(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンテナは、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部から前記中間点までの前記アンテナの長さと、前記第2の端部から前記中間点までの長さとの間の相対差がしきい値未満である、請求項1から7のいずれか一項に記載の補聴器。
前記アンテナは、前記アンテナの第1の端部もしくは前記アンテナの第2の端部に励振点を有する、又は前記アンテナの前記第1の端部及び前記第2の端部のそれぞれに2つの励振点を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ・セクションは第1の長さを有し、前記第2のアンテナ・セクションは第2の長さを有し、前記第3のアンテナ・セクションは第3の長さを有し、前記第1の長さ、前記第2の長さ、及び前記第3の長さの合計が、前記アンテナの前記全長である、請求項10に記載の補聴器。
前記第1のアンテナ・セクションの前記第1の端部又は前記第2のアンテナ・セクションの前記第1の端部から、前記第3のアンテナ・セクションまでの距離が、1/4波長から半波長までの間である、請求項10又は11に記載の補聴器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述のような欠点の少なくともいくつかを解消することであり、さらなる目的は、補聴器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
補聴器アセンブリを有する補聴器は、補聴器アセンブリを収容するためのハウジングと、音を受信するとともにその受信音を対応する第1の音響信号へと変換するためのマイクロフォンと、第1の音響信号を補聴器のユーザの聴力損失を補償する第2の音響信号へと処理するための信号処理部とを備える。補聴器は、無線データ通信可能に構成された無線通信ユニットと、電磁場の放出又は受信を行うためのアンテナとを備える。アンテナは、無線通信ユニットに相互接続され、アンテナは、3/4波長から5/4波長までの間の全長を有し得る。アンテナの少なくとも一部は、補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在しており、アンテナは、アンテナの前記一部に中間点を有し得るか、又は、アンテナの中間点と前記一部との間の距離が、1/4波長未満であり得る。以下、バイノーラル式補聴器などの補聴器を主に参照として本発明を説明する。しかし、開示される特徴及び実施形態は、本発明の任意の態様と組み合わせて使用され得ることが予期される。
【0006】
本明細書において開示される補聴器の一つの利点は、障害に対するロバスト性がより高く、結果としてより良好な耳間接続を補聴器にもたらす、頭部周囲における無線通信が実現され得る点である。無線通信ユニットは、無線データ通信用に構成され、これに関連して、電磁場の放出及び受信のためにアンテナと相互接続される。無線通信ユニットは、送信機、受信機、送受信機などの送受信対、無線ユニット等を備え得る。無線通信ユニットは、ブルートゥース、WLAN規格、低出力無線通信プロトコルなどの専用プロトコルなどの特化型近接アンテナ・プロトコルなどの製造固有プロトコル等を含む、当業者に知られているような任意のプロトコルを使用して通信を行うように構成され得る。
【0007】
アンテナを流れる電流は、アンテナの長さ方向に沿って定常波を形成し得る。
この場合、アンテナは共振アンテナと称される。適切な作動のために、アンテナは、アンテナの長さが放出される電磁場の3/4波長から5/4波長までの間となる周波数、又はその付近の周波数において、作動され得る。したがって、アンテナは、電磁場の所望の波長の放出に適したアンテナの結合長さを実現するために、相互連結された複数のセクションを備えてもよい。
【0008】
3/4波長から5/4波長の全長を有し、補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在するアンテナの少なくとも部分又はその付近に中間点を有するアンテナは、電流が前記部分において又はその近傍において最大値を有するように、構成されてもよい。さらに、アンテナは、アンテナ要素の結合長さが、所望の電磁場の有効放出にとって望ましい長さを有するように、構成されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態においては、好ましくは、アンテナ中間点と前記部分との間の望ましい距離が、電磁放射の波長の1/4又は波長の1/4未満であってもよい。しかし、アンテナを流れる電流経路は、アンテナが、補聴器ハウジング内部に嵌ると同時に、アンテナの所望のセクションにおいて所望の電磁周波数にて最大値が達成されるように構成された複数のセクションの個々の異なる向きにより、複数の曲がり部を示すことが予期される。電流の最大振幅の厳密な位置は、アンテナ励振点における電流の大きさ及びアンテナの長さによって決まり得る。
【0010】
いくつかの実施形態においては、アンテナを通過する電流は、電磁場の放出時に補聴器の第1の側から第2の側まで延在するアンテナの部分において最大振幅を有する。アンテナの前記部分における最大振幅は、障害物となる頭部の迂回を支援する最適な送信を実現し得る。
【0011】
補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在するアンテナの部分は、例えばロッド形状セクションのように、直線状セクションであってもよく、ハウジングがユーザにより作動位置に装着された場合に、前記部分の長手方向が耳間軸に対して平行になるように、又は換言すれば、頭部もしくは前記部分の作動位置の近傍の任意の他の身体部分の表面に対して垂直もしくは実質的に垂直になるように、位置決めされてもよい。
