特許第5795422号(P5795422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795422
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】発熱素子を有するカメラ
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20150928BHJP
   G03B 17/55 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   G03B17/55
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-249810(P2014-249810)
(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公開番号】特開2015-113118(P2015-113118A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2014年12月10日
(31)【優先権主張番号】102013020894.7
(32)【優先日】2013年12月11日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500020380
【氏名又は名称】メクラ・ラング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】MEKRA Lang GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー・ラング
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ゲイツェンドルファー
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル・クンツ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ヴィッケ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・セントメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ホルヌング
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−267130(JP,A)
【文献】 特開2004−020798(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/105465(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
G03B 17/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、特に商用車両で使用するカメラ(20、30、40、50、60、70)において、
ハウジング(22)と、
前記ハウジングに配設される、或いは前記ハウジング内に配設される少なくとも1つの光学素子(24、26)と、
前記ハウジング内に配設され、少なくとも1つの回路基板(10、80)を含む少なくとも1つの回路基板グループ(11)であって、直接のカメラ機能を実現する少なくとも1つの能動回路を具備する少なくとも1つの回路基板グループ(11)と、
前記回路基板グループと、前記光学素子及び前記ハウジングの少なくとも1つとを暖めるように配置され、構成される少なくとも1つの発熱素子(18、19、68、69)であって、前記回路基板グループの前記1つの回路基板に直接取り付けられる少なくとも1つの発熱素子(18、19、68、69)と、
前記少なくとも1つの発熱素子と前記ハウジングとの間に配設され、前記発熱素子及び前記回路基板グループの少なくとも1つの熱を前記ハウジングに伝達するように構成される、少なくとも1つの熱伝導素子(28、29、38、39、48、49、58、59)と、
を備え、
前記少なくとも1つの能動回路が実現する前記直接のカメラ機能は、画像の生成に直接関係する機能を総て含むものであり、
前記少なくとも1つの発熱素子は、制御回路に接続されており、前記制御回路の制御によって電気エネルギを供給され、前記少なくとも1つの能動回路とは別個に設けられる、
ことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記1つの能動回路は、デジタル撮像ユニット(16)である、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記デジタル撮像ユニットと前記少なくとも1つの発熱素子は、共に前記回路基板グループの前記1つの回路基板に配設される、
