音波外部シースが前記第1材料とは異なる第2材料から作製される、請求項17に記載の超音波外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、超音波手術システムに関し、より具体的には、外科医が組織の切断及び凝固を実行することを可能にする超音波システムに関する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、外科手術を行うための、様々な異なる種類の非超音波的に駆動されるカッター及び剃毛装置が開発されてきた。これらの装置のいくつかは回転切断器具を利用し、他の装置は往復式切断部材を利用する。例えば、シェーバーは、関節鏡視下手術において幅広く使用される。これらの装置は一般的には、電源、ハンドピース及び単回使用のエンドエフェクタからなる。エンドエフェクタは一般的に、内部及び外部管を有する。内部管は、外部管に対して回転し、その鋭利な縁部で組織を切断する。内部管は、連続的に回転、又は振動し得る。加えて、このような装置は、内部管の内部を通じて移動する吸引チャネルを利用し得る。例えば、米国特許番号第4,970,354号(McGurk−Burleson,et al)は、剪断動作で材料を切断するための回転カッターを含む、非超音波的に駆動された外科用切断器具を開示する。これは、外部管内で回転可能な内部切断部材を利用する。これらの装置は、組織を凝固する能力を欠く。
【0003】
米国特許番号第3,776,238号(Peyman et al)は、外部管の端部の内面に対して移動する内部管の鋭利な端部によって生じる裁断作用によって組織が切断される、眼科用器具を開示する。米国特許番号第5,226,910号(Kajiyama et al)は、外部部材の開口部を通じて入る組織を切断するために、外部部材に対して移動する内部部材を有する、別の外科用切断器具を開示する。また、これらの装置のそれぞれは、組織を凝固する能力を欠く。
【0004】
米国特許番号第4,922,902号(Wuchinich et al)は、超音波アスピレータを利用した、組織の内視鏡除去のための方法及び装置を開示する。装置は、柔軟な組織を分解し、細い開口部を通じてこれを吸引する、超音波プローブを使用する。米国特許番号第4,634,420号(Spinosa et al)は、動物から組織を除去するための装置及び方法を開示し、横方向において超音波周波数で振動する、針又はプローブを有する細長い器具を含む。針の超音波移動は、組織を断片へと分解する。組織の断片は、針の導管を通じた吸引によって、治療領域から除去され得る。米国特許番号第3,805,787号(Bankoへ)は、プローブの先端部から放射される超音波エネルギーのビームを細くするために遮蔽されたプローブを有する、更に別の超音波器具を開示する。一実施形態において、遮蔽部材は、プローブの自由端を超えて延び、プローブが組織と接触するのを防ぐ。米国特許番号第5,213,569号(Davisへ)は、超音波エネルギーを集束させる、超音波白内障手術針を開示する。集束表面は、面取りされているか、湾曲しているか又は少平面であってもよい。米国特許番号第6,984,220号(Wuchinichへ)及び米国特許出願公開第2005/0177184号(Easleyへ)は、長手方向ねじれ共振器の使用により、長手方向及びねじれ運動の組み合わせを提供する、超音波組織切開システムを開示する。米国特許公開番号第US 2006/0030797(A1)号(Zhou et al)は、超音波変換器及びホーンを駆動するための駆動モータを有する眼科用外科装置を開示する。変換器に超音波エネルギー信号を供給するために、駆動モータと変換器との間にアダプターが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波駆動の外科用器具の使用は、従来的な機械的に駆動される鋸、ドリル及び他の器具に対していくつかの利点を提供するが、骨/組織境界面における摩擦熱による、骨及び隣接する組織での温度上昇は、依然として大きな問題であり得る。現在の関節鏡視下手術ツールは、パンチ、往復式シェーバー、及び無線周波(RF)装置を含む。パンチ及びシェーバーなどの機械的装置は、最小限の組織損傷を生じるが、場合によっては望ましくない、粗い切断線を残す場合がある。RF装置は、より平滑な切断線を生じ、また大量の軟組織を焼灼し得るが、これらは、機械的手段よりも大きな組織損傷を生じる傾向にある。したがって、より高い切断正確性を提供する一方で、過剰な組織損傷を生じることなく平滑な切断表面を形成することができる装置が望ましい。
【0006】
現在の器具の欠点のいくつかを克服する超音波手術器具を提供することが望ましいであろう。本明細書において記載される超音波外科用器具はこれらの非効率の多くを克服する。
【0007】
上述の議論は、本発明の分野にその当時に存在した欠点の一部を説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとしてみなされるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの一般的な態様において、様々な実施形態が、内部にモータを有するハウジングを含み得る、超音波外科用器具を対象とする。切断ブレードは、モータに連結され、ハウジングに対する選択的な回転移動のために支持されてもよい。少なくとも1つの超音波変換器がハウジングによって支持され得る。超音波ブレードは少なくとも1つの超音波変換器から突出してもよく、超音波ブレードは切断ブレード内のルーメンを通じて同軸状に延び、その遠位端を通じて突出する。
【0009】
本発明の別の一般的態様と関連し、内部に少なくとも1つの超音波変換器を支持するハウジングを含み得る超音波外科用器具が提供される。実質的に中空の超音波ブレードは、少なくとも1つの超音波変換器に連結され得る。切断ブレードは実質的に中空の超音波ブレードを通じて延びてもよい。切断ブレードは、実質的に中空の超音波ブレードの遠位端から外側に突出する、組織切断遠位端を有し得る。モータは、実質的に中空の超音波ブレード内で切断ブレードを回転させるために、切断ブレードに連結され得る。
【0010】
本発明の更に別の一般的な態様に関連し、モータを支持するハウジングを含み得る超音波外科用器具が提供される。切断ブレードは、ハウジングに対する選択的な回転移動のために、モータに連結され、支持され得る。少なくとも1つの超音波変換器は、ハウジングに支持され、そこから突出する超音波ブレードを有し得る。超音波ブレードは、切断ブレードに実質的に平行であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
様々な実施形態の特徴が、特許請求の範囲で詳細に示される。ただし構成及び操作方法の両方に関する様々な非限定的な実施形態は、それらの他の目的及び利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照すれば最もよく理解することができる。
図1】本発明の非限定的な外科用器具と使用する、本発明の外科用制御システム実施形態の概略図。
図2図1に示される外科用器具の外部シース及びブレード構成の一部の部分斜視図。
図3図2の線3−3に沿った、図2の外部シース及びブレード構成の断面図。
図4図2及び図3の外部シース及びブレード構成の部分側方立面図。
図5】本発明の別の非限定的な外部シース及びブレード構成の部分斜視図。
図6図5に示される構成の外部シース及び超音波ブレードの部分斜視図。
図7】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図8】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図9】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図10】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図11】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図12図11に示される外科用器具実施形態により利用される、外部シース及びブレード構成の一部の斜視図。
図13】その部分が断面図において示される、本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の側方立面図。
図14】外部シースが断面図で示される、本発明の様々な非限定的な実施形態の、外部シースアセンブリ、並びにシェーバーブレード及び超音波ブレードの分解組立図。
図15図13の外科用器具の分解組立図。
図16】超音波ブレードがそこに取り付けられた、図13及び図15の外科用器具の一部の断面図。
図17】外部シースアセンブリが、超音波ブレードの上を摺動する、図16の超音波外科用器具の別の図。
図18】本発明の別の非限定的な外科用器具実施形態の断面図。
図19図18の直線19−19に沿ってとった、図18の外科用器具の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願の所持者はまた、同日付けで出願された、以下の米国特許出願をも所有し、これらは本明細書において参照として各全体を組み込まれる。