【0012】
一つ又は複数の実施形態においては、補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在するアンテナの部分に又はその近傍において最大振幅を有することにより、アンテナは、以下でさらに説明されるように、放出される電磁場の有利な特徴によって両耳に又は両耳の近傍に配置されたデバイス同士の間の無線通信にとって適したものとなり得る。
【0013】
補聴器のハウジングは、使用時にユーザの耳裏に位置決めされるように構成された耳裏型ハウジングであってもよい。ハウジングの第1の側は、例えば補聴器の第1の長手方向側などであってもよく、ハウジングの第2の側は、例えば補聴器の第2の長手方向側などであってもよい。アンテナは、アンテナの長手方向がハウジングの長さ方向に沿って延在する状態で、ハウジング内に収容され得る。好ましくは、アンテナは、補聴器ハウジング内に収容されてもよく、好ましくは、それにより、ハウジングから外部に突出することなく補聴器ハウジング内部に位置決めされる。
【0014】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナは、ループを形成してもよい。アンテナは、ループを形成するように相互接続された複数のセクションを備えてもよい。ループアンテナは、2つのアンテナ端部間に空間を有する開ループを形成してもよい。
【0015】
アンテナは、第1の端部及び第2の端部を有してもよく、アンテナの全長は、第1の端部と第2の端部との間のアンテナの全長であってもよい。アンテナに沿った距離及び/又はアンテナの長さは、アンテナ構造体に沿って測定され得る。
【0016】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナの全長と波長との間の絶対的相対差が、しきい値未満であってもよい。アンテナが第1の端部及び第2の端部を有する場合に、第1の端部から中間点までのアンテナの長さと、第2の端部から中間点までの長さとの間の相対差は、しきい値未満であってもよい。したがって、例えば、第1の端部から中間点までにおいて測定されるアンテナの長さは、第2の端部から中間点までにおいて測定されるアンテナの長さと実質的に等しくてもよい。したがって、中間点は、正確に幾何学的な中心点であってもよく、又は、中間点は、±5%、±10%、±15%等の範囲内など、ある範囲内にある近似的中間点であってもよい。
【0017】
アンテナは、補聴器アセンブリの第1の側に沿って延在する第1のアンテナ・セクションを有してもよく、第1のアンテナ・セクションは、第1の端部及び第2の端部を有する。アンテナは、補聴器アセンブリの第2の側に沿って延在する第2のアンテナ・セクションを有してもよく、第2のアンテナ・セクションは、第1の端部及び第2の端部を有する。アンテナは、第3のアンテナ・セクションを有してもよく、第3のアンテナ・セクションは、第1のアンテナ・セクションの第2の端部と第2のアンテナ・セクションの第2の端部とに接続される。アンテナは、アンテナが第1のアンテナ・セクション及び/又は第2のアンテナ・セクションに又はその第1の端部付近に設けられるような、励振点を有してもよい。アンテナの第1のセクション及び/又は第2のセクションは、無線通信ユニットに接続され、第3のセクションが電磁場の所望の送信周波数にて振幅の大きい電流を伝達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、アンテナの中間点は、第3のセクションに位置してもよい。これにより、アンテナによって放出され、一方の耳のアンテナから頭部を周りユーザの対向側の耳か又はアクセサリなどの外部デバイスまで伝搬する、電磁場の出力の大部分が、アンテナの第3のセクションにより実現される。好ましくは、アンテナの電流は、第3のセクションにおいて最大電流振幅を有する。
【0018】
追加的又は代替的には、補聴器の第2の側は、第1の側の対向側であってもよい。
【0019】
一つ又は複数の実施形態においては、第1のアンテナ・セクションは、第1の長さを有し、第2のアンテナ・セクションは、第2の長さを有し、第3のアンテナ・セクションは、第3の長さを有する。この場合に、第1の長さ、第2の長さ、及び第3の長さの合計が、アンテナの全長となり得る。
【0020】
アンテナの第1のセクションは、例えばロッド形状セクションなど、第1の直線状セクションであってよく、ハウジングがユーザにより作動位置に装着された場合に、第1のセクションの長手方向が耳間軸に対して垂直になるように、換言すれば、頭部又は第1のセクションの作動位置の近傍の任意の他の身体部分の表面に対して平行又は実質的に平行になるように位置決めされる。アンテナの第2のセクションは、例えばロッド形状セクションなど、第2の直線状セクションであってよく、第1のセクションに対して平行に位置決めされる。
【0021】
一つ又は複数の実施形態において、第1のアンテナ・セクション又は第2のアンテナ・セクションの第1の端部から第3のアンテナ・セクションまでの距離は、1/4波長から半波長までの間であってもよい。
【0022】
好ましくは、アンテナの中間点は、第3のセクションに位置してもよい。第3のセクションは、補聴器アセンブリの第1の側の近傍から第2の側の近傍まで延在してもよい。第3のセクションは、例えばロッド形状セクションなど、直線状セクションであってよく、ハウジングがユーザにより作動位置に装着された場合に、第3のセクションの長手方向が耳間軸に対して平行になるように、換言すれば、頭部又は第3のセクションの作動位置の近傍の任意の他の身体部分の表面に対して垂直又は実質的に垂直になるように位置決めされる。
