特許第5795460号(P5795460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795460
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム及びゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/422 20140101AFI20150928BHJP
   A63F 13/803 20140101ALI20150928BHJP
【FI】
   A63F13/422
   A63F13/803
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2009-51146(P2009-51146)
(22)【出願日】2009年3月4日
(65)【公開番号】特開2010-201035(P2010-201035A)
(43)【公開日】2010年9月16日
【審査請求日】2012年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】100092576
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 久男
(72)【発明者】
【氏名】石井 嘉明
【審査官】 植田 泰輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−153064(JP,A)
【文献】 特開2004−195002(JP,A)
【文献】 特開2000−233072(JP,A)
【文献】 F355 challenge,GAMEST No.268,株式会社新声社,1999年 7月15日,第14巻第25号通巻268号,P.10−11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示された仮想空間に設けられたコースを移動体が移動するゲームのゲームプログラムであって、
コンピュータは、
前記移動体の移動に関するアシストの種類であるアシスト種類ごとに前記アシスト種類を発動させる発動条件を対応付けて、異なるアシスト種類を複数記憶するアシスト記憶部を備えており、
前記コンピュータを、
プレイヤによる操作部からの操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段の操作に基づいて前記移動体を移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記移動体の移動状況又は前記操作手段が受け付けた前記操作部の操作に関する速度が、前記アシスト記憶部に記憶された複数の前記発動条件のうちの少なくとも1つを満たすか否かを判定する発動条件判定手段と、
前記発動条件判定手段により前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記アシスト記憶部を参照して、前記発動条件を満たした前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するアシスト実行手段と、
して機能させ、
前記アシスト実行手段を、前記発動条件判定手段により2以上の前記発動条件を同時に満たすと判定された場合には、前記2以上の発動条件に対応した前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するように機能させ、
前記複数の発動条件のうちの1つは、前記操作手段が受け付けた前記プレイヤによる前記操作部の操作に関する速度が、予め記憶された操作に関する適正速度の範囲を超えた場合であること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
表示画面に表示された仮想空間に設けられたコースを移動体が移動するゲームのゲームプログラムであって、
コンピュータは、
前記移動体の移動に関するアシストの種類であるアシスト種類ごとに前記アシスト種類を発動させる発動条件を対応付けて、異なるアシスト種類を複数記憶するアシスト記憶部を備えており、
前記コンピュータを、
プレイヤによる操作部からの操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段の操作に基づいて前記移動体を移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記移動体の移動状況が、前記アシスト記憶部に記憶された複数の前記発動条件のうちの少なくとも1つを満たすか否かを判定する発動条件判定手段と、
前記発動条件判定手段により前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記アシスト記憶部を参照して、前記発動条件を満たした前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するアシスト実行手段と、
して機能させ、
前記アシスト実行手段を、前記発動条件判定手段により2以上の前記発動条件を同時に満たすと判定された場合には、前記2以上の発動条件に対応した前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するように機能させ、
前記複数の発動条件のうちの1つは、前記仮想空間のコースの所定位置での前記移動体の移動速度と予め記憶された理想速度との差が所定以上である場合であること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
表示画面に表示された仮想空間に設けられたコースを移動体が移動するゲームのゲームプログラムであって、