米国特許出願番号第______、表題「ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH ROTATING CUTTING IMPLEMENT」、代理人整理番号第END6688USNP/090341号、
米国特許出願番号第______号、表題「METHODS OF USING ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH ROTATABLE CUTTING IMPLEMENTS」、代理人整理番号第END6689USNP/090342号、
同第______号、表題「SEAL ARRANGEMENTS FOR ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END6690USNP/090343号、
同第______号、表題「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS WITH ROTATABLE BLADE AND HOLLOW SHEATH ARRANGEMENTS」、代理人整理番号第END6691USNP/090344号、
同第______号、表題「ROTATABLE CUTTING IMPLEMENT ARRANGEMENTS FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END6692USNP/090345号、
同第______号、表題「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS WITH PARTIALLY ROTATING BLADE AND FIXED PAD ARRANGEMENT」、代理人整理番号第END6693USNP/090346号、
同第______号、表題「OUTER SHEATH AND BLADE ARRANGEMENTS FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END6695USNP/090348号、
同第______号、表題「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS WITH MOVING CUTTING IMPLEMENT」、代理人整理番号第END6687USNP/090349号、及び
同第______号、表題「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT WITH COMB−LIKE TISSUE TRIMMING DEVICE」、代理人整理番号第END6686USNP/090367号。
【0013】
様々な実施形態が、組織治療のための、装置、システム及び方法を対象とする。明細書に記載され、添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造及び使用の完全な理解をもたらすように多数の具体的詳細が示される。しかしながら、実施形態はそのような具体的詳細なくして実施され得ることが、当業者には理解される。他の例においては、周知の作動、構成要素、及び要素は、明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。当業者は、本明細書に記載及び図示される実施形態は非限定例であることを理解でき、それ故本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は典型であってもよく、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲でのみ規定されることを理解できる。
【0014】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」等の参照は、その実施形態との関連において記述されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して複数の場所に出現する「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態では」等のフレーズは、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適なやり方で組み合わせることができる。故に、一実施形態に関して図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。
【0015】
様々な実施形態が、外科手術中における組織切開、切断及び/又は凝固を生じるように構成された、改善された超音波外科用システム及び器具、加えてこれらに利用される切断用具を対象とする。一実施形態では、超音波手術器具装置は切開手術処置における使用のために構成されるが、関節鏡視下、腹腔鏡、内視鏡、及びロボット支援手術のような他の種類の手術における用途も有する。超音波エネルギー、及び切断/凝固用具、及び/又は保護シースの選択的な使用によって、広範な用途が促進される。
【0016】
用語「近位」及び「遠位」は、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に準拠して用いられることが理解されよう。故に、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。更に言うまでもなく、便宜及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間に関する用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを握持する臨床医を基準として用いられている。しかしながら、手術器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。
【0017】
図1は、本発明の様々な外科用器具実施形態を制御するために利用され得る、本発明の外科用制御システム10の一実施形態を、概略的形態で例示する。例えば、外科用制御システム10は、超音波外科用器具100に超音波制御信号を供給するために、超音波発生器12を含み得る。超音波発生器12は、ケーブル14により、超音波外科用器具100のハウジング102内に回転不可能に支持される、超音波変換器アセンブリ114に接続され得る。一実施形態において、システム10は、モータ制御システム20を更に含んでもよく、これは従来的な電源22を含み、これはケーブル23によって制御モジュール24に連結されて、ここに例えば24VDCを供給する。モータ制御モジュール24は、National Instruments of Austin,Texasにより、モデル番号NI cRIO−9073で製造される制御モジュールを含み得る。しかしながら、他の従来的なモータ制御モジュールが利用されてもよい。電源22はケーブル25によってモータドライブ26に連結され、やはりここに24DVCを供給し得る。モータドライブ26はNational Instrumentsによって製造されるモータドライブを含み得る。しかしながら、他の従来的なモータドライブが利用されてもよい。制御モジュール24はまた、そこに電力を供給するために、ケーブル27によりモータドライブ26に連結され得る。従来的なフットペダル30又は他の制御スイッチ構成が、ケーブル31によって制御モジュール24に取り付けられてもよい。以下でより詳細に記載されるように、超音波外科用器具100は、関連するエンコーダ194を有するモータ190を含み得る。モータ190は、National Instrumentsによりモデル番号CTP12ELF10MAA00として製造されるモータを含み得る。エンコーダ194は、U.S.Digital(Vancouver,Washington)によりモデル番号第197−I−D−D−Bとして製造されるエンコーダを含み得る。しかしながら、他の従来的なモータ制御モジュールが利用されてもよい。エンコーダ194は、エンコーダケーブル32によってモータ制御モジュール24に連結されてもよく、モータ190はケーブル33によってモータドライブ26に連結され得る。外科用システム10は、イーサネットケーブル42によってモータ制御モジュール24と通信し得る、コンピューター40を含み得る。
【0018】
また図1に見されるように、モータ制御システム20は、エンクロージャ21内に収容され得る。システムの容易な可搬性を促進するために、様々な構成要素が、取り外し可能なケーブルコネクタによって、モータ制御システム20に取り付けられてもよい。例えば、フットペダルスイッチ30は、ケーブル35によって取り外し可能なケーブルコネクタ37に取り付けられて、フットペダルの制御システム20への迅速な取り付けを促進してもよい。A/C電力が、ケーブル52に取り付けられた、取り外し可能なケーブルコネクタ54に取り付けられた、従来的なプラグ/ケーブル50によって、電源22に供給され得る。コンピューター40は、ケーブル42に連結された取り外し可能なケーブルコネクタ62に取り付けられた、ケーブル60を有し得る。エンコーダ194は、取り外し可能なコネクタ72に取り付けられたエンコーダケーブル70を有し得る。同様に、モータ190は、取り外し可能なコネクタ72に取り付けられたケーブル74を有し得る。取り外し可能なコネクタ72は、ケーブル32によって制御モジュール24に取り付けられてもよく、コネクタ72は、ケーブル33によってモータドライバ26に取り付けられてもよい。したがって、ケーブルコネクタ72は、エンコーダ194を制御モジュール24に、モータ190をモータドライブ26に連結するように機能する。ケーブル70及び74は、共通シース76内に収容され得る。