【0023】
第3のセクションが、ユーザの耳間軸に対して平行又は実質的に平行な方向に位置決めされ、電流が第3のセクションにおいて最大振幅を有するような構成であると、アンテナを、放出される電磁場の有利な特徴によって、両耳に又は両耳の近傍に配置されたデバイス間のユーザの頭部の周囲にける無線通信にとって適したものとすることができる。
【0024】
一般的には、アンテナの様々なセクションが、それぞれ異なる幾何学的特徴を有して形成されてもよく、これらのセクションは、アンテナの全長が波長の3/4〜波長の5/4の間であり、アンテナが補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在するアンテナの部分に中間点を有する(又は、アンテナ中間点と補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在する前記部分との間の距離が波長の1/4未満となる)ように、上述の相対的構成に従う限りにおいては、ワイヤ又はパッチであっても、屈曲状又は直線状であっても、長くても又は短くてもよい。これにより、頭部周囲を進む表面波が被る減衰が、低減され得る。
【0025】
一つの利点は、作動時に、アンテナの第3のセクションが、ユーザの頭部周囲を進む電磁場に寄与し、それにより、ロバスト性を有し損失の低い無線データ通信が実現される点である。
【0026】
頭部の側部に対して法線方向の又は任意の他の身体部分に対して法線方向の電流成分により、電磁場の表面波は、より効率的に励振され得る。これにより、例えば、耳間経路利得は、例えば10〜15dB、あるいは10〜30dBの幅で改善され得る。
【0027】
このアンテナの特性を考慮すると、アンテナは、平衡アンテナであってもよく、したがって、雑音に対するロバスト性がより高くなり得るアンテナであってもよい。
【0028】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナの一端部が、接地されてもよい。一端部は、接地面に接続されてもよい。接地面は、典型的には例えばプリント回路基板などの、補聴器内に設けられた任意の接地面であってもよい。接地面は、例えば、ゼロ電位又は相対接地電位などの接地電位などであってもよい
【0029】
アンテナ励振点が、アンテナの第1の端部及び/又は第2の端部に又はその付近に設けられてもよい。励振点が、無線通信ユニットならびに送受信機、受信機、及び送信機などの無線チップ等のソースに電気接続される。アンテナは、直接給電、間接給電、又は結合給電を使用して任意の従来的な手段を利用して励振されてもよく、例えば、伝送線などの給電線を使用して給電されてもよい。アンテナで誘導される電流は、アンテナの励振点の近接にて第1の局所最大値を有する。アンテナで誘導される電流は、アンテナ中間点の近傍に、好ましくは補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在する部分に、絶対的最大値を有してもよい。
【0030】
一実施形態においては、アンテナは、2つの励振点、すなわち、アンテナの第1の端部の第1の励振点と、アンテナの別の端部の第2の励振点とを備えてもよい。アンテナは、2つの励振点、すなわちアンテナの第1の端部の第1の励振点とアンテナの別の端部の第2の励振点とを備える、ダイポール・アンテナであってもよい。本開示と共にダイポール・アンテナを使用することにより、PCB及び他の金属構成部品からのアンテナ性能に対する影響は、より低く実現され得る。
【0031】
別の実施形態においては、第1のセクションの形状が、第2のセクションの形状と対称であってもよい。
【0032】
本明細書において開示される補聴器は、ISM周波数帯域で作動するように構成されてもよい。好ましくは、アンテナは、2.4GHzの周波数にてなど、1.5GHz〜3GHzの周波数にてなど、少なくとも1GHzの周波数にて作動するように構成される。
【0033】
添付の図面を参照として本発明の実施例を詳細に説明することにより、本発明の上述の及び他の特徴ならびに利点が、当業者にはより明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施例を図示した添付の図面を参照して、本発明をさらに十分に説明する。しかし、本発明は、種々の形態で具現化され得るものであり、本明細書に示す実施例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が十分かつ完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に示すために、提示される。
【0036】
本明細書において使用される場合に、「アンテナ」という用語は、電力を電波に変換する電気デバイスを指す。電気アンテナなどのアンテナは、例えば無線チップ、受信機、及び送信機などに接続された、導電性材料を含み得る。
【0037】
図1は、正面から見たユーザのファントム頭部モデルである。ヒトの身体近傍における無線通信用にアンテナを設計する場合に、ヒトの頭部は、頭部に付随する鼻、耳、口、及び目などの感覚器を含む丸み筐体により近似化され得る。かかる丸み筐体3が、
図1に示される。
図1においては、ファントム頭部モデルは、頭部に関する配向を規定するためにx軸、y軸、及びz軸を有する直交三次元座標系と共に、正面から示される。
【0038】