ことを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの能動回路は、ビデオデータをディスプレイユニットに伝達するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの能動回路は、ビデオデータを処理するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの能動回路は、電源回路である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの発熱素子は、前記回路基板グループの前記1つの回路基板の一方の面に実装され、前記一方の面は、前記光学素子に対向する面と反対側の面である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの発熱素子は、前記回路基板グループの前記1つの回路基板の一方の面に実装され、前記一方の面は、前記光学素子に対向する面である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの熱伝導素子は、前記回路基板グループの前記1つの回路基板と前記ハウジングとの間に直に配設される、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱伝導素子は、前記少なくとも1つの発熱素子と前記ハウジングとの間に直に配設される、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱伝導素子は、熱伝導性接着剤、熱伝導性ペースト、及び熱伝導性パッドの少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの発熱素子は、抵抗体層によって、前記回路基板グループの前記1つの回路基板に直接取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項13】
前記ハウジング内に配設され、前記ハウジング内の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによって検出された温度に関連付けて、前記少なくとも1つの発熱素子を制御する制御ユニットと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの発熱素子は、前記ハウジング内の温度に依存する発熱素子であり、その発熱性能は前記ハウジング内の温度に依存する、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの発熱素子を有するカメラに係り、特に、車両に使用するための、例えば商用車両に使用するための、少なくとも1つの発熱素子を有するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、間接的な視覚を得るための手段としての従来型のミラーに加えて、或いは換えて、間接的な視覚を得るための手段として、カメラシステム、或いは撮像システムを使用することがますます検討されてきている。このようなシステムでは、例えばカメラのような撮像ユニットが記録された画像を連続的に検出している。また、撮像ユニットよって捉えられた(ビデオ)データは、例えば、更なる処理を演算ユニットで行った後、運転席にある表示ユニットに送られる。表示ユニットは、恒久的に常時目に見える状態であり、撮像したそれぞれの視界をリアルタイムで表示する。また、車両の周囲領域に関するさらなる情報、例えば、衝突警告や距離等の情報を表示することもできる。
【0003】
このようなカメラは、通常、車両の外側に取り付けられ、車両周囲の所望の視界が撮像できるように配置される。したがって、このようなカメラは、車両の所在地で優勢な気候条件に曝されることなる。特に、冬季のような低温時には、カバーガラスやカメラレンズは、霜や結露に覆われてしまい、カメラに悪影響を与える可能性がある。特に、カメラ筐体の外周に設けられ、周囲の環境に直接的に接する光学的素子は、霜や結露に覆われる可能性がある。また、車両に配置されたカメラ、例えば、後方監視カメラの機能や画質が、霜や結露によって影響を受ける可能性もある。特に、霜や結露が繰り返し形成されると、これらの構成部品は、最後には損傷を受けることになる。
【0004】
カメラ外部の光学素子への霜や結露の問題を解消するために、カメラの内部や光学素子の近傍に、例えば、カバーガラスやレンズの近傍の被写体側に、発熱素子を配置することが知られている。しかしながら、製造工程において、カメラ筐体の内部に発熱素子を実装することは比較的複雑な作業となる。さらに、通常、樹脂やガラスで作られている光学素子に比べて、通常、金属で作られているカメラ筐体はより高い熱伝導率を有している。このため、発熱素子をカメラ筐体の内部に設けようとすると、発熱素子によって生成される熱エネルギの大部分はカメラ筐体に受熱されるか、或いは、光学素子から離れて他に流れてしまう可能性もある。この結果、熱エネルギのごく一部しか光学素子の発熱に寄与しないこととなる。
【0005】
引用文献1は、屋根部に実装する画像生成装置や、車両の外部ミラーを開示している。熱の問題を解消すると共に装置の小型化を実現するために、引用文献1が開示する画像生成装置は、その構造上の設計を特徴としている。画像生成装置で使用されるカメラは、少なくとも1つの光学撮像センサを具備する、高度に複雑な半導体用の第1のリジッド回路基板を少なくとも1つ有し、また、他の部品用の第2の回路基板を有する。そして、第1と第2の回路基板は、金属のベース板の上に設置され、好ましくは金属のベース板の上に接着されている。