【0019】
様々な実施形態において、超音波発生器12は、超音波発生器モジュール13及び信号発生器モジュール15を含み得る。図1を参照されたい。超音波発生器モジュール13及び/又は信号発生器モジュール15、それぞれは、超音波発生器12と一体であってもよく、又は超音波発生器12と電気的に連結された別個の回路モジュールとして提供されてもよい(この選択肢を例示するために仮想線にて示される)。一実施形態では、信号発生器モジュール15は、超音波発生器モジュール13と一体に形成されてもよい。超音波発生器12は、発生器12コンソールの前側パネル上に位置する入力装置17を含み得る。入力装置17は、既知の方式で発生器12の動作をプログラミングするために好適な信号を発生する、任意の好適な装置を含み得る。更に図1を参照し、ケーブル14は、超音波変換器アセンブリ114の正電極(+)及び負電極(−)に電気エネルギーを適用するために、多数の導電体を含み得る。別の実施形態において、超音波駆動モジュール及び/又はモータ駆動モジュールは、外科用器具100内に供給され得る。
【0020】
様々な形態の超音波発生器、超音波発生器モジュール及び信号発生器モジュールが既知である。例えば、このような装置は、同一譲受人による米国特許出願番号第12/503,770号、表題「Rotating Transducer Mount For Ultrasonic Surgical Instruments」(2007年7月15日出願)に開示され、これは、本明細書において参照として全体を組み込まれる。他のそのような装置は以下の米国特許の1つ以上に開示され、その全てが参照により本明細書に組み込まれる;米国特許第6,480,796号、「Method for Improving the Start Up of an Ultrasonic System Under Zero Load Conditions」、同第6,537,291号、「Method for Detecting a Loose Blade in a Handle Connected to an Ultrasonic Surgical System」、同第6,626,926号、「Method for Driving an Ultrasonic System to Improve Acquisition of Blade Resonance Frequency at Startup」、同第6,633,234号、「Method for Detecting Blade Breakage Using Rate and/or Impedance Information」、同第6,662,127号、「Method for Detecting Presence of a Blade in an Ultrasonic System」、同第6,678,621号、「Output Displacement Control Using Phase Margin in an Ultrasonic Surgical Handle」、同第6,679,899号、「Method for Detecting Transverse Vibrations in an Ultrasonic Handle」、同第6,908,472号、「Apparatus and Method for Altering Generator Functions in an Ultrasonic Surgical System」、同第6,977,495号、「Detection Circuitry for Surgical Handpiece System」、同第7,077,853号、「Method for Calculating Transducer Capacitance to Determine Transducer Temperature」、同第7,179,271号、「Method for Driving an Ultrasonic System to Improve Acquisition of Blade Resonance Frequency at Startup」、同第7,273,483号、「Apparatus and Method for Alerting Generator Function in an Ultrasonic Surgical System」。
【0021】
様々な実施形態において、ハウジング102は、ねじ、スナップ機構などの締結具によって一緒に取り付けられる、2つ以上の区分で提供されてもよく、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルアミド(GE Ultem(登録商標))などのプラスチック、又はアルミニウム、チタン又はステンレス鋼などの金属から作製されてもよい。上記のように、ハウジング102は、変換器アセンブリ114の端部の長手方向振動運動を生じる、機械的エネルギーに、電気エネルギーを変換するために、圧電超音波変換器アセンブリ114を回転不可能に支持する。超音波変換器アセンブリ114は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、4〜8個のセラミック圧電素子115を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。超音波変換器アセンブリ114は、一方の側で動作ゼロ点で取り付けられ、他方の側で連結器126に取り付けられる、超音波ホーン124を更に含み得る。例えば、チタンから作製され得る超音波ブレード200は、連結器126に固定され得る。別の実施形態において、超音波ブレード200は、超音波ホーン124と共に一体的に形成される。いずれにせよ、超音波ブレード200は、超音波変換器アセンブリ114と共に、超音波周波数において、長手方向に振動する。超音波変換器アセンブリ114の端部は、超音波変換器アセンブリ114が、変換器の共振周波数において最大電流で駆動されるとき、静止ノードを構成する積層体の一部と共に、最大運動を達成する。しかしながら、最大運動を提供する電流は各器具により変動し、システムが使用できるように、器具の不揮発性メモリに保存される値である。
【0022】
超音波器具100の部分は、組み合わせが、同じ共振周波数で振動するように設計され得る。特に、要素は、各このような要素の得られる長さが波長の半分又はその倍数であるように調整されてもよい。長手方向の前後運動は、音響取り付けホーン124の超音波ブレード200に近い方の直径が減少するに伴って、増幅する。この現象はノードにおいて最大であり、アンチノードで直径が変化する際に本質的に存在しない。したがって、超音波ホーン124、加えてブレード/カップラーは、音響システムの残部に対応して、ブレード運動を増幅し、超音波振動を提供するような形状及び寸法であり得、これは、超音波ブレード200に近い音響取り付けホーン124の端部の最大前後運動を生成する。およそ10マイクロメートルの運動が、圧電素子115において達成され得る。およそ20〜25マイクロメートルの運動が、音響ホーン124の端部において達成されてもよく、およそ40〜100マイクロメートルの運動が、超音波ブレード200の端部で達成され得る。
【0023】
フットペダル30又は他のスイッチ構成の動作によって超音波器具100に電力が適用されるとき、超音波発生器12は例えば、超音波ブレード200をおよそ55.5kHzで長手方向に振動させ、長手方向運動量は、ユーザーによって調節可能に選択される、適用される駆動電力(電流)の量と比例して変化する。比較的高い電力が適用される場合、超音波ブレード200は、超音波振動速度において、約40〜100マイクロメートルの範囲で長手方向に運動するように設計され得る。ブレード200のこのような超音波振動は、ブレードが組織に接触する際に熱を生成し、すなわち、組織を通じた超音波ブレード200の加速が運動する超音波ブレード200の機械的エネルギーを、非常に狭く、局限された領域において熱エネルギーへと変換する。この局部的な熱は、狭いゾーンにおける凝固を生じ、これは直径1ミリメートル未満などの、小さな欠陥における出血を低減するか又は排除する。超音波ブレード200の切断効率性、加えて止血の度合いは、適用される駆動電力のレベル、外科医によってブレードに適用される切断速度又は力、組織種類の性質、及び組織の血管分布により変動する。
【0024】