頭部の表面のすべての点が、法線ベクトル及び接線ベクトルを有する。法線ベクトルは、頭部の表面に対して直角であり、接線ベクトルは、頭部の表面に対して平行である。頭部の表面に沿って延在する成分は、頭部の表面に対して平行であり、同様に、頭部の表面に沿って延在する平面は、頭部の表面に対して平行であると言うことができ、一方で、頭部の表面上の点から及び頭部からラジアル方向に外方に周囲空間へと延在する物体又は平面は、頭部に対して直角であると言える。
【0039】
一例としては、
図1の頭部の表面において最も左側の、
図1の参照数字2を有する点は、座標系のyz面に対して平行な接線ベクトルと、x軸に対して平行な法線ベクトルとを有する。したがって、y軸及びz軸は、点2において頭部の表面に対して平行であり、x軸は、点2にて頭部の表面に対して直角である。
【0040】
図1のファントム頭部によりモデル化されたユーザは、地面(図示せず)上に直立しており、地面平面は、xy平面に対して平行である。したがって、ユーザの頭頂部からつま先までの胴軸は、z軸に対して平行であるが、ユーザの鼻は、y軸に沿って紙面から外方へと突出している。
【0041】
右外耳道及び左外耳道を貫通する軸は、図面においてはx軸に対して平行である。したがって、この耳間軸(耳軸)は、頭部表面から出る点にて頭部の表面に対して直角である。耳間軸及び頭部表面は、以下において、本発明の要素の具体的構成を説明する際に基準として使用される。
【0042】
耳の耳介は、殆どのヒト検体の頭部の表面に対して平行な平面内に主に位置するため、耳介の平面の配向についてはヒトごとに違いはあるものの、耳間軸は、耳に対する法線としての役割を果たすともしばしば説明される。
【0043】
外耳道内タイプの補聴器は、外耳道内に合致するように形状設定された細長ハウジングを有することになる。このタイプの補聴器の長手方向軸は、耳軸に対して平行であるが、耳内タイプの補聴器のフェース・プレートは、典型的には耳軸に対して直角な平面内に位置することになる。また、典型的には、耳裏タイプの補聴器は、耳の耳介の頂部上に載置されるように殆どの場合にはバナナ形状に設定された細長ハウジングを有することになる。したがって、このタイプの補聴器のハウジングは、ユーザの頭部の表面に対して平行な長手方向軸を有することになる。
【0044】
図2は、補聴器のブロック図を示す。
図2では、補聴器20は、入ってくる音を受信し、それを音響信号、すなわち第1の音響信号へと変換するためのマイクロフォン21を備える。第1の音響信号は、第1の音響信号を補聴器のユーザの聴力損失を補償する第2の音響信号へと処理するための信号処理部22へと供給される。受信機が、第2の音響信号を、例えばユーザの聴力障害を補償するように修正された信号などの出力音信号へと変換するために、信号処理部22の出力へと接続され、出力音をスピーカ23へと供給する。したがって、補聴器信号処理部22は、増幅器、圧縮機、及び雑音低減システム等の要素を備えてもよい。補聴器は、出力信号を最適化するためのフィードバック・ループをさらに有してもよい。さらに、補聴器は、電磁場を放出及び受信するためにアンテナ25に相互接続された無線データ通信用の無線通信ユニット24(例えば送受信機)を有する。無線通信ユニット24は、補聴器信号処理部22と、外部デバイス又はバイノーラル式補聴器システムにおいて別の耳に配置された別の補聴器と通信するためのアンテナ25とに接続され得る。
【0045】
アンテナは、補聴器ハウジングがユーザの耳の作動位置に位置決めされた場合に、ユーザの耳間軸方向に電磁場を放出しないか、又は実質的に放出しない。むしろ、アンテナは、補聴器ハウジングが使用時にその作動位置に位置決めされた場合に、ユーザの頭部の表面に対して平行な方向に伝搬する電磁場を放出する。放出された電磁場の電場は、少なくとも作動時にアンテナが位置決めされる頭部の側に沿って、頭部の表面に対して直角の又は実質的に直角の方向を有する。このようにすることで、頭部の組織における伝搬損失が、頭部の表面に対して平行な電場成分を有する電磁場の伝搬損失に比較して低減される。頭部周囲の回折により、アンテナによって放出される電磁場は、片耳から頭部を周り対向側の耳まで伝搬する。
【0046】
図3は、アンテナ25、無線通信ユニット35、及び接地面38を備える補聴器の一実施形態を示す。アンテナ25は、第1のアンテナ・セクション31と、第2のアンテナ・セクション34と、第3のアンテナ・セクション33とを備える。アンテナは、第1の端部32及び第2の端部36を有する。第1のアンテナ・セクション31は、補聴器アセンブリの第1の側に沿って延在する。第1のアンテナ・セクション31は、第1の端部32及び第2の端部39を有する。第2のアンテナ・セクション34は、補聴器アセンブリの第2の側に沿って延在する。第2のアンテナ・セクション34は、第1の端部36及び第2の端部39’を有する。第3のアンテナ・セクション33は、第1のアンテナ・セクションの第2の端部39に、及び第2のアンテナ・セクションの第2の端部39’に接続される。本例においては、第2の端部39、39’は、エッジ点として提示されるが、これらの第2の端部は、アンテナが補聴器の第1の側から第2の側まで延在し始める位置として定義され得る。アンテナ25用の励振点は、第1のアンテナ・セクション31及び/又は第2のアンテナ・セクション34の第1の端部32、36に設けられる。
【0047】
一つ又は複数の実施形態においては、第1のセクション31の形状は、第2のセクション34の形状と対称である。第1のアンテナ・セクション31及び第2のアンテナ・セクション34は、同一のアンテナ構造体を形成し得る。例えば、第1のアンテナ・セクション31及び第2のアンテナ・セクション34は共に、同一の形態及び同一の寸法を有する構造体を形成し得る。アンテナ25の構造は、分割平面37を基準として対称であってもよく、その結果として、第1のアンテナ・セクション31は、分割平面37を基準として第2のアンテナ・セクション34の構造と対称になり得る。
