(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記原稿読取手段で読み取られた用紙が個人情報の破棄用であり、個人情報の破棄用の前記用紙の署名欄の画像データについて前記個人情報保存手段に保存された前記鑑定用データと照合し、一致する個人情報を特定した場合、前記個人情報保存手段に保存された個人情報の前記文字データ及び前記鑑定用データを破棄する個人情報破棄手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態>
〔画像形成装置1の構成〕
画像形成装置1は、画像処理部10、鑑定文字認識部11、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部(給紙ローラー422、搬送ローラー44、排出ローラー45)、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、記憶部19、及び画像形成部17(画像形成手段)等が制御部18に接続されている。各部は、制御部18によって動作制御される。
【0011】
画像処理部10は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御演算手段である。画像処理部10は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理、濃度調整、階調調整、画像改善処理等の各種画像処理を行う。画像処理部10は、原稿読取部12で読み取られた画像を、PDFやTIFF等のフォーマットのファイル単位に変換した上で、記憶部19に画像データ500として記憶する。
【0012】
鑑定文字認識部11は、OCR(Optical Character Reader)、光学文字認識や図形認識や色認識を行うためのDSP等の制御演算手段である。
鑑定文字認識部11は、原稿読取部12で読み取られ画像処理部10で画像処理された画像データ500(
図2)から線分や特徴量情報等を抽出して、手書き又は印刷された文字や図形等を認識する。
また、鑑定文字認識部11は、一次元、二次元バーコード、色パターン、幾何学パターン、透かしデータ等の画像に埋め込まれた各種データを認識可能である。これにより、鑑定文字認識部11は、画像データ500に埋め込まれた各種データ等から、例えば、個人情報の登録用、承認用、個人情報の破棄用といった用紙の種類を認識することが可能である。なお、鑑定文字認識部11は、光学文字認識により用紙の種類を認識してもよい。
また、鑑定文字認識部11は、枠や表等を認識可能であり、個人情報の登録欄、捺印欄を含む署名欄等についても認識可能である。
また、鑑定文字認識部11は、認識した文字や図形等に対して、所定の特徴量抽出演算を行い、線分の傾きやつながり等の筆跡の特徴量を算出する。この筆跡の特徴量は、個人情報を特定するための鑑定に用いることが可能である。
また、鑑定文字認識部11は、印鑑の画像について、印影の特徴量を算出することも可能である。
なお、鑑定文字認識部11は、記憶部19に記憶された用紙情報(図示せず)に従って各欄として設定された座標毎に手書き文字、印刷文字、各種データ等を認識することも可能である。
【0013】
原稿読取部12は、セットされた用紙等の原稿を読み取る(スキャン)手段である。
原稿給送部13は、原稿読取部12で読み取られる原稿を搬送する手段である。
画像形成部17は、ユーザーの出力指示により、サーバー3から取得されたり、記憶部19に記憶されていたり、原稿読取部12で読み取られたりしたデータから記録紙への画像形成を行わせる手段である。
搬送部は、給紙カセット421(
図3)から記録紙を搬送し、画像形成部17で画像形成させ、その後にスタックトレイ50へ搬送する。
なお、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部、画像形成部17の動作については後述する。
【0014】
ネットワーク送受信部15は、ネットワーク5に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続手段である。ネットワーク5は、有線、無線のインターネットやイントラネットや携帯網等である。
ネットワーク送受信部15は、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
また、画像形成装置1は、ネットワーク送受信部15からネットワーク5を介して、サーバー3と接続されている。
サーバー3は、一般的なPC/AT互換機等のサーバーであり、CPU等の制御手段と、HDDやSSDやROMやRAM等の記憶手段と、ネットワーク接続手段とを備えている。
【0015】
操作パネル部16は、LCD等の表示部と、テンキー、スタート、キャンセル、複写やFAX送信やスキャナー等の動作モードの切り換えのボタン、選択された文書の印刷や送信や保存や記録等に関するジョブの実行に係る指示を行うためのボタンやタッチパネル等の入力部とを備えている。
操作パネル部16は、ユーザーによる画像形成装置1の各種ジョブの指示を取得する。また、操作パネル部16から取得したユーザーの指示により、各ユーザーの情報を入力、変更することも可能である。
【0016】
制御部18は、GPP(General Purpose Processor)、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等の情報処理手段である。
制御部18は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する機能ブロックの各手段として動作させられる。また、制御部18は、サーバー3や操作パネル部16から入力された所定の指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。
【0017】
記憶部19は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体を用いた記憶手段である。
記憶部19のROMやHDDには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。
また、記憶部19には、原稿読取部12によってスキャンされ画像処理部10で画像処理された画像データ500を格納する領域である画像データ記憶部100(