上記のように、外科用器具100は、超音波ブレード200と同軸状に位置合わせされる、組織切断ブレード220に回転運動を適用するために利用される、モータ190を更に含み得る。より具体的に、組織切断ブレード220は、内部を通じて軸方向ルーメン221を有し、これを通じて超音波ブレード200が延びる。組織切断ブレード220は、例えば、ステンレス鋼から作製され得る。様々な実施形態において、米国特許出願番______号、表題「SEAL ARRANGEMENTS FOR ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END6690USNP/090343号(これは本明細書において参照としてその全体が利用され得る)に記載される1つ以上の封止部250が、利用され得る。しかしながら、他の封止構成もまた利用され得る。モータ190は、例えば、従来的なステッピングモータを含んでもよい。エンコーダ194と使用する際、エンコーダ194は、モータシャフト192の機械的回転を速度及び他のモータ制御情報を制御モジュール24に提供する電気パルスに変換する。
【0025】
また図1に見られるように、駆動ギア196は、モータシャフト195に取り付けられてもよい。駆動ギア196は、組織切断ブレード220に取り付けられ得る、駆動ギア222と噛合係合するように支持され得る。このような構成は、モータ190が駆動される際の、組織切断ブレード220の長手方向軸A−Aを中心とした回転を促進するように機能する。組織切断ブレード220はまた、1つ以上のベアリング224によって、外部シース230内に回転可能に支持され得る。外部シース230は、ハウジング102に固定され、実質的に鈍い遠位端232を有してもよい。孔及び開口部236は、鈍い遠位端232を通じて提供されてもよく、超音波ブレード200の遠位端202の少なくとも一部が、これを通じて突出することを可能にする。図1及び図2参照。超音波ブレード200の遠位端202は、図1〜3に示されるボール状の形状を有してもよく、又は、又は他の実施形態において、遠位端202は、図5及び図6に示されるように、弓状又は丸い遠位表面208を有する、若干平坦な部分206を有し得る。
【0026】
組織切断ブレード220は、様々な構成を有し得る。図2〜4に示される実施形態において、組織切断ブレード220は、2つの対向する弓状部221を有し、これらは4つの組織切断縁部223を形成するように機能する。図2に見られるように、組織切断ブレード220の一部が、遠位組織開口部234を通じて露出される。この実施形態において、組織切断ブレード220は、超音波により起動されないため、ブレード220は、鋭い縁部の保持を促進する材料から作製されてもよい。例えば、組織切断ブレード220は、例えば、ステンレス鋼又は他の好適な材料から作製されてもよい。使用中、組織切断開口部234を通じて露出される回転組織切断ブレード220の部分を使用して、組織を切断し、その後、凝固プロセスのためにそれが必要とされる際に、超音波ブレード200を起動する。外科医は単純に標的組織を、超音波ブレード200の遠位端202の露出した部分と接触させ、同時に超音波変換器アセンブリ114を起動する。
【0027】
図7は、本発明の別の外科用器具300を例示する。外科用器具300は、超音波ホーン324を含む、変換器アセンブリ314を収容し得る、ハウジング302を含む。超音波変換器アセンブリ314は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、4〜8個のセラミック圧電素子315を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。この実施形態において、変換器アセンブリ314は、ハウジング302内に回転不可能に支持される。電力が、制御システム10内の超音波発生器12に連結された、導体360、362によって、超音波変換器アセンブリ314に伝達され得る。外科用器具300は、上記の種類の制御構成を含み、上記の様々なモードで使用され得る。モータ340は、これと関連するエンコーダ341を有してもよく、これは上記のように制御モジュール24と連絡する。モータ340は、共通シース76を通じて延びるモータケーブル74を含む、導体342、343を通じて、モータドライブ26から電力を受信し得る。
【0028】
上記の種類及び構成の超音波ブレード200が、上記の方法で超音波ホーン324に取り付けられてもよく、ハウジング302内に取り付けられたモータ340内の孔342を通じて延びてもよい。しかしながら、別の実施形態において、超音波ブレード200は、超音波ホーン324と一体的に形成されてもよい。上記の様々な種類及び構成の組織切断ブレード220が、モータ340の回転可能な部分/シャフトに取り付けられてもよい。例えば、National Instrumentsによって製造されるモータが使用され得る。しかしながら、他のモータもまた、良好に利用され得る。組織切断ブレード220はハウジング302に取り付けられた外部シース230を通じて同軸状に延びてもよい。外部シース230は、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、鉄、セラミック等から作製され得る。組織切断ブレード220は、ハウジング302及び/又は外部シース230の間に取り付けられる、1つ以上のベアリング332によって回転可能に支持されてもよい。上記の特許の用途又は他のものの1つに記載される種類及び構成の1つ以上の封止部250は、超音波ブレード200と組織切断ブレード220との間に取り付けられてもよい。超音波ホーン324は、上記の方法により超音波ブレード200の近位端に取り付けられてもよい。使用中、外部シース230内の組織切断開口部234を通じて露出される回転組織切断ブレード220の部分を使用して、組織を切断し、その後、凝固プロセスのためにそれが必要とされる際に、超音波ブレード200を起動する。外科医は単純に標的組織を、超音波ブレード200の遠位端202と接触させ、同時に超音波変換器アセンブリ314を起動する。器具300が組織切断回転モード、超音波モード、又は組織切断及び超音波モード(「デュアルモード」)で使用され得る。
【0029】
図8は、以下の差異を除いて、上記の外科用器具300と実質的に同一である、別の外科用器具300’を例示する。図8に見られるように、超音波変換器アセンブリ314及び超音波ブレード200は、ハウジング302’に枢動可能に連結された、トリガー370によって軸方向に移動させることができる。様々な実施形態において、トリガー370は、変換器アセンブリ314の一部と係合するように構成されたヨーク372を有してもよく、それにより、トリガー370が枢動する際に(矢印「B」)、超音波変換器アセンブリ314及び超音波ブレード200が、軸方向A−A(矢印「C」によって表される)に沿って軸方向に移動する。この「全体」軸方向運動は、超音波変換器アセンブリ314が駆動される際に達成される、超音波軸方向運動とは区別可能である。
【0030】
図9は、本発明の別の外科用器具400を例示する。外科用器具400は、超音波ホーン424を含む、超音波変換器アセンブリ414を収容し得るハウジング402を含む。超音波変換器アセンブリ414は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、4〜8個のPZT−8(Lead Zirconium Titanate)セラミック圧電素子415を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。この実施形態において、超音波変換器アセンブリ414は、遠位ベアリング436によりハウジング402内に回転可能に支持される変換器ハウジング430に取り付けられる。超音波変換器アセンブリ414は、例えば、Epdmエラストマー材料により、又はノードに配置されるフランジによって、変換器ハウジング430から実質的に超音波的に絶縁され、減衰部材によって減衰され、それによって超音波変換器アセンブリ414からの超音波運動が、変換器ハウジングに伝達しない。上記の様々な種類及び構成の組織切断ブレード220が、一緒に移動するように、変換器ハウジング430に取り付けられてもよい。組織切断ブレード220は、ハウジング402に取り付けられた外部シース230を通じて同軸状に延びてもよい。組織切断ブレード220は、ハウジング402及び/又は外部シース230の間に取り付けられた、1つ以上のベアリング432によって回転可能に支持されてもよい。1つ以上の封止部250が、超音波ブレード200と組織切断ブレード200との間に取り付けられてもよい。超音波ホーン424は、上記の方法により、超音波ブレード200の近位端に連結されてもよい。別の実施形態において、超音波ブレード200は、超音波ホーン424と一体的に形成され得る。
【0031】
この実施形態は、従来的なステッピングモータ440を含み得る。モータ440は、これと関連するエンコーダを有してもよく、これは上記のように、制御モジュール24と通信する。モータ440は、共通シース76を通じて延びるモータケーブル74を含む、導体441、442を通じて、モータドライブ26から電力を受信し得る。モータ440は、これに取り付けられ、スリップリングアセンブリ450を通じて延びる、中空のモータシャフト444を有する。中空のモータ駆動シャフト444は、近位ベアリング446によってハウジング402内に回転可能に支持され得る。
【0032】