【0048】
分割平面37は、アンテナの第1のアンテナ・セクション31が対称面37を基準としてアンテナの第2のセクション34に対称であるような、アンテナ25についての対称面37となり得る。分割平面37は、補聴器の厳密な中間点を貫通して延在し得るか、又は分割平面は、補聴器の第1の側と補聴器の第2の側との間の任意の位置に延在してもよい。
【0049】
一つ又は複数の実施形態においては、第1のアンテナ・セクション31は、第1の長さを有し、第2のアンテナ・セクション34は、第2の長さを有し、第3のアンテナ・セクション33は、第3の長さを有し、第1の長さ、第2の長さ、及び第3の長さの合計が、アンテナ25の全長となる。
【0050】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナに沿った距離及び/又はアンテナの長さは、アンテナ構造体に沿って測定される。
【0051】
図3では、L1は、アンテナ25の全長を表し、L2は、第1のアンテナ・セクション31の第1の端部32と第3のアンテナ・セクション33の中間点30との間の距離を表し、L3は、第2のアンテナ・セクション34の第1の端部36と第3のアンテナ・セクション33の中間点30との間の距離を表す。端部32、36から分割平面37との交点30までの距離L2、L3はそれぞれ、
図3に示すように電流経路に沿って測定され得るか、又は、距離L2、L3は、端部32、36から分割平面37との交点までの最短距離に沿って測定され得る。
【0052】
本開示の一態様によれば、アンテナの全長と波長との間の絶対的相対差は、10%又は25%など、しきい値未満である。したがって、アンテナ25の長さであるアンテナ寸法L1及び距離L2、L3は、以下の通りに定義され得る。
【0054】
ここで、λは波長である。したがって、アンテナ25の全長L1と波長λとの間の絶対的相対差は、25%未満など、しきい値T1未満である。
【0055】
距離L3と距離L2との間の絶対的相対差は、25%未満など、しきい値T2未満である。
【0056】
一つ又は複数の実施形態においては、2つの端部32、36間の距離は、補聴器アセンブリの幅に相当する。
【0057】
いくつかの実施形態においては、第1のアンテナ・セクション又は第2のアンテナ・セクションンの第1の端部から第3のアンテナ・セクションまでの距離は、1/4λ〜1/2λの間であってもよい。第1の長さ又は第2の長さは、1/4λ〜1/2λの間であってもよい。
【0058】
アンテナの中間点は、第3のセクションに位置決めされ得る。一実施形態においては、アンテナは第1の端部32及び第2の端部36を有し、第1の端部32から中間点30までのアンテナ長さと第2の端部36から中間点30までのアンテナ長さとの間の相対差は、10%未満又は25%未満など、しきい値未満である。
【0059】
図4は、アンテナ40と、無線通信ユニット45と、接地面48と、一方の側から他方の側に延在するアンテナ部43と、2つの端部42、46とを備える、補聴器の一実施形態を示す。アンテナ40は、アンテナ部43上に位置するか、又は中間点41からアンテナ部43までの距離がλ/4以下となるように位置する、中間点41(又は中心)を有する。アンテナ40の中間点41とアンテナ部43との間の距離は、
図4ではL4で表される。アンテナ40の構造は、以下が適合するように設計され得る。
【0061】
距離L4と波長の1/4であるλ/4との間の絶対的相対差は、10%未満又は25%未満など、しきい値T3未満である。
【0062】
アンテナは、ループを形成してもよい。第1のアンテナ・セクション31、第2のアンテナ・セクション34、及び第3のアンテナ・セクション33を備えるアンテナは、第1のセクション、第2のセクション、及び第3のセクションが、開ループなどのループを形成するように配置されるように、構成され得る。
【0063】
一実施形態においては、アンテナ励振点は、アンテナの第1の端部及び/又は第2の端部に設けられる。励振点は、端部32、42及び/又は端部36、46に設けられる。
【0064】
図5は、アンテナ50と、無線通信ユニット55と、接地面58と、アンテナ50の端部52及びアンテナ50の別の端部56とを備える、補聴器の一実施形態を示す。
図5では、端部52は、送電線59を経由して無線通信ユニット55に接続され、したがって励振点の役割を果たす。端部52は、アンテナが電磁場の所望の送信周波数にて振幅の大きな電流を伝達するように構成される。ここで、アンテナ50により放出される、及びユーザの一方の耳のアンテナ50からユーザの他方の耳又は外部デバイスまで伝搬する、電磁場の出力の大部分は、アンテナ50の中間点に起因する。アンテナ50は、電流が、好ましくは補聴器の一方の側から補聴器の別の側まで延在するアンテナの部分の近傍に位置する、アンテナの中間点の近傍にて最大電流振幅を有するように、寸法設定される。アンテナにて誘導される電流は、アンテナ50の励振に応じて、端部点52の近傍に第1の局所最大値を、及びアンテナ50の中間点近傍に第2の最大値を有し得る。
【0065】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナの一端部が接地される。