【0006】
引用文献2は、車両用のミラー代替システムを開示している。このミラー代替システムは、撮像ユニット、電源ユニット及び表示ユニットを具備している。表示ユニットは、車両内に配置されて運転手が視認できるように構成されている。密閉性に関しては、撮像ユニットと電源ユニットとは、離れた設置空間に配置され、また、それぞれが、表示ユニットの外部に、表示ユニットから離れて配置されている。
【0007】
引用文献3は、車両用の装置を開示している。この装置は、筐体を具備し、撮像ユニットの画像データを処理できるように構成されている。またこの装置では、画像データを処理するための電子部品が実装された、少なくとも2つの回路基板が、並列に、かつ、互いに離れて、筐体内に配置されている。また、少なくとも1つの放熱素子が、筐体の内部や筐体面の上に配置されており、この放熱素子は、電子部品の動作中に発生する熱を放熱する役目を持っている。
【0008】
引用文献4は、デジタルバックミラー用カメラに関するものである。引用文献4に開示されるカメラは、レンズとイメージセンサを具備しており、これらは共通の筐体内に配置されている。カメラを動作させる電子部品は、レンズの少なくとも1つの側方に配置されている。したがって、カメラの電子部品の回路基板から放出される熱を、レンズを加熱するために使用することができ、ヒータを別途設ける必要が無い。その結果、カメラの消費電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ出願公開公報DE 102 59 795 A1
【特許文献2】ドイツ特許公報DE 10 2010 015 398 B3
【特許文献3】ドイツ出願公開公報DE 102011 199 594 A1
【特許文献4】ドイツ出願公開公報DE 10 2012 019 647 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願の開示は、恒久的にかつ高い信頼性をもって屋外で使用することができ、気温差に起因する霜や結露への耐性を有し、これにより、簡素で、かつ、高い費用対効果を確保しつつ、故障のないカメラを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、請求項1の特徴を有するカメラによって解決される。また、好ましい実施形態は、いくつかの従属請求項によって具体的に示される。
【0012】
本開示は、車両用のカメラ、特に、商用車両用のカメラを提供するという考えに、少なくとも部分的に基づいている。このカメラは、ハウジングと、ハウジング内に配設された少なくとも1つの光学素子と、少なくとも1つの回路基板グループと、少なくとも1つの発熱素子とを有している。前記少なくとも1つの回路基板グループは、ハウジング内に配設され、少なくとも1つの回路基板を具備し、カメラの直接の機能を実現する少なくとも1つの能動回路を具備している。また、前記発熱素子は、前記少なくとも1つの回路基板グループ、前記光学素子、及び前記ハウジングの少なくとも1つを暖めるように構成されている。
【0013】
前記少なくとも1つの発熱素子は、前記少なくとも1つの回路基板グループ内の回路基板の1つに直接取り付けられている。ここで、直接取り付けるとは、前記少なくとも1つの回路基板グループ内の回路基板の1つに、前記少なくとも1つの発熱素子を部分的に一体化すること、或いは、嵌め込むことを含むものである。
【0014】
発熱素子の取り付け(発熱素子を前記少なくとも1つの回路基板グループ内の回路基板の1つに直接取り付けること)は、他の発熱デバイスを設けること(カメラ内に他の発熱デバイスを設けること、例えば、光学素子の被写体側に熱デバイスを設けること)に追加して行ってもよいし、これに換えて行ってもよい。
【0015】
暖められるべき部品は、環境と直接接触する部品、即ち、気象条件に曝される部品である。例えば、カメラにカバーガラス(カバーガラスは光学素子の1つの考えることができる)が設けられている場合には、カバーガラスの上の霜や結露を除去するためには、まず第1にカバーガラスが暖められなければならない。カバーガラスの無いカメラの場合には、直接環境に接触する光学素子、例えばレンズ、がまず第1に暖められなければならない。なお、通常、カメラは湿気の侵入を防ぐために密閉されている。
【0016】
本明細書において、「回路基板」という用語は、電子部品の担体を意味している。回路基板は、機械的な取り付け手段、及び電気的な接続手段としての役目を果たす。回路基板は、好ましくは、電気的に絶縁性を有する材料の上に導電性の接続が設けられて生成されている。
【0017】
また、能動回路は、例えば半導体を含む回路である。能動回路は、カメラの直接の機能を実現するように構成されている。ここで、カメラの直接の機能とは、画像の生成に直接関係する機能を総て含むものであり、例えば、画像の取得、画像の処理、画像の表示等の機能である。能動回路の例は、デジタル撮像ユニット(即ち、イメージセンサ)、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)シリアライザを用いたビデオ伝送、プロセッサによるビデオ伝送等の他、電源等、カメラの直接の機能を実現するものを含む。