スリップリングアセンブリ450は、ハウジング402内に固定され(すなわち、回転不可能)、上記の発生器ケーブル14を形成する導体453、454に連結される固定された外部接触子452を含む。内部接触子456は、回転可能な中空駆動シャフト444上に取り付けられてもよく、よってこれは外部接触子452と電気接触又は通信する。導体453、454は、内部接触子456に取り付けられ、中空モータシャフト444を通じて延び、超音波変換器アセンブリ414に連結される。様々な実施形態において、アセンブリの容易性を促進し、またモータ440を超音波変換器アセンブリ414から音響的に分離するために、中空モータシャフト444は、同時係属中の米国特許出願番号第______号、表題「ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH ROTATING CUTTING IMPLEMENT」代理人整理番号第END6688USNP/090341号(この開示は、本明細書において参照としてその全体を組み込まれている)に開示される様々な連結アセンブリの1つによって、変換器430に取り外し可能に連結され得る。
【0033】
電力がモータ440に提供されるとき、駆動シャフト444が軸A−Aを中心に回転し、これによりまた、変換器ハウジング430が軸A−Aを中心に回転する。超音波変換器アセンブリ414及び組織切断ブレード220が変換器ハウジング430に取り付けられるため、これらも軸A−Aを中心に回転する。臨床医が超音波変換器アセンブリ414を駆動することを所望する場合、超音波発生器12から、スリップリングアセンブリ450内の固定接触子452に電力が供給される。内部接触子456と固定接触子452との間の回転摺動接触又は電気通信により、電力が超音波変換器アセンブリ414に伝達される。これらの信号は、導体460、462によって超音波変換アセンブリ414に伝達される。外科用器具400は、上記の種類の制御構成を含み、上記の様々なモードで使用され得る。器具400は、回転モード、超音波モード、又は回転及び超音波モード(「二重モード」)で使用され得ることが理解される。
【0034】
図10は、本発明の別の外科用器具500を例示する。外科用器具500は、超音波ホーン524を含む、超音波変換器アセンブリ514を収容し得る、ハウジング502を含む。超音波変換器アセンブリ514は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、4〜8個のPZT−8(Lead Zirconium Titanate)セラミック圧電素子515を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。この実施形態において、超音波変換器アセンブリ514は、遠位ベアリング536によってハウジング502内に回転可能に支持される、封止された変換器チャンバー526内に収容される。様々な実施形態において、封止された変換器チャンバー526は、例えば、鉄、希土類磁性材料などの磁性材料から作製され得る。上記の様々な種類及び構成の組織切断ブレード220は、一緒に回転するように、変換器チャンバー526に取り付けられてもよい。組織切断ブレード220はハウジング502に取り付けられた外部シース230を通じて同軸状に延びてもよい。外部シース230は、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、鉄、セラミック等から作製され得る。組織切断ブレード220は、ハウジング502のノーズピース部分503及び/又は外部シース230の間に取り付けられる、1つ以上のベアリング532によって回転可能に支持されてもよい。1つ以上の封止部250が、超音波ブレード200と組織切断ブレード220との間に取り付けられてもよい。超音波ホーン524は、上記の方法により超音波ブレード200の近位端に取り付けられてもよい。別の実施形態において、超音波ブレード200は、超音波ホーン524と一体的に形成され得る。
【0035】
この実施形態は、上記の種類及び構成のステッピングモータを含み得る、モータ540を含む。モータ540は、これと関連するエンコーダを有してもよく、これは上記のように、制御モジュール24と通信する。モータ540は、共通シース76(図1)を通じて延びるモータケーブル74を含む、導体541、542を通じて、モータドライブ26から電力を受信し得る。モータ540はそこに取り付けられたモータシャフト544を有し、これは、磁気ヨーク560に連結され、これは、変換器チャンバー526に磁気的に連結される。モータシャフト544は、近位ベアリング546によってハウジング502内に回転可能に支持され得る。
【0036】
可動接触子550は、封止変換器チャンバー526に固定され、導体552及び553によって変換器アセンブリ514に連結されてもよい。固定外部接触子554は、ハウジング502に取り付けられ、上記のように発生器ケーブル14を形成する導体555、556に連結されてもよい。電力がモータ540に提供されるとき、モータシャフト544が軸A−Aを中心に回転し、これによって変換器チャンバー526が軸A−Aを中心に回転する。超音波変換器アセンブリ514及び組織切断ブレード220が変換器チャンバー526に取り付けられるため、これらも軸A−Aを中心に回転する。臨床医が超音波変換器アセンブリ514を駆動することを所望する場合、超音波発生器12から、固定接触子554に電力が供給される。固定接触子554と可動接触子550との間の回転摺動接触又は電気通信により、電力が超音波変換器アセンブリ514に伝達される。これらの信号は、導体553、554によって超音波変換アセンブリ514に伝達される。外科用器具500は、上記の種類の制御構成を含み、上記の様々なモードで使用され得る。器具500は、回転モード、超音波モード、又は回転及び超音波モード(「二重モード」)で使用され得ることが理解される。
【0037】
図11及び図12は、本発明の別の外科用器具600を例示する。外科用器具600は、中空の変換器ハウジング620を支持し得るハウジング602を含む。中空変換器ハウジング620は、複数の(例えば、4〜8個)圧電セラミック素子622を支持してもよく、一緒に一体的に形成される超音波ホーン部分624を有し得る。一連の内部ねじ山625が、中空超音波ブレード630への取り付けのために、ホーン部分624の遠位端部に形成され得る。超音波ブレード630は、例えば、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、鋼鉄、セラミックなどから作製され得、超音波ホーン部分624上でねじ山625にねじで取り付けるために、ねじ付き近位端632を有する。図11に更に見られるように、変換器ハウジング620の近位端626は、ねじ付きブッシング640にねじで取り付けるために、上部にねじ山627を有し得る。ねじ付きブッシング640は、内部を通じて回転可能な組織切断又は「シェーバー」ブレード650を受け取るために、内部を通じて軸方向経路642を有し得る。様々な実施形態において、シェーバーブレード650は、例えば、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、鋼鉄、セラミックなどから作製されてもよく、ハウジング620内でノード「N」に位置するベアリング651によって、変換器ハウジング620内に回転可能に支持される。シェーバーブレード650の近位端652は、モータ660に取り付けられてもよい。シェーバーブレード650は、例えば、ねじ山(図示されない)又は他の好適な連結構成によって、モータ660の駆動シャフト662に取り付けられてもよい。変換器622は、導体628、629を通じて制御システム10内の超音波発生器12から電力を受け取ってもよい。モータ660は、導体664、665を通じて制御システム10内の様々な構成要素と通信し得る。
【0038】
様々な実施形態において、ブレード650は、ブレード650が軸A−Aを中心に回転する際に、組織を切断するように構成され得る遠位端654を有し得る。一実施形態において、例えば、遠位端654は上部に形成された一連の歯656を有する。図12を参照されたい。また様々な実施形態において、シェーバーブレード650は、内部を通じた軸方向吸引ルーメン657を有してもよい。少なくとも1つの排出口658が、シェーバーブレード650を通じて提供され、吸引ルーメン657が、組織を切断し、内部を通じて流体を、ハウジング602内に位置する吸引チャンバー670に排出することを可能にする。吸引チャンバー670は、ブッシング640に封止しながら取り付けられてもよく、ないしは別の方法でハウジング602内に支持され、それによってシェーバーブレード650がその内部を通じて延びる。ブッシング640は、音響システムの一部であり、吸引チャンバー670のブッシング640への取り付けは、これを同様に音響システムの一部にするため、吸引チャンバー670とブッシング640との間の接続が振動のノードに位置することが望ましい。図11に示される実施形態において、シャフト封止部672は、シェーバーブレード650上に適用され、シェーバーブレード650と吸引チャンバー670との間に実質的に流体密の封止部を形成してもよい。様々な実施形態において、シャフト封止部672は、例えば、シリコーンゴム、epdmゴム、Teflon(登録商標)、Ultem(登録商標)から作製され得る。吸引チャンバー670は、回収容器676及び吸引源678と連通する可撓性ホース674を通じて排出し得る。