図5では、端部56は、送電線53を経由して接地面58の点54に接続される。接地面58は、プリント回路基板であってもよい。接地面は、アンテナの励振時に電流を伝達し得る任意の材料で形成されてもよい。また、接地面は、電流を案内するための、例えば銅などの単一の導電経路として形成されてもよい。接地面は、ゼロ電位又は相対的接地電位などの接地電位であってもよい。
【0066】
一つ又は複数の実施形態においては、アンテナは、ダイポール・アンテナであり、このダイポール・アンテナは、2つの励振点と、アンテナの第1の端部の第1の励振点と、アンテナの別の端部の第2の励振点とを備える。
【0067】
図6は、本開示の一実施形態による2つの励振点を有するアンテナの例示的な一実装形態を概略的に示す。
図6では、補聴器の一実施形態は、アンテナ60と、無線通信ユニット65と、接地面68と、アンテナ60の端部62及びアンテナ60の別の端部66とを備える。アンテナ60の第1の端部の端部62は、送電線69を経由して無線通信ユニット65に接続され、したがって第1の励振点の役割を果たす。同様に、アンテナ60の第2の端部に位置する端部66などの端部66は、送電線63を経由して無線通信ユニット65に接続され、したがって第2の励振点の役割を果たす。したがって、アンテナ60は、本例においてはダイポール・アンテナである。
【0068】
一つ又は複数の実施形態においては、第1の励振点及び第2の励振点はそれぞれ、所望の電流分布を実現するように構成される。例えば、第1の励振点及び第2の励振点は、相互に隣接してもよく、又は相互に比較的近くに位置決めされてもよい。
【0069】
図7は、本開示による、アンテナの長さの関数としての電流の振幅のグラフである。
図7は、アンテナを通過する電流が波長λに等しい間隔で周期的に振動するのを示す。また、
図7は、アンテナを通過する電流の最大振幅が、半波長λ/2に相当する長さに到達するのを示す。
図7は、本明細書において開示されるアンテナの技術的特徴を立証するものであり、すなわち、アンテナを通過する電流の最大振幅が、補聴器の一方の側から他方の側まで延在するアンテナの部分に(又はその近傍に)位置するアンテナの中間点の近傍にて実現されるように、本明細書において開示されるアンテナが構成されることを立証する。
【0070】
図8は、本開示の別の実施形態によるアンテナを有する例示的な補聴器を示す。補聴器80は、電池81と、信号処理部82と、内耳に対応する音響管83と、無線通信機又は送受信機84と、アンテナ87に供給するための送電線85、86とを備える。補聴器は、第1の側88及び第2の側89を有する。一つ又は複数の実施形態においては、補聴器の第1の側の近傍のアンテナ、すなわち第1のセクション871は、補聴器の第1の側88に沿って又は近傍に延在し、補聴器の第2の側の近傍のアンテナ、すなわち第2のセクション872は、補聴器80の第2の側89に沿って又は近傍に延在する。第1のセクション871は、送電線85を経由して給電点851まで通じ、したがって、能動給電セクション871となる。第2のセクション872は、送電線86を経由して給電点861まで通じ、したがって第2の能動給電部分872を形成する。したがって、アンテナ用の給電システムは、第1の送電線85及び第2の送電線86と、アンテナ87に給電するための第1の給電点851及び第2の給電点861とを備え得る。アンテナ87の第3のセクション873が、補聴器アセンブリの第1の側88の近傍から第2の側89の近傍まで延在する。アンテナ87は、アンテナ87を通過する電流の最大振幅が、補聴器80の第1の側88から第2の側89まで延在するアンテナのセクション873に(又はその近傍に)位置するアンテナの中間点にて得られるのを実現するために、この方法で構成される。
【0071】
一つ又は複数の実施形態においては、ハウジングは、使用時にユーザの耳裏に位置決めされるように構成された耳裏型ハウジングであり、第1の側は、補聴器の第1の長手方向側となり、第2の側は、補聴器の第2の長手方向側となる。
【0072】
図9は、本明細書において開示されるアンテナを備える補聴器が、ユーザの頭部の右耳に位置決めされるのを示す。
図9の補聴器90は、使用時のユーザの耳裏に位置決めされるように構成された耳裏型ハウジングを備える。補聴器90は、本明細書において開示されるようなアンテナ91を備える。
【0073】
図9では耳裏補聴器のみが示されるが、説明したアンテナ構造体は、アンテナが、本明細書において説明されるように補聴器の第1の側から補聴器の第2の側まで延在するセクションに最大電流を供給するように構成される限りにおいては、耳内補聴器を含むすべての他のタイプの補聴器において同様に適用され得る点が予期される。
【0074】
図9に示すように、第1の側は、ハウジングがユーザによりその作動位置にて装着された場合に、ユーザの頭部の表面に対して平行に位置決めされ得る。
【0075】
さらなる一態様によれば、本開示は、本明細書において開示される少なくとも一つの補聴器を備えるバイノーラル式補聴器システムに関する。
【0076】
図10は、λ/4未満の長さを有する小ループを有する先行技術のアンテナ中の電流分布の概略図である。
図10は、λ/4未満の全長を有する先行技術のアンテナを概略的に示す。補聴器は、サイズが非常に小さく、ヒトの外耳道内又は外耳の裏に嵌るように十分な小ささのハウジング内に収容された、多数の電子構成部品及び金属構成部品を備えるため、補聴器内のアンテナは、通常はλ/4よりも小さい。この結果、電流分布は、アンテナ構造体全体にわたり比較的均一なものとなる。
【0077】
図11は、本開示の一実施形態によるアンテナ中の電流分布の概略図である。