図2)、個人情報を保存する領域である個人情報保存部120が含まれている。
また、記憶部19は、ユーザーの端末(図示せず)から送信された印刷文書のデータ、記録媒体から読み出された各種ファイル、サムネイル画像のデータ等も記憶している。
【0018】
なお、画像形成装置1において、制御部18及び画像処理部10は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、鑑定文字認識部11は、制御部18又は画像処理部10が記憶部19に記憶された制御プログラムを実行することで実現されてもよい。
また、制御部18及び画像処理部10は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
また、画像形成装置1は、ファクシミリの送受信を行うFAX送受信部を備えていてもよい。
【0019】
〔画像形成装置1及びサーバー3の構成〕
ここで、
図2を参照して、本実施形態の画像形成装置1及びサーバー3の機能構成について説明する。画像形成装置1及びサーバー3は、画像形成システムを構成する。
画像形成装置1は、原稿読取部12(原稿読取手段)、画像形成部17(画像形成手段)、画像データ記憶部100、個人情報認識部110(個人情報認識手段)、個人情報保存部120、承認用用紙個人情報特定部130(承認用用紙個人情報特定手段)、及び個人情報破棄部140(個人情報破棄手段)を備えている。
サーバー3は、本登録個人情報取得部300(本登録個人情報取得手段)、本登録個人情報保存部310、及び本登録個人情報確認部320(本登録個人情報確認手段)を備えている。
【0020】
画像データ記憶部100は、記憶部19に設定された記憶領域等である。画像データ記憶部100は、原稿読取部12にて読み取られた画像データ500を保存する。
【0021】
個人情報認識部110は、原稿読取部12により読み取られた用紙の画像データ500が個人情報の登録用の用紙と鑑定文字認識部11で認識された場合、画像データ500の個人情報の登録欄に対応する箇所から手書き文字や印影等を鑑定文字認識部11に認識させる。そして、個人情報認識部110は、鑑定文字認識部11に、個人情報の文字データ510及び個人情報を特定するための鑑定用データ520を作成させる。
【0022】
個人情報保存部120は、記憶部19に設定されたデータベースである。個人情報保存部120は、個人情報認識部110により認識された個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520を保存する。
【0023】
承認用用紙個人情報特定部130は、原稿読取部12により読み取られた用紙の画像データ500が承認用の用紙と鑑定文字認識部11で認識された場合、画像データ500の署名欄に対応する箇所から鑑定文字認識部11で特徴量等を算出させ、個人情報保存部120に保存された鑑定用データ520と照合し、一致する個人情報を特定する。
【0024】
個人情報破棄部140は、原稿読取部12により読み取られた用紙の画像データ500が個人情報の破棄用の用紙と鑑定文字認識部11で認識された場合、画像データ500の署名欄に対応する箇所から鑑定文字認識部11で特徴量等を算出させ、個人情報保存部120に保存された鑑定用データ520と照合する。個人情報破棄部140は、一致する個人情報が特定され場合、個人情報保存部120に保存された個人情報の文字データ510及び前記鑑定用データ520を破棄する。
また、個人情報破棄部140は、個人情報保存部120に個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520が保存されてから所定の保持期間が経過した場合にも、当該文字データ510及び鑑定用データ520を破棄する。申し込みや商談等が成立しなかった場合は、個人情報は不要になるので、個人情報保存部120に保存されている個人情報を破棄する必要がある。このため、個人情報破棄部140は、署名された承認用の用紙が読み取られなかった場合に、所定の保持期間の経過後に自動的に破棄する。この所定の保持期間は、商談などが複数日に渡った場合、情報を保持する必要があるので、個々の個人情報に設定可能である。
【0025】
本登録個人情報取得部300は、画像形成装置1から承認用の用紙の画像データ500と、承認用用紙個人情報特定部130によりこの画像データ500から特定された個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とを取得する。
【0026】
本登録個人情報保存部310は、本登録用のデータベース等である。本登録個人情報保存部310は、承認用の用紙の画像データ500と、個人情報の文字データ510及び前記鑑定用データ520とを保存する。この際、これらのデータにタイムスタンプや電子証明等が付加されていてもよい。
【0027】
本登録個人情報確認部320は、画像形成装置1の個人情報認識部110及び承認用用紙個人情報特定部130から個人情報が保存されているか否かの問い合わせを取得する。この上で、本登録個人情報確認部320は、本登録個人情報保存部310に取得した個人情報に対応する文字データ510及び鑑定用データ520が保存されている場合、つまり個人情報が特定された場合に、その旨を通知する。
また、本登録個人情報確認部320は、保存された文字データ510及び鑑定用データ520を画像形成装置1へ送信することも可能である。
【0028】
(画像形成装置1及びサーバー3のデータの構成)
画像データ500は、原稿読取部12で読み取られ画像処理部10で画像処理された画像データである。画像データ500は、RGBカラーやモノクロやグレースケールのビットマップ画像のファイルや、ランレングスやLZW等で軽度に圧縮されたファイル等である。画像データ500は、画像処理部10や制御部18で既にPDFやTIFF等の形式に変換されたデータであってもよい。
また、ユーザーが持ち込んだ記録媒体に記憶された、予めスキャンされたファイル等が画像データ500であってもよい。
【0029】
文字データ510は、個人情報認識部110により鑑定文字認識部11で認識された文字データである。文字データ510は、個人登録用の用紙の画像データ500の手書きの記載欄の箇所から鑑定文字認識部11で光学文字認識された、例えば、郵便番号、住所、電話番号、携帯電話番号、メールアドレス、名前等の個人情報のデータを含んでいる。