【0039】
器具600は、ハウジング602から延びて超音波ブレード630の実質的な部分を被覆する、音響的に分離された中空シース680を更に有し得る。すなわち、様々な実施形態において、中空シース680は、内部にブレード開口部635を有する遠位端部634を除き、超音波ブレード630の全部を被覆し得る。図12を参照されたい。中空シース680は、超音波ブレード630の外部を音響的に分離するか、又は音響的に絶縁し得る、フルオロエチレンプロピレン(FEP)、シリコン、又は同様の材料から作製され得る。少なくとも1つの封止部636は、外部シース680と超音波ブレード630との間で利用され得る。同様に、超音波ブレード630は、少なくとも1つの封止部651によってシェーバーブレード650から分離され得る。様々な実施形態において、封止部636、651は、同時係属中米国特許出願番号第______号、表題「SEAL ARRANGEMENTS FOR ULTRASONICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END6690USNP/090343号(これは、本明細書において参照としてその全体を組み込まれた)に記載される種類の1つ以上の封止部を含み得る。図11及び図12に見られるように、変換器ブレード630の遠位端634は、実質的に鈍く、又は丸くてもよい。
【0040】
モータ660に電力が供給されるとき、駆動シャフト662が軸A−Aを中心に回転し、これによりまた、シェーバーブレード650が軸A−Aを中心に回転する。吸引源678の起動により、シェーバーブレード650の吸引ルーメン657に真空が適用され、組織を中空シース680の開口部635に引き込み、回転するシェーバーブレード650と接触させる。吸引源678は、制御システム10と連通し、これによって制御されてもよく、それによってシェーバーブレード650がモータ660によって回転される際に、ルーメン657にのみ吸引が適用される。
【0041】
外科用器具600は、2つの主要な動作モードを有し得る。1つのモードはシェーバーモードであり、ここでシェーバーブレード650は、吸引と共に回転して、開口部636に入る組織を切断する。もう一方のモードは超音波凝固モードである。超音波器具として、超音波ブレード630は、変換器622によって、線形超音波振動モードで駆動される。ユーザーは、超音波ブレード630の露出した遠位端634により、必要に応じて出血血管及び組織を凝固することができる。使用中、器具600は、シェーバーモードにより別個に、又は超音波モードにより別個に起動され得る。両方のモードはまた、一緒に起動されてもよく、吸引が適宜オン・オフされてもよい。器具600が超音波モードの一方で使用される際、超音波ブレード630の遠位端634が組織を凝固するために使用され、一方で装置の残部は、これが超音波的に駆動されていないために、標的部位の外部の組織と安全に接触し得る。
【0042】
図13〜17は、本発明の別の外科用器具700を例示する。外科用器具700はハウジング702を含んでもよく、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド(GE Ultem(登録商標))などのプラスチック、又はアルミニウム、チタン又は鋼鉄などの金属による、多数の断片で製造され得、これらはねじ、ボルト、スナップ機構などの締結具によって一緒に連結されるか、又は接着剤、溶接などによって一緒に維持されてもよい。図13及び15〜17に見られるように、ハウジング702は、吸引ポート705と連通する吸引チャンバー703を画定し得る。可撓性管又は他の好適な導管707は、吸引ポート705、加えて手術部位内に位置し得る、回収容器709に連結されてもよい。回収容器709は吸引源711に連結されてもよく、可撓性管707及び吸引ポート705を通じて吸引チャンバー703に吸引を適用してもよい。上記の種類及び構成のモータ710はまた、ハウジング702内に支持され得る。モータ710は、吸引チャンバー703内に延びる駆動シャフト712を有する。駆動シャフト712は、吸引チャンバー703の壁部のベアリング714によって支持され得る。封止部716はまた、駆動シャフト712と吸引チャンバー703の壁部との間に実質的な流体密封止を達成するように利用され得る。モータ710は、上記の方法により、導管717、718を通じて制御システム10の様々な構成要素と通信し得る。
【0043】
そこに取り付けられ、一緒に一体的に形成される、超音波ホーン部分722を有する超音波変換器アセンブリ720はまた、ハウジング702内に支持され得る。超音波変換器アセンブリ720は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、4〜8つのジルコン酸鉛チタン(PZT−8)セラミック圧電素子725を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。様々な実施形態において、例えば、一連の内部ねじ山(図示されない)は、超音波ブレード760への取り付けのために、ホーン部分722の遠位端部上に形成され得る。超音波ブレード760は、以下で更に詳細に記載されるように、ホーン部分722にねじで取り付けるために、ねじ付き近位端762を有し得る。外科用器具700は、例えば、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、チタン合金、鋼鉄、セラミックなどから作製され得る、中空組織切断又は「シェーバー」ブレード730を更に含み得る。シェーバーブレード730の遠位端732は、上部に形成された鋸歯734を有してもよく、他の実施形態においては鋸歯が省略されてもよい。いくつかの実施形態において、シェーバーブレード730の近位端736は、モータ710の駆動シャフト712への取り外し可能な取り付けのために作製され得る。一実施形態において、例えば、「1/4ツイスト」又は差し込み式連結具738が利用されて、シェーバーブレード730の近位端736を、駆動シャフト712に取り付けられた、対応する連結部713に連結してもよい。このような差し込み式連結構成は、既知であり、連結部738、713を係合させ、ブレード730を回転させ、一方で駆動シャフト712が静的に留まることによって、シェーバーブレード730の駆動シャフト712への連結を促進し得る。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の形態の連結構成がまた良好に利用され得る。シェーバーブレード730はさらに、その内部を通じて延びる吸引ルーメン740を有し得る。図13に例示されるように、少なくとも1つの吸引ホール742が、シェーバーブレード730の近位端736に提供されてもよく、近位端736が駆動シャフト712に連結される際に、内部を通じて伸びる吸引ルーメン740が、吸引チャンバー703内へと排出することを可能にする。
【0044】
様々な実施形態において、外科用器具700は、ハウジング702に固定して取り付けられ得る外部シースアセンブリ770を更に含み得る。一実施形態において、例えば、外部シースアセンブリ770の近位端772は、ハウジング702の遠位端701に取り付けられるように構成された、1/4回転、又は差し込み式連結構成を含み得る。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、外部シースアセンブリ770をハウジング702に取り外し可能に連結するために、他の既知の連結構成が利用され得る。図14に最も具体的に見られるように、外部シースアセンブリ770は、その内部を通じて延び、内部にシェーバーブレード730を回転可能に受容するような大きさの、シェーバーブレードルーメン774を有し得る。様々な実施形態はまた、シェーバーブレード730を内部に回転可能に支持するために、外部シースアセンブリ770の近位端772内で、ベアリング776を利用してもよい。外部シースアセンブリ770内にシェーバーブレード730を回転可能に支持するために、追加的なベアリング及び/または封止構成が利用され得る。外部シースアセンブリ770の遠位端778はまた、シェーバーブレード730の遠位端732を露出するために、内部に開口部780を有し得る。外部シースアセンブリ770の遠位端778はまた、シェーバーブレード730の遠位端732がその上で振動する、切断ボード表面782を形成し得る。外部シースアセンブリ770は、内部に超音波ブレード760を受容するための、超音波ブレードルーメン790を更に有し得る。超音波ブレードルーメン790は、シェーバーブレードルーメン774と実質的に平行であり得る。上記の係属中の特許(これらは本明細書において参照として組み込まれる)に記載される種類及び構成の1つ以上の封止部材(示されない)の1つ以上の封止部材、又は他のものが利用されて、超音波ブレードルーメン790内に超音波ブレード760を支持してもよく、一方でブレード760とルーメン790との間に実質的に流体密の封止を形成する。
【0045】