図10は、本明細書において開示されるアンテナ110と、アンテナ110中の電流分布とを概略的に示す。アンテナ110の長さ及び構造により、電流分布は、アンテナ端部に、及び補聴器の一方の側から他方の側まで延在するアンテナの部分113に、局所的最大値をもたらす。アンテナ部分111及び112を通過する電流は、はるかにより低い振幅を有する。この結果として、電場は、表面波がユーザの頭部周囲を効率的に移動するのに望ましい方向に放射される。このことの利点は、耳間無線通信のロバスト性がより高くなる点である。
【0078】
特定の波長、及びしたがって放出される電磁場の周波数は、障害物を伴う通信を考慮する場合には重要となる。本発明においては、障害物は、頭部の表面付近に位置するアンテナを備える補聴器を伴う頭部である。波長が、1GHzの周波数など過剰に長く、頭部のより低い周波数まで下がる場合には、頭部のより多くの部分が、近接場領域内に位置することとなる。この結果として、異なる回折により、電磁場は、頭部周囲を移動することがさらに困難になる。他方において、波長が、過剰に短い場合には、頭部は、大きすぎる障害物となり、やはりこれにより、電磁波は、頭部周囲を移動することが困難になる。したがって、長波長と短波長との間の最適値が好ましい。一般的には、耳間通信は、工業用、科学用、及び医療用の帯域にて実施され、望ましい周波数は、約2.4GHz周辺となる。
【0079】
下記の項目に記載された補聴器も開示される。
[項目1]
補聴器アセンブリを有する補聴器であって、前記補聴器アセンブリは、
前記補聴器アセンブリを収容するためのハウジングと、
音を受信するとともに、その受信した音を対応する第1の音響信号に変換するためのマイクロフォンと、
前記第1の音響信号を、前記補聴器のユーザの聴力損失を補償する第2の音響信号へと処理するための信号処理部と、
無線データ通信のために構成された無線通信ユニットと、
電磁場を放出及び受信するためのアンテナであって、前記無線通信ユニットに結合され、放出電磁場の3/4波長から5/4波長までの間の全長を有するアンテナと、
を備え、
前記アンテナの一部は、前記アセンブリの第1の側から前記アセンブリの第2の側まで延在しており、
前記アンテナは、前記第1の側から前記第2の側まで延在する前記アンテナの前記一部に中間点を有するか、又は、前記アンテナの中間点と前記アンテナの前記一部との間の距離が前記波長の1/4未満である、補聴器。
[項目2]
前記アンテナを通過する電流が、前記電磁場の放出時に前記アセンブリの第1の側から延在する前記アンテナの前記一部において最大振幅を有する、項目1に記載の補聴器。
[項目3]
前記アンテナは、ループを形成する、項目1又は2に記載の補聴器。
[項目4]
前記アンテナの前記全長と前記波長との間の絶対的相対差がしきい値未満である、項目1から3のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目5]
前記第2の側は、前記第1の側の対向側である、項目1から4のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目6]
前記マイクロフォンは、使用時に前記ユーザの耳の裏に位置決めされるように構成された耳裏ユニットの一部であり、前記第1の側は、前記アセンブリの第1の長手方向側であり、前記第2の側は、前記アセンブリの第2の長手方向側である、項目1から5のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目7]
前記アンテナの一端部が接地される、項目1から6のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目8]
前記アンテナは、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部から前記中間点までの前記アンテナの長さと、前記第2の端部から前記中間点までの長さとの間の相対差がしきい値未満である、項目1から7のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目9]
励振点が、前記アンテナの第1の端部及び/又は第2の端部に設けられている、項目1から8のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目10]
前記アンテナは、
前記アセンブリの前記第1の側に沿って延在する第1のアンテナ・セクションであって、第1の端部及び第2の端部を有する第1のアンテナ・セクションと、
前記アセンブリの前記第2の側に沿って延在する第2のアンテナ・セクションであって、第1の端部及び第2の端部を有する第2のアンテナ・セクションと、
前記第1のアンテナ・セクションの前記第2の端部及び前記第2のアンテナ・セクションの前記第2の端部に接続された第3のアンテナ・セクションと、
前記第1のアンテナ・セクション及び/又は前記第2のアンテナ・セクションの前記第1の端部に設けられたアンテナのための励振点と、有する、
項目1から9のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目11]
前記第1のアンテナ・セクションは第1の長さを有し、前記第2のアンテナ・セクションは第2の長さを有し、前記第3のアンテナ・セクションは第3の長さを有し、前記第1の長さ、前記第2の長さ、及び前記第3の長さの合計が、前記アンテナの前記全長である、項目10に記載の補聴器。
[項目12]
前記第1又は第2のアンテナ・セクションの前記第1の端部から、前記第3のアンテナ・セクションまでの距離が、1/4波長から半波長までの間である、項目10又は11に記載の補聴器。
[項目13]
前記アンテナの前記中間点は、前記第3のセクションに位置する、項目10から12のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目14」