また、文字データ510は、個人登録用の用紙に記載された個人情報を破棄するまでの所定の保持期間といったデータを含んでいる。
文字データ510は、画像形成装置1の操作パネル部16やサーバー3にて、用紙を記載したユーザーや管理者等が確認後に変更することも可能である。
【0030】
鑑定用データ520は、個人情報認識部110により鑑定文字認識部11で認識された個人情報を特定するための筆跡や印影等の特徴量のデータである。鑑定用データ520は筆跡や印影の種別のデータを含んでいてもよい。
また、鑑定用データ520は、筆跡や印影のデータの他にも、個人情報の特定に用いるためのサインやパスワードやバーコード等のデータを含んでいてもよい。
鑑定用データ520は、個人情報を特定し、ユーザーを認証するために使用される。これにより、他人の成りすまし等が防止可能となる。
【0031】
ここで、画像形成装置1の制御部18、画像処理部10、鑑定文字認識部11は、記憶部19に記憶された制御プログラムを実行することで、個人情報認識部110、承認用用紙個人情報特定部130、個人情報破棄部140として機能する。
また、画像形成装置1の記憶部19は、画像データ記憶部100の領域を保持する画像データ記憶手段として機能する。また、記憶部19は、個人情報保存部120に文字データ510及び鑑定用データ520を保存する個人情報保存手段として機能する。
また、サーバー3の制御部は、記憶手段に記憶された制御プログラムを、制御手段が実行することで、本登録個人情報取得部300及び本登録個人情報確認部320として機能する。
また、サーバー3の記憶部は、本登録個人情報保存部310に文字データ510及び鑑定用データ520を保存する本登録個人情報保存手段として機能する。
また、上述の画像形成装置1及びサーバー3の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
【0032】
〔画像形成装置1の動作〕
次に、
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
原稿読取部12は、本体部14の上部に配設され、原稿給送部13は、原稿読取部12の上部に配設されている。スタックトレイ50は、本体部14の形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部16は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
【0033】
原稿読取部12は、スキャナー12aと、プラテンガラス12bと、原稿読取スリット12cとを備えている。スキャナー12aは、露光ランプ、及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像センサー等から構成され、原稿給送部13による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。
プラテンガラス12bは、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット12cは、原稿給送部13による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0034】
プラテンガラス12bに載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー12aは、プラテンガラス12bに対向する位置に移動され、プラテンガラス12bに載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得して、取得した画像データを本体部14に出力する。
また、原稿給送部13により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー12aは、原稿読取スリット12cと対向する位置に移動され、原稿読取スリット12cを介し、原稿給送部13による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部14に出力する。
【0035】
原稿給送部13は、原稿載置部13aと、原稿排出部13bと、原稿搬送機構13cとを備えている。原稿載置部13aに載置された原稿は、原稿搬送機構13cによって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット12cに対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部13bに排出される。
なお、原稿給送部13は、可倒式に構成され、原稿給送部13を上方に持ち上げることで、プラテンガラス12bの上面を開放させることができる。
【0036】
本体部14は、画像形成部17を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー44と、排出ローラー45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる記録紙を収納する複数の給紙カセット421と、給紙カセット421から記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー422とを備えている。給紙ローラー422、搬送ローラー44、及び排出ローラー45は、搬送部として機能する。記録紙は、この搬送部により搬送される。
給紙ローラー422によって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって画像形成部17に搬送される。そして、画像形成部17によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってスタックトレイ50に排出される。
【0037】