器具700のアセンブリは、図16及び図17に関連して説明される。図16に見られるように、例えば、超音波ブレード760の近位端762は、超音波ホーン722に取り付けられる。一実施形態において、超音波ブレード760の近位端762が、超音波ホーン722上にねじで止められる。他の実施形態において、しかしながら、超音波ブレード760は、超音波ホーン722と共に一体的に形成され得る。超音波ブレード760が超音波ホーン722に連結された後、シェーバーブレード730が内部に支持される、外部シースアセンブリ770が、超音波ブレード760の遠位端764がルーメン790内に組み込まれるようにして配置される。外部シースアセンブリ770はその後、超音波ブレード760の上を摺動し、外部シースアセンブリ770の近位端772を、ハウジング702の遠位端701と係合させる。外部シースアセンブリ770はその後、差し込み式連結構成を一緒に連結するために、既知の方法により操作され得る。他の実施形態において、外部シースアセンブリ770は、接着剤、溶接などにより、ハウジング702に恒久的に固定され得る。更に他の構成において、他のシースアセンブリ770は、ねじ、ボルトなどの取り外し可能な締結具によって、ハウジング702に取り付けられてもよい。
【0046】
使用中、制御システム10構成要素が利用されてモータ710を制御してもよく、それによって駆動シャフト712が軸A−Aを中心に前後に振動し、これによりまた、シェーバーブレード730が軸A−Aを中心に回転する。吸引源711の起動により、シェーバーブレード730の吸引ルーメン740に吸引が適用されて、組織をシェーバーブレード730の振動遠位端732と接触させ得る。切断された断片は、吸引ルーメン740を通じて引かれ、最終的に回収容器709内に収集されてもよい。止血が所望される場合、外科医は超音波変換器アセンブリ720を起動して、超音波ブレード760を超音波により駆動してもよい。外部シースアセンブリ770(図13)の外部シースから突出する超音波ブレード760の遠位端764は、その後出血組織に対して圧迫されて、出血を停止するために、超音波エネルギーを使用する。
【0047】
図18及び図19は、本発明の別の外科用器具800を例示する。外科用器具800は、ハウジング802を含んでもよく、これは例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド(GE Ultem(登録商標))などのプラスチック、又はアルミニウム、チタン又は鋼鉄などの金属による、多数の断片で製造されてもよく、これらはねじ、ボルト、スナップ機構などの締結具によって一緒に連結されるか、又は接着剤、溶接などによって一緒に維持されてもよい。図18に見られるように、ハウジング802は、吸引ポート805と連通する吸引チャンバー803を画定し得る。可撓性管、又は他の好適な導管807は、吸引ポート805、加えて回収容器809に連結されてもよい。可撓性管807及び吸引ポート805を通じて、吸引チャンバー803に吸引を適用するために、回収容器809は吸引源811に連結されてもよい。上記の種類及び構成のモータ810はまた、ハウジング802内に支持され得る。モータ810は、吸引チャンバー803内に延びる、モータ駆動シャフト812を有する。モータ駆動シャフト812は、ベアリング814によって、吸引チャンバー803の壁部内に支持されてもよい。封止部816はまた、駆動シャフト812と、吸引チャンバー803の壁部との間に実質的に流体密の封止部を達成するために利用され得る。モータ810は、上記の様々な方法により、導管817、818を通じて制御システム10の様々な構成要素と連絡し得る。
【0048】
そこに取り付けられるか、又はこれと一体的に形成される超音波ホーン部分822を有する、超音波変換器アセンブリ820がまた、ハウジング802内に支持される。超音波変換器アセンブリ820は、少なくとも1つの、及び好ましくは積み重ねた、例えば、821〜8つのジルコン酸鉛チタン(PZT−8)セラミック圧電素子821を含み、動作ゼロ点が、積重ね体に沿った一定の点に位置する。様々な実施形態において、超音波ブレード860が、例えば、ねじ込み継手などの、ホーン部分822の端部に取り付けられてもよい。外科用器具800は更に、アルミニウム、チタン、アルミニウム合金、チタン合金、鋼鉄、セラミックなどから作製され得る、中空のシェーバーブレード830を含み得る。図19に示されるように、シェーバーブレード830の遠位端832は内部に開口部834を有してもよく、これは2つの鋭利な組織切断縁部835、837を形成する。シェーバーブレード830の近位端836は、駆動ギア838を有してもよく、これはモータ810の駆動シャフト812に取り付けられた駆動ギア818と噛合係合して保持される。シェーバーブレード830は、その内部を通じて延びる吸引ルーメン840を更に有し得る。図18に例示されるように、少なくとも1つの吸引ホール882が、シェーバーブレード830の近位端836に提供されてもよく、近位端836が駆動シャフト812に連結される際に、吸引チャンバー803に排出する。
【0049】
様々な実施形態において、外科用器具800は、ハウジング802に固定して取り付けられ得るシェーバーブレードシース870を更に含み得る。一実施形態において、シェーバーブレード870の近位端872は例えば、アルミニウム、チタン、鋼鉄、チタン合金又はアルミニウム合金などの金属材料から作製されてもよく、ハウジング802の遠位端801に取り付けられるように構成された、1/4回転又は差し込み式連結構成を含む。しかしながら、本発明の趣旨及び領域から逸脱することなく、シェーバーブレードシース870をハウジング802に取り外し可能に連結するために、他の既知の連結構成が利用され得る。図18に最も具体的に見られるように、シェーバーブレードシース870は、内部にシェーバーブレード830を回転可能に受容するような大きさの、その内部を通じて延びるシェーバーブレードルーメン874を有してもよい。様々な実施形態はまた、シェーバーブレードシース870内でシェーバーブレード830を回転可能に支持するために、シェーバーブレードシース870の近位端内のベアリング(図示されない)を利用してもよい。シェーバーブレードシース870内にシェーバーブレード830を回転可能に支持するために、追加的なベアリング及び/または封止構成が利用され得る。シェーバーブレードシース870の遠位端878は、シェーバーブレード830の遠位端832を露出するために、内部に開口部880を有する、実質的に鈍い閉じた端部であってもよい。
【0050】
またこの実施形態において、超音波ブレードシース890は、ハウジング802に取り付けられてもよい。様々な実施形態において、例えば、超音波ブレードシース890は、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリカーボネート、ナイロン又はセラミック材料などのポリマー材料から作製されてもよく、ねじ山、結合、圧力嵌め、クリンピングなどによって、ハウジング802に取り付けられてもよい。超音波ブレードシース890は更に、内部に超音波ブレード860を受容するために、その内部を通じて延びる、超音波ブレードルーメン892を更に有し得る。上記の係属中の特許(これらは参照として組み込まれる)に記載される種類及び構成の1つ以上の封止部材(示されない)に記載される種類及び構成の1つ以上の封止部材、又は他のものが利用されて、ルーメン892内に超音波ブレード860を支持しても−よく、一方でブレード860とルーメン892との間に実質的に流体密の封止を形成する。超音波ブレードシース890は更に、超音波ブレード860の遠位端864を露出するために、遠位端894の開口部896を有し得る。
【0051】
使用中、制御システム10構成要素が使用されて、モータ810を制御し、それによって駆動シャフト812が軸A−Aを中心に回転し、これによってまた、シェーバーブレード830が軸A−Aを中心に回転する。吸引源811の起動により、シェーバーブレード830の吸引ルーメン840に真空が適用され、組織をシェーバーブレードシース870の遠位端878の開口部880を通じて、シェーバーブレード830の開口部834に引き込む。切断された断片は、吸引ルーメン840を通じて引かれ、最終的に回収容器809内に収集されてもよい。止血が所望される場合、外科医は超音波変換器アセンブリ820を起動して、超音波ブレード860を超音波により駆動してもよい。外部シースアセンブリ(図19)の外部シースから突出する超音波ブレード890の遠位端864は、その後出血組織に対して圧迫されて、出血を停止するために、超音波エネルギーを使用する。
【0052】
本明細書に記載されている装置は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することができ、又は、これらは複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整されることができる。再調整は、装置の解体工程、これに続く洗浄工程、又は特定部品の交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は解体することができ、装置の任意の数の部品又は構成要素は、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の構成要素の洗浄及び/又は交換の際に、装置は、機能の再調整時に、又は外科手術直前に手術チームにより、その後の使用のために再組立することができる。当業者は、装置の再調整に、解体、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できることが理解するであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0053】