【0018】
カメラの直接の機能に対して、カメラの二次的な機能とは、画像の生成に必ずしも必要のない機能である。例えば、ヒータ、赤外線の照射、マイクロフォンの機能等である。
【0019】
発熱素子は、例えば半導体のような能動的な部品であってもよいし、例えばコイルや抵抗器のような受動的な部品であってもよい。また、回路基板グループの上に配設された電気部品によって生成された熱を、光学素子を暖めるために使用することも有効である。
【0020】
回路基板はカメラの中に既に存在し、また、カメラは、その直接の機能を実現するための能動素子も持っている。したがって、前記少なくとも1つの発熱素子を回路基板グループの回路基板の上に直接取り付けることによって、カメラのハウジングを何ら変更することなく、効率的でかつ、費用対効果の高い生産を実現することができ、また、暖められるべき部品への熱の伝達も増加する。
【0021】
好適には、前記少なくとも1つの発熱素子は、抵抗体層によって回路基板に取り付けられる。前記少なくとも1つの発熱素子には、好ましくは電源が接続され、また、例えば制御デバイスが接続される。制御デバイスは、前記発熱素子に、制御信号と、熱に変換するための電気エネルギを供給する。また、好ましくは、前記電源及び前記制御デバイスの少なくとも1つへの接続線は、その回路基板上に印刷されている。
【0022】
本開示の1つの実施形態において、能動回路はデジタル撮像ユニットである。この場合、発熱素子(この発熱素子には回路基板上の接続線によって電源が供給されている)は、デジタル撮像ユニットが取り付けられている回路基板の上に配置される。
【0023】
他の実施形態においては、能動回路は、ビデオデータを、例えば車両内に配置されているディスプレイユニット(特に、商用車両では、ディスプレイユニットはドライバから見える位置に配置されている)に伝送するように構成されている。
【0024】
また、他の実施形態においては、能動回路は、ビデオデータの伝送前に、ディスプレイユニットに伝送されるビデオデータを処理するように構成されている。
【0025】
また、他の実施形態においては、能動回路は、前記発熱素子や、回路基板グループの他の電子部品に電気エネルギを供給する電源として構成されている。
【0026】
1つの実施形態においては、前記回路基板グループは、デジタル撮像ユニットと、前記少なくとも1つの発熱素子とが直接取り付けられている1つの回路基板を有している。
【0027】
他の実施形態においては、前記回路基板グループは、互いに機械的、電気的に接続される少なくとも2つの回路基板を有している。この場合、デジタル撮像ユニットは回路基板グループ内の1つの回路基板に配置され、前記少なくとも1つの発熱素子は、回路基板グループ内の少なくとも1つの他の回路基板に直接取り付けられる。
【0028】
好適には、少なくとも1つの熱伝導素子が、前記少なくとも1つの発熱素子とハウジングの間に設けられる。熱伝導素子は、発熱素子及び回路基板グループの少なくとも1つによって生成された熱をハウジングに伝達する。発熱素子によって生成された熱を効率良くハウジングに供給し伝達するために、さらには光学素子に伝達するめために、熱伝導素子は大きな面、即ち、大きな熱伝導面を持つのが好ましい。
【0029】
また、本開示の好ましい実施形態においては、光学素子をまず第1に暖めるためには、発熱素子とハウジングとの間の接続(この接続は、上記の熱伝導素子によって形成される)を、光学素子に直接近いところに設けるのが良い。
【0030】
他の実施形態においては、前記少なくとも1つの発熱素子は、回路基板グループ内の回路基板の一方の面であって、光学素子に対向する面とは反対の面に取り付けられる。これに換えて、或いはこれに加えて、前記少なくとも1つの発熱素子を、回路基板グループ内の回路基板の一方の面であって、光学素子に対向する面に取り付けても良い。
【0031】
さらに、発熱素子の1つの放熱面を光学素子の方向に向かせるように発熱素子を配置する、及び/又は、発熱素子を光学素子の直接近いところに配置する、ことによって、光学素子、例えばレンズ系からなるレンズ、に対流熱を供給できるように発熱素子を構成してもよい。また、本開示の一実施形態においては、回路基板グループは少なくとも2つの回路基板を有しており、発熱素子は、前記回路基板グループの内少なくとも1つの回路基板の、前記光学素子の方を向く面、及び、前記光学素子と反対の方向を向く面の少なくとも1つの面に配置される。
【0032】
また、好適な実施形態においては、少なくとも1つの熱伝導素子が、回路基板グループの回路基板とハウジングの間、及び/又は、前記少なくとも1つの発熱素子とハウジングの間に直接配置される。前記少なくとも1つの熱伝導素子は、銀、銅、及び/又は、アルミニウムのように、熱伝導性の高い材料で形成するのが好ましい。前記少なくとも1つの熱伝導素子は、好ましくは、熱伝導性接着剤、熱伝導性ペースト、及び/又は、熱伝導性パッドからなる。また、前記熱伝導性素子は、例えば、無溶媒反応樹脂からなる一成分型のエポキシ樹脂系接着剤でもよいし、或いは、熱伝導性を高めるために石英粉、石墨、金属粉、すす、等の固体成分が添加された充填物入り接着剤でもよい。また、一実施形態においては、回路基板グループ内の少なくとも1つの回路基板が、少なくとも1つの熱伝導素子によってハウジングに固定される。また、好ましい実施形態においては、熱伝導素子は、熱伝達の有効面が最大化されるように、回路基板グループの回路基板に取り付けられている少なくとも1つの発熱素子を完全に覆うように広がっている。