画像形成部17は、感光体ドラム17aと、露光部17bと、現像部17cと、転写部17dと、定着部17eとを備えている。露光部17bは、レーザー装置やミラーやレンズやLEDアレイ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいて光等を出力して感光体ドラム17aを露光し、感光体ドラム17aの表面に静電潜像を形成する。現像部17cは、トナーを用いて感光体ドラム17aに形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム17a上に形成させる。転写部17dは、現像部17cによって感光体ドラム17a上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部17eは、転写部17dによってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0038】
〔画像形成装置1による個人情報登録処理〕
ここで、
図4、
図5を参照して、本発明の画像形成装置1の実施の形態に係る個人情報登録処理の説明を行う。
従来から、ユーザーが旅行や携帯電話等の申し込み、車や家等の契約書を必要とするような商談等を行う際には、個人情報を手書で記載してもらう必要がある。画像形成装置1はユーザーが手書きした個人情報から文字データ510及び筆跡や印影等の鑑定用データ520を認識して、一旦、個人情報保存部120に保存する(以下、この状態を「仮登録」という。)。この際、画像形成装置1は、既にサーバー3上及び画像形成装置1に個人情報が登録されている場合には、その旨の通知を行う。
この処理は、主に制御部18が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働してハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図4のフローチャートを参照し個人情報登録処理の概要をステップ毎に説明する。
【0039】
(ステップS101)
まず、制御部18は、原稿読取部12により、仮登録文書画像取得処理を行う。
図5を参照すると、まず、ユーザーは手書きで個人情報を記載した「個人情報仮登録カード」の用紙例700のような原稿を、原稿給送部13にセットし、個人情報の仮登録を行うよう操作パネル部16から指示する。
【0040】
図5の例では、記載欄600には、ユーザーが手書きで個人情報を記載する。この個人情報のうち、少なくとも一部は、既に印刷されたデータであってもよい。
また、名前の記載欄610は、ユーザーが名前を手書きしたり印鑑を捺印等する。なお署名欄と捺印欄を別々に設けてもよい。
また、保持用期間620には、このユーザーの個人情報が保持される所定の保持期間が記載されている。
図5の例では所定の保持期間として「4ヶ月間」が指定されている。なお、この欄についても、ユーザーが手書きで指定するような構成でもよい。
また、バーコード630は、この用紙例700の種類を予め印刷して示している。この種類についても、ユーザーがチェックボックス等にて指定することも可能である。
これらの記載されたり印刷されたりしているデータは、下記で示すように鑑定文字認識部11で光学認識される。
【0041】
制御部18は、ユーザーの指示を取得し、セットされた原稿を原稿読取部12で読み取らせる。
読み取られた原稿の画像データは、画像処理部10が画像処理を行い、画像データ500として画像データ記憶部100に保存する。
【0042】
なお、制御部18は、接続された記録媒体や記憶部19のユーザーの保存フォルダ(図示せず)等に既に存在する画像データ500を取得し、画像データ記憶部100に保存してもよい。また、制御部18は、サーバー3や他の端末の保存フォルダ(図示せず)から既に存在するファイルを画像データ500として取得し、画像データ記憶部100に記憶してもよい。
また、制御部18は、他の画像形成装置1や他のサーバー(図示せず)からネットワークを介して画像データ500を取得し、又はファクシミリ受信した原稿等を画像データ500として取得してもよい。
また、
図5では、用紙例700として、個人情報を最初に登録するための、専用の「個人情報仮登録カード」を用いる例を示したが、これに限られない。たとえば、承認用の書類であっても間違いや追加が必要で修正する必要があり、その書類にも個人情報が記載されている場合、これを仮登録用に用いることも可能である。この際には、例えば、用紙の種類としてチェック欄等を設けたり「仮登録用」等と所定の記載欄に記載して、画像形成装置1で用紙の種類が認識されるようにしてもよい。また、見積書や最初の申し込み用紙等の書類をそのまま仮登録に用いてもよい。また、別案件の申し込みをする際や商談等を進める際に、以前の個人情報が記載された書類を仮登録用として用いるような構成も可能である。
【0043】
(ステップS102)
次に、制御部18は、個人情報認識部110により、個人情報認識処理を行う。
制御部18は、画像データ記憶部100内に記憶された画像データ500について、鑑定文字認識部11で光学認識を行わせ、個人情報の文字化と筆跡や印影の鑑定等に必要なデータを取得する。制御部18は、鑑定文字認識部11に、枠や表等から、記載欄を特定させる。そして、制御部18は、鑑定文字認識部11に、ユーザーの手書きの箇所から文字データ510と鑑定用データ520を認識させる。
制御部18は、認識された個人情報である文字データ510と鑑定用データ520を、一旦、個人情報保存部120に保存する。
なお、制御部18は、文書の種類を鑑定文字認識部11で認識させてから、記憶部19に記憶された仮登録用の用紙のフォーマットを読みだし、画像データ500の記載欄等の特定の位置のみ光学認識させてもよい。
【0044】
(ステップS103)
次に、制御部18は、個人情報認識部110により、サーバー個人情報照合処理を行う。
制御部18は、サーバー3の本登録個人情報確認部320に、認識された文字データ510及び鑑定用データ520を照合元データとして送信し、既にサーバー3上にこの個人情報が登録されているか否か照合させる。
サーバー3の本登録個人情報確認部320は、受信したユーザーの鑑定用データ520を照合元とし、本登録個人情報保存部310に保存されている鑑定用データ520から、一致するものがあるか否かを照合する。この照合は、例えば、特徴量の相同性や統計的な値を算出し、所定範囲以内のものを一致すると判断可能である。本登録個人情報確認部320は、一致するものがあった場合、この個人情報を特定する。