好ましくは本明細書に記載されている種々の実施形態は、手術の前に処理されている。まず、新しい又は使用済みの器具を得て、必要に応じて洗浄する。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの、閉鎖かつ密閉された容器に器具を置く。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線又は高エネルギー電子などの容器を貫通することができる放射線野の中に配置する。この放射線によって器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は、それが医療施設内で開封されるまで、器具を無菌に保つ。滅菌はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、及び/又は蒸気を含め、当業者に既知の任意の数の方法によって実施することができる。
【0054】
種々の実施形態では、超音波手術器具は、導波管及び/又はエンドエフェクタが既に手術器具のトランスデューサに動作可能に連結された状態で、外科医に供給されることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、外科医、又はその他の臨床医は、超音波手術器具を滅菌包装から取り出し、上記に概略されているように超音波器具を発生器に差し込んで、外科的処置中に超音波器具を使用することができる。このようなシステムは、外科医、又はその他の臨床医が、導波管及び/又はエンドエフェクタを超音波手術器具に組み付ける必要性を排除することができる。超音波手術器具の使用後、外科医、又はその他の臨床医は、超音波器具を密封可能な包装に入れることができ、この包装は殺菌施設に運ばれることができる。殺菌施設では、超音波器具を消毒することができ、あらゆる使用済みの部品を廃棄及び交換することができる一方で、再利用可能な部品を殺菌して、再度使用することが可能である。その後、超音波器具は、再組み立てされ、試験され、無菌包装に入れられ、及び/又は包装に入れられた後に殺菌されることができる。いったん殺菌されると、再処理された超音波手術器具を再度使用することができる。
【0055】
種々の実施形態が本明細書で記載されてきたが、これらの実施形態に多くの改変及び変形が実施され得る。例えば、異なるタイプのエンドエフェクタが採用され得る。また、特定のコンポーネントについて材料が開示されたが、他の材料が使用され得る。以上の説明及び以下の「特許請求の範囲」は、このような改変及び変形を全て有効範囲とするものである。
【0056】
本明細書にいて言及された、上記の米国特許及び米国特許出願、及び公開された米国特許出願の全てが、本明細書において参照としてその全体を組み込まれるが、組み込まれた要素が既存の定義、説明、又は本開示において説明された他の開示内容と抵触しない範囲においてのみである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込むと称されているが現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物、又はそれらの部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
モータと、
前記ハウジングに対する選択的な回転移動のために、前記モータに連結され、かつ支持される、切断ブレードと、
前記ハウジングによって支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器から突出し、前記切断ブレードのルーメンを通じて同軸状に延びて、その遠位端から突出する超音波ブレードと、を含む、超音波外科用器具。
(2) 前記ハウジングに連結され、内部に前記切断ブレードを回転可能に支持する、外部シースを更に含み、前記外部シースは、前記切断ブレードの遠位組織切断部分を露出するように、内部に開口部を有する閉じた遠位端を有し、前記超音波ブレードの前記遠位端が、前記外部シースの前記閉じた遠位端の別の開口部を通じて突出する、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(3) 前記外部シースの前記別の開口部を通じて突出する前記超音波ブレードの前記遠位端の少なくとも一部が丸い、実施態様2に記載の超音波外科用器具。
(4) 前記超音波ブレードが前記モータ内の中空の経路を通じて延びる、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(5) 前記少なくとも1つの超音波変換器が前記ハウジング内で可動に支持される、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(6) 前記ハウジングに対する前記少なくとも1つの超音波変換器の選択的な全体軸方向運動を促進するために、前記ハウジングに連結され、前記少なくとも1つの超音波変換器と相互作用する、作動部材を更に含む、実施態様5に記載の超音波外科用器具。
(7) 前記少なくとも1つの超音波変換器が、前記モータに連結された変換器ハウジング内に収容される、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(8) 前記超音波変換器ハウジングは、磁気連結構成によって、前記モータに取り付けられる、実施態様7に記載の超音波外科用器具。
(9) 前記切断ブレードは、上部に形成された複数の切断縁部を有する、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(10) 超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内で支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器に連結される実質的に中空の超音波ブレードと、
前記実質的に中空の超音波ブレードを通じて延び、前記実質的に中空の超音波ブレードの遠位端から外側に突出する組織切断遠位端を有する、切断ブレードと、
前記実質的に中空の超音波ブレード内で前記切断ブレードを回転させるために、前記切断ブレードに連結されたモータと、を含む、超音波外科用器具。
【0058】
(11) 前記切断ブレードは、吸引源と連通する吸引ルーメンを内部に有する、実施態様10に記載の超音波器具。
(12) 前記ハウジング内に吸引チャンバーを更に含み、前記吸引チャンバーは前記吸引源及び前記切断ブレード内の前記吸引ルーメンと連通する、実施態様10に記載の超音波器具。
(13) 前記ハウジングに連結された外部シースを更に含み、前記超音波ブレードがその内部を通じて延び、前記超音波ブレードの前記遠位端の少なくとも一部が前記外部シースから遠位方向に延びる、実施態様11に記載の超音波外科用器具。
(14) 前記外部シースが、音響分離材料によって前記超音波ブレードに接続される、実施態様13に記載の超音波外科用器具。
(15) 前記外部シースが、前記超音波ブレードと直接接触する、実施態様13に記載の超音波外科用器具。
(16) 超音波外科用器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されたモータと、
前記ハウジングに対する選択的な回転移動のために、前記モータに連結され、かつ支持される、切断ブレードと、
前記ハウジングによって支持される少なくとも1つの超音波変換器と、
前記少なくとも1つの超音波変換器から突出する超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは前記切断ブレードと実質的に平行である、超音波ブレードと、を含む、超音波外科用器具。
(17) 前記切断ブレードが、吸引源と連通する、内部を通じて延びる吸引ルーメンを有する、実施態様16に記載の超音波外科用器具。
(18) 前記切断ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた外部シースアセンブリ内の切断ブレードルーメン内に回転可能に支持され、前記超音波ブレードは前記外部シース内の超音波ブレードルーメンを通じて延びる、実施態様16に記載の超音波外科用器具。
(19) 前記切断ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた切断ブレード外部シース内の切断ブレードルーメン内に回転可能に支持され、前記超音波ブレードが、前記ハウジングに取り付けられた超音波外部シース内の超音波ブレードルーメンを通じて延びる、実施態様16に記載の超音波外科用器具。
(20) 前記切断ブレード外部シースが、第1材料から作製され、前記超音波外部シースが前記第1材料とは異なる第2材料から作製される、実施態様19に記載の超音波外科用器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19