コンピュータは、
前記移動体の移動に関するアシストの種類であるアシスト種類ごとに前記アシスト種類を発動させる発動条件を対応付けて、異なるアシスト種類を複数記憶するアシスト記憶部を備えており、
前記コンピュータを、
プレイヤによる操作部からの操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段の操作に基づいて前記移動体を移動させる移動手段と、
ゲームの進行度合いに応じて、前記アシスト記憶部に記憶された前記発動条件を満たしにくく変化させる手段と、
前記移動手段による前記移動体の移動状況が、前記アシスト記憶部に記憶された複数の前記発動条件のうちの少なくとも1つを満たすか否かを判定する発動条件判定手段と、
前記発動条件判定手段により前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記アシスト記憶部を参照して、前記発動条件を満たした前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するアシスト実行手段と、
して機能させ
前記アシスト実行手段を、前記発動条件判定手段により2以上の前記発動条件を同時に満たすと判定された場合には、前記2以上の発動条件に対応した前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記アシスト記憶部は、複数の前記アシスト種類の各々に複数の支援レベルを有し、前記移動状況又は前記操作手段が受け付けた前記操作部の操作に関する速度により前記支援レベルを判定するレベル条件を前記支援レベルに対応付けて記憶しており、
前記コンピュータを、前記発動条件判定手段により前記移動体の移動状況又は前記操作部の操作に関する速度が前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記発動条件を満たす前記移動状況又は前記操作部の操作に関する速度に基づいて前記アシスト記憶部に記憶された前記レベル条件から前記支援レベルを判定する支援レベル判定手段として機能させ、
前記アシスト実行手段を、前記アシスト種類を前記支援レベル判定手段により判定された前記支援レベルに設定して前記移動体に対して発動してアシストを実行するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
前記アシスト実行手段を、前記支援レベル判定手段により前記支援レベルが判定された場合に、判定された前記支援レベルに段階的に到達するように、前記移動体に対して前記アシスト種類を発動してアシストを実行するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のゲームプログラムにおいて、
前記支援レベル判定手段を、前記アシスト実行手段によりアシストが実行されている前記移動体の移動状況又は前記操作部の操作に関する速度に応じて、前記支援レベルを判定するように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記アシスト記憶部は、前記複数のアシスト種類の各々にアシストの解除条件を対応付けて記憶しており、
前記コンピュータを、
前記アシスト実行手段によりアシストが実行されている場合に、前記移動手段による前記移動体の移動状況又は前記操作手段が受け付けた前記操作部の操作に関する速度が、そのアシストに対応する前記アシスト記憶部に記憶されたアシストの解除条件を満たすか否かを判定する解除条件判定手段と、
前記解除条件判定手段によりアシストの解除条件を満たしたと判定されたことに応じて、そのアシストを解除するアシスト解除手段と、
して機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ゲームプログラムに従って処理を実行する制御部と、
プレイヤが操作する操作部と、
を備えるゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの操作により移動体を移動させるゲームのゲームプログラム及びゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライブゲームにおいて走行コースのコーナー攻略の達成感をプレイヤに与えるゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−66135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のゲーム装置は、走行コースのうちのコーナーにおいて、仮想車両が指定速度に近づくように、アクセルやブレーキからの入力に基づく加速度を補正するものであった。これは、コーナーの部分での加速度を常に指定速度に近づける1種類のアシストであり、単純なものであった。
【0005】
本発明の課題は、プレイヤのプレイ技量に応じて多面的に複数のアシストを実行するゲームプログラム及びゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