サーバー3の本登録個人情報確認部320は、照合結果を画像形成装置1に送信する。この際、本登録個人情報確認部320は、照合により一致した鑑定用データ520に対応する文字データ510が異なっていた場合、その旨も通知する。
【0045】
(ステップS104)
次に、制御部18は、個人情報認識部110により、既にサーバー3の本登録個人情報保存部310に、ユーザーの個人情報が登録されていたか否かを判定する。
制御部18は、既にサーバー3の本登録個人情報保存部310に個人情報が保存されていた場合に、Yesと判定する。制御部18は、それ以外の場合にはNoと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS106に進める。
【0046】
(ステップS105)
既にサーバー3に個人情報が保存されていた場合、制御部18は、個人情報認識部110により、本登録あり通知処理を行う。
制御部18は、操作パネル部16に「既に、サーバー3上に個人情報が登録されています」等と表示し、ユーザーに通知する。
その後、制御部18は、個人情報登録処理を終了する。
【0047】
(ステップS106)
サーバー3に個人情報が保存されていなかった場合、制御部18は、個人情報認識部110により、画像形成装置個人情報照合処理を行う。
制御部18は、認識された鑑定用データ520を照合元データとして、個人情報保存部120に保存されている鑑定用データ520と照合し、一致する個人情報を特定する。この照合は、ステップS103のサーバー3上の照合と同様に行うことが可能である。
【0048】
(ステップS107)
次に、制御部18は、個人情報認識部110により、個人情報保存部120に、既にユーザーの個人情報が登録されているか否かを判定する。制御部18は、個人情報保存部120に、一致する鑑定用データ520があった場合にはYesと判定する。制御部18はそれ以外の場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS109に進める。
【0049】
(ステップS108)
既にユーザーの個人情報が個人情報保存部120に仮登録されていた場合、制御部18は個人情報認識部110により、仮登録あり通知処理を行う。
制御部18は、操作パネル部16に「既に、このプリンタに個人情報が仮登録されています」等と表示し、ユーザーに通知する。
その後、制御部18は、個人情報登録処理を終了する。
【0050】
(ステップS109)
個人情報保存部120にもサーバー3にも個人情報が登録されていない場合、制御部18は、個人情報認識部110により、画像形成装置個人情報保存処理を行う。
ここでは、まだユーザーの個人情報が仮登録されていないので、画像形成装置1内部のデータベースである個人情報保存部120に、認識された文字データ510と鑑定用データ520とを保存し、仮登録を行う。
この時点では、個人情報は画像形成装置1の個人情報保存部120に仮登録されているだけであり、外部にあるサーバー3には送信等されておらず本登録個人情報保存部310にも登録が行われていない。このため、サーバー3上で、他人が個人情報を閲覧や使用することができないので、個人情報の漏洩を防ぐことが可能となる。
以上により、本発明の実施の形態に係る個人情報登録処理を終了する。
【0051】
なお、制御部18は、サーバー3又は画像形成装置1に、既に個人情報が登録されており、認識された文字データ510と保存されている文字データ510とが異なる場合、更新することも可能である。
この場合、更新するか否かを尋ねるダイアログ等を操作パネル部16に表示し、この指示を受け付けて、更新する場合にはサーバー3上の本登録個人情報保存部310又は画像形成装置1の個人情報保存部120に保存されている文字データ510を、認識された文字データ510で更新する。なお、この際に、鑑定用データ520も更新することが可能である。
【0052】
〔画像形成装置1による本登録及び破棄処理〕
次に、
図6〜
図8を参照して、本発明の画像形成装置1の実施の形態に係る本登録及び破棄処理の説明を行う。
本登録及び破棄処理では、仮登録が行われた後、最終的な申し込み書や契約書等の承認用の用紙についてユーザーが署名を行ってその用紙を読み取らせると、登録されている鑑定用データ520と照合し、個人情報を特定する。個人情報が特定できた場合、この承認用用紙に、その個人情報を画像形成し、サーバー3上に登録を行う。また、個人情報の破棄用の用紙が読み取られた場合は、各データベースから登録されている鑑定用データ520と照合し、特定された個人情報を破棄する。一致する個人情報が照合できなかった場合はエラー表示等を行う。
この処理は、主に制御部18が記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図6のフローチャートを参照し本登録及び破棄処理の概要をステップ毎に説明する。
【0053】
(ステップS200)
まず、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130又は個人情報破棄部140により、承認又は破棄用用紙画像取得処理を行う。
【0054】
図7(a)を参照すると、申し込みや商談等が終了して書類に問題がない状態になった場合、ユーザーは、承認用の用紙に署名を記載して、この用紙を原稿読取部12にて読み込ませる。
図7(a)では、用紙例701の署名欄611に、ユーザーが名前を手書きし印鑑を捺印等する。また、バーコード631は、この用紙例701の種類を予め印刷して示している。
また、
図8を参照すると、個人情報を破棄させたい場合、ユーザーは、この個人情報の破棄用の用紙に署名を記載して、この用紙を原稿読取部12にて読み込ませる。
図8では用紙例702の署名欄612に、ユーザーが名前を手書きし印鑑を捺印等する。バーコード632も、この用紙例702の種類を予め印刷して示している。
なお、この署名欄611、612にも、署名欄と捺印欄を別々に設けてもよい。また用紙の種類についても、ユーザーがチェックボックス等にて指定することも可能である。たとえば、承認用の用紙の所定の記載欄にチェックすることで、破棄用の用紙の代わりとすることも可能である。
制御部18は、読み取り等のその後の処理は、ステップS101の仮登録文書画像取得処理(
図4)と同様に行う。
【0055】
(ステップS201)