前記第3のセクションは、前記アセンブリの前記第1の側の近傍から前記第2の側の近傍まで延在する、項目10から13のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目15]
前記第1のセクションの形状が、前記第2のセクションの形状と対称である、項目10から14のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目21]
補聴器アセンブリを有する補聴器であって、前記補聴器アセンブリは、
音を受信するとともに、その受信した音を対応する第1の音響信号に変換するためのマイクロフォンと、
前記第1の音響信号を、前記補聴器のユーザの聴力損失を補償する第2の音響信号へと処理するための信号処理部と、
無線データ通信のために構成された無線通信ユニットと、
電磁場を放出及び受信するためのアンテナであって、前記無線通信ユニットに結合され、放出電磁場の3/4波長から5/4波長までの間の全長を有するアンテナと、
を備え、
前記アンテナの一部は、前記アセンブリの第1の側から前記アセンブリの第2の側まで延在しており、
前記アンテナは、前記第1の側から前記第2の側まで延在する前記アンテナの前記一部に中間点を有するか、又は、前記アンテナの中間点と前記アンテナの前記一部との間の距離が前記波長の1/4未満である、補聴器。
[項目22]
前記アンテナを通過する電流が、前記電磁場の放出時に前記アセンブリの第1の側から延在する前記アンテナの前記一部において最大振幅を有する、項目21に記載の補聴器。
[項目23]
前記アンテナは、ループを形成する、項目21又は22に記載の補聴器。
[項目24]
前記アンテナの前記全長と前記波長との間の絶対的相対差がしきい値未満である、項目21から23のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目25]
前記第2の側は、前記第1の側の対向側である、項目21から24のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目26]
前記マイクロフォンは、使用時に前記ユーザの耳の裏に位置決めされるように構成された耳裏ユニットの一部であり、前記第1の側は、前記アセンブリの第1の長手方向側であり、前記第2の側は、前記アセンブリの第2の長手方向側である、項目21から25のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目27]
前記アンテナの一端部が接地される、項目21から26のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目28]
前記アンテナは、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部から前記中間点までの前記アンテナの長さと、前記第2の端部から前記中間点までの長さとの間の相対差がしきい値未満である、項目21から27のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目29]
前記アンテナは、前記アンテナの第1の端部もしくは前記アンテナの第2の端部に励振点を有する、又は前記アンテナの前記第1の端部及び前記第2の端部のそれぞれに2つの励振点を有する、項目21から28のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目30]
前記アンテナは、前記アセンブリの一部であり、前記アンテナは、
前記アセンブリの前記第1の側に沿って延在する第1のアンテナ・セクションであって、第1の端部及び第2の端部を有する第1のアンテナ・セクションと、
前記アセンブリの前記第2の側に沿って延在する第2のアンテナ・セクションであって、第1の端部及び第2の端部を有する第2のアンテナ・セクションと、
前記第1のアンテナ・セクションの前記第2の端部及び前記第2のアンテナ・セクションの前記第2の端部に接続された第3のアンテナ・セクションと、
を有し、
前記第1のアンテナ・セクションの前記第1の端部は励振点を有する、及び/又は前記第2のアンテナ・セクションの前記第1の端部は励振点を有する、項目21から29のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目31]
前記第1のアンテナ・セクションは第1の長さを有し、前記第2のアンテナ・セクションは第2の長さを有し、前記第3のアンテナ・セクションは第3の長さを有し、前記第1の長さ、前記第2の長さ、及び前記第3の長さの合計が、前記アンテナの前記全長である、項目30に記載の補聴器。
[項目32]
前記第1のアンテナ・セクションの前記第1の端部又は前記第2のアンテナ・セクションの前記第1の端部から、前記第3のアンテナ・セクションまでの距離が、1/4波長から半波長までの間である、項目30又は31に記載の補聴器。
[項目33]
前記アンテナの前記中間点は、前記第3のセクションに位置する、項目30から32のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目34」
前記第3のセクションは、前記アセンブリの前記第1の側の近傍から前記第2の側の近傍まで延在する、項目30から33のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目35]
前記第1のセクションの形状が、前記第2のセクションの形状と対称である、項目30から34のいずれか一項に記載の補聴器。