【0033】
他の実施形態では、カメラのハウジング内の温度を検出するために、温度センサがハウジング内に設けられている。温度センサはハウジング内の温度を検出し、この温度に対応する信号を、温度センサに接続されている制御ユニットに供給する。制御ユニットは、温度センサによって検出された温度に応じて、少なくとも1つの発熱素子を制御する。よって、少なくとも1つの発熱素子の熱的な性能を効果的に制御することができる。つまり、ハウジング内の温度が所定の閾値よりも低くなったときにのみ、発熱素子を放熱させることができる。また、前記少なくとも1つの熱伝導素子の熱の出力を、ハウジング内の温度に比例させる、即ち、低温時には高温時よりも高くする、ようにしても良い。また、発熱素子のための制御素子と温度センサとを、回路基板グループの回路基板の上に配置してもよい。
【0034】
他の実施形態においては、少なくとも1つの発熱素子はハウジング内の温度に依存する。即ち、発熱素子の熱的な性能はハウジング内の温度に依存する。
【0035】
また、好ましい実施形態においては、カバーガラスが設けられており、そのような実施形態では、カバーガラスは暖められるべき光学素子と考えることができる。このカバーガラスは、被写体側において、気密性及び水密性の少なくともいずれかを有する態様で、ハウジングを密閉している。カバーガラスは好ましくはハウジングに連結しており、前記少なくとも1つの発熱素子によって暖められたハウジングによって暖められる。この結果、カバーガラスの上に霜や結露が発生するのが回避され、或いは、発生した霜や結露が取り除かれる。
【0036】
カメラのハウジングの内側は、他の内部空間の形状も考えられるが、例えば、互いに異なる直径を有する円筒状のいくつかの内部空間と、いくつかの連結領域(graduations)に分割されている。ここで、回路基板グループの1つの回路基板は、好ましくは、内部空間のリング状のハウジング内フランジ面に装着される。また、光学素子は、ハウジングの円筒状の内部空間にネジ部を介してねじ込まれる。ネジ部の直径は、ハウジング内フランジ面の内径と同じか、或いは小さい。
【0037】
本開示に係るカメラは、霜、露、結露などの気候条件に耐える能力が要求される、いかなる屋外の動作に対しても適用することができる。本開示に係るカメラは、例えば、監視用として、公共の場所において、或いは公共の輸送において、使用することができる。
【0038】
本開示において、ある1つの部品を他の部品に「直接」取り付ける、「直接」配置する(配設する)、或いは「直接」接続する、等の用語は、2つの部品の間に第3の部品が存在しないことを意味している。例えば、発熱素子を、回路基板グループの回路基板に直接取り付けるとは、発熱素子と回路基板との間に他の部品が何ら存在しないことを意味している。ただし、2つの部品の間における、単なる接着剤の使用、単なるネジ結合の使用、単なる溶接結合の使用は許容され、このような使用があったとしても、依然として2つの部品は、互いに、直接取り付けられ、直接配置され、直接接続され、或いは直接接触する、ことになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下、添付図面に基づいて、本発明を単なる例示として説明する。
図1】本開示に係る第1の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図2】回路基板の概略平面図。
図3】本開示に係る他の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図4】本開示に係る他の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図5】本開示に係る他の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図6】本開示に係る他の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図7】本開示に係る他の実施形態のカメラであって、少なくとも1つの発熱素子が設けられるカメラの断面図。
図8】回路基板グループを具備するカメラの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本開示に係る第1の実施形態のカメラ20を示す図である。カメラ20は、それぞれ異なる直径の円筒状の内部空間21、23、25を有するハウジング22を具備している。
【0041】
ハウジング22内の内部空間21には、1つの回路基板10を含む回路基板グループが配設されている。また、ハウジング22内の内部空間25には光学素子24が配設されている。内部空間25の直径は、内部空間21の直径よりも小さい。