次に、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130又は個人情報破棄部140により、個人情報認識処理を行う。
制御部18は、この処理を、ステップS102(
図4)と同様に行う。
【0056】
(ステップS202)
次に、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、読み込まれたのが承認用の用紙か否かを判定する。制御部18は、画像データ記憶部100に記憶された画像データ500から認識された用紙の種類が承認用の用紙であり、署名がされていた場合には、Yesと判定する。それ以外の場合、制御部18は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS212に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS203に進める。
【0057】
(ステップS203)
読み込まれたのが承認用の用紙でなかった場合、制御部18は、個人情報破棄部140により、読み込まれたのが破棄用の用紙であるか否かを判定する。制御部18は、画像データ記憶部100に記憶された画像データ500から認識された用紙の種類が破棄用の用紙であり、署名がされていた場合には、Yesと判定する。それ以外の場合、制御部18は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS206に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS204に進める。
【0058】
(ステップS204)
読み込まれたのが承認用の用紙でも破棄用の用紙でもなかった場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、エラー報知処理を行う。
制御部18は、操作パネル部16の表示部等に、読み込みが失敗、署名がない、又は異なる用紙が読み込まれた等のエラーの表示を行う。この際、制御部18は、ユーザーが操作パネル部16のキャンセルキー等を押下したことを検知した場合には、読み取りを中止し、本登録及び破棄処理を終了する。
【0059】
(ステップS205)
読み込まれたのが承認用の用紙でも破棄用の用紙でもなかった場合に、制御部18は、個人情報破棄部140により、仮登録を保存しておく保持期間が経過したか否かを判定する。制御部18は所定の保持期間が経過した場合には、Yesと判定する。制御部18はそれ以外の場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS211に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS200に戻す。
【0060】
(ステップS206)
破棄用の用紙が読み込まれた場合、制御部18は、個人情報破棄部140により、本登録個人情報照合処理を行う。
この処理において、まず、制御部18は、ステップS103のサーバー個人情報照合処理(
図4)と同様に、サーバー3の本登録個人情報確認部320に、破棄用の用紙の筆跡等から認識された文字データ510及び鑑定用データ520を照合元データとして送信して、サーバー3上にこの個人情報が登録されているか否か照合させ、結果を取得する。
【0061】
(ステップS207)
次に、制御部18は、個人情報破棄部140により、本登録された個人情報と一致するか否かを判定する。制御部18は、サーバー3上に、照合元の鑑定用データ520と一致する個人情報が登録されている場合にはYesと判定する。制御部18は、それ以外の場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS208に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS209に進める。
【0062】
(ステップS208)
サーバー3上に、一致する個人情報が登録されていた場合、制御部18は、個人情報破棄部140により、本登録個人情報破棄処理を行う。
制御部18は、サーバー3の本登録個人情報確認部320に、一致すると特定された個人情報を破棄するよう指示する。これを受信した本登録個人情報確認部320は、本登録個人情報保存部310の照合された個人情報に対応した画像データ500、文字データ510、鑑定用データ520等を削除する。
このように、本登録されているデータについても個人情報の破棄を行うことができ、セキュリティーを向上させることが可能である。
その後、制御部18は、本登録及び破棄処理を終了する。
【0063】
(ステップS209)
また、制御部18は、個人情報破棄部140により、画像形成装置個人情報照合処理を行う。
制御部18は、この処理を、ステップS106(
図4)と同様に行う。
【0064】
(ステップS210)
次に、制御部18は、個人情報破棄部140により、個人情報保存部120に保存されている個人情報と一致したか否かを判定する。制御部18は、個人情報保存部120に、一致する鑑定用データ520があった場合にはYesと判定する。制御部18はそれ以外の場合は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部18は、処理をステップS211に進める。
Noの場合、制御部18は、処理をステップS219に進める。
【0065】
(ステップS211)
一致する鑑定用データ520が個人情報保存部120にあった場合、又は所定の保持期間が経過した場合、制御部18は、個人情報破棄部140により、画像形成装置個人情報破棄処理を行う。
制御部18は、個人情報保存部120に保存されている、照合と一致し特定された個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520を削除する。つまり、制御部18は、仮登録されているこの個人情報を破棄する。
これにより、画像形成装置1内部のデータベースに仮登録されている個人情報が確実に破棄されるため、セキュリティーが向上する。
その後、制御部18は、本登録及び破棄処理を終了する。
【0066】
(ステップS212)
ここで、承認用の用紙であった場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、本登録個人情報照合処理を行う。