第1の発明は、表示画面(3)に表示された仮想空間に設けられたコースを移動体(C)が移動するゲームのゲームプログラム(31a)であって、コンピュータ(1)を、前記移動体の移動に関するアシストの種類であるアシスト種類に前記アシスト種類を発動させる発動条件を対応付けて複数記憶するアシスト記憶手段(32)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作手段(35)と、前記操作手段の操作に基づいて前記移動体を移動させる移動手段(21)と、前記移動手段による前記移動体の移動状況が、前記アシスト記憶手段に記憶された複数の前記発動条件のうちの少なくとも1つを満たすか否かを判定する発動条件判定手段(22)と、前記発動条件判定手段により前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記アシスト記憶手段を参照して、前記発動条件を満たした前記アシスト種類を前記移動体に対して発動してアシストを実行するアシスト実行手段(24)と、して機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第2の発明は、第1の発明のゲームプログラム(31a)において、前記アシスト記憶手段(32)を、複数の前記アシスト種類の各々に複数の支援レベルを有し、前記移動状況により前記支援レベルを判定するレベル条件を前記支援レベルに対応付けて記憶するように機能させ、前記コンピュータ(1)を、前記発動条件判定手段(22)により前記移動体(C)の移動状況が前記発動条件を満たすと判定された場合に、前記移動状況に基づいて前記アシスト記憶手段に記憶された前記レベル条件から前記支援レベルを判定する支援レベル判定手段(23)として機能させ、前記アシスト実行手段(24)を、前記アシスト種類を前記支援レベル判定手段により判定された前記支援レベルに設定して前記移動体に対して発動してアシストを実行するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第3の発明は、第2の発明のゲームプログラム(31a)において、前記アシスト実行手段(24)を、前記支援レベル判定手段(23)により前記支援レベルが判定された場合に、判定された前記支援レベルに段階的に到達するように、前記移動体(C)に対して前記アシスト種類を発動してアシストを実行するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明のゲームプログラム(31a)において、前記支援レベル判定手段(23)を、前記アシスト実行手段(24)によりアシストが実行されている前記移動体(C)の移動状況に応じて、前記支援レベルを判定するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのゲームプログラム(31a)において、前記アシスト記憶手段(32)を、前記複数のアシスト種類の各々にアシストの解除条件を対応付けて記憶するように機能させ、前記コンピュータ(1)を、前記アシスト実行手段(24)によりアシストが実行されている場合に、前記移動手段(21)による前記移動体(C)の移動状況が、そのアシストに対応する前記アシスト記憶手段に記憶されたアシストの解除条件を満たすか否かを判定する解除条件判定手段(25)と、前記解除条件判定手段によりアシストの解除条件を満たしたと判定されたことに応じて、そのアシストを解除するアシスト解除手段(26)と、して機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかのゲームプログラム(31a)において、前記発動条件判定手段(22)を、前記移動体(C)が前記仮想空間の障害物に衝突した場合、前記仮想空間のコースでの前記移動体の移動速度と予め記憶された理想速度との差が所定以上である場合、前記移動体の移動時間が所定の時間よりも長い場合のうちの少なくとも1つを満たした場合にアシストが必要であると判定するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかのゲームプログラム(31a)において、前記発動条件判定手段(22)を、前記プレイヤによる前記操作手段(35)の入力動作が所定の条件を満たす場合にアシストが必要であると判定するように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
【0008】
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかのゲームプログラム(31a)を記憶する記憶部(30)と、前記記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行する制御部(20)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作部(35)と、を備えるゲーム機(1)である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、移動体の移動状況が、アシスト記憶手段に記憶された複数のアシスト種類に対応する発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことで、そのアシスト種類を発動するので、発動条件を満たすアシスト種類の分だけ移動体に対するアシストを実行することができる。よって、プレイヤのプレイ技量に応じて多面的に複数のアシストを実行することができる。つまり、プレイ技量の低いプレイヤに対するプレイには、複数のアシストを実行することで上手にプレイできることを実感させることができるので、プレイヤをゲームの楽しさに目覚めさせることができる。他方、プレイ技量の高いプレイヤに対するプレイには、アシストを実行しないので、アシスト機能を用いることなくプレイヤ自身の技量でプレイを楽しませることができる。
【0010】
(2)本発明は、アシスト種類に支援レベルを有して、移動状況に基づいて支援レベルを決定するので、移動体の移動状況に応じてアシストのレベルを変化させることができる。よって、プレイヤのプレイ技量に対応した適切なアシストを実行でき、プレイヤは、自分のプレイ技量が向上したかのような錯覚に浸ることができ、満足感を得ることができる。
(3)本発明は、アシストのレベルを、段階的に到達するようにアシストを実行するので、プレイヤにアシストが実行されていることを感じさせないようにしつつ、適切なアシストを実行できる。よって、特にプレイ技量が低いプレイヤに、徐々に自分のプレイ技量が向上しているかのように思わせることができ、気分よくプレイをさせることができる。
【0011】
(4)本発明は、アシストが実行されている状態で支援レベルを判定するので、移動状況を監視し続けて判断する。よって、都度支援レベルを見直すことができ、常にプレイヤにとってベストなアシストを永続的に実行することができる。
(5)本発明は、アシストを実行中に、移動体の移動状況が、アシスト記憶手段に記憶された実行中のアシスト種類に対応する解除条件を満たすことで、そのアシスト種類のアシストを解除するので、プレイヤのプレイ技量の向上によって、アシストを解除することができる。よって、プレイヤのプレイ技量に応じてアシストを実行したり、解除したりすることができる。
【0012】
(6)本発明は、移動体が障害物へ衝突した場合、移動体の移動速度と理想の移動速度との差が所定以上の場合、移動体の移動時間と理想の移動時間との差が所定以上の場合に、アシストの発動条件とすることができる。よって、様々な移動体の移動状況からアシストを発動するか否かを判断できる。
(7)本発明は、プレイヤによる操作手段の入力動作として、例えば、急ハンドルによる運転操作や急ブレーキをかける等の所定の条件を満たす場合に、アシストの発動条件とすることができる。よって、様々なプレイヤの操作からアシストを発動するか否かを判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るゲーム機の外観を示す図である。
図2】本実施形態に係るゲーム機の機能ブロックを示す図である。
図3】本実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
図4】本実施形態に係るアシスト記憶部及び状況データ格納領域を示す図である。
図5】本実施形態に係る支援レベル設定処理のフローチャートである。
図6】本実施形態に係るモニタに表示されたプレイ画面及び状況データ格納領域の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るゲーム機1の外観を示す図である。
ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタに設置される大型の装置であり、プレイヤPが、カーレース等の運転シミュレーションに関するゲームを行うことが可能なビデオゲーム機である。ゲーム機1は、筐体2と、座部9とから構成される。筐体2は、モニタ3(表示画面)と、電飾4と、スピーカ5と、ペダル6と、ハンドル7と、コイン投入口8と、シフトレバー11とを備える。
【0015】
モニタ3は、筐体2の上部に、プレイヤPに対面するように配置されている。モニタ3は、プレイヤPが操作するレーシングカーC(移動体)の映像等のプレイ画面を表示する。
電飾4は、モニタ3の上方左右に配置されている。電飾4は、プレイヤPのプレイに応じて発光する。
スピーカ5は、モニタ3の上方中央に配置されている。スピーカ5は、プレイヤPのプレイに合わせて効果音等の音声を出力する。
【0016】
ペダル6は、筐体2の下方に配置されている。ペダル6は、アクセルペダル6a及びブレーキペダル6bを含み、プレイヤPからみて右から左にこの順番に配置されている。ペダル6は、プレイヤPが足で押下したり、押下した状態を解除したりすることで、レーシングカーCの移動速度を決定する操作入力装置である。
ハンドル7は、プレイヤPが手に握って回転させることで、レーシングカーCの移動方向を決定する操作入力装置である。ハンドル7は、モニタ3の下方中央であって、プレイヤPが座した際の胸の高さあたりの位置に配置されている。
【0017】
コイン投入口8は、ハンドル7の左方に配置されている。コイン投入口8は、プレイヤPにより所定のコインが投入されるコインの投入口であり、コインが投入されることで、プレイが開始される。
シフトレバー11は、ハンドル7の左方で、コイン投入口8の上方に配置されている。シフトレバー11は、プレイヤPが左手で握って操作することで、レーシングカーCのギアを変えるための操作入力装置である。
【0018】
座部9は、筐体2のモニタ3に対面するように配置されている。座部9は、プレイヤPがプレイを行う際に座るためのものであり、レーシングカーCの運転席をイメージしている。座部9には、サイドブレーキ10が設けられている。
サイドブレーキ10は、プレイヤPが座部9に座して、左手で操作ができる位置に配置された操作入力装置である。サイドブレーキ10は、プレイヤPが上方向に引き上げることで、レーシングカーCのタイヤをロックさせて、レーシングカーCの速度を急速に減速させる。また、サイドブレーキ10は、プレイヤPが上方に引き上げられた状態から元の位置に戻すことで、ブレーキの状態を解除する。
このように、プレイヤPは、モニタ3を見ながら、ペダル6、ハンドル7、サイドブレーキ10、シフトレバー11を操作することで、運転シミュレーションゲームを行うことができる。
【0019】
図2は、本実施形態に係るゲーム機1の機能ブロックを示す図である。
ゲーム機1は、図1で説明したモニタ3、電飾4、スピーカ5、コイン投入口8の他、制御部20、記憶部30、操作部35を備えており、その各々がバスライン19を介して接続されている。バスライン19は、ゲーム機1内でアドレス信号やデータを伝送するラインである。
【0020】
制御部20は、後述する記憶部30に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部20は、主な構成として、移動手段21、発動条件判定手段22、支援レベル判定手段23、アシスト実行手段24、解除条件判定手段25、アシスト解除手段26及び各種判定手段28を備えている。
移動手段21は、プレイヤPによる操作に基づいて、レーシングカーCを、仮想空間のコース上を走行するかのように移動させる制御部である。
発動条件判定手段22は、レーシングカーCの移動状況やプレイヤPの操作が、アシストを実行するための発動条件を満たすか否かを判定する制御部である。アシストとは、コース上をレーシングカーCが上手に走行できるように、プレイヤPによるレーシングカーCの操縦を援助することをいう。
【0021】
支援レベル判定手段23は、同じアシスト種類の中の複数の支援レベルから、レーシングカーCの移動状況やプレイヤPの操作に対応する支援レベルを判定する制御部である。
アシスト実行手段24は、発動条件を満たしたアシスト種類をレーシングカーCに対して発動して、アシストを実行する制御部である。
解除条件判定手段25は、アシストが実行されているレーシングカーCに対して、そのアシストの解除条件を満たすか否かを判定する制御部である。
アシスト解除手段26は、解除条件判定手段25によってアシストの解除条件を満たした場合に、そのアシストを解除する制御部である。
【0022】
各種判定手段28は、レーシングカーCの移動状況や、プレイヤPの操作等における各種判定を行う制御部である。
各種判定手段28は、衝突検知手段28A、速度判定手段28B、時間判定手段28C、操作判定手段28Dを有する。
衝突検知手段28Aは、レーシングカーCがコース上の障害物や他のレーシングカーに衝突したことを検知する制御部である。衝突検知手段28Aは、コースの座標や他のレーシングカーの座標と、レーシングカーCの座標との位置関係及びレーシングカーCの速度変化によって、コース上の障害物に衝突したか否かを検知する。例えば、衝突検知手段28Aは、コースの座標とレーシングカーCの座標とから、レーシングカーCがコースを外れたことを検知し、レーシングカーCの速度が急激に減速して停止状態になったことを検知することで、コースから外れて障害物に衝突したと判定する。
【0023】
速度判定手段28Bは、所定位置におけるレーシングカーCの速度と、理想速度との差が所定値以上であると判定する制御部である。記憶部30には、所定位置における理想速度が予め記憶されている。移動手段21によりレーシングカーCが移動して、所定位置に到達した場合に、速度判定手段28Bは、レーシングカーCの速度を計測する。そして、記憶部30の理想速度との差を算出する。
時間判定手段28Cは、所定の範囲における、レーシングカーCの移動時間と、理想時間との差が所定値以上であると判定する制御部である。記憶部30には、コース1周やコース上のある2地点間といった所定の範囲と、そこを通過する理想時間とが予め記憶されている。移動手段21によりレーシングカーCが移動して、所定の範囲を通過した場合に、時間判定手段28Cは、レーシングカーCの移動時間を計測する。そして、記憶部30の理想時間との差を算出する。
【0024】
操作判定手段28Dは、例えば、プレイヤPが急ハンドルをきったり、急ブレーキをかけたりして、操作部35のプレイヤPによる操作が雑である(入力動作が所定の条件を満たす)と判定する制御部である。記憶部30には、ハンドル7の操作やペダル6の操作等における適正範囲の速度が予め記憶されている。そして、プレイヤPによる操作部35の操作が行われるたびに、操作信号から、プレイヤPの操作の速度が記憶部30に記憶された適正範囲の速度内であるか否かを判定し、適正範囲の速度を超えた場合に、操作が雑であると判定する。
【0025】
記憶部30は、制御部20で実行されるゲームプログラム31aを記憶するプログラム記憶部31、アシスト記憶部32、状況データ格納領域33を備える。
記憶部30を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
ゲームプログラム31aは、レーシングカーCが移動するカーレースゲームを実行するプログラムである。ゲームプログラム31aは、レーシングカーCの移動状況に応じて、レーシングカーCを含む仮想空間の画像を生成して、モニタ3に出力するプログラムを含む。ゲームプログラム31aにより、制御部20は、電飾4による発光や、スピーカ5による音声出力等を適宜行う。
アシスト記憶部32及び状況データ格納領域33については、後述する。
【0026】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部30、制御部20等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
操作部35は、図1で説明したペダル6、ハンドル7、サイドブレーキ10、シフトレバー11の各操作入力装置を含み、プレイヤPがレーシングカーCの操作を行うための装置である。
【0027】
次に、ゲーム機1での処理について説明する。
図3は、本実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
図4は、本実施形態に係るアシスト記憶部32及び状況データ格納領域33を示す図である。
図5は、本実施形態に係る支援レベル設定処理のフローチャートである。
まず、図3において、制御部20は、コイン投入口8にコインが投入されたことで、プレイヤPにより決定された、コースや車種等の初期設定を受け付ける。また、制御部20は、記憶部30にアシスト状況データを記憶する領域として状況データ格納領域33を設定し、初期化した状態(領域の値を初期値「0」)にする。状況データ格納領域33は、後述するアシストを実行しているか否かを示す値を、アシスト種類ごとに格納する領域である。プレイ開始時点では、状況データ格納領域33は初期化されるので、アシストは実行されていない状態である。
【0028】
次に、ステップS1では、例えば、プレイヤPによりプレイ開始の指示がされたことにより、制御部20は、プレイを開始する。例えば、プレイヤPによりアクセルペダル6aが踏み込まれることで、制御部20(移動手段21)は、レーシングカーCの移動速度を速める。また、プレイヤPによりハンドル7が操作されることで、制御部20(移動手段21)は、レーシングカーCの移動方向を変更する。そして、制御部20は、レーシングカーCの移動に応じて、レーシングカーCを含む仮想空間の画像を生成してモニタ3に表示する。
ステップS2では、制御部20(発動条件判定手段22、各種判定手段28)は、レーシングカーCの移動状況やプレイヤPの操作(以下、レーシングカーCの移動状況等という。)を監視し、レーシングカーCに対するアシストの発動条件を満たすか否かを判断する。アシストの発動条件を満たすか否かは、レーシングカーCの移動状況等が、アシスト記憶部32の発動条件を満たすか否かにより判断できる。
【0029】
ここで、アシスト記憶部32について、図4に基づき説明する。
図4に示すアシスト記憶部32は、アシスト種類テーブル32Aと、支援レベルテーブル32Bとからなる。
アシスト種類テーブル32Aは、対応コード32A1と、アシスト種類32A2と、発動条件32A3と、解除条件32A4との各項目を有し、アシスト種類に対応する発動条件と解除条件とを記憶するテーブルである。
対応コード32A1には、次に説明する支援レベルテーブル32Bを対応付けるためのコードを格納する。
アシスト種類32A2には、レーシングカーCへのアシストの種類を格納する。例えば、「アンチロックブレーキアシスト」であれば、ブレーキロックを行わないようにするアシストである。また、「スタビリティアシスト」であれば、スピンアウトしないようにするアシストである。
【0030】
発動条件32A3には、アシストを発動するための条件を格納する。1つの種類のアシストの発動条件として、アシスト種類32A2が「スピード&ハンドルアシスト」である場合のように、複数の条件を設定してもよい。複数の条件を設定した場合には、それらのうちの1つでも満たせば発動するとしてよい。
解除条件32A4には、実行中のアシストを解除するための条件を設定する。解除条件として、複数の条件を設定した場合には、設定された解除条件の全てを満たすことで、アシストに対する解除を行うようにしてよい。
【0031】
他方、支援レベルテーブル32Bは、対応コード32B1と、支援レベル32B2と、レベル条件32B3との各項目を有し、レベルの設定が可能なアシスト種類に対する支援レベルとそのレベル条件とを記憶するテーブルである。
対応コード32B1には、アシスト種類テーブル32Aを対応付けるためのコードを格納する。例えば、対応コード32B1にアシスト種類テーブル32Aの対応コード32A1と同一のコードを付与することで、制御部20は、アシスト種類テーブル32Aと支援レベルテーブル32Bとの対応付けを行うことが可能になる。
支援レベル32B2には、複数の支援レベルの値を格納する。この例では、支援レベル32B2は、アシスト量の最大値が記憶部30に予め記憶されており、そのアシスト量に対する割合を格納している。
レベル条件32B3には、支援レベル32B2に対応するレベルを設定するための条件を格納する。
【0032】
図4の例では、アシスト種類テーブル32Aの対応コード32A1が「4」であるアシスト種類に対応する発動条件は、発動条件32A3により5種類の条件があることが分かる。また、アシスト種類テーブル32Aの対応コード32A1が「4」であるアシスト種類は、支援レベルテーブル32Bには、対応コード32B1が「4」であるものが存在するので、レベルが設定されている。さらに、支援レベルテーブル32Bの対応コード32B1が「4」であるレコードは、レベル条件32B3により5段階のレベル条件が設定されている。これらを用いて、アシスト種類テーブル32Aの5種類の発動条件のうち、条件を満たす数だけ、レベル条件のレベルを上げることが考えられる。例えば、アシスト種類テーブル32Aの対応コード32A1が「4」の発動条件は5つあるが、このうち3つの条件を満たす場合には、支援レベルテーブル32Bのレベル条件32B3を「レベル3」にする。
【0033】
制御部20(発動条件判定手段22)は、各種判定手段28により判定したレーシングカーCの移動状況等が、図4のアシスト種類テーブル32Aの発動条件32A3の条件を満たすか否かを判断する。例えば、アシスト種類が「スピード&ハンドルアシスト」の発動条件である「操作が煩雑」の場合は、操作判定手段28Dによる判定を受けて、発動条件判定手段22がアシストの発動条件を満たすか否かを判定する。
このように、ゲーム機1は、レーシングカーCの様々な移動状況からアシストの発動条件を判断できる。また、ゲーム機1は、プレイヤPの様々な操作の入力動作からアシストの発動条件を判断できる。
【0034】
図3のステップS2に戻って、発動条件を満たす場合(ステップS2:YES)には、制御部20は、処理をステップS3に移す。他方、発動条件を満たさない場合(ステップS2:NO)には、制御部20は、処理をステップS11に移す。
ステップS3では、制御部20は、記憶部30に記憶された状況データ格納領域33を参照して、発動条件を満たすアシスト種類が設定済みであるか否かを判断する。設定済みである場合(ステップS3:YES)には、制御部20は、処理をステップS5に移す。他方、設定されていない場合(ステップS3:NO)には、制御部20は、処理をステップS4に移す。
ステップS4では、制御部20(アシスト実行手段24)は、アシスト実行処理を行う。アシスト実行処理として、制御部20は、発動条件に合致しかつ発動がされていないアシスト種類を、レーシングカーCに対して発動する。そして、制御部20は、発動したアシスト種類に対応する状況データ格納領域33の位置の値を、発動中を示す値に更新する。
【0035】
ここで、状況データ格納領域33について、図4を用いて説明する。
状況データ格納領域33は、アシスト種類テーブル32Aの対応コードに対応する領域を有する。図4の例の場合、対応コードは4つであるので、状況データ格納領域33も、4つの領域を有している。そして、状況データ格納領域33の各々の領域には、アシスト種類テーブル32Aの対応コードに対応付けして、発動中であるか否か、発動中である場合であって、支援レベルを有するものの場合には、その支援レベルを示す値を格納する。対応コードが「1」から「3」のものは、支援レベルを有していないので、発動中でない場合には「0」を、発動中の場合には「1」を格納する。対応コードが「4」のものは、支援レベルを有しているので、発動中でない場合には「0」を、発動中の場合にはその発動中の支援レベルに対応するレベル条件の値である「1」から「5」のいずれかを格納する。
【0036】
図3に戻って、ステップS5では、制御部20は、発動条件を満たすアシスト種類が支援レベルを有しているか否かを判断する。支援レベルを有している場合(ステップS5:YES)には、制御部20は、処理をステップS6に処理を移す。他方、支援レベルを有していない場合(ステップS5:NO)には、制御部20は、処理をステップS21に移す。
ステップS6では、制御部20は、支援レベル設定処理を行う。その後、制御部20は、処理をステップS21に移す。
【0037】
ここで、支援レベル設定処理について、図5に基づき説明する。
図5のステップS101では、制御部20(支援レベル判定手段23)は、レーシングカーCの移動状況等から、アシスト記憶部32の支援レベルテーブル32B(図4)を参照してレベル条件を判定する。
ステップS102では、制御部20は、レベルkに判定したレベル条件の値を入力する。図4の支援レベルテーブル32Bの場合には、レベルkは、レベル1からレベル5までのうちのいずれかになる。レベルkは、記憶部30に記憶される。
ステップS103では、制御部20は、現在のレベル条件をレベルnとして、レベルnとレベルkとの差の絶対値が1より大であるか否かを判断する。現在のレベル条件は、状況データ格納領域33の所定の位置の値により認識できる。レベルnとレベルkとの差の絶対値が1より大である場合には、制御部20は、処理をステップS105に移す。他方、レベルnとレベルkとの差の絶対値が1以下であれば、制御部20は、処理をステップS104に移す。
【0038】
ステップS104では、制御部20(アシスト実行手段24)は、判定したレベルkを現在のレベルnにして、レベルnの支援レベルのアシストを発動する。つまり、状況データ格納領域33の所定の位置の値を、kの値に更新する。その後、制御部20は、本処理を終了する。
他方、ステップS105では、制御部20(アシスト実行手段24)は、現在のレベルnを、判定したレベルkになるように、段階的に(例えば、10秒ごとに)レベルnの値を1ずつ増やして(又は減らして)、レベルnの支援レベルのアシストを発動する。そして、制御部20(アシスト実行手段24)は、段階的にレベルを変更してレベルnとレベルkとの値が一致した場合には、本処理を終了する。
【0039】
このように、ゲーム機1は、アシスト種類テーブル32Aと支援レベルテーブル32Bとをアシスト記憶部32に有して、レーシングカーCの移動状況等に基づいて支援レベルを決定するので、レーシングカーCの移動状況等に応じてアシストのレベルを変化させることができる。また、ゲーム機1は、アシストのレベルを、段階的に到達するようにアシストを実行するので、プレイヤPにアシストが実行されていることを感じさせないようにしつつ、適切なアシストを実行できる。よって、ゲーム機1は、プレイヤPのプレイ技量に対応した適切なアシストを実行するので、プレイヤPに、自分のプレイ技量が向上したかのように錯覚させて、プレイの満足感を与えることができる。また、ゲーム機1は、段階的に支援レベルを変更することで、特にプレイ技量が低いプレイヤPには、徐々に自分のプレイ技量が向上しているかのように思わせることができ、気分よくプレイをさせることができる。
【0040】
図3に戻って、ステップS11では、制御部20(解除条件判定手段25)は、アシストを実行中か否かを判断する。アシストを実行中である場合(ステップS11:YES)には、制御部20は、処理をステップS12に移す。他方、アシストを実行中ではない場合(ステップS11:NO)には、制御部20は、処理をステップS21に移す。
ステップS12では、制御部20(解除条件判定手段25)は、レーシングカーCに対するアシストの解除条件を満たすか否かを判断する。アシストの解除条件を満たすか否かは、レーシングカーCの移動状況等が、アシスト記憶部32の解除条件を満たすか否かにより判断できる。解除条件を満たす場合(ステップS12:YES)には、制御部20は、処理をステップS13に移す。他方、解除条件を満たさない場合(ステップS12:NO)いは、制御部20は、処理をステップS21に移す。
【0041】
ステップS13では、制御部20(アシスト解除手段26)は、アシスト解除処理を行う。アシスト解除処理として、制御部20は、解除条件に合致しアシストが実行されているアシスト種類を、レーシングカーCに対して解除する。そして、制御部20は、状況データ格納領域33のアシスト種類に対応する位置の値を、発動中ではない値に更新する。
このように、ゲーム機1は、プレイヤPのプレイ技量に応じてアシストを実行し、プレイヤPのプレイ技量の向上によって、アシストを解除することができる。
【0042】
ステップS21では、制御部20は、プレイが終了したか否かを判断する。プレイが終了した場合(ステップS21:YES)には、制御部20は、処理をステップS22に移す。他方、プレイが終了していない場合(ステップS21:NO)には、制御部20は、処理をステップS2に移す。
ステップS22では、制御部20は、プレイ結果のモニタ3への表示等の終了処理を行い、その後、本処理を終了する。
【0043】
このように、ゲーム機1は、レーシングカーCの移動状況が、アシスト記憶部32に記憶された複数のアシスト種類に対応する発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことで、そのアシスト種類を発動するので、発動条件を満たすアシスト種類の分だけレーシングカーCに対するアシストを実行することができる。よって、プレイヤPのプレイ技量に応じて多面的に複数のアシストを実行することができる。
また、ゲーム機1は、アシストが実行されている状態で支援レベルを判定するので、移動状況を監視し続けて判断する。よって、都度支援レベルを見直すことができ、常にプレイヤPにとってベストなアシストを永続的に実行することができる。
【0044】
ここで、具体例に基づいて上述の処理を説明する。
図6は、本実施形態に係るモニタ3に表示されたプレイ画面及び状況データ格納領域33の例を示す図である。
図6(1)(a)は、レーシングカーCがスピンをしている態様を示す。図6(1)(b)は、図6(1)(a)の後に、レーシングカーCがコース脇の壁に激突した態様を示す。この場合、操作判定手段28Dが急ハンドルの操作があったことを判定する。また、衝突検知手段28Aが、レーシングカーCの位置と速度変化とから衝突を検知する。さらに、制御部20は、レーシングカーCの移動状況からスピンをしたことを判定する。
【0045】
この場合に、制御部20は、アシスト記憶部32を参照して、アシスト種類テーブル32Aのアシスト種類32A2が「スタビリティアシスト」と「スピード&ハンドルアシスト」とを発動する(図3のステップS2)。また、「スピード&ハンドルアシスト」では、発動条件32A3として、「障害物に衝突する」と「操作が煩雑」との2つの条件を満たすので、制御部20は、支援レベルテーブル32Bのレベル条件32B3が「レベル2」(k=2)の支援レベルのアシストを実行する(図3のステップS4)。
制御部20は、決定したアシストの状況は、図6(2)のように状況データ格納領域33に格納する。ここで、「スピード&ハンドルアシスト」に対応する領域には、レベル条件に対応する値である「2」を最終的に格納する。
その際、最初は、アシストが未実行(レベルn=0)であるため、「レベル1」の支援レベルのアシストから段階的に、「レベル2」の支援レベルのアシストになるように、アシストの実行を行う(図3のステップS6)。
【0046】
その後、アシストが実行されている状態でプレイヤPがレーシングカーCを操作して、例えば、「ラップタイムが基準より速くなった」場合(図3のステップS12:YES)には、「スタビリティアシスト」の解除条件を満たすので(図4参照)、この「スタビリティアシスト」を解除する(図3のステップS13)。
また、アシストが実行されている状態でプレイヤPがレーシングカーCを操作して、例えば、発動条件のうち「操作が煩雑」ではなくなった場合(図3のステップS2:YES、ステップS3:YES、ステップS5:YES)には、「スピード&ハンドルアシスト」の発動条件は1つのみになるので、支援レベルが「レベル2」から「レベル1」に変更される(図5のステップS101、S102、S104)。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0048】
(変形形態)
(1)本実施形態において、4種類のアシスト種類を有したアシスト種類テーブルを記憶する例を示したが、これに限定されない。その他のアシスト種類を有していてもよい。また、発動条件や解除条件も、本実施形態のものに限定されない。
【0049】
(2)本実施形態において、アシスト種類のうちの一部のものについて支援レベルを有するものの例を示したが、これに限定されない。例えば、アシスト種類のうち全てのものについて支援レベルを有していてもよい。
【0050】
(3)本実施形態において、アシスト種類の発動条件については、プレイにより一律である例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイが進行するにしたがって、発動条件をより厳しい、つまり、発動条件を満たしにくいものにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…ゲーム機、 3…モニタ、 6a…アクセルペダル、 6b…ブレーキペダル、 7…ハンドル、 20…制御部、 21…移動手段、 22…発動条件判定手段、 23…支援レベル判定手段、 24…アシスト実行手段、 25…解除条件判定手段、 26…アシスト解除手段、 28…各種判定手段、 30…記憶部、 31a…ゲームプログラム、 32…アシスト記憶部、 32A…アシスト種類テーブル、 32B…支援レベルテーブル、 33…状況データ格納領域、 35…操作部、 P…プレイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6