【0042】
内部空間25は、内部空間23において段差が形成されており、ハウジング内フランジ面210を有している。
【0043】
回路基板10は、ハウジング内フランジ面210に取り付けられている。光学素子24は、例えばレンズ系をもつレンズである。光学素子24は、内部空間25において、ネジ部250を介してハウジング22にねじ込まれる。光学素子24の直径は内部空間23の直径よりも小さい。
【0044】
被写体側において、ハウジング22は、気密性及び水密性の少なくともいずれかを有する態様で、カバーガラス26の形態によるもう一つの光学素子によって密閉されている。カバーガラス26は、気候条件と外部環境に曝されている。
【0045】
図1からも判るように、デジタル撮像ユニット16が、光学素子24に対向する回路基板12の1つの面に設けられている。なお、カメラの光軸17は、デジタル撮像ユニット16を通って延びている。
【0046】
図1に示されるように本実施形態では、2つの発熱素子18、19が、回路基板10である回路基板12の1つの面に、例えば抵抗体層によって取り付けられている。ここで、回路基板12の前記1つの面は、光学素子24と反対の方向を向いている。また、少なくとも1つの電子部品14が、光学素子24と反対の方向を向いている前記回路基板12の1つの面に取り付けられている。本明細書の開示において、電子部品14は、カメラの機能を直接実行するための能動素子である。
【0047】
また、2つの熱伝導素子28、29が、回路基板10をハウジング22に取り付けるために設けられている。ここで、2つの熱伝導素子28、29は、回路基板12からハウジング22に熱を伝達するように構成されている。発熱素子18、19に加えて、回路基板10をハウジング22に取り付ける取付デバイスを設けてもよい。
【0048】
ハウジング22は、好ましくは、熱伝導性の材料、例えば金属によって形成され、発熱素子18、19で生成された熱を光学素子24、26に伝達することができる。光学素子24、少なくともその一部が、内部空間25から内部空間23の中に延出している。
【0049】
発熱素子18、19を作動させると、最初に回路基板12が暖められる。同時に、熱の対流伝導により、ハウジング22の左側(図1において)の部分が、少なくとも部分的に発熱素子18、19によって暖められる。暖められた回路基板12は熱伝導素子28、29に接続されており、熱をハウジング22に伝達する。
【0050】
ハウジング22の熱は、その後、ネジ部250を介して光学素子24に伝達され、また、カバーガラス26に伝達される。そして、これらの部品の上の霜や結露が取り除かれる、或いは、これらの部品の上に霜や結露が形成されるのを防止する。
【0051】
ここで、ハウジング22と光学素子24との間の有効熱伝達面の面積を最大にするために、ネジ部250の長さは、光学素子24の長さのほぼ全体に延びるように、長い方が好ましい。さらに、カバーガラス26が効率的に暖められるように、カバーガラス26を、熱伝達性の高い取付手段を用いてハウジング22に取り付けるのが好ましい。
【0052】
図2は、回路基板10の一例の概略的な平面図である。回路基板10は、少なくとも1つの電子部品14をその上に具備する回路基板12を有している。なお、図2では、導体や回路は図示を省略している。デジタル撮像ユニット16は、回路基板12の上に配設されている。デジタル撮像ユニット16は、例えばCCDやCMOSのセンサである。これらのセンサは、内部光電効果に基づく機能によって光を検出する電子素子を備えている。
【0053】
少なくとも1つの発熱素子18が回路基板12に直に取り付けられている。図2に示す例では、全部で13個の発熱素子18が、回路基板12の一方の面に沿って配置されている。なお、発熱素子18の数はこれに限定されず、変わり得る。
【0054】
他の実施形態では、上記の発熱素子18に加えて、或いは上記の発熱素子18に換えて、少なくとも1つの発熱素子を回路基板12の裏面に配置しても良い。発熱素子18は、回路基板12の外側の端部に配置するのが好ましい。
【0055】
前記少なくとも1つの発熱素子18は、導線(図示せず)を介して制御回路(図示せず)に接続されており、制御回路の制御によって電気エネルギを供給される。発熱素子18は、供給された電気エネルギを熱エネルギに変換するように構成されている。
【0056】
図3は、本開示に係る他の実施形態のカメラ30を示す図である。図3に示すカメラ30は、光学素子24に対する回路基板12上の発熱素子18、19の配置と、熱伝導素子38、39の配置が、図2に示すカメラ20と異なっている。図3によれば、2つの発熱素子18、19が、回路基板12の光学素子24に対向する面に取り付けられている。また、2つの熱伝導素子38、39は、リング状のハウジング内フランジ面210に取り付けられており、これにより、回路基板10とハウジング22とを、内部空間21において固定している。2つの発熱素子18、19は、少なくともその一部が、回路基板12から内部空間23に延出している。そして、内部空間23には、ネジ部250を介してねじ込まれる光学素子24が突き出ている。図3に示される実施形態によれば、熱伝導素子38、39は、内部空間23の円筒面と発熱素子18、19の側面との間に延びている。
【0057】
したがって、発熱素子18、19は、直接的な接触によって回路基板12を暖めると共に、熱の対流によって光学素子24、26を暖める。さらに、熱伝導素子38、39の上記構成によって、回路基板12とハウジング22の間に直接的な熱伝導が起こり、また、発熱素子18、19とハウジング22との間にも直接的な熱伝導が起こる。そして、熱伝導性を有するハウジング22は、この熱を光学素子24、26に伝達する。
【0058】
発熱素子18、19が作動すると、熱伝導素子38、39を介して、先ず、回路基板12とハウジング22が暖められる。さらに、回路基板12とハウジング22との間に設けられている熱伝導素子38、39によって、暖められた回路基板12とハウジング22との間に熱伝導が発生する。そして、暖められたハウジング22は、光学素子24とカバーガラス26の上の霜や結露を取り除くために、或いは、これらの部品の上に霜や結露が形成されるのを防止するために、光学素子24とカバーガラス26に対する熱の入力を生成する。また、ハウジング22と光学素子24の双方は、発熱素子18、19による熱対流に因っても暖められ得る。
【0059】
図4は、本開示に係る他の実施形態のカメラ40を示す図である。図4に示すカメラ40は、ハウジング22に内部空間21、23、25が設けられていることに加えて、内部空間21と内部空間23の内部に、段差をもつ円筒状の内部空間27が設けられる構成となっており、この点が図3に示すカメラ30と異なっている。また同様に、熱伝導素子48、49、58、59の構成もカメラ30と異なっている。
【0060】
つまり、ハウジング22は、リング状のハウジング内フランジ面210に加えて、フランジ面210に平行なリング状のハウジング内フランジ面270をさらに備えている。
【0061】
このような構成により、ハウジング22には、付加的な内部空間27が設けられることになり、発熱素子18、19の少なくとも一部は、この内部空間27に延出する。
【0062】
図1に既に示したように、熱伝導素子48、49は、ハウジング内フランジ面210において、回路基板12とハウジング22との間に直に設けられており、回路基板12の熱を直接ハウジング22に直接伝達する。一方、カメラ40には2つの熱伝導素子58、59が追加されている。熱伝導素子58、59は、ハウジング内フランジ面270に直に設けられ、発熱素子18、19とハウジング22とに接触しており、発熱素子18、19からの熱は直接ハウジング22に伝達される。
【0063】
図4に示す発熱素子18、19が作動すると、熱が回路基板12に直接伝達すると共に、熱伝導素子58、59を介してハウジング22の内部に伝達する。ハウジング22は、熱伝導素子48、49を介して回路基板12によってもさらに暖められ、また、熱対流により、直接発熱素子18、19によって暖められる。ハウジング22の中に導かれた熱エネルギは、光学素子24とカバーガラス26にその後伝達される。光学素子24とカバーガラス26は、熱対流により、直接発熱素子18、19によっても暖められる。
【0064】
図5は、本開示に係る他の実施形態のカメラ50を示す図である。図5に示すカメラ50は、光学素子24がハウジング22にねじ込まれるのではなく、回路基板10に直接取り付けられるという光学素子24の構成において、図1に示すカメラ20と異なっている。また、発熱素子18、19の数においても、カメラ20と異なっている。
【0065】
カメラ50には、発熱素子18、19に加えて、発熱素子18、19と反対側の面に、さらなる発熱素子68、69が設けられている。
【0066】
光学素子24は、撮像画像の鮮明さを調整するために焦点を調整することができる。このことは、図5の円周状の溝によって示されている。発熱素子68、69は光学素子24に接触しており、熱は光学素子68、69に直接伝達される。
【0067】
発熱素子18、19、58、59が作動すると、熱が直接回路基板12に伝達され、また、熱伝導素子28、29を介してハウジング22に伝達される。ハウジング22の左側の部分は、熱対流により、発熱素子18、19によって暖められる。さらに、発熱素子68、69は、光学素子24に直接熱を伝達すると共に、熱対流により、ハウジング22と、カバーガラス26の少なくとも一部に熱を伝達する。ハウジング22に導かれた熱は、その後カバーガラス26に伝達され、カバーガラス26を暖める。
【0068】
図6は、本開示に係る他の実施形態のカメラ60を示す図である。図6に示すカメラ60は、カバーガラス26が設けられていない点において図1に示すカメラ20と異なる。回路基板10、発熱素子18、19、及び熱伝導素子28、29の各構成は、図6図1とで、ほぼ同じである。カバーガラスが存在しないカメラ60では、暖める対象部品は光学素子24となるが、加熱方法の考え方は、図1に関して説明した考え方に対応する。
【0069】
図7は、本開示に係る他の実施形態のカメラ70を示す図である。図7に示すカメラ70は、回路基板グループが、2つの回路基板、即ち、第1の回路基板10と第2の回路基板80とを有している点において、前述したカメラ20乃至カメラ60と異なっている。第1の回路基板10と第2の回路基板80とは、電気接続手段82を介して接続されている。
【0070】
デジタル撮像ユニット16は、第1の回路基板10に取り付けられている。発熱素子18、19は、第2の回路基板80に取り付けられている。第2の回路基板80は、第1の回路基板10を基準とすると、ハウジング22内において光学素子24と反対側に配置されている。
【0071】
図7に示すハウジング22は、図4に示すハウジング22とほぼ同じであり、ハウジング内フランジ面210、270を有する内部空間21、23、25、27を備えている。第2の回路基板80は、図1の回路基板10と類似しており、熱伝導素子28、29を介してハウジング内フランジ面210に取り付けられている。一方、第1の回路基板10は、取付手段を介してハウジング内フランジ面270に取り付けられている。
【0072】
また、能動素子(能動回路、電気回路)84が第2の回路基板80が取り付けられており、少なくとも部分的にカメラ70の動作を制御している。他の実施形態においては、能動素子84は、例えば、回路基板グループ内の総てに回路基板に電気エネルギを供給する電源回路であってもよい。
【0073】
図7に示す実施形態において、第1の回路基板10の片面、或いは両面に追加的に発熱素子を設け、この発熱素子の熱を、ハウジング22、光学素子24及びカバーガラス26の少なくとも1つに伝達するようにしても良い。なお、第1の回路基板10に設けられるこれらの発熱素子の熱をハウジング22に効率よく伝達する熱伝導素子も、有利な効果をもたらす。
【0074】
図8は、カメラ10の概略図であり、この図では、ハウジング22が破線によって概略的に示されている。光学素子24は少なくともその一部がハウジング22の内部に配置されている。
【0075】
光軸17は、光学素子24とデジタル撮像ユニット16を通って延びている。デジタル撮像ユニット16は、第1の回路基板グループ11内の回路基板12の上に配置されている。第1の回路基板グループ11内のいくつかの回路基板12(図8では、3つの回路基板12を有する第1の回路基板グループ11が例示されている)には、カメラの直接の機能を実行するように構成された少なくとも1つの能動素子が設けられている。
【0076】
また、図8では、第2の回路基板グループ13が示されている。このグループにもいくつかの回路基板が設けられている(図8では、2つの回路基板12を有する第2の回路基板グループ13が例示されている)。第2の回路基板グループ13の回路基板は、カメラの二次的な機能を実行するように構成されている。
【0077】
第1の回路基板グループ11の回路基板12は、接続線15を介して、第2の回路基板グループ13の回路基板12と接続されている。接続線15は、例えば、第2の回路基板グループ13に電気エネルギを供給してもよい。
【0078】
なお、接続線15は任意的なものであり、無くともよい。この場合、第2の回路基板グループ13の回路基板12は、独立に作動されることになる。第1の回路基板グループ11の回路基板12のビデオデータは、出力線90を介して、カメラで撮像された画像を表示するためのディスプレイユニットに伝達される。
【0079】
前述した総ての実施形態において、光学素子24及びカバーガラス26の少なくとも1つは、ハウジング22内に導かれた発熱素子18、19、68、69の熱によって暖められ、これにより、光学素子24及びカバーガラス26の少なくとも1つの上に霜や結露が生成されるのを回避することができる。ここで、環境の気候条件に直接曝されるのは光学素子24やカバーガラス26であり、そしてこれらが暖められるべき部品であることに、再度留意すべきである。
【0080】
また、光学素子24やカバーガラス26の上に霜や結露が既に生じてしまった場合でも、導かれた熱によってこれらの霜や結露を取り除くことができる。さらに、発熱素子18、19、68、69により、光学素子24やカバーガラス26と、電子部品14やデジタル撮像ユニット16の両方を、霜や結露から保護することが可能であり、また、霜や結露を取り除くことも可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 回路基板(第1の回路基板)
11 第1の回路基板グループ
12 回路基板
13 第2の回路基板グループ
14 電子部品
15 接続線
16 デジタル撮像ユニット
17 光軸
18 発熱素子
19 発熱素子
20 カメラ
21 内部(内部空間)
22 ハウジング
23 内部(内部空間)
24 光学素子
25 内部(内部空間)
26 カバーガラス
27 内部(内部空間)
28 熱伝導素子
29 熱伝導素子
30 カメラ
38 熱伝導素子
39 熱伝導素子
40 カメラ
48 熱伝導素子
49 熱伝導素子
50 カメラ
58 熱伝導素子
59 熱伝導素子
60 カメラ
68 熱伝導素子
69 熱伝導素子
70 カメラ
80 第2の回路基板
82 接続手段
84 電気回路(能動素子、能動回路)
90 出力線
210 ハウジング内フランジ面
250 ネジ部
270 ハウジング内フランジ面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8