この処理は、ステップS206と同様に行う。
【0067】
(ステップS213)
承認用の署名がされた用紙を認識した場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、本登録された本登録個人情報保存部310に保存された個人情報と一致したか否かを判定する。
Yes、すなわち一致した場合、制御部18は、処理をステップS214に進める。
No、すなわち一致しない場合、制御部18は、処理をステップS215に進める。
【0068】
(ステップS214)
本登録された個人情報と一致した場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、本登録承認用紙画像形成処理を行う。
制御部18は、サーバー3の本登録個人情報確認部320に、本登録個人情報保存部310に保存された、特定された個人情報の文字データ510を送信するよう指示する。
図7(b)を参照すると、制御部18は、この文字データ510を取得すると、承認用用紙を例えば手差しトレイ等にセットするよう操作パネル部16の表示部にて指示する。操作パネル部16のスタートキー等の押下を受け付けた場合、制御部18は、この文字データ510から必要な情報を承認用の用紙の所定位置に印刷する。
図7(b)の例では、制御部18は、印刷欄641に住所等の個人情報を印刷する。
その後、制御部18は、本登録及び破棄処理を終了する。
【0069】
(ステップS215)
本登録の個人情報と一致しなかった場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、画像形成装置個人情報照合処理を行う。
この処理も、ステップS209と同様に行う。
【0070】
(ステップS216)
次に、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、個人情報保存部120に保存されている個人情報と一致した鑑定用データ520があったか否かを判定する。
Yes、すなわち一致した場合、制御部18は、処理をステップS217に進める。
No、すなわち一致しない場合、制御部18は、処理をステップS219に進める。
【0071】
(ステップS217)
個人情報保存部120に保存されている個人情報と一致した場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、承認用紙画像形成処理を行う。
制御部18は、まず、一致して特定された個人情報の文字データ510を個人情報保存部120から取得する。制御部18は、ステップS214と同様に、ユーザーに指示し、操作パネル部16のスタートキー等の押下を受け付ける。制御部18は、この文字データ510から必要な情報を承認用の用紙の所定位置に画像形成する。この場合も、例えば、
図7(b)のように印刷欄641に個人情報を印刷する。
その後、制御部18は、本登録及び破棄処理を終了する。このように、制御部18は、仮登録のみ完了している個人情報の場合でも、鑑定用データ520と照合した後に印刷する。
【0072】
(ステップS218)
次に、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、個人情報サーバー本登録処理を行う。
制御部18は、承認用の用紙の画像データ500と、一致して特定された個人情報の個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とをサーバー3に送信する。
サーバー3の本登録個人情報取得部300は、この画像データ500と、個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とを取得し、本登録個人情報保存部310に保存する。つまり、仮登録の状態でユーザーが署名してスキャンすることで、申し込みや商談等の内容を承諾した上で、個人情報の本登録を行うことが可能になる。
サーバー3上での登録を確認した後、制御部18は、個人情報保存部120から、この文字データ510及び鑑定用データ520を破棄する。
その後、制御部18は、本登録及び破棄処理を終了する。
【0073】
(ステップS219)
サーバー3上にも個人情報保存部120にも一致する個人情報がなかった場合、制御部18は、承認用用紙個人情報特定部130により、登録なし通知処理を行う。
制御部18は、操作パネル部16等に、照合が一致しなかったので本登録、仮登録が行われていない等のエラー情報を操作パネル部16に通知し、まず仮登録を行うよう指示する。
以上により、本発明の実施の形態に係る本登録及び破棄処理を終了する。
【0074】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、手書き記載された欄を含む用紙を画像データとして読み取る原稿読取部12と、原稿読取部12により読み取られた用紙が個人情報の登録用であった場合、個人情報の登録用の用紙の個人情報の登録欄の画像データ500から、個人情報の文字データ510及び個人情報を特定するための鑑定用データ520を認識する個人情報認識部110と、個人情報認識部110により認識された個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520を保存する個人情報保存部120と、原稿読取部12で読み取られた用紙が承認用であった場合、承認用の用紙の署名欄の画像データ500について個人情報保存部120に保存された鑑定用データ520と照合し、一致する個人情報を特定する承認用用紙個人情報特定部130と、承認用用紙個人情報特定部130により個人情報が特定された場合、承認用の用紙の所定位置に、特定された個人情報の文字データ510を画像形成する画像形成部17とを備えることを特徴とする。
このように構成することで、一旦、個人情報の文字データ510を筆跡や印影等の鑑定用データ520を画像形成装置に登録し、署名された承認用の用紙を確認してから個人情報を印刷する。
また、申し込みや商談等を進める時は、個人情報の記載場所が空白の状態で内容の確認を行うことができる。このため、間違いや追加が必要になった際に書類を破棄する際に、この破棄する書類に個人情報が記載されない。
このため、個人情報の漏洩を抑えることが可能となり、セキュリティーを向上させることができる。
【0075】
また、従来技術1は、個人情報を画像形成装置登録しておくことができなかった。
このため、従来技術1では、旅行等の申し込みや車や家等の商談時において、個人情報が記載された申込書、見積書、契約書等の用紙に個人情報を記載する必要がある際には、いちいち記憶媒体から個人情報を読み取らせる必要があった。
これに対して、本実施形態の画像形成装置1は、個人情報の登録は一度でよいため、読み取りの際にハッキングやスキミング等により個人情報が漏洩する危険を減少させることができる。よって、セキュリティー・リスクを減少させることが可能である。また、個人情報の登録用の用紙をシュレッダー等で削除すれば、個人情報の管理の手間が省け、コストを削減可能である。
【0076】
また、従来技術1は、ICチップの貼り付けられた特殊な申込書の用紙の構成の場合はコストがかかるという問題があった。
これに対して、本実施形態の画像形成装置1は、特別な機器が必要ないためコストを低減できる。
また、従来技術1は、携帯電話等を用いる構成の場合、申し込みや契約の際、いつも持ち歩く必要があり、使い勝手が悪いという問題があった。
これに対して、本実施形態の画像形成装置1は、手書きの個人情報そのものから鑑定用データ520を取得するため、特別な認証用機器が必要なく、使い勝手がよくなり、コストを低減できる。
【0077】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、原稿読取部12で読み取られた用紙が個人情報の破棄用であり、個人情報の破棄用の用紙の署名欄の画像データ500について個人情報保存部120に保存された鑑定用データ520と照合し、一致する個人情報を特定した場合、個人情報保存部120に保存された個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520を破棄する個人情報破棄部140を備えることを特徴とする。
このように構成することで、署名された個人情報の破棄用の用紙をスキャンすると、仮登録された鑑定用データ520と照合し、一致すれば、個人情報は破棄される。これによりユーザーは確実に仮登録したデータが破棄されたことを確認でき、個人情報が漏洩したりダイレクトメール等に利用されたりするリスクを減少させることが可能となる。
また、個人情報破棄部140は、同様に、破棄する内容を記載した用紙をスキャンした場合、サーバー3上に本登録された鑑定用データ520と照合し、一致すれば、本登録個人情報保存部310に本登録されている個人情報も破棄することも可能である。
【0078】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、個人情報破棄部140が、個人情報保存部120に個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520が保存されてから所定の保持期間が経過した場合にも、当該文字データ510及び鑑定用データ520を破棄することを特徴とする。
このように構成することで、スキャンし忘れや、スキャンしたと偽られた時、データが残ってしまう場合でも、所定時間でデータが破棄される。これにより、確実に仮登録した個人情報を破棄する事ができる。
また、個人情報破棄部140は、所定の保持期間後に、サーバー3上に本登録されている個人情報を削除することも可能である。
【0079】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、鑑定用データ520は、筆跡データ又は印影データであることを特徴とする。
このように構成することで、署名や印影等が偽造された場合でも、画像形成装置1で指摘可能となり、セキュリティーを向上させることが可能となる。特に、署名や印影は法律的な効果があるため、偽造を容易に判断可能となることで、詐欺等の被害を抑えることが可能となる。
【0080】
また、本発明の実施の形態に係るサーバー3は、画像形成装置1から承認用の用紙の画像データ500と、個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とを取得する本登録個人情報取得部300と、承認用の用紙の画像データと、個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とを保存する本登録個人情報保存部310と、画像形成装置1の個人情報認識部110、個人情報保存部120、承認用用紙個人情報特定部130、及び個人情報破棄部140からの問い合わせに対して、本登録個人情報保存部310に個人情報の文字データ510及び鑑定用データ520とが保存されている場合に、画像形成装置1へ送信する本登録個人情報確認部320とを備えることを特徴とする。
これにより、画像データ500と鑑定用データ520と文字データ510とを合わせてタイムスタンプ等と合わせて記憶させておくことが可能となり、申し込み書や契約書等の偽造によるセキュリティー・リスクを低減可能となる。
【0081】
以上をまとめると、本発明の効果は、
・個人情報を読み取り、仮登録することができる。
・仮登録した個人情報を承認することで本登録することができる。
・仮登録後に不要になった個人情報を意図的に破棄することができる。
・仮登録後に不要になった個人情報を自動的に破棄することができる。
【0082】
なお、上述の実施の形態においては、破棄用の用紙を別途使用する例について示しているものの、これに限られない。すなわち、所定の維持期間後に本登録及び仮登録された個人情報を破棄するような構成も可能である。また、個人登録用の用紙や承認用の用紙を複数回スキャンすると当該個人情報が破棄されるような構成も可能である。
また、個人情報を特定する鑑定用データ520としては、筆跡や印影の鑑定を例として挙げているが、画像データ化して照合ができるものであればよい。たとえば、所定のサイクロイド図形の直径比等を、鑑定用データ520に用いてもよい。
【0083】
なお、本発明は、画像形成装置以外の情報処理装置にも適用できる。つまり、ネットワークスキャナ、スキャナーをUSB等で別途接続したサーバー等を用いる構成であってもよい。
【0